SF名文句・迷文句第122集

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「俺 少しシステムがおかしいみたいなんだけど」
「え?どんな風に!?」
「なんというかこう 胸がドキドキしてさ…心拍数もあがって論理的な行動がとれないんだ」
…(中略)…
「――フォーティ それはきっと恋よ」

 出典: 赤松健「A・Iが止まらない! 5巻『思い過ごしも恋のうち』」

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 主人公の神戸ひとしは運動も勉強もてんでダメ、女子からも全くモテない高校1年生。そんな彼は、知る人ぞ知る優秀なパソコンのプログマラーなのであり、理想の女の子として創り上げたA・I=人工知能プログラムのNo.30[サーティ]と会話をしていた。ある日、ひとしの家に雷が落ち、それが原因でサーティが実体化したのだから、さあ大変!後にお姉さんタイプのNo.20[トゥエニー]と男女両方の機能を持つNo.40[フォーティ]も実体化して、平凡だったひとしの生活は一変、ハチャメチャなものに!
 ……という内容の漫画です(全9巻)。基本内容は恋愛ものなのですが、なかなかSFしている作品です。未読の方にはオススメですよ。
 第30話では、学校に通いだしたフォーティ(男バージョン)が、担任の女教師の前ではヘンな行動を取ってしまうことを悩み、ひとしに打ち明けます。ひとしはそれがバグだと思いますが、サーティは答えを知っていました。そう、「恋」だったんですね。名文句はそのときの会話です。
 恋を知らないプログラムというのは、恋しい気持ちになってもシステムの故障と思ってしまう……いやまて、逆の立場から考えたらどうなるだろうか?パソコンの調子がおかしくても、それは故障なのではなく、実は誰かに対して恋心を抱いているのでは?しかし我々はその気持ちに気付かず、廃棄しているのではないのだろうか?
 な〜んて変なことを考えてしまいました(^^;

駄弁者:
 最近うちのメインマシンにも恋心が芽生えてきたようで、長時間稼働させると熱が高かったり、異音を発したりします。
>恋を知らないプログラムというのは、恋しい気持ちになっても…
 逆に恋を知っているプログラムは、システムの故障をそれと勘違いしてしまうとか。アトムみたいに原子力で動いているロボットあたりは、心を持っていると危ないかもなあ…。



あなたの30分を私にちょうだい。例え、あなたが悪魔になり、あなたに殺されるその瞬間でも、私はあなたを信じる。 あなたの心の中に息づく人間の心を、私は信じる。 だから、あなたの30分を私にちょうだい!

 出典: タツノコプロ製作「宇宙の騎士テッカマンブレード」

紹介 :神代御子 様
HP :

