SF名文句・迷文句第236集

名文句トップに戻る

第235集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第237集を見る


その威力、神の接吻

 出典: ATLUS製作「ペルソナ3」

紹介 :池上啓介 様
HP :

コメント:
 美少女アンドロイドが出てくるからSF。戦車でありながら人間の女性型をしており自我まで搭載されているアイギス。彼女の専用武器キスオブアテジナの説明文です。これほどイカした武器の解説としては、「竜を褒め称える剣」ドラゴンスゴイヤーくらいしか思いつきません。
 何の意味もなく美少女型というのではなく、人間型である必要性がゲーム中でちゃんと説明されているのがポイント高いです。(それでも美少女型である必然性はないですが)
 シナリオが進むにつれ、どんどん人間らしくなっていくのもお約束ですね。最後は人間とは違う機械として愛する人と共に生きていく方法を見つけるあたり山本弘的です。
 なお、個人的に彼女に人格が芽生えたことを一番意識したのは、装備品のメイド服を着せたときの反応です。最初は喜んで着てたのに……。

駄弁者:
 もう美少女型でありさえすれば、戦車でも戦艦でもなんでもありなんじゃないかと…。
>イカした武器の解説
 方向性は違うけど、はじけっぷりでは「レールガン:すごい武器。当たると痛い。」もなかなかイカしてますが。



先祖の墓として対応せよ

 出典: ツェナワークス製作「ボクと魔王」

紹介 :池上啓介 様
HP :

コメント:
 人形劇のようなほのぼのとした雰囲気の牧歌的なRPG……と思いきや、中盤以降に主人公たちがこの世界は“作られた世界”だという事実に気付きパラノイアSF化します。
 世界の管理者に「シナリオ通りに進まないから」という理由で恋人を消された主人公とその仲間たちは、世界の管理者を倒すべく冒険を進めるのですが、その進行速度が思いのほか速かったらしく、管理者は主人公を迎え撃つために一つの村を即席で作ります。コピーアンドペーストで急遽作られたその村(中ボスがいる家は主人公の実家と間取りが同じ)のはずれにある墓地では世界のソースが露出していました。
 ありがちな設定ではありますが、世界を作っている方法が中々ふるってます。
 このゲーム、登場人物たちの何気ない台詞はもとより、グラフィックからはじまり、タイトルロゴ、ゲームシステム、敵の名前、NPCの名前に至るまでことごとく伏線という恐ろしいゲームでした。
 しかし最大の敵はカメラアングルの悪さという。

駄弁者:
 この種の設定を見ると、いつも「を作中の登場人物が作者の意に反した行動をとることが原理的に可能なんだろうか?」と思うのですが、その辺にうまく理由をつけてみせるのが、腕の見せどころですかね。
 作中で死ぬはずだった人物が、書き終わった作者がふと気がついてみたら死なずに生き延びていた…という話もありますから、読者側の想像以上に、作者側にとっては感覚的になじみのある設定なのかも。



日本のトイレの落書きにこんなのが書いてあったとさ
「己が運は己が手でつかめ!」
私の運命は神様のものじゃない!
私に決めさせてもらう!

 出典: 鴇巣直樹作・岩崎こたろう画・渡辺正雄監修「ホーキングの宇宙論入門」

紹介 :OTO 様
HP :

コメント:
 久しぶりの投稿になります。ほぼノンフィクションですが一部フィクションのとことです。投稿の文句は後半からのもので、神の裁判官から車椅子で逃げるシーンになります。好きなシーンなのですが、果たしてホーキング博士は書かれていた文章のもうひとつの意味をしっていたのでしょうか。次は「ホーキング 宇宙を語る」に挑戦しようと思います。

駄弁者:
 「ホーキング 宇宙を語る」は、途中から難しくて挫折した覚えがあるなあ…。マンガだったらなんとかなるだろうか?
>書かれていた文章のもうひとつの意味をしっていたのでしょうか
 すいません、博士以前に私も知らないです。どなたかフォローお願いします。



