駄弁者の駄弁

別に知りたくもないでしょうが、駄弁者自身のことについて。それだけだとあまりにつまらなさすぎるので雑記帳を付けます。
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司書の駄弁者
生 年:197X年
出 身:大阪府・なまりは多分一生ぬけない
現住所:岐阜県多治見市・職場が遠い
職 業:その名の通り。今年は寄贈資料をひたすらコンピュータ入力。
趣 味:見ての通り。SF以外も読まなあかんなあ。

日々雑感2000年1月〜6月

 蔵書点検明けの日曜日ということで、さすがに今日は盛況である。こういうときに限って、私は左腕使用禁止だし…。貸出と利用者登録の仕事がほとんどで、時間のかかるレファンレンスが少なかったのは、せめてもの幸いか。
 左腕を三角巾でつってカウンターに立っているのだが、閲覧席で声高におしゃべりしている利用者に注意するときなど、普段よりこっちの言うことをよく聞き入れてくれるようなのは、気のせいだろうか?
 治った後も、言いにくいことを言うときにはこのカッコでいってみようか…。(<−利用者の良心を踏みにじる悪徳公務員の図)
(6/18)


 予想よりコンピュータ関係の作業が早くはかどり、2回目の泊まり込みはキャンセル。今日は家でゆっくり寝られる、と思っていたら…。
 図書館のすぐ近くの横断歩道、青信号で渡っていたら、後ろから右折してきた軽乗用車に引っかけられてしまった。4分の3回転ほどして地面にアゴと肩を打った…んじゃないかと思う。とっさのことでイマイチ記憶が不確かだ。
 その車に近くの病院まで運んでもらう。左肩は見事に脱臼、あとアゴの方を数針縫うハメに。そんなにスピードが出ていたわけでもないと思うのだが、人間の体というのは丈夫なようで結構もろい。
 しかし最初の予定通り泊まり込みだったら、こんなことにはならんかったんだよなぁ…。
(6/13)


 蔵書点検中。例年通り、2回ほど図書館に泊まり込み。今年はどうやら作業が順調なのか、去年みたいに早朝の書庫でひとり電算点検ということにはなっていない…とりあえず、いまのところは。
(6/10〜11)


 昨日、書店に寄ってみたら、ハヤカワの場所とは違うところに…スタートレックのノヴェライズ!?それも、DS9とヴォイジャーの!?
 まさか、角川スニーカーから出るとはなぁ…。2冊ともTV第1話の小説化。DS9の方はJ・M・ディラード著で、ヴォイジャーの方はL・Aグラフ。グラフの方は知らないが、ディラードは映画第5作以降のノヴェライズを書いた人だ。2〜4のヴォンダ・マッキンタイアに比べると登場人物の描写の深さに不満が残るとはいえ、全体に堅実なノヴェライズをする人である。訳者の方は…斎藤伯好ではないなぁ、さすがに。
 とりあえず買う。全話ノヴェライズはありえないだろうし、正直第2弾以降が続くのかどうかも怪しいと思うが、がんばれ、角川スタッフ。
(6/2)


