SF名文句・迷文句第237集

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そうです、ワタシが人類の叡智を結集したタケちゃんマンロボです。
段ボールやウレタンではない、ましてや人間が入っているようなせこいロボットではないのです。
本当です。ほんとぉぉでス!!

 出典: 大岩賞介作詞「愛より強く タケちゃんマンロボのテーマ」 フジテレビ制作『俺たちひょうきん族』「タケちゃんマン」より

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 『タケちゃんマン』のてこ入れネタ。
 タケちゃんマンロボの出動シーンに掛かったヒーローソングが『愛より強く』です。
 『愛より強く』の無意味なまでの格好良さは実際聞いていただくのが一番でしょう。
 投稿の文句はレコード盤のナレーション、声は大平透さんです。口調の渋さ、格好良さが一転哀願して泣き叫ぶ、そのギャップがいかにもひょうきんです。

駄弁者:
 そういえば前にもタケちゃんマンロボ出ていたな…と思ったら、こちらも新伴さんでしたか。最初の歌詞は番組でもかかっていたので覚えていましたが、フルバージョンは初めて聴きました。確かに妙にカッコいいです。
>大平透さん
 ガッチャマンの博士が、最後はいきなりハクション大魔王化ですね。



「私は見た! 確かにジュラ紀の生物だ!」

 出典: 香山滋原作・村田武雄&本多猪四郎脚本・本多猪四郎監督「ゴジラ」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 今回からテーマを変えます。題して『大怪獣との接近遭遇』。第1回目は、初代ゴジラの登場シーンより。
 大戸島の村長をはじめとする代表団の陳情に応えて、政府は災害調査団を派遣した。彼等調査団が見たものは、台風の被害にしては壊れ方が異常な家々、強烈な放射能反応を示す共同井戸、巨大な動物の足跡、そしてその足跡の底で這いずり回る、生きた三葉虫…。やがて、島の南側、八幡山の裏から有史以前の恐竜類そっくりの生物がヌッと頭部を現し、「グワオ〜ン!」と吠える。上記の台詞は、その時の調査団長山根博士(演・志村喬)が山の上を指さしながら副団長田辺博士(演・村上冬樹)に告げた一言。
 さすが古生物学者らしい簡潔な説明である。「映画に出てくる博士はこうでなくちゃ」と言いたいところだが、この先生、ストーリー後半になると研究の欲にかられてゴジラ抹殺に猛反対するのだった。
 先生、『恐竜の飼い方教えます』って本はあっても『怪獣の飼い方教えます』って本は無いんですぜ。それとも、あんたがこれからそういう本を書くつもり?

駄弁者:
 初見のはずのジュラ紀の生物を「確かに」と断言するあたり、古生物学者としてもいささか軽率なのでは…。
>『怪獣の飼い方教えます』
 飼育できる時点で「怪」の看板は下ろさざるを得ませんね。



「科学に人生を捧げてきたのに、何故、俺だけ苦しまなきゃならん!」

 出典: ロバート・クラーク原作・監督・E・S・シーレイ.Jr脚本「太陽の怪物」(落合寿和訳)

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 侵略者ネタもそろそろ飽きてきたので、最近見た珍しいDVDより。
 原子力研究所に勤務する主人公ギルバート(ロバート・クラーク監督自ら主演)は、実はアルコール依存症。或る日、二日酔いで出勤し、実験中に誤って多量の放射線を浴びた。一命はとりとめたものの、細胞内の遺伝子に異常をきたし、太陽光線を浴びると全身鱗状の表皮に覆われた下等動物に逆進化してしまうという体質に変わってしまった。現代の医学ではどうにもならないと知った彼は病院を勝手に退院し、田舎町に別荘を借り、太陽光線を避けて昼夜逆転生活をおくる。が、酒だけは辞められず、夜な夜な近所のバーへ。夜の女との遊びが度を越して朝を迎えると、悲鳴を背に聴きながら逃げる様に帰宅。症状はどんどん重くなり、理性も失われていく。そこへ、彼の消息を突き止めた元同僚が訪れる。上記の台詞は、その元同僚に向けて吐いた主人公の悲痛な叫び。
 この主人公、とことんダメ人間である。本当に科学探究に人生を捧げる様な人物なら、酒を飲む暇も惜しんで研究活動をしている筈だ。トカゲ男に変身する体になったのは、あんたの自業自得ってもんだよ!
 この憐れなトカゲ男がどんな末路を辿ったかはネタバレ防止の為に書かないが、だいたい想像つくよね。 尚、翻訳者はDVDの日本語字幕担当者の名を明記した。

