SF名文句・迷文句第168集

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南無妙法蓮華経

 出典: スティーブン・スピルバーグ制作総指揮・ジョー・ダンテ監督「インナースペース」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 言ってます!本当です!ちゃんと「ナンミョーホーレンゲキョ!」って!フランス語でも言ってます!「ナンミョーホーレンゲキョ!」って!「南無阿弥陀仏」じゃありません!なんでこれが勇気付けになるのか分かりません!
 …もしかして、これって結構有名なセリフですか?

駄弁者:
 私は知りませんでしたが、ネットではあちこちで引っかかりますね。Wikipediaによると、ダンテ監督の兄が創価学会インターナショナルの信者だった関係で知ったとか。勇気づけというより引導渡しているように聞こえますが…。
 出典はミクロ化した人間が潜行艇で人間の体内にもぐるという「ミクロの決死圏」と同ネタの話。ただしこちらはコメディでした。



そして科学の目的は、宇宙をつくっている材料に固有の、そして人間の感情はもちろん、われわれが存在するか否かにさえまったく影響を受けない絶対的で不変のものを発見することです。

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「プロテウス・オペレーション」(小隅黎訳)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 これですよ!これ!科学とはなんぞや?という問いの、ホーガン流の答がこれです。でもこれは「SF」を否定しているようなしていないような、、、。
 「絶対的で不変のものを発見」した後の、応用部門では「人間の感情(ていうか事情)」が大爆発するワケですが。
 「SFと書いてウソと読む」と言ったのは誰だったか忘れましたが、なるべくなら「うまいウソ」をついて欲しいものです。

駄弁者:
 ホーガン先生は、人間原理はお嫌いのようです。
 出典の話は、第二次世界大戦の歴史改変という、人間の事情全開の話なんですが…。



<冷蔵庫に一体、わたしを残していくから
 さびしかったら焼いて使ってね>

 出典: デイヴィッド・ブリン「キルン・ピープル」(酒井昭伸訳)

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 アルバート・モリスは私立探偵。陶土に意識をコピーし、ゴーレムと呼ばれる複製を多数使って違法にコピーされたゴーレムの調査を行っている。ある日事件を片付けたモリスは、リムジンに乗ったゴーレムに呼び止められある依頼をうけます。彼はゴーレム業界の最大手<ユニバーサル焼成機器(キルン)>の創立者、ヴィク・イーニアス・カオリンのゴーレムで、モリスにある依頼をしたいのだという、条件のよさから引き受けたモリスだったが…。
 投稿した台詞は、恋人のクララが残していった二通のメモから、「ちょっと友達と遊びに行ってきます。晩御飯は電子レンジに入れてあるからチンして食べてね」ってか?三大欲望の満たし方も随分と近いものになったもんだ(笑)

駄弁者:
 コメントにもあるとおり、使い捨てコピーロボットが普及した社会が舞台の探偵物語。<ゴーレム>は、起動してから原則24時間活動することができる自分の複製で、本体に代わって仕事や娯楽を行い、時間以内に戻って記憶だけを本体に戻す…というもの。単純労働用のグリーンや本人の忠実な代行が可能なグレイ、頭脳労働用に集中力を高めたエボニー、さらにはエロ事専用のホワイトまで、質や用途によってさまざまなカラータイプに分かれています(モリスが恋人の冷蔵庫で見つけたのは、当然ながらホワイト)。
 私もこの箇所は読み終わったら名文句集に入れようと思ってました。
 「妻の留守中に冷蔵庫を開けたところ、温めればいいだけの夕食を見つけた夫のような気分になった」というモリスの感慨は、悲しいぐらいによく分かります。セックスまでレンジでチンとはねえ…。
 しかしその後の物語を見るかぎり、クララのモリスに対する愛情はチンしなくても十分熱そうなのでひと安心。



ぼくを愛してくれ

 出典: 星野之宣「蜃気楼−ファタ・モルガーナ−」  『妖女伝説』に収録

紹介 :水谷秋夫 様
HP :
http://oikose.at.webry.info/

コメント:
 幼い頃、母に去られ、「自分を愛してくれる人がほしいだけじゃないの!」と恋人にも去られた青年フィン・マルムグレンが出会った謎の女。北極の幻の島を巡って展開された極地探検ドラマ。
 自分を愛してくれる女、とは男にとって蜃気楼のような幻想なのでしょうか。悲しいラストでした。

