駄弁者の駄弁

別に知りたくもないでしょうが、駄弁者自身のことについて。それだけだとあまりにつまらなさすぎるので雑記帳を付けます。
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司書の駄弁者
生 年:197X年
出 身:大阪府・なまりは多分一生ぬけない
現住所:岐阜県多治見市・職場が遠い
職 業:その名の通り。今年度は目録入力より図書館システムの仕事がキツそう。
趣 味:見ての通り。SF以外も読まなあかんなあ。

日々雑感2001年1月〜

 また久々に寄贈本ネタ。もっとも最近ここ更新してないんで、何を書いても久々ではある。
 美術関係の寄贈といえば、公立図書館の展覧会図録とか年報がメインになるのだが、なかには民間の画廊や芸術団体から贈られてくるものもある。これがまたどれも豪華版で、たまには買ったら5ケタいきそうなものも。この業界は不景気関係ないのか…?と思ってみたりもする。
 それはともかく、この日も大型本の画集が1セット贈られてきていた。見たってどうせ芸術の善し悪しなんぞ分からないのだが、一応ページをくってみると、間に紙が一片挟まっている。どうやらミスプリのお詫びらしいのだが…。
「…p××に掲載されている○○(作者)の「○×(題名)」が、右に90度回転した状態で掲載されておりました。…。」(うろ覚えなので、正確な文面は違っていたかも)
 要するにタテヨコ間違えて載せてしまったわけだ。作者の先生、怒っただろうなあ…。
 などと思いつつその作品をみてみたのだが、意味不明の図形や色が散らばっている抽象画で、向きが間違っているのかどうか、シロートの私にはさっぱり分からない。90度が180度でも同じことだろう。ひょっとして作者以外には分からないんじゃないか…? 図録の編集者が気の毒になってきた。
 回転した状態の方が好評価だったりしたら、大爆笑ものなんだが…。

(4/…忘れた)