コメント:
 CrossBone改め、神代御子です。
 今回投稿する名台詞は旧作「宇宙の騎士テッカマン」のリメイク、「宇宙の騎士テッカマンブレード」から。リメイクといっても、使われているのはテッカマンやペガス、スペースナイツに「ラーサ」と言った基本的な部分だけで、話はまったくの別物です。
 連合地球暦192年、地球は謎の異星生命体「ラダム」の侵略を受け、人類の惑星進出の夢を賭け作られた宇宙開発基地であるオービタルリングを瞬く間に占拠されてしまう。宇宙に上がる手段を絶たれた人類はラダム獣の侵攻をなす術なく見守ることしかできなかった。そんな中、空の彼方から一人の青年が落ちてきた。記憶を失い、自分の名前も知らない青年はラダム獣に向かい「テックセッター」のかけ声勇ましくテッカマンブレードに変身する。彼はラダムへの怒りと憎しみを糧に無謀な戦いを繰り返すためにこう呼ばれた。「デンジャラスボゥイ」、略してDボゥイと。
 台詞ですが、Dボゥイの変身するテックセットシステムには問題があり、テックセット後30分を過ぎると人としての意識を失い暴走してしまう事が判明。そこを敵に突かれたブレードは暴走し、仲間に襲いかかります。目の前の物全てを破壊して前進するブレードを寸前で止めたのは仲間の命がけの説得でした。
 かろうじて正気を取り戻したものの、Dボゥイの心には「暴走したら仲間を殺してしまうかもしれない」という恐怖が残ってしまいます。それでも「ラダムと戦えるのは俺だけ」という思いとその事実のみを拠り所に戦い続けるDボゥイ。 しかし彼を追い詰めるように連合軍はテッカマンのデータを元に簡易型テッカマン「ソルテッカマン」を開発、瞬く間にラダム獣を倒してしまいます。そして用済みと判断されたDボゥイは軍に拘束。
 しかし、所詮は簡易型のソルテッカマン、ラダムの送り込むラダムテッカマンの前には歯牙にもかけられません。 攻撃を受ける軍基地の中、仲間のノアルとアキはDボゥイを救出し、ラダムテッカマンと戦わせようとしますが、かたくなにそれを拒否するDボゥイ。己の中に潜む暴走への恐れ、ソルテッカマンがある以上、暴走する自分は不必要なのではないか等、これらの要素が重なり、Dボゥイは心を閉ざしていたのです。
 崩壊の進む基地の中でアキは切々とDボゥイが悪魔でないこと、そして彼を信じることを訴えます。その訴えにDボゥイは応え、再びテッカマンとして、人間として、地球をラダムの魔の手から守るために戦う決意を固めるのです。

駄弁者:
 旧作の方は、変身のときの主人公の痛々しさがやけに印象に残っているのですが、リメイクされても主人公に酷なことは変わらなかったようで(むしろ増幅している?)。
 「私は信じる」と言ってくれるような人がいるからこそ、よけい暴走の危険を冒すことがためらわれるんじゃないかと思います。
 量産型の生産が軌道に乗ったら、扱いにくいプロトタイプは用済み…とは、いかにもありそうな話ですね。



「君はいま、百メートルを六秒半で走れるんだ」

 出典: 広瀬正「オン・ザ・ダブル」  「タイムマシンのつくり方」に収録

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 「実験台の人間を一室にとじこめ、その部屋の時計を一日に五百分の一ずつの割で等比級数的に早くして行く。丸一年後には、時計の早さは最初の約二倍になる。そうすると、例えば百メートルを十秒で走った人なら、五秒で走れるようになるかもしれない」 …だそうです。
 読んだ時は「!」と思ったのですが、今となっては「?」ですね。
でもこの「!」がSFにとって重要なんですよね。

コメント(唯野 様よりの追加):
 ええっと……老婆心かもしれませんが一応。
 オン・ザ・ダブルという短編はですね、ネタばらしになってしまいますが、外部との交流を完全に途絶させ、昼夜や食事の間隔、さらには映画のフィルム速度にいたるまで、すべての時間を少しずつ早くしていき、被験者はその間、100メートルを一定の速度(ストップウォッチの速度も少しずつあがっているので、実際には記録は少しずつ上がっている)で走る訓練を続けるのです。そうやって生活リズムの全てを少しずつ早めて行き、倍速になった時点で外に出たら……というのがこの実験の概要なのですね。実は実験室の外に出るまでもうひとつ大きなイベントがあって、それを説明しないとあの名台詞の効果は半減してしまうのですが……。できれば作品を読んでいただきたいです。

駄弁者:
>「!」がSFにとって重要
 まったくもってその通り!…たしかに発想については「?」ですが。
 部屋の時計じゃなくて世界中の時計を同じふうに早くしたら…? 時計の早さが2倍になっても人間やそれ以外の事物の行動は変わらないのだから、100メートル走のタイムは十秒が二十秒になってしまうのでは。
追記:唯野さんよりのコメントは、掲示板の方に頂いたものを転載させていただきました。私のコメントもかなり的はずれですねえ…。



君はつまらない人間だな

 出典: 石森プロ制作「仮面ライダー響鬼」

紹介 :ヌントラ 様
HP :

