SF名文句・迷文句第1集

2集や3集があるのか!?

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「わたしが消えてしまうためには、どうしたらいいか教えてちょうだい、クリス……」
 出典:スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」(飯田規和訳)

紹介 :踊るらいぶらりあん 様
HP :

コメント:
やった〜、記念すべき投稿20号!
ここんとこSF漬けになってて、いろいろ読んだから名文句ぐらいお茶の子よ……と思ったけど、意外と記憶に残ってない。 3週間で20冊弱、SFばっか読んだけど、ここに出てきていない名セリフを思い出すのは難しかった。 ま、駄弁者おすすめリストから選んで読んでるから、駄弁者好みの台詞回しが多いのは、当然と言えば当然か。 で、へそまがりの私としては、駄弁者が苦手とする本からひとつ出してみた。
自分の存在が相手に苦痛を与えるならば、相手の幸せのためにいっそ消えてしまいたい。 この「相手のために」というのがポイントなんであって、このセリフを吐いたがために、 私の頭の中で、「ハリー」は心を持つ、愛を知る、人間である。絶対に。

駄弁者:
   第1集のトリを飾るは東欧SFの代表作「ソラリスの陽のもとに」。この間のオールタイム・ベストでも第3位につけていましたね。
 私がこれを読んだのは高校生のときだったか、大学入りたてだったか。難解さと、終わり方にすっきりしないものを感じたせいで、苦手意識を持っています。読み返せば、また違った感想を持つかも知れませんが。
 でも、このセリフを言うハリーって、主人公クリスの無意識から、ソラリスの「海」がつくりだした存在ですよね。突き詰めて考えればこのハリーの言葉は、彼女ならこう言うだろう、こう言って欲しいというクリスの願望でしかないのかも知れません。言われたクリスは心動かされるとともに、深い自己嫌悪に陥ることだろう、と私は思ったのですが。



さいころを取り出した。
「ひとふりよ」 バーバラがいった。
「数の多い方が、彼を取るのよ」

出典:ポール・アンダースン「処女惑星」(訳者不明)

紹介 :MASAAKI IOKA (井岡 雅昭) 様
HP :
http://www.asahi-net.or.jp/~HH8M-IOK/

コメント:
最初に読んだのが高校生の時。
内容はほとんど忘れたが、この最後の せりふはずっと頭に残っている。主人公と いっしょに宇宙に飛び立つのははたして どっちの処女なのか。

駄弁者:
 「SF美術館」館長様からのご投稿です。掲載が遅れてすみません。
 話の脈絡はよくつかめませんが、何となくうらやましそうな状況だな〜と、私の助平根性がささやいています。
 この「処女惑星」、創元SFからの出版で、現在はもう品切れだそうです。どんな話だったんでしょうか?



「成功率なんて単なる目安だ。あとは勇気で補えばいい」
 出典:「勇者王ガオガイガー」

紹介 :渡邉和也 様
HP :なし

コメント:
ここ十年で最も熱いアニメの一つである「勇者王ガオガイガー」よりの出典です
ピンチに陥ったロボット。残された手段は最終合体「ファイナルフュージョン」しかない。
「成功率はゼロに限りなく近い」と答える博士に、長官が言った言葉がこれです。
ここまで、熱いセリフがかつて合ったでしょうか。
作品を決定付けた一言です。

駄弁者:
 うーん、最近アニメ見てないからなあ。申し訳ないことに存在自体知りませんでした。
 スーパーロボットもの(なんでしょうね、きっと)がSFかどうかについては異論も多いでしょう。私もちょっと考えましたが、募集ページの「SFの定義」にのっとるなら当然掲載すべきですね。
 もっともご投稿の文句自体について言えば、かなり嫌いな部類に入ります。出典を見てないので的外れな意見になるでしょうが…成功率を上げる手続きを怠った人間が、責任逃れか自暴自棄のために言いそうな言葉に聞こえますね。
 それにこれを言うのは実際には行動しない「長官」でしょう。私がパイロットだったら怒りますよ、失敗したら勇気が足りなかったせいだとでも言うつもりか、って。指揮官が口にするべき言葉じゃないと思うのですが。
 ま、私の意見は意見として、誰かがその言葉に心を動かされたのであれば、それは立派に名文句です。