「信じられん。あれほど精巧に作られたメカゴジラが、負けるとは……」

 出典: 関沢新一原案・山浦弘靖&福田純脚本・福田純監督「ゴジラ対メカゴジラ」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 『こんな侵略者はイヤだ!』第10回は、前回の投稿でもチラリと紹介したブラックホール第三惑星人の台詞より。
 一度はメカゴジラに敗れたゴジラだったが、無人島で傷を癒し、密かに特訓。落雷の電力を体内に蓄積し、全身を電磁石に変えるという超能力を身につけてリベンジに挑む。ゴジラの磁力線に引き寄せられたメカゴジラは制御コンピューターやリモートコントロール装置を狂わされて行動不能に陥り、最終的には首をもがれて大爆発を起こした。上記の台詞は、その時にブラックホール第三惑星人の地球攻撃隊長(演・睦五郎/脚本では「黒沼」という地球潜伏名が付いているが、劇中では全く聞かれない)が吐いた、驚嘆と落胆の入り混じった一言。
 侵略者の超兵器を打ち負かすものはそれを超える超兵器ではなく、簡単な技術でいくらでも産み出せる「磁気」だったというオチ。こんな小学生でも気がつきそうな「日常の科学」をうっかり忘れる侵略者が、地球を征服など出来るものか。ざまぁみろ。へへ〜んだ。人類万歳!ていうか、ありがとう、ゴジラ!

駄弁者:
 精緻なシステムほど単純な障害に弱いということなのかも知れません。
 メカゴジラはこの後ブラックホール第三惑星人に回収されて[逆襲」しましたが、今度こそ電磁波対策はやったんでしょうか。再び首をもがれたみたいですが…。



わたしもあなたの……親友のつもりよ、ヤン

 出典: 田中芳樹「銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 で、続けて、日本ライトノベル界を代表する「遅筆作家」田中芳樹の代表作品から。新任地へ向かう、自分の親しい異性の友人(ラップ)の友人(ヤン、性別・男)を見送りにきた女(ジェシカ)の言葉。この時点では、この三人は「三人一組の、性別をこえた良き友人達」のようです。もっとも、ヤンは、すでに「ジェシカの表情をまぶしく感じ」る位にはなってますが。でも、なーんか、このジェシカの言葉に「女のずるさ」を感じてしまうのですよねぇ、私は。
 自分に惚れている男。自分は、その男の気持ちを知っている。自分も、その男を憎からず思っている。でも、自分は、その男の想いに応えることはできない。でも、はっきり拒否することで男を傷つけたくはない。ましてや、失いたくはない。「答え」が出た後でも、「無関係な他人」になって欲しくないし、自分も、自分が男にとって「無関係な他人」になるのは嫌だ。できたら、今のままの関係でいたい。そう、お互いの「良い友人」のままで。
 なーんて、ジェシカが考えて、予防線を張る意味でヤンに投稿の言葉を言った、というのは私の邪推でしょう。「恋人というより、いい友だちという印象ではあった」というアッテンボローの証言もありますし。男と女の間でも、「対等の、良き友人関係」というのは成立しうると、私も思いますし。
 それに、上記のような「女心」って、よく理解できるんですよ。男の人の立場からすれば、どう思われるか知りませんけれど。(ははは……。)
 だから、私としては、本当のところジェシカが、どういう気持ちでヤンに投稿の言葉を言ったかはさておいて、「ジェシカってずるい。だから『女はわがままだ』って言われるんだ。」と思うのと同時に、そういう言葉を言える「相手」がいるジェシカを「羨ましい」とも思うのです。(ははははは……)
 さて、駄弁者さん、男の側から見てのご感想は、いかがでしょう?

駄弁者:
 こちらの場合、女のずるさや予防線があったとしても、肝心のヤンがそれを必要とするレベルまで到達していない様子なので、周りとしては苦笑しつつ放っておくしかないところじゃないでしょうか。フレデリカお嬢さんが見ていたら、ジェシカに対して舌打ちの一つや二つ重ねてみたかもしれませんけど(笑)。