 DASACON5へ。
 参加申し込みはしたものの、時期的に参加ができるかギリギリまで心許なかったのだが、人事異動もなく無事参加を果たせた(…春分の日は返上したけど)。
 5時過ぎに箱根湯本着。早めに来て箱根観光というのも考えたのだが、本番前にあんまり体力を使いたくないのでやめ。その代わりというわけでもないが、会場のますとみ旅館に着いてすぐに温泉へ。それにしても、開催直前に風呂に入れるオフ会とは、またオツですなあ…。
 大広間の準備が整うまで、広間と寝部屋の間をウロウロしているうちに、Okawa@風の十二方位さん、こじましゅういちさん、加藤隆史さんらと遭遇。私はOkawaさんとはDASACON4でもご一緒したし、こじまさん、加藤さんとは中部オフで顔合わせしているので、お馴染みの面々という気がしていたが、実のところOkawaさん−こじまさんはDASACON2以来1年半ぶりだし、Okawaさん−加藤さんにいたってはこれが初対面。加藤さんがページを開設した最初の頃にメールをくれたのがOkawaさんだったとか。そういえば、私のページに初めてメールをくれた山名田さんは、ご結婚以来まったく消息を伺いませんが、今頃どうなさっているのでしょう?
 そうこうしているうちに大広間の用意ができる。ついた席の近くには先ほどのお三方に加えてHasterさん、toraboさん(どちらもこじまさんの「掲示伴宙太」つながりの方である)のお姿も。
 DASACON総統u-kiさんの諸注意、乾杯のあと、恒例の参加者自己紹介へ。集合前に「今日手持ちの本があったら会場にもって来て下さい」とアナウンスがあったので、何をやるのかと思っていたら、自己紹介のときに所持本の紹介も、とのこと。初参加の方の中にはこれも恒例かと思われた方もいらっしゃったようだが、実はこれ、抜き打ちである。それでも大半の参加者が1冊2冊は何かしら持ってきているあたり、さすが読書人系オフ。私はというと、来る途中の新幹線で読了した「異色中国短編傑作大全」と帰り電車用のレズニック「パラダイス」。後者はともかく、「異色〜」はちょっとDASACONっぽくない本ではある。…こんなことなら「エンダーの子どもたち」でも持ってくるんだった。
 自己紹介が一回りした後は、近席の方々と雑談モードに突入する。加藤さん、Okawaさんらと「エンダーの子どもたち」の半ネタバレ談義。「子どもたち」のことを「椅子とりゲーム」と表現したのはナイス。さらにナイスだったのは加藤さんの「エンダーシリーズ」改題案。「子どもたち」を「エンダーの子ら」にして、前作を「銀河バトルスクール」「ファースト代弁者」「第二段階代弁者」、外伝(ないけど)を「三種族連合軍」にしたら、と。なんかエンダーの手にレンズがついて、ノヴィーニャ一家が「統一体」になりそうな題名。あの一家の統一体って、無茶苦茶チームワーク悪そうだ。
 「エンダーズ・シャドウ」の続編「The Shadow of the Hegemon」の訳題がどうなるだろう、という話も出た。そのまま訳せば「覇者の影」になるのだが、できれば「エンダーズ・シャドウ」と対になる題の方がよさそうだ。となると、「ヘゲモンズ・シャドウ」。しかし「ヘゲモン」という語がいまいち一般的じゃないし、かといって「覇者」の個人名をつけてしまうのもネタバレっぽいのがひっかかる。いっそ「エンダーズ・シャドウ2」?エンダー出てきそうにないけど。
 だが「エンダー」以上に盛り上がったのは大中国の偉大なる2足歩行ロボット
「先行者」の話題だった。ゴビ砂漠、地平線の向こうから足並みそろえて進軍する「先行者」一個大隊が、ざっと一斉に立ち止まりエネルギー充填、中華キャノン一斉射!…このイメージには一同爆笑。これできっと無敵だぞ、人民解放軍。軍隊としてなにか大切なものを失ってしまいそうな気もするが。
 食事が終わって膳を片づけている最中に、初顔合わせ(だったと思いますが)のえんどさんと、ちょっと宮城谷昌光の話題を。「異色〜」に収録されていた「指」は、要するに平凡な大臣が指テク一本で結構幸せな一生をおくる話ですよね〜。とか、彼の作品は長いのはちょっと説教臭くなりがちだったけど最近出た「沙中の回廊」はそうでもなかったので良かった、とか。  その後座り直してからは、RIKIさんとエンダー話の第2弾をしたり、bk1森山和道さんの話を伺ったり。図書館での本の購入について少し尋ねられたが、実は私は図書購入を担当したことがなく、あまりうまくお答えできなかった。不勉強を反省。
 となりの人の輪では北野勇作「かめくん」の話題がはずんでいたが、未読の私はそっちには加われず、こじまさん持参のVAIOで上映のM@Dビデオ大会に首を突っ込む。
 日付が変わって少し経ったぐらいに、寝部屋のひとつを使って「キャプテン・フューチャー」再放送第1回のビデオを上映するというので、覗きに行く。なんか動きがいかにも「昔のアニメ」で、おかしいやら懐かしいやら。デザインについては「こんなのコメット号じゃない!」という声もあったが、私はそれ以上にオットーのデザインに違和感が…。
 見終わっていったんは大部屋に戻ったが、すでにかなり眠かったので寝部屋に退却(たぶん2時過ぎ)。
 3、4時間ほど仮眠して、朝風呂入って、再び大広間へ。なんのかんのと話しているバックではTVがつけっぱなし(実はここでニュースを見るまで、芸予大地震のことを知らなかった)。そのうち「仮面ライダーアギト」やら「百獣戦隊ガオレンジャー」やらの時間帯に突入。「仮面ライダー」は何やらデコレーションが増えたなあ。一方戦隊ものは十年一日かと思っていたら…さりげなくすごいことになっていた。たまたま放映されていたエピソード、レンジャーの一人(男)がゲスト出演のおねえさんに恋してフラれてしまうのだが、それを見ていた別のレンジャー(男)「お前には俺がいるじゃないか!」
 そ、そういうことになってるんですか、最近の戦隊ものは!? 新しいファン層が開拓できそうだけど、いいのか、よい子のみなさんにこういうの見せといて…。
 少し後、阪上宏一さんからお声がかかる。次の日本SF大会「SF2001」で、参加者が同伴してきたお子さんを対象に絵本(当然SF系の話)のよみきかせなどをする企画があるのだが、そういう児童サービスの経験はあるか、とのことだった。残念なことに、またしても私は経験不足。よみきかせは何度かやったことはあるが、大して得手でもない。知人でやってくれそうな人がいたら話してみる、としか言えなかった。…もしこれを読んでいる方で興味のある方は(図書館の方でそうでない方も)、こちらをご覧下さい。
 そしてとうとうクロージング。u-ki総統の締めで解散の後、やはりOkawaさん加藤さん、こじまさんのメンバーで駅前の喫茶「ルノアール」へ。夏のDASACON会場になる水道橋の駅前にも同名の喫茶店があって、クロージングの後参加者がそこに群れ集うのが定番になっているのだが、まさか箱根でも同じとは…。
 サンドイッチをつまみつつ、ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」の話題や、岐阜のVRテクノセンターというのは、一体何をやっているところなのか、などけっこう色んな方向に話がとんだ。
 その後駅の土産物屋で職場への貢ぎ物を確保したあと、変える方向が別のOkawaさんとは別れ、残り3人連れ立って名古屋へ帰還。新幹線内では加藤さんと、井上祐美子の小説では何が面白いかとか、田中芳樹の「紅塵」は全然ダメとか、中国小説系の話が出る。田中芳樹といえば、加藤さんは「銀河英雄伝説」でラインハルトが薄紙にワインを滴らせて作戦説明をしたシーン(5巻ぐらいだな、確か)が変に思えてしようがないらしい。うーん、私はあの辺は素で読み流していたんだが。で、こじまさんは…あ、沈没してらっしゃる。
 そして昼過ぎに名古屋着。再会を期して解散、と。改めて書いてみると、長くなるもんだ。
 今回のDASACONはこれまでのような特別企画も古本オークションもなかったが、その代わりに他の参加者と話す機会は多かった。満足満足。

