SF名文句・迷文句第115集

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隊長。食事の時間までには帰ってきてくださいね。

 出典: バンダイ製作「機動戦士ガンダム戦記」

紹介 :yamagashi 様
HP :

コメント:
 お初に投稿します。
 このゲームは、プレイヤーはジオン・連邦の特殊部隊の隊長として1年戦争に参加するのですが、なぜか地上ミッションのみです。ガンダムAで連載されていたコミック版では主人公の二人に名前がついていましたが、ゲーム版では名前はおろか顔すら出てきません。
 このセリフは、ミッションモードを地球連邦でやっていると隊専属のオペレーターさんが出撃時に言うのですが、戦争中なのに、ジオンのオペレーターさんはいくら信頼度が上がってもこんなセリフは言わないのに…と思います。

駄弁者:
 ジオンだったら「総帥の定例督戦演説の時間までには帰ってくるように」とか言われそうです。…やはり兵の士気向上には食事の話題が良いのでは?



「あの声は」と相手はおもおもしくいった。「ミス・グラディス・スティーヴンスという、オハマ市在住の六十三歳の婦人です。彼女はSAC(アメリカ戦略空軍)の要員へのメッセージや、ほかの放送システムのための吹込みで生計を立てているのです」

 出典: マイクル・クライトン「アンドロメダ病原体」(浅倉久志訳)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 救急車、レントゲン、CT、超音波、造影剤検査。
 ふと頭によぎったのはTVドラマ「ER」でした。が、それではあまりにも「ベタ」(というよりSFですらない)なので、原作つながりで「アンドロメダ病原体」から。
 「自爆は漢(おとこ)のロマン」といいますが、それに華を添えるのが「カウントダウン」ではないでしょうか?今ならコンピュータ音声ですが、昔は女性の声と決まっていました。どんな人なのだろう?という疑問に対する回答の一つがこれです。
教訓 知らぬが仏

駄弁者:
 この世で最後に聞く声になるんだから、どういう人のものなのかは重要ですよね?
 けど、63歳で「ミス」の人の声かあ…。



それが人間の原罪なんだよ クリーバー……

 出典: 星野之宣「2001夜物語 第8夜 悪魔の星」

紹介 :ばる 様
HP :

コメント:
 発見された第10番惑星(実は、反物質星)の探査の話の中での主人公の言葉です。
 この台詞は、主人公を謀殺しようとした人物が、人間という種の誕生に関する仮説を語り、科学は罪なのか?と問いかけるなか、主人公が答えとして語られるものです。
 ストーリがわかっていても…この台詞を知っていても…仕事の事で疲れたとき、つい、この台詞を読みたくて読み返してしまいます。
追伸:しばらく…仲間内で多用していました 笑
クリーバー:「――神は毛むくじゃらのアダムとイブを創造したかもしれないさ!
だが それを人間に変えたのはいったい何だ!? サルに知恵を授け道具を発明させ やがて文明を築かせたのはいったい何だったんだ!? ラモン!
魔王星が悪魔の星だとするなら――人間を堕落へ導いた星だとするなら…ラモン 科学は――人間は最初から呪われていたというのかっ!?」
ラモン「それが――それが人間の原罪なんだよ クリーバー……」

駄弁者:
 反物質でできた第10惑星「魔王星」に、正物質の彗星が衝突したことによる凄まじい放射線が、人類への進化を促したという仮説。
 魔王星が悪魔の星だからそれに触れるのが罪というのではなく、人類の誕生とひきかえに失われたものがある──それこそが「原罪」。ミルトン「失楽園」を背景に語られる、「2001夜物語」の中でもとくに印象的なエピソードでした。
 さて現実の10番惑星(候補?)も見つかっていますが、あまり劇的な話につながることはなさそう。セドナも結局「惑星」扱いにはなっていないし、第何番惑星という考え方自体がすでに時代遅れなんだろうなあ。…冥王星が惑星扱いでなくなることが一番あり得る劇的事件になってしまうかも。



麻薬の効き目がいちばん深いときも、苦痛が最大のときも、この人はいつも考えようとしていました。
この人との結婚を認めてもらえますか?