駄弁者:
 月光を浴びて狼化ではなくて、日光を浴びてトカゲ化ですか…放射能って恐ろしい(笑)。
 コメントを読む限り「科学に人生を捧げてきたのに」というのは虫のいい発言みたいですが、それでもアル中の報いがトカゲ男化というのは、ちょっと酷ではあります。



「大衆は移り気です。何かすれば怒るし、何もしなければ怒るのです。怒りゃふくれる、ぶてば泣く、殺しゃ夜中に化けて出るのです」

 出典: しのらさとし「理由なき反抗」  『蓬莱学園アンソロジー 6』に収録

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 少し古くて、SFかどうか微妙な作品からになりますが、蓬莱学園はSFだ、ということで(八雲睦美嬢は最近では某巨大掲示板上は魔法先生が元ネタということにまでなっているらしいですが、こちらが本当は元ネタ。)。
 生徒会執行部の支持率急降下に悩む八雲睦美生徒会長とジョシュア・ゲイルズバーグ副会長の会話の一節です。殺しゃ夜中に化けて出はしないと思うのですが、大衆(有権者)の移り気ぶりを見事に要約しているな、と思います。本当は、蓬莱学園の生徒に対するシビアな見方なのですが、これを一般市民に読み替えても、全く私には違和感がないのはなぜなのでしょう。

駄弁者:
「大衆」という言葉は上から目線で嫌いですが、セリフ自体には同意せざるをえないかなあ。大は国の政策から、小は公共機関のエアコンの温度まで。
 やってもやらなくても文句を言う人がいるのなら、やりたいようにやるしかない?



ある種の行為は、万物の意義を変えてしまうようだ。昨日、ぼくは殺人を犯した。

 出典: キャサリーン・マクリーン「種の起源」(深町真理子訳)  『世界SF全集32』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 もう一つ、同じ本より投稿します。脳外科医をしている「私」にある夫婦が訪れる。彼等は自分たちの息子は、子どもの頃は優秀だったのに、現在知能が遅れているのは、脳に何か障害があるせいで、手術をしてほしいという、知能障害は手術では治せない、と説得しても手術をせがむ両親に負け、手術を行った「私」が見たものとは?投稿した台詞は物語冒頭、「私」が友人にあてた手紙で自らの行為を告白する台詞から。
 たしかにこれはどうしようもないことなのだとは思いますが…。とりあえず、自分がその立場に立たされなくて良かったです。

駄弁者:
 当時としては少数派の女性SF作家の作品ですが、著者紹介にもあるとおりあまり男女を気にする内容ではありませんね。
 これを単なる「殺人」と呼ぶには、ちょっと行為の意味が重たすぎるような。次代の未来を抹殺したというべきか、あるいは自分たちの未来を守ったと言うべきなのか。



鷲を、五、六匹捕まえてね

 出典: シオドア・R・コグスウェル「壁の中」(南山宏訳)  『世界SF全集32』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 魔法が支配するある地域、そこは高い壁に囲まれ、魔法が一切通用しなかった。
 そこに住む少年、ポージーは姿を消した父が行こうとして姿を消した壁の向こうに行こうとしていたが、同時にそれは禁忌に触れることでもあった。担任のウィッケンズ先生や養い親の伯父さんに怒られながら、こっそりと飛行に関する本を読み、グライダーを完成させ、壁の頂上を目指したポージーを待ち受けていたものとは?
 投稿した台詞は壁の頂上でポージーが壁の上で出会った人物(実は担任のウィッケンズ先生反転希望)がポージーに自分もまた壁を越えたことがあること。そしてどうやって越えたかを教える台詞から。実はこの方法、物語の冒頭でポージーが考えていた方法なんですよね。読後感がさわやかな作品なのでぜひご一読を。

駄弁者:
 全集は読んでいない巻の方が多いのですが、この巻だけはかなり早くに読んでました(高校生ぐらいだったか)。「冷たい方程式」や「アルジャーノンに花束を」(短編版)も、これで読んだのが最初だったと思います。
 ご投稿の作品は、ジュブナイルのお手本というか、けれん味なくラストを決めてくれる好篇でした。
 グライダーの最初の浮揚に魔法を使っていますが、そのぐらいならともかく「鷲5、6匹」で人間一人を空に浮かばせるには、相当強力な魔力が必要だったんじゃ…。



