SF名文句・迷文句第277集

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ロボットが人を殺す時代が来たということだ。
アイザック・アシモフが見たら、泣いちゃうかもしれない。

 出典: 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
 アニメ化決定!ということで、ややSFとは遠いですがこの作品より一言。
 武器を憎む少年兵・ヨナと、砕けた口調で「世界平和」を謳う若き女武器商人ココ・ヘクマティアル、そしてココの指揮する一癖も二癖もある私兵部隊の武器を売り捌きながらの旅を描いた作品で、銃火器ドンパチあり、ライバル武器商人や取引先との交渉あり、そして物語の核心のスパイスのような少しのSF要素が心地よい作品です。
 このセリフは、ある取引での商品・無人航空機UAVについてココがヨナに語った一言。確かに近代のロボットのイメージの多くを形作ったほどロボットに入れ込んでいたアシモフは、泣くとは行かなくても落胆はするかもしれませんね。
 …でも、ロボットという言葉の初出となった『R.U.R』の時点でロボットは人間の奴隷的存在として描かれていたわけですし、それほど驚かないかも?

駄弁者:
 アシモフ先生は、自分の三原則が採り入れられていないことにがっかりしても、人を殺すロボットがいることそのものについてはあまりショックを受けないような気がします(三原則があるにも関わらず殺人を犯すロボットがいたら、かえって喜んで小説のネタにしそう…)。



思い出に残る花嫁衣装、この猫柳田にお任せを!
遠慮は無用、これも今までの恩返し!!
科学の力で一生忘れられない結婚式にしてみせます!!

 出典: 柳田理科雄原作・筆吉純一郎漫画「Dr.猫柳田の科学的青春 最終話『花嫁は科学の香り【思い出に残る科学的花嫁衣装を作ろう!】』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 東京科学大学大学院生の猫柳田愛吉は、尊敬するマナビ・キワム教授から共にアメリカのP大学に行かないかと誘われる。尊敬する教授が自分を助手に指名してくれたことは嬉しいものの、あまりに突然の話だったために猫柳田は迷い、返事を保留した。
 居候先のネッケツ家に帰った猫柳田は、長女ミチルと婚約者の結婚式の日取りが決まった事を知らされる。はっきり自覚はしていなかったもののミチルに惚れていた猫柳田は、ミチルと会話する中でアメリカ行きを決意。教授と後輩の一文字ケナゲに協力してもらって花嫁衣装を作り上げるのだった。
(ネタバレなので反転お願いします)
 植物の花びらが反射する光と同じ成分を蛍光塗料で再現した衣装(蜂が寄ってきて失敗)、磁力を使って常に花嫁がライトアップされる衣装と照明(磁力が強すぎて失敗)を経て最終的に猫柳田が作り上げたのは、スカート内部に仕込まれたネッケツ家の思い出の香りを遠隔操作で会場に漂わせられる衣装だった。偶然にも出発の日と結婚式が重なってしまったために猫柳田はアメリカ行きを隠しており、当日に衣装の事を任されたケナゲからミチル達は教えられた。

