SF名文句・迷文句第43集

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「それがむずかしいとしたら、あなたがわざわざむずかしくなる道を選んでいるのです。死者を生き返らせる方法を何か思いつきますか?これ以上死者を増やしたりせずにすむ報復手段がありますか?」

 出典: ロバート・J・ソウヤー「スタープレックス」(内田昌之訳)

紹介 :第8天使 様
HP :

コメント:
 どんなことをしても死者は生き返らない、報復をすればまた死者が増える。この連鎖をとめるには双方が今までのことを水に流してしまわないといけない。まあ、その当事者になったらそうはできないかも。
 どこかの国の偉いさんたちに聞かせてやりたいです。

駄弁者:
 人類とイルカ、そして異星人のウォルフダード族、イブ族の乗り組む探査宇宙船、スタープレックス号の驚異に満ちた物語。ダークマターの謎、不老不死、惑星サイズの生命体などなど、いかにもソウヤーらしい大ネタ小ネタ満載の作品です。
 私はついつい「スタートレックス」と読み間違えてしまうのですが(笑)。
 ご投稿は、人類とウォルフダード族との戦争を止めようとするイブ族・ロンバスの名文句。イブ族が七体の生物の統合生命だというのも面白かったです。
>この連鎖をとめるには双方が…
 難しいのは自分が水に流すことよりも、相手が水に流してくれるかどうかを信じることなんじゃないでしょうか。



わたしには称号などなし。何もなし、お願いよ。

 出典: フランク・ハーバード「デューン 砂の惑星」(矢野徹訳)

紹介 :りりい 様
HP :

コメント:
 わたしがおそらく始めて読んだSFです。小学生の高学年くらいかなあ、わからないなりに苦労して読んだ記憶があります。このページを見つけて10年ぶりくらいに掘り出してきました。なのでこの台詞がどのような意味を持つのかあまり覚えてません(ってかわからなかったはず)。場面的にはラストに戦いに勝ったムアドディブと母ジェシカが皇帝との交渉条件について話し合う場で、ムアドディブの妾チャニが自らの今後について聞かれ囁く台詞です。うーん今ここだけ読んでもやはりなんなのかわかりませんね。ただ単に内助の功を貫く人だったんですかね。でも妙に記憶に残っていてすぐ見つけられた台詞なんですよね。このあとの正妻となるイルーラン姫に対する言葉があまりに辛らつで彼女が可哀想だから覚えているのかもしれません。でも今読み返すとまた違う感想を持つような気がする。

駄弁者:
 小学生で「砂の惑星」というのは、すごい高い敷居だったのでは…?私が読んだのは高校のときだったのですが、それでもかなり手ごわかった記憶があります。
 「公家アトレイデ」を読むためにこの作品から再読する、という人はいるのかなあ…。



あすの朝、この街は目に見えないおれの死体で覆いつくされる。

 出典: グレッグ・イーガン「宇宙消失」(山岸真訳)

紹介 :通りすがり 様
HP :

コメント:
 暗黒の球体「バブル」によって太陽系が覆い包まれた未来。何者かの手によって星を失った人類は、しかし日常を取り戻した。そんな中、失踪人を追う私立探偵の主人公は、ある事件をきっかけに自らの波動関数の拡散と収縮を決定する力を手に入れる。無限の可能性の中から、目的に成功した自分だけを固有状態として決定する力を。だがそれなら、選ばれなかった自分たちはどうなるのか? そして、バブルの正体とは……?
 なぜか宇宙消失からの引用がないので書いてみました。私にとってSFとはまだ見たことのない世界を感じさせてくれるもののことなのですが、その意味でこの作品は、これぞまさにSF。選ばれなかった自分の死体で覆いつくされた街を、ただ一人彷徨う生き残りの自分。なんというイマジネーション!

駄弁者:
 事件を追うニックの行動と「宇宙消失」の謎がなかなかつながらないのですが、いざそこに到達すると「そうくるかあ!」とうなったものです。量子論の展開に、読んでいて眩暈がくるような感覚も。
>自分の死体で覆いつくされた街
 街の方も無限にあるから、そこにある彼の死体はやはり一体だけなのでは?