貴様も、人類のためには人の死を厭わないか
ならば自分で、死を実践してみせろ

 出典: フロムソフトウェア製作「ARMORED CORE for Answer」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 こちらは逆に、多大な犠牲を払おうとも、未来のために戦うルートから。
 ラスボスはウィン・D・ファンションその人。
 彼女は矜持が無ければ人殺しなんぞできるかと言ったり、どうにも傭兵らしくない発言が多いです

駄弁者:
 実際には、「犠牲を払わず未来を失う」と「未来のために大きな犠牲を払う」の両極端の中間に進める道があるんだろうと思いますが、まあ極端にいった方が物語が映えるというものです。
 いや、どっちつかずの優柔不断が最悪の結果を招くというルートもあるか…?。



…人類など、どこにもいないさ

 出典: フロムソフトウェア製作「ARMORED CORE for Answer」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 三つあるエンディングの内、例え未来がなかろうとも、犠牲を払う事を良しとせず、現状維持のために戦うルートから。
 その際の依頼人兼僚機ウィン・D・ファンションの台詞です。
 多大な犠牲を払ってでも、未来を切り開こうとした敵のボスが最期に、「お前達の惰弱な発想が、人類を壊死させるのだ」と言ったことに対する返答です。
 いるのは『人類』という総体ではなく、一個の『人』である。ということでしょうか

駄弁者:
 「人類」というものがないとまでは言えないにしても、守る対象として考えるには少々漠然としすぎている、というところでしょうね。個人的な感覚としては、「国」、とか「〜人」でもちょっと難しいです。



「ブルータス、またお前か!」

 出典: 川上稔「GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン」

紹介 :くえん 様
HP :

コメント:
 暗殺直前のカエサル曰わく。
 かつて宇宙へ進出した人類は、多くの失敗が原因で地上に戻ってきました。地球へ帰還した人類は、もう一度宇宙へと至り繁栄するにはどうすればいいかを考え、人類史をなぞる事でそれを成し遂げようとします。
 歴史を再現する以上、未来は(利用を避けるために百年先までだが)分かっているわけで。とはいえこれが歴史に残るのはどうなんだ。
 結構インパクトありますが、汎用性皆無だなぁ。
 因みにこのカエサル、歴史を知る兵士たちにルビコン川を先に渡られ「賽は投げられてしまった」なんて言葉も。

駄弁者:
 ライトノベルと言いつつ、あそこまで物理的にヘビーな文庫本はそうないんじゃないかと思いますが、あの厚みのうちどのぐらいの分量が設定の解説で、どれぐらいがストーリー展開なんだろう…。
>人類史をなぞる事でそれを成し遂げようと…
 なんというか、安直な発想を、壮大な技術と能力でムリヤリに実現してみせたような設定ですね。



見ることと、見られること。知りたいと思うことと、知ってほしいと思うこと。そういうのは分離できない関係で、本質的には同じひとつの物事なんだと思う。

 出典: 鳥居羊「ストラスフィア・エデン」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 異世界からやってきたD(ある人が呼んだディアブロ(悪魔)という言葉から)との接触から10年、未だにDとの意思の疎通はできず、人類からは意図の理解ができないDの引き起こす行動(作中では原潜に憑依し、核の発射までしていますが、かといって人類を敵視しているとも作中の描写からは思えない)に対処するために編成された対D空軍に所属する男主人公と、Dが引き起こした大事故等に3度遭遇し、周囲の人の多くは亡くなったのに、自分は重傷は負うものの後遺症も無く、3度共生き残ったことから、「魔女」呼ばわりされるヒロインとの物語です。
 ヒロインは、これまでの経験から、自分が知られることを恐れつつも、相手を知ろうとしています。でも、それは間違っていると告げる男主人公の科白です。知りたいということと知られるということは、分離できることではないのです。男主人公の科白を聞いて、ヒロインは生き方を変えようと思うところで、とりあえず作品は終わっていますが、明らかに第2巻以降に続きそうです(Dの意思は全く不明のままですし)。
 見たいと思ったら、見られることを覚悟しないといけません。自分だけ都合よく一方的に見たり、知ったりするということは確かにできないな、と考えてしまいました。