 映画「アンドリューNDR114」を観にいく。そう言えば、映画はスターウォーズEp.1以来。…SFしか観にいかんのか、お前は。
 観終わった人に聞くたびに「いまいち」「いまいち」という評価だったので、過度な期待も抱かず、かえって楽しめたのではないかと思う。とくに前半部、アンドリューが自由を求めて以来、彼と不和だった元の主人が死に際にアンドリューの自由を祝福するあたりまでが面白かった。
 後半は疑問点や不満な所が多い。アンドリューは自分と同じような創造性をもったロボットを探して世界中を放浪しするが、果たせず帰郷する。そこで少女だった「リトル・ミス」がすでに老いているのをみてショックを受けるのだが…。それまでに万巻の書を読み、十数年も世界を旅して回ったアンドリューが、「人間は年老いるものだ」ということに気付かないでいるものだろうか?ロボットの滑稽さ際だたせることと、後に恋仲になる「リトル・ミス」の孫娘との出会いを劇的なものにしようとするあまり、演出をやりすぎてしまっているように思われる。
 旅先で出会ったロボット工学者による改造でいっそう人間に近い機能と心理を得たアンドリューは、「リトル・ミス」の孫娘と恋に落ち、一人の男性として彼女との結婚を望むようになる。アンドリューが人間としての地位を求める動機が、このこと一つであるかのように描かれているのも、ちょっと不満だった。
 たしかに、原作の中編では、ロボットがそこまで必死になるほど人間ってのは良いものなのか?という疑問が大きかった。「愛する女性と結婚するため」というのは、それに対する一つの回答ではある。しかし、世界で唯一創造性をもったロボット・アンドリューが「完全な人権」を求める理由としては、月並みすぎやしないだろうか。「愛ゆえに」という理由を馬鹿にするわけではないのだが。
 加えて、そのような理由を持ってきたならきたで、この後の展開でアンドリューらが迫害を受けたり、助けあってそれを乗り越えたりというエピソードがあってもよさそうなものだ。しかし、映画はアンドリューがロボットゆえの不死性を放棄するクライマックスまで一足飛びに話を進めてしまう。時間枠の関係とはいえ、ちょっとはしょりすぎの感が大きい。
 ついでにラストでは「最後に○○○○に○○を○○せるのは、完璧に○○○に○○してるのでは??」(Da Benchより、ハヤトさん)というポカもあった。
 うーん、そこそこ楽しかったと言っているわりには文句が多いなあ。ロビン・ウィリアムズはさすがによかったので、話のタネに1回ぐらい観てみるのも悪くはないと思うのだが。
(5/28)


 GWの真ん中というせいか、図書館にも親子連れが多い。
 幼稚園ぐらいの子供を連れた夫婦が、揃って利用者登録に来た。住所を確認しなければならないので、免許証を出してもらう。二人それぞれ、自分のものをカウンターに出してくれた。その免許証の写真を見た子供のお言葉。
「お父さんはあんまり変わらないけど、お母さんは全然、顔ちがうねえ」
ああ、無邪気さは時として残酷だ。「お父さんのは、書き換えたばかりだからね」という言葉も、なんだかむなしい。
…必死で笑いをかみ殺さなければならない私としても、なかなかに酷なことであった。
(5/4)


