SF名文句・迷文句第111集

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聞こえます、聞こえます……!

 出典: 上原正三脚本・飯島敏宏監督「怪奇大作戦第1話『壁ぬけ男』」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 大胆不敵にも予告状を出し、高価な仏像や宝石を盗み出す怪盗、キングアラジンが現れた!
 いくら警察が厳重な警備網を敷いても、キングアラジンは高笑いとともに壁やコンクリートの床の中にめり込んで消えてしまうのです。
 事態を重く見た警視庁はSRIに協力を要請。調査の結果、壁抜けは特殊繊維とカラースプレーを使ったものであること、そしてキングアラジンの正体はかつて天才奇術師と呼ばれて喝采を浴びるも、10年前に水中50mの箱抜けに失敗して奇術界から姿を消した一鉄斉春光(いってつさい・しゅんこう)だということを突き止めます。
 湖畔にある自宅に踏み込まれ、追いつめられた春光はかつて失敗した水中箱抜けを強行。
 自ら命綱を切断し、喝采の幻聴を聞きながら湖底に沈む春光ですが、水圧により箱が押しつぶされ、絶叫とともに湖底に消えるという、壮絶な最後を迎えてしまいます。
 地に落ちた栄光を取り戻そうとして狂ってしまった春光の姿は、76集の「彼は狂ってなどいない〜」とだぶって見えました。

駄弁者:
 幻想に自分の人生を賭けなければならないせいでしょうか、奇術師が主人公の話というのは、どうも滑稽さと悲痛さが同居していることが多いような気がします。



「嫉妬よ!我らに力を!!」

 出典: 河森正治・サテライト原作「創聖のアクエリオン」

紹介 :サイコ・コム 様
HP :

コメント:
まず最初に笑いました。
次に笑いました。
三回目に(しつこい)
 状況の説明をしましょう。アクエリオンは三機合体変形ロボなわけですが最近はやりの精神攻撃でパイロット全員がすげえ嫉妬状態に陥ります。
 その次にパイロット達が異常な方法で喧嘩をします。
 その状況を見かねた待機中のパイロットがある方法をして内一人を我に返らせるわけですがわれに帰った奴は自分たちの醜さに唖然とします。
 そこで神隼人、ではなく基地の司令が、嫉妬も人間のパワーであるとかなんとか言って。
 で上記の台詞。ちなみに戦闘終了後の気障な台詞がこのせいで何とも間抜けに聞こえた。
 そのうち人間の三大欲求で戦うロボットが出てくるかもしれない。

駄弁者:
 なんつうかまあ、ものすごい強力なパワーじゃないかと思えます、理屈抜きで。
>三大欲求で戦うロボット
 食欲、性欲はともかく睡眠欲…? 敵を倒すまで眠らせないとか、徹夜でハイになった状態で戦うとか。



のび太「ぐうとでも言ってみろ」
ドラえもん「ぐう」

 出典: 藤子・F・不二雄「大長編 ドラえもん『のび太の恐竜』」

紹介 :横山ゴダイゴの助 様
HP :

コメント:
 初めての投稿です。言わずと知れた、ドラえもん大長編シリーズの第1号ですね。
 恐竜の卵を孵化させるのに成功したのび太が、「どんなもんだ」と威張ったあとに続くこの会話は、SF史上最も簡素で痛快な漫才(!?)だと思います。

駄弁者:
 このやりとり、元祖の短編エピソードでもありました。
 のび太の自慢にドラえもんが素直に降参する場面というのは、けっこう珍しかったんじゃないかと思います。



「いったい、どこの誰が宇宙服もなしで跳ぶのかね?」
「まずひとり、私です」

 出典: ボブ・ウォード「宇宙はジョークでいっぱい」(野田昌宏訳)

紹介 :null 様
HP :
http://www.vector.co.jp/authors/VA006065

コメント:
 ソ連が米国に先んじて3人乗りの宇宙船を打ち上げるためには、宇宙服込みで1人乗りで設計されたボストーク宇宙船に下着だけの野郎3人を詰め込むしかない。という無謀ともいえる提案に対する答え。
 この本からの引用がこのサイトで昔にあったけど、個人的にはそっちじゃなくてこれが一番好きなので投稿します。
#私だって、そう言うと思うぞ。。。宇宙に行けるのなら。。。。