駄弁者:
 ただ逆に、一方的に知ることができる量を増やす方向で技術は進歩していっているように思います。それでもコミュニケーションなしに知ることができない物事というのは、残り続けるものなんでしょうが…。



「サイボーグ食ってのは、どう見ても味気なさそうで、いけねえな。」
「あ?そうでもねえぜ。食うか?」

 出典: 士郎正宗原作・神山健治監督・Production I.G制作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第13話『テロリスト』」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 で、続いて「攻殻機動隊S.A.C」(既出)から。テロリストのアジトに潜入した公安九課の隊員達。任務中に買い食いしている、ほぼ全身をサイボーグ化した課員と、その同僚の会話。同僚は、片目と片腕、それにコンピュータネットワークに大脳を直接繋げる「電脳化」以外サイボーグ化していないので、サイボーグ人間用の食事を摂る必要はないようです。(って、言ってもなあ……)とはいえ。
 これ、実に「どうってことない」文句ですよね。サイボーグだろうが何だろうが「生物」である以上、エネルギーが必要で、そのエネルギーを何らかの方法で補給しなければなりません。で、サイボーグは「人間」ですから、エネルギーを補給するのに「ご飯」を食べたって、当たり前のことです。(ロボットでも動力源が「白いご飯」ってヤツがいる。)でも、ですね。
 皆さん、仮面ライダーや島村ジョー(サイボーグ009)が食事しているシーンって、観たことありますか?あるいは、「サイボーグの、人間らしい食事」を叙述した作品を御存じですか?私は、覚えていません。私が覚えているのは「サイボーグ化した故に、エネルギー補給に関しては機械と同じになってしまったサイボーグ」しか出てこない作品だけです。
 ですから、投稿の文句を聞いたときは、すごく新鮮に感じました。「そうか、サイボーグも生きているんだ。」って。で、こんな「何でもない」文句を投稿しました。
 それにしても、「サイボーグ」という「人種」(「男」「老人」と同じ意味で使っています。変な意味じゃありません。)が実在するようになったら、彼らは、どんな「もの」を食べるのでしょう。それを想像すると、ちょっと、わくわくします。そして、その「食事」が「人間らしい」ものだと、もっといいですよね。

駄弁者:
 多分ほぼ全身サイボーグ化したのなら、サイボーグ食を「おいしい」と感じられるよう感覚を調整できるんでしょう。
 しかし、どんな味気ないものであれ、胃腸で消化したものをサイボーグ部分のエネルギー源にできるようにする方が、目や腕のサイボーグ化よりずっと高度な気がします。



繰り返します!
禁止区域に駐車している車輌は
レイバーによって強制的に撤去します!
練馬ナンバーの車輌!
違法駐車のため車を移動します!

 出典: ヘッドギア原作・伊藤和典構成・サンライズ制作「機動警察パトレイバー 第15話『歌を唄ったクジラ』」(TVシリーズ)

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今回のテーマは「SFの中の暮らし」。で、またまた「機動警察パトレイバー」のTVシリーズ版から。
 東京湾にクジラが迷い込んできた。そのクジラを救出する作戦の一環として、特車二課第二小隊にも命令が下る。「クジラとクジラ救出作戦の模様を見物に岸壁に集まった野次馬の交通整理」という……。
 で、投稿の文句は、岸壁の野次馬に向かってマイクで怒鳴っている第二小隊の隊員の台詞。うーん、なんというか、今日も日本のどこかで、パトカー乗ったお巡りさんが、こういう文句を怒鳴ってそうですね。
 実を言うと、私の住んでいるところでも、週末になると、お巡りさんがパトカーに乗って「道路に車を駐車しないでくださ〜〜い。」とマイクで呼びかけて廻っています。(お巡りさん、いつもお疲れ様です。)でも、あれって、近所の住人には、たまらないんですよね〜、うるさくって。いや、お巡りさんは悪くないってのは、分かってるんですけど……。
 それにしても、こういう文句が違和感なく作中に登場する「パトレイバー」って……「SF」ですよね?

