名文句100点をふりかえって

〜ちょっとした分析〜

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 はい、97年9月から始めました「SF名文句・迷文句集」もおかげさまで掲載100点を越えました。
 もともと、道を歩いていたときふと思いついた企画だったんです。年に1冊出るかでないかというカード作品のレビューではめったに更新しなくなるのは目に見えているし、「読後駄弁」を読む人はそういないだろうし…。
 今や「カード駄弁」よりもこちらを見に来られる方が多い状態。早川書房さん、角川書店さん、口惜しかったらカードの邦訳をもっとたくさん出すように。


 今回は、せっかくの節目ということで、これまでに掲載した100の名(迷)文句をいくつかの方向から集計してみました。
 まずはオーソドックスに、最多投稿者の発表です。これまでご投稿をいただいた39人のうち、一番多く投稿していただいたのは…

司書の駄弁者さん・16点

 …あんまり嬉しくないぞ。
 まあ、最初の方は自分しかいませんでしたし。
 今でも、投稿が少ないかな、と思ったときにストックの名文句を放出したりしています。更新されたときわたしのが掲載されていたら、「あ、名文句の投稿がないんでしぼんでるな」と思って間違いないです。純粋に紹介したくて載せるときも、当然ありますけどね。5集「キリンヤガ」からの名文句なんかはその一つです。
 出典については、読んでいるのがほとんど海外SFなので、そこからとることが多いですね。

 さて次点。こちらが真の最多投稿者です。

屋良一さん・9点

 主にマンガからの名文句が多いですね。「沈黙の艦隊」からという変わり種もありました。マンガについてはいま一つ疎い駄弁者にとっては、こういうのもあるのか、と驚くことがしばしば。

 屋良さんから1点差の3番目は、

EFFさん・8点

 SF小説は当然、他にもミステリ小説、マンガなど多方面からのご投稿。ロバート・F・ヤング出典の連続投稿というのもありました。投稿をいただいたのがきっかけで森博嗣「すべてがFになる」を読んだんですが、なかなか面白かったです。予想以上にSFしてましたし。

 次に多くいただいているのは、

まおさん・6点

 2集、3集で頻繁にご投稿いただいたあと、しばらく間があきましたが、最近はまた覗いていただいているようで、嬉しいです。品切れSFから連続で投稿をいただいたときは、実はコメントに苦慮しました。その後「スローバード」「へびつかい座〜」などは何とか入手して読んだのですが、マーティンだけが見つかりません…。

 そして最後に

踊るらいぶらりあんさん・5点

 アナログ世界でもお世話になってます。ご投稿は「十二国記」から「ソラリス」まで、さすがバラエティに富んでます。以前私が紹介したせいでティプトリーを読んでしまったとのこと。たいへん良いことですね。

 以下、Y嬢さん、SF初心者歴12年さん、guntechさん、ふみ台昇降さん、ピカピカチュー・Iさん、図書室のねーちゃんさんが各3点でした。


 次に日本/国外別に集計してみました。

日本・31点 国外・69点

 かなり外国SFからの出典が多いですね。日本の作品にはマンガ、アニメからのものも多くありますので、小説だけで較べるともっと差が開くと思われます。当サイトが外国作家をフィーチャーしているから、という事情もあるでしょうが…。
 がんばれ、日本SF!
 去年から今年にかけて、復刊や新刊が多く出ていることですし、これからだんだん変わってくるかも知れません。


 続いて媒体別。

小説・77点 マンガ・9点 映像・14点

 小説が圧倒的に多いのは、まあ当たり前かも知れません。むしろ、それ以外でこれほど投稿があったことの方が驚きです。映像作品がマンガより多いのは、マンガが日本からのみであることと、あとは駄弁者がトレッキーであることも影響しているでしょう(笑)。


 そして、これが一番注目度が高いかも知れませんが、出典の作家別集計です。
 同じ方から、同じ作家出典の複数の投稿があることも考えて、投稿者の数もつけました(カッコ内)。  かなり票が(<−いつから選挙になった?)割れている中で、圧倒的に多かったのが、誰もがみんな知っている、この御仁。

ロバート・A・ハインライン・10点(7人)

 みんな一度は読むんでしょうねえ。ビッグ3の残り2人がアシモフ3点(2人)、クラーク2点(2人)だったことを考えると、他を圧した普及度と人気ですね。それに、ハインラインの作品は警句や箴言をちりばめたものが多く、名文句が印象に残りやすい、ということもあるでしょう。 
 その点を考えると、クラークからの名文句が少ないのも、純粋な人気というより作品の傾向からだと思います。

 後続はかなり離れて、しかもダンゴ状態ですが、とりあえず一歩先んじているのが、彼、いや彼女。

ジェイムズ・ティプトリー・Jr・4点(4人)

 さすがは短編の名手、といったところでしょうか。ハインラインもそうですが、「品切れ重版未定」の作品が少なく、古くからのファンも最近読み始めた人も、同じく作品に接することができるというのが強みですね。
 なおロバート・F・ヤングも4点あるんですが、うち3点は同じ人からのご投稿。

そして、

オースン・スコット・カード・3点(3人)

コードウェイナー・スミス・3点(3人)

 なお、スミスからのうち1点はゼラズニィによるスミス評です。
 やっと出ました、カード。とはいえ、ここがカードのファンページでなかったら、投稿があったかどうか分かりませんね。まだまだ知られていない、しかし知ってもらいたい作家です。そりゃあ私がストック全開したら、別に1集作れるぐらいにはなりますが。私が投稿したのは「死者の代弁者」から1点ですが、この作品だけでもあと2つ3つはラクに思いつきます。

その他、複数の方からご投稿があったのは先に挙げたアシモフ、クラーク、ヤング以外では、小松左京、スタニスワフ・レム、エドガー・ライス・バロウズ、田中芳樹、ジョン・ヴァーリィ、ディヴィッド・ブリン、森岡浩之、フィリップ・K・ディックでした。

 ちなみに、作家別でなく作品別ですと、これは完全に割れてしまいました。同じ作品で複数のご投稿があったのはスタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」・2点(2人)のみ。


 最後になりましたが、これまで投稿していただいた方々、常連様も一見様も、たいへんありがとうございました。以下にお名前を掲載して感謝の意に代えさせていただきます。そして、これからもどうぞよろしくお願いします。

(掲載順)
山名田一秀様 Y嬢様 風(ふう)様 踊るらいぶらりあん様 太田裕二様 渡邉和也様 MASAAKI IOKA(井岡雅昭)様 高橋寿高(寿ゆうき)様 ケン様 溝口哲郎様 aye de sai様 早城菱人様 カタノ様 JUN様 まお様 H.Nagata様 まりちゃ様 SF初心者歴12年様 大熊健朗様 EFF様 屋良一様 guntech様 鈴様 遠藤サトチ(千里)様 奥山古倶様 ふみ台昇降様 伝道の犠牲者第1号様 NOP様 良兼様 ピカピカチュー・I様 図書室のねーちゃん様 鈴木力様 赤石太郎様 たけうま様 りんご様 ひさ様 米助様 やん様


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