暗黒の海のはるかに 懐かしき緑の地球は輝く
ああ、その星こそわが故郷 その光今宵もわれを照らし……
望郷の想いは虚空を超えて わが胸にせまりぬ
見はるかす宇宙の彼方 地球の丘々は緑に溢れ……
――かくて失われしものの価値を憶い 暗黒の彼岸に眸めぐらせば
地球の緑の丘々は……

 出典: C・L・ムーア「スターストーンを求めて」(仁賀克雄訳)  「暗黒界の妖精」に収録

紹介 :ヘボ 様
HP :

コメント:
熱線銃と腕っぷしを頼りに宇宙を渡り歩く無法者、ノースウェスト・スミスも、厭世的な気分になることはある。一杯のウイスキーも、彼の心を晴れやかにしてはくれない。
我知らず口をついて出るは郷愁の想い。一片の歌、「地球の緑の丘」。
かつてSF界で最も有名な美女の一人であった”シャンブロウ”を輩出した、”ノースウェスト・スミス”シリーズの一遍より。
 この短編を読んだハインラインが、自作のタイトルに「地球の緑の丘」と付けたくてムーアの許諾を得て…というエピソードだけ(涙)が有名な短編です。ファンの評判もあまり芳しくはないようですが、「どれを読んでもみんなおんなじ」なN.W.の中では毛色が変わっていて私は結構好きです。

駄弁者:
 おお、ノースウェスト・スミスだ。…じつは「シャンブロウ」しか知らないんですが。「地球の緑の丘」のモチーフがここにあったとは知りませんでした。
 松本零士のカバー絵は、なかなか雰囲気出ていてよかったと思ってます。



まったく、もう、これがわたしの上司かと思うと、電源をショートさせて死んでしまいたい。

 出典: 神林長平「敵は海賊・海賊版」

紹介 :mugen 様
HP :
http://suzuka.cool.ne.jp/sgtrpg/

コメント:
 敵は海賊シリーズで、ラテルとアプロの海賊課刑事が乗っている対コンピュータフリゲート、ラジェンドラの嘆きのお言葉でした(^^;

駄弁者:
 ラジェンドラの名セリフといえば、やはりこれですね。
 作品を読んだのはかなり前ですが、このセリフで笑ったのは憶えています。
 …うちの職場のシステムが口をきけたら、似たようなボヤキを洩らすような気がしてしょうがない…。



「このようなことを船舶管理用電子人格であるお前に頼むのは心苦しいのじゃが……中央反応炉の制御棒を全部引っこ抜いてくれんか?」
『かしこまりました……長い間お世話になりました』
「こちらこそ世話になった……この船にはじめて乗ったのは十二のときだから、ざっと六十年か。もうもたんかの?」
『もうすこしなら……敵艦隊のど真ん中ぐらいならもちます……いや、もたせます』

 出典: 鷹見一幸「アウトニア王国再興録 でたまか1」

紹介 :mugen 様
HP :
http://suzuka.cool.ne.jp/sgtrpg/

コメント:
 え〜と、長すぎたので台詞間の描写は全部省略しました。
 囮として敵艦隊の攻撃を引き受けることとなった老提督率いる艦隊の最後のシーン。
 この部分だけ見ているとまっとうなスペースオペラのように見えるが、実際の作品は、戦力の不備をいやがらせ、もとい、敵の戦意を喪失させる心理作戦により補うお笑いスペオペです。
 ネーミングなどにマニアックネタが使われているため好き嫌いが別れるところですが、私は、敵艦隊のネーミング、「白色枢機卿艦隊」「黒色僧騎兵艦隊」(それぞれ、白色彗星帝国艦隊と、黒色槍騎兵艦隊のパロディだと推測される)はなかなか好きなんですがね。

駄弁者:
 すいません、ご投稿よりさらに省略しました(ご要望があれば戻します)。
 この作品は全然知りませんでした。最近角川スニーカー文庫にはほとんど注意していなかったので…。ウェブの評を見たところでは、「銀英伝」と「無責任艦長タイラー」の影響が濃そうな感じがしたのですが?
(mugenさんによると「ノリ的には近いですが……ノリと作中の作戦がより「酷い」のです(笑)」とのこと。)



