おから君にSFを
〜あるいは卯の花味付け計画〜
それは、高校の学校図書館司書、踊るらいぶらりあんさんが掲示板「Da・Bench」によせたメッセージから始まりました。このごろ図書館に来る、ある高1の男子に勧めるSFはないか、と。
この1年生君、クラーク、アシモフなどの古典はすでに読了済み、単行本はダメ、田中芳樹は嫌い、コバルト・スーパーファンタジー系もダメ、とかなり偏食ぎみの困り者。本に飢えているのか、はたまた司書のお姉さん(ええと…まあいいでしょう、私と同い年なんだし)の気を引きたいのか、勧めた本は猛スピードで読みまくります。森岡浩之「星界の紋章」「〜戦記」5冊を1日でクリアし、栗本薫「グイン・サーガ」を10日で読破する、と豪語するしまつ。
読むだけ読んで、それについてのフィードバックがない「だし汁も調味料も吸うだけ吸って手応えのない『おから』、『卯の花』みたいな野郎」なので、さしもの踊るらいぶらりあんさんもネタ切れぎみ、とのことでした。
この「おから君」にどんなSFを勧めたらいいか、という話題で数日の間Da・Benchは開設以来の賑わいぶり。挙げられたSFはちょっとした数になりました。このまま過去ログに埋もれさせてしまうには、あまりにももったいない、ということで作ったのがこのリストです。
「おから君」に限らず、ビッグ3などの定番を読み終えた方々、次はこんなのいかがでしょうか?
まずはサボらず自力更正〜読書法・SFブックガイド〜
- 永江朗「不良のための読書術」(筑摩書房) …「ゴダール式読書法」
- 井家上隆幸「一年で600冊の本を読む法」(ひらく/ごま書房) …「読書の<ネットサーフィン>」
- 早川書房編集部編「SFハンドブック」(ハヤカワ文庫)
- 野田昌宏「SFを究めろ!この50冊」(ハヤカワ書房)
- 森下一仁「現代SF最前線」(双葉社) …一歩踏み込みたい人向け。
- 神月摩由璃「SF&ファンタジー・ガイド」(現代教養文庫) …入手難。
「星界」がいけるんだったら…〜日本SF/ライトノベル〜
- 梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」(ソノラマ文庫NEXT)
- 笹本祐一「彗星狩り」(上中下)(ソノラマ文庫)
- 高畑京一郎「タイムリープ」(電撃文庫)
- 秋山完の諸作品(いずれもソノラマ文庫)
- 「リバティ・ランドの鐘」
- 「ラストリーフの伝説」
- 「ペリペティアの福音」(上中下)
- 新木伸「星くず英雄伝」(電撃文庫)
- 「パンドラの乙女」
- 「宇宙樹の少女」
- 「ネットワークの聖女」
- 「銀河大戦の巫女たち」
- 「ひとかけらのレイディ」
- 伊吹秀明「エンジェルリンクス」(既刊4冊)(富士見ファンタジア文庫)
- 山本弘「サイバーナイト」(角川スニーカー文庫)
- 漂流・銀河中心星域(上下)
- ドキュメント戦士たちの肖像
- 地球帝国の野望
ビッグ3で満足するな〜翻訳SF〜
- ロイス・マクマスター・ビジョルド「戦士志願」(創元SF文庫)
- グレッグ・イーガン「順列都市」(上下)(ハヤカワ文庫)
- フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(ハヤカワ文庫)
- フィリップ・K・ディック「ユービック」(ハヤカワ文庫)
- オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」(ハヤカワ文庫)
- ジェイムズ・ティプトリー・Jr.「たったひとつの冴えたやりかた」(ハヤカワ文庫) …表紙が恥ずかしかったらカバーをかけて読みましょう
- ポール・アンダースン「百万年の船」(全3巻)
- バリントン・J・ベイリー「時間衝突」(創元SF文庫)
- スティーヴン・グールド「ジャンパー」(上下)(ハヤカワ文庫)
- E・E・スミス「レンズマン」シリーズ(創元推理文庫,創元SF文庫)
- 「銀河パトロール隊」
