SF名文句・迷文句第178集

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刑法に非遡及の原則というものがあります
未来においては時間旅行は禁止されているかもしれない……
でもそれはあくまで未来の話で、現代にはまだそんな法律は存在しない!
時間を遡って法を適用するのはルール違反です
つまり我々は自由なはずだ!

 出典: がぁさん「たいむskipラン♪ 第6話『そして、ここより始まる……』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 最近とんとお見かけしなくなった「日本二大正統派ふんどし少女SF作家」(命名:御宗銀砂様)の1人、がぁさんの初期作品から。自称(?)17歳星野香織は未来へ移動できる超能力者。退屈な時間や嫌な授業などの時間をスキップして過ごしていた。時間軸の乱れを憂慮した未来のタイムパトロールは彼女を捕らえようとするが、事情を知って助太刀した友人たちに逆に捕らえられてしまう。
 このとき友人の1人が未来人に向かって言ったのがこのセリフ。いや確かにそのとおりなんですが、それを言うとほとんどのタイムパトロールものが成立しなくなるわけですからここはひとつスルーということで…・(笑)。
 この方の作品はこういう「目からうろこ」的なユニークなものが多いので好きですね。早く新作にお目にかかりたいものです。  では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 未来人が過去で法を犯す場合は、問題になっている人間が生まれた時点を起点として、その人の主観的な時間で計ることにすればいいと思うのですが…。この場合はどうすればいいのでしょう?
 1万年前ぐらいに戻って、世界各地の石碑にでも残して公布する?(公布そのものが時間軸を乱してしまうなあ)



葵 「皆本はんにお経を書くんや―――――!!」
皆本「おッ、落ち着け―――――ッ!!!」
薫 「葵っ、これも これも!!書かないとそこだけ持ってかれるんだよね!?」

 出典: 椎名高志「絶対可憐チルドレン 90th sense 『面影』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 超度7のエスパー美少女3人組「ザ・チレドレン」の指揮官・皆本の元へ、コメリカ国の宇宙飛行士キャロラインが訪ねてくる。普段眠っている彼女の別人格「キャリー」こそが留学時代の彼の恋人だったのだ。皆本が好きな3人組は2人の邪魔をすべく行動を開始する。しかし霊体となって現れたキャリーにオバケ嫌いの接触感応者・紫穂は早々に気絶、薫の念動力も霊体には効かず八方塞がりの中で、瞬間移動能力者・葵が考えたのが「耳なし芳一」作戦だった!?
 葵ちゃん、それってもはや瞬間移動じゃないし…・(笑)。ていうか、10歳なのにどこでお経なんか覚えたの?薫ちゃんも皆本のパンツを掴んでどこにお経を書く気だ(爆)!!紫穂ちゃんにいたっては「なんか楽しそうな気配!?」とかいって唐突に目覚めるし、君たち最初のころと性格変わってるぞ!!  では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 タイミング的には、やや遅ればせながらアニメ化決定記念になってしまいました。
 …はて、「耳なし芳一」作戦って生霊にも聞くんだろうか?



「パパもママもお金さえ渡しておけば僕が幸せだと思ってるんだ!」
「ほう…。それが人間の欲望を掻き立てる金というものか」
「そうさ、金欲しさに罪を犯す者。有り余る金を必死で隠そうとする政治家。金は人間の醜さを抉り出す。人間は金の奴隷にすぎない!」

 出典: 円谷プロ制作「電光超人グリッドマン 11話『おこづかいは十万円?』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 「電光超人グリッドマン」は、魔王カーンデジファーとグリッドマンの戦いを描いた1993年の特撮作品。カーンデジファーはプログラムを実体化させた怪獣を操って機械の世界「コンピューターワールド」を襲撃し、人間世界に害を及ぼす(例.水道局内のコンピューターワールドを破壊/再構築して消毒用塩素の含有量を変え、水道水を濃塩酸に変える)存在であり、グリッドマンは襲われたコンピューターワールドに急行して怪獣を撃退し、破壊されたコンピューターワールドを修復する。
 台詞はカーンデジファーと彼に洗脳されて怪獣をデザインしている中学生、藤堂武史の会話。14年経った現在でもこの言葉が通用してしまうのは実に嘆かわしいことである。