「気になっていたことがひとつある」とヴェシンスキーはいった。「もしブランドがきみやメラのいうとおりの人間だったなら、なぜジェリコをはなしてやらなかったんだ?」
 セイブルは旧友の顔を長いことしっかりと見つめ、それを説明できるだろうかと首をひねった。じっさい、ひとに説明できるものだろうかと。ようやく、セイブルは肩をすくめた。
「彼は法を破ったんだよ」

 出典: マイク・レズニック「暗殺者の惑星」(小川隆訳)

紹介 :mugen 様
HP :
http://suzuka.cool.ne.jp/sgtrpg/

コメント:
 新潮文庫がまだSFを出版していたころに、新潮文庫から出た、エンターテイメントSFを書かせればピカイチのマイク・レズニックの作品。
 数千万人を虐殺し惑星ヴァルプルギス3に神のごとく君臨するブランドを殺すよう「共和国」に依頼された、年齢、容姿、本名、出身その他一切不明の暗殺者、コードネーム、ジェリコの攻防を描くSFサスペンスの1シーン。
 う〜ん、ネタバレになるかな?(滝汗)

駄弁者:
 ちょっと長いと思いましたが、どこで切ったらいいか分からなかったので。
 レズニックは物語が上手いので、読んでてハマりますよね。
 私はアフリカネタメインで読んでます。それ以外だと創元で出ている「サンティアゴ」なんかが好きです(続編が出ているらしい。訳されないかな…)。
 新潮文庫のは読んだことがないです。今では入手難でしょうね。



トップシークレット!
金星からのミステリアスな光線で死体が蘇る。
人口バンクから無作為に人口カードを一枚引く。

 出典: フライング・バッファロー社製作「NUCLEAR ESCALATION(カードゲーム)」

紹介 :mugen 様
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コメント:
 ブラックユーモア満載のアメリカ、フライング・バッファロー社のカードゲーム、NUCLEAR ESCALATIONのカードから。
 核兵器保有の超大国の指導者となり、自国以外の全ての国を核の海に沈め、自国だけ生き残るという日本ではPTAが怒ってきそうな内容のゲームです。
 実際にゲームをプレイすると約50%の確率で全ての国が滅んでしまい人類滅亡になってしまうところなど、ブラックユーモアを超え、ある種の寓話といえないこともないですね(^^;
 核兵器以外のイベント関係のカードにもここで紹介したような大笑いできる(でもブラックな)ギャグ満載のゲームです。

駄弁者:
>金星からのミステリアスな光線で死体が蘇る
 …真っ先に墓場から這い出てくるのはアダムスキーじいさんに違いない。
 パソコンゲームでは、似たようなシチュエーションながら「核戦争を起こさずに自国の威信を高める」というのがありましたよ(「BALANCE OF POWER」って、知る人ぞ知るゲームですが)。目標は逆ながら、50%の確率で人類滅亡になるあたりはあまり変わらなかったりしたものです。



「ひよっ子だった俺に、歯のみがき方から銃の扱いまで手とり足とり教えてくれた男がいた」
…(中略)…
「…お前には永久にわからんさ。こればかりはいくら教えてもな。
俺達の年代は統制以前の食い物の味を知っているんだ。動機は“食いたい” ただこれだけさ」

 出典: とりみき「黄金三角を持つ男」  短編集「犬家の一族」に収録

紹介 :mugen 様
HP :
http://suzuka.cool.ne.jp/sgtrpg/

コメント:
 食料統制により合成食料以外の全ての食品が禁制品となった近未来。
 巨額の金と大量の血を賭してまで闇で取引される自然食品や冷凍食品。
 食料統制以前に大量に作られブラックマーケットに流れてしまった冷凍食品を見つけ出し処分する農林水産省冷食捜査官を主人公にしたSFハードボイルド・ギャグ漫画(なんじゃそりゃ!)「冷食捜査官シリーズ」の1シーン。
 主人公に捜査のいろはを教えた老刑事を主人公が追い詰める名シーンになるはずなのに……何処かおかしいんですよね(笑)
 「酒の飲み方」じゃなく「歯のみがき方」ってなっていたりする部分とか(笑)

