SF名文句・迷文句第89集

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スタージョンの法則
あらゆるものの90%はクズだ。

 出典: アーサー・ブロック「マーフィーの法則」(倉骨彰訳)より

紹介 :藤間真 様
HP :

コメント:
関連の投稿はあるのですが、真っ向から紹介した投稿がないことに気づきました。
結構SFに限らない世の中の真実をついている言葉かと。

駄弁者:
 最近刊行されたスタージョン短編集「不思議のひと触れ」の解説によると、この有名なセリフは1953年世界SF大会でのスピーチの一節だったとのことです。
「(…)その通り、SFの九十パーセントはクズです。しかし、それを言うならどんなものでもその九十パーセントはクズであって、クズではない残りの十パーセントが重要なのです。(…)」
この文脈でいうと「マーフィーの法則」にはそぐわないですよね。



「ばかめ! おまえの運命の土地を選んでしまったな!」

 出典: ロジャー・ゼラズニイ「オベロンの手」(岡部宏之訳)

紹介 :汗 様
HP :
http://homepage1.nifty.com/beHungry/

コメント:
 いままで何度読み返したかわからないゼラズニイの「真世界シリーズ」、その第四巻から。真世界アンバーの投影である《影》と呼ばれる多元世界。《影》を侵蝕しつつある《黒い道》は、アンバーの根源である、大地に刻まれた模様《パターン》に人為的に付けられた傷が原因だった。その修復法を知るべく、魔法使いドワーキンを訪ねたアンバー王子のひとりコーウィン。修復の手がかりを得たものの、ドワーキンは精神状態が悪化し得体の知れぬものへと変貌を遂げる。彼から逃れるべく彼の机の引き出しから取り出したものは、《混沌の宮廷》が描かれたトランプだった。
 ドワーキン独特の魔法は、彼の描いた絵を眺めていると、それが現実化する、というものです。アンバーの王子たちがそれぞれ一揃いずつ持っているトランプセットには、彼ら王族が一枚ずつ描かれており、その一枚に精神を集中すると、その人物とコンタクトし会話することができます。握手したり一歩踏み出したりすれば相手のいる場所と行き来することさえできる、テレビ電話とどこでもドアの機能を合わせ持つスグレモノの道具です。コーウィンが手にしたのは、めずらしく風景が描かれたトランプで、彼が行った先は彼らの父祖の地とされる伝説の土地だったのです。
 コーウィンは一時記憶を失って、数百年間、我々の住むこの世界に住んでいました。そのために全五巻で何度か、《影》のひとつであるこの世界を訪れます。コーウィンがここでの友人ビルを煙に巻いたりするそのエピソードが私のお気に入りです。

駄弁者:
 じつは今読んでいるところです。シリーズ一気読みが基本の私には珍しく、他に読む本の合間に少しずつ。2巻目「アヴァロンの銃」まで読み終わったところです。
 途中までしか読んでないのに言うのも何ですが、コーウィンって平地にいたずらに乱を起こしているような気がしてしまって…
追記(シリーズ全巻読破後):
 3巻から4巻あたりまで進むと、「平地に乱〜」の印象はだいぶ薄れます。二転三転する真相、本当の黒幕は誰なのか…。私はこのシリーズの醍醐味は3巻「ユニコーンの徴」4巻「オベロンの手」にあると感じました。



《そのまま行け、人よ》
《わたしに言うことはそれだけか? これだけの年月のあとで? あれだけのことがなされてきたあとで?》
《さらば》

 出典: ロジャー・ゼラズニイ「燃えつきた橋」(深町真理子訳)