 出典: コードウェイナー・スミス「シェイヨルという星」(井上一夫訳)  「年刊SF傑作選2」に収録

紹介 :宇宙船ペペペペラン 様
HP :

コメント:
 はじめまして。小説から漫画映画音楽まで、幅の広〜い名文句に、「あーなるほど!」「そういえばあったあった」等、楽しんで読ませていただいています。
 けれど不思議と自分自身が衝撃を受けたセリフは少ないので、書いてみようかなあと思い、おそるおそる初投稿しています。
 どれから書こうか、とても迷ったのですが、やはり最初は、大好きなコードウェイナー・スミスにハマるきっかけになったこの作品で。
 『わたしたちが不幸だと思うと、無理にわたしたちを幸福にしようとするわ。わたしは、それがいちばんひどいと思うわ』『ただ、われわれにどうしてもわからないのは、この一幕がいつまでつづくかということなんだ』のセリフも心に残るのですが、半永久的に生かせられながら思考力を失わずいるのは至難の業だと思いますし、何よりラスト近くに発せられるこのセリフはハッピーエンドを予感させる嬉しい言葉でしたのでこれを挙げました。
 それにしても、『大胆な生物工学のアイディアが古典的な地獄のヴィジョンと結合している』この作品は本当に衝撃的でした。後に読み返して、B’ディカットやスズダル艦長やヴォマクト医師が登場しているのを再発見した時も嬉しかったです。

駄弁者:
 帝国の政治犯マーサーは「究極の懲らしめと不名誉の惑星」、シェイヨルへと流された。そこで彼を待っていたのは、止むことなく続く苦痛と快楽の日々。だが永遠に続くかと思われたそれは、ある事件を境に終わりを告げるのだった。
 「人類補完機構」の中でも人気もある作品。私はハヤカワの短編集「シェイヨルという名の星」の伊藤典夫訳で読みました。
 ご投稿のセリフは、シェイヨルの日々が人類補完機構の介入によって終わったとき、マーサーと行動を共にしていた太后レイディ・ダーが補完機構に尋ねた言葉です。
 マーサーとレイディ・ダーも良かったですが、今回読み返してみて改めて好きになったのは、シェイヨルの「世話係」、牛族出身の下級民ブ・ディカットでした。彼は、幼い子供がシェイヨルに送られてきたのに激怒し、殺される危険を冒して行動を起こしたのです。



おれはマトリックスだよ、ケイス

 出典: ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(黒丸尚訳)

紹介 :ながぴい 様
HP :

コメント:
 ケイスらのクラッキング行為により開放された冬寂(ウィンターミュート)が、壁面スクリーンを通じて、ケイスと久々に再会した時の会話の一部。
 ケイスの「じゃあ、何者なんだい」という問いに答えて。
 何年か前に「マトリックス」という映画がたいへん流行ったことがありましたが、この映画の公開前に、メインキャラクターが3人(ネオ、トリニティ、モーフィアス)だとゆう話を聞いて、わしは、
「うわっ、もしかしてニューロマンサーついに映画化か?!」
と思ってしまいますた…(ニューロマンサーもメインキャラは3人、ケイスとモリイとアーミテジ)
まあ、マトリックスも大好きなので、それはそれでいいのですが、
「これでもうニューロマンサーの映画化はないのかな?…」
と寂しく思ったのも事実です…
 ギブスン原作の映画って、「ジョニーネモニック」だけ?なんでこんな短編を…
 そういや、これも主演はキアヌ・リーブスだったよな。「ジョニー」は全然売れなかったのに、また同じような映画に出るということは、こうゆう類の話が好きなのかな?