 今年のGWは珍しくも4連休。出不精の私もさすがに家に居続けるのはもったいないと、東京まで足をのばすことにする。…とはいえ、主目的はオフ会と古本探索なのだから、いつもと大してやることは変わらないのだが。
 昼過ぎ、東京着。さっそく神田へ、と行きたいところだが、あいにく今日は日曜日、古本屋がおおかた休みである。オフ会は晩なので、ヒマつぶしに上野の国立博物館へ。ちょうど国宝展をやっているはずだ。
 …やっぱやめときゃよかったかな、と会場前の大行列をみてちょっと後悔。それでも入口では15分ぐらいしか待たされなかったので、見た目ほど混んではいないのかと思い直しかけたのだがそれも一瞬のこと。会場内の混雑は相当のものだった。もっとも、展示品によってその度合いはかなり差がある。書簡とか文書の前はスカスカなのに、歴史の授業で出てくるような有名どころの絵や像の前では、人ごみが一向に動こうとしない。私も「鳥獣戯画」をナマで見ようとアタックしてみたのだが…前後左右から揉まれるうちに、なんかアホらしくなって抜け出してしまった。
 一方、常設展の方は人ごみどころか人影すら少ない。ゆっくり鑑賞できたので、こっちの方が価値があるように感じた。どのみち「国宝」と「重要文化財」の差が分かるような目利きでもなし。
 4時ごろまで上野にいて、その後御茶ノ水まで移動。明治大学のすぐそばの安ホテルにチェックインして、しばし休息。オフ会は6時集合である。
 集合場所の御茶ノ水駅に向かう途中、いくつか居酒屋を覗いてみたのだが、日曜日ということもあって休みの店が多い。とくに場所を予約してはいなかったので、開いている店を見つけられるか、少々不安になってしまう。
 さて、到着したのは6時ジャスト。おもむろに今回の旗印「エンダーのゲーム」(ハヤカワ)を取り出すと、すでに到着していたまおさん、モントリオールのハンマーさんがすぐに見つけてくれた。ちなみに、まおさんはヴァーリィ「残像」(これもハヤカワ)、モントリオールのハンマーさんはブリン「スタータイド・ライジング」(やっぱハヤカワ)を目印にもっていたりするのだが…。ほどなく、いかなとくらさんが到着して、全員集合。ところで、いかなとくらさん、女性の方だったんですね…。
 場所の方は、まおさんが前もって目を付けてくれていたので一安心。串カツの店と何が出るのか予想のつかないアジア料理系の居酒屋(…名前覚えてないな)とでどちらにするか、ということだったのだが、さして迷わず後者に決定。私の場合、知らない名前がメニューに載っていたらとりあえず頼んでみる、というのが好きなのである。
 ビールとウーロン茶で、まずは乾杯。当然、話は自然とSF関係になるのだが…。ひとくちにSFといってもその幅はかなり広い。おそらく4人の中ではSFを読み始めたのが一番早いまおさんと、現役の学生さんであるモントリオールのハンマーさんとでは、読んだSFも違えば、背景となる出版状況もかなり違うのである。昔はあったのだが現在目録落ち、というSFの話題になると、私やいかなとくらさんに比べて、モントリオールのハンマーさんあたりの世代になるとどうしても入りにくいものがある。アシモフ、クラーク、ハインラインならば違和感なく話せてもジョージ・R・R・マーティン、クリフォード・D・シマックあたりだとそうもいかない。読みたくても手に入らないというのが残念ながら現在の状況だ。いっぽうで、SFコミックやアニメの話題になると、逆にまおさん、私あたりはちょっと口数が少なくなる。4人の中ではいかなとくらさんが一番オールマイティに話していた印象があるが…。
 …などと書くとなにやら会がきまずい雰囲気になったように読めるかも知れないが、そんなことはない、無論。うちの掲示板を介して集まったのだから、カードの話題なら4人とも問題なし。カード作品を映像化するならどういうのがいいか、などは楽しい話題だった。「大草原の小さな家」調で「ワーシング年代記」や「奇跡の少年」をドラマ化したら面白いとか、「無伴奏ソナタ」収録の「磁器のサラマンダー」はNHKのアニメに向いているだとか…。
 あと、私がネタふりに持っていった「武器としての電波の悪用を糾弾する!」もみんなウけてくれたので満足。これについては以前にこの「駄弁者の駄弁」98年6月2日の項に書いたことがあるので興味のある方はそちらを見てほしい。複数の意味ですごい本なのである。
 話題がさまざまに飛んだ後、そろそろお開きに、となったのはだいたい9時過ぎ。GWとはいえ明日は平日なので、そう長々と駄弁るわけにもいかない。
 じつは、私は解散したあと、ホテルでビールをもう一杯やってしまったのだが…。
(4/30)


 先週、今週はカウンターにも立たず、目録もほとんど作らず、契約書とコンピュータの設計書ばかり睨んでいた。なんか分類やレファレンスで悩むのが、懐かしくさえ思えてくる…。
(4/19)


 今日から新年度。とはいえ、土日のカウンター勤務については先週までと変わらず。
 中学生か高校生ぐらいの子がカウンターにやってきた。開口一番、
「岩波新書はありますか?」
とのこと。…そりゃ、ありますけど。
 岩波新書の何を探しているのか、と尋ねると、なんでもいい、ときた。学校の課題で、なんでもいいから岩波新書のどれかを読んで、感想なりレポートなりを出さないといけないらしい。春休みだというのに大変だな。
 こっちとしてはただ「岩波新書」とだけ言われると困ってしまう。所蔵しているものを全部コンピュータに探させたら、確実に検索最大件数をオーバーする。こんなとき新書をひとまとめに排架していればそこに案内するだけで済むのだが、あいにくうちは新書も他の本と一緒に混ぜて置いてある。とりあえずここ3年に出版したものにしぼって検索し、一覧を出したが、それでも200冊近い。
 だいたいでいいから、何か読みたい分野のものを挙げてほしいと頼むと、それじゃあという感じで「文学関係」とのこと。新しい順から見ていくと、大岡信「折々のうた」が出てきた。
「これは一応文学関係ですが…」
…ですが、短歌とかだと書きにくいでしょうから別に探してみましょう、と続ける前に「それでいいです」と言われてしまった。よっぽどさっさと片づけてしまいたいらしい。本当にいいのかな、と思いつつ排架場所を案内する。
 15分ほど経って、戻ってきた。やはりお気に召さなかったらしい。今度は文学関係でなくてもいい、とのこと。岩波新書で去年話題になったものといえば「日本語練習帳」がある。あれなら練習問題を回答するだけでレポートになるんじゃないかと思うのだが(…ならないか)、3冊ある複本が全部貸出中。
 他にはどうかと検索結果をみて恐竜関係の本があるのを見つける。男の子だからこっち関係ならヒット率が高いんじゃないか、と考えた。実は自分が今読んでいるのが古生物関係の本だったから目に付いたのだが。  紹介してみると、「折々のうた」のときと同じぐらいの熱のなさで、案内した書架の方へと去っていった。いまいち、張り合いがない。
 で、やがて貸出に持ってきたのは恐竜ネタでも文学関係でもない別の岩波新書。本っ当になんでもよかったんだね、キミ…。
 こういう場合、利用者のニーズに応えられなかったのを反省するべきなのかも知れないが、どうも徒労感の方が先に立ってしまう。
(4/1)