駄弁者:
 14年たった現在でもというか、それよりずっと前でも後でも通用し続けることでしょう。
>お金さえ渡しておけば僕が幸せだと思ってるんだ!
 けど、お金がなかったらもっと幸せじゃなくなるんだぞ!(泣)



「名前は」
「ボッコちゃん」
「としは」
「まだ若いのよ」
「いくつなんだい」
「まだ若いのよ」
「だからさ……」
「まだ若いのよ」

 出典: 星新一「ボッコちゃん」  『人造美人』、同名短編集、他多数の作品集に収録

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 SF大賞候補にもなった最相葉月のすばらしい著作や今年デビュー50周年ということで大きくクローズアップされている星新一。その作品に読書やSFの面白さを教えられた人間としてうれしい限りです。そこで「おーい でてこーい」と並ぶ最重要作品から。
 最近では「人口無脳」がどうのこうのといった評価もされますが、中学生のときに読んだ私にとっては投稿の会話を含めた全体のテンポのよさと、ボッコちゃんの「つんとした」様子、それに作品自体の超然とした冷酷とも取れる視線が新鮮でした。「ロボットは何もしていない」という点では、先日投稿した<ピイ・シリーズ>と共通していますね。

駄弁者:
 投稿をいただいたときは、まだ「候補」でしたが、みごと受賞作に輝きましたね(受賞時に繰り上げして掲載すればよかった)。
 『人造美人』の目次を見て「あれ、ないぞ?」と思ったんですが、表題作の副題が「ボッコちゃん」になっていました。初出は「ボッコちゃん」だったのが、単行本の出版がダッコちゃん人形のブームとかぶったため、あえて改題されたとのこと。もう半世紀近く前の作品なんですねえ…。



「どうぞ動かないでください。私は図書隊の設立に没頭することで妻を奪われた復讐心を何とか押し殺して生きてきた男です。この地で、妻と暮らしていた私の家に、私の許可なく入ってきたあなた方の頭は、もはやクレーの的にしか見えないのです。私はいま、なけなしの理性で引き金を引かずにいます。しかし、あなた方が動けば反射で撃ってしまうかもしれません」

 出典: 有川浩「図書館革命」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 <図書館>シリーズ完結編より。主役級6人から選ぶとネタバレの危険性が高くなりますので、図書隊を武装組織にした立役者、稲嶺和市の台詞から。自宅に押し入った良化隊員に対する警告、というか脅し文句です。60歳を越えた男があくまでも穏やかに、淡々と二連銃を構えながら言ってるので、実際に聞いたらかなり恐いだろうなあ。

駄弁者:
 「図書館戦争」が出たときは、4冊のシリーズが続くとは思いませんでしたが…。
 こういう穏やかにドスを聞かせられる人が館長だったら、予算折衝とか頼りになりそうだなあ(部下にもかなりの覚悟が要りそうですが)。



SAYONARA YOSHITO

 出典: 手塚昌明監督「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ラスト、ゴジラを抱えて海に還っていく機龍が、自分の整備士であった中條義人に向けたメッセージです。
 ゴジラの骨格をベースにして作られた生体サイボーグである機龍はコンピューターの塩基を変えられてもずっと心を持ち続けていたのでしょう。
 ゴジラや機龍を作り出したのは人間という事で、それに対しどう贖罪をしていくのかがこの作品のテーマみたいですが、少なくとも機龍は義人を見て人間が全員が全員悪ではないと理解したからこそ、このメッセージを送ったのだと思いたいですね。

駄弁者:
 こっちのメカゴジラは宇宙人が作ったんじゃなくて、自衛隊の兵器なんですな。



私の仕事は敵に勝つか負けるかです!
ゴジラの大阪上陸は何とか引き伸ばしますので、
住民の避難をよろしくお願いします。

 出典: 大森一樹監督「ゴジラVSビオランテ」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 スーパーX2やビオランテとの連戦により少なからずダメージを受けたゴジラでしたが、その後のゴジラの行方を見失ってしまった自衛隊。
 浜松沖の遠州灘を西に泳ぐゴジラを何とか発見することができた自衛隊特殊戦略作戦室の黒木翔特佐はゴジラが若狭湾沿岸の原発群を狙うと見て若狭湾に戦力を結集させますが、ゴジラはその裏をかくかのように大阪湾に侵入。
 スーパーX2を大阪へ向かわせ、残りの部隊は変更無く若狭湾への移動を命じた黒木特佐に対し上官は「大阪はどうなるんだ」と問いますが黒木特佐は強固に主張します。
 ラストのサンダービーム作戦の展開もそうですが、この作品では自衛隊は極めて訓練された有能な集団として描かれてますね。