駄弁者:
 「ニューロマンサー」は思い入れのある人が多すぎて、誰がどう映画化しても文句が出てくるのでは…。「記憶屋ジョニイ」ぐらいの知名度の作品の方が、何かとやりやすいのかも知れません。



そう、わたしたちはみな“どこでもない場所”を見つけなければいけないのね。

 出典: ゼナ・ヘンダースン「J=ラインに乗って」(尾之上浩司訳)  「ミステリマガジン」’05年8月号に収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 遠未来。自然環境から隔絶された都市に住む、ひとりの少女が、ふとしたきっかけで「緑や、水や、木がある」場所に迷い込む。「テープで習った通りの木」や「サーモスタットに従って吹いてない」風、「底が砂になっている川」にふれた彼女の心に、ひとつの変化が……。
「Now here」から「No where」へ思いを馳せることは、幻想小説(SF含む)の、存在理由のひとつでもあったり?
ミステリマガジン毎年恒例の「幻想と怪奇特集」、今年は「新旧異色作家共演」です。
BGM:「夢を見る方法」ザバダック

駄弁者:
 この雑誌でこの名前が出るとは思いませんでした。河出「奇想コレクション」で刊行予定の短編集の先触れでしょうか。
>「テープで習った通りの木」や「サーモスタットに従って吹いてない」風
 遠未来でなくても、「図鑑に載ってるのとそっくりのカブトムシ」に喜ぶ子どもたちは、これに近いものがある…?



「お前ら人間には信じられないものを俺は見てきた。
 オリオン座の近くで燃えた宇宙船や、タンホイザーゲートのオーロラ…」

 出典: リドリー・スコット監督「ブレードランナー」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 めい文句113集・ながぴいさんご投稿の『ブレラン』めい文句にある「そういう思い出」の部分ですね。
 このセリフ、謎の言葉「タンホイザーゲート」(OVA『トップをねらえ!』の「タンホイザー・ゲート」の元ネタ)や「C−beams」(字幕では「オーロラ」)を含め、すべてロイ・バティ役のルトガー・ハウアーのアドリブなんだそうで。 (余談ですが「like tears in rain」を「涙のように 雨のように」と訳す字幕には、ちょっと違和感が。「雨の中の涙」というのは「酸性雨ふりしきる中では、流れてもそうとは分からない涙」ひいては「この世から今にも消え去らんとする、自らの存在」をふまえたセリフなのでしょうし)
BGM:「Shoganai(しょうがない)」キング・クリムゾン

駄弁者:
「C−beams」を「オーロラ」と訳し変えているのは、雰囲気が良くていいと思うんですが……。「涙のように 雨のように」は、確かに違和感ありますね。
>タンホイザーゲート
 何かよく分からないけど、アドリブでこういうのが出るのはすごい。…撮影の前にワーグナーでも聴いてたんでしょうか。



死に神の使い、お前の正体は何だ
謎の黒幕を追って、ウルトラマンレオが生きてきた。
人間にとって、正義とは、思いやりとは?
誰だ、誰だ、誰だ!
独りぼっちのウルトラマンレオの“死”を弔うものは、一体誰なのだ…。

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンレオ・恐怖の円盤生物シリーズ」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 重度の糖尿病患者用のお粥のように味のない『ウルトラマンマックス』の放映開始記念
 強烈な臭気で好き嫌いの別れる、くさやの干物のような『レオ』から。
 『恐怖の円盤生物シリーズ』で何度か使用された予告編です。
 レギュラー皆殺しによる路線変更、ポイントを絞りに絞って描き出される実も凍るような恐ろしい展開、目を背けたくなる現実描写など、その不快さはけして『ネクサス』に劣るものではありませんでした。でも『レオ』は大好きです。
 この予告を見ていると思わず、鬼気迫る形相で戦い続けるレオに、エールを送りたくなったりするのです。
 マックス(人間体の名前まだ覚えていません)はおおとりゲンの爪の垢を煎じて飲むように。

駄弁者:
 必殺光線を(初期エピソードでは)持たない格闘戦のみのウルトラマンということで、今となるとストイックな印象を持ちますが、子供の頃はあんまり好きじゃなかったかなあ…。