駄弁者:
 自分はこいつのこと好きなんじゃなくて、こいつに好かれたいだけなんじゃないのかなあ…とは、覚えのある感慨です。
 その二つにはっきりとした差があるのかも、よく分からないんですが。



剣流星の体内に秘められた全エネルギーが
感情の高まりとともに頂点にたっした時
彼は超人機メタルダーに瞬転する

 出典: 八手三郎原作「超人機メタルダー」

紹介 :黒ピーボ 様
HP :

コメント:
メタルダーの変身時に流れるナレーションです。
これより前に怒るという流星のセリフが入るのですがドイツの某覆面ファイターに怒られそうな変身のしかたです。

駄弁者:
要するにキレたら変身するということでしょうか。
最近の10代には悪影響とか言われそうですが…。



N=R×fp×ne×fl×fi×fc×L

 出典: スティーブン・ウェッブ「広い宇宙に地球人しか見あたらない50の理由」(松浦俊輔訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 サイト開設10周年おめでとうございます。それをお祝いするにふさわしい…と思われる投稿を探してこの式にいたしました。
 上の式はドレイクの方程式、または宇宙の好意度方程式と呼ばれ、この銀河系に通信可能な地球外文明を算出するための式です。好意度と呼ばれるわけは、地球外文明が多いほど、宇宙が地球文明にとって好意的であると考えるためです。 それぞれの項目にはいるのは
 N=地球外文明の数 R=年間の恒星発生率 fp=惑星を持つ恒星の割合 ne=生命維持に適した環境を持つ惑星の数 fl=実際に生命が発生する割合 fi=知的生命の発生する割合 fc=通信可能な文明の発達する割合 L=通信を行う期間
となっており、それぞれに適切な数値を入れることにより地球外文明の数を算出します。
 もちろん、現状ではパラメーターの全てが未確認であるので、知的遊戯の域を出ません。N=0でも、それ以上でも間違いではありません。(カール・セーガンはN=4000と算出したそうです。)
 私個人としてはN≧1であることを願っております。
 これからも、このサイト、そしてここに集う方々の発展をお祈りいたします。

駄弁者:
 ご祝辞ありがとうございます。たしかに区切りにふさわしい定番。ただ、これをSFと言うとSETI関係の人からは「F」じゃないと怒られるかも知れませんが。
 何かの本かウェブサイトで見たんですが、この方程式は、異星文明の数を示すよりも、算出している人がもっている期待度を示してしまうんじゃないか、と…。
 確かにそういう面はあるかもしれないと苦笑してしまいます。各変数に数字を当てはめていって、もしNが思った通りの数値に足りなかったら、fiかfcあたりを修正したくなりません?



子「ちょっと……どうしたんだよ?」
父「未来来てねーじゃん!」
子「は?」
父「全然違うじゃん! 何だよこの21世紀! 車浮いてねーじゃん! 何タイヤで走ってんの?」
子「そんなこと僕に言われても……」
父「ビル普通じゃん! もっと京都タワーみたいな奴いっぱいあれよ! テレビ画面空中にビュインって出ろよ! お手伝いロボいねーじゃん! 何お前はボンカレー温めようとしてんの? 一瞬で出ろよ専用の機械からよお! 『カレーライス』『ワカリマシタ』しゅいーんびーってよお! ほんで蛍光灯の紐垂らしてんじゃねえよ! 壁全体がぼわ〜んって光れよ! そんでこの辺にケーブル繋ぐ穴とかねえじゃん! 何だよ! 俺は何のために寝てたんだよ! アトムいねーじゃん!!」

 出典: 小林賢太郎「アトム(ラーメンズ第12回公演「ATOM」より)」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 ↓の作品よりもうひとつ。21世紀の現実を見た父親の、悲痛な叫びです。片桐仁の熱演が光ります。ちなみに「この辺」というのは、息子のこめかみの辺りを指しています。
 小林賢太郎の脚本は、観客を笑わせるよりも感心させることに重点が置かれているようです。オチで「うぉお〜」と唸り声が上がるのは、他のお笑い公演ではまずあり得ないでしょう。この「アトム」でも、思わず唸ってしまうようなオチがあります。
 ──実はアトムいるんですけどね。ネタバレになるので書けませんが。

駄弁者:
 21世紀というなら、ビルはチューブでつながっていて、その中を人が飛んで行き来してないと。それがムリというなら、せめて月と火星に基地ぐらいはできていて欲しかった。
>ケーブル繋ぐ穴とかねえじゃん!
 70年代前半から来た人でその発想は、なかなかすごいんじゃないかと思います。…ひょっとして84年か6年ぐらいに間違って一回起きた?