「あんた……この、日本列島に恋をしていたのじゃな……」
 出典:小松左京「日本沈没」

紹介 :Y嬢 様
HP :
http://www.ggf.ilc.or.jp/~yamas/index.htm

コメント:
 日本沈没の予兆を見つけた学者が最後、脱出せずに日本と運命をともにする場面で、同じく残った老人に言われる言葉。このエピローグがあるから、パニックだけを単に楽しむ小説でなくなっていると思う。ここだけ何度読んでも涙してしまいます。日本人でよかったと思う一冊。
(第二部はどうなったんだあ) 

駄弁者:
 「日本沈没」最初に読んだのは中学生の時だったかな。正直言ってそのときはあまり良さが分かりませんでした。だいぶ時間がたって2回目に読んだとき、ああいいなと思ったものです。
 それにしても、第二部が予定されていたとは知りませんでした。日本人がユダヤのシオニズム運動みたいに第二の故郷を作ろうとする話になるはずだったのでしょうか。読んでみたいですが小松先生、もう「遺言」書いてしまったしなあ。



「We celebrate our Independence day!」
 出典:「インデペンデンス・デイ」

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 活字ばっかりでも何なので、一つ映像作品を出しましょう。
 パターンの王道をゆく展開と迫真のSFX技術で人気になった映画「インデペンデンス・デイ」より、大統領の演説のサビ。自らドッグファイトまでやってしまうこの大統領のカッコよさに思わずまいってしまった人も多いはず。私もなんだかんだと文句を付けながら、結局劇場で観たあともう一回ビデオを借りてます。「スターウォーズ」そのまんまのシーンもありますが、やはり見せ方は巧いですね。理屈抜きで楽しめます…というか理屈を抜かないと楽しめない作品です。
 自分の国の独立記念日を、人類全体の独立記念日だと言い切ってしまうゴーマンさも、ここまで無邪気に堂々とやられてしまうと腹も立ちません。笑ってしまうしかないでしょう。

追伸・もはやお馴染み「眉村卓ワンダーティールーム」のY店長がつくったパロディ狂歌、妙に気に入ってしまったので本人の了解を得て転載します。

   この星がいいねと君が言ったから7/4は独立記念日

うまい!



「これがたったひとつの冴えたやりかた。」
 出典:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「 たったひとつの冴えたやりかた」(浅倉久志訳)「たったひとつの冴えたやり方」に収録

紹介 :太田裕二 様
HP :
http://www.bekkoame.or.jp/ro/yujiota/

コメント:
 脳を食べつくす胞子の接触汚染を防ぐため、16歳の少女コーティーが船を太陽に突入させる時のセリフ。
 この前後の状況が、この一語に凝縮されていて、おもわずホロリときました。
 小説のタイトルにも使われているので、あえて投稿するのもなんだなと思いましたが、好きなセリフと言えばこれなので。

駄弁者:
 はい、98年度オールタイム・ベスト海外短編部門、堂々の一位作品からの名文句です。オールタイム短編は上位10作のうち3作がティプトリーでしたね。
 私がこの作品を読んだのは、実はつい最近。カバー絵でちょっと手にとる気が引けていました。とある先輩から「絶対にいい!」と言われて貸してもらったのですが…うん、確かにいい。中学か高校の頃に読んでいればもっと感動したでしょうね。



「いろいろ考えてみるに、われわれは死んだのだ、という見方がいちばん現実的である。いま、われわれがいるところは、死後の世界なのだ。重大発表おわり。食事にもどってよし」
 出典:神林長平「死して咲く花、実のある夢」

紹介 :踊るらいぶらりあん 様
HP :

コメント:
クジラのステーキ(しかも、空を泳いでいたのを撃ち落とした)を食べながら言うことかいな、と まずウケてしまった。
けっこう哲学的な物語で、難解と言えば難解だったが、この台詞をかました降旗(ふるはた)少尉のクールさと情報分析能力と優しさにはちょっとホレるものがある。私はこの人の友達にはなりたくないけど、この人の妻になってみたい。

駄弁者:
 なんだ、そんなことかいな。さて、メシだメシだ……ってムチャクチャ重大やんけ!
 こういうクールにボケるキャラクターは女性ファンが多いんですよね。スタトレのスポックとかデータとか、御手洗潔とか古畑任三郎とか…ちょっと違うか。
 神林長平の話は軽く読めるようで、実は結構難しいです。私は「敵は海賊」ものしか読んだことありませんが、あれもただのスペースオペラではありません。



「・・・本棚に並ぶ書物は、友人の一団だ−本というよりは、大陸間の距離を越え、何世紀という時間をこえて自分と会話をかわす男女の友人たちだ」
 出典:クリフォード・D・シマック「兄弟」(83年ころのSFM収録短篇)(谷口高夫訳)