駄弁者:
 「科学の香り」が具体的になんの香りだったのかが気になるところですが…もう8年前の作品なんですね。



「東京タワーが!!」

 出典: 伊藤和典脚本・金子修介監督「ガメラ・大怪獣空中決戦」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 『警察・自衛隊・対策本部の迷珍言集』第30回。
 五島列島に現れた三匹のギャオスのうち生き残った最後の一匹が、ガメラとほぼ同じ大きさにまで成長して東京に飛来した。自衛隊は81式短距離ミサイルを発射してギャオスの撃墜を図る。が、ギャオスの空中での運動性と旋回能力はミサイルの誘導機能を遥かに超えるほど素早く、ミサイルは東京タワー付近で振り切られてしまった。このままではミサイルが東京タワーに命中してしまう……!
上記の台詞は、その様子を天王洲の某ビルに設置された臨時作戦本部から見ていた環境省の斎藤審議官(演・本田博太郎)の絶叫。この直後、ミサイルは東京タワーを誤射し、タワーは真っ二つに折れて倒れる。そしてその折れたタワーの上に「ギャオスが巣を作って産卵する」という名場面へと続く訳だが、こうした不可抗力によって自衛隊がランドマーク的建造物を壊してしまうというパターンは実に珍しい。斎藤審議官ばかりでなく、映画を観ていた観客の中にも同じ台詞を吐いた者が何人かあったろう(実際に口に出したか心の中で呟いただけかは個人差でしょうが)。この投稿が掲載される頃には東京スカイツリーがオープンしていることと思うが、近い将来「スカイツリーが!!」という台詞が出てくる怪獣映画も観てみたいものである。
 …という訳で、『警察・自衛隊・対策本部の迷珍言集』は今回で最終回とさせていただきます。後半は努めて自衛隊や政治家の台詞を多く取り上げたつもりですが、全体を振り返ってみると、やはり警察関係の台詞のほうが多かった様に思います。特撮ものというのは、意外とお巡りさんの活躍が目立つものなんですね。それでは、またいつかお会いしましょう。

駄弁者:
>「スカイツリーが!!」という台詞が出てくる怪獣映画
 東京タワーを「赤コーナー」にして誕生した怪獣と「青コーナー」のスカイツリー怪獣がデスマッチを繰り広げる作品とか。



「この前の精神診断で、ブライアンW症候群だって診断されたから、親が『治療受けとけ』って」

 出典: 山本弘「リトルガールふたたび」  『イマジネーションの戦争(コレクション戦争×文学5)』に収録  『アリスへの決別』にも収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 ネットが発達したあまりの衆愚政治のあと、独裁国家として再生した日本。
 2109年3月のある日、退院した小学6年生の菊地少年は、級友にナノモジュール移植手術のための欠席だったことをを話す。
 この治療のおかげで、頭の中のもやもやがすっきりして、以前より勉強に集中できるようになったと言うことです。ブライアンWときて、頭部に移植手術と来ると、これは例の「アミガサダケ」を連想せずにはいられません。
 余談ですがこの「イマジネーションの戦争」収録作で一番のヒットだったのが「スズメバチの戦闘機」(青来有一)。歴史好きの小学6年生が、ハチ退治に向かう自分を出征兵士になぞらえた作品で、まさに「イマジネーションの戦争」というタイトルにふさわしい一本でした。

駄弁者:
 「日本の長い闇夜」とでも言いたくなるような話でした(などと言いつつ、実はコメントを読むまで元ネタに気付かず、ロボトミー手術をしていた精神外科医の名前だろうかと思っていたんですが)。
>「イマジネーションの戦争」収録作
 まったく、芥川龍之介や小島信夫の作品といっしょに伊藤計劃、山本弘、秋山瑞人の作品が並ぶとは……すばらしい。
 地元びいきというわけではないですが、トリに入っている小島信夫「城壁」も不条理さが面白い作品です。難解な純文学のヒト…と敬遠している方はぜひ。



「もういいです。もうみんな好きにすればいいんです。勝手にすればいいんです。私はずっとこうしてますから……物質文明なんて砂に帰ればいいのに」
「イノエラちゃんしっかりして!謝る。謝るから!」
「気をしっかり持つのじゃ!お前の明日は明るいぞ!」

 出典: 中谷栄太「おとーさんといっしょ!2」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 第2巻で珪素生物の女王として、ヒロインは珪素生物を統治している円卓政府に迎えられるのですが、謎の怪人がそれを妨害し、主人公達はそれに立ち向かうことになります。その過程で、円卓政府を実質的に統治している5人の中にも亀裂が走るのですが、その際の一節です。
 5人はその能力から選ばれており、中には子どもや勝手に暴走する者もいて、ある意味唯一の大人は、イノエラだけです。そして、他の4人は、怪人の捜査に無関心だったり、勝手に突っ走ったりしてしまいます。それで、その内の2人をイノエラは説教するするのですが、話すうちに心労からイノエラは壊れてしまいます。それを見た2人は慌ててイノエラのフォローを行うのですが、何だか追い討ちをかけていないでしょうか。なお、これはヒロインの私室で行われており、ヒロインと主人公は何で私室でと生温かい眼差しを3人に向けている、という状況です。
 能力から統治者を選ぶべきだとは思うのですが、もうちょっと統治者は人格面も重視すべきだとも思ってしまいました。

駄弁者:
 まじめな話をすれば、統治者の人格は能力のうちだと思いますが…。
 人格円満な人ばかりでなりたっている政府は、少なくともラノベ世界の統治には向かないんじゃないでしょうか。



自分で見つけたMySelf 好きになって当然
くだらないやり方蹴って すべてはあたしが決める!