駄弁者:
 怪獣同士の戦いをメインにしようとすると、自衛隊などはどうしてもやられ役になってしまうと思うのですが、そこをあえて「有能な自衛隊」として描くというのは面白そうです。
 しかし、映画の興行的には必ずしも成功したとは言えなかったようで…。



本を借りて返さないのは神を畏れない人間だけだよ

 出典: C・S・ルイス「非現実の土地」(中村妙子訳) 『別世界にて』に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 ルイス教授が他人に本を貸すときのお言葉。
 うはー、いい事言うなー。まったくもってその通りです。(元図書委員より)

駄弁者:
 公共図書館の人間が言うと、「神」ではなく「お上」を恐れないと言っているように思われて、返してくれるものも返されなくなってしまいそうなので、心の中だけに留めておくことにします。



オールディス:あなたは当然<ペレランドラ>を教訓的な目的で構成されたのかと思っていました。
ルイス   :そう、みんながそう考えるが、まったく違うんだよ。
エーミス  :ルイス教授の側に立って一言弁じさせてもらうとね、もちろん教訓的目的はあるのさ。興味ある、含蓄に富んだ文章があちこちにちりばめられているしね。しかし──間違っていたら訂正してくださいよ──創作の原動力となっているのは一種の驚異の思い、目を見張るような異常なことが起こっているという感じだと思うね。

 出典: C・S・ルイス「非現実の土地」(中村妙子訳) 『別世界にて』に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 ルイスが、ブライアン・オールディス、キングズリー・エーミスとSFおよびファンタジーについて語った中で、「ペレランドラ」(別世界物語第二部)の執筆意図について述べた部分。
 あまりにも嘘臭いですよルイス教授。あのお説教満載の本が教訓的な目的を持ってないなんて。エーミスの折角のフォローは有りますが、私は断然オールディスに賛成です。

駄弁者:
 とりあえず図書館で借りて「非現実の土地」だけ読んだんですが、ご投稿いただいた他にもなかなか面白いセリフが多かったです。
>そう、みんながそう考えるが、まったく違うんだよ。
 しかし目的だったわけでもないのに、書いてみると教訓的な内容になってしまっているというのは、相当なお説教体質なのでは…。



連合軍は何をやっとる!「兵は拙速を尊ぶ」というのを知らんのか!!

 出典: 大知慶一郎脚本「ぼくらの(アニメ版) 第23話『雪景色』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 同じく「ぼくらの」からおもわずずっこけた迷言を。敵ロボットをおびき出し、ジアースともども葬ることを画策する政財界のドン長谷川が出動の遅い軍司令部に対しての叱責の言葉ですが…・おっさん、おっさん「拙速」て意味変だし(笑)。兵法にそんな言葉無いし(孫子にあるのは「兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを賭(み)ざる成り」で意味が違う)、おそらく三国志郭嘉伝の「兵は神速を貴ぶ」とごっちゃになってるんでしょうね…・と思って、ググってみるとけっこう使ってる人が多い( ̄□ ̄;)…・漢書や続日本紀にも使われてる…・?正解でいいのか!?誰か教えて!!
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 「晋書」にも「兵聞拙速、未睹工遅」って言葉が出てますが、こっちは「巧遅よりも拙速の方がいい」と言う意味で使ってますし、旧日本陸軍の作戦要務令にも「各級指揮官の攻撃部署は特に拙速を尚び」とあったらしいですから…元が間違いだったにしても、ここまで頻出していたらあながち「迷」とも言えないかも知れません。