「Ladies and gentlemen,Ican't say any more. Thank you」

 出典: 野田昌宏「愛しのワンダーランド スペース・オペラの読み方」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 もう一つ、スペース・オペラの読み方からも投稿します。
 NASAがロバート・A・ハインラインの死後に最高栄誉章をに送ったことがありました。その際、スプレイグ・ディ・キャンプやジェリイ・パーネルといったそうそうたるメンバーと共にアメリカ以外唯一のゲストとして、矢野徹氏が招かれ、スピーチを行いました。最初は順調に講演をしていた矢野氏でしたが、話が「宇宙の戦士」まで行ったところでいきなり話が止まってしまいます。しばしの沈黙のあと、涙を流しながらこの台詞を言って講演を中断するのでした。矢野、ハインライン両氏の結びつきと人柄をよく表しているエピソードだと思います。こういう友人を持ったら人生勝ち組ですな。

駄弁者:
 その矢野氏も今はすでに鬼籍。彼の死を前にして言葉を失った方もいらっしゃったんじゃないかと思います。



「その言いようは、あんまりではありませんか、トリー」

 出典: ジョージ・R・R・マーティン「天の果実」(酒井昭伸訳)  「タフの方舟2・天の果実」に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 今年一番のイチオシである「タフの方舟」から投稿します。
 宗教上の理由から人口問題に悩むにス=ウスラムに何度となく解決策を提示してきたタフ、しかし、根本的な解決策を一向にとろうとしないス=ウスラムの人々に業を煮やしたタフはある決断をします。それに対して、ス=ウスラムの総相であり、かつてのポートマスターであるトリー・ミューンにタフが言ったのがこの台詞。はじめてこの箇所を読んだときタフの行動が余りにも傲慢なのではないか、と思ったのですが、このス=ウスラムではここまで思い切った方法を取らないとどうしようもなかったのだとも思います。多分、トリーもそのことは気づいていたのだとは思うのですが、それを認めるわけにはいかなかったのは、やはり上に立つものとしては当然でしょう、しかし、彼女がその後にタフをなじるのはそれ以上にタフに信頼を裏切られた印象があり、タフの方も今まで、「マダム」と言っていた彼女のことを名前を使ったところにタフは彼女に友情めいたものを持っていたのかもしれない…っていうのは勘ぐり過ぎですかね。

駄弁者:
 トリー・ミューンがタフを「禍つ神」と呼んだときのセリフですね(出典原文では「トリー」の部分は傍点で強調されてます)。
 友情…とまではいかないまでも、タフはトリー・ミューンの理解が欲しかったのかもしれません。彼が本気で他者の理解を期待したのは、シリーズ中この場面だけなんじゃないかと思います。
 矢面に立たされることになったトリーの立場も悲惨ですが…。



You brought me here but can you take me back again.
(こんな所に連れて来て、帰りはどうしてくれるんだ。)

 出典: E.L.O「Twilight」 「TIME」に収録(「DAICON4オープニングアニメ」&TVドラマ「電車男」オープニングアニメ)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 なぜ?と不思議に思っていた所、とあるドラマのオープニングに使われたとの事。20年以上前のヤツだよこれ。ていうか現役の「電車男」達に元ネタをリアルタイムで見たことあるのはどの位いるんだろうか?
 当時SFにどっぷり浸かっていて、「そうだよなぁ、元には戻れないよなぁ」とふと我に返ったセリフ(というか歌詞)として覚えています。

駄弁者:
 今回は「インパクトと汎用性」でも「明日使える」でもなくて?
 どっちかというと言われてみたい言葉だったりして。
 で、言われたら「自分から喜んで迷いこんだくせに、人聞きの悪いことを」と意地悪く笑ってみたい。



