SF名文句・迷文句第177集

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「ゴシップ専門のタブロイド紙から手掛かりを探すのか?」
「手掛かりじゃない。事実だ。」

 出典: バリー・ソネンフェルド監督「メン・イン・ブラック」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 真実の報道「東スポ」。
 そんな事はさておき
 事件の手掛かりをタブロイド紙から手繰るMIB。いいのかそれで?と思いましたが、いいんです。なにしろ彼らは「ノリで」地球を守っているのですから。
 あの「記憶をトバすフラッシュライト」欲しいなぁ、、、。

駄弁者:
 でも日本のスポーツ新聞って、そうしょっちゅうはUFOがらみっぽい報道は出てないように思います。向こうのタブロイド紙は、そんなのが日常茶飯にあるんだろうか。
>「記憶をトバすフラッシュライト」
 あー、あの「ぴか★」は、けっこう欲しいですね…。ただ、時々自分に対して使いたくなる衝動が起こりそうです。



おばあちゃんは 寝ていたんじゃ なくて 捨てられていた そんな気が したよ

 出典: 業田良家「新・自虐の詩#12」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 隣家の玄関の落ち葉が、公園のそれと違って「散らかっている」ことに気がついた小雪は、異変を察してドアを破壊、隣家に侵入します。そこには誰もおらず、病気の老人が寝ていただけでした。その時の小雪のモノローグから。
 それにしても「自虐の詩」の続編がSF、それもバリバリのデストピアSFなのにはびっくりです。

駄弁者:
 おばあちゃんがもう逝く間際で、周りの介護ロボットだけが「元気に」機能している…というのだったら、ちょっとした恐怖絵図じゃないかと思います。
 恐怖絵図とはちょっと違いますが、前にこういうご投稿もありました。小雪のようなロボットでないと、こうなってしまう可能性も…。
>「自虐の詩」の続編が…
 「新」ではもう、ちゃぶ台返し出てこないんですかね。



落ち葉を見て ちらかっているとは 思わないのは どうして?

 出典: 業田良家「新・自虐の詩#12」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 ちょっと未来。今よりちょっと進んだ技術で造られたアンドロイド、小雪のモノローグから。
 公園に、落ち葉が降り積もっている。でも今は、それが散らかっているとは思わない。
12話にして初めて、小雪は「今まで理解できなかった何か」を分かるようになり、それを不思議がります。

駄弁者:
 文脈によって価値判断を変化させるというのは、相当高度な心の機能だと思うんですが、こういうのって、一定の認識力があれば自然に(ロボットだから、自動的に?)生じるものなんでしょうか。



入れたんなら出ることもできるってのが理屈ってもんだろう!

 出典: 富野由悠希原作・長谷川裕一漫画「機動戦士クロスボーンガンダム」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 地上に降りたクロスボーンガンダム。木星帝国に対抗するためには宇宙へあがらなければならないが、主要な打上基地は木星帝国によって破壊されていた。そこでクロスボーンのエース、キンケドゥはICBMの弾頭部にMSを固定し打ち上げるという、前代未聞の方法を採る。
 それは軌道上の戦闘で損傷し、ビームシールドで機体を保護しながら地球に落下した経験による物だった。
 さすがキンケドゥ、かっこいい! と思ったら、打上時にはそれほどの熱は発生しないんじゃ(アブレーション使わないんじゃ?)?
 でもいいんです。空気抵抗は減少するし、何よりもかっこいいから!
 格好がいいと、補給が円滑になったり、命中精度が上がったりはしないけど(第66集参照)、士気があがる。これは重要ですよ。

駄弁者:
 ビームシールドってことはミノフスキー粒子使ってるんですから、熱対策よりもG対策なんじゃないでしょうか。



そういうその時代にふさわしくないほど進化した文明のことを、我々はオーバーテクノロジーと呼ぶわけなんですねえ。

 出典: 山崎貴「ジュブナイル」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 発言者は宇宙商人として名をはせるボイド人。ボイド系企業のひとつである「大いなる前進」社は惑星改造の依頼を受け、何も知らない人々と生き物たちが暮らす地球の海をまるごと盗み取る計画を立てていた。
 社運をかけた大プロジェクト、失敗は許されない。時間転移技術を持つ先住民に煮え湯を飲まされた経験のある彼らは、疑いのある地域に予備調査班を地球に送り込む。
 ところがそこは、エジプトでもチベットでもなく、日本の千葉県飯岡町だった……。
 電器屋に進入してテレビから言語を学んだボイド人の調査班長が、当の時間転移対象を探る時につぶやいた独り言です。
 宇宙人がオーバーテクノロジーの説明してどうするよ、という一幕。