 出典: 畑亜貴作詞・神前暁作曲「Super Driver」(アニメ版「涼宮ハルヒの憂鬱」第二期OP)

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今月のテーマは「青春」。題して「おごりの春の美しきかな」。与謝野晶子の短歌から拝借しました。で、初回は以前にも投稿したSF青春小説のアニメ版第二期のOPから。いやあ、その…何というか……若いですね、こっぱずかしいまでに。ま、「若者」とは投稿の歌詞のように考えることのできる「人種」で、又そうであるべきでもあるのですが。いわゆる「青春の暴走」にどう対処するかは私達(泣)「大人」の問題であって、「若者」の側が関知することではありません。すべきことでもないですし。
 でも……この曲の投稿の行を聞く度に私の中に込み上げてくる、やるせないまでの「面映ゆさ」は、一体どうしたことなのでしょう。
 ねえ、駄弁者さん。

駄弁者:
 「自分自身のことを好きになって当然」とは、若者でも言い切れるヤツはそう多くはないでしょうが、無意識にカミサマやっている少女には、それぐらいに思ってもらっていた方がかえって安全かも知れません。
 ハルヒの能力でもって自己嫌悪に陥られた日には、世界がどうなるかわかったもんじゃない。



大事ない!
陣痛だ

 出典: よしながふみ「大奥」

紹介 :了次郎 様
HP :

コメント:
 この作品はSFなのか?と思いましたが帯に「SF大河ロマン」と書いてあったので。男女逆転の江戸時代を描いたアレです。  仕事中、急に痛みに襲われた八代将軍吉宗が心配する部下に言い放った一言。
 このあと、陣痛の真っ最中に大岡越前(女)が訪れて両替商たちが命令に従わないことを報告し、「くそ〜〜っ!商人め〜〜っ!」と叫んだ瞬間に生まれるという豪快すぎて笑える出産シーンが繰り広げられます。
 しかし女ばかりの社会で、農村では子供を一か所に集めて年寄りに養育させるという保育園的なシステムができてるくらいだし、吉宗も臨月くらいは部下に任せて休めるシステムを作ればいいのに……とか、将軍様がこれだと部下も産休がとりづらそうな……と余計な心配をしてしまいます。

駄弁者:
 立派にSFでしょう。センス・オブ・ジェンダー賞、ティプトリー賞の2冠に輝く名作です。
>豪快すぎて笑える出産シーン
 これが吉例になって、将軍家の御出産時には禁令に従わずとも苦しからず、なんてことになったらどうしましょう(笑)。



私は…どうしても抑えることが……ネットスフィアを見たくて……

 出典: 弐瓶勉「BLAME!」

紹介 :nao 様
HP :

コメント:
 初投稿です。連立する巨大な階層都市の中を、探索者霧亥は都市を正常化するため「感染前」の「ネット端末遺伝子」を求め放浪する。物語の中盤で、主人公霧亥たちが訪れた都市区画を襲撃する珪素生物のリーダー格、ダフィネ・ル・リンベガが死の間際に残した言葉です。
 人間とは異なる異形の生物となった珪素生物、そんな彼女(ダフィネルは女性らしいです。)が自らの存在を危険にさらしてまで行ったことは、「ネットスフィアが見たい」という好奇心であった。
 どんなに姿かたちが変わっても人間の根底にある欲望というものは枯れずに残っている。
 それにより人は進化しまたは身を滅ぼしてしまう。
 この作品はセリフがとても少ないのですが、その中で一番人間味のある言葉だと思います。