あなたたちのお兄さんを私は知っているの…おいで、フタバちゃんも…・話は長くなるけど聞いて欲しい…・この長い戦いの物語を…・

 出典: 与口奈津江脚本「ぼくらの(アニメ版) 第24話『物語』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 失踪した父に代わって中学生ながら幼い3人の妹弟を守ってきたダイチ。しかし彼らと地球を守るためジアースで戦うことを決意したダイチは理由も告げずに妹弟たちのもとを去って戦いに赴きます。何も知らされず、父の失踪とダブらせて途方にくれる彼ら…・そして偶然それを見かけたある少女は彼らに自分たちの戦いの真実を伝えることを決意します。
 原作が継続中のため後半のオリジナル設定がどうなるかと思いましたが、いい作品にしていただいて原作ファンとしてはうれしい限りです。原作のラストがどうなるのか今から楽しみです。それにしてもツンデレ気味の田中さんにはおもわず萌え〜〜<マテレ
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 アニメが原作の話を追い抜いてしまったんですか?(追い抜いたというより、原作終了前に最終回を迎えるので違う話になってしまうみたいですが…)。それが悪くない出来だったとなると、原作者の方としてはプレッシャーでしょうね。



「対話による相互理解の文化はあなたの国にはありませんの?」
「うーん」
「愛と暴力によって理解を深めてるな」

 出典: 萩尾望都「スター・レッド」

紹介 :マッキー 様
HP :

コメント:
 いつも楽しませてもらっております。
 この作品は2276年の火星では12年前の超能力を持った火星人(=地球からの流刑者達の子孫)との戦乱を乗り越えた地球人類の都市があり、主人公は12年前の戦乱を逃れたもっとも新しい火星人、そして彼女は多くの壮大な出会いを一気にし…と言う話です。超能力に対する描写が深い作品だと思います。他にも色々…。投稿した会話は出会った先の社会側と脇役達との会話で尋ねる方は異文化の方、「愛云々」で答える方は地球人でその後冷凍されてしまいます。
 対話の根が愛と暴力だったら分かり合えるかなぁ。
 異文化の方は比較的には圧倒的に永い歴史の中でも未知と制御出来ないなものへの恐怖を文明の限界点に置いています、根っこは地球人と似ているような。

駄弁者:
 この作品のカバー絵を見ると、なぜかいつも萩尾望都ではなく、竹宮恵子の「地球へ…」と見間違えそうになってしまいます。
>「愛と暴力によって理解を深めてるな」
 暴力によって深まるのは理解ではなくて誤解じゃないか……ひょっとして愛も?



アラブの格言をひとつ披露しよう──幸運は1時間ついてまわり、悪運は10時間ついてまわる。

 出典: ジョージ・アレック・エフィンジャー「重力が衰えるとき」(浅倉久志訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 世界の政治・経済が崩壊し、小国家が分立するようになってしばらく経った22世紀末。
 アラブの歓楽街ブーダイーンで一匹狼を気取るマリード・オードラーン。彼は人捜しの依頼人から聞いたこの言葉が引き金となって、10時間どころではない悪夢に飲み込まれていくのでした。この作品では性転換や脳改造、薬物が蔓延しているにもかかわらず、イスラムの教えが頑なに守られる(巡礼者に対する敬意等)奇妙な都市の中でマリードの苦闘がつづられます。ちょっと異色のSFハードボイルドなんですが、もったいないことに入手不能です。ヤー・サラーム(まいったな)!ありきたりの欧米風の世界に飽きた人にお勧めしたいんですけどね。では、アッサラーム・アライクム(あなたに平安を)。

駄弁者:
 ブーダイーン・シリーズ、初登場です(エフィンジャーからのご投稿自体稀ですが)。
 ご投稿の文句は……作者自身の実感?
 主人公マリードのショボくれたハードボイルドぶりが面白かったんですが。作者が亡くなってしまっては続きも読めませんし、この作品以外に2作出たはずの既訳(「太陽の炎」「電脳砂漠」)も、全然見かけませんし。



ええ…そうです誰もが好き好んで自分の身体を持たされ…この世に生≠受けたワケじゃありません…

 出典: 神崎将臣「XENON‐199X・R」

紹介 :バグ 様
HP :