駄弁者:
 オーパーツの本場なら南米あたりなんでしょうが…。
 文明のことを「オーバーテクノロジー」というのは、ちょっと使い方がヘンな気がしますが、そのあたりは宇宙人だから大目に見ましょう。



「だって、それなら画面に出す必要はないじゃないか」
「そういう意見もある」ラフィールは認めた。
「けれど、べつに表示したからといって、困ることもないであろ。このほうが雰囲気がある」

 出典: 森岡浩之「星界の紋章」

紹介 :いせやん 様
HP :

コメント:
 アーヴ人類帝国における貴族の義務に従って、アーヴ軍の研修生となった主人公ジント。初めて彼が乗ったアーヴの宇宙船は、宇宙港から停泊中の軍用宇宙船を連絡する小型艦艇でした。
 画面を高速でスクロールする宇宙船の情報。そんな速さで読み取れるのか、と訪ねたジントに、アーヴ軍の少女ラフィールは、あっさりと読み取れないと応えます。それなら……と問い詰めるジントにラフィールが返した言葉が、投稿した文句です。
 宇宙を生きる種族であるアーヴには、私達とは違った彼ら特有の常識や風情があるのですが、そのことを端的に示した文句ではないでしょうか。それと、SF好きのロマンも。

駄弁者:
 「星界」シリーズの序盤も序盤、ジントとラフィールが初対面の頃の場面より。
 「空識覚(フロクラジュ)」とか「翔士修技生(ベネー・ロダイル)」とか「思考結晶(ダテューキル)」とか、造語とアーヴ語カナ振りの連打にちょっと退きながら、それでも会話の面白さには惹かれつつ読んでいたものです。



さて、このコフィエストについては、わが社は主要十五都市で、無料見本提供をやっています。いつものやり方でして−コフィエストの十三週分の支給、現金一千ドル、申込者には誰でもリギュリアン・リヴィエラの週末旅行。しかしですね、この宣伝でもっともすばらしいのはこれです−コフィエストの各サンプルには、三ミリグラムの単一アルカロイドが入っています。ぜんぜん無害、しかし絶対に習慣性をつくりだすものです。十週間すれば消費者は契約にかかります−一生涯です。治療のためには少なくとも五千ドルいりましょう。そこでコフィエストを飲み続けたほうが安上がりというわけです−毎食後に三杯、夜はベッドにポットを持ちこむ、というわけです。

 出典: フレデリック・ポール&C・M・コーンブルース「宇宙商人」(加島祥造訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 資源不足と人口増に悩まされる未来の地球。一般市民の中にはビルの階段で夜を明かす人々が珍しくないほど追いつめられた社会。その社会を支配する広告会社を中核とした企業グループ、ファウラー・ショックン・アソシエイツの宣伝会議の一こま。コフィエストという嗜好飲料の宣伝手法の説明です。水さえも極端に制限されている状態(顔を塩水−未処理の海水?−で洗っている)でこんなものが売れるのか?というツッコミはさておき、中毒性の薬物(無害とはいえ)をこうまでして売りつけるとは、拝金主義もここに極まれり。
 と、思ったんですが、酒・煙草の宣伝は薬物を宣伝していることに関してコフィエスト同様なんですな。もちろん、現状では規制もあってここまで消費者をあおることは無いのです。しかし、大枠では「今」と変わらない空気を感じてしまうのは私が喫煙者だからでしょうか。