駄弁者:
 好奇心は猫も人間も珪素生物も殺します。
>この作品はセリフがとても少ないのですが
 この作品はめい文句集のご投稿で存在を知って、そのとき連載中だったものを見たのですが、セリフがひとつもなかったのでちょっとびっくりした記憶があります。



アフター・イエヤス40,000年

 出典: 田中天「天下繚乱ギャラクシー ー見参、銀河卍丸ー Replay:天下繚乱RPG」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 これには驚きました。
 このリプレイの発売は2・18なんですが、衝撃の所為でつい公式サイトのあらすじからの投稿です。(投稿日2・17)
 あらすじによると家康生誕から4万たっても今だ徳川幕府が健在で、宇宙空間に史上最大の星間文明を築き上げているそうです。

駄弁者:
 皇室は2万年ぐらい続いたのがついに途絶えてしまって、年号をどうするかを幕府が協議した結果、苦肉の策でAI歴が採用されたとか。そうでなくても万年単位で続けば年号はネタ切れになるか…。



見たぞ、デウス遺伝子。デウスの身体から出ていたとは…
デウスの正体分かりかけてきたぞ
あの身体の中に遺伝子液が詰まっているなら、私はこの遺伝子シンセサイザーを使ってデウスさえも改造できるかもしれぬ

 出典: 東映製作「超新星フラッシュマン 第45話『戦士よ 地球を去れ』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 改造実験帝国メスの大帝ラー・デウスはフラッシュマンを倒すために「デウス遺伝子」を大博士リー・ケフレンに与え、より強力なデウス獣戦士を作らせた。ケフレンはデウスが自分に対して何かを隠していることをサー・カウラーから聞いてデウスに不信感を抱いていたが、大博士である自分でも全く知らなかった遺伝子を与えられたことで疑惑を深めていく。
 デウスが自分の体からデウス遺伝子を抽出しているところを隠れて見ていたケフレンが呟いたのが投稿の台詞。後に自分が拉致されて記憶を奪われた地球人だったことを知ったケフレンはデウスを裏切り、獣戦士ザ・デウスーラ及びその強化体ザ・デーモスに改造してしまう。

駄弁者:
 ちなみに「遺伝子シンセサイザー」ならぬ「DNAシンセサイザー」は普通に存在します。楽器の形はしてないみたいですが。



エヌ氏はずっと、幸運の品の下で暮していたのだ。そうと知ったとたん、彼は大声で笑い、泣き、そして笑い、そのあとはいつまでも泣きつづけていた。

 出典: 星新一「幸運のベル」  『午後の恐竜』に収録

紹介 :ラッキー・チャンス 様
HP :

コメント:
 今回は日本SF御三家のトリ、星新一のショートショートから。この作品のコンセプトは単純です。世の中のあらゆる商品を宝くじ化してしまった社会の物語。商品単価に応じて当たる確率を加減して、3年間遊んで暮らせるくらいの莫大な賞金がもらえる制度が政府公認で実施されています。当たり判定は、包装を破って除くと商品の発する特殊な放射線を受けて「幸運のベル」が鳴るかどうか。このシステムのおかげで売上げが伸びて不況打開の効果が出ているという設定です。主人公のエヌ氏もご多分に漏れず、無駄に浪費を繰り返してでも商品の包装紙を破るという行為の中毒にかかっている状態でした。けれどいつまで経っても当たらない。ある日エヌ氏は疑問を抱きます。我が家の「幸運のベル」は故障しているのではないか?そこで新しいベルを買ってきて、その包装紙を破ると・・・鳴ったのです!鳴っているのは買ってきたベルだけで、前からあった天井の幸運のベルは鳴っていない。当たり商品は何だったのだろう?包装紙で様々な物を覆って確認していくと、天井のベル自体が当たりだったというオチ。引用箇所は作品を締めくくる一文です。

駄弁者:
 自殺しようとして劇薬の封を開けたときでさえ、ベルが鳴るのを期待してしまうというあたりも、泣き笑いを誘われます。
 ラストを読んで、ベルのシステムに不備があると会社なり政府なりを訴えれば、賞金に慰謝料を上積みしてもらえるのでは…と考えてしまった私は、エヌ氏より救われがたいんじゃないかと思います。



