「かわいい子」


 『エンダーのゲーム』映画化記念小特集の一環として掲載された小品。『エンダーのゲーム』で自分の名誉をけがされたとエンダーを憎み、ついには破滅するボンソー・マドリッド。彼がどうして「スペイン式の名誉」に固執するようになったのかが描かれている。
 親の溺愛が子供をゆがませるという、言ってしまえばありふれた話だが、その子供が親の意志に敏感な天才少年で、その少年の視点で損壊の過程を追う形をとることで、十分読ませる物語にしあがっている(しかしまあ、相変わらず主人公に対して鬼だなカード先生)。
 相変わらずと言えば、父親と子供の関係が主になるあたりもカードらしい点(父親が不倫するのも相変わらず(笑))。

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