駄弁者:
 ずいぶん前から名前は知っているんですが、まだ読んでいない作品です(世界SF全集に入っているんだから、その気になれば読めるんですが)。
>ぜんぜん無害、しかし絶対に習慣性をつくりだす
 いや、習慣性そのものが害なんじゃ……。
 喫煙については、宣伝もいまだあるものの、近年は規制のほうが強すぎてちょっと気の毒に思うことがあります(私自身は喫わないんですが)。



後藤は無論、どのような種類の饗応であれ大好きだった。
そしてその事に関して心理的負担を全く感じず、饗応する側に便宜をはかる気も毛頭ないという点において、二重に悪質な公務員であった。
しかも立喰い蕎麦は好物の上位に入る。
腹も減っていた。
だがそれでもなお、奢られる時と場所と状況は選びたかった。

 出典: 押井守「小説 機動警察パトレイバーTOKYO WAR」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
 パトレイバーシリーズの名作TOKYO WARより、伏魔殿在住キャラ後藤喜一隊長の性格の一片を表した見事な一文。そして、そんな饗応大好きキャラを、かくのごとく躊躇させた状況とは…三畳間を更にカウンターで縦半分に仕切った極狭な、しかも身動きもならぬ満員電車状態の立喰い蕎麦屋という異様な状況だった。

駄弁者:
 銀英伝のポプラン先生によると、「受けとっても便宜をはからなきゃ賄賂にはならない」んだそうですが(んなことあありません)。
>二重に悪質な公務員であった
 あれ、じゃあ便宜をはかるほうが少しマシな公務員なのか?(んなこたあありません)



キサマナド、アイテニナラン

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン第39話 『セブン暗殺計画(前編)』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 「ポケットモンスター」の原点として有名なカプセル怪獣。
 揃いも揃って“超”がつく程弱い彼等でしたが、それでも懸命に敵に挑む健気さは忘れられないほどに印象的です。
 上記のセリフはカプセル怪獣ウィンダムに対して「いかなる戦いにも負けたことがない」と豪語するガッツ星人が言い放ったもので、あっという間にウィンダムは火ダルマとなって死んでしまいました。

駄弁者:
 カプセル怪獣をフィーチャーするのに、他の宇宙人の、しかも斬り捨て御免なセリフを出してしまうのは「名文句」としてどうなんだろうか…とは思いますが。怪獣たち自身のセリフがあるはずもないので、仕方ないか。
 カプセル怪獣は、やっぱりウィンダムのロボットっぽい容姿が一番記憶に残ってますね。あとミクラスってのもいたなあ。もう一体?…アギラ…は、憶えてなかったです。



セイメイ? 分からない。
「生命」とは何か?

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマン第2話『侵略者を撃て』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 人類とバルタン星人の初コンタクトシーン。
 現在ではあたかもウルトラマンの相方のようなイメージがあるバルタン星人ですが、初登場時は“不気味な存在”の一言に尽きます。
 何せ、侵略宇宙人の元祖ですから。

駄弁者:
 バルタン星人ぐらい発達した存在が「生命」の概念を知らないということは考えにくいので、翻訳に問題があったのかなあ。
 あるいは侵略宇宙人らしく、自分たちと対等に扱われるべき他の「生命」という考え方がなかったのか。



願いをかける人の てのひらから
風の庭で育った 鳥が飛ぶよ
小さな望みを叶えるために
ビロードの羽をはばたかせ

雲をぬけどこまでも昇ってゆき
音のない暗闇に たどり着いた

宇宙の涯てから目にしたものは
ただ ひとつぶの青い涙

 出典: 遊佐未森「a little bird told me」  アルバム『庭』に収録

紹介 :歌鳥 様
HP :

コメント:
 ホルストの組曲「惑星」のひとつ「木星」に、遊佐未森自身が歌詞をつけて歌ったものです(平原綾香の例のアレと同じ曲です)。手元に歌詞カードがないので、細部が間違ってるかもしれません。謝謝。
 最初はあまりピンとこなかったのですが、最近になって某所で初音ミクさんが歌ってるのを聞き、歌詞の美しさに遅まきながら気づきました。一応ファンなのにお恥ずかしい限りです。
 人によって解釈はいろいろあるでしょうが……思うに、little birdは惑星探査船のことではないかと。”青い涙”のほうは誤解の余地がないですね。イメージすると壮大かつ美しい情景が浮かびます。
 ピアノとボーカルだけのシンプルな曲です。歌詞のスケールの大きさとの対比が印象に残ります。