駄弁者:
 アメリカの2人乗り宇宙船「ジェミニ」の計画を聞いて、「それならウチは3人だ!」という、この時点ですでにジョークのような子供っぽさ。そして1964年10月、本当に宇宙服なし(大改造の成果か、下着ではなかった模様)で「3人乗り」宇宙船ヴォスホート1号は打ち上げられ、成功を収めます。
 乗るのが開発期間わずか7ヶ月の急拵えだったことを思えば、宇宙服の有る無しは小さなことに感じられたとか…。



きみにはわからんようだな、お若いの。そのデータは科学にとって必要なのだ。わしはきみに同行せねばならんのだ

 出典: E・E・スミス「グレー・レンズマン」(小西宏訳)

紹介 :ふみ@おやぢ 様
HP :
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/fumi/index_j.html

コメント:
 初めまして。レンズマンシリーズが少ないようなので、あえて、旧訳(この部分は新訳もあまり変わらないのですが)から。
 超空間渦動という危険な場所に部下をつれていくことをためらう主人公レンズマン、キニスン。
 そのキニスンに対し、科学者オースティン・カーディンジ卿は当たり前のように自分も行くと言います。正確なデータが必要なのだからと。
 ううっ、かっこいい。
 いやー、マッドなサイエンティスト(好きだけど)でなく、科学に献身するサイエンティストっていうのはSFでは珍しい気がして。
あ、ダンチェッカーがいたか…。

駄弁者:
 正確なデータのために、自分の命を省みない…を通り過ぎて他人の命まで省みなくなったら「マッド」の仲間入り。
 こういう先生にとっては意外と越えやすい一線のような気がします。



ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲームがやりたい。

 出典: 水口幸弘「カオスだもんね 第481回 群馬のモビルスーツ?」より南雲正章談  「週刊アスキー2005年5月24日号」に収録

紹介 :藤間真 様
HP :

コメント:
 今、あちこちで榊原機械株式会社のLandWalker(実際に稼動する搭乗型巨大二足ロボ)が話題になっていますが、それについてのインタビュー記事(週間アスキー2005年5月24日号、0.120-123、水口幸弘『カオスだもんね』第481回‘群馬のモビルスーツ?’)で開発者、南雲正章氏が語られた開発動機です。
 LandWalkerについてご存じなければ、とにかく、榊原機械株式会社のホームページから手繰って実際の説明のページを見られることをお勧めします。まぁ、ガンダムと言うよりレイバーだし、移動速度は時速1.5mだけど、とにかく実際に動くものを作り出したのは「凄い!」の一言です。

駄弁者:
 少し前に掲示板の方でも話題になりました。轟音(と犬の鳴き声)をバックに動くウォーカーの勇姿は必見です(コメントのリンク先に動画があります)。
 私は名前のせいもあって、モビルスーツやレイバーよりはスターウォーズのAT−STを連想したんですが。



「よぉし、給料分の仕事にしちゃあ上出来だ」

 出典: GAINAX制作「オネアミスの翼・王立宇宙軍」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」。
 新人の頃、「社会人としての自覚」とはなにか?と聞かれた事があります。「仕事に責任を持つこと。」と答えた私に先輩は言いました。
「給料分働く事だ。」
 サラリーマンにとってこのセリフは最上級の褒め言葉でしょう。新人に発破を掛けるだけが先輩じゃありません。「頑張っている」後輩をねぎらうのも先輩の役目です。

駄弁者:
 主人公シロツグたちの教官(「ハゲ」と呼ばれていた)のセリフより。鬼軍曹よろしくシロツグをしごきまくっていた人の言葉だけに、ほめ言葉にも値打ちがあります。



いろんないい銃があっても俺には関係ないんだ。この三八式と一四年式が俺にとっては最高の銃だ。
世界一と信じているんだ…
意地でも信じているから、ここで、一人で戦争してるんだ。
もし、あんたらが外国の、もっといい銃や、いい戦車について知ってたんなら…
なんで、そんなのを相手に戦争をおっぱじめたんだ!?
いまごろこんなもんといわれても手遅れだ!!
いいか、これは、この世界でいちばんいい銃だ! いちばんすぐれた小銃なんだ!!
おれには、これしかないんだ! だから、これがいちばんいいんだ!!