 今日は来年度の人事異動の内示。
 今の係がまる3年になるので異動を予想していたのだが、はずれた。そろそろ他の仕事をやってみるのも後々のためになるかと考えていたのだが、勝手の分かっている係の方が気分的には楽なことだし、これもまたよし。
 などと悠長に構えていたら、係で頼りにしていた先輩職員の方に異動が。どうすんだよ、来年度のシステム関係…。しばし、呆然としてしまった。こりゃ、4月からキツくなるな…。
(3/24)


 仕事帰りに今日オープンした名古屋駅ツインタワーの高島屋に寄る。
 正確には11Fの三省堂に行って来たんだが。
 確かにフロアは広いな。新刊を発売日に欲しいときは頼りにできそう。しかし、開店直後の、あれだけ大きい書店に、ハヤカワ文庫JAが「グイン」を除くと20点弱、というのはかなり寂しい。
 こうなるとSF春の時代ってのは、やっぱり眉唾…。「春の時代」というのは冬の次にくる「春」ではなくて、「春樹」の「春」なのか、ひょっとして。
(3/15)


 カウンター勤務。「貸出お願いしまーす」と、利用者が持ってきた本は、このあいだ私が目録を入れた「エンダーのゲーム」。
 思わず利用者の顔…いやご尊顔を見直してしまいましたよ。嬉しさのあまり握手を求め……たりはしなかったが、さすがに。
 どのぐらい「エンダー」が借りられているのかな、と思って調べてみた。受入れ後5ヶ月で、貸出回数6回。貸出期限が3週間であることを思えば、悪くはない成績である。よしよし。
(2/27)


 私の日常の主務は、カウンター業務ではなく、最近なにかにつけて凍りたがるロートルコンピュータ端末に喝を入れることでもなく、寄贈された本の目録を作って書架に出せるようにすることである。
 流通しているたいていの本の目録データは外注なのだが、自費出版の本や郷土資料などは、やはり自分で目録を作らなければならない。
 本のタイトルや著者、出版者など書かれていることを写すだけなのだから簡単な作業、と思われることだろう。たいていはその通りなのだが、なかには当然、例外もあるわけで。
たとえば、この本。県内のとある村の教育委員会が出した民俗資料なのだが、本の各部分で書かれているタイトルが違うという困りもの。
背には「図録飛騨の民具と民俗」、
奥付と表紙は「失われゆく飛騨の民具と民俗」、
標題紙(ページをめくった最初の方にあるやつ)は単に「民具と民俗」とある。
 どれもよく似たものだとはいえ、コンピュータで検索するときは、一字違いで目当ての本が見つからないということも結構ある。さて、どうするか…。
 私たちが目録づくりに使う日本目録規則(NCR)では、こんなときの優先順位もちゃんと決まっている。
 書かれているものの中で、同一のものがあれば、それを採用。どれも違っている場合は、「標題紙」「奥付」「背」「表紙」の順に優先させること。
 一番目につきやすい表紙が最も後回し、というのを意外に思われる方もいるかも知れないが、表紙は傷んで文字が読みとれなくなってしまったり、再製本の時に取り替えることもある。ついでに紙カバーを外して受け入れる図書館もある(うちも最近までそうだった)、ということで必ずしも最善の情報源にはならないのである。
 今回の場合は奥付と表紙が同一なので「失われた飛騨の民俗と民具」を採用すればいい……ただし。
 規則に機械的に則っておけばそれで万事OK、ともいかないのが現実の辛いところだ。コンピュータでの検索結果からこの本を探す場合、タイトルは「失われた〜」なのだから、当然それを手がかりに探すだろう。しかし書架から見える本の背は「図録〜」なのである。まあ、「飛騨の民具と民俗」は共通しているのでこの本のことだと推測はつくだろうが…。もし背のタイトルが全然違っていたり、似たタイトルの本がたくさんあった場合は、また郷土資料で何関係の本かをはっきりさせたいときは、NCRを保留した方が使いやすい目録になる。