父「念願のひとことを言ってもいい?」
子「……どうぞ?」
父「いや〜、ここが21世紀かぁ〜!」
二人『おお〜っ!』
父「どーも、過去からやって来ました」
二人『おお〜っ!』
父「いっけね、寝過ごした、30年!」
二人『あはははははは!』
父「た〜けや〜、さおだけ〜。30年に一度の大安売り」
二人『あはははははは!』
父「すいません、30年遅刻しました!」
子「あはははははは!」

 出典: 小林賢太郎「アトム(ラーメンズ第12回公演「ATOM」より)」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 遅ればせながら、10周年おめでとうございます。
 なにか記念になるような、時間に関係するものを……と思いまして。コントからの投稿は珍しいと思いますが、まぎれもないSFですのでご容赦を。ラーメンズのコントはコントを超越していると思います。更にSF的なシチュエーションが豊富です。
 ──「未来を見たい」という理由で、昭和48年から30年間、仮死状態となって眠り続けていた父親。息子と同じ年齢となった30年後に目覚め、21世紀の世界を堪能しようとするのですが……。

駄弁者:
 ご祝辞ありがとうございます。「不思議の国ニッポン」で大爆笑したラーメンズですが、こっちのネタは見てないです。
>「未来を見たい」という理由で、昭和48年から
 五島勉の『ノストラダムスの大予言』が大ヒットしたのもこの年だったらしいんですが…お父さんはその前にコールドスリープに入ったんですかね。あれのせいで21世紀はこないと思ってしまった人も多かったはず。



「恥ずかしいセリフ禁止!」

 出典: 天野こずえ「ARIA」

紹介 :みょうく 様
HP :
http://www16.ocn.ne.jp/~kaisyuu7/

コメント:
 遠くない未来。テラフォーミングされた火星。
 そこにはマンホーム、と呼ばれている地球からそっくり移築されたヴェネチア「ネオ・ヴェネチア」がかつての地球のヴェネチアのようにゆっくりと時を刻んでいます。(ただし、アドリア海に沈むことなく)
 かつてヴェネチアにゴンドラ漕ぎ(ゴンドリエ)がいたように、そんなネオヴェネチアにもウンディーネと呼ばれる女の子のゴンドラの漕ぎ手がいたりします。
 セリフは主人公、灯里(あかり)ちゃんの友人で同業者藍華ちゃんのセリフより。
 感動すると乙女でポエムな「恥ずかしいセリフ」を連発してしまう灯里ちゃんへの、藍華ちゃんのつっこみ定番セリフ。
 名文句サイトにお祝いの気持ちと、ツッコミをこめて、このめいもんくを投稿させていただきます!
 司書の駄弁者さん、サイト十周年!おめでとうございます!

駄弁者:
 ありがとうございます。この作品からは先に別の方からご投稿をいただいているのですが、10周年のお祝いをいただいたことですし、こちらを先に掲載させていただきます。
>「恥ずかしいセリフ禁止!」
 あちこちの作品で見つけた名文句は、いっぺん使ってみたい…とはいえ、実際なかなか使える状況に到りませんし、もしそうなっても、この作品の主人公のようには口にできないもんです。
 せめてうちのサイトでは、クサいのも歯の浮くのも解禁ということで(…ツッコミはしますが)。



「妖精の女王」エリザベス一世、あの並ぶもの無きイギリスの統治者はもはやこの世にいないのだ……

 出典: キース・ロバーツ「パヴァーヌ」(越智道雄訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 エリザベス1世が暗殺され、フランス、スペインなどのカトリック国がヨーロッパそして世界を支配するもう一つの世界。
 歴史改変もの(仮想戦記含む)で、いわゆる「ジョンバール分岐点」を描写した作品というのは、記憶にないので投稿してみました。
 少々陰鬱ですが、静かないい作品だと思います。復刊したら速攻で品切れになってしまいましたが(泣)

