SF名文句・迷文句第123集

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「どんな感じがするもんなんだ?」

 出典: 聖悠紀「超人ロック 冬の虹」

紹介 :きょん 様
HP :

コメント:
 軌道エレベータを守るスキャナー(エスパー)ロック。テロリストが乗ったステルス機をリニアモーターガンで撃墜するが、その直後失神してしまう。テレパシーでテロリストと「つながって」いたため、断末魔の苦痛を総て受信してしまったのだ。このセリフはロックと同じSASにいた元軍人で、現在彼の働いている警備会社の社長さんが言ったもので好奇心からなどではなく、ロックを気づかっての言葉なのです。

駄弁者:
 誰でも一度は経験することになるはずの、しかし本来誰に尋ねても答えられないはずの瞬間。不謹慎ですが、私は好奇心から聞いてみたくなるかも知れません。
 しかしそう思ってしまうのは私だけではないようで、自分の人生を順不同に体験してしまうカップルが主人公の時間SF「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」では「あの、きみは、もう臨終はやった?」などという少々間抜けな問いが出てきますし、SFでなくても、他人の臨死体験を聞きたがるのは同じような理由があるんでしょうし。



「あんな大物。逮捕したら、ボーナスよ。休暇だってもらえちゃうわ」
「でしょ!」
ケイはジャンプするように立ち上がった。
「ずえったい逮捕よ!ボーナスをもぎとるのよ!」

 出典: 高千穂遥「クラッシャージョウ別巻2 ドルロイの嵐」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 ジョウの父ダンが現役バリバリのクラッシャーだった頃を描いた外伝から。ダン率いるチームはかつて自分たちが開発した惑星ドルロイの地殻改造を依頼される。うさんくさい2代目総督を嫌いつつも先代総督への義理からしぶしぶ受けるダン達。しかし事態は総督の背後で動くマフィアとそれを調査に来ていたWWWAのダーティペアを加えて大混戦となってしまう。そして突然(当然?)ドルロイは壊滅の危機に…
 惑星壊滅の危機の中、伝説のクラッシャーチームを目の前にしてなおこのマイペースぶり。やっぱりこいつら宇宙最強(凶)タッグだわ(笑)!ちなみに同じ話をダーティペア側から見た話が「ダーティペアの大乱戦」ですが、本作のはじけっぷりの方がなぜか彼女たちらしい(というかアニメ版に近い?)。そして何より驚いたのが、タロス、あんたって元は男前だったのね!これからはクラッシャー界のアナキンと呼ばせてもらいます(笑)。
 では長寿と繁栄をを。

駄弁者:
 「クラッシャージョウ」本編の記述だと、ジョウの母親がダーティペアのユリで、ケイとタロス、バードが三角関係になった…ともとれる話になってます。そうだとするとユリとケイは二人とも若死してしまうことになるのですが。



空中都市008(ゼロゼロエイト)の中央電子脳がこしょうしたわけは、電子脳のなかのいちばんたいせつなところが、なんとばいきんによってむしばまれたからだというのです。

 出典: 小松左京「空中都市008――アオゾラ市のものがたり」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 「く〜ちゅ〜と〜しは♪みんなの〜ま〜ち〜♪」(主題歌より)というわけで「ひょっこりひょうたん島」の後番組として1969年にNHKで放送された人形劇の原作であるジュブナイル本から。超高層ビル群からなる空中都市008に住むホシオ君一家はお隣のジニーちゃん一家とドライブに行くことに決め、TV電話ショッピングでお弁当を届けてもらって車で出かけることに。ところが注文したもののかわりにカンガルーやぬいぐるみが届き、交通管制センターが制御する車は突然に暴走する始末。しかも街じゅうの車が暴走し始める…そして落ちは現代のSFではありきたりとなった理由ですが、当時としては画期的でした。しかも原因がウィルスではなく本当のばい菌というところがかえって新鮮(?)ですね。
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 30年以上前のコンピュータウィルスもの…! 放映は1年間で終了してしまったとのことですが、今リメイクしたら結構うけそうな気がします。



「ウルトラマンも、生き物だから。」

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンマックス16話『わたしはだあれ?』」

紹介 :犬牧場 様
HP :

コメント:
 はじめまして。楽しく拝見させていただいてます。
 怪獣の能力で健忘症?になってしまったウルトラマンに対するアンドロイドのオペレーターの言葉です。作品自体はコメディタッチですが、現代ウルトラマンにおいてのひとつの「宣言」ともとれるような強い意味を持つ台詞だと思ってしまいました。

駄弁者:
 つまり生き物だから、年をとったウルトラマンは痴呆症(じゃなかった認知症)にもなるということなんでしょうか。



われわれはなぜ、自分で選んだ相手ではなく、稲妻に打たれた相手を愛さなければならないのか?