 いや、重箱のスミ的なことを長々と失礼。けど、たまにこういうことも書いとくと、マジメに仕事をしているように見えるでしょう?
(2/22)


 図書館に寄贈されてくる本は多種多彩。一番多いのは行政資料とか調査報告書だが、個人の句集やエッセイ、自社宣伝まるだしの健康本などもかなりの分量だ。それよりは少ないが、オカルト関係の本もちょくちょく寄贈される。資料として受入れることは、はっきり言って少ないが。
 今日来たのもそのひとつ。個人からではなく、版元かららしい。帯には、
「1999年8月のグランド・クロスを迎えて!!」(正確な文面ではないが、こんな感じだった)
……。
いえね、本を贈って下さるのは、ありがたいですよ。しかし、
期限の過ぎた大予言ものを寄贈しないで下さい。
 在庫整理のやっかい払いかとしか、思えないでしょうが。
(2/10)


 図書館のサービスはすべて無料が原則だが、中には実費のみいただくものもある。コピーサービスが一番ポピュラーだが、うちの館では閲覧に供しているCD−ROMのプリントアウトもその中の一つである。もっともうちの場合、CD−ROMを扱う環境が整ってなくて、「雑誌記事索引」や「判例体系」など、あまりバラエティはないが…。
 で、今利用者が使ってらっしゃるのは「判例体系」のCD−ROM。前に使ったことのある人らしい。こっちも他の利用者の応対をしなければならないので、CD−ROM検索につきっきりになる必要がないのは非常に助かる。あ、内容のプリントアウトか。申込書は…もう書いてもらっているな。
 ちょっと目を離したあと、ふと見るとまだプリントアウトをしている。
 休憩にお茶を飲んで、戻ってみると、まだプリントアウトをしている。
 閉館の音楽が鳴りはじめたのだが、まだ…プリントアウトをしている。
 少なく見積もっても7,80枚はありそうだ。おいおい、プリントアウトは有料なんだが、承知しているのか?後から聞いてないとか言われたらイヤだぞ…。
 さすがに不安になって、受け付けた人に確認してみる。…前にもプリントアウトしたことのある人なので大丈夫?そんならいいけど。
 結局100枚以上プリントアウトして行かれた。よっぽど必要だったのだろうか…。
(2/5)


 日曜、朝一番。開架へのガラス扉が開くと同時に、閲覧机にダッシュする利用者たち。何をそんなに急いでいるんでしょうねぇ…うちの図書館、自習だけの利用は厳禁なんですが。
 「走らないでくださいね〜」
という私の大声は完全無視。まあ、聞いてもらえるとはハナから思ってないが、しかし少しでも反応があればかわいげがあるものを…(怒)…。
 「走るなっつーとるやろーが、ボケンダラ!!
と言えれば、非常にスッキリすると思うのだが、あとがスッキリどころでなくなりそうなので、言わない。
(1/30)


 首相官邸のHPに「21世紀日本の構想」のPDFファイルが載っていたのでダウンロードする。
 義務教育を週4日にするとか、英語を第2国語扱いにするとか言っているあれである。義務教育が週4日になったら「分数ができない大学生」が増えるだけじゃないかとか、英語力を強化するのは結構だが、それ以前に日本語の方を強化した方がいいんじゃないかとか、いろいろ思うことはあるが、それはまあ、ともかく。
 ダウンロードしたのをプリントアウトして図書として受け入れるのである。多分そのうち冊子になったのも送られてくるだろうが、そのころには報告書の存在そのものが忘れられている可能性が大である。本にだって旬とか賞味期限があるのだ。提供が早いに越したことはない。
 かなりの分量なので結構時間がかかってしまった。これからこういう類の資料は増えていくのだろう。今回は公文書だから著作権は考えず、ダウンロードしたのをどう扱おうが問題はないが…。将来オンラインにしかない著作物を提供する必要が出てきた場合、扱いをどうするか、これはちょっと考える必要がありそうだ。
(1/24)


