「ドッグウォーカー」


 カードが書くとサイバーパンクはこうなります、という実例。舞台といい、回想風一人称の語りといい、サイバーパンクの代表選手ギブスンを意識した作りになっている。もっとも、物語はしっかりカード印だが。
 主人公のグー・ボーイは悪ぶってはいるが結構いいヤツ。彼は相棒ドッグウォーカーとの友情のため、最後は命と引き替えにドッグウォーカーを廃人にした組織に復讐しようとする。そのあたりをナマヌルイと感じる人もいるだろう。しかしナマヌルさを温かさととれば、これあってこそのカードであるとも言える。
 恒例の冒頭もそんなカードらしい一節。外見は子どもにしか見えない(とはいえ、内面も本人が言うほど大人ではないと思うが)グー・ボーイと一緒にいるのをからかわれても、ドッグウォーカーは歯牙にもかけない。それ以後、グー・ボーイの行動の動機となった小さな挿話である。
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