 出典: シオドア・スタージョン「たとえ世界を失っても」(大森望訳)  「20世紀SF2・1950年代 初めの終わり」に収録

紹介 :宇宙船ペペペペラン 様
HP :

コメント:
 スタージョンは大好きな作家です(祝「一角獣・多角獣」復刊!)
 これは、亡命してきた宇宙人を送り返す任務についた主人公グランティが、性差関係なく睦み合う宇宙人たちの様子を見て、ひたかくしにしていた同性への愛情が、汚いものでもなんでもないと気づいた時、思わずひとり呟く言葉。
 作品自体は、私的にはもうひとつなのですが、この言葉には強く打たれました。
 恋をするたびにこの言葉が頭に浮かびます。ほんとにそうだなあと思います。

駄弁者:
 地球人たちを魅了したひと組の異星人・ラヴァーバードは、地球との交流を長く絶っていたダーバヌーからの亡命者だった。ダーバヌーは、亡命者を強制送還してくれれば地球との外交協定を結ぶとの連絡をよこす。これに応じた地球は、ルーティーズ、グランティの二人が乗り組む宇宙船を、ラヴァーバード送還のため派遣したのだった。その途上、グランティは密かに抱いていたある思いをラヴァーバードに悟られたと思い、彼らに対し殺意を抱く。だが破局の寸前、ラヴァーバードがとった行動が、グランティをおしとどめたのだった…。
 出典作品は、同性愛を肯定的に描いていたためほうぼうの雑誌から敬遠されたといういわくのあるもの。日本でも、原書では収録されていた「一角獣・多角獣」の翻訳時に割愛されたということです。今読むと結構抑制がきいていて、そんなに問題があるようには思えないのですが…。



だめだ。ここまできたからには、われわれは、人類は時に間違いを冒すこともあるけれども、必ず最後にはそこから立ち上がるのだということを、証明しなければならんのだ。

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「未来の二つの顔」(山高昭訳)

紹介 :ながぴい 様
HP :
http://cobalt.chem.es.osaka-u.ac.jp/miyasaka/index-j.html

コメント:
 1997年、IBMのスーパーコンピューター、ディープ・ブルーと当時のチェスの世界チャンピオン、ガリ・カスパロフが対戦しました。結果はカスパロフが敗北し、人類史上初めて、コンピュータvs人間の勝負で人類が負けました…
 カスパロフはこの時、どのような覚悟でこの勝負に挑んだのでしょうか?私は「未来の二つの顔」を思い出さずにはいられませんでした…
 SFの世界では、コンピュータが自我に目覚めると、必ずといっていいほど、人類に対して反乱を起こします。では、実際に自我に目覚めるレベルのコンピュータが誕生した場合、いったいどうなるのでしょうか?
 科学者は結果を予測するため、モデルを使ったシミュレーションという手法をよく用います。この小説では、ものすごい規模のシミュレーションが行われます。巨大な宇宙ステーションの管理を知能を持ったコンピュータネットワーク「スパルタクス」に任せ、それに人類が攻撃をしかけた場合どうなるか?はたして人類はいざという場合に「電源を切る」ことはできるのでしょうか?
…科学者にとって、これはただのシミュレーションだったわけですが、スパルタクスの認知能力は予想外に高く、「攻撃をしかけられた時には、防衛するだけでなく、反撃しなくてはいけない」という結論に達します。その結果、人類側は50人以上の犠牲をだすことになります。
 その時、これ以上この計画を進めるべきか?という議論が人間側で起こります。もはや、これはシミュレーションの域を超えて、コンピュータvs人間というプライドをかけた戦いになってしまっているので、安易に敗北を認めるわけにはいきません。その時、「ヤヌス計画」統合責任者のメルヴィン・クランツ氏がくだした結論が上記の台詞になるわけです。
 苦渋の決断といえるのでしょうが、人命重視の実世界ではこうゆう決定が降りることはまずないだろうなあ…