駄弁者:
 扶桑社で復刊されたときに買って読みました。ご投稿の文句は序章からですが、本編は第一〜第六旋律からなる連作。私は、腕木信号手の若者の話「第二旋律」が好きでした。
 ちなみに「ジョンバール分岐点」とは、歴史が変わる分岐点のことで、出典はジャック・ウィリアムスン『航時軍団』。
 歴史上の人物ひとりの生き死にが分岐点になるというのは、ちょっと単純化しすぎているように思います。たしかにその他大勢の人々より大きな影響を与えてはいるんでしょうが。



そうだとも、ぼくが叫ぶと、だれもが跳びあがり、だれもがかけだすんだ。すてきな季節になるぞ。
彼が町にむかって最後に指を鳴らした。
ドアがバタンと開く。ひとびとが出てくる。一九二八年の夏がはじまったのだ。

 出典: レイ・ブラッドベリ「たんぽぽのお酒」(北山克彦訳)

紹介 :yosimitu 様
HP :

コメント:
 はじめて投稿させていただきます。
 ここから始まる、ダグラス・スポールディング君(12歳)のひと夏の経験です。
#私は<<タイム・マシン>>も出てくるからSFの範疇にいれちゃってますが(笑)。

駄弁者:
 ご投稿をいただいてすぐだったらよかったんですが…もう夏も終わりかけになってしまいました(暑いのは暑いですが)。
 出典は、ヤングアダルトの定番ですね。私は純然たるファンタジーだと思うんですが、下のを載せた勢いでこちらも。



ききゅうにのって どこまでいこう ほしをこえて うちゅうをはるか
せいざのせかいへ どこまでもいこう そこにかがやくゆめがあるから

 出典: 東龍男作詞「気球にのってどこまでも」

紹介 :そうや 様
HP :

コメント:
 きっとこの歌は中学校で歌ったことのある方も多いと思います。
 そのときには何も思わず歌っていたのですが、テレビで歌っているのを久々に聞き、2番までいったときに、気球にのってどこまで行くつもりんだろう!?というツッコミと共にSFだ!!と感じました。
 星をこえ、宇宙も星座もこえて、その先には輝く夢があるなんて…大きなスケールの歌でなかなか素敵だと思います。そしたら気球型宇宙船になるのかなぁ、カゴのところに燃料で気球の部分が居住空間になったりするんでしょうか…?

駄弁者:
 掲載するかどうか迷ったんですが、実際それで成層圏(…じゃなくて中間圏でしたっけ)を目指すSFもあることだし、まあいいかな、と思いまして。
>燃料で気球の部分が居住空間に
 頑張って水素を呼吸しないと…。



カーク船長ものを観に行きたくない?

 出典: フィリップ・K・ディック「流れよ我が涙、と警官はい言った」(友枝康子訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 近未来のアメリカ、そこは個人の情報が氏名から脳波に至るまで監視・収集される厳格な警察国家であった。マルチタレントのジェイスン・タヴァナーはある日トラブルに巻き込まれて意識を失う。目覚めたとき彼は、データバンクの記録からも、人々の記憶からも消えてしまっていた。存在しないはずの彼は存在を証明するべく苦闘する。
で、かれはIDの偽造を依頼しに行くとこんな風に映画に誘われます。
 「カーク船長もの」、言わずとしれた「スタートレック」ですが、何でこんな表現なのか、ディックは観てたのか(原作は74年出版なので再放送?)、ファンだったのかそれとも小道具なのか等、気になるところです。タヴァナー氏は、気に入らなかったようで愚痴を垂れていますが。

駄弁者:
 原作が74年ということは、まだSTが実際に映画化される以前のこと。それでも「カーク船長もの」と呼ばれるほどのシリーズ化がネタになっているのは…ディックの先見というよりは、当時のスタトレ人気によるものでしょう。
 さすがにカーク抜きのSTが主流になってしまうとは予想外ですか(笑)。



「交代だ。わしに代わってお主が闘う番だよ。この時代があの未来に近づく為に」

 出典: 村上もとか「JIN -仁-」

紹介 :ゴンベッサ 様
HP :