コメント:
 数十年振りに復活したマンガから、赤い海と名乗る謎の組織に改造されてしまった(なんか仮面ライダーみたいだな…)主人公が修行中機械の身体の拒絶反応でくるしむ所で師匠に言われた言葉です。確かに親と一緒で自分で望んでそうなったワケじゃないから嫌って拒絶したくなる気持ちも解る気がしますけどヤッパリ自分の身体だから騙してでも付き合うしかないんですよね…
 しかし、高校生の頃打ち切られた作品が今更蘇るとは思わなかったな〜…

駄弁者:
 好きこのんでこの体に生まれたわけじゃない、とは誰しもそうなんですが、改造人間の場合、もって生まれた体を更にムリヤリ改造されているわけですから、なかなか折り合いをつける気にはならないんじゃないかと。



「我々に出来る最大限の介入は終った」
「最大限の介入がこれ?」

 出典: アルファシステム製作「高機動幻想ガンパレード・マーチ『Return to Gunparede』」

紹介 :玄剣 様
HP :

コメント:
 ゲーム『ガンパレードマーチ』オフィシャルホームページで公開中のWebノベル、『Return to Gunparade』第4話より。
 著者は……芝村裕吏で良いんですかね? メーカーと言う意味ではアルファシステムなんでしょうけど。
 謎の生物『幻獣』との長い戦争の続く世界。とある研究所から逃げ出した少年は、偶然(?)見つけた死体から、名前と学生の身分を手に入れる。
 生きる為にはどんな事でもしようと誓う少年は、学生として学校を目指す一方で、誰か殺すか強盗でもして昼飯代でも稼ごうかと考える。
 その時、次元を貫き砂煙をあげて、謎のサラリーマンが彼の目の前に出現する。サラリーマンは財布と幾つかの物と応援の一言を少年に送る。
 その後、サラリーマンが去り際に言った台詞の一部と、サラリーマンが姿を消した後、財布を開いた少年が呟いた台詞が、コレ。
 財布の中身は何と2650円。派手な出現退場に反して、実に小さな最大限の介入である。
 が、そのギャップの馬鹿馬鹿しさに少年は大笑いしてしまい、その後の運命を大きく変えるから面白い。
 どんな物事でもタイミングとインパクト次第と言う事でしょうか。世界の行く末を変える『何か』なんて、あながち小さな出来事なんでしょうね。

駄弁者:
 バタフライ効果ってやつですね。
 問題は効果が大きいだけに、結果を予測することもましてや制御することもできないことなんじゃないかと思うんですが…。



「わたしはかつて、雷を作戦に参加させたことがある。」

 出典: 大森一樹原作・坂井孝行作画「ゴジラVSデストロイア」

紹介 :玄剣 様
HP :

コメント:
 映画『ゴジラVSデストロイア』を独自路線でコミカライズした、小学館てんとう虫コミックススペシャル発の漫画版より。
 主人公として描かれる黒木特佐が、謎の生物デストロイアと大量の核エネルギー摂取で暴走したゴジラの二大怪獣相手に、鋭い洞察力と大胆な作戦で挑む姿が格好良い本作。
 まぁ、勢いと思い付きで行動している様に見えたり、時間経過や兵器の配備等が結構アバウトに描かれていたりもするのですが。
 作中後半。暴走ゴジラの自爆を止める為の冷却作戦に、大量の電力が必要だと言われ、黒木特佐は電力源として雷の使用を提案します。その時に言った台詞がコレ。
 ようするに、『ゴジラVSビオランテ』の時のサンダーコントロールシステムによる人工落雷の事な訳ですが、台詞一つで随分印象が違うと言うか。
 モノは言い様って感じですね。いやー、黒木特佐、素敵です。

駄弁者:
 映画版では高嶋兄が演じていたらしいです。
>雷を作戦に参加させたことがある
 なんか、雷神に赤紙でも出したような言い方ですねえ。



「ピイに取って替わられた人たちは、ピイよりも劣った仕事しかできなかったからよ。プロジェクトを遮二無二推進しようとしたのも人間の勝手よ。ピイは何もしていない。自分の役目を淡々とこなしていただけだわ。何もしないからこそ、ピイは相手の心をそのまま映し返してしまう。自分では気付かなかった歪みや迷いさえ、冴え冴えと明らかにね。ピイのせいで運命や考えが変わってしまったとすれば、それは無心に使命を遂行する人形に、自覚のなかった本心が映り込んだだけよ」