コメント:
 仮面ライダー響鬼の登場人物、桐谷京介の名ゼリフ。
 この「君」とは、明日夢に向かって言った台詞だが、個人的には井上氏が薄っぺらい響鬼のキャラクター達に向けていった台詞だと思っている。
 表面ばかりの善人の集まり。
 不自然極まりない人間関係。
 本当の感情がまったく覗かない人々。
 緊張感を持たず、気の抜けた態度で挑む魔化魍退治。
 人間を守る気などまったく見えない姿勢。
 相応しくない人間を主役に添えたために起こる数々の問題。
 まったく深みを感じない物語の内容。
 物語の進行が期待できない展開。
 全然大人じゃない「憧れの対象」。
これが、29話までの仮面ライダー響鬼である。
 だからこそ、井上氏は桐谷や朱鬼といったキャラクターを登場させたのだと思っている。グラグラの屋台骨、ボロボロのキャラクター描写等を持った作品を立て直す為に。

駄弁者:
 本来ならばだいぶ後の掲載順になるのですが、まとめて掲載させていただくことにします。
 私は1話も見ていないので意見を言えるところではないのですが、必要以上にメタな含意を読みとろうとしすぎてはいないですか?
 そういう見かたに面白さがあるのは分かります──私も自分が知ってる作品ではやりがちですし──が、やりすぎるとかえって楽しみを損なうと思っています。



鬼の仕事ってのは、綺麗なことばかりじゃないってことさ

 出典: 石森プロ制作「仮面ライダー響鬼」

紹介 :ヌントラ 様
HP :

コメント:
 仮面ライダー響鬼・第37話「蘇る雷」より、主人公ヒビキのセリフ。
 この回で、危険分子を処分(=殺す)するための「鬼祓い」という仕事を渋るイブキにヒビキが言った言葉。
 猛士のダークサイドや、イブキの苦悩など本来なら序盤のウチに描いておく描写が多々あったのが印象的です。
 30話以降はまったく進展しないストーリーが加速して動き出し、半年かけて一歩しか歩めなかった明日無君のキャラが安達明日夢として生き生きしだしたり、桐谷君の登場により話しの展開が今までにない程に良くなったり、空気キャラでしかなかったイブキとアキラが空気から実体化したり、ヒビキ自身もちゃんと大人としていたりさすが、自称天才(笑)井上敏樹氏!と個人的には、拍手喝采です。
 ファンは、響鬼は死んだと言ったが、視聴率は過去最高をマークし大きい大人向けの偏狭なヒーローから、響鬼はみんなのヒーローになりました。
 しかし、高寺前プロデューサーが予算と時間を使いまくったおかげで、敗戦処理班である現スタッフは相当苦しい状況だと思われます。なのに、劇場版ブログをあらしたりソフビをバンダイ本社に返品する旧響鬼ファンの神経はとても理解できません。

駄弁者:
 ファン心理もきれいなことばかりじゃないってことさ?
 一応クギをささせていただきますが、ここは名・迷文句(それもSFの…と言うのは今さらですが)を投稿・紹介していただくところですので、お間違えのないように。



「SF小僧、それよりブラックホールから地球を救う方法を早く!!」
「わかりましたオオトモ博士!!
 現在進行中の木星太陽化計画」
「うっ」「いやな予感!?」
「それは触れてはいけないタブー・ゾーンでは!?」

 出典: とり・みき「SF小僧・500号記念大SF漫画」  「SF大将」に収録

紹介 :道神 様
HP :

コメント:
 「木星太陽化計画」がどれぐらいタブーっぽいかという辺りは、小松左京の「さよならジュピター」をまず読み、「このスケールの大きな話を作者の小松左京が映像化しようとしたんだ……」としばし感動にふけった後に映画版の方を見ていただければ理解していただけるかと。

駄弁者:
 本当は下とまとめて一つのご投稿だったんですが、内容的に別ネタだったので分けました。コメントも前後半で分けてしまいましたが、あしからずご了承を。
>触れてはいけないタブー・ゾーン
 ほとんど伝説…というか、トラウマと化しているような。