駄弁者:
 組曲「惑星」は、音楽の素養がない私でもわりと好んで聴く曲で、とくに「火星」と「木星」は気に入りです。
>人によって解釈はいろいろあるでしょうが…
 私は外からきた惑星探査船よりは、地球から打ち上げられた人工衛星を連想しました(ひねりが無さすぎですかね)。



「あなたにとってはどっちが大切?──自分の身の安全か、それとも体制の存続か」
「自分の身の安全だ」アンダートンはためらうことなく答えた。

 出典: フィリップ・K・ディック「マイノリティ・リポート」(浅倉久志訳)  同名短編集に収録

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 という事で「マイノリティ・リポート」原作本から。
 「身に覚えのないヤバい事」になったらまず逃げる、というのはすでにアメリカの伝統になっているようで(「逃亡者」なんてそのまんまですね。)FBIなどから逃げつつ真犯人を追いかけるという無茶な映画が沢山あります。
 私も「ヤバい事を見たらまず逃げる」を基本に日々を過ごそうと思います。

駄弁者:
>アメリカの伝統
 「自分の身は自分で守る」が基本になっているから、「踏みとどまって守れないなら逃げる」も受け入れられやすいのでしょうか。
 あと、その気になれば国内に広大な逃げ場所がある、ということもあるのかな…。



「ぼくたち三人。それに、たぶんそのころには、この一族の頭数もうんとふえていると思うよ!」

 出典: フィリップ・K・ディック「ペイチェック」(浅倉久志訳)  同名短編集に収録

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 以前「ペイチェック」と「マイノリティ・リポート」をごっちゃにした事があります。あれは「ペイチェック」のDVDジャケットの解説が悪い。
 近所に新しく本屋が出来たのでさっそく徘徊。ありました「ペイチェック」。しかも映画化記念のもの(だから「報酬」から「ペイチェック」に改題されている)。
 読んだ感想としては…早川さんに怒られそうですが、原作より映画の方が良かったようなそうでないような…。(大体「フィリップ・K・ディックの原作映画は全て勘違いされている」とはなにを指しているかがピンときません。)
 で、このセリフですが、「こんな目に合わせた」相手の娘とどうにかなって我が身の保身を図るという、(私としては)納得いかないものです。

駄弁者:
 主人公ジェニングスは2年間、ある企業の極秘プロジェクトで働いていた。契約の2年が過ぎたあと、彼は働いていた間の記憶を消去し、代わりに高額の報酬を手に入れる……はずだった。しかし記憶を消去したジェニングスが報酬として手渡されたのは、何の役にも立ちそうにない少しばかりのガラクタばかり。それを希望したのは記憶を消す前のジェニングス自身だという。しかもプロジェクトの秘密を狙って、彼を狙う者まで現れた。ジェニングスの運命は、謎のプロジェクトとは、そして彼がガラクタをあえて希望した理由とは?
 軽く読めて結構好きな作品なんですけどね。映画のほうが良かったというのなら、ちょっと見てみたい気もします。
>「こんな目に合わせた」相手の娘とどうにかなって
 ラストはハッピーエンドを脅しとっているわけですし、相手の娘と父親の側にしても納得いくのか疑問に思うところです。



いつかそのうちに、おれみたいな人間がいっせいに立ち上がって、お前らを叩き潰してやる。恒常調節式機械の圧政は、そこで終わりを告げるんだ。人間性と思いやりと素朴な温かみの時代が戻ってくる。そうなった暁には、おれのような辛い目に遭って元気付けの必要な人間や、疲れていても働き続けなきゃならない人間が、ふところにポスクレッドのあるなしにかかわらず、熱いコーヒーにありつけるんだ。