駄弁者:
 チェスだけでなく、将棋も人間の優位はかなり危ないもよう(パターンの多い囲碁はまだ安泰?)。将棋連盟ではプロ棋士対コンピュータの対局を規制する動きもあるそうです。負けを恐れただけでそうしているわけでもないんでしょうが、ぜひここはこの名文句にならって立ち上がってほしいものです。
 コンピュータ相手の対局が増えて人間相手のときとは異なる攻略法などがつかめれば、まだ人間の名人はコンピュータにおさおさ引けはとらないのでは…?
 出典作品のほうは、だいぶ読んだ記憶が薄れているので再読しようかなと考えてます。



「誤認逮捕も時の運」

 出典: 安永航一郎「県立地球防衛軍 第2巻『元旦がきた』」

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 あまりの危険さに地下室に閉じ込められていた電柱組の改良人間「正月仮面」。だが彼は脱走し、人間の心をすべて正月にかえてしまう”はつもうでビーム”を武器に、一年全部を正月にしようと暗躍を始めた。そして大胆にも警察署に乗り込んだ正月仮面は、とりしらべ室で茶を喫した後、署員全員を正月にして何処かへと去っていく…。
 上の文句は、その時とりしらべ室の壁に貼ってあったもの。
 まー人生、いつ何時何が起きるか分かりませんよね。

駄弁者:
 「真犯人逮捕も時の運」と貼ってあるよりは、若干罪が軽いような。
>はつもうでビーム
 このビームが欲しいと思っただろう過去はすでに遠く、そう年何回もお年玉をふんだくられてたまるものかと思うだろう未来の方がずっと近かったりする、3X歳の年末です。



「ばかにはやいな」
「このマンガ6ページしかないから」

 出典: 藤子・F・不二雄「ドラえもん 第14巻『念録マイク』」

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 ドラえもん、のび太、静香、スネ夫の4人が泣きながら喜んでいます。その理由は、ジャイアンが風邪をひいたので明日のリサイタルが中止になるだろう、と思っているからです。ところがどっこい、ジャイアンはこんな事態に備えてテープに100曲以上(!)も吹き込んでいたのです。明日はそれに合わせて口パクするだけ……さあ大変だ!あんな凄い歌声を100曲も聴いたら命に関わるぞ。というわけで、ドラえもんとのび太はどうにかしてリサイタルを中止させようと対策を練ります。
 と思ったら、ドラちゃんはすぐに考えつきました。のび太も驚くほどの早さで。その理由は、驚くべきものでした(^^)  一時期『ドラえもん』に対して「のび太が困っているのを見てドラえもんがすぐに道具を出して助けるのは良くない」との見当違いな批判がありましたが、すぐに道具を出すのはページ数の都合なのですね。初めて読んだときには度肝を抜かれました。

駄弁者:
 速攻で考えついたアイディアは、たしか舌にのっけて念じるとテープにブーイングが録音されるという…。



フェンスがおれをどうやって地面に投げ返すか見ろ!

 出典: オースン・スコット・カード「死者の代弁者」(塚本淳二訳)

紹介 :唯野 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです。さて、SFの魅力はなんといってもセンス・オブ・ワンダーなわけですが、その中でも今回は「異文化コミュニケーション」に焦点をあてたいと思います。すなわち、「これまで理解できなかったものを理解できるようになる」という快感ですね。推理小説的な喜びもあると思います。
 前置きが長くなりましたが、この名台詞について。ここで言うフェンスとは空のことなんですが、これまで作中の登場人物も読者もまったく理解のできなかったピギーたちが何をしたいのかわかる、非常に劇的な場面です。作品の言葉を使えば、ヴァーレルセがラマンへとなった瞬間であり、ヴァーレルセとラマンの違いとは実はそう認識する側の変化であることを示すわけで、センス・オブ・ワンダーそのものといえましょう。
 余談ですが、死者の代弁者の技法は少し前にカウンセリング業界で大流行した来談者中心療法の技法そっくりそのままですね。

駄弁者:
 原始的な文化しかもたず、人類が星間旅行の技術をもっていることすら知らない…と考えられていた異星生物ピギーが、実はその知識を渇望していたことを明らかにするシーン。人類はピギーを保護するため隔離用のフェンスを設けていたのだが、ピギーにとっての「フェンス」はまったく違ったところにあったのだった。
 「ヴァーレルセとラマンの違いとは実はそう認識する側の変化」というのは、的を射た見方だと思いました。エンダーたちにとってピギーが「ラマン」となったのがこのときだとすれば、ピギーたちにとっての人類がそうなったのは、これよりずっと後、自分たちが人類の異類学者たちに何を行ったのを悟ったときだったのではないでしょうか(なお、「ヴァーレルセ」「ラマン」の語については、こちらの名文句を参照)。
 死者の代弁者の技法とカウンセリングの類似については、初めて知りました。でもこのカウンセラーは、「患者」のプライバシーより治療効果を優先しそうなところが恐いです。