紹介 :汗 様
HP :
http://homepage1.nifty.com/beHungry/

コメント:
 人類創世より歴史に多大な影響を及ぼしてきた存在は、今やその目的を達成しつつあった。《彼ら》の生存に適した亜硫酸ガスなどが着実に大気中に増加する一方で、そのような科学文明を発展させてきた人類は、《彼ら》にとって御役御免となり、みずから滅亡に向かおうとしていた。そんな《彼ら》に対抗して戦い続ける謎の《黒い男》…。
 「未知との遭遇」のラストシーンを彷佛させる、敵との最後の対決でのやりとりがこれ。読者自身が「それだけか?」と聞きたくなる、しかし余韻の残る場面です。
 彼らの「船」は鏡面状の球体で、映画「ナビゲーター」なんかも思い出したりしますが、最初にこういうイメージの宇宙船を考えたのって誰でしょうね?
 第二部で唐突に、国際精神感応技術者連盟だとか、生まれながらの並外れた精神感応能力のために他人の思考から心を遮蔽して植物状態で生きる子供とかが出てきます。もちろん本筋にからんできますし、その子供を治療しようとする医者たちの医療方針やら、社会的にある程度広まり役立っている技術者としてのテレパシストのありようも、しっかり書き込まれていて面白いです。

駄弁者:
 ゼラズニイは手を付けはじめたのが遅れたので、読み逃してしまっているものがだいぶあります。これもその一つ。
 環境問題を人間以外の存在が裏で手を引いていたせいにできたら、ある意味気楽なんでしょうけどねえ。まあ原因が人間のせいであろうとなかろうと、人間がなんとかしなきゃならないことなんでしょう。地球のためでなく、人間自身のために。



全ては繰り返される…。
地球の平和を守るために人は、永久に戦い続けるんだ…。

 出典: 「五星戦隊ダイレンジャー 最終回」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 とんでもない戦隊シリーズの第2弾、『五星戦隊ダイレンジャー』驚天動地の最終回から、主人公リュウレンジャーこと天空星のリョウの独白(正しくは元リュウレンジャーですが)。
 詳細はネタバレなので書きません(これも捜せば判るかも)が、けして戦いが永遠に続くことを嘆いた、悲観的なものではありません。
 シリーズを通した悪役が存在するヒーロー作品ではしばしば、最終回にその悪役を退治するとそれが即ち目出度し目出度しで、全ての矛盾や悪が解消されるかのような描き方になってしまうことがあります。しかし現実はそんな単純な構造ではありませんし、第一『悪』を排除すればそれで問題が全て解決するなどあり得ないと云うことは、イラク辺りの現状(平成16年7月現在)を見れば明らかです。
 『ダイレン』はそんなヒーローモノでは珍しく『悪』を単純に全面否定することなく、かといって悲観的になることもなく、それ故に印象深いラストシーンを紡ぎ出すことに成功しています。
 平和を守るために人は、永久に(心の中で)戦い続ける…、結構妥当な結論だと思うのですが、いかがでしょう。

駄弁者:
 すいません、見た瞬間「また来週から次の戦隊が出てくるから…」というメタな皮肉が込められているのかと思ってしまいした。



「午後も、きみに運転させることになってしまったな」

 出典: 星新一「生活維持省」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 国民の生活水準を維持するために、人口を必要以上に増やさないようコンピュータが無作為に選んだ人を光線銃で処理していくのが生活維持省で働く2人の仕事であった。その日も淡々と仕事をこなしていた彼らは意外な命令を実行することになる…
 はじめて読んだときは随分さめた主人公だと思ってましたが、今思うと自分の仕事に人一倍の誇りと使命感と罪の意識を持っていたのでしょうね。今の時代にこそこういう方が必要なのかもしれません。
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 私もだいぶ前に読んだ覚えが。主人公の態度に感銘をうけるより、こういう人間に淡々と自分や他人を死に赴かせる状況に恐怖を覚えてしまったものです。



タッカー「ヴァルカンだぞ!?」
リード 「でも、やっぱり美人だ。」
タッカー「マジかよ!」
リード 「あのヒップなんです。」
…(中略)…
リード 「…いい形なんですよねえ〜。」