紹介 :山名田 一秀 様
HP :
http://www2.mitani.co.jp/yamanada/kom/

コメント:
 おひさしぶりです。
むかしつけてた名文録ノートより。
ん〜本好きなひとなら、うんうんそうだよねって思うでしょ。
(本編の主人公は本が大好きで自分でも小説書いてるじいさんで、かなりシマックの本音と願いが入っている感じ。自分の作品はほかの本ほど長い生命はないだろうけど、100年後のある日誰かが古本屋で目に止まって、気に入ってもらえたら。て、そしてまた別の人へ・・・って夢想したりしてる。もう逝っちゃったのかなシマック。大丈夫あなたの本はまだ生きてるぞ。大切な友人だ)

駄弁者:
 シマックといえば「中継ステーション」などの長編で知っていますが、短編もいいものがあるんですね。確かに私も「うんうんそうだよね」のクチです。ただ、このところ友人を増やしすぎてつきあいに難渋していますが。
 この「兄弟」は新井素子「絶句…」のシマック版といった感じの短編だそうです。どっちも読んでない…。



「あなたはもう結末を知っている――」
 出典:コードウェイナー・スミス「クラウン・タウンの死婦人」(伊藤典夫訳)「シェイヨルという名の星」に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 コードウェイナー・スミス「人類補完機構」シリーズのうちの1作、その最初の一節。これ一つでただの物語が宇宙の歴史を飾るエピソードであるかのように感じられる、技ありの冒頭です。ただ、その「結末」となる短編「帰らぬク・メルのバラッド」は、原書では「クラウン〜」より先に書かれ、読者は実際にも「もう結末を知っている」ことになるのですが、邦訳では収録の順が逆になっているので少し戸惑ってしまうのが残念です。
 ついでながら、わたしは人類補完機構ものでは、この「クラウン・タウンの死婦人」より「黄金の船が――おお!おお!おお!」や「シェイヨルという名の星」が好きなのですが。
 例のアニメの影響で「人類補完機構」は復刊され、未訳だったものまで出版されたのですが、「エヴァ」から知ってこのシリーズを読んだ人は当てが外れるんじゃないでしょうか。汎用人型決戦兵器は出てきませんし…。もし、本当にこの「人類補完機構」を元ネタに作品を作ったのなら、見てみたいものです。



「おもしろくないですか?」
 出典:ロバート・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」(矢野徹訳)

紹介 :踊るらいぶらりあん 様
HP :

コメント:
大学時代、SFに暗い私に、SF好きの友人が貸してくれたのがこの本。機械がすげー冗談をこき、 しかも人間に向かってウケたかどうか尋ねるくだりには笑った。
物語の内容はすっかり忘れたが、この台詞だけは覚えている。 投稿するにあたり、3年ぶりに読み返した。
思えば、これを最初に読んだ頃、 最低でも機械が人間と会話できるぐらいまで発達するまでは パソコンなんていじるものか、と思っていたもんだがなぁ。

駄弁者:
 一風変わった月独立もの「月は無慈悲な夜の女王」から。月の中央コンピュータ”マイク”がジョークで清掃員に10の16乗プラス185.15連邦ドルを給料に支払ったときのセリフですね。私もこの作品は好きです。
 人間と会話できるようになるまで待ってたら、一生コンピュータ触れませんよ。…いや、そうとも限らないか。



「一日に五回というのは地球時間で五回と言うことなので、宇宙船が速度を上げると、…(中略)…一日に百二十回祈ることになる」
 出典:ロバート・J・ソウヤー「ゴールデン・フリース」(内田昌之訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 イスラムを信仰する学者が亜光速宇宙船に乗れなかった理由。言うまでもないことですが、イスラム教徒は一日五回、メッカに向かって礼拝しなければなりません。そしてこれまた言うまでもないことですが、光速に近いスピードで動いている宇宙船の船内では時間の流れが遅くなってしまいます。ということは……上のようなことになってしまうのです。
 ソウヤーの作品はテーマもいいのですが、話の流れにあまり関係のない小ネタがどれも面白いです。この「ゴールデン・フリース」はソウヤーの処女長編で、わたしは話題になった「さよならダイノサウルス」よりこっちが好きです。どうして品切れになってしまったのかなあ…。



「地球人はよく神の名を口にするけど、本当に信じていると思うか、とわたし、尋ねたんです。…」
「なんと言ったかね?」
「自分たちが造り出したものなら信じるはずだ、って」