「新型船のブリッジに立つさ。ひと月分の給料を賭けても良い、ワープ7の美人には逆らえないね。」

 出典: 「スタートレック エンタープライズ『These Are the Voyages…』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 不人気で打ち切りとなったENTの最終話(日本未放映分)より。宇宙探査から無事帰還したアーチャー船長が、昇進して地上勤務に就くのか宇宙に残るのかを予想する乗組員達にリード大尉が言った台詞です。歴代エンプラの船長はやはり船から下りれないようですね。呪いでもかかってるんでしょうか?(笑)
 ところでこのサブタイトルはカーク版の第1話(放映は第3話)「Where No Man Has Gone Before」(日本では「光る目玉」)と対になっているようですが?ということはやはりこれが最期なのでしょうか?  では長寿と繁栄を。

駄弁者:
>呪いでもかかってるんでしょうか?
 しかもワープ7の美人に逆らえそうな人ほど、生きて下りられない悪質な呪いである可能性が高いです。映画第1作のデッカーとかその次回作のスポックとか、艦長席に固執しなさそうな人ほど殉職してますし。



スポック「あなたのように教養ある者が野蛮人の真似をするのは簡単です。しかし野蛮人が教養ある人の真似をするのは大変なことですよ。 …(中略)… 私ももう一人のカーク船長を先ほどまでによく観察していましたが、あの男は粗野で反逆的で無教養で、あらゆる点で未開人みたいな感じでした。まるで原始人のようでしたよ?船長にもああいう可能性があるのかと、思いやられました。」

 出典: 「宇宙大作戦 『イオン嵐の恐怖』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 惑星ハルカンでの資源採掘権の交渉から船に戻ろうとしたカーク・マッコイ・スコット・ウフーラの一行は、イオン嵐の影響で別次元(鏡像世界)のエンタープライズに転送されてしまう。そこは地球帝国が力と恐怖で支配する宇宙で、髭のスポックや野心丸出しの加藤(スールー)がいた。
 DS9やENTやオリジナル小説などに波及した「鏡像世界」の原点がこの話です。確かにできない人(私)ができるふりしてもすぐぼろが出ますからね(笑)。でもカークさんの場合、夜の顔は狼(?)といわれるし、本性は悪だし(笑)、彼1人だとスポックも解りにくかったのでは?では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 ボロクソに言われている鏡像世界のカークですが、オリジナル小説だと向こうの世界で頂点(皇帝!)を極めてしまったりします。ただしその小説の作者はウィリアム・シャトナーなんですが…。



やっと入れたコンピュータがまるでバカみたい
早紀ちゃんならあたしがキーをうってる間に手書きで請求書作っちゃうわ!

 出典: 柴田昌弘「フェザータッチ・オペレーション」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 会社の事務所にコンピュータを入れたい、と相談されると、私は「紙と鉛筆は故障しない。」と答えていました。昔の話です。
 でも人工頭脳を移植された早紀ちゃんは暗算にものすごく強くて人間ばなれした記憶力を持っています。
 だから工務店の経理事務など朝飯前です。しかも手書き。工務店のおばちゃんもびっくりです。
 約20年前の作品ですが、今読んでもさほど古びていません(ていうか私の感性が進歩していないのか?)。
 でも現実には「人工頭脳」が「脳」の代わりになるのはいつになることやら、、、。

駄弁者:
 早紀ちゃんがうちの図書館に入ったら、私がキーをうって本のデータベース入力をしている間に手書きで目録カードを作っちゃえるわけですね!
 …あんまり便利じゃない気がするなあ。



暗黒大将軍…。進む道を誤ったが、お前は勇敢な将軍だった…。

 出典: 永井豪原作・東映制作「グレートマジンガー」

紹介 :キン肉チハル 様
HP :

コメント:
 最期まで勝利への執念を捨てずに散っていった宿敵に贈った最大の賛辞。

駄弁者:
 もうちょっと詳しい状況解説がほしかったかな…。
 たしかだいぶ前に似たようなのがあったな、と思ったのですが、「強さ」と「正当性」のどちらに評価のウェイトを置くかが正反対だったんですね。