「ロボットは疲れないと思っている人間は多いが、これだけ人間に近付くとロボットだって疲れるんだよ。逆に言えば人間の体だってメカニズムなんだ。使いすぎればどんなメカニズムも疲労する」

 出典: 浦沢直樹「PLUTO(プルートウ)」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 TEAM NORTH-MOAI(R)様の名文句の時に引用されていた名文句の全文です。
 ユーロポール所属のロボット刑事・ゲジヒトがメンテナンスを終えた際に言った、担当者・ホフマン博士の言葉です。
 そもそも「疲労」とは、「精神あるいは身体に負荷を与えた際に作業効率(パフォーマンス)が一過性に低下した状態」との事ですので、そうした意味ではロボットの体も生身の人体も使いすぎれば疲労するというのは正しい考え方なのでしょう。

駄弁者:
>どんなメカニズムも疲労する。
 逆に言えば、人間のだろうとロボットのだろうと、疲労するからには精神もメカニズムの一種だ…と言えるのでは。



裏切られたからって、裏切るつもりはない。他人に褒められようが捨てられようが、そんなのはただの結果だ。

 出典: 福井晴敏「亡国のイージス」

紹介 :静夜 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです。投稿しておいて言うのもなんですがイージスをSFだと押し通すのはちょっと無理!?と思ったのですが、Twelve Y.Oがここに掲載されていたのでだったらイージスもOKだろうと投稿してみました。(だめならそれで良いです。OKの時はカッコの部分は消して下さい)まあジョンヒはテレパシーもどきを使って行を誘惑していましたしね。
 この言葉は捕えられた行が君を送り込んだことを否定し君を見捨てた雇い主(国)に何んでも良いから言ってやれと宮津に言われ、その宮津に向かって言った言葉。行は愛国熱血青年とは正反対のけっこう複雑なキャラだけど、「ただの結果」と言えるあたり強いなと思います
 余談ですが行と戦闘妖精・雪風の零って基本的な性格が似ている気がします

駄弁者:
 確かにSFというのはキツいと思いますが…。この人の作品は現代を描いていても未来が宇宙世紀に続いていそうな感じがすることですし。行とジョンヒはきっとニュータイプです。
>戦闘妖精・雪風の零って基本的な性格が似ている気がします
 言われてみれば……同感です。雪風実写化のあかつきには、配役は勝地涼で。



おい、バカイザーはないだろ。せめてちゃんとバカカイザーといえ。合わせ技は腹立つ
…(中略)…
何プチ流行してんの オイ人質以外処刑しろ。
…(中略)…
よしわかった。明日からバカイザーに改名する。ただしバの音は聞こえるか聞こえないかくらいでいえ。

 出典: 空知英秋「銀魂 第325訓『夏休み明けも皆結構大人に見える』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 ある日新八が万事屋に出勤すると、銀さんは長髪の某ヤ○チャ風、神楽はグラマーな女性に変貌を遂げていた。一週間(注・ジャンプ本誌連載休載分)しか過ぎていないのに、いつの間にか2年の月日が経っているのだという。驚愕する新八に追い打ちをかけるように明らかになる事実。お妙さんは近藤と結婚、九兵衛と桂はそれぞれ○転換(笑)、にこやかな好青年と化した土方は副長になった山崎にパシリにされ……。そして沖田総悟は神聖真選組帝国皇帝(カイザー)ソーゴ・ドS・オキタ3世として江戸の制覇を企んでいた!
……1世と2世は?
 それはともかく、かぶき町の銀さんたちを攻撃するための人質にされた新八に、「バカイザー」と罵られた際の沖田のセリフ。微妙に崇拝されているようでされてないのが笑えます。いやー、それにしてもこのセリフ、ポプランたちに教えてあげたかった(笑)

