SF名文句・迷文句第28集

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-THE GUNHED BATTALION 507 HAS COMPLETED ITS MISSION-
(ガンヘッド大隊 ユニット507は 作戦を 完了せり)

 出典: 田中友幸・山浦栄二製作「ガンヘッド」

紹介 :A.J 様
HP :

コメント:
 今は懐かしき『ガンヘッド』からの名文句(?)です。

駄弁者:
 だいぶ前にTVで見た覚えがありますね…。高嶋兄が主演だったと思いますが。
 ご投稿の文句は、うろ覚えですがラストでモニタに表示されるものでしょうか?



「殿下、マントを見つけてきました。風が強いですぜ」
「このままで良い、マントはある」「へッ!?」
「ナウシカがつけている…」

 出典: 宮崎駿「風の谷のナウシカ 第7巻」

紹介 :新崎みこと 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8597/

コメント:
トルメキア皇女クシャナとクロトワの会話。クシャナも非常に格好いい女性キャラクターですよね。ナウシカと並んで、この作品のもう一人の主役ではないかとまで思えます。最初は相容れない立場だったナウシカとクシャナが、徐々に強い心の結びつきを持っていく。
 でも映画版だとただの悪役なんですよねー。ぬぬ。

駄弁者:
 クシャナがらみでは、最初の方の巻で蟲に殺されそうになったとき、半ば無意識に歌を口ずさむシーンがありましたよね。私はあのシーンがかなり好きです。
 あ、でも「ナウシカ」は7巻だけ読んでない…。



「野心以外に財産とてない貧乏軍人にようやく巡ってきた幸運か・・・それとも破滅かな」

 出典: 宮崎駿「風の谷のナウシカ 第1巻」

紹介 :新崎みこと 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8597/

コメント:
 「風の谷のナウシカ」映画版をスケールにおいて圧倒的に上回る原作の、トルメキア作戦参謀・クロトワさんの台詞です。巨神兵を前にしての言葉なのですが、「それとも破滅かな」の一言が、好機を前にして有頂天になる安っぽい悪役とは一線を画していて彼らしい。自分の能力の限界と失敗の可能性も承知の上なのでしょう。
 彼は私が個人的に最もひいきにしているキャラなのですが。頭が切れ、腕も良く、皮肉なオブザーバーの様でいて最後までナウシカ達と共に生き残る。渋過ぎるキャラクターだと思うのですが、果たして。
 取り敢えず映画版を観てこちらは読まないというのは無しでしょう、とも思えます。

駄弁者:
 私もナウシカとかアスベルより、クシャナやクロトワの方が好きなキャラクターです。映画版では扱いが悪かったですが。それでもご投稿の台詞(ちょっと言い回しが変わっていましたが)とその少し後の「生きていやがった…。短けえ夢だったなあ…」のくだりはその魅力の片鱗を伝えていたと思います。



「わたしのような年寄りは、滅多に調子がよいようには見えない。心にたくさんのものをまといすぎているんだよ。」

 出典: A&B・ストルガツキー「面会」(大野典宏訳)

紹介 :みりあ 様
HP :

コメント:
 今月のSFマガジンに載っていた小説から。
 こんなセリフをサラッと言える年寄りになりたいなあ、と思った二十歳の夏の1日でした。

駄弁者:
 そして、まとったものをすべて脱ぎすてるとき、天に昇るのでしょう。
 そういえば、ストルガツキーのご投稿はこれがはじめてです。1961年の作品らしいですね。
 「ストーカー」とか「蟻塚の中のかぶと虫」などの長編をよんだことがあるんですが、「蟻塚〜」はだいぶ前なので、話をすっかり忘れている…。



「そしてフォースがわれらとともにありますように」

 出典: テリー・ビッスン「赤い惑星への航海」(中村融訳)

紹介 :SUG 様
HP :
http://homepage2.nifty.com/sug/index2.html

コメント:
 21世紀の初め頃、世界恐慌をふたたび経験した世界。その大恐慌の影響でNASAは民間企業に払い下げられ、米ソ共同の火星飛行計画も破棄されて20年が過ぎていた。しかし実際には建造が完了していた火星探査船にハリウッドのプロデューサが着目し、人類初の有人火星飛行を映画にしようと目論む。元宇宙飛行士や、人工冬眠を研究していた軍の医学者、映画スターやカメラマンが集められ、ついに火星探査船は出発する。火星に到着した彼等が、出発間際の着陸船の中からアメリカ大統領への感謝の念を通信した後、緊張漂うブリッジがこの台詞で和む(笑)。他にもこの台詞を発した医学者が「ボーンズ」と呼ばれるなど、あちこちでニヤリとしてしまう作品です。