- 「グレー・レンズマン」
- 「第二段階レンズマン」
- 「レンズの子ら」
- 「ファースト・レンズマン」
- 「渦動破壊者」
- 「ドラゴン・レンズマン」(ディヴィッド・カイル著)
- 「リゲルのレンズマン」(ディヴィッド・カイル著)
- フレデリック・ポール「ゲイトウェイ」シリーズ(ハヤカワ文庫)
- 「ゲイトウェイ」
- 「ゲイトウェイ2〜蒼き事象の水平線の彼方〜」
- 「ゲイトウェイ3〜ヒーチー・ランデヴー」(上下)
- 「ゲイトウェイ4〜ヒーチー年代記」(上下)
- 「ゲイトウェイへの旅」
- ラリィ・ニーヴン「ノウン・スペース」シリーズ(ハヤカワ文庫)
- 「リングワールド」 …シリーズ全部読むならこれと「〜ふたたび」「〜玉座」を最後に読むことをお勧めします。
- 「リングワールドふたたび」
- 「中性子星」
- 「プロテクター」
- 「太陽系辺境空域」
- 「地球からの贈り物」
- 「プタヴの世界」
- 「リングワールドの玉座」(早川書房ハードカバー)
- ジェイムズ・P・ホーガン「ガニメアン」4部作(創元SF文庫)
- 「星を継ぐもの」
- 「ガニメデの優しい巨人」
- 「巨人たちの星」
- 「内なる宇宙」(上下)
- アン・マキャフリィ「歌う船」シリーズ(創元SF文庫)
- 「歌う船」
- 「蜜月旅行」(短編集「塔のなかの姫君」(ハヤカワ文庫)に収録)
- 「旅立つ船」(ラッキーとの共著)
- 「戦う都市」(上下)(スターリングとの共著)
- 「友なる船」(ボールとの共著)
- 「魔法の船」(ナイとの共著)
- 「伝説の船」(J・L・ナイ著)
- 「復讐の船」(S・M・スターリング著)
- コードウェイナー・スミス「人類補完機構」シリーズ(ハヤカワ文庫)
- 「鼠と竜のゲーム」
- 「ノーストリリア」 …これを最後に読むことをお勧めします。
- 「シェイヨルという名の星」
- 「第81Q戦争」
- フランク・ハーバート「デューン」シリーズ(ハヤカワ文庫) …「砂の惑星」以外は入手難。
- 「砂の惑星」(全4冊)
- 「砂漠の救世主」
- 「砂丘の子供たち」(全3冊)
- 「砂漠の神皇帝」(全3冊)
- 「砂漠の異端者」(全3冊)
- 「砂丘の大聖堂」(全3冊)
- マイケル・ムアコック「エルリック・サーガ」(ハヤカワ文庫)
- 「メルニボネの皇子」
- 「この世の彼方の海」
- 「白き狼の宿命」
- 「暁の女王マイシェラ」
- 「黒き剣の呪い」
- 「ストームブリンガー」
- 「真珠の砦」
- 「薔薇の復讐」
いっそ難しいやつを
- ジョージ・オーウェル「1984年」(ハヤカワ文庫)
- エフゲニー・ザミャーチン「われら」(岩波文庫)
- ミハイル・ブルガーコフ「犬の心臓」(河出書房新社)
- ガルシア=マルケス「百年の孤独」(新潮社)
- ウンベルト・エーコの諸作品
- 「薔薇の名前」(上下)(東京創元社)
- 「フーコーの振り子」(上下)(文春文庫)
- 「前日島」(文芸春秋社) など
文字ばかりでは芸がない〜マンガ〜
- 鶴田謙二の諸作品
- 「Watermark(ウオーターマーク)」(講談社)
- 「Spirit of Wonder(スピリット・オブ・ワンダー)」(講談社) など
- 星野之宣の諸作品
- 「2001夜物語」(中央公論新社)
- 「未来の二つの顔」(J・P・ホーガン原作)(講談社) など
- 宮崎駿の諸作品
- 萩尾望都の諸作品
- 「11人いる!」(小学館)
- 「百億の昼と千億の夜」(光瀬龍原作)(小学館,秋田書店) など
- 諸星大二郎の諸作品
- 竹宮恵子の諸作品
- 大友克洋の諸作品
- 楳図かずおの諸作品
- とり・みきの諸作品
- 「山の音」(筑摩書房)
- 「SF大将」(早川書房) など
- 伊東岳彦の諸作品
- 冬目景の諸作品
- 御米椎の諸作品
- やまむらはじめの諸作品
- 「エンブリヲン・ロード」(ワニブックス)
- 「クロッシングゲーム」(角川書店) など