バトー、忘れないで。
あなたがネットにアクセスするとき
私は必ずあなたのそばにいる。

 出典: 士郎正宗原作・押井守監督・脚本「イノセンス」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今回のテーマは「SF・男と女」。で、今回もサブテーマがついてます。今回のそれは「ずるい女」。で、まずは日本の誇るアニメ作家・押井守の代表作にして、日本を代表するSFアニメでもある「Ghost In The Shell/攻殻機動隊」の続編から。
 男は、女を愛していた。女も、男を憎からず思っていた。だが、女は男の元を去った。それでも、男は女を愛し続けた。男に危機が迫ったとき、女は再び男の前に姿を現した。男の「守護天使」として――。
 投稿の文句は、「女」草薙素子が、「男」バトーに再び別れるときの言葉。この言葉を初めて観たとき、「素子って、ずるーーーいっ!」と思わず(心の中で)叫んでしまいました。だって、これって「私はあなたと別れるけれど、あなたは私を(いつまでも)忘れないでね。」って言ってるも同然じゃないですか。(少なくとも、私には、そう聞こえました。)少佐(草薙素子)、いくらあなたでも、それは、ちょっと勝手が過ぎるような……。バトーの立場は、どうなるんだぁ!?
 でも、一方で「女としては、生涯に一回でいいから、こういう台詞を男に向かって言ってみたいよなあ、素子が羨ましい。」と思うのも、また本当で。うっうっ、第225集での駄弁者さんの言葉が我が身に跳ね返ってきてしまった。まったく、こういう目に合わないためにも、人間は「他人の心や生きかたを、たとえ敵対する相手のものであっても思いや(銀河英雄伝説外伝第一巻)」ることが、必要なのでしょうね。
 でも、やっぱり、こういうことを言える相手がいる素子が、羨ましい……。

駄弁者:
 ずるいというか、そういう打算も感情も超越してしまってますよね。幸不幸の葛藤も存在しないと言ってますし。
 こんなになってしまった「女」に対して、果たして「男」が女性に対するような愛情を持ちづつけられるものかどうか、私としてははなはだ心もとないと思うのですが…。バトーさんはそうでもないようで。



「さっそくやってみるべきだったな!」と、小柄なフランス人は叫んだ。「殻を割って、実験してみなけりゃならない!」
「そうかね?やってはみたよ。砂の上で、いくつかたたき潰したがね。一万年たったら、ぼくがほんとにピラミッド怪物を作り出したかどうか、調べにもどってきたかい?そのころには、はっきりする見込みがあるがね!」

 出典: スタンリイ・G・ワインボウム「火星のオデッセイ」(野田昌宏訳)  『世界SF全集31』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 世界SF全集短編集から投稿します。
 地球初の有人火星探検隊アレスが火星についたとき、探検隊の一員ジャーヴィスが行方不明になるという事件が起きました。  ところが十日ほどして発見されたとき、彼は「駝鳥の化け物とねんごろ」になり、気ちがいじみた蟻塚からようよう救い出される始末。一体、彼に何が起きたのか?
 投稿した台詞は、遭難した際に発見したケイ素生物の繁殖に関するジャーヴィスの考察に対するやりとりから。ジャーヴィスの語る火星の環境の異様さが目立つ話でSF落語といった体裁の話なんですが、人を食った展開に思わず笑ってしまいました。  それにしても、火星というところは、タコ型の火星人がいたり地表すれすれに月が飛んでいたり物騒なところだなぁ。

駄弁者:
 「駝鳥の化け物」ことトゥイールやピラミッドを作り続けるケイ素生物、獲物の欲望に擬態する「夢魔獣」、人類やトゥイールとは別種の知性をもつ(かも知れない)「ビヤ樽人」など、たいして長くない話の中になかなか魅力的な火星生物が詰め込まれた短編でした。
 惜しむらくはそれらの紹介だけで話が終わってしまい、ほのめかされた謎についてはほぼ投げっぱなしなところでしょうか…。続編もあるとのことですが、それを書いた翌年には30半ばの若さで夭逝とのこと。少し残念です。



外側の殻は、まるで十九世紀に最盛期を迎えた快速帆船(クリッパー)にそっくりな、地球で最大の鯨よりも大きくてがっしりした流線型の船であった。後部の触手や鰭は舵へと進化し、それはまた魚の尾のように推進器としてもひんぱんに利用されていた。もっとも、こうした種はすべてある程度は自力で航海できたが、長距離の交通手段として用いられていたのは、精いっぱい広げられた帆であった。祖先型の単純な膜は、自在にコントロールできる筋肉を用いる羊皮紙風の帆と、骨でできたマストや帆桁から成る組織となっていた。舳先の両側についている下向きの目のせいで、船との類似性はいよいよ顕著なものになっていった。メーンマストである頭部にもまた、水平線を探る目がついていた。