駄弁者:
 こういうのでなごめるところが「アメリカ人やな〜」といったところ。
 あとはピンチの時に「転送してくれ、スコッティ」があれば完璧です。



「SFを書くのなら使える」

 出典: セルゲイ・スニェーゴフ「銀河の破壊者」(深見弾訳)

紹介 :SUG 様
HP :
http://homepage2.nifty.com/sug/index2.html

コメント:
 旧ソ連の作家スニェーゴフのスペース・オペラ三部作の第1巻からです。遥かな未来、銀河のあちこちに版図を広げ他種族との交流も深めている地球文明。しかし「破壊者」という強力な敵の存在を知り、その「破壊者」と敵対する「銀河人」と同盟を結ぶため、「銀河人」を探索する。その旅の中で主人公エリ・ガマジンが、「銀河人がかつて地球に不時着し、彼等の作業を手伝わせるために類人猿を知性化したのでは?」という友人の仮説を、マザーコンピュータ<万能機>に評価させたところ、それに対する<万能機>の返答です。

駄弁者:
 いやあ、きょうびそれだけだったらSFをかくのでもつらいですよ、きっと…。
 <万能機>は「2001年」か「知性化シリーズ」でも愛読してたんでしょうか。



「まぬけな政治家が率直な質問に対してイエスかノーかで返事をしなかったとき、そいつは嘘をついているんだ。機械でも同じなんだろうなあ」

 出典: ロバート・J・ソウヤー「ゴールデン・フリース」(内田昌之訳)

紹介 :SUG 様
HP :
http://homepage2.nifty.com/sug/index2.html

コメント:
 47光年彼方のエータ・ケフェイ星系を目指す恒星間調査船、<アルゴ>。この<アルゴ>を統括するメインAI<イアソン>がクルーの1人を自殺に偽装して殺し、その自殺の原因とされた被害者の前夫アーロンが真相の解明に乗り出してゆく、刑事コロンボばりの倒叙ミステリでもあるSFです。追いこまれてゆく<イアソン>に対するこの台詞、聞かせたい人達がいっぱいいますねぇ。

駄弁者:
 ソウヤーの長編第一作。私が一番好きなソウヤー作品でもあります。コンピュータのくせに追いつめられるとやたら人間くさくなる<イアソン>に可愛げをかんじたりして。
 カードもこの作品をベタ誉めしてます。「この本は二冊買った方がいい。一冊は自分で読んで、とっておくために。もう一冊は友だちにおしつけて、こういうためのものだ。『こいつを読むんだ!いますぐ!』」(解説より、山岸真訳)
 ご投稿の台詞については…まあ、まぬけな政治家のやることというのは、洋の東西を問わないようで。



「今やろうとしていることは成功する。しかし、そうなる頃には、おまえがそれを望まなくなっているだろう」

 出典: ロジャー・ゼラズニイ「影のジャック」(荒俣宏訳)

紹介 :SUG 様
HP :
http://homepage2.nifty.com/sug/index2.html

コメント:
 「陽光界」と「暗黒界」、そしてその間の「薄明界」からなる地球。ジャックは「暗黒界」を統治する7人の王の1人で、影をその力の源とする盗賊でもある。ある時、<ヘルフレーム>と呼ばれるルビーの盗みに失敗したジャックは斬首されるが、「暗黒界」の住人である彼は復活するも仇敵に囚われ、自由だけでなくかつての恋人も奪われている事を知る。その後太古からの盟約を破り、脱出を果たしたジャックは、復讐を誓う。その復讐のための力を求める彼は、「薄明界」で夜明けを待ちつづける旧友、モーニングスターに会い、遥か以前より事象の観察を続けてきた彼に自分の復讐の成否を問う。この台詞はモーニングスターの返答です。ゼラズニイ作品の問答形式の台詞の良さを実感できるワンシーンです。

駄弁者:
 人間の成長というものを看破した名文句ですね。
 ゼラズニィ作品の問答のうまさというのは「フロストとベータ」でも感じましたが、これもなかなか。



「これは、<時>を旅する道、――過去の<時>、未来の<時>、かつてあったかもしれない<時>、いつかくるかもしれない<時>に通じている道なの。」

 出典: ロジャー・ゼラズニイ「ロードマークス」(遠藤峻征訳)