 出典: 「スタートレック・エンタープライズ『引き裂かれたクルー』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 シャトルでの惑星調査を終えて、エンタープライズとの合流点に着いた主任機関士タッカーと保安主任リードの二人は小惑星上にエンタープライズと思われる宇宙船の残骸を見つける…。2人の名誉のために申し上げますが上記のセリフは燃料も食料も尽きかけて暖を取るためにバーボンを飲んで泥酔しての会話です(名誉回復になってないか…)。おそらくリード大尉を見る視聴者の目がこの話から180度変わったのでは?  トゥポル=お色気担当という一部ファンの陰口を逆手にとった見事な(?)脚本ですね。とはいうものの、猫耳じゃないけどやっぱり手抜きなのかな(笑)。では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 スタートレック最新シリーズ「スタートレック・エンタープライズ」は年表的には元祖よりもさらに前の時代、人類が宇宙に進出しはじめた頃を扱っています。地球人が宇宙に出ることを抑制していたヴァルカン人が、お目付役として送り込んだトゥポルに、アーチャー艦長やタッカー機関士は気を許していない…という状況。
 ヴァルカン人に性的魅力を感じる人が出てくるのはまあ、シリーズ元祖からのお約束ですよね。スポック副長も何気に艶福でしたし。…リード大尉の場合、耳でなく尻に惹かれているあたり、まだ正常というかなんというか。



作者はヨシユキ・トミノ。
普段は…ほらっ、ぼくらの歴史小説なんかを描いている人物さ。

 出典: 長谷川裕一「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 ジオンの残党が開発しているという超大型MSについて調査するために木星圏を訪れたアムロ・レイは、かつてのZZのパイロットであるジュドー・アーシタに協力を求めます。どんなに巨大でもたかが一機のMSに、どうしてわざわざエースパイロットであるアムロが出向いてくるのかというジュドーの疑問に対して、唐突に“赤い巨神”をめぐる地球人類と異星人バッフ・クランの戦いの物語を語りだすアムロ。
 キョトンとするジュドーにヨシユキ・トミノという人物が書いた小説の話だと種を明かします。ジオンは例の巨大MSを伝説巨神のコードネームで呼んでいるというのです。「その“伝説巨神”が…その、本物なんじゃないかと…思っているのさ」というアムロの言葉を「はははっ、まさか」と一笑に付すジュドー。
でも本物なんですけどね。

駄弁者:
 あれが歴史小説だとして、アムロは一年戦争当時の自分の姿が描かれているのに文句ないんでしょうかねえ。きっと認めたくなかろう若さ故のあやまちが満載なのに。



ざっと数えて100体か……肩ならしにはちょうどいいぜ。
イマージェンシー!デカマスタァァァァァァァッ!!

 出典: 荒川稔久脚本「特捜戦隊デカレンジャー Episode.13 ハイヌーン・ドッグファイト」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 別に最新作から投稿しちゃいけないという決まりもないでしょうから、現在進行中の戦隊シリーズ最新作、「特捜戦隊デカレンジャー」を。
 宇宙の犯罪者、“アリエナイザー”を取り締まるスペシャル・ポリス、S.P.D.。その地球署の署長、ボスことドギー・クルーガー。(人の体に犬の頭をしたアヌビス星人。毛並みがむくむくしてて何だかかわいい)
かつて彼は「地獄の番犬」と恐れられた凄腕ポリスで、並み居るアリエナイザーを震え上がらせていました。そんな中、かつて逮捕したアリエナイザーが彼に復讐すべく、ドギーの理解者であるスワンを人質にとって挑発してきます。
 もちろんデカレンジャーの五人は矢も盾もたまらずに助けに向かおうとしますが、ボスはそれを「これは俺の仕事だ」と一喝し、たった一人でスワンの救出に向かいます。
指定された採石場に待ち受けるのは100体の戦闘アンドロイド(本当に100体いる!)。ドギーはサングラス越しにそれを一瞥し、ひらりとサングラスを投げ捨て変身!
 このあと、本当に100人斬りをやり遂げてしまうのだから、テレビの前の私は度肝を抜かれてしまいました。
 しかもご丁寧に、画面の右下には100からカウントダウンするカウンターのテロップが。
なんとも心憎い。