駄弁者:
 こういうレッカー車なみの使われ方をするあたり、レイバーというのは随分運用コストが安く上がっているんだなあと思います。



「わぁ、髪の毛めちゃめちゃあ!」
「命と髪の毛、どっちが大事なの?」
「もちろん、髪の毛(はぁと)」

 出典: 石黒昇監督「超時空要塞マクロス 第2話 カウント・ダウン」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 南アタリア島の親戚の家に遊びにきた中華料理屋の娘、リン・ミンメイ。
 ところが。
 突如街は戦場になるわロボットに襲われるわ助けにきた味方ロボットに手でつかまれるわそのまま超高速で飛び回られるわ急上昇したところでロボットの腕が撃ち落とされるわ自由落下しながらぎりぎりのところで助けられるわいろいろした結果がこれだよ。髪の毛めちゃめちゃあ!
 これぞ80年代テイスト。

駄弁者:
>中華料理屋の娘、リン・ミンメイ
 ああ、テレビ版ではそこから始まってましたね。だいぶ後で見た映画版では最初からアイドルだったので、記憶から抜けてました。



艦長、ブリッジは禁煙ですぅ!

 出典: 石黒昇監督「超時空要塞マクロス」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 突如コントロール不能となり、地球衛星軌道に砲撃を始めるマクロス。
 地球統合軍グローバル准将は、マクロスの元となった巨大宇宙船の正体が、異星人のブービートラップだったと看破します。  もしそれが事実であれば、オーバーテクノロジーを持つ異星人の敵に宣戦布告したことになり、引いては地球がまるごと星間戦争に巻き込まれる大事件です。
 もっともブリッジオペレーターのシャミー・ミリオム少尉にとっては、もっと重要なことがあったみたいですが。
 これが80年代テイスト。

駄弁者:
 確か3人いたブリッジの女の子(「子」じゃない主要キャラは除く(笑))の、どれが誰だったかはさすがに覚えていませんね…。
 80年代だから可愛く注意されるだけで済んでいますが、もっと後のアニメだったら何と言われていたことか(作品世界外からのクレームでパイプすら持たせてもらえなかったりして)。



「やりきれない。犠牲になるかもしれなかった相手を見過ごしていた気分になる」
「被害を受ける可能性のある人物を事前にマークできるのは、よほど幸運に恵まれた場合だけだ。被害を防げなかったとしても、犠牲者は敵の足跡を追う手がかりになる」
「犠牲になった誰かを、そんなふうにとらえるしかないことが、俺には悲しい」

 出典: 冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 ウフコックとボイルドの会話から。
 理想が高いと言えばいいのか、素直と言えばいいのか

駄弁者:
 そこは、煮え切らない奴ウフコック煮詰まりすぎた奴ボイルド、とでも言ってやればいいのでは。



尻軽じゃないとは言わないわ。一度寝たら次を探さなきゃいけないんですものね

 出典: 冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 生まれながらに猛毒のウイルスと共生していたが故に、マフィアの親兄弟から暗殺者として使われていた女性が兄弟と決別する際のやり取りです。

駄弁者:
 セックスした人間にウィルスを感染させる、狐とのキメラ美女…。随分どぎつい設定に見えますが、他に出てくる「カトル・カール」の面々に比べたらこれでも穏やかな方、というのがこの作品のすごいところです。



「わたしの男は完全であってほしい」

 出典: ダイアナ・ガバルドン「ジェイミーの墓標 2」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 ジャコバイトの乱を阻止するために奔走したクレアとジェイミーですが、諸般の事情によりフランスを離れスコットランドに戻ることになります。それでも、チャールズの資金源には打撃を与えて反乱阻止はできたと信じていたのですが、チャールズは資金難にも関わらず挙兵を決断、ジェイミーやクレア、スコットランドの民は否応なしに巻きこまれます。そして、チャールズに合流するために、ジェイミーは領民を兵士として駆り集めて出発しようとするのですが、ジェイミーの姉ジェニーは、夫のイアンも連れていくようにいいます。イアンは以前に従軍した際に、片足を失っています。更にジェイミーが出発した後、領民を守れる人間はジェニーとイアンしかいないのです。それにも関らず、ジェニーがイアンも連れて行けという理由をジェイミーは尋ねるのですが、それに対する答えです。イアンとジェイミーは親友でもあり、ジェイミーの役に立てないのならば完全ではない、とイアンは考えているとジェニーは言います。そして、ジェニーにとって、夫は完全であってほしいのです。夫の誇りを守るために、連れて行けと、それによる苦労は覚悟の上だと。この弟にして、この姉夫婦ありだな、と思いました。
(ネタばれにつき反転。もっとも、その後、4人で話し合った結果、イアンはラリーブロッホの領民を守るために、結局は残ることになるのですが。