駄弁者:
>このセリフ、ポプランたちに教えてあげたかった
 同盟共通語が日本語だったらそうしてあげてください。しかし「くたばれ、バカカイザー!」言っていたのでは、永久に帝国とイゼルローン組は手を取り合えない気がする…。



妻「私たちね、レガナ星の暮らしが長かったの。あの星は自転速度が地球の3分の1だったもんで。」
夫「一日の長さが72時間なんだ。人工太陽ならこんな風に自由に調節が可能だからね。
  それになんといってもここは格安だからね、地下20階まで来ないと僕なんてマイホームなんて持てないんだよ。」

 出典: もとひら了脚本・安藤敏彦演出「21エモン第9話 『アルバイトで200万!スペーススーツ獲得大作戦』」

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 ジロ・ミケランがデザインしたスーパースペーススーツ(価格200万円、ちなみに2001年に最初に市販されたスペーススーツは8000万也。)を購入するため子供センターの紹介で引越し屋のアルバイトを開始した21エモン(以下エモン)。
 依頼客の若い夫婦は新居購入で貯金を使い果たしてしまったため引越しの必需品であるオートコンベアも圧縮コンテナも用意できず、エモンのケンカ友達のリゲル(彼もスペーススーツ購入のためにアルバイトしていた。購入費用の半分を父親に出してもらい、2年計画で。)の運転するエアカーゴは10分しか待たずに次の仕事先に向かってしまい途方に暮れるエモン達でしたが、エモンの様子を窺っていた『つづれ屋』居候の『絶対生物』モンガーのテレポート能力で何とか引越しを終わらせます。
 引越し先は人工太陽のおかげでで日照時間や温度や明るさを自由に調節可能な地下20階の分譲住宅、投稿の台詞は何故こんな家を購入したかをエモンに説明する夫婦のものですが、警備員や看護士(当時は看護婦)の様な地味かつ過酷な労働はロボット任せでアルバイトは子供の教育のために存在するもので失業者等は存在しない社会でも経済格差は確固としてあり続けるというのがなんとも……。
 あとこの夫婦の勤務先や勤務形態(21エモンの世界では地球の4日が自星での1日にあたる異星人が4泊した場合1日分の宿泊料金しか請求できない上、貨幣制度が無い星の客からは料金を請求する事が出来ない等、相手の星の習慣が優先される。)がどういう風になっているか非常に気になるものがあります。
 ちなみに肝心の引越し料金ですが、夫婦が貯金を使い果たしてしまったため次の給料日に残額を払うという約束でお駄賃ほどの小銭が支払われたのみでした。

駄弁者:
 重労働はロボットまかせで人間は地下生活…なんかソラリアみたいな世界ですね。あそこは人口が少ないせいもあってか経済格差もほぼなさそうでしたが、人口稠密な世界だとロボットがいたとしてもそうはいかないんでしょう。
>相手の星の習慣が優先される
 それで異星人が地球で働いたときは地球の1日計算で報酬が支払われるとしたら、目も当てられませんね…。



「怪獣も同然だ!撃て!」

 出典: 金城哲夫脚本・鈴木俊継監督「ウルトラマン 第33話『禁じられた言葉』」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 『警察・自衛隊・対策本部の迷珍言集』第29回。ひょっとしたら「ウルトラマンより強いかも」な宇宙人、メフィラス星人登場の巻より。
 メフィラス星人に誘拐された科特隊のフジ・アキコ隊員が巨大化され、催眠術で操られた。都心部のビル街を破壊するフジ隊員に、警視庁の警官隊は銃を向ける。現場に駆けつけたムラマツ隊長ら科特隊の面々が「やめて下さい!怪獣じゃないんですから!」と叫んでも、警官隊は発砲を続けようとする。上記の台詞は、その警官隊指揮官(演・中島春雄=ゴジラの中身!)がムラマツ隊長の制止を振り切って部下たちに下した命令である。
 このお巡りさんの判断は正しい。既にビルが一つ二つ壊され、実質的な損害が出ているのだから、実力行使に踏み切るのは当然だ。フジ隊員は催眠術で放心状態になっているので刑事責任を問うことは難しいだろうが、市民生活を脅かす存在を強制排除するのは警察官として当たり前の責務である。それにひきかえムラマツ隊長ときたら……「たとえウルトラマンでも、この地球上で暴力をふるう者とは戦わねばならん」という立派な名言を吐いた人とは思えない言動で……やっぱり、いざとなると外様より生え抜きの方が可愛いってことなのか? キャップ、少しはこのお巡りさんを見習って下さい。

