読後駄弁
2005年読後駄弁1月〜2月


・谷甲州「パンドラ」(上下),早川書房,2004.12
 最初、進化論・環境テーマを期待したが、話はそちらに向かわず日米中国の内輪もめや宇宙戦争のリアルさで読ませる話に。これはこれで面白かったけど、ちょっとあて外れ。

・コニー・ウィリス「航路」(上下),ヴィレッジブックス,2004.12
 コニー・ウィリスはやっぱり物語が巧い。しかしこの人の話は、どうしてこう登場人物の皆が皆、目当ての人に出会うのに苦労してばかりなのか。…などと思って読んでいたのだが、出会ってメッセージを届けること…それこそが物語の核心。傑作でした。

・トマス・M・ディッシュ「アジアの岸辺」,国書刊行会,2004.12


・金文京「中国の歴史04・三国志の世界」,講談社,2005.1


・菅浩江「五人姉妹」,ハヤカワ文庫,2005.1


・アンソニー・リード「大航海時代の東南アジア」(I・II),法政大学出版局,2002.3
 最後の方は気力が尽きかけで走り読みに…。土地の争奪戦より労働力の争奪戦になるという西欧との戦争観の違いなんかが解説されているあたりが面白かった。

・川本芳昭「中国の歴史05・中華の崩壊と拡大」,講談社,2005.2


・クリストファー・プリースト「魔法」,ハヤカワ文庫,2005.1
 最初メロドラマっぽい話だったものが、読み進むにつれ奇妙な世界へと展開していく。そしてラストで、途中「こうかな?」とたてた予想をことごとく外されてしまい、幻惑されたまま終了。混乱の感覚そのものを楽しむような読み方になったのだが、もっと読みこなす力のある人には別の楽しみ方もあるのかも。

先頭に戻る
2004年11月〜12月の駄弁を読む  2005年3月〜4月の駄弁を読む
タイトルインデックスに戻る ALL F&SF 歴史・歴史小説 その他