 日曜日、一発目の電話レファレンス。
「アメリカとスウェーデンの消費税率が知りたいんですけれど、本はありますか?」
調べたことはないが、多分あるだろう。しかし、それだけ調べにここまで来るのも手間だろう。
「税率だけでしたら、こちらで調べられると思いますが」
「そうですか。でしたらお願いします」
昼ぐらいにもう一度、ということで電話を切った。さて税金だったら34番台、と考えながら書架へ向かうところで、ふと気がついた。日本で言う「消費税」が、アメリカやスウェーデンでも「消費税」という名になっているとは限らない。ついでにアメリカの場合、州ごとに税率が違うかも知れない。…コレハチョットアマクミスギタカナ…。
 後悔先にたたず、後にたっても役たたず。本の方は「アメリカの税法」「EU諸国の税法」がすぐに見つかった。しかし索引に「消費税」項目は見つからず。ヤッパリ、アマクミスギタナ…。
 アメリカの方は、目次をめくっていたらすぐ「売上税」というのが見つかった。どうもこいつのことらしい。だが、最初の危惧通り州ごとに税率はバラバラ。アラスカのように売上税なし、というのもある。これはもう、謝るしかしようがない。
 一方、スウェーデン。同じ本を睨んでいても分からないものは分からないので、作戦を変える。スウェーデン居住についての手記を3類アタマの各国事情のところで発見。目次を見ると「消費税が25%!?」とある。おし、見っけ。それによると向こうでは付加価値税というらしい。その手記はちょっと古い本だったので、最初の税法の本にもどって付加価値税の項目を確認。こちらでもやっぱり標準税率25%。福祉国家の辛いところである。
 以上、とりあえず調査終了。昼にかかってきた電話で結果を伝えると、アメリカについてはやはり自分で来館し調べるということになった。かえって電話一回分よけいな手間をとらせてしまった。
(1/22)


 今日も今日とて、目録入力。
「駄弁者さん(いや、職場では本名ですが)、お電話。県警から」
「はい!?」
課のみなさん、全員注目。…身に覚えが無くてもギクリとする。
結局、防犯対策などの寄贈資料についての電話だったのだが。
そこの方、先ほど呟かれた「やっぱり…」の意味、今度ゆっくり聞かせてもらいますね。
(1/20)


 今週より資料の燻蒸開始。難しい漢字を使っているが、要するに殺虫/防虫のため資料を薬品でいぶすのである。化学薬品は私らでは扱えないので、専門業者にお願いする。
 作業の前に、業者さんが何やら小瓶をふたつ見せてくれる。中には米粒と、コクゾウムシが入っている。これを一方は燻蒸庫の中、もう一方を外に置き、ちゃんと殺虫がされたかを確認するわけだ。これだけのために業者さんはコクゾウムシを飼育しているのだろうか。…一人住まいの男性社員宅で採集してくるのかも知れない。
 ああ、コクゾウムシよ、お前の貴い犠牲はムダにはしない。怨むなら、本を食う不埒な紙魚どもを怨んでくれ…。

 数日後、一回目の作業が終わってから再び見せてもらったのだが、外に置いてあった方のコクゾウムシも寒さで仮死状態。中のやつとたいして変わらなくなっていた…。
(1/18)