駄弁者:
 ノリは最近単行本が出た「DAI−HONYA」と同じみたいですね。冷食捜査官と書店管理官の違いはありますが。



「これは……独裁だ!」
誰かが叫んだ。その程度では、SQ2Aは反応しなかった。
「そうです。独裁です」
マセはやわらかに受けた。「緊急指揮権下ということは、司政官の独裁下ということですよ」

 出典: 眉村卓「消滅の光輪」

紹介 :mugen 様
HP :
http://suzuka.cool.ne.jp/sgtrpg/

コメント:
 司政官で検索していたらこちらに流れ着いてしまいました(^^;
 SQ1の名文句、「今よろしいですか」と「引き潮の時」からの名文句はありましたので、「消滅の光輪」から上げてみました。
 このシーンをはじめて読んだときに、いいようのない寒気を感じ、最後まで「消滅の光輪」を読み終わったときには、このシーンになんともいえない無常感を感じたものです。

駄弁者:
 新任司政官マセが初めて担当する惑星ラグザーン。繁栄している植民星だが、太陽の新星化で危機に瀕していた。マセは全住民退避の指揮をとるべく奮闘するのだが…。泉鏡花賞受賞作。
 「司政官」ものからのご投稿は久しぶりです。私もこの作品はシリーズで2番目ぐらいに好きですね。マセ司政官は報われないなあ、と思いましたが、よく考えると報われてる司政官など、このほとんどいなかったような…



この街は死街だ 何のために何処へ行く?

 出典: 菊地秀行「D−死街譚」

紹介 :へかあて 様
HP :

コメント:
 そういえば『吸血鬼ハンターD』の第一作の紹介文が『SFホラーアクション』だったなぁ、と思い出しました。
 先日久しぶりに読み返したのですが、『ほどほどの衣食住 満ち足りた でも満ち足りる事のない』街の生活は 今の私達そのものです。
 もしも今の生活と「D」が選ぶような放浪の生活のどちらかを選べ、と言われたとき私自身はどちらをとるのだろう?と考えてしまいました。
  鳥篭か世界かと問われたとき、私達は世界をとる事ができるのでしょうか?

駄弁者:
 「D」は、まだソノラマが緑色をしていた頃からその存在を知りながら、結局今に至るまで読んでいないシリーズです。というか菊池秀行じたい、1冊も読んでないのですが。
>鳥篭か世界か
 私だったら、そこそこ広い鳥篭だったら満足してしまうでしょうねえ…。世界のほうは話に読むだけで満足してたりして。



「ムコ殿の素顔を見せよ」
「ヒヒ……ふしどを共にするまでの楽しみにしておけ」
「牙をむく毒蛇の巣穴に裸で踏み込めるかな?」
「それでこそ我が血まみれの花嫁だ。憎悪と敵意こそ真の尊敬を生む源となろう。二人してたそがれの王国を築こうではないか」

 出典: 宮崎駿「風の谷のナウシカ 第6巻」

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
 皇兄ナムリスのプロポーズ(?)とそれに応えるクシャナ殿下。ナウシカのなかでも屈指の名場面です。宮崎駿はただのロリコンではない、なんと優れた言語感覚を持つ助平爺さんか、と感心いたしました。

駄弁者:
 虚無的な雰囲気を漂わせたナムリスは、面白いキャラクターだったと思います。…好きなキャラクター、とはちょっと言えないですが。
 それにしても、ヒドラの体でやることやるつもりだったのか、このおっさん。



またたく昼と夜は、溶けあって夕暮れ時の深い青色になった。月は満ち引きをくりかえし、子どもの独楽が回転しているように見えた。さらに速度が上がると、砲弾のようだった太陽は視界を横切る光のアーチになり、空を上下しはじめた。

 出典: スティーブン・バクスター「タイム・シップ」(中原尚哉訳)

紹介 :第8天使 様
HP :

コメント:
 ずいぶんと久しぶりの投稿になります。
 タイムマシン映画化記念ということで、その公式続編となる「タイム・シップ」から、時間航行の様子の描写になります。ドラえもんのタイムマシンもいいんですけど、同じ乗るならこちらのほうがいいなとちょっと思ってしまったり。やはり、周りの景色を見ながら時間航行してみたいなと。こうやって書いてしまうとタイムマシンも車と変わらないなあ…。

駄弁者:
 「タイムマシン」からのご投稿があったので、こっちもくるかな?と思っていました。
 新生モーロックが造るダイソン球核とか「タイムシップ」ならぬ「タイムタンク」、宇宙の起源までさかのぼる時間旅行と、非常に面白い作品でした。続編というより、拡張版と言っていいんじゃないかとも思えます。
>周りの景色を見ながら時間航行
 映画でもそういうシーンが人気のようですね。しかし自分が周囲を見ることができるということは周囲からも自分が見えているんじゃないでしょうか?