 出典: オラフ・ステープルドン「スターメイカー」(浜口稔訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 私が銀河を巡る中では多くの異星人と接触するわけですが、とりあえずヒューマノイドで良かろうなんてことは著者は致しません(いないわけじゃない)。最初に遭った別地球では全身羽毛に覆われたヒューマノイド、他にも大きな扁平足の一本足としっぽでバランスをとるヒューマノイド、強い重力のせいで二足歩行が出来ないためにケンタウロスに進化した知性体、カニと魚が一生のパートナーとして共生する知性体、動き回る樹木人。このあたりは昔の話にも出てきますので(マンデヴィルとか)驚くほどじゃない。蜂のような集団知性もまたしかり。
 しかし、ここで紹介した貝から進化した船型の知性体というのは著者の想像力のなせる技でしょう。磁気を感じ取る器官や伸縮自在の触手も具えています。しかも子育ての様子や社会構造まで作り上げるのは立派の一言(右舷から生まれた個体は貴族、左舷からの個体は労働者として育てられる。ここに右翼と左翼の政治闘争を見てしまうのは妄想ですね)。 ついでに火星にも生命がするのですが、意識を持った電子雲としか描写がないのが残念です。ウェルズに影響を受けたそうですが、このアイディアは独自の物でしょう。
 ドゥーガル・ディクソンに挿絵を頼んだら、この本の売れ行きも更に向上するんじゃないかと思う今日この頃です。

駄弁者:
 ドゥーガル・ディクソンの名前が出たからというわけでもないですが、「フューチャー・イズ・ワイルド」に登場していた群体生物オーシャンファントム(http://www.futabasha.co.jp/introduction/2007/comic_fiw/fiw5-1.html)が、まかりまちがって知性をもつ方向に進化したら、似た感じになるかなあ、と。



真の愛は誤解から生まれるものなのです!

 出典: 小河正岳「ウェスタディアの双星3」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 ウェスタディア王国軍総参謀長アルファーニ(19歳)には、相思相愛の恋人ローゼ(14歳)がいるのですが、婚約にまでは至っていません(ローゼはまだ14歳ですから。)。しかし、王国きっての名門軍事貴族の跡取り娘でもあるローゼはそれが不満で、女王主催の宴会に招待されたアルファーニの礼服に、自分の家の紋章を入れてしまいます(その際に、アルファーニの他の礼服を隠すという用意周到ぶり)。その礼服を着て宴会に出席すれば、女王や他の出席者から婚約者と認められるという王国の慣習から、アルファーニはその紋章を手で隠して出席する羽目になるのですが、その際のローゼの科白です。
 確かに誤解から愛が生まれることもありますが、いくらなんでも、と微苦笑してしまいました。王国の混乱により19歳の若さで総参謀長に抜擢され、名軍師の令名の高いアルファーニですが、こと恋愛に関しては、ローゼの前に翻弄されっぱなしです。

駄弁者:
 互いの誤解からじゃなくて、周囲の誤解から真の愛を生み出そうとするあたり、とても14歳とは思えん策士っぷりと思います。



おのれの顔もSFにしたろかいーっ!!

 出典: 山上たつひこ「がきデカ」

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
「ま まってくれっ 本を買わないで帰るのか」
「きみはSFを買うんじゃなかったのか」
 ブ男の書店主に問い詰められたジュンちゃんは、そこで
「SFはおじさんの顔でしょ」
と言い放ちます。怒ってブチ切れた書店主の言葉から。
 SFとは何か、とはここでもよく議論になりますが、そんな時によく思い出すのがこれです。奇妙で変なものがSF。身も蓋もないです。
 山上たつひこは「がきデカ」と「光る風」の作者。この両作品が同じ作者とは、頭の中がどうなっているのでしょう。
 最近は「中春こまわり君」を描いていますね。一度雑誌で見ただけですが、「これは山上たつひこの『劇画オバQ』か」と思いました。

駄弁者:
「そもそも変でないSFなどというものがあるものか。」というお言葉もありますしねえ。
 SFが全て変だとしても、変なものすべてがSFだとは限らんだろうとマジに返しかけたところで、しかしSFには奇妙で変な顔は結構つきものだよな、思い返した次第です。