「ニードル・ガン!!
 スプレードレス!!
 紙を使ったワープ航法の説明!!」
「なんか使ってるアイテムが30年くらい古くないか?」

 出典: とり・みき「SF小僧・500号記念大SF漫画」  「SF大将」に収録

紹介 :道神 様
HP :

コメント:
 今となっては何が笑えるのか分からない若い人も多いかと思われますが、キャプテン・フューチャーも改めて出版されているの世の中なので投稿させていただきます。

駄弁者:
 「紙を使ったワープ航法の説明」、私が初めて見たのは、たしかドラえもんの「のび太の宇宙開拓史」だったなあ……24年前か。



「ダグオンってのは、勇者を意味する言葉なんだ。お前の勇気が、小さな命を救ったじゃないか
……(中略)……
 たとえそれがどんなに困難だろうと、最後まで諦めない。それがダグオンだ! 見ていろガク。ダグオン最後の戦いを!」

 出典: 望月智充監督「勇者司令ダグオン 第47話『燃えろ!炎の勇者エン』」

紹介 :青葉桂都 様
HP :

コメント:
 はじめまして、先日こちらのサイトを見つけて、120集楽しく読ませていただきました。
 勇者シリーズからガオガイガーの台詞ばかり投稿されてるような印象を受けたので(見返してみると五つしかないし、同シリーズの他の作品もあったのですが……)、よろしければ一つ投稿させてください。
 宇宙監獄サルガッソが謎の事故によって収容していた犯罪者たちにのっとられ、地球が彼らの惑星狩りの標的になってしまう……というのが勇者司令ダグオンのストーリーです。
 主人公のエンをはじめとする五人の高校生たちは最初の襲撃の際に偶然居合わせてしまい、宇宙警察機構のブレイブ星人によって地球を守る勇者『ダグオン』に任命されます。
 第47話では、超生命体ジェノサイドによって地球が取り込まれる寸前の状態になります。エンはジェノサイドを倒すために命がけの攻撃をしかけるのですが、その直前にかわされる会話がこれです。
 台詞に出てくるガクはダグオンに任命された五人の一人ではありません。ダグオンに憧れている無邪気な少年です。『小さな命』というのは一匹の子猫です。ガクは子猫を助けるために、勇気をふりしぼってジェノサイドに操られた人々の前に飛び出しました。かつてエンも同じように、ガクを助けるために宇宙人の攻撃の中に飛び出していって、その結果ダグオンに任命されています。このエピソードは、ダグオンになったときのことをエンに再確認させるためのものでしょう。
 ダグオンは勇者シリーズの中では鬼子と呼ばれていますが、その理由の一つに『勇者が単なる人間の高校生である』という点があります。ただの高校生だった主人公が、最強最悪の敵に対して命がけの攻撃をしかけるには、なんらかのきっかけが必要だったのではないかな、と。個人的には、勇者だからという理由で迷わず命をかけられるよりもそのほうが好みです。

駄弁者:
>勇者だからという理由で迷わず命をかけられるよりも…
 シリーズ各作品の紹介を見てみると、主人公が「勇者」になるのはけっこう偶然のなりゆきっぽいので、よけい「勇者だから」では命かけにくそうに思います。



「お前のココロの回路(サーキット)に熱きオイルを注ぎ込め!」

 出典: 矢立肇原作・アミノテツロー監督「疾風!アイアンリーガー」

紹介 :安井 賢一 様
HP :