 出典: 松本零士「ザ・コクピット1巻 パイロットハンター」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
 小学文庫の小型漫画からこのセリフ。松本零士のこのシリーズは、なにかとIFも多く、SFの範疇に入ると思ったので投稿します。
 パイロットハンターは、第二次大戦のオムニバスストーリーで、太平洋戦線で撃墜されたパイロットと、孤立した狙撃兵との会話で、世の中にはもっといい武器があるとパイロットに言われたとき、名も無き狙撃兵が返したのがこの一文。自分のおかれた立場や状況を、ある意味究極的な自己完結でかたづけたセリフで、強く印象に残ったので投稿しました。

駄弁者:
 「ザ・コックピット」は、私は1、2話ぐらいしか読んだことないですが…あまりSFという感じはしませんでした。
 ご投稿のセリフは自己完結というか、無理にでも自己完結した気にならないとやってられないというところじゃないでしょうか。
 シリーズの後の方には「わが青春のアルカディア」なんてのもあるんですね。出典エピソードが収録されている巻の第1話は「スタンレーの魔女」ですが、そういえば映画のキャプテン・ハーロック「わが青春のアルカディア」では、ハーロックのご先祖がオーエンスタンレー越えをやっていました。



「あれは正に宇宙一のヒップだね!」

 出典: 寺沢武一「SPACE ADVENTURE COBRA」

紹介 :ジョー・ギリアン 様
HP :

コメント:
 ロイヤル三姉妹【長女ドミニク 次女ジェーン 三女キャサリン】の背中に描かれた、莫大な財宝の隠し場所を記した刺青の秘密を解明する為に、トップレスのドミニク・ロイヤルの背中の刺青を撮影していたコブラが、ドミニク・ロイヤルの宇宙一美しいお尻に見蕩れてしまい、コブラが主旨を忘れてドミニク・ロイヤルに向けて思わず発してしまった台詞で、トップレスのドミニク・ロイヤルがコブラの発言に見返りながら驚いていたが、正にドミニク・ロイヤルの宇宙一美しいお尻を称賛するに相応しい台詞です。

駄弁者:
 言った男も、言われているヒップも、こっちよりだいぶ上物じゃないかと。



死ぬほど痛いぞ

 出典: 矢立肇・富野由悠季原作・池田成監督「新機動戦記ガンダムW」

紹介 :shin 様
HP :

コメント:
ヒイロ・ユイがWガンダムと共に自爆した後、トロワに助けられた時の言葉。 トロワも自分の最後は自爆なのかと思ったとき、ヒイロが助言(?)した名言というか、迷言。

駄弁者:
 結構人気のある名(迷)文句なのか、検索したらあちこちで引っかかります。
 しかしまあ、自爆してそれで済ませられるあたりが、なんかすごいです。



老人を捨てた子供たちを殺さなきゃ……
そして、あたしも老人を捨てて独立するの……
あたしはもう大人よ……いつまでも子ども扱いされちゃかなわないわ……
だから、あたしも殺さなきゃ……