ガトー「一人でも突破しアクシズ艦隊へたどり着くのだ。我々の真実の戦いを、後の世に伝えるために!」

 出典: 今西隆志監督「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」

紹介 :おおた 様
HP :

コメント:
 最終回よりガトーの台詞。
 この作品、MS戦が熱い上に、遠回しな表現が少なくって各キャラクターの思想をストレートに叫びまくってくれるため共感しやすくて好きなんですが。
 GP03との闘い、ソーラーシステムの照射によりボロボロになったMAノイエ・ジールを駆り連邦艦隊に特攻するシーンなんてゾクリとしました。
 まあどんな大義があろうと、コロニー落としなんて許されることじゃないですけど。

駄弁者:
>思想をストレートに叫びまくって…
 ガンダムをみてていつも思うんですが、ここの登場人物はモビルスーツを操縦しながら、哲学論を戦わせるんですよね。すごいのになるとその上さらにビットやファンネルの遠隔操作までやってのけるという…。ニュータイプってすごいよなあ(…このネタ前にも使ったな)。



ニナ「いやあっ! 私のガンダムが!」

 出典: 今西隆志監督「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」

紹介 :おおた 様
HP :

コメント:
 第2話よりニナ・パープルトンの一言…。
 ソロモンの悪夢と呼ばれたジオンのエースパイロット、アナベル・ガトーがテスト中の核搭載試作ガンダム2号機-GP02A-を奪取するところから物語は幕を明けます。この時近くにいたテストパイロットの主人公コウ・ウラキが試作ガンダム1号機-GP01-を使用して2号機を追跡。
 アナハイム・エレクトロニクスの技術者でガンダムの開発に携わっているニナ。
 彼女の目の前で精魂込めて開発したGP02Aが奪取され、そのうえGP01も勝手に使われ、あげくガンダム同士が対決するシーンを目の前にした台詞です。
 ……乗ってるパイロットの心配は?基地も砲撃受けて死傷者わんさかだよ、お姉さん。
 第一『私の』のじゃないでしょう…。
 ガンダムエース誌上で嫌いなキャラワースト10に入るわけだ…。

駄弁者:
 予告編でも入ってたような記憶があるので、わりと有名なセリフじゃないでしょうか。嫌われている理由は、このセリフのせいではないようですが…。
 



誰もが心の中にタイムマシンを持っている。
過去に戻るタイムマシンは”記憶”と呼び、未来に旅するタイムマシンを”夢”と呼ぶ。

 出典: H・G・ウエルズ原作・Sウェルズ監督「タイムマシン(映画版)」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :

コメント:
 名作久々の映画化から、知性ある(!)モーロック族の長、ウーバーの台詞です。ウエルズというよりブラッドベリ的?
 映画としては、SF的にもー少し突っ込んだ展開も欲しかったりしますが、これはこれで楽しい映画化だと思います。時間とお金に余裕があれば、どうぞ。
 それはさておき、原作最大の魅力って、エロイ族ヒロインのイノセントでロリーなエロさにあると思うんですが、それって間違いでしょうか?

駄弁者:
 映画のモーロックは原作ほど退化していないんですね。セリフだけ見ると、なんかバクスター「タイムシップ」に出てくる新生モーロックみたいです。
>エロい族
 いえ、あながち間違いでもないような…。



成原成行「いまどき直感でこれくらいのものが作れんで、なーにが科学者だ!!」

 出典: ゆうきまさみ「究極超人あ〜る 第3巻『お祓いをしよう』の巻」

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 ”仮説をたてて論理的にそれを検証し、第三者でも再現可能な実験によって証明する”という(自然)科学の手法を真っ向から否定する、自称天才”科学者”成原成行博士至高の名台詞。この時の「これくらいのもの」とは、作動原理を考えるより先に完成させた掃除機型除霊機「お祓いくん」。まあ、天才は往々にして余人には計りがたい直感を持ってるもんですが、文字通り”理屈抜き”の閃きだけで完成させられては、発明王の99%の汗も泣きます。