駄弁者:
 しかしそこで「怪獣も同然だ!」と発言してしまっては、「特撮界の理想の上司」にはならないのでは。苦衷のすえ発砲を決断する、というくだりがあるとよかったですね。



「こんなに素直で可愛い女の子を手塩に掛けて育てた末に、将来的にはお嫁さんにできるんだよ!?どこに不満があるのか全然分かんない!」
「一から十まで全部不満だ!というか、そんなろくでもない計画を立てた覚えはない!」

 出典: 中谷栄太「おとーさんといっしょ!」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 稀珪石と呼ばれる物質が隕石に付着して飛来。人類が気がついたときには、稀珪石が人体の一部となった「珪素生物」が誕生していた(なお、珪素生物と人類との交配は可能で、どちらも生まれる可能性があるが、珪素生物の可能性が高い)。そして、地球上では珪素生物が圧倒的多数派となり、珪素生物によって、人類は特区で保護される存在となっているという近未来が舞台の小説です。
 主人公は人類でトラブルに巻き込まれ、珪素生物の少女を保護するのですが、その少女はどうも訳ありのようで、トラブルから目覚めた際に、主人公をおとーさんと呼んで懐いてしまい、押しかけ女房ならぬ押しかけ養女になって、主人公と同居します。上記の科白は、同居を始めた直後の会話なのですが、私が主人公でもそういうぞ、と思いました。いきなりトラブルを持ちこみ、押しかけ養女になって、嫁にしろ、と迫るのですのですから、いくら可愛くとも、私でも引きます。なお、お約束通り(?)、この後、少女の秘密が明らかになっていき、珪素生物社会を揺るがすことになっていくのですが、それは後の物語ということで。

駄弁者:
 『源氏物語』(最近なら『プリンセスメーカー』…もう最近じゃないか)は男のロマン、という人もいるでしょうが、この主人公は違ったようで。まあトラブルが前提だったり、自分に財力権力がなかったりしたら、光源氏も二の足を踏んだかも…(珪素生物云々は、気にしないような気がする(笑))。



彼らに取材を許してもらうためには、特殊な交渉術を用います。それについては極秘事項のためお見せすることは出来ませんが、今回も無事密着取材することに成功しました。

 出典: NHK制作「タイムスクープハンター」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 歴史のあらゆる場面を記録するタイムアーカイブ社の調査員、沢嶋雄一。
 彼はタイムスクープハンターとして、市井の人々の記録を残すために様々な人々と接触する。未来人である彼との接触によって歴史が変わることを防ぐため、同行取材を行うときに、特殊な交渉術を用いて、表舞台に残らない歴史の一場面を記録してゆく。
 NHKで半年ごとに放送中のドラマ仕立ての歴史番組から。
 交渉術を見せられないのは悪用を防ぐためで、決してゴマカシや逃げ台詞ではありません?
 ちなみに沢嶋氏の前職は警察の特殊部隊。今回の歴史調査員とあわせて危険な任務を勤め上げたことが評価されて、先日「うどん県」副知事に昇格したとのことです。

駄弁者:
 交渉術しだいでなんとかできるタイムパラドックスというのも、考えてみれば斬新なような…。『メン・イン・ブラック』みたいに、話し終わったら「ピカ!」ってやるのが「交渉」じゃないだろうな(『メン・イン・ブラック3』はタイムスリップするらしいですが)。



海から大きなものを獲ろうとしたらかわりに大きなものを返さなきゃならなくなるんだ

 出典: 星野之宣「ブルーホール」

紹介 :へんな毒 様
HP :

コメント:
 ブルーホールの新装版が出たので記念しまして、アフリカのコモロでブルーホールを調査の為訪れた海洋船に発見