駄弁者:
 字面だけ見てつい鬼嫁的セリフかと思ってしまったのですが、心を鬼にする賢妻の類の話でしたか。
 けどイアンがもっと自分に甘い人間だったら、ジェニーはどういうことを言ったんでしょうね。



我々の人口は増加しすぎている。チョンクオはその重荷のもとでうめいている。われわれは、人民と<七帝>ともども一体となり、直面するこの最後の大問題の解決のために将来にわたって力を合わせねばならない。これは新たな事業のはじまりである。われわれにとって、事態を正常化するための新しい機会だ。人民と<七帝>にとっての。ふたたび強くなるための機会である。安定を確保し、万人が豊かな生活をするための。

 出典: デイヴィッド・ウィングローブ「深海の怪物 (チョンクオ風雲録7)」(野村芳夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 高まり続ける人口圧力、暗躍する反政府組織、分裂するタン達。世界帝国チョンクオは崩壊への道をたどっていた。危機感に駆られたシティ北アメリカのタン、武シーは世界に向かって結束を訴える。
 格調高い演説ですが、世界を結束させるためにタン達が用意したのが、無線で起動する爆弾を体内に埋め込む「ワイヤリング・プロジェクト」。さらなる恐怖政治への道でした。たしかに、恐怖で縛り上げた方が扱いやすくなるのは(短期的には)間違いのないところでしょうが。
 演説とその裏で考えられている落差に、著者のイギリス人らしい皮肉を感じてしまいますね。

駄弁者:
 恐怖政治でなくても、立派すぎる演説の後に来る「現実的政策」には要注意ということですよね〜。中華風専制が舞台の作品ですが、こういうところは自分の所の議会政治で得た教訓も含んでいるのかも。



おれが見てきたところでは、王室の血は、金がからむととたんに薄くなるんだ

 出典: ダイアナ・ガバルドン「ジェイミーの墓標1」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 18世紀にタイムトラベルしたクレアは、夫ジェイミーと共にジェイミーが守るべき人たち(ジェイミーはラリーブロッホという土地の領主なのです)を救うために、ジャコバイトの1745年の蜂起を阻止するためにパリへ向かいます。そして、パリでどのようにしてそれを阻止するかを話し合うのですが、その際の一節です。
 プリンスチャーリーのいとこである18世紀のフランス国王(当時はルイ15世)やスペイン国王と言えど、このあたりは今と同じなんだな、と思わず微笑してしまいました。いや、むしろ、もっと世知辛いかも。何しろ、収入も多いですが、支出も戦争等のためにもっと膨大ですから。

駄弁者:
 血の濃い薄いは、主張する相手の経済状態によるんですよ…。王室じゃなくてもその傾向が変わらないのは、あまりなぐさめになりませんけどね。



「変身解除を行う時は、『ヌグミン』と発声してください」
「ヌグ……」
「……ミン、だって」
「う……、作った人のセンス……」
「信じらんない……」

 出典: 裕木陽介脚本「あにゃまる探偵キルミンずぅ 第2話『わたしがイヌって……ホント!?』」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 人工的に開発された装置により遺伝子内の特殊な因子を発現させ変身する、SFチックな変身ヒロインアニメからの名文句です。
 双子の姉妹・御子神リコとリムは、ある日自宅の屋根裏部屋で謎の研究室とコンパクト型アイテム・キルミンを発見。
 このキルミンを使って動物の着ぐるみを着た子供・本物の動物に変身できるようになったリコ達が、初変身後ドタバタの末に屋根裏部屋に戻ってきて元に戻れるかどうか心配し始めたところに、音声ガイドが変身解除のキーワードを教えたところで今回の名文句に繋がります。
 製作者のセンスに呆れつつも「ヌグミン」と唱えて変身を解除……したのはいいのですが、何と全裸(着ていた服は上から落ちてきました)。リコも「ヌグ(脱ぐ)ミンって、そういう事だったの!?」と叫び声を上げます。
 ちなみに変身時のキーワードは「キル(着る)ミン」……。

駄弁者:
 みなさん呆れている様子ですが、変身時のキーワードのときには違和感なかったんでしょうか。
>遺伝子内の特殊な因子を発現させ変身
 手塚治虫の「ふしぎなメルモ」で(古っ)、赤・青のキャンディの組み合わせで動物に変身できるのと似た理屈なんでしょうか。しかし、人間と動物の中間形態が「着ぐるみ」って…。



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