駄弁者:
 めい文句集で最新作から投稿しちゃいけないという決まりはないですが、刑事ものでボスがイスからたって立ち回りをしちゃいけないというのは裕ちゃん以来の決まりじゃなかったかなあ…。



そうか 僕は今 「戦争」のなかに居るのか

 出典: 佐藤大輔原作・伊藤悠漫画「皇国の守護者」(漫画版)

紹介 :大道夏樹 様
HP :

コメント:
 今回初めて投稿させていただく、大道といいます。
 皇国の守護者は大好きで、小説のほうは既刊を全て買い揃えた後、漫画版も読んで、一番気に入った言葉です。
 高度な海運業を発達させた<皇国>により国内経済に多大な打撃を受けた<帝国>が侵攻し、始めて行われた会戦時に、主人公の新城直衛中尉が、心の中でつぶやいた言葉です。
 彼にとって始めての『戦争』であることが分かります。それに、このコマの少し後で彼が震えているのも描かれ、彼の中にある臆病さを表しており、ある意味、とても原作に忠実だと思いました。
 これからに期待できる作品です。

駄弁者:
 はじめまして。初のご投稿を歓迎します。
 「皇国の守護者」は、こちらは7巻で止めています。8巻が出ているのは知っているのですが、続くかどうかを様子見中。わりと気に入ってはいるので、このまま先細りで終わってほしくはないものです。
 ご投稿の文句、原作のほうにもあるかと思って探しましたが、見あたりませんでした(見落としただけかもしれませんが)。新城がはじめての「戦争」に臨んで恐れを抱く描写はありましたが。この新城の臆病さ、というのはキャラクターの魅力だと思っています。



「きみはすでに自分が達した結論を裏付けるように、証拠のほうを合わせようとしているよ」

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「ガニメデの優しい巨人」(池央耿訳)

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
 私事ですが理系の仕事をしているもので、ハントとダンチェッカーの言葉には、腑に落ちること、反発したくなること、我が身に返して思うことが多々あります。以前にお送りした、偶然の一致云々もなのですが、今回お送りした科白も仕事中に思い出すことがあります。
 そもそも実験・観察を行うときは「これこれの結論が出てほしい」と思うものですから、出てきた結果をなんとかねじ曲げて自分の希望通りにしてみようと苦闘することはしばしばです。優秀な人ならそこですぐに虚心になれるものでしょうか。
 もっとも「何事か得たい結論」という動機がなければ、最初から実験も観察も熱が入りませんし、一見ランダムに見えるデータに意味を見つけること事態が難しい気もします。
 「わたしが言っているのではないよ、クリス」彼はたしなめるように言った。「数字に出ているんだ。これは間違いない。何なら自分で調べてみるといい」
 なかなかこうはいかないものです。

駄弁者:
 私事ですが予算要求時期にはハント先生やダンチェッカー教授に怒られそうなことはしょっちゅうです。いや、数字に間違いなく出ていても、見てくれない人はどうしてもいるもので…。