(3/24・25)


 最近はたいてい館のコンピュータ関係の仕事ばかりなのだが、たまには資料の目録入力もする。
 こんなことが気分転換になってしまう今の状態が、ちょっと悲しかったりもする。

 それはともかく、今私の前にあるのは4冊の絵本。絵柄は全く同一だが、書かれている言語が違う。つまりは同じ絵本の日本語版(原書)、英語版、ロシア語版、ハンガリー語版なのである。
 英語、ロシア語はいいとして、なんでまたハンガリー語!? 日本語版をパラパラめくってみる。
「……べつにフン族が出てくる話じゃないよなあ」
お前の頭の中ではまだゲルマン民族が大移動中なのか。

 しかし、ハンガリー語版のコンピュータ入力は、実は最大の難関ではないのである。ハンガリー語が分かるわけではないのだが、とりあえず日本語版や英語版とレイアウトを比較すれば、タイトルなどの書誌事項にあたるのがどれなのかはなんとか分かる。文字として使われているのは英語と同種のアルファベットなので、あとはそれを丸写しで入力しておけばいい。正確にはeの上にチョンがあったりするのだが、そういう補助記号はどのみち入力するフォントがないので省略。杜撰なやり方なのは分かってはいるが、私ではこのへんが限界である。
 問題はロシア語の方。ご存じの通りこれは使っているアルファベットが違う。だれか大学でロシア語やってた人はいないか〜と周りに聞いてみたが、そうそう都合のいい人はいらっしゃらないわけで。
 しかたがないので書架からロシア語辞典を持ってきて、表をたよりに一文字ずつ転記。…この文字を作ったキュリロスとかいう人は、きっと相当なひねくれ者だったに違いない。なんでまた「P」と書いたら「r」と読んで、逆立ち「N」が「i」なんだ!?
 結局この1冊を入力するのに40分近くかけてしまった。あらためて洋書担当者は大変だと思う。

(2/9)


 これまた久々にレファレンスの話題。
 4、50ぐらいのおじさんがやってきて、画集がみたいんだが、画家の名前が出てこないという。これはちょっと難しいぞ…と思っていると、先方は、その絵の特徴について説明しはじめた。
「丸顔の子どもをよく描いていて…、髪の毛の描き方がすごいきれいで…、NHKの受信料のCMに出てくる…」
 最後のでわかった。だが、私もカウンターの同僚も、名前を思い出せない。…つまりはコンピュータで検索できない。
 こうなるとあとは人海戦術。童画関係や絵本関係の本、イラストレーションの年鑑からダメもとで「NHK年鑑」まで浚えて、ようやく同僚が「中嶋潔」の名前とイラストを発見したのが、約1時間後である。お客さんもよく待っていたものだ。しかし残念なことに、かんじんの個人画集は貸出中。
 ああ、こんなときに菅浩江「博物館惑星」に出てくるコンピュータ「ムネーモシュネー」があったら、イメージ検索で一発なのに……。
 …それ以前に、人海戦術以外にうまい方法はなかったのか考えろよ。
(1/14)


 さて、昨日が仕事はじめだったのだが…久々に寄贈本の話でもしてみよう。
 皆さんはこの本のタイトルだけを見て、どんな内容を連想するだろうか。
  「アトム博士のマンガ教室」
 多分、鉄腕アトムが案内役で、マンガの描き方なんかを解説した本だと思うんじゃないだろうか。少なくとも、私はそう思った。
 しかし、そのわりには著編者は虫プロじゃないし、監修が阪大の名誉教授だし、表紙絵の顔はアトムでもウランでもヒゲオヤジでもない(髪型はお茶の水教授ふうだが…)。
 多分、発行元が「日本原子力文化振興事業団」だと知ったところで何となく内容が分かるんじゃないだろうか。少なくとも、私はそこで気がついた。
 そう、この本は単に原子力エネルギーのあれこれを絵入りで解説するだけのものである。…内容はしっかりしているので「だけ」といってはよくないのだが、タイトルがいかにもまぎらわしい。
 しかも、中のマンガ(というよりは挿絵)には表紙絵の博士がところどころで登場するのだが、どこにも彼の名が「アトム」だとは書いていない。…あ、ひょっとして人名じゃなくて、「原子」力の博士だから「アトム」博士なのか?
 原稿が出そろった後で発行サイドが題名を決めたのだろうが…。原子力の意義について広報するのは大切だが、事業団さん、ちょっとやり方がセコくはないですか?

(1/5)



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