ライダーマン 「なんてことを!首領、貴方はそれでも人間か!」
デストロン首領「馬鹿め、私が“人間”だと誰が云った」

 出典: 「仮面ライダーV3 『君がライダー4号だ』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 ライダーマン結城丈二はその天才をデストロン首領に見込まれ、理想国家建設のためにデストロン科学者のホープとして台頭しつつありました。しかしその才能を警戒したヨロイ元帥の奸計で裏切り者として処刑されそうになります。助手達に救われた結城は復讐の鬼ライダーマンとなってヨロイ元帥を狙います。後にデストロンの実態を知った結城丈二はV3にも協力的になるのですが、それでも自分を救い育ててくれたデストロン首領に対する想いは複雑で、V3の攻撃から庇ったりしていました。
 しかし首領は東京にプルトン爆弾ミサイルを撃ち込もうとし、余りの残虐な行為に結城が首領に呼び掛けたのが上記の台詞です。
 「愛情の正反対は憎悪でなく、虚無だ」という台詞がありましたが、自分の半生を捧げたデストロン首領の正体を思い知らされた結城丈二の想いは察するにあまりあります。

駄弁者:
 そして、ライダーマンは身を挺してプルトンミサイルの狙いをそらし、東京を救うわけです。
 歴代ライダー(戦死により名誉4号授与)の中でもいまいち人気がなかったように思うのですが、話としてはなかなか魅力があるんですねえ。改造手術なし、右腕のアタッチメントだけを頼りに頑張っていたわけですし。 >「愛情の正反対は憎悪でなく、虚無だ」
 名文句集に似たのがあったのでとりあえずリンク張りましたが、マザー・テレサのほうでしたか?



言葉をもっておゆき、盗っ人

 出典: ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(黒丸尚訳)

紹介 :ながぴい 様
HP :

コメント:
 中国製の軍用ウィルス「広級11号」で、侵入対抗電子機器ICEの防壁を砕き、テスィエ・アシュプールのAI内部に侵入したケイスが、「冬寂」を解き放つ最後のコードを要求した時、これに答えてレイデェ3ジェインが言い放った言葉。
 いや〜、この本にはハマった。
 日本語で読んだあとに原著も買ってきて読んじまったもんな…
 ちなみに原文では「Take your word, thief」  SF名文句・迷文句集への初投稿が掲載されて、有頂天だったわしは次の名文句を探して本棚を漁っていると、この文句が目に入った。
 まるで自分のことを言われてるようだったので、思わず投稿してしまいますた…

駄弁者:
 そうなるとさしずめ私は盗品ブローカーというところでしょうか。
 実入りないけどなあ…。



「“人の一生は 重き荷を負うて遠き道を往くが如し”
  昔なァ 徳川田信秀というオッサンが言った言葉でな…」
「誰だ そのミックス大名! 家康公だ 家康公!」

 出典: 空知英秋「銀魂(2)」

紹介 :北斗 様
HP :

コメント:
 『宇宙人とのファースト・コンタクトは黒船襲来』を地で行っているのがこの作品。
 江戸にペリーの黒船ではなく宇宙人の船が押しかけてきて、江戸は宇宙人(天人)が闊歩し彼らのもたらした技術があふれる近代都市へと変貌したのでありました…。
 上記の台詞は、そんな江戸の片隅で万事屋を営む主人公、坂田銀時の独白と、それに対するツッコミ。この『ミックス大名』というフレーズが頭から離れません(笑)。
 ちなみにこの作品、一応は少年漫画に分類されるんですが…主人公は糖尿持ちだわ、死んだ魚のような目をしているわ、毎回のように爺婆が登場してメインを張っていくわ。挙句、『ヒロインがゲロを吐いた漫画』とまで銘打たれる始末。よく続いてるよなぁ、まったく。

駄弁者:
 権現様が混同されるようじゃ、来たのが黒船だろうとUFOだろうと長くないだろうな、徳川幕府…。
 しかし言葉のほうがミックスになっていないだけマシとすべきでしょうか。
「人生、重荷を背負って五十年、坂道を登り続ける悪夢の如し」とか。



日本の鎖国と開国は、そのまま宇宙人とのファースト・コンタクト及びそれがもたらす混乱の参考例となる。
もし宇宙人が地球を侵略したり占領したりするつもりでやってきた場合には、インカ文明の滅亡とか、新大陸でのインディアン掃討の歴史などが参考になるだろう。

 出典: 笹本祐一「ARIEL読本」

紹介 :北斗 様
HP :