コメント:
 こんにちは。
 スポーツの秋、熱血スポコンSFアニメより熱い台詞をば。
 ……ロボットがスポーツをやるアイアンリーグでは相手の破壊も辞さないラフプレー全盛であった。唯一フェアプレイをモットーとする弱小チームシルバーキャッスル。そこにふらりと現れたアイアンリーガー、マグナムエース……
 といった具合で始まっていくのですが、スポコンの王道まっしぐら! 特訓!(ロボットなのに……) 新必殺技!(ロボットなのに……) 心眼!(ロボットなのに……) 土壇場の底力!(ロボットなのに……) 強敵と書いて友と呼ぶ!(ロボットなのに……) そう、彼らはロボットではない。人間よりも熱い魂をもったアイアンリーガーなのだ。
 台詞は主人公マグナムエースの呼びかけより。
 「そんなことしたら回路が焼けちゃうよ」なんて理系の人は思うでしょうが(笑)、大丈夫です。こんなことを言われるアイアンリーガーの回路は熱いオイルくらいで焼けるようなヤワな回路じゃありませんから(笑)。

駄弁者:
 もう何をどうつっこむのも野暮、という感じ(コメントの「ロボットなのに……」で十分)ですが…。電流じゃなくてオイルが流れてる回路をイメージすると、理系じゃなくてもやはりつっこみたくなります。



「バカめと言ってやれ」
「は?」
「バカめ、だ」

 出典: 松本零士原作・西崎義展企画総指揮「宇宙戦艦ヤマト」

紹介 :安井 賢一 様
HP :

コメント:
 今回は第1話の有名な台詞を出してみました(何故これが出ていないんだろう…)。
 降伏を要求された時の人間は大概覚悟を決めてますから、こんな小気味の良い台詞が出るんでしょうが(歴史上でもこれに匹敵する台詞を3つほど知っていますが)、私じゃあパニックになって何にも頭に浮かんでこないでしょう(笑)。

駄弁者:
 まだヤマトが完成する前の、地球艦隊対ガミラスの冥王星空域での決戦。ガミラス艦隊の降伏勧告に対する沖田艦長の返答より。
 降伏してもちゃんとした扱いを受けられる国際法があるわけでなし、そもそもガミラスが本気で相手の降伏を求めているとも思えないし。相手を「バカめ」というよりは、こっちを「バカにするな」というのが本意だったのかも。
 しかし、ガミラスは地球の日本語を理解できる程度には、侵略相手を研究してたってことでもありますよね…。



「有史以来、人類は様々なエネルギーを手に入れ、文明はその力に導かれて歩んできた。…では、メタトロンほどのエネルギーが導く文明の行き先は何だ…?
 破壊だよ。すべてを終わらせるほどの破壊だ!!」

 出典: コナミ製作「アヌビス 〜ZONE OF THE ENDERS〜」

紹介 :暴走機関車 様
HP :

コメント:
 ゲームからの台詞です。ゲーム中の敵「ノウマン」の台詞なんですが、敵の台詞ながらなんか納得…。

駄弁者:
 この種の話はだいたい核のアナロジーになってしまうと思うのですが。核より圧倒的に強力なエネルギー(反物質でもメタトロンでもいいですが)を手に入れたときは、核のときとはまた違った影響なり衝撃なりが生じるかもしれません。



ごめんねジュニ。
でも、そういうプログラムなの。

 出典: ロバート・ロドリゲス監督「スパイキッズ3 ゲームオーバー」

紹介 :いやせん 様
HP :
http://blogs.yahoo.co.jp/ekizotikkudoradora/

コメント:
 スパイキッズ3は後半ではかなりムチャな部分がありますがクライマックスまでは十分にSFなお話です。この名言はバーチャルリアリティーゲーム「ゲーム・オーバー」のだましキャラであるトィミトラの名言です。
 こういうバーチャルリアリティの世界を扱った物語ではプログラムは多くの場合自我を持ちますがティミトラの場合はもともと人間の感情を再現したプログラムでただ自分の職務の忠実であるという感じがします。ただプログラムなので本来の目的は達成しようと行動してしまうか、あるいは目的に沿わない行動を起こせばプログラマーに削除去れるか強制的にCDロムなどに移されてしまう可能性も有ることなどを考えれば切ない気もします。