紹介 :SUG 様
HP :
http://homepage2.nifty.com/sug/index2.html

コメント:
 父を知らずに育った青年ランディは、その父が残した1冊の詩集『草の葉』−実はミツイ・ザイバツ製のマイクロドット・コンピュータ・アレイ(早い話がハンドヘルドのAI)の操作法を発見し、旅に出る。この旅は<旅行者>と呼ばれる人々が、時間を自由に行き来する<道>を通る旅である。この<道>について、『草の葉』がランディに説明する時の台詞です。書いていて気づいたのですが、ゼラズニイの<真世界>シリーズの影の世界を旅する道−地獄騎行にも似てますね。旅・道・車…ゼラズニイらしさが存分に味わえる1冊です。

駄弁者:
 かつてあった「かもしれない」<時>というあたりが、ちょっと多元宇宙的。
 「草の葉」って米文学(ホーソンだったかホイットマンだったか)で本当にあったような…。



いま、あまりにも急激に加速した時代の中で人々はそれに似た状況を体験している。われわれは未来を見ることはできても、現在の、この瞬間を見ることができなくなっているんだ。

 出典: 渡辺浩弐「BLACK OUT」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 ’95年に放映され「懐かしき『怪奇大作戦』の現代版」((C)鷲巣義明@SFマガジン’96年4月号)と評されたTVシリーズ、そのノヴェライズより。
 化学やバイオの技術を手にした犯罪者たちが暗躍する、本作の舞台は1999年。放映&刊行当時は近未来であったこの年が、既に近過去となってしまった現在においても、物語の底辺に流れる「世紀末の重圧感」のようなものは、未だに世界をとりまいているような気がしなくもありません。
 …そうそう、文庫版には単行本には無かった最終章が、まるまる加筆されているので、単行本派の方も要チェックですよ。
BGM:「狂気日食」ピンク・フロイド
P.S. 主人公の趣味について。今時テルミンなんて楽器を弾くのは、ジミー・ペイジと小山田圭吾くらいじゃないでしょうか。(テルミンと発明者のレフ・テルミン博士については、竹内正実「テルミン」(岳陽舎)あたりが参考になります)

駄弁者:
 現在を見ているつもりがもはやとっくの過去、ということは珍しくありません。「未来を見ることはできても」とは言いますが、それさえもかなり難しいのでは?
>P.S.
 そういえば小説「ハンニバル」でレクター博士が弾いていました、テルミン。



「われわれは現在、連邦宇宙軍軍人に与えられた基本的な任務を第一義とすべき立場に置かれているものと小官は判断する。言うまでもなくそれは護民である。よってそれに従い、行動する」

 出典: 佐藤大輔「地球連邦の興亡 4」

紹介 :NAL 様
HP :

コメント:
 惑星リェータではC(クローン市民)差別をによる大規模なテロ活動が生起していた、地球連邦宇宙群少佐南郷はC市民救出作戦を発動する。上官であるドゥパイユ大佐は権威を重んじ南郷を敵視していたが、宇宙港への移動中「C}を狩るためのバリケードに遭遇した。
 南郷の「C」救出には批判的だったはずの彼が出した結論が上記の宣言であった。
 数百倍数千倍のにも達するかと思われる武装した迫害者たちに対するこの宣言はあまりに無謀で、かつ排除しようとする対象も民間人であるため、賞賛されることはないでしょうが。
 佐藤大輔の好きな言葉を借りれば、「地球連邦宇宙軍の精髄の発揮」と言えるでしょう。
「これより我々は前方のバリケードを強行突破し、市民の救援に赴く。これを妨害しようとする者、市民に凶行を働こうとする者はすべてわれわれの敵である。そのような対象と接触した場合容赦なくこれを殲滅せよ。以上だ。行動開始」

駄弁者:
 クローンへの迫害というのはよくあるシチュエーションではありますが。
 しかし、この11月にもイタリアの産婦人科医がクローン人間計画を開始するらしいですね。
 ご投稿のセリフが発せられるのに似た状況になるのも、遠い未来のことではないかも。



「すでに申しあげましたとおり、姫君、わたくしはこの種の作業のプログラムが組み込まれておりません」
「わたしは、おまえのプログラマーに会うのをたのしみにしています」

 出典: A・バートラム・チャンドラー「遥かなる旅人」(野田昌宏訳)

紹介 :NAL 様
HP :