 そして今日は中部オフ。連チャンだぞ、大丈夫か?
 6時45分の集合前に、名古屋駅下の三省堂書店、近鉄デパートの星野書店に寄ったのは、私としては当然のことである。買いたい本が無くてもチェックする。
 頃合いを見計らって、待ち合わせ場所へ。すぐに見つかったのは白いフワフワの帽子、踊るらいぶらりあんさんである。この人も私と同じく連チャンなのだが、それしきで調子をくずす方ではない。
 他の人はまだ?と聞くと、多分あの人じゃないかなという人はいると言う。彼女が示すほうを見ると、先方も近づいてきた。私が手に持つホールドマン「終わりなき平和」を目にしたのだろう。その手にはSFマガジン2月号。加藤隆史さんである。
 はじめましての挨拶の後、らいぶらりあんさんが嬉しそうに真新しい文庫本をだして見せてくれる。井上祐美子「女将軍伝」。うちの掲示板で話題になっていた本である。今日三省堂で見つけたのだとのこと。ひょっとしてその後、星野書店にも行ったのではないかと思って聞くと、やっぱりその通り。
 それほど待たない間に、こじましゅういちさん到着。これで全員集合である。最後になってしまったこじまさん、ちょっと恐縮気味に「ちょっと三省堂に寄ってたもので…」
……。まあ、こういう面々であった。
 場所は名鉄レジャック「櫓屋」。まずはビールで乾杯の儀。私とらいぶらりあんさん、同じく私とこじまさんとで面識がある他はお互い初対面である。さすがにぎごちない雰囲気を、最初に破った功労者は…納豆だった。給食に出た納豆のこと、東北ではポピュラーらしい納豆餅、信州でみつけたという納豆うどん。糸に引かれて話題が盛り上がる。私と同じく納豆嫌いのらいぶらりあんさん、納豆好きの友人に「あれは天女の食べ物だから、下賤なものの口には合わない」と言われたそうな。…そんな天女の羽衣は、私は間違っても盗むまい。
 その後ほぐれてきた座では、加藤さんとこじまさんの間で、クトゥルー談義が賑やかになった。私とらいぶらりあんさんは聞き役に回る。
 9時で「櫓屋」はタイムアップ。引き続き上階のワインバーで二次会突入。このころにはかなりガソリンも効いてきていた。DASACONのときに比べてちょっと抑え気味かな、と感じられたこじまさんも漸く全開。ライトノベルや翻訳小説の日本語使いのまずさが主な話題だった。
「ジャンルとしてのライトノベルを頭から否定するのは間違っているけど、確かに日本語の使い方はひどい。とくに『語るに落ちた』とか慣用句の使い方」
「『役者不足』と『役不足』の混同も気になる」(<−続兄さん!?)
「著者が間違うのも当然悪いが、それ以上に編集者や校正者の怠慢だ!」(これについては加藤さんとらいぶらりあんさんが大いに意気投合)
「翻訳ではむかしあった『ドラゴンランス』、あれはひどかった」
「カード作品では角川『アルヴィンメイカー』の訳、あれは何とかならんかなあ。『パワフル』はないだろ、『パワフル』は」
「あと、『消えた少年たち』の訳も」
「え、あの人の『アルジャーノンに花束を』は上手いと思ったんだけど…」
「作品によって向き不向きがあるようだなあ」
…だいたいこんな感じだったと思う。どれををしゃべっていたのが誰だったか、正確に覚えていないのは、酒のせいにしておこう。
 そんなこんなで、終電の時間が近くなってきた。昨日の轍を踏まず、私は歩いてホームまで行ける時間に失礼することにした。話足りないこともあるが、それは次の機会ということで、他の3人より一足早く撤退。
 このあと3人が何時まで飲んでいたのかは…私の知るところではない、幸いにも。
(1/9)


 同期の面々で新年会。楽しかったんで終電ギリギリまで粘ってしまう。
 もう一刻の猶予もない、というところで岐阜駅まで走ったら、酒の回ること回ること。ワインとウォッカトニックが体中を駆けめぐっているのがわかる。
 多治見駅で降りてから出口の方向を間違え、あるはずのない出口を探し求めてしまった記憶があるから、我ながら相当キていたようである。よく乗り過ごさなかったな…。
(1/8)


 …などと思っていたら、うちの掲示板、日付が「100年1月」になっている。常連様に指摘されるまで気付かなかった。ささやかながらY2K、鼠いっぴき程度はいたようである。
(1/3)


 さて2000年ということで、年が変わってすぐ、一応パソコンの電源を入れてみる。修正プログラムは入れてあるし、そもそも大問題が起こるとも思っていなかったのだが。まあ、念のためだ。
 よし、別に変なところなし。日付もちゃんと合っている。…別に停電するわけでもなし、交通機関がとまったという報道があるわけでもなし。泰山鳴動して鼠すらでず、だな。
(1/1)


nabesan@blk.mmtr.or.jp
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