 出典: 菅浩江「ミラーリング・ブラック」  連作短編集『プリズムの瞳』に収録

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 菅浩江の新作も2年ぶりか……。
 <ピイ・シリーズ>は特殊・精密作業や芸術の分野に特化した新世代型ロボット。人間を凌駕した性能を見せるも社会に受け入れられず、役目を終えたとされたピイたちは創造性の可能性の検証という理由で、ただ放浪して絵を描くだけの存在となっている。そのピイと交わる人々を描いた連作集。
 投稿の台詞は作品のテーマほとんどそのままです。ピイは感情を持たないので、作中でも自分からアクションを起こすことは一切ありません。その分、人間の内面がダイレクトに反映されます。結構こわい話でもあります。

駄弁者:
 菅浩江の名前はよく見てたんですが、そういえば「ゆらぎの森のシエラ」は復刊ですし「そばかすのフィギュア」は既出の短編集でしたから、新作は久しぶりなんですね。
>ピイに取って替わられた人たちは、ピイよりも劣った仕事しか…
 その通りなんでしょうが、なかなかに厳しいお言葉。鏡に映った自分の姿が美しくないのを、鏡のせいにせず受け入れるのは難しいです。



はっはっはっ平行宇宙など……
空想上の産物です!
実在しません!
くだらない

 出典: 長谷川裕一「マップスネクストシート」

紹介 :バグ 様
HP :

コメント:
 遅ればせながら祝マップス再開!
 往年の?名作マップスの続編から銀河評議会の議長との会話から、60年前の銀河大戦の記憶(記録)のない主人公達と評議会の議長との会話から、いや事実かもしれないですけどね…銀河の代表に言われちゃったひにゃあ…

駄弁者:
 Yahoo!コミック(『FlexComixブラッド』)で、無料で読めるのがありがたいです。
 話のほうは、そろそろ前作のキャラクターが登場しだして(ガッハさんも出てきてましたし)、古くからのファンとしては楽しくなってきたところなんじゃないでしょうか。



オレ、世の中に全然納得してない……!!
貧乏とか、才能、運、努力、女。 不公平、全部全部全部。
オレ、いっつもヘラヘラやり過ごしてるけど、ホントは知ってるぞ……!!
誰のせいだ!? オレのせいだーッ!!

 出典: UMA「チェンジング・ナウ」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 悪の組織で下級戦闘員のバイトをしている青年。
 予備校に行くと言って上京した後すぐにバイトだけの毎日となり、何の目標も無く過ごしていた彼はヒーローであるドッグファイターとの戦いで前歯を折られるという“きっかけ”を経て、自分を見つめ直す道を模索し始めるのでした。

駄弁者:
 あー、悪の組織の戦闘員って、正社員(社?)でなくてバイトなんだ。
 世の中に納得できない原因を、世の中の方ではなく自分自身に求めるとは見上げたものですが、つまりは悪の組織の一員には基本的に向いてなかったってことでしょうね…。



モスラの卵を返して下さい!

 出典: 本多猪四郎監督「モスラ対ゴジラ」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 インファント島の守り神ながら巨大な蛾にしか見えないモスラ。

 第一作ではピンで出演しておりましたが、それ以降はゴジラシリーズに組み込まれていましたね。
という訳で、モスラと言えばこのセリフ。
 ザ・ピーナッツの二人が演じる小美人はこのセリフの他に、電波系ソングの元祖と思われる「モスラの歌」で人気を博していたのではないかと。

駄弁者:
 そう言えば、私が初めて見た「モスラ」は元祖モスラではなくて、「ゴジラ対モスラ」でした(たしか「のび太の恐竜」と同時上映でした)。
 「モスラの歌」、呪文みたいだと思っていましたが、インドネシア語が元になっているんですね。
 追記:当初ご投稿の出典は「モスラ」で頂いていたのですが、その後別の方からご指摘があったので「モスラ対ゴジラ」に修正しました。ただ現物でちゃんと確認できてませんので、もし見た方がいらっしゃいましたら教えていただけると助かります。
 追記2:また、ご投稿の文句は「モスラを返して下さい!」だったのですが、こちらもDVDを観た方からご指摘があり、現在のものに修正しております。



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