駄弁者:
 しかも作るのが「除霊機」と来た日には、二重に科学を否定しているような…。
 いや、除霊機などという非科学的な機械は科学的手法をとらない直感からでしか発明できないに違いない。否定の否定は肯定で、これはこれで非常に合理的な名文句…な、わけないか。



「いっそのこと彼らは文明レベルで精神的な疾患を患っていたと結論してしまいたくなるわよ」

 出典: 林譲治「暗黒太陽の目覚め」

紹介 :PALL 様
HP :

コメント:
初めての投稿です。 古代人の持つ神の概念が理解できない未来人のぼやきです。無宗教の人間としては、このセリフの前の我々人類には理解しがたいどころか、想像を絶する概念だ。というセリフともども実に共感できるので投稿してみました。
 しかしまぁ、SFと宗教ってのは随分相性がいいっていうのがなんとも皮肉なもんです。

駄弁者:
 初めてのご投稿を歓迎いたします。
 林譲治は、このごろよく名前をみかけるようになりましたね。ハヤカワJコレクションでも新刊が出ましたし。
>無宗教の人間としては…
 私も信心深さとは程遠いタチですし厳格な一神教には違和感を覚えますが、想像を絶する、というほどでもないかな。信じてたら生きやすいだろうな、と思うことがあります。



「おれたちが部族だと信じているのがとにかく部族なのだ。おれたちが、森の中のすべての小さきものとすべての樹々が部族なのだと言えば、そのときそれが部族なのだ」

 出典: オースン・スコット・カード「死者の代弁者」(塚本淳二訳)

紹介 :司書の駄弁者 
HP :ここ

コメント:
 食料の不足で生まれてきた自分の部族の全員を育てることができなかった異星種族ピギーだったが、人間たちの援助でそれは解決した。強くなった部族の力で、別の部族を征服し従えようとするピギーを止めようと、エンダーは必死に説得を試みる。そしてついにピギーのひとりヒューマンは、何が「自分たちの部族」なのかは、自分たちの認識しだいで変わりうるということを悟るのだった…。
 そりゃ、実際はそんな簡単な話じゃないでしょう。もし相手が、自分たちはお前らの部族に入りたくない、と言ったときは、そいつらは征服してもOK、ということにもなりますし(いきなりやってきて「お前ら今日からみんなアメリカ人だ」と言われたらふつう怒ります)。
 けど、「部族」を「民族」と言い換えて、胸を張ってそう言いきれる人間がいたら、すごいんじゃないかと思いますよ。



痛みに耐え、喜びを見いだし、自分の人生の意義をつくりだすのよ。宇宙がそれを提供してくれないのはたしかなんだから。常に目標とされるように行動してね。生きなさい。生きなさい。生きなさい。

 出典: ロイス・マクマスター・ビジョルド「バラヤー内乱」(小木曽絢子訳)

紹介 :司書の駄弁者 
HP :ここ

コメント:
 自由主義が進展した星ベータから封建制が色濃く残るバラヤーの大貴族ヴォルコシガン家に嫁いだコーデリア。テロに遭った彼女は自らの一命はとりとめたものの、妊娠中の息子は骨格に重い障害をもって生まれてこなければならないことが判明した。跡継ぎに不具の者を据えるわけにはいかないと中絶を迫る舅に抗って、彼女は息子を生む決意を新たにする。投稿の文句は物語ラストより、生まれたばかりの息子マイルズに向けた、コーデリアのモノローグ。
「生きなさい。生きなさい。生きなさい」と3度繰り返されるフレーズの力強さが印象に残るところで、ほんとはこの部分だけ上げてもよかったぐらいなのですが、未読の人には前の部分も入れといたほうがいいのかな、と。
 …しかし母の祈りが強すぎたのか、マイルズ・ヴォルコシガンは、はた迷惑なほど生きまくっている感があったりして(ヴォルコシガン・サーガ最新刊「ミラー・ダンス」もうすぐ発売です)。



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