コメント:
 宇宙線ファー・トラベラーのオーナである男爵家令嬢(名前無し)と同船のコンピューター<ビッグ・シスター>(本作の実質的なヒロイン)の会話。
 ちなみに同船の保証期間は切れておりません。
 逃げろプログラマー。

駄弁者:
 そりゃもう、捕まってしまったら「姫君、それは仕様です」と言うしかないんでは。



「ぼくもそこのレディと同様直接手を貸すことができない立場だが ぜひともぼくの気持ち受け取ってくれ!!」
命名 サナドン  磁瑠党首
「敵の名前をつけてみました!」

 出典: マッドハウス制作「学園戦記ムリョウ」

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 NHKBS-2にて火曜18時半に放映中のアニメより。
 地球には数千年前から密かに幾種類もの宇宙人が飛来していた、と日本政府も認めた西暦2070年。宇宙の彼方から遣って来たメイド・イン・サナトス星のバーサーカーマシンを迎え撃つ少女たちに向かって、銀河連邦から派遣されてきた外交官ジルトーシュの、「銀河連邦未加盟の地球に対しては、たとえ防衛目的でも介入することは出来ない」旨のお約束な言い訳の後で持ち出した珍セリフ。
 彼は是を言う為に、少女たちへのブリーフィング中せっせと墨を擦って半紙に筆で「サナドン」と書いたのだった。

駄弁者:
 サナドン…。銀河連邦にはM78星雲も加盟しているのか?と思わせるネーミングセンス。



ぼくには、寂寞岬に立っている灯台も、その信号灯も見えなかった。ぼくにはあれが聞こえていた。あの霧笛、霧笛、霧笛だけが。

 出典: レイ・ブラッドベリ「霧笛」(大西伊明訳) 「ウは宇宙船のウ」に収録

紹介 :新崎みこと 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8597/

コメント:
 もう一つ投稿させて頂きます。
私の大好きなブラッドベリの短編集、「ウは宇宙船のウ」より。「霧笛」は雰囲気が好きですね。原文を見ても思うことですが、やはりブラッドベリの文章には絵画の趣があると思います。同短編集中の「霜と炎」も名品かと。

駄弁者:
 新米の灯台守ジョニーに先輩のマックダンは語る。「…今晩が、そいつのやってくる夜に当たっているのだ」と。そして二人の目の前に海中から現れたのは…。哀愁のただよう小品です。
 ご投稿の文句はラストの一節。「霧笛、霧笛」のリフレインがいい味を醸し出しています。



なんどひとに騙されようとも、なんど痛い目をみようとも、結局は人間を信用しなければなにもできないじゃないか。

 出典: ロバート・A・ハインライン「夏への扉」(福島正実訳)

紹介 :新崎みこと 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8597/

コメント:
もう一つ、夏への扉から。リッキイは言うまでもなく、ジョンとジェニイを始め、この作品には魅力的な人物がたくさん出てきますよね。この人達は素敵だな、と素直に思えます。
私のごひいきは勿論護民官ペトロニウスですが(笑)

紹介 :たまうら 様
HP :http://page.freett.com/tamaura/

コメント:
 ラストも文句もよいのですが、私がこの小説の中で一番好きなのはこの台詞なのです。
 ダニィは恋人と親友に裏切られ、仕事と彼の発明品まで取り上げられ、一緒に眠る予定だった猫のピートからも引き離され、一人寂しく冷凍睡眠に入る羽目に。三十年後目覚めた時、彼は全財産を失っていましたが、それでも厳しい状況を打開しようと奮闘するのです。
 計画実行にあたって協力を求めた友人のジョンに、なぜ自分を信用するのかと問われ、考えるシーンでのセリフです。
 ダニィは騙され裏切られても人を信じることを諦めず、自分を信じ、計画を練り、人を信じ実行することで、「夏への扉」を開けたと思うのです。私にとっての「夏への扉」がどの様なものか、見当もつきませんが、自分を信じ、人を信じ、諦めず探し続ければ探し出せる、そんな気にさせてくれます。

駄弁者:
 ご投稿のセリフに100%賛成してしまえるほど、この物語にはいいキャラクターが多いということだと思います。
 …けど、ペトロニウスってどんな人だったか覚えていません(すいません…)。

追記:
 たまうらさんからもご投稿をいただいたので、コメントをここに付けさせていただきました。なんか私、相当マヌケなこと書いてますが…。ペトロニウスってピート君のことやん。