コメント:
 主人公の仁は現代の医師。突然、江戸時代末期にタイムスリップしてしまった彼は、現代の医学を駆使して過去の時代で多くの人々の命を救い続ける。
 あるとき、刺客の凶刃に倒れた洋学者・佐久間象山の治療を頼まれた仁。しかし昏睡状態の象山はあまりに血を失いすぎており、輸血でもしない限り助からない重態。当然この時代に輸血手段などない。
 ついに心肺停止してしまった象山に心臓マッサージを施し、なんとか意識を取り戻させることに成功。目覚めた象山は、自らの体に繋がれた点滴を見るなり「これは……『点滴』だな……」と一言。この時代の人間が「点滴」という言葉を知るはずもない。
 さらに象山は「輸血が出来ねば無理であろう。わしはあまりに血を失いすぎておる……」と続ける。彼が現代の医学知識を持っていることに仁は大いに驚く。
 象山は、自分は子供の頃に未来の世界(現代)を見たのだと語る。子供の頃に高樹から落ちた彼は、時を越えて未来(現代)の病院で目覚め、そこで様々な知識を吸収。しかし再び階段から落ちてしまい、元の時代に戻ってしまった。
「わしが見た未来の世界のことは誰にも語らぬと決めていた……。いつか、わしと同じ未来を見た者と出会う時までは……」
「象山さん、わたしは……」
自分はその未来から来たのだと明かそうとする仁。その言葉を遮り、象山は虫の息になりながらも話し続ける。
「交代だ……。わしに替わって、お主が……闘う番だよ。この時代が、あの未来に……近づく為に……」 そう言い残して象山は息絶える。
未来を目撃したゆえに一生を学問で闘い続けた男と、未来からやってきた男との一瞬の出会いであった。

駄弁者:
 先見の明を持った人物が未来人だった、あるいは未来を知っていたという設定は割とよく見ると思いますが…。未来を知っていたというだけでは、その人物が歴史上に残した業績は挙げられないでしょうね。自分が知ったことを、自分がいる現在に生かそうとするには、未来知識の有無以上に行動力や意思が必要になってくるんじゃないでしょうか。



無料の昼飯はない

 出典: R・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」(矢野徹訳)

紹介 :謎東洋 様
HP :

コメント:
 章のタイトルになってますが、ワタシとしてはハインラインの世界観を象徴するようなフレーズだと思います。
 割とあちこちで言及、引用されてるようで、台湾POPS(李宗盛:最近比較煩)の歌詞でも「天下没有不要銭的午餐」と歌われてます。

駄弁者:
"There Ain't No Such Thing As A Free Lunch" 略して「TANSTAAFL(タンスターフル)」
何となく、もうご投稿があったような気がしていたんですが、まだでしたね。
 「無料の昼飯はない」はずなのだから、ないはずのものが提供されているときは、喜ぶよりも先に警戒心を働かせるべき。「ただより高いものはない」という言葉と表裏一体とも言えますね。



軍法会議でも何でも受けてやる!
現場にいもしねぇで、ガタガタ言うんじゃねぇっ!!
黙ってろ……!

 出典: 北村龍平監督「ゴジラ FINAL WARS」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 最終作ということでウルトラマンが格好良く登場し、ゴジラを倒してメデタシメデタシというラストを本気で期待していた「ファイナルウォーズ」しかし、その願いは空しく潰えました。
 私が始めて鑑賞した特撮作品は「ウルトラシリーズ」であり、現在でも「怪獣=ヒーローに倒される存在」という認知があるため、平成のゴジラ映画は全て「どうして悪だけが登場して正義は登場しないの?」という思いで鑑賞しておりました。 そんなシリーズも(とりあえずは)終了。
「ウルトラマンVSゴジラ」はジラース戦だけなのでしょうか? それは私にとってとても哀しいことです……
 それにしても、名言の内容とコメントとがあさっての方向の如く全く違ってしまったのは我ながら本末転倒だと思う。 いや、ゴードン大佐。 貴方はとっても格好良かったです……

駄弁者:
 今のところご投稿のセリフに共感を覚える立場ですが、そのうち「成果説明も予算折衝もしねぇで、文句ばかり言うんじゃねぇっ!」と思うようになるのかも知れません。上役は上役で別の矢面に立ってはいるんですよ、多分(…少なくとも、そうあってほしい)。
>ゴジラを倒してメデタシメデタシ
 私自身はゴジラにたいして思い入れがないのですが、最後にゴジラが何者かに倒されてしまったら、そっちのほうが文句をいう人が多かったんじゃないかと思います。



もぉ〜〜〜っ、あれもダメこれもダメ!
融通がきかないったらありゃしない!
いったいどうしろっていうのよっ!!