 出典: フィリップ・K・ディック「ユービック」(浅倉久志訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
注:恒常調節式機械は人工知能付き自律機械と理解してください。
  ポスクレッドというのは作中で使われる通貨単位です。この下にセントがきます。
 いかにもディックらしい、人間性への信頼に満ち溢れた演説…だと良かったんですが。
 主人公のチップがしゃべる自販機にむかって叩きつけた言葉。しかも、自販機に向かって「会社の付けにしてくれ」→「付けは効かない」、「もう来るな」とのやりとりの後に爆発してしまうんですよね。状況が状況だけに、名台詞がかっこ悪〜い愚痴になってしまう。ああ、金欠のチップ氏に幸いあれ。

駄弁者:
 なんとも情けないラッダイト運動。
 しかし、扉をくぐろうとするたびに、自動ドアから5セント請求されるような世界であることを思えば、多少気持ちは分かるような…。



わたしも飛び越えた人間(ニュータイプ)より、一つづつ階段を昇っていった人間の力を信じてるわ

 出典: 森下薫「強化人間物語」

紹介 :玄剣 様
HP :

コメント:
 ネオジオンの襲撃により、崩壊寸前の強化人間実験コロニーにて。強化人間とMSを組み合わせて、ニュータイプをも越える人類を作り出すプロジェクトの中心人物、エラン女史の台詞。
 挑戦し続ける科学者の信念の一言……なのは良いんですが、階段を昇る、の具体例が強化実験だからタチが悪い。これは一つづつ階段を昇ると言えるのでしょうか?
 当の本人はガチガチに本気な訳ですが。何とも困った外面善人な本性マッドサイエンティストさんでした。
 因みにこの後この人は、主人公、強化人間シヴァ・イップスが人格を消去する事で無敵の力を発揮する、Zガンダムディフォルティータを出撃させたりします。おいおい。

駄弁者:
 「強化人間」というとZに出てきたようなやたらと情緒不安定なお嬢さん方を思い出しますので……あれは「一つづつ階段を昇っていった」というよりは、首をひっつかんでムリヤリ引きずり上げたという方が合ってるんじゃないかと。



<知類は皆兄弟>

 出典: アルファシステム(芝村裕吏)「絢爛舞踏祭|KenRan.net 『より深く「絢爛」の世界を知るために』」

紹介 :玄剣 様
HP :

コメント:
 ゲーム、絢爛舞踏祭オフィシャルホームページ上で展開する設定説明コーナー、『より深く「絢爛」の世界を知るために』の第二回から。
 猫娘や喋るイルカや人工知能やクローンやらが作られた時代。道具や代替品や愛玩物として作られた彼らの権利を、猫娘の不遇な扱いに賛同できぬ人々、等が主張し始める。
 その結果、全ての知的種族の立場を引き上げると同時に、人類は自ら万物の霊長と言う立場を降りる事となる。その歴史の転換期に生まれたのが、<人類>に代わる<知類>と言う言葉と、このスローガン。
 確かに。ある意味、理想を端的に形にした言葉。身も蓋も無い程に広い範囲をカバーした、良い言葉だと思います。筆者が本文中で自画自賛するくらいですし。

駄弁者:
 このスローガンを作ったのが人間ではなく、不遇な扱いをされてきた他の「知類」たちだったなら、より素晴らしいんじゃないかと思います。



「なにさ、ピンライターなんて!猫ばっかりと仲良くして!」
…(中略)… 素早く、無駄が無く、賢く、信じがたいほどしとやかで、美しく、言葉はいらず、何一つ代償を求めない。
レイディ・メイに匹敵する女が、この宇宙のどこに見つかるだろう?

 出典: コードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」(伊藤典夫訳)  同名短編集に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 平面航法という超光速航法を発明した人類は、平面空間において、全てを発狂させ命を奪う「竜」と呼ばれる存在と遭遇する。多くの犠牲を払った後、猫とテレパスがコンビになって、発光弾を使用するピンライターによって「竜」を撃退する手法を生み出す。
 このピンライターは帰還しても、護衛対象はおろか、同僚にも関心を払わず、ただひたすらパートナーのレイディ・メイの心配をしたばっかりに、看護婦から罵声を浴びてしまう。
 実際にスミス氏は猫好きだったというから、テレパシーで心が通う相手なら仲良くしても不思議はない。しかし、上記の特質を見てると具体的すぎて、奥さんと何かあったのか?と邪推したくなる。ええ、大きなお世話ですとも。