 出典:ジェイムズ・P・ホーガン「ガニメデの優しい巨人」(池央耿訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 「ガニメアン」3部作、異星人ガニメアンの会話より。ガニメアンたちは、地球人の急速な発展はその攻撃本能が建設的な面で発揮された結果だと見ており、それを讃歎しています(ガニメアン自身は草食動物から進化した種族で、攻撃本能を持ち合わせていません)。このセリフも地球人の積極性にたいする賛辞のひとつです。このシリーズでは異星人たちが繰り返し地球人のことを感心してくれて、自尊心を満足させてくれます。しかし…ガニメアンが褒めてくれてるのは、地球人全体というより結局アメリカ人についてなんですね。彼らが言っている地球人の特性というのは、アメリカ人が理想とするフロンティア・スピリットに他なりません。
 ホーガンの作品は面白いものが多いし、ガニメアン3部作、とくにその1作目「星を継ぐ者」は傑作と言ってもいいと思いますが、シリーズが進むにつれ、あまりに「自由主義万歳、アメリカ偉い」のスタンスが鼻につくようなるのが残念です。



「恐れてはならぬ。恐怖は心を殺すもの。恐怖はすべてに忘却をもたらす小さな死・・・」
 出典:フランク・ハーバート「デューン」シリーズ(矢野徹訳)

紹介 :風(ふう) 様
HP :

コメント:
この文句は「恐怖」の部分を悲しみとか憎しみとかにも置き換えられるような気がします。
デューンの中にはこの他にもなるほどと思わせる名文句がいろいろあります。
(そう言えば昔の挿し絵が石森章太郎だったなんて余り知られていないかもしれません。)

駄弁者:
そうですね、わたしが持ってるのも「砂の惑星」は映画の写真だし、「〜救世主」「子供たち」は加藤直之の挿し絵 です。石森「デューン」は結構レアかも知れません。
「デューン」を読んだのは高校の頃だったと思います。映画になった作品だから軽く読み流せると思っていたら、意外や、哲学的とまで言えるほどの読みごたえ。正直読んでいて疲れてしまったおぼえがあります。映画の方は見ていないのですが、出来はよかったのでしょうか?アクションシーンに流れてしまうと作品の味を損なうと思うのですが。
 そういえば映画のガーニィ・ハレックはパトリック・スチュアート(スタートレックのピカード艦長)が演じていたとか。



「いま、よろしいですか」
 出典:眉村卓「司政官」シリーズ

紹介 :Y嬢 様
HP :
http://www.ggf.ilc.or.jp/~yamas/index.htm

コメント:
 せっかくなので「やっぱりね」というネタも一つ。
 ロボット官僚の決まり文句。
 アンドロイドでないのに、こんなに丁寧な口を利くロボットを初めて見た。職場で上司に書類を出すときつい、こう言ってしまう(^ ^;)

駄弁者:
 来ましたね「ワンダー・ティールーム」。企業・法人のワークステーションにSQ1、一家に一台SQ2A(姉妹品として別荘仕様のSQ2Dも取りそろえております)。なんか読んでない人には意味不明の文章…。興味のある方は眉村卓「司政官」を読んで、その後YさんのHP「眉村卓ワンダーティールーム」に行きましょう。
 丁寧な口を利くって、そりゃそうプログラムされているだけなんじゃないでしょうか?それとも無能な司政官に対してはSQ1の口調がだんだんと変わってくるようにセットされているとか…。で、それを巡察官にチェックされる、と。



「竜騎士は飛ばねばならぬ、空に糸胞のある限り」
 出典:アン・マキャフリイ「パーンの竜騎士」シリーズ

紹介 :Y嬢 様
HP :
http://www.ggf.ilc.or.jp/~yamas/index.htm

コメント:
 「そこに山があるから」ってか。マキャフリーの世界作りが目的を持ってされていることが伺えて安心できます。(意味もなく騎士とか魔法使いが出てくると私は困る)

駄弁者:
 最近、こってますね。わたしも「パーンの竜騎士」は読んだことあるのですが、だいぶ前です。あの竜みたいなパートナー、1匹(頭、羽?よもや台ってことはないか)欲しいですね。置き場所に困りますが。