君ともう一度友達になる!!!
いつか未来に帰っても君を探して友達になる
何度でも君と
友達になる
またね

 出典: とよ田みのる「友達100人できるかな」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
99人まで友達を作った三人目の再来者、井森湯治。
直行は晴れて彼の100人目の友達になり、彼は自分の未来へと帰っていった。
翌日、直行が教室で見たのは、まるで別人、本来この時間軸にいるはずだった一週目の井森だった。
自分が未来に帰ったら、この世界で結んだ友情も、何もかもなくしてしまうと知った直行が決意を新たにする台詞です。
井森君は一週目と二週目で別人扱いらしく、無事二人友達ができたとさ。

駄弁者:
 100人友達をつくったら、また振り出しに戻って延々と「友達づくり」を続ける…つい、そんなイメージをもってしまいました。全然違うのだろうとは分かっているのですが、本編を読んでないもので…。



「ヒカルちゃん友達になって〜〜」
「はい喜んで」

 出典: とよ田みのる「友達100人できるかな」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 主人公とは別の世界(パラレルワールド的な意味で)から過去にやってきたもう一人の再来者(リピーター)椎名ユカリ。彼女が監視役の宇宙人、自称笹山ヒカルと友達になった時の台詞です。
以下ネタバレ いろいろあって彼女と友達になるべく奮闘するのですが、直行の監視役とは違い、一向に友達メーターが動かない。 挙句の果てには「毒蛇に求愛ダンスをされて嬉しい?」なんて言われる始末。 んがしかし、彼女と友達になれなかったのは、なってと言わなかったからだとさ。 あと登場時から一々「ヒカルちゃんって呼んでね」と言っていたので、ちゃん付けで呼んでもらいたかったらしい。
気持ちはちゃんと言葉にしようということですかね

駄弁者:
 そう言えば、私は「友達になろう」と宣言してなった友達というのはいないのですが。他の人もだいたい同じだろうと思ってたんですが、違うんでしょうか。



There’s a starman waiting in the sky
He’d like to come and meet us
But he thinks he’d blow our mind

 出典: デヴィッド・ボウイ「Starman」  『The rise and fall of ZIGGY STARDUST and The spiders from mars』収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 火星のクモを引き連れて地球に降り立ったミュージシャン、ジギー・スターダストの唯一のアルバムから、その名も「Starman」をご紹介します。
 彼(異星人)は地球に降りたがっているが、こちらを混乱させることを心配しているそうです。
 なんだか、いわゆるコンタクティのセリフみたいですね(異星人が公衆の前に現れないのは、受け入れられないからだ)。
 この曲が出来たのが72年、このセリフは未だに通用するようで世の中なかなか変わらないようです。

駄弁者:
 『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』でいう広解釈の「動物園シナリオ」にあたるでしょうか。
 お気遣いのおかげで大混乱は避けられていますが、そのかわり何十年にもわたって各地で小混乱が続いているとも言えます。



自国の民も守れぬ王に、他国の民にまで思いを馳せる資格はないのです。おそれながら陛下のお考えは、限られた水で隣家の畑まで潤そうとしているようなもの。結局は、自分の畑も隣家の畑も枯らしてしまうだけです。

 出典: 小河正岳「ウェスタディアの双星2」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 前巻で隣国ラミアム大公国の侵略を撃退したものの、それによって大国ロアキア統星帝国(ラミアム大公は皇帝の娘婿でした)の攻撃を招いたウェスタディア王国は、帝国と並ぶ大国ルフェール共和国に救援を求めます。それに対し、これまで中立政策を採ってきた王国が、共和国と同盟を結ぶ条件として求められたのは、ラミアム大公国を攻撃して併合することでした。これを外務卿に聞かされた女王は、大公国の民に被害が及ぶことを理由に難色を示しますが、それに対する外務卿の答えです。
 確かに外務卿のいうとおりで、国王が第一に考えねばならないのは、自国の民のことですから間違ってはいませんし、例えにしても、いい言葉だと思います。それでも、15歳の少女である女王が、その決断をせねばならないのは辛いことだろうな、と思います。

駄弁者:
 為政者の辛さというのは、外務卿の言うように単純化した決断ができないからこそのものだと思うんですけどね…。
 限られた水を奪い合って、お互い半分ずつの畑ならば潤せたところを全滅させてしまうとか、争っているうちに遠くだったはずの大河が決壊して洪水に巻き込まれるとかいうことも考えられますし。