駄弁者:
 「人類補完機構」からのご投稿、ずいぶんと久しぶりです(前は115集)。
 動物とテレパシーで通じ合うというのは、飼い主にとっては夢ですからね〜。
>奥さんと何かあったのか?
 きっと何度か同じことを直接言われてたに違いありません。



OLにお茶を汲ませるのよ。
これはかなり古い地球人擬態マニュアルを使っているに違いないわ。

 出典: 鈴木健二監督・太田愛脚本「ULTRASEVEN X 『Episode4 DIAMOND"S"』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 地球に潜入したエイリアンを密かに抹殺する秘密組織DEUSのエージェント・ジンは、謎の女性エレアから授かったウルトラアイを使ってウルトラセブンに変身し、エイリアンと戦います。
 人が突如としてミイラ化して変死する事件が続発し、被害者たちは全員がシャイナー05という化学薬品を購入していたことが判明します。この薬を開発した会社にOLとして潜入したエージェント・エスは、社長と秘書がエイリアンに違いないと断定し、しかもかなり昔から潜入していたと主張します。その理由を聞かれたエスの答えが投稿の台詞です。

駄弁者:
 昔から地球に潜入していたのなら、世の流れに沿ってマニュアルも改訂しただろうから、昔にマニュアルだけを作成して、擬態を始めたのはつい最近なのかも。
 地球にくる途中にTVドラマの電波でも傍受して、それから数十年かかってこないだ到着したとか。



さても……… 人の心を救うは怨霊調伏よりも難しいことじゃ…

 出典: 諸星大二郎「暗黒神話」

紹介 :水谷秋夫 様
HP :
http://oikose.at.webry.info/

コメント:
 餓鬼に追われた菊池彦を助けた慈空上人。礼を言う菊池彦に上人が諭します。
「助かった…… はたしてそうかな…?」「お前さんには恐ろしい業があるな」
 菊池彦の野心を諫めようとした上人。しかし、菊池彦は「坊主の説教をきいてるヒマはない」と立ち去りました。その後の上人の感慨です。やがて菊池彦は自分のその深い野心のために……。
 人を諫めるとか、反省させるとか、囚われたものを取り払う、というのは難しいですね。私は成功した試しがありません。そんなときにこの言葉を思い出します。

駄弁者:
 怨霊調伏は力とか、あるいは技術でなんとかなるのかも知れませんが、人の心を変えるにはそれだけじゃ足りないですしね…。
 私の場合、諫めるとか反省させるのを試みる前に諦めてしまってることが多いような気がします。ダメだなあ。



本当は…… 本当は……
ウルトラマン80にいつまでもいて欲しかった……

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマン80 最終話『あっ!キリンも象も氷になった!』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 中学校で理科を受け持つ教師でありながら地球防衛組織・UGMに所属する変り種のウルトラマンであった矢的猛。
 それでも多くを詰め込みすぎたせいか第一クールを過ぎたあたりから教師としての描写は無くなり、普通のウルトラマンとなっていきました。
 それでも怪獣を生み出す人間の邪心との戦いが全体のテーマだった「80」。その彼の前に立ちはだかった最強最後の敵が「ウルトラマンに頼り切る人間の依存心」でした。冷凍怪獣マーゴドンに対し、この怪獣を我々が倒せればUGMは無敵と宣告するオオヤマキャップ。それはUGM一同は勿論、オオヤマ自身の中にすら存在した「ウルトラマンへの依存」から脱却する為の決意でもあったと思われます。
 そんな訳で80の力を借りず、ピンチになりながらもジャイアントボール作戦でマーゴドンを粉砕することに成功したUGMメンバー全員に送られて80=猛と彼を迎えに来ていたユリアン=星涼子はM78星雲へと帰って行きましたが、オオヤマキャップの本音が最後にちょろっと出てしまいました。

駄弁者:
 「人事を尽くして天命を待つ」と言いますが、ウルトラマンという天命が確実に下ると分かっていると、人事を尽くす方としては、やる気が湧くのか殺がれるのか…。意見の分かれるところじゃないかと思います。



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