コメント:
 ここではお馴染み『ARIEL』の作者が、全20巻52話四クールを完結させた後で書いた解説本より。この理屈でいくと、種子島に漂着したポルトガル人だとかってパターンも分類可能だな、などと思ってみたり。
 アメリカ映画に異星からの侵略〜防衛モノが多いのは、開拓時代の自分らの行為が潜在意識のどこかに罪悪感として残っているから……だったりはしないかなぁ、しないだろうなぁ。

駄弁者:
 今年はついに星雲賞も受賞しましたね。
>インカ文明の滅亡とか〜
 侵略の要因は「銃・病原菌・鉄」ですが、病原菌についてはアメリカとは逆の結果になるんですよね…「宇宙戦争」あたりだと。



『貴様、自分が何をしているのか分かっているのか』
『お前はどうだ。分かっているのか。』
『たっ、助けてくれ。俺はただ、上からの命令で。』
『自分の意志を持たなければ、生きていても仕方があるまい!!』

 出典: 雨宮慶太監督「人造人間ハカイダー 劇場版」

紹介 :Deus Ex Machina 様
HP :

コメント:
 すごく、お久しぶりです。いつもこのHPを楽しく拝見させていただいています。
 さて、この台詞ですが、ハカイダーと、彼に命乞いする重武装兵の会話です。
 このやりとりをした後、ハカイダーは重武装兵を敵の弾除けにしました。
 イラクでの米軍の活動や、道路公団の談合問題などの企業犯罪の報道を見る度に、この台詞が頭をよぎります。
 全ての組織人に、この台詞を捧げます。

駄弁者:
 ハカイダーのようにただ一人「悪」に徹するような強さをもてない身としては、個人の意思や倫理観だけに責任を負わされるのはちょっとつらいなあ…と思うわけで。
 もちろん、意思や倫理観を持たないとはじまらないというのは当然ですが。



「彼らの指導者は──大統領でしたっけ?──ここで戦争の開始を宣言するべきです。この五万八千二百九人の名前のまえに立って。それがこういう記念碑の目的であるはずです。大統領が、以前に戦争が宣言されたときに死んだ大勢の人びとの名前を見ながら、なおかつ若者たちに戦場へ行けと呼びかけられるのだとしたら、その戦争には戦う価値があるのかもしれません」

 出典: ロバート・J・ソウヤー「ヒューマン −人類−」(内田昌之訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 平行世界で文明を築くネアンデルタール人がこちらの社会を訪れる、「ネアンデルタール・パララックス」3部作の第2作より。
 ベトナム戦没者慰霊碑を訪れたネアンデルタール人ポンター。宗教や神、来世の概念を持たないネアンデルタール人は、すでにいない死者に語りかけるグリクシン(クロマニョン人を指す彼らの言葉)の行動が理解できない。ポンターはこの慰霊碑に合理的な理由があるとするなら、それは同じあやまちをしないようにするためだと指摘する。そして、アメリカが戦争をすると決めたときはどこで宣言されるのかと問い、続けてこの言葉をなげかける。
 この作品でのポンターの言葉は、人類批判というよりは西欧批判・アメリカ批判の色が濃いと思うのですが、その中でもとくにアメリカに厳しいのがこのひと幕でした。
 しかしそれでもポンターは、人類に対し評価が甘いんじゃないかとも思います。「正義の戦争」となれば、慰霊碑の前で「戦場に行け」と言うのをためらったりするでしょうか?