 出典: 原作:柳田理科雄 漫画:筆吉純一郎「空想科学大戦!3」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 マジンガーZに代表される万能ロボット。
 多数の機能を駆使し、強大な敵に立ち向かい、最終的に勝利を収める姿は真にかっこ良かったのですが……
科学の壁が存在する世界では非常に非科学的な、発想そのものを否定せざるを得ないシロモノでした。
 それは現実の世界で万能兵器が存在していないことが如実に物語っています。
 それでも万能ロボットの雄姿を忘れられない大人は多いはず

駄弁者:
 汎用マシンの夢想はロボットより、コンピュータの世界で生き続けているのかも知れません。ワープロ専用機やネットワーク専用の機械がすたれても、「一台ですべてこなせる」PCはいまだ隆盛ですし…。
 もっとも、融通がきかないという点ではPCもある意味同じなんですが。



「きみが権威だよ」

 出典: フィリップ・K・ディック「ヴァリス」(大瀧啓裕訳)

紹介 :Shin Turner 様
HP :

コメント:
 自殺を図るも生き延び、精神病院へ入れられた主人公ファット(=ディック)のズタボロだった精神生活を回復に導いた担当医ストーン博士の一言。
 しかし後にファット自身によって記述されるように、この言葉は「救済」の体裁をとりながらその実はファットに「ゲーム」へのめり込むように仕向けてしまった。ゲームとはすなわち死を求める狂気の集合である。
 まさに『ヴァリス』という書籍が無頓着な理解をされた場合に現れるものを代弁しているような言葉だといえる。

駄弁者:
 この作品を読むのを挫折してしまった身としては、誰かを「きみが権威だよ」と持ち上げて、この作品をわかりやすく懇切丁寧に解説してほしいものですが…。



人間よ、ついに自力でここまで来たか。
やがて君たちも我々と肩を並べ星々の狭間をかけるときが来るだろう。
それまでは我々が君たちの世界の盾となろう。次に会うときが楽しみだ。

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンメビウス 第42話『旧友の来訪』」

紹介 :OK 様
HP :

コメント:
 初めまして。
 ウルトラマンゾフィーが冥王星付近で、後のクルーガイズ隊長となるサコミズに語った言葉です。
 宇宙空間で二人きりで語りあう小さな人間と巨大な宇宙人。なかなかロマンチックなシチュエーションです。
 サコミズの「俺は彼らの心に応えたい」という台詞とともに非常に印象深い言葉です。

駄弁者:
 寿命の差を考えると、ゾフィーがともに宇宙を駆けるのは、サコミズの何代も後の子孫になるのかも知れません。
 …そう言えば、「ウルトラマンゾフィー」と呼びかたは、何か新鮮です。私が「ウルトラマン」を見ていた頃は、単に「ゾフィー」とだけ呼ばれていたように記憶しています。番組の主人公をはっていなかったせいでしょうか。



自力で直ったんだ

 出典: カリン・クサマ監督「イーオン・フラックス」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 えらい病気から人類を救うためのワクチンが不妊を引き起こし、絶滅をクローンで補い400年。なんとか不妊を直そうと頑張っていたリーダー(クローン7代目)。が、400年の研究を尻目に自然治癒する人達が出始める、ってそれじゃ身も蓋もないような。
 それよりなによりクローン体にオリジナルの記憶がある、というのがキモになっているのですが、DNAにそんな機能があるんじゃおちおち死んでもいられないんじゃなかろうかと。って前にも書いたか。

駄弁者:
 クローン技術が確立しているなら、不妊でも体外受精とかDNA組み替えとか他にいろいろ方法がありそうなもんですが。むしろクローンじゃなくて適当にDNAを混ぜ合わせた方が、自力で直る可能性が高いんじゃないかとも思いますし。
>クローン体にオリジナルの記憶がある
「クローン」を個人の不死とか甦りと混同してしまいがちなのは、クローン技術のイメージにとって大きなマイナスだと思うのですが…。



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