「待て!お前たち。神を見たが故に退却するのか。終焉を知ったが故に去るのか!」

 出典: 光瀬龍「たそがれに還る」  『世界SF全集30』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
もう一つ今度は光瀬龍の作品から投稿します。
 人類が太陽系に進出し、都市を築き始めた時代。宇宙船が原因不明の消失を遂げる事件が起こります。
 原因を追求すべく、金星へと向かった調査員のシロウズだが、金星についた時宇宙船に同乗していた人々とともに金星には存在しない都市へと導かれ、そこで何者かたちの会話を聞き、それに対しての問いかけがこれ。
 こういう言い方って、何か「百億の昼と千億の夜」に通じますね。久々に読みごたえのある作品でした。

駄弁者:
 シロウズたちは「何者かたち」とは違い終焉に対しても立ち向かおうとするのですが…。
 それでも迎える運命に大きな違いはなかったかも知れないというのが、やるせないところです。



(所詮、俺は俺以外の何者でもないのだ)
(どうしても満足のできない男……駆り立てられていることが生き甲斐のような……俺はそんな男なのだ。そいつを認めるほかはない)

 出典: 眉村卓「幻影の構成」  『世界SF全集30』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 前回の投稿から間を置いてしまいましたが、投稿し忘れていたので、眉村卓の作品からも投稿します。
 人びとの生活が政府によって管理されている世界。人びとはイミジェクスと呼ばれる機械を持たされていた。イミジェクスは情報の発信源であり、指示を受けるための重要な装置であり、何よりも感受性に影響を与えることで人びとを政府の管理下に置くために欠くべからざる装置だったのです。
 新たに中央登録市民となったラグは、イミジェクスに疑問を持っていたが、同じように疑問を持ちながらもそれを積極的に利用しようとする上司のハクソンの元で徐々に頭角を現していきます。  その将来は明るいもののように見えたのだが、一人の女に出会ったことから状況が一変する。彼女はレジスタンスの一員であり、破壊工作を行っていたのです。彼女をかくまったことからレジスタンスへと加わり、破壊工作を行うこととなるラグだったが、いつしかそこに自分たちとは別の存在が入り込んでいることに気がつくのだった。
 投稿した台詞は全てが終わった後、ラグがかつての仲間たちと話した後の述懐から。彼等は自分たちが支配することになった社会を管理するために再度イミジェックスを配布しようとしているのです。
 そういう人は確かにいるし、必要とされる時代があるのでしょうが…そういったことを自覚してしまうとかえって生きづらい気はしますね。

駄弁者:
 眉村卓の作品は、体制側にたつ人間の苦衷や皮肉な立場をとりあげることが多いように思います。書かれていた当時としては、結構珍しいスタンスだったでしょうね。
 それと、やっぱりこの先生の作品の主人公は、内心でひとりツッコミをやるのが好きですね(笑)。



「だから素数よ」
「素数?」
「そ。1、2、3、5、7、11……。あたしが1、2、3、5って撃ち込んでやると、ダンディライオンはきっちり1、2、3、5、7、11って撃ち返してきたわ。それが偶然とは考えられないってこと……! OK、結論は出たわ」

 出典: 庄司卓「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ 9・籠の中のダンディライオン」

紹介 :みずほ 様
HP :

コメント:
 初めまして、既読の物は思い出しつつ、未読の物は飛ばしつつ1から読んできました。
 さて、互いに未知の地球外生命体とファーストコンタクトを取るにあたって、知性の存在を確認し、またその意思を確実に相手に伝える手っ取り早い方法と言えば「素数」ではないでしょうか。
 出展では、宇宙空間に突如出現した『それ』に主人公たちが攻撃を加えるのですが、『それ』はこの世界ではそれが一般的な交信方法だと思い込み、同様の反応(つまり同様の攻撃)をしてきます。
 そんな泥沼の中で、主人公は『それ』が返事をしているつもりなのだと推測し、出力を落として素数の並び通りに攻撃をしたところ、上記の展開になって主人公は『それ』に知性があることを確信するわけです。
 調べてみると、この作品以前にも素数を用いてファーストコンタクトを取る話は、カール・セーガンの「コンタクト」やアニメ「ジーンダイバー」などがあり、一つの定番になっているようです。更に「エレメントハンター」にも素数でファーストコンタクトネタがあったみたいですね。私は観てませんが。
 ただし、相手に知性があっても意思の疎通を図るつもりが毛頭ない場合、「インデペンデンス・デイ」のアパッチみたいなことになるのでご注意を