エースはやっぱり凄まじい

 出典: 石堂淑朗脚本・山際永三監督「ウルトラマンA 第28話『さよなら夕子よ!月の妹よ』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 『ウルトラマンA』から、不思議な感じの台詞を一つ。
 『A』には不可思議な台詞が多々存在するのだが、この台詞は特に理解しがたい台詞の一つである。
 状況は、エースが超獣をマグマの池に叩き落とす場面から始まる。
 超獣の最期を見届けた山中は今更ながらエースの超能力に感極まって呟く。
 …。
 でも『凄まじい』とか云われても…、それって誉めてるの?
 『ウルトラマンA』以前、『ウルトラシリーズ』はまだシリーズではなかった。『ウルトラセブン』は『ミラーマン』などと同じ別系統の物語であり、『帰ってきたウルトラマン』は(少なくとも企画時に置いては)『ウルトラマン』のコピーだった。『A』は企画段階から『ウルトラマン』でないウルトラマンを企図して生み出された、最初のウルトラマンだと言える(だからデザイン面などで大きな冒険が見られる)。男女合体変身で性別を超越し、他のウルトラマンの総出演による権威付け、敵に“悪魔”を置いての相対化など、『ウルトラシリーズ』を別格化するために様々な工夫が凝らされている。
 でもその多くは“的外れ”だった。今回の山中の感慨と同じである。
 どんなに強力にプッシュしても、押す位置や方向が間違っていたら思った方向には進みません。各局『ウルトラシリーズ』は迷走することになってしまうのですが、そんな“的外れ”ぶりが、こんな台詞に象徴されてしまったように思えるのです。

駄弁者:
 しかし「エース」「タロウ」「レオ」そして「80」とシリーズが続き、平成になってからも復活して何作かつくられているあたり、「ウルトラシリーズ」という方向性自体は、いちがいに迷走とも言えないのでは?(平成版は「ウルトラ兄弟」とは別物とはいえ)
 タロウもレオも、後からHPなどでエピソードを読み直すとかなり珍妙なものがありますが、見ていた当時は気にせず喜んでみてましたしねえ…。



ライカー「銀河系級の宇宙船だぞ?」

 出典: 「新スタートレック『埋もれた文明』」

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 なにせスタートレックの航宙艦といえば大きな円盤部が特徴です。この台詞を聴いた瞬間、直径10万光年のとても大きな船体を思い浮かべて度肝を抜かれたのは私だけではなかったと思うのですが、落ち着いて考えてみればそこまでトホーもないのはレンズマンあたりでも見た覚えがありません。
 というか、原語の”Galaxy Class”はUSSギャラクシーをネームシップとする艦級のことなので、”級”の意味がそもそも違うわけでして。
 ちなみに、この訳に則ると先代のC型エンタープライズは大使級、初代とA型は組織級、3代目のB型に至っては一路向上級(なんのこっちゃ)ということになります。

駄弁者:
 歴代<エンタープライズ>の艦級はA型から順にコンスティテューション級、エクセルシオール級、アンバサダー級、ギャラクシー級、ソヴェリン級。最後のE型のを訳すと「支配者級」。わ、急に高飛車な名前になったな、惑星連邦。
 訳については、「スタートレック3」がTV放映されたとき、敵役クリンゴンの「バード・オブ・プレイ(戦闘艇)」を「猛鳥号」と訳されて一気に気分が萎えた覚えがあります。



「レッテルだけで判断するのなら、君は敵だよ」

 出典: 「太陽の牙ダグラム」

紹介 :まだん 様
HP :
http://homepage1.nifty.com/madannoshasyu/index.htm

コメント:
 首府・地球の圧政に苦しめられる殖民惑星デロイアを開放すべく、革命に身を投じている地球連邦評議会会長の息子クリン・カシム。
 そのクリンが、自分達の解放戦線が、実は敵である地球から武器を購入していた事を知り、その事を、解放戦線のリーダーでもあり彼の師である歴史学者サマリンに問い尋ねてみた時のサマリンの返答。
 地球人のクリンは、確かにそれだけで判断するのならデロイアの敵でしかないですね。しかし、買う方は良いとしても、売った方の企業は同胞から袋叩きにあるだろうなぁ…。(ちなみに、その「売った方」というのも、クリンの実兄の企業だった様な記憶が…(汗))

駄弁者:
 イラクで米軍ヘリを撃墜しているのも、アメリカ製スティンガーミサイルだったりしますしね。



どうしてあなたに、彼が優しく触れたものがなかったとわかるんです?彼が愛したひと、彼の愛によって祝福されたひとがいなかったと?手に触れるあらゆるものを破壊した──それは嘘だ、いまだかつて生きたいかなる人間にも真実をこめて言われうるものではない。