細菌が生きている

 出典: ヤクルトの車内つり広告

紹介 :ぽちぽち 様
HP :

コメント:
「日本沈没」再映画化記念ということで。
これは、小松左京原作角川映画「復活の日」のスポンサーのひとつであったヤクルトの、映画公開当時の車内つり広告でした。あの映画のポスターと同じ構図で(草刈正雄扮する「世界が滅びなかったらノーベル賞級」天才科学者が、どう見ても夕日にしか見えない朝日をバックに、ぼろぼろの姿で南極目指してアンデスあたりの荒地を歩いている図)、わきにこのコピーが。見た瞬間、わが目を疑いましたね。「細菌(じゃなくてウイルスよりも小さいやつですけど)が生きている」から問題なんでしょうが!!
 たぶんテレビCMもやっていたと思うんですけど、当時、寮住まいの貧乏テレビなし学生やってましたから、すみませんが、不明です。
まぁこれもSF関係の迷文句といえるんじゃないかな、と。

駄弁者:
 たまにはこういう変化球もおもしろかろう、ということで。ビフィズス菌が人類を滅ぼしそうな印象があるのですが、はたしてこのコピーでヤクルトの売り上げは上がったのでしょうか…?
>「日本沈没」再映画化
 来年夏の公開予定なんですね。主演は 草なぎ剛だとか(あちこち出る人ですね…)。



「物理法則もあったもんじゃねぇな!」

 出典: 永井豪・石川賢/ダイナミック企画制作「チェンジ!真ゲッターロボ〜地球最後の日〜」

紹介 :Bluefish 様
HP :

コメント:
 結構前からROMさせてもらっていましたが、ちょっと勇気を振り絞って投稿に挑戦してみます。
 ゲッター作品からの投稿はいくつかあれど、一番印象に残った迷台詞を…
 上のセリフはゲッター線"太陽化してしまった木星"に融合したコーウェンとスティンガーを追ってきた竜馬達ゲッターチームが、ゲッター太陽の中から現れた木星の衛星(ここでは敵の攻撃兵器になっている)を見てつぶやいた一言です。
 確かに、あれだけ質量の高い天体の近くですから潮汐力で壊れてしまいそうですし、それ以前に太陽の中に取り込まれた時点で崩壊するのは明白なので台詞の内容はごもっともなのですが…
 慣性を無視した機動を見せたり、ビームでワープしてみたり(もちろん説明無し)、あげく衛星をトマホークで両断してしまうゲッターロボのパイロットが言うと、思わず「貴様がそれを言うかぁ!?」と突っ込んでしまう人は結構多いはず…
 この「真ゲッター」、恐らくゲッターものの中で1,2を争うはっちゃけっぷりでは無いのかと思います。真ライガーのデザインとか…

駄弁者:
 すでに潮汐力がどうとかというレベルではなくなってるような気がします。…たぶん作った側もツッコミを期待して言わせたセリフではないかと。
 掲示板のほうで、木星太陽化ネタの作品について話題が出ていますが、これもそうなんですね。



猫の尻尾も借りてきて

 出典: 久米康之「猫の尻尾も借りてきて」

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 同僚であこがれの祥子が何者かに襲われ命を落とす。落ち込む史郎に研究室長の林は、開発中のタイムマシンについて打ち明ける。
 事態の打開をはかるべく時間を行き来したすえに、過去に取り残された史郎。砂浜に倒れている彼に声をかけてきた少女は、両親が仕事で忙しいので一人で遊んでいるという。
 猫の手って役に立つの、と聞く彼女に、借りてきてあげようかと言ったとき、彼女が答えて言ったのが引用の台詞。少女の可愛さと聡明さのにじみ出る、タイトルにも似合いの台詞です。
 パームトップ・タイムマシンを駆使して活躍する、時空のこんがらがり具合が気持ちいい作品です。
 1995年を舞台にする本書は、1983年の作品です。ソノラマ文庫は過去の作品の再刊を随時行なっていますが、この作品もぜひお願いしたいです。

駄弁者:
 知る人ぞ知る良作のようで、読んだ方のレビューではよく「タイムリープ」や「夏への扉」が引き合いに出されてます。
 私はこのご投稿で初めて名前を知りました。83年だったら、ソノラマ文庫を読み始めた頃のはずなんですが…「クラッシャージョウ」やノヴェライズにばかり目がいってからなあ。



「行こう、おばさん! 父さんの行った道だ! 父さんは、帰ってきたよ!」

 出典: 宮崎駿監督「天空の城ラピュタ」

紹介 :テトラ 様
HP :