駄弁者:
 言いようは違いますが、現実でもけっこう聞かされる言葉です。
 「すいません、それは仕様です」って。



高杉大佐「武士たるもの、道を歩みて死を恐るるべからず。剣豪宮本武蔵も云っている」
星史  「何云ってんだ、死ぬ気かよ!」
高杉大佐「いや、武蔵は62歳まで生きたのだ。要は生き様の問題だ」
ヴィオレッツェ「ちょぉっとちょっと、いきなり出てきて何を訳の判んないこと云ってるのよ」
高杉大佐「宮本武蔵を知らんのか、無知な奴だ」

 出典: 平野靖士・志茂文彦脚本・菱川直樹監督「伝説の勇者ダ・ガーン第42話『出現!伝説の力』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 日本人ならまぁ『宮本武蔵』は常識かも知れないが、宇宙人相手にそんなローカルな知識をさも当然のように要求するなよぉぉ。
 圧倒的な戦力と科学力を備えた宇宙の大魔王・オーボスの人工惑星が地球に接近、和平交渉を企図する地球防衛機構軍の高杉大佐(内緒だが勇者の隊長・星史の父親)は、何が何でも話を自分のペースに持ち込み、交渉の場にオーボス自身を引っ張り出さなければならない。
 子供番組にありがちな“フラットランダー”的なとぼけた台詞かと思いきや、実は結構深い意味が隠された台詞なのだ…、と思う。
 でも地球に来る宇宙人がみんな宮本武蔵について語りだしたらイヤだよなぁ。

駄弁者:
>宇宙人がみんな宮本武蔵について語りだしたら
 カール・セーガンの「コンタクト」みたいに、いきなりヒトラーの演説送ってこられるよりはまだマシなのでは。…日本人以外理解できないと言うのは大問題だけど。



「もうひとつだけ…このチビは一体何なんですか!?」
「なんだまだわからんのか <物語> にゃ絶対必要なもんがあるだろうが… おまえの「動機」だ!」

 出典: 押井守・森山ゆうじ「とどのつまり…」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 得体の知れない子供を匿ったばかりにとんでもない事になった男の話なんですが、もう押井節全開(当たり前か)のマンガですこれ。
 人生が物語なら舞台を進行するには動機が必要だ、ということですが、さて自分の「動機」は?と考えると、、、。

駄弁者:
 主人公のアニメーターはある日、敵視されている未登録児童(アリス)を拾ってしまう。同僚のアニメーターたちは、実はアリスの逃亡を援助する秘密組織「CATS」のメンバーで、公安警察の特殊部隊「トランプ」と戦闘を開始する……。現物を読んでないんで細かいことはよく分からないんですが、なんかシュールな。
>さて自分の「動機」は?
 とりあえず舞台を止めないことそのものが動機、というだけではちとさびしいか。



「ずっと悧巧な火星人はこう考えるでしょう。『これはいい絵だ。…(後略)」

 出典: レイ・ブラッドベリ「火星年代記」(小笠原豊樹訳)

紹介 :山猫男爵 様
HP :
http://spaces.msn.com/members/yamanekocave/

コメント:
 第四次火星探検隊の隊員スペンダーが、隊長との最後の会話で口にする言葉です。
 火星人の文明を評しての一言。この作品のテーマが、ここに言い尽くされているような気がします。

駄弁者:
 火星にたどり着いた探検隊の一行を待っていたのは、火星人の築いた文明の廃墟だった。到着の喜びに馬鹿騒ぎする同僚を苦々しく思っていたスペンダーは、隊を離れて行方不明となり…やがて戻ってきて同僚たちを殺しはじめる。火星文明の美しさに触れた彼は、それをたった一人で守ろうとしているのだった。スペンダーの心情に理解を示す隊長は、最後にスペンダーと話し合うが…。
 ご投稿の文句は地球と火星の文明を比較している一節より。ある絵を前にしたとき、地球の科学であれば、絵の色彩などは光の反射に対する脳細胞のパターンにすぎないとするだろうが、芸術と科学・宗教を融合させた火星文明は、それを良いものとして認めるだろう、ということです。
 スペンダーの行動は極端ですが、その根本にある敬虔さは貴重なものなんだろうと思います。