「どうだい、ピート。世界最初の真のロボットに、お前の名前をつけるというのは」
「ニャアンニャアゴ?」
「そう疑り深い顔をするなよ。大変な名誉なんだぜ」

 出典: ロバート・A・ハインライン「夏への扉」(福島正実訳)

紹介 :新崎みこと 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8597/

コメント:
 つい昨日、やっと「夏への扉」を読みました。前から読もう読もうと思いつつ、伸ばし伸ばしにしていたことを後悔。大名作ですね。この読後感の爽やかさだけは、そうそうはないものと思います。
 しかし、こちらのHPでもたまに見るにつけ、気にはなっていたのですが…やはりダニエル、恐ろしいキャラクターですね。惚れました(笑) この行動力は一体。

駄弁者:
 アイボの次は猫型ロボット「ピート」が発売!?
 この作品は若いときに読むのが一番だと思いますね。私が読んだのもわりと遅めで大学生の頃だったんですが、もっと早くに読めばよかったと思いました。
>ダニエル
 彼はこの名文句集では「最強の男」として知られています。



「あなたがたは神話を作っているのだ。遠い未来には、あなたがたはその神話に登場してくる偉大な神々になっているだろう」
「創世記の神々か」
「そう。そしてこの天体にはぐくまれた良心や秩序について語るだろう。それはシャングリラの法則なのだ」

 出典: 光瀬龍「喪われた都市の記録」

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 土木作業員と現場監督の会話。流石だ。

駄弁者:
 こないだやっと「たそがれに還る」を読みましたが、この作品も同じ世界観を使っているんですね。東キャナル市などが出てくるようですし。
 しかし、ゼウスとかヤーヴェが実は土木作業員だったら笑えるな。…神さまがみんな公務員だったら、というコンセプトの作品をホーガンの短編で読んだことがありますが。



「死体はここから千百マイル近くも離れた場所にあって……」
「どこか外国で起きた事件?」
「地球から、それだけ離れた場所」

 出典: ジョン・F・スーター「千マイルかなたの銃声」(三川基好訳) ミステリマガジン’98年3月号に収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 ひとり乗りの有人ロケット内で起きた密室殺人!
 三雲岳斗「M.G.H. 楽園の鏡像」(徳間書店)風のシチュエーション+東野圭吾「探偵ガリレオ」(文藝春秋)風の化学トリック…といった所でしょうか?
BGM:「HEAVEN IS ONE STEP AWAY」エリック・クラプトン

駄弁者:
 ロケットや宇宙ステーションの中での事件というだけでは「SF」ミステリにならない時代は、もう遠くない…いや、もうとっくにそういう時代に突入ずみ?



「<ガイア>、覚えてね。こういうのが『綺麗』なの。この幸せな気分も一緒に覚えてね」

 出典: 管浩江「永遠の森 博物館惑星」

紹介 :りんご 様
HP :

コメント:
 形容詞としてでなく、感動詞としての「綺麗」。
 感情の動きそのままを記録する情動記録だからこそ、可能なことかもしれません。
 でもデータベースが頭にあるっていいなあ。

駄弁者:
 博物館惑星<アフロディーテ>の学芸員、タシロらが芸術にまつわるさまざまな事件、ドラマに遭遇する連作短編、単行本中最後に収録されている「ラヴ・ソング」から。
 芸術作品の分析、解析に慣れてしまったタシロは妻美和子が芸術にに触れたときの素直すぎる感嘆に戸惑い、ともすれば無意識に軽んじていた。だが――。

>でもデータベースが頭にあるっていいなあ
 同感。うちの図書館にも<ムネーモシュネー>の直接接続システムがほしいです。



「トガリネズミはとんがっているから駄目だ」ということになっている

 出典: 別役実「けものづくし 真説動物学大系」(いるかの頁)

紹介 :ごろえもん 様
HP :

コメント:
「虫づくし」に続く別役実の「…づくし」シリーズ第二弾(だったと思う)からです。
 一応、ノンフィクションの動物学の本であると主張しているので、これをSFとして考えるのはどうかとも思うのですが、本書からはSFのスピリッツを感じたので、私はこれをSFと判断します。
 ちなみに、この文句は、トガリネズミの脳の重さが体重比で人間に匹敵するにもかかわらずトガリネズミが人間と同等に扱われない理由です。

駄弁者:
 じゃあ、ハツカネズミは?スナネズミは?ヒメミツユビトビネズミは?
 体重比で人間に匹敵したら人間と同等に扱われるべきなんだろうか、脳細胞の数とかは?…というマジな返しは、野暮なんでしょうね、やっぱ。



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