そ、そんな目で見るな~! 事故なのだ!
紹介 :匿名希望 様 → 第159集へ
シオドア・スタージョンという古代のSF作家がいるんだが、わたしは彼のを読むたびにいつも胸が張り裂けるような感じを覚える。彼は、わたしがかつて見たような、窓に映るあらゆる光の閃き、スクリーンドアに映るあらゆる葉叢などを見たことがあるようだし、また私がかつてしたようなこと、ギターを弾くことから、二、三週間をテキサスのアーカンソー水路の船上で過ごすことまで、あらゆることをしたことがあるようだ。しかもそうしながらも、彼は小説を書いていたんだろうし、それも四千年前のことなのだ。
出典:
サミュエル・R・ディレイニー「エンパイア・スター」(米村秀雄訳)
紹介 :TWR 様
HP :
コメント:
はるか未来、衛星リスにすむコメット・ジョーはふとした事故から、「帝国」を揺るがすメッセージの運び手に巻き込まれ、「エンパイア・スター」に向かう。途上、彼によく似た詩人「ニ・タイ・リー」を評した言葉。ニ・タイ・リーはそんなタイプだと。
この作品が書かれたのが66年、スタージョンは存命でしたが、ここまであからさまな賛辞をどう受け取ったのか、興味深いところです。
しかし、高い古本だった。
駄弁者:
彼の名が4千年後にも知られていることよりも、「SF作家」という言葉が通用しているらしいことが、驚きだったりします。
日本では一時期新刊を入手可能なのが「人間以上」だけ(よくてプラス「夢見る宝石」)だったりしましたから、4千年後の彼らより作品に触れる機会が少なかったかも。私にしても、短編をまとめて読んだのは「復活」以後でした。
>高い古本だった。
サンリオSF文庫は概して高値ですが、ディレイニーのは特にそんな気がします(高いだけの価値もあるんでしょうが)。私も古本屋で「時は準宝石の螺旋のように」を見かけて手に取ったのですが、ウン千円の値に踏ん切りがつかず…。
それでも、下の「草迷宮」ほどではないか。