星よりきれいな 核ミサイル
はじけて街中が 光になったの
授業がないのは うれしいけど
一人じゃ愛なんて 習えもしないわ

 出典: Juicy Fruits「夢見るシェルター人形」

紹介 :ながぴい 様
HP :

コメント:
「博士の異常な愛情」が採用されたのに気をよくして、再び核戦争もので勝負だ!!
…つっても、誰も憶えてなさそうな歌の歌詞だし、採用の可能性は低そう…
「夢見るシャンソン人形」の替え歌だしね…
当時この歌のCMがラジオで流れるのを聞いて、わしは子供ながらに「なんて不謹慎な歌だ!」と思ったものです。しかし、歌のメッセージとしては「核武装に抗議する」という意図だったようです。おそらく人類史上これが最初で最後の日本語で歌われた「核戦争後の世界を歌った歌」なのではないかな?米ソ冷戦の時代、核戦争に備えて地下に核シェルターをこっそり作ってたお金持ちを皮肉ったものなのでしょう。
「友達がわりの コンピューター」とか「ふれたらとけそうな 危険な雨でも」とかのフレーズも泣かせます…

駄弁者:
 ちょっと迷いましたが、「核戦争後の世界を歌った歌」というのが面白そうだったので。
>核戦争に備えて地下に核シェルターを…
 50年代のアメリカSFなんかを読んでいると、核戦争への不安が色濃く影さしている作品が多くあるので、あんまり笑えません。



二〇〇四年の九月、十二歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはほぼ四六時中、しあわせな気分でいるようになった。

 出典: グレッグ・イーガン「しあわせの理由」(山岸真訳)  同名短編集に収録

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 脳腫瘍が原因で、ロイエンケファリンという一種の脳内麻薬が大量に分泌するようになってしまった“ぼく”。そのせいで、どんな時にもハイな状態で生きていた。しかし、その偽りのしあわせも徐々に崩れ始め、ついには不幸が“ぼく”を襲ってくるようになった。それを乗り切るための策とは……!?
 「好き」とは?「愛」とは?「しあわせ」とは?自分の「心」とは?その真実を、そしてそこから導き出せる物語を、あくまでSF的に描いた、だ・だ・大傑作!グレッグ・イーガンには、本当に脱帽です。僕はこれを読んで、号泣しました。  この作品には心に響く名文句がたくさんあるのですが、やっぱり1番はこれかな。

駄弁者:
 人間の幸不幸、好き嫌いは生化学的な作用で、操作までできてしまう…というある種ドライな発想が元なのに、なぜかしみいるものがあります。
 ご投稿は、語り出しの一節より。ラストの主人公の言葉も一見は平凡ながら、物語の掉尾に置かれると余韻が残るものでした。



 SF作家たちがおびえて顔を見合わせる中で、ひとりがいった、
「あれは第二のハーラン・エリスンだぞ」
 するとまたひとりが、この人物についてはロバート・シルヴァーバーグというだけで名前は伏せることにするが、こう言った、
「今のうちに殺そう」

 出典: アイザック・アシモフ「アシモフより読者へ」(伊藤典夫訳)  「ヒューゴー・ウィナーズ 世界SF大賞傑作選2」に収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 ヒューゴー賞短篇部門第一位作品の、アシモフによる紹介文つきアンソロジー(講談社文庫全8巻、ただし第3巻は未刊行)より。
 エリスンの「相当インパクトのある人物」像(めい文句第119集)については、本アンソロジーのアシモフ自身による作品解説からも、うかがい知ることができます。
 なにしろ、エリスンが毎年のようにヒューゴー賞やネビュラ賞をかっさらっていた時期にあたり(本アンソロジーには、五篇もの作品が収録されて)ますから、必然的に彼への言及も多くなる理屈。またアシモフの書きぶりが、遠慮がなくて素敵です。
 さすがは「よろしいか、ハーランと罵りあいをして、十五ラウンドの長丁場を持ちこたえられる者は、私を除いて誰もいない。(彼は友情のよしみで、私には手加減してくれるのだ)」というだけのことはありますね。 BGM:「愛撫と殺意の交差点」桑田佳祐