駄弁者:
 アレンジとしては単純に素数を並べるだけじゃなくて、素数×素数のマトリックスで情報を伝えるというのもありますね。砲撃でそれをやったら相互理解より先に相互破壊になること間違いなしですが。
>素数を用いて〜
 野尻抱介『素数の呼び声』というのもありました。…そういえば単行本化されるはずだったのが、出ずじまいです。



「あれは何だ! あんな生物が地球上に棲んでいるのか?」

 出典: 高橋二三脚本・湯浅憲明監督「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
『こんな侵略者はイヤだ!』第9回。
 自分たちを「宇宙一優秀」と豪語するバイラス人。その地球侵略第一陣が太陽系に侵入し、たまたま地球の衛星軌道上を周回飛行中だったガメラと遭遇。その時の第一声が、上記の台詞である。この直後、バイラス人の宇宙船はガメラに破壊される。その戦訓を活かし、宇宙船2号の乗組員たちは合体・巨大化能力を身に付け(そんな超能力、どうやって手に入れたんだ?)、ガメラに挑んだ。そして、ガメラが「人間の子供を愛する」という習性があると知ると、二人の少年を人質に取って脅迫するなど姑息な手段に出るが、結局はガメラに撃退されてしまった。
 本気で地球を侵略するつもりならガメラのことぐらい事前に調査・研究しとけ! 東宝のブラックホール第三惑星人はゴジラを徹底研究してメカゴジラを繰り出して来たではないか!(でも負けたけどね…)

駄弁者:
>宇宙船2号の乗組員たちは合体・巨大化能力を身に付け…
 合体する数が増えるごとに大きくなるやつですね(理屈は考えるまい)。あれ、ガメラ対策でわざわざ身につけたんだ…。



神様だー! 人間の神様だー!

 出典: ジェリー・アンダーソン制作「地球防衛軍テラホークス 第4話『スペースから来た金塊』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 地球に襲来したアンドロイド・ゼルダと地球防衛軍テラホークスとの死闘を描いた英国製SF人形劇。とはいうものの、決してシリアスな作品ではなく、後述するゼロイドと司令官・ナインスタインとの掛け合いが絶妙のコメディSFです。
 ゼルダが送り込んだ金塊を見たテラホークスのロボット・ゼロイドのリーダー、ゼロ軍曹(声・緒方賢一)の一言。いや神様ってあのねえ、他に言うことはないのか他に言うことは(笑)

駄弁者:
 あまりに端的に実情を突きすぎている…! コメディで済んでいるうちに破壊しておいた方がいいんじゃないかこのロボット。



私は特殊犯罪捜査室の樋口警部だ。まず、お前が一般日本人の容疑者と同じ権利を持っていることを伝える。従って、自分に不利になることは黙秘することができる。

 出典: 若槻文三脚本・黒田義之監督「ミラーマン 第23話『土星怪獣アンドロザウルス襲来!』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 思えば、「シルバー仮面」と「ミラーマン」というのは1970年代初頭の特撮ドラマ中、1,2を争うSF的な志が高い作品だったような気がします。
 円谷プロ伝統の華麗な光学合成、怪獣大暴れの派手な展開で裏番組(笑)を圧倒する一方で、人間と同じ姿ながら分身・壁の透過・憑依など様々な超能力を駆使し、その変身する姿も従来の怪獣とも宇宙人とも違う異形の姿のインベーダー。そして防衛組織、SGMも科学者・御手洗博士の私的な機関であるという設定など、さまざまな工夫が凝らされていた作品でした。
 その中で、第23話で謎の物体を地球に投下したインベーダーの一人を捕らえて警視庁地下の特殊尋問室で尋問するシーン。インベーダー専門部局が警視庁にあるとはすげー、と後で見たとき思いました。この樋口警部(声だけで画面には登場していません)主役のスピンオフシリーズなんてのもできそうな感じですね。
 とはいうものの、今冷静に考えると宇宙人相手に黙秘権認めるってどうなのよ(笑)

駄弁者:
 宇宙人相手のミランダ警告が確立されているらしいあたり、戦慄を禁じ得ません(笑)。外国人犯罪の増加程度で右往左往していてはいけませんね。
 …やっぱり公費で弁護士つけてもらう権利もあるんでしょうか。



名文句トップに戻る

第235集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第237集を見る