 出典: 円谷プロダクション製作・若槻文三脚本・鈴木俊継監督「怪奇大作戦 第7話 『青い血の女』」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 ここでも幾つか取り上げられている「BLACK OUT」。その原点なのがこの怪奇大作戦です。
 登場するのはSRI(科学捜査研究所)と言う民間団体。彼らはその卓越した科学知識で科学を悪用した不可能犯罪を暴くことが仕事なのです。なお、SRI自体に逮捕権はないので、もっぱら警視庁捜査一課の町田警部の依頼を受けてSRIが動くと言うのが基本。
 話は、SRIの所員三沢が大学時代の友人である鬼島の自宅を訪ね、深夜まで談笑した後、鬼島宅に泊まります。そしてその夜、三沢は何者かに突然刃物で襲われて負傷してしまいます。
 同じころ、会社帰りのサラリーマンが手元から刃物を飛びさせたフランス人形に首を切りつけられて殺されてしまいました。三沢の手の傷と殺されたサラリーマンの刃物傷が一致したことから、三沢は警察から重要参考人としてマークされてしまい、身の潔白を証明するために奔走することに。
 結果、犯行が起こるときには近くのTVの画像が必ず乱れることが分かり、そしてSRIの調査によって、TV画像を乱した怪電波は鬼島の父親の家から発信されていたことが判明します。鬼島の父、竹彦は電子工学の先駆者であり、鬼島が独立して自分の家を出て行ったことを「自分を裏切った」と捉え、互いに憎みあっていたのです。
 警察の家宅捜索を突っぱねた竹彦ですが、独り身のはずの家の中から不振な物音が。竹彦の制止を振り切って奥の部屋に踏み込んだ警察とSRIが見たものは、ベッドに横たわる[アレ]でした。
 投稿するのは、その[アレ]の告白からです。  竹彦は寂しさに耐え切れず、[アレ]を作り出して孤独を癒していたのです。
 そして[アレ]は竹彦の孤独から生まれた憎しみを、本人に成り代わって実行していたのです。
 しかし[アレ]もまた竹彦を捨てて独立しようとし、自己矛盾に陥って自らをも殺してしまうという結末を迎えてしまうことに。
 この話は昭和43年に製作されたものなのですが、2005年現在でも孤独な高齢者の立場は変わっていないですね……

駄弁者:
 親をおいて引っ越したばかりの人間にとっては、ちょっとギクリとさせられるような…。早めに一度帰っておくか。
 そう言えば、老人ホームなどでAIBOをセラピーに使ったりする例もあるそうですが…(笑)。



わたしらは事実の前に跪く

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「ガニメデの優しい巨人」(池央耿訳)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」。
 仕事をしていると「理想が現実に取って代わった」人達を相手にしなければならない時があります。(目標と理想は違うんだが、、、。)
 そんな時にはこのセリフ。科学者並の冷静さを持って問題を解決したいものです。

駄弁者:
 問題は「事実」の解釈は冷静な科学者たちでも各人異なっていて、跪いたりそうしなかったりすることですよね。
 出典作品の前作「星を継ぐ者」のハントとダンチェッカーの論争もそんなものでした。ただ、この小説の登場人物の凄いところは、それまでの自分の解釈が事実に当てはまらなくなったとき、その解釈に固執せず潔く「跪く」ことだと思います。



「感情機能か。つけるとどうなる?」
「Tes.、つけると邪魔になります。普通は内蔵します」
「……内蔵したらどうなるか言ってみろ」
「Tes.、内蔵すると感情を持つようになります」
「たとえば」
「理不尽な命令を得ても笑顔で対応したり主人が嫌味でも亡くなったときに涙を流せます」
「それこそ感情機能ではなくロボット機能だ問題製品め」

 出典: 川上稔「終わりのクロニクル」

紹介 :相葉 水純 様
HP :

コメント:
 独逸製戦闘用自動人形“Sainfrau(ザインフラウ)”通称「Sf」とその主人の会話。
 無機質で無感情で淡泊なメイドさんなのですが、言動が機械故にズレまくってまして。
 『ロボットに感情を持たせる』というネタはSF史上では様々な形で使われてきましたが、実際に『人間らしい』を追求すれば上記のようになるのでは、と考えてしまいました。
 …実際にそこまでする必要も製作する人もいないでしょうけど。

駄弁者:
 無条件に命令に対して笑顔で対応したり亡くなった主人に涙を流すならロボット機能なのかも知れませんが、「理不尽」「嫌味」と認識した上でそうできるという機能は、あるいは感情機能よりずっと高度なものなのでは?