「時によってはだれだって、みんないってしまえばいいってねがうのさ。…わたしが言いたいのはね、たとえわたしがきみに行ってしまえと言っているときでも、きみは行ってしまわなくていい、ということなんだ」
 出典:オースン・スコット・カード「死者の代弁者」(塚本淳一訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 やはりカードからもひとつ出しておきましょう。ちと長いですが、「死者の代弁者」の中でも私が一番好きなセリフです。異星人類学者ピポが、孤独だった少女ノヴィーニャにむかっての言葉。いっぺん誰かに言ってみたいセリフでもありますが、しかし白髪のおじいさんが孫のような年代の娘にいうならサマになりますが、若造が口にするとただキザなだけですね。それと、もうちょっとこの生硬な訳はなんとかならないものでしょうか。くどすぎて味わいが半減です。



「夢であろうと現実であろうと経験の重みにかわりはない、ちがうか」「至言だな」
 出典:マイクル・ムアコック「この世の彼方の海」(井辻朱美 訳)

紹介 :山名田 一秀 様
HP :
http://www2.mitani.co.jp/yamanada/kom/

コメント:
 これですよこれ。
 出典がSFかファンタスィかという議論はおいといて(まぁ、ハヤカワSF文庫だからおまけしてください)、 個人的には、ひとにSF読んでるから「現実逃避だ」みたいな事言われると、この科白を言い返すのであった。  でも科白自体はあんまりSFしてないか。
 だめですか。

駄弁者:
 栄えあるご投稿一番乗りです。全ッ然、だめじゃないですよ。いい言葉です。SF読んで身につけた知恵・知識からといって、それだけで他から得たものと差が出るなんてことは絶対ないのですから。もっとも私はSF読んで現実逃避したっていっこうに構わないと思います。しんどいときはいったん退却して、また戻ってくりゃいいんですから。「現実逃避」と言われたところで「それがどうした」ってなものです。
 しかし、ムアコックはまだ読んだことないんです(たしか、エルリック・サーガの人でしたよね)。いい本があったら紹介して下さい。



「…あなたの支配するシステムからつくりだされた私です。実験体であり、アンドロイドです。でも、見て下さい!」
 出典:竹宮恵子原作「地球(テラ)へ…」

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント
 マンガ・アニメからもひとつ挙げておきましょう、ちょっと古いですが。人間が人工授精で誕生する社会体制とそこで迫害される超能力者ミュウたちを描いた「地球へ…」です。原作はマンガですがアニメ映画化もされました、両方見ましたがラストに至るまでの展開はマンガ、ラストだけは映画の方が良かったですね。
 採用の名文句は映画から。主人公のライバル役キース・アニアンが忠実に従っていたコンピュータに最初で最後の反抗をするシーンです。主人公のジョミーより彼の方が人気があるんじゃないでしょうか。
 映画「地球へ…」(1980)は声優陣が豪華でした。秋吉久美子に薬師丸ひろ子、涅槃で待ってる沖雅也(彼がキース)、マザーコンピュータの声は岸田今日子という顔ぶれ。「もののけ姫」もびっくりです。
 豪華と言えば、映画のノヴェライズはソノラマ文庫から出ているのですが著者は「宇宙皇子」の藤川桂介。今考えると豪華ですね。持っていたソノラマ文庫はほとんど棄ててしまったのですが、これだけまだ置いてあります。



「…ドアというドアをためせば、そのうちのひとつは夏へとつながっている…」
 出典:R・A・ハインライン「夏への扉」(福島正実訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント
 SFというジャンルをこえた名作、「夏への扉」ラストの一節です。最後の二文のためだけにでも、この話は読む価値があります。願望充足的、脳天気な展開だろうと、主人公がメカフェチのロリコンのネコマニアだろうと、読後の爽やかさは文句なしです。もっとも歳くってから読むと、さすがに面はゆいものがありますが…。
 残念ながらこの「夏への扉」が手元にないので、紹介は記憶に頼っています。間違えてたら教えて下さい。



「IDIC(無限多様無限調和)」
 出典:スタートレック(宇宙大作戦)」

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント
 この企画を考えついたときから一番はスタートレックで決めようと思っていました。実は私、小学生の頃からのトレッカーだったりします。スタートレックと言えばプロローグのあれがまず思い浮かぶのですが、有名なので他の人に譲ります(だから誰かフォームに書いて下さいね)。
 この「IDIC」はST全編に通じる合い言葉であり、理念です。テレビで真正面からこの言葉が発せられることは少ないですが…。しかし、何とスケールの大きな言葉ではありませんか。「多様」だけ尊重すると無秩序につながり、「調和」のみ追求すると画一主義に陥りかねない。二つ揃ってはじめて名言になります。



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