コメント:
「天空の城ラピュタ」で竜の巣に突入することに尻込みするドーラにたいして、パズーが言った言葉です。
 天空の城ラピュタには、なにか冒険心の掻き立てられるセリフが多いです。「あの雲の峰の向こうに・・・」とか。それでも、乱流と雷の入り乱れる低気圧の中心には・・・飛び込みたくないなぁ。

駄弁者:
 少し尻込みしたとはいえ、パズーの言葉に応じて乱気流の中に飛行船を突っこませたのは大した漢っぷりです、おばさん(「船長とお呼び!」)。



人間の見ている前では必ずじっとしているというのが、すべての電気器具の守らなければならない原則なのです。

 出典: トマス・M・ディッシュ「いさましいちびのトースター」(浅倉久志訳)

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 森の中に佇む別荘に、ご主人様がなかなか帰ってきません。別荘に残っている電気器具は心配でたまりません。「自分たちは捨てられたのでは?」「そんなこと、あるわけないやい!」「じゃあなんで帰ってこないの?」「もしや、ご主人様の身に何かあったのでは!?」「行こうよ!ご主人様の元へ」……というわけで、掃除機・電気毛布・卓上スタンド・ラジオ・ちびのトースターの5人(5つ?)は、ご主人様に会いに都会へと向かうのでした。
 という、心温まるメルヘンです。浅倉久志さんの名訳、長崎訓子さんの可愛らしいイラストが、物語を一層味わい深いものにしています。
 えっ?電気器具が喋ったり動いたりするのはおかしいって?いえいえ、全然おかしいことではありません。実は彼らは喋ったり動いたりできるのですが、人間の前ではやってはいけないことになっているだけなのです。その証拠が、ほら、上記の名文句です。
 あなたにもこんな経験はありませんか?確かにココに置いたはずの物が、ちょっと目を離したら見当たらない、ということが。きっとその子は、人間が見ていないので遊びに行ったんでしょうね。
 今夜もあなたが夢の中にいるときに、彼らはお喋りやらお遊びとかをやるのかもしれません。だから、夜中にトイレに行ったりして電気器具さんたちをビックリさせないように、万全な状態でおやすみなさい(^U^) (変なコメントで申し訳ないです……)

駄弁者:
 前集のと併せて見ると、うかつに故障した電化製品を捨てられなくなりそう。



「五つの月がそろって昇るときは、なにも信じないほうがいい」

 出典: ジャック・ヴァンス「五つの月が昇るとき」(中村融訳) 「影が行く ホラーSF傑作選」に収録  SFマガジン’87年3月号にも収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 ポイデル、イスタ、ビスタ、リアド、ミアド。五つの月がいっせいに夜空で輝くとき、孤島の灯台守の前に現れたものとは……。
 異星の岩礁にたたずむ灯台で展開される、孤島ホラーの小品より。
 BGM:「By The Light Of A Magical Moon」ティラノザウルス・レックス

駄弁者:
 読み返してみました。雰囲気がひしひしと伝わってくるあたりはさすがヴァンスというところでしょうが、ラストの語り手の行動は、ホラーというよりむしろギャグでしょう…。



「あいつは豚だよ」とシェンは言った。
エンダーは肩をすくめた。「総じて、豚ってのはそんなに悪くないよ」

 出典: オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」(野口幸夫訳)

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 駄弁者様オススメ作品ということで読んでみました。う〜ん、面白い!ダブル・クラウンというだけあって、作品世界にのめり込みながら読めました。名作と呼ぶに相応しい作品だと思います。
 バトル・スクールに入ったエンダーは、同じグループのボス的存在であるバーナードをやり込めます。上記のやり取りは、バーナードにからかわれていたシェンとのものです。
 そうだよなぁ。豚って悪いものじゃないよなぁ。下品だったり、大喰らいの人に向かって「お前は豚だ!」と言うのは豚さんに失礼です。もしかしたら、高級フランス料理を上品に食べている人間を豚さんが見たら、「ぶきき、下品」って思うのかもしれません。(なんか、名文句とあまり関係のないコメントで申し訳ないです)

駄弁者:
 辛辣揃いの「エンダー」キャラが口にする中では、わりと他愛ない類の悪口ですが…。
 バトルスクールの天才少年たちでも、共通のいじめっ子についての陰口が仲間意識を育む肥やしになるということは変わらないようす。



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