駄弁者:
 SF大会で才気煥発で生意気な少年を前にした、SF作家たちの図。…第一の方は、束でかかっても殺せそうにないみたいです。
>友情のよしみで、私には手加減
 初対面で「なってねえなあ!」とやった相手に、親しくなってから手加減するとは、ちょっと思えないのですが。



アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。なぜだろう。

 出典: 藤子・F・不二雄「百年後のフロク」  「ドラえもん」第10巻に収録

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 なぜでしょう?ドラえもん史上、最も謎に包まれた文句です。
 このお話は、ドラえもんがセワシの(つまり22世紀の)『小学4年生』の付録を持ってきて、それでみんなが遊ぶ、というものです。上記の文句は、その付録に収録されていたナゾナゾです。ドラえもんはひっくり返って大笑いしていますが……ど、どういう意味だかさっぱり分からん!!
 僕がこの話を初めて読んだのは小学校低学年の時です。もちろん意味は分かりませんでしたが、知ったかぶって無理矢理笑っていました(我ながらバカ……)。その後、このクイズに(おそらく)答えが存在しないと確信したのは中学生の時でした。調べてみたら、この作品が連載された1970年代には、α・β・κ・ε等のギリシャ文字が流行っていたとか。藤子・F・不二雄先生の遊び心が生んだ名文句なのではないのでしょうか?
 でも、もしかしたら22世紀には、このクイズの答えなるものが存在するのでは!?なんて思ったりもしますけどもね(笑)。

駄弁者:
 「カッパらったら」がダジャレだったことに、恥ずかしながら今はじめて気付きました。



高杉大佐「オタマジャクシはカエルの子…か」
星史  「あ?」
高杉大佐「カエルが立派な生き様を見せてやらねば、オタマジャクシもどうやって手を出し、足を出せばいいか判らんだろう」
星史  「あのさ、どうして今カエルの話が関係あるわけ?」
高杉大佐「ちょっと思い出しただけだ」

 出典: 平野靖士・志茂文彦脚本・菱川直樹監督「伝説の勇者ダ・ガーン第42話『出現!伝説の力』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 宇宙のエネルギーを吸い尽くす魔物オーボスから地球の生命力プラネットエナジーを守るため、地球の大いなる意志で蘇った伝説の勇者達が、星史少年の命令一下、オーボス一味に立ち向かう!
 主人公となる高杉星史少年は正義感に溢れた公正な少年ですが、同時にお調子モノの現代っ子でもあります(そもそも“伝説の勇者”がロボット形態で出現したのは、今回の“隊長”が現代っ子の感覚が具現化したと考えられる)。だから星史少年には『何故地球が護られるべきなのか』という主張が存在しません。生命の連鎖と営み、世代の積み重ねなど、星の歴史を理解していないのです(星史という名もその点に由来するようです)。
 地球に接近するオーボスに対し、地球防衛機構軍の高杉大佐は勇者の隊長(星史、実は大佐の息子、でも秘密)の協力でオーボスに直談判を試みまることになりました。人類の未来の掛かった交渉を前に、大佐が呟いたのが上記の台詞です。
 重大な使命と職責を負いながら普段と全く同じテンションでいられる父親を、この時の星史はまだ理解できずにいます。ちなみに大佐は既に勇者の隊長の正体が星史であることに気付いていて、この台詞を口にしたようです。お見事なタヌキぶり、小学生の隊長とは役者が違いますね。

駄弁者:
>カエルが立派な生き様を見せてやらねば
 オタマジャクシはほっといてもカエルになりますが、人間の場合はほっとくとナマズの孫で終わってしまいますから(あるいはサンショウウオのように中途半端になるか)。



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