 出典: オースン・スコット・カード「死者の代弁者」(塚本淳二訳)

紹介 :J.J 様
HP :

コメント:
 最近になってようやくカードの作品を読み始めました。その中でも好きな台詞の一つがこれです。
 カードファンの方の前で恐縮ですが説明させていただきますと。
 人類史上最高(最年小)の軍事指導者にして最悪の虐殺者ゼノサイド・エンダーの罪を糾弾する異生物学者ノヴィーニャに対して、彼女の子供達によって招かれた(代弁者)アンドルーが彼女に返した台詞。人類を異星人の攻撃から救った英雄が一転して虐殺者・犯罪者として一方的に非難される中で(代弁者)の言葉は歴史の見解(それを生み出したのはゼノサイド・エンダー本人だったのだが)によってどうとでも変化する人間の身勝手さを浮き上がらせると共に、その業を背負いながらそれでも人間の優しさを信じて生きる一人の人間の姿を浮かび上がらせる(ネタバレ)。

駄弁者:
 おお、「死者の代弁者」からのご投稿、久しぶりです。
 このエンダーの言葉は自分を弁護するものではなく、自分が最大の罪を負っていることを認めたうえで、その他の人間を「代弁」するときの基本的な態度を表明しているものだと思います。理解しあえたかも知れないひとつの種を皆殺しにした自分=エンダーにさえ「優しく触れたもの」があるのだから、他のどんな人間にだってあるはず──エンダーの考えは崇高ですが、見ようによっては後ろ向きな考え方なのかも。



神に祈るな!
心くじける!
過去を思うな!!
敵は前にあり!!
これより我々ドラッケンは、死地に生きる!!

 出典: 皆川亮二「ARMS」

紹介 :雑賀孫市 様
HP :

コメント:
 はじめまして。89集まで楽しく読ませて頂きました。質、量共にここまで楽しませてくれるサイトって貴重だと思いますよ。
 上記のセリフは、世界の秩序を裏で支える秘密結社「エグリゴリ」(ショッカーみたいなモノ)から脱走し、対抗組織「ブルーメン」に鞍替えしたサイボーグ部隊「ドラッケン」の隊長ヨハン・ホルストのものです。 ベタではありますが「敵」の部分を「希望」に「死地」を「自分の目標」に置き換えれば実生活でも使えるとおもうのですが。
 ブルーメンには彼らの身体をメンテナンスするような技術者も設備もない、自分達で自らの体を直すしかなかった…。それなのに、彼らはブルーメンに参加している。気合いとド根性を武器にスペックを超えた戦闘力を発揮します。
敵の本拠地に突入し、彼らのデータを元にした最新型に対面したときの
「なにが最新鋭の体だ。お前達とは背負っているものが違う。
 私のボディーの半分は志半ばに倒れた仲間の流用パーツ。
 しがみつく亡霊どもが、我々に楽な死に場所を与えてくれんのだよ。」
という言葉も泥臭くてイカしてます。

駄弁者:
 はじめまして。おほめにあずかり恐縮です。
 物語の中で見るのは嫌いじゃないですが、実生活で使うときは……いや使う前に、「自分の目標」に向かうときは、気合と根性抜きのスペックどおりで目標を達成できるぐらいには、計画なり後方支援の確保なりをしておきたいところです。
 物語ではそれができない状況だからこそ名文句が「名」たりうるわけですが…(私、このての名文句にはいつも同じようなコメントになってますね)。



かっこいい事のどこがいけないんだ――――――ッ!