シスコ「ただの数字じゃない。ひとりずつに人生があった。…それを忘れちゃいけない」

 出典: 「スタートレック・ディープスペースナイン『戦争の影−AR558攻防戦−』」

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 いつ果てるとも知れないドミニオンとの戦争の中で、シスコはいつしか戦死者名簿をただの名前の羅列と感じるようになった自分に気づく。そんな時、シスコは補給物資の運搬任務で最前線の惑星のひとつAR558を訪れた。ドミニオンから奪取した基地を長期に渡って守り続け、肉体的、精神的に疲弊しきった前線兵士の姿を見たシスコは彼等と共に戦うことを決意、多くの犠牲を払ったがそこを死守する。DS9に生還後、シスコの元に新たな戦死者報告が届く。共に戦ったAR558の犠牲者も含めた1730名という数字を前に、シスコは改めてその意味を噛み締める。
 邦題通りに戦争の影を描くことは、スタートレックとしては(創始者ロッデンベリーの理念からすれば)暗黙のタブーでしたが、”善良な人達が大勢死ぬ戦争は、勝ったとしても負けたのと同じだ。それを妥協なく描く必要があった”というDS9のプロデューサーの言葉が、このエピソード、この文句の全てを物語っているでしょう。ひとりの兵士の死はその兵士本人の未来を潰し、連なる人々全てに痕を残します。兵士はなぜ死ぬと二階級上がって英雄扱いされるのか。多くの戦死の理由が、名誉と考えなければやりきれないほど理不尽だからじゃないかと、個人的には思うのです。
 ただ…この戦いのモデルがガダルカナルだという話を聞くと、日本人としてはいささか複雑です。

駄弁者:
 ユートピア的だったTNGの宇宙連邦(とくに初期から中期)とはうってかわって、DS9や映画版はかなり殺伐としてきますね……。
>モデルがガダルカナル
 敵がボーグやドミニオンだとあまり感じないでしょうが、戦っている相手にも犠牲が出ているということにも思い至ってくれるといいなあ、と。



「まだだ。たかがメインカメラをやられただけだ。」

 出典: 富野喜幸監督「機動戦士ガンダム」

紹介 :のらしち 様
HP :
http://www8.ocn.ne.jp/~atarase/

コメント:
 このたびは乱文だったにも関わらずの掲載ありがとうございます。(今回もそんなかんじですが)
 さて当時、本放送で(歳が知れますな)このシーンを見た時はかなりショッキングでした。と言うのもそれまで見ていたロボットアニメでロボットの頭が吹っ飛ばされると言うのも無かった(まぁそれまでは頭にコックピットがあるロボットが多かったからだと思いますが)のですがその状況を「たかが」で片付けてしまうアムロにも凄いインパクトを覚えました。それまでロボットアニメはロボットと主人公は一身同体であり、物言わぬ友であり、ロボットを失えば人類に多大な危機を及ぼしてしまうと言う、絶対的な最終兵器だった物ですが、それが「ガンダム一機では戦況は変わらない」存在として描かれて、最後にはこれです。そしてこの後アムロが脱出した無人のガンダムがジオング(頭)と一騎打ちをして今まで失っていた左腕と頭の他に右腕と右足を失って倒れますが、アムロは一瞥もせずにシャアを追っていく訳です。今にして思えばこんな不憫な主人公メカも無いような気がします。

駄弁者:
 むしろ足より頭の方が飾りですか…!? まあニュータイプでもなけりゃメインカメラが死んだのを「たかが」ですませることはできないでしょうが。
>不憫な主人公メカ
 けど頭と右腕をなくしたガンダムが真上にビームライフルを撃つシーンの映画ポスター、当時は大人気でしたよ。



汚れた雨が降るたびに、土がどんどんやせてゆくんだって。
畑で何も育たなくなったら、何を食べたらいーんだろ。

 出典: サクセス製作「メタルサーガ〜砂塵の鎖〜」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 メタルマックスの正当な系譜を継ぐ「メタルサーガ」からの投稿です。
 この台詞は主人公たちが行く先々にいる謎の人(いるだけで何のイベントもおきない)、「ウサギマン」の一言から。
 ウサギマンの言う台詞は旧作の台詞からランダムらしいのですが(海辺の町では「汚れた海に汚れた雨が降る〜」と使い分けるのが細かい!)、これがウサギマンの台詞で一番印象に残ったもので。

駄弁者:
「汚れた海に汚れた雨が降る〜」と同じかそれ以上に深刻なセリフのはずなのに、同じだけの悲哀がいまいち感じられないような…。



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