「ねえ、こんなことってある? あなたもなのよ、ラリイ。あなたもだったのよ」

 出典: F・M・バズビイ「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」(室住信子訳)  「タイム・トラベラー」に収録

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 ラリイは時を行き来することができた。いや、有無を言わさず行き来させられていた。行き来するのは心だけで、宿主はさまざまな年齢の自分自身。精神的に物心ついた時には、それが自分だけの特異な出来事であり、他人に言わない方が良いのだと学んでいた。ある時彼は街角で知り合いの女性に思わず声を掛けるが、それはまだ出会ってはいけない相手だった。
 引用の台詞は、そのときの相手の返事。それまで人生のあちこちを転々と見てきた彼は、いかにその人生を変えないかに腐心してきたが、この出会いで何かが変わる。
 イーガンの「貸金庫」や高畑京一郎「タイムリープ」の元ネタかもしれない味わいで、短編集『タイムトラベラー』の中で一、二を争うお気に入りの作品。

駄弁者:
 やっぱ時間ものと純愛ものは相性がいいですね。ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」とか梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」が好きという人に勧めてみたいです(「タイム・トラベラー」、入手難ですけどね…)。
 私、この作品の一番の迷文句は、この二人が出会って少し後の会話、「あの、きみは、もう臨終はやった?」だと思います。聞きますか、そういうこと…(笑)。
>イーガンの「貸金庫」や…
 言われてみれば、縦軸横軸を入れ替えると「貸金庫」のシチュエーションになるんですね。



ブレインは無敵だ
ブレイン自ら全世界を破壊し尽くす
ブレインを止めることはできない
ブレインは全知全能だ
ワンセブン、ブレインに従うのだ
ブレインの大目的を遂げさせるのだ
機械文明に地球は滅びる
全ての文明を地上から消さねばならないのだ
ブレインは正しい
ブレインは偉大なる善
ブレインは地上の神
ブレインは、ブレインは…

 出典: 石森章太郎原作・伊上勝脚本・山田稔監督「大鉄人17 最終話『さらばワンセブン、不滅のナンバー』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 人類科学の結晶・未来を予測する超巨大人工頭脳ブレインは、至上命令『地球環境の保持』を果たすために人類文明の殲滅を企む。だがその先兵となるべき巨大ロボット“17”の人工頭脳は別の結論を出した…「人類を殲滅する必要はない!」。
 かくて人類の未来を巡ってブレインと“17”+人類の最終戦争が始まった…。
 ハードな展開と迫力の大特撮が楽しい『大鉄人17』から、最終回ブレインの断末魔の台詞です。断末魔といってもブレインはこの台詞で死を覚悟しているわけではありません。ブレインは最後の総攻撃に出るその寸前、人類に対して処刑を宣告しているのです。
 ブレインはあらゆる自然現象を予測し、人間心理を読み、その上あらゆる物を生み出す超生産能力を備えた、文字通り全知全能の存在です。爆破されても超生産能力で自らのコピーを創り出し、数秒で蘇ります。確かに無能なる人類の目から見れば、その“万能性”は神を標榜するに足ると、云えるかも知れません(云えないかな?)。
 人類を巡って全能の神と鋼鉄の巨人が戦う、神話的な世界で人類は何を想い、何を為すべきか。石森章太郎得意の世界観ですね。
 でも自称なんかした途端、チープさ、胡散臭さが充満してきます…、だって『神(自称)』だもん!

駄弁者:
 オー・オオ・ワンセブン〜って、また懐かしい作品を。超合金持ってましたよ、四角い飛行形態に変形するやつ。
>自称なんかした途端、チープさ、胡散臭さが…
 ですね。神とか名乗らず、コンピュータとして論理的な計算で人類を滅ぼす…というのを全面に出した方が迫力があったと思います。



デスラー総統「諸君、宇宙戦艦ヤマトの無事を祈って乾杯しようではないか」
部下「ハハハ、ヤマトの無事を祈ってか!これは面白い。総統も相当冗談がお好きで……ハハハッ」(無言で座席のスイッチを押す総統)「ハッ!?……」(床に開いた穴に落ちる部下)
デスラー総統「ガミラスに下品な男は不要だ」

 出典: 松本零士原作・西崎義展企画/総指揮「宇宙戦艦ヤマト」

紹介 :J.J 様
HP :