 出典: 柳田理科雄原作・筆吉純一郎漫画「空想科学大戦!」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 199X年、人類はついに地球外知性体とのファーストコンタクトに成功した。
しかしコンタクトの相手、帝王モドキングとその部下パッチーは地球征服をたくらんでいたのだ!!これに立ち向かうは日本科学攻撃隊(サイエンス・アタック・メンバーズ・オブ・ニッポン)、通称「サモン」!!
 しかして、彼らの武器はことごとく「科学の壁」に打ち砕かれ――
 12集にもあった空想科学大戦から投稿させて頂きます。
 滝裏からの戦闘機発進。なかなか燃えるシチュエーションなんですが、特撮映画にあるようなものすごく短い滑走路では、中の人間にものすごい負荷がかかって絶命必至。そこでサモン技術顧問の猫柳田博士の説明を受けて、ちゃんと戦闘機が飛べるように突貫工事で滑走路を延長。ようやく発進にこぎつけ、いざ離陸!のはずが。
流れ落ちる滝の勢いに負け、滝壷にたたき付けられて、あわれ戦闘機は大破。戦闘機の残骸にしがみ付いた隊長が涙ながらに叫ぶのが、この台詞。
66集の、「よくわからん。かっこいいと、戦術的に有利になるのか? それで砲爆撃の精度が向上したり、補給が円滑になったりするとは思えんが……」という言葉の対になるような言葉ですね。
ちなみにサモンの隊長さんには独自の正義の組織の美学があるらしく、それによると、正義の組織の隊員の朝食はカフェ・オ・レにクロワッサンだそうです。

駄弁者:
 いけなくはないですが、物事には優先順位というものがあって、そこはかっこいい事より「科学の壁」が優先される世界だったということでしょう。たいていの「空想科学」ならこの優先順位は逆転するところなのですが…お気の毒でした。



人間はその肉体のすべてに、たくさんの思い出を刻み込んでおるということじゃ。そのひとつとて、無駄や無意味なものはない。そしてそれは、本人の承諾なしに消し去ることは絶対にできん、まさに神聖かつ犯すべからざるものということじゃ。

 出典: 羅門祐人「元祖羅門堂病院3」

紹介 :TAKA 様
HP :

コメント:
 現代医学の常識を超えた(?)羅門堂病院を舞台に、研修医 田中幸太の活躍を描くホスピタル・コメディ…裏書より。コメディですが内容は重い物を扱っています。
 文句は全身にガンが転移した女性を扱った中篇から。
 主人公は治療法を求めて、とてつもない技術を持つ羅門堂病院の中でも、危険すぎる才能の為隔離されている研究所に相談に行きます。
 そこで出た結論は、脳を含む中枢神経系以外すべてをサイボーグ化することだった。執刀医は患者の女性を母親代わりに育った人間であり、彼女の体には無数の思い出が刻まれている。医師としての意識と人としての情の狭間に立ってしまっている執刀医。
 彼が頼みにしている主人公に、院長がアドバイスをする場面からです。
 そして、結末は
「医者はすべからく、患者の下僕である。患者の切に望む医療を提供すべく、全能力を傾注せねばならぬ」という一言に集約されます。

駄弁者:
 出典作品は、短期間だけ刊行されていたハヤカワのライトノベルレーベル「ハヤカワ文庫Hi!」の一冊。このレーベルで私が読んだのはこれだけでした(イラストが弓月光だったのが、当時は結構恥ずかしかった)。そういえば、他にどんなのがあったのか覚えていないな…。
 内容はコメントどおり、おちゃらけた展開の奥に深いものがありました。他にも老人医療をテーマにしたエピソードなんかがあったと思います。
 SFと言われるとちょっと微妙ですが、思い出してみれば小道具は結構SFがかっていたような。サルジャーノンとかちょい役で出てましたし。 では、またのご投稿をおまちしています。



「我々は強い力を持つ。指先ひとつで橋を架け、一万の人を動かし、億の金を集める。しかし我々は賤業(せんぎょう)に就く者だ。私利はない、私欲は許されん、民意のみに殉じる。この力と目的は時に対立する。臣民の奴隷たることを一瞬刹那たりとも忘れず、なおかつ誇りを持って職務を遂行すること──こいつは難しいぞ」

