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「とにかく我々の常識じゃ考えられない。あれはきっと、宇宙人か何かの仕業だね」
出典: 関沢新一・金城哲夫脚本・円谷一監督「ウルトラマン 第1話『ウルトラ作戦第一号』」
コメント:
『警察・自衛隊・対策本部の名珍言集』第13回。
科学特捜隊のハヤタ隊員が乗った小型ビートルの墜落現場に駆け付けた、埼玉県警の警察官とキャンプの青年たち。彼等の眼前で、ハヤタ隊員の遺体が光の球(実はこの光がウルトラマンだった)に包まれて宙に浮き上がった。次の瞬間、光の球は爆発して消滅する。その爆破音を聴いてやって来たムラマツ隊長、アラシ隊員、イデ隊員の三人。ムラマツ隊長が爆破音について一同に尋ねると、警察官も青年たちも自身の眼で見たとおりのことを話すしかなく、ただ茫然とした表情を返すばかりだった。上記の台詞は、その最後に警察官が吐いた締め括りの言葉である。これに対し、ムラマツ隊長もイデ隊員も「そんなバカな」とリアクションしている。
私は子供の頃、この場面を見て「台詞割りが逆ではないか」と思った。科特隊が「宇宙人の仕業かも」で、一般市民や現地警察が「そんなバカな」と……。しかし後年になって再見すると、やはりこれでいいのだということに気がついた。つまり、専門的な知識や経験値に乏しい一般の人々ほど不思議な現象に遭遇した場合、取り敢えず宇宙人や怪獣、心霊現象など、その人の価値観・宗教観・世界観で勝手に思い込んでしまう。しかし科特隊の様な専門家はむしろ「詳しく調査しない限り結論は出せない」という慎重なスタンスで、それが「そんなバカな」という台詞で表現されているのだろうと……。
ようするにこの上記投稿のお巡りさんの台詞、「科学特捜隊」という組織の性質をそれとなく視聴者に伝えるきっかけになっているのだった。
駄弁者:
慎重なスタンスに加えて、詳しく調査した結果によって「そんなバカな」を撤回できる柔軟さがあれば、『宇宙を継ぐもの』のダンチェッカー並の科学者になれるんでしょうけど……専門家になればなるほど難しそうです。