コメント:
 今回はお馬鹿なネタを一つ。テレビでもツッコミを受けた、ヤマトでも数少ない迷シーンから。
 太陽系を突破したヤマトが、自らの名を冠された宇宙機雷による防衛網の餌食になる様を肴にしようとしたデスラー総統が。親父ギャグをかました部下に対してした行為とその後の台詞。
 ガミラス帝国の総統は下らないジョークがお嫌いなようです。(それとも自分の言った冗談を悪乗りされた事に怒ったのか?どちらにしてもブラックです)

駄弁者:
 同僚によると、男は一定の年齢になるとオヤジ遺伝子が発現して、うけないと分かっていてもオヤジギャグを口にせずにはいられなくなるんだそうです。
 顔色の違いにも関わらずガミラス星人と地球人がいかに近縁にあるかを示すエピソードと言えましょう。彼らは何語で話しているんだなどと小さなことを考えてはいけません。
 もっとも私がこれを初めて見たとき、ダジャレに全然気付かず、単にデスラーが自分の美学を理解しない部下を追っ払っただけと素直に受け取っていたなあ…。



ろくに鍛えもしないで急に強くなろうとしても、所詮無理があるってことだな。

 出典: 石森プロ制作「仮面ライダー響鬼」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 仮面ライダー龍騎は契約したモンスターを封じたカードの力で変身します。必殺技もすべてカードによって召還したモンスターの力を借りて発動します。
 「サバイブカード」を手に入れれば、「龍騎サバイブ」への2段変身が可能です。 仮面ライダーファイズは「ファイズギア」と呼ばれるツールによって変身し、必殺技もすべてツールの力によるものです。新アイテムの「ファイズアクセル」により、高速形態「アクセルフォーム」に、「ファイズブラスター」により最強形態「ブラスターフ ォーム」へチェンジします。
 仮面ライダーブレイドは、アンデッドと呼ばれる怪人を封印したカードの力で変身します。新たにアンデッドを倒してカードに封印する度に、そのカードを使用した新しい技や能力を覚えます。複数のカードを組み合わせることで、より強力な必殺技を放つこともできます。さらに特殊なカードを集めることにより、高機動形態「ジャックフォーム」や最強重装形態「キングフォーム」へと…いい加減にしろ貴様ら!
 昔のライダーはなあ、特訓して新しい技を編み出していたんだぞ! と、いうわけで「仮面ライダー響鬼」です。人を食って成長する「魔化魍」と呼ばれる巨大な妖怪と、それを育てる「姫」と「童子」と呼ばれる男女一組の怪人を倒すために、鬼に変身して戦います。
 謎の人物に与えられた力により強化され、全身を鎧状に硬化させた「鎧姫」と「武者童子」に敗退する響鬼。しかし、肉体の鎧化が短時間しか持続しないことを見抜き、戦いを長引かせて時間切れを誘って勝利します。そのときに言ったのが上記の台詞です。
 怪人よりむしろ過去の平成ライダーに向けられた言葉のように感じます。 一度は負けても安易にパワーアップせずに、冷静に敵の弱点を見極めて、今ある力でなんとかしようというところが良かったと思います。

駄弁者:
 前回のご投稿に引き続き、元祖を見習え第2弾(今回はさらに後輩も見習え?)。
 コメントで紹介されている設定を読んでいると、やっぱりRPGなどのゲームの浸透前と後ではライダーの力あり方も変わらざるを得なかったのかなあと思います。



能無し
運無し
成果無し
ってか?

 出典: 士郎正宗「攻殻機動隊」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」。
 そろそろ新人達が仕事を任される時期となりました。とはいっても最初から「成果」を出すのは無理というもの。そんな落ち込む新人達にはこのセリフでカツを入れましょう。
 でもこれ、「成果」には「能」または「運」が必要って事?
 私の「成果」は一体どっち…?

駄弁者:
 「または」じゃなくて「かつ」じゃないでしょーか。成果があるなら前2つはどっちもあったってことですよ。
 ところで出典をひととおり探したんですが、ご投稿のセリフを見つけられませんでした。このマンガ文字がかなり多いんで見落とした可能性が大ですが…。
(追記)
 TEAM NORTH-MOAI(R)さんより掲載箇所のご指摘(フォロー感謝します)。単行本304ページでした。
 いや、こんなに後ろのほうだったとは。比較的ノリの軽い最初のほうの話だろうという先入観があったせいで見落とたようです。



ワシは、宇宙の帝王ザカリテ。グロアールある限り、貴様ら如きに倒されはせん。

 出典: ゲームアーツ制作「シルフィード」

紹介 :MOB 様
HP :

コメント:
人類が宇宙に進出した時代。銀河連邦に対する反乱軍は新造戦艦グロアールを強奪。
連邦軍は成功率の最も高い作戦として新鋭戦闘機シルフィードによる単独攻撃を行う…
とまあ、シューティングゲームにはありがちなストーリではあります。
ゲームを開始した直後、生ポリゴン丸出しの人の顔がいきなり表示され、その顔がおもむろにしゃべりだすのが上記の台詞です。
 この台詞がなぜ名台詞なのかは、ちょっと説明の必要があります。
このゲームの対応機種であるPC-8801mkIISRというパソコンは、80年代中盤においてホビー向けパソコンの主流として活躍した機種ではありますが、そのスペックは今から見ればファミコンに毛が生えた程度のものでしかありませんでした。
 当然音声を合成するなど到底無理な話。しかしその無理を通したのがこのゲームを制作したゲームアーツという会社でした。音声合成の質は高いとは言えず、聞き違いを起こす人も少なくありませんでした。
 しかし、ハード的な制約をソフトの技術で超えたという事実に、当時の「マイコン少年」達は胸を熱くしたものでした。そして、その独特の声質もあいまって、強烈なインパクトを与えたこの台詞は、名台詞としてプレイヤーの心に残ったのです。
 シルフィード後も、ゲームアーツのソフトにはこの音声合成技術が常に投入されました。"88"主流の時代が終わりを告げるまで……。
 この、貧弱なハードじゃ出来ない無茶を高い技術力で通すというのが、パソコンで何でも出来る今からみると「昔懐かしい未来観」を思わせると個人的には思うのですが、いかがでしょうか。

駄弁者:
 貧弱貧弱と言うなかれ。それ以上に貧弱スペックだったMSXしか持てなかった身としては、88がどんなに羨ましかったことか(でも88よりMSXの方が寿命は長かったですがね)。
 「シルフィード」も当時友人の家で見せてもらって彼我の差を思い知らされたタイトルのひとつ。音声については、実はあまり印象に残ってませんでしたが…。



「幸い第一小隊は大苦戦に陥っとるらしい。ここまでは筋書き通りだ」
「幸い…って…」
「なんかこう…やり方が悪どくありませんか?」
「……みんなで幸せになろうよ」
(ど…どこまで本気なんだこの人…?)

 出典: ゆうきまさみ「機動警察パトレイバー」(漫画版)

紹介 :サイコ・コム 様
HP :

コメント:
 パトレイバーファンにはおなじみ?(かどうかわからんが)後藤隊長の台詞。
 いちおう状況の説明をしておくと発足したばかりの後藤隊長旗下第二小隊は半端物の寄せ集めと言うこともあり上層部は資質を危ぶんでいた。第二小隊の価値を上に認めさせるためにベテラン揃いの(しかし機体は旧式)第一小隊を見捨てて第二小隊だけで事件を解決しようとする。 第一小隊を見捨てることを部下に説明するところである。
これだけだと後藤隊長はただの悪どいオッサンだがそれだけではない。(実際彼は悪どい)レイバー犯罪の深刻化にともなう戦力不足、ここで第二小隊の価値を示しておかないと十分な支援が云々と言った大人の事情もきっちり考えていると思う。でも三分の一ぐらいは本気で言っているに違いない。こういう飄々とした不気味なオッサンが私は結構好きです。
というかこのオッサンいなかったらパトレイバーが成り立たないと思う。

駄弁者:
>……みんなで幸せになろうよ
 少なくとも、自分たちだけ不幸にはならん、と言っているような。



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