 出典: 小川一水「復活の地 1」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 主人公の恩師が遺した言葉。「万民の上に位する者、己を慎み、品行を正しくし、驕奢を戒め、節倹を勉め、職事に勤労して人民の標準となり、下民その勤労を気の毒に思うようならでは、政令は行われ難し」(岩波文庫『西郷南州遺訓』)というやつでしょうか。
 「理想」を行動原理の基盤におく人物は、ある意味「危険」な存在かも知れませんが、その「理想」が「最大多数の最大幸福」であり、その「手段」が「漸進(ぜんしん)的改良の積み重ね」であるならば、信頼してみてもよいのではないか、という気がします。
BGM:「バトルクライ」バンプ・オブ・チキン

駄弁者:
 期待の新作できましたか。3巻揃って読むのが楽しみです(楽しみならすぐ買えってなものですが)。
 こないだ私が批判した銀英伝のめい文句とも重なってくる内容だと思うのですが、受ける印象はだいぶ違います。「奴隷たることを一瞬刹那たりとも忘れず、なおかつ誇りを持って〜」というあたりがポイントでしょうか。
…コメントで引かれている南洲翁は、理想ではともかく「漸進的改良の積み重ね」という点では誤ったかな、と。



そう、知りたい──これもまた、おそらく、『何故』かは永遠に答えの出ない、人間にとって一つの根源の欲望でしかないのでしょうか。私は生まれてきた。私は自分がどこにいて、自分であることを知った。そして私は世界について、宇宙について知りたいと望んだ。知ってどうするのか、と神が問うたとしても、私は答えるでしょう。ただ、私の命と引きかえにしても、『知りたい』──ただ、それだけなのだ、と。

 出典: 栗本薫「グインサーガ65  鷹とイリス」

紹介 :TAKA 様
HP :

コメント:
 ちと遅すぎますが、ナリスに哀悼の意を込めて。
 最初の頃の彼は正直あまり好きなキャラクターじゃなかったのですが、彼が不自由な体になった後に、好感を持つようになりました。
 彼にとって世界がどうなろうと関係はないが、世界を知るために行動することが結果的に救世に繋がる。
 ノスフェラスとグインについて知りたいと望んだがために、そしてそのために動いたことがグインを動かし、アモンを世界から追放する事になりました。
 彼にノスフェラスの風が吹かんことを。

駄弁者:
 私はTAKAさんとは逆に、最初の方の策謀家なナリスのほうが、キャラクターとしては好きだったんですけどね。巻が進むにつれてこの人のキャラが二転三転してしまうのがちょっと…。
 しかしこの「私は知りたい」という動機は、初期の段階からあって変わらなかったものでした。



上野「何か気に食わないことがあればすぐ辞めるのか?腹が立つのはお前だけじゃない。お前、何のためにMATに入った?MATに入って何をしたっていうんだ?」

 出典: 「帰ってきたウルトラマン 第5話『二大怪獣東京を襲撃』」

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 MATの岸田長官は、放っておくと別の怪獣を引き寄せてしまう怪獣の卵を爆弾で焼き払う命令を出す。しかしそれは、卵の側の、崩落した地下街に閉じ込められた5人の命を犠牲にすることでもあった。命令に反発した郷は、長官に隊員証であるバッジを突き返して司令室を出て行くが、そんな彼を説得しようとした同僚・上野隊員の言葉から。
 十分に大人に対しても通用する一言です。実際、私など今でも仕事で嫌なことがあったりするとDVDを見返しながらこの言葉の重みを噛み締めることもあります。子供番組にはいささか難しい気もしますが、当時の創り手にはこういう事を伝えようとする意気込みのようなものがあったのですね。

駄弁者:
 第4話からご投稿があったと思えば次は第5話から。
 子供番組としても、言わんとしていることはそれほど難しいことじゃないと思うのですよ。しかしそれが口で言うよりずっと難しいことなのだと認識するのは、ある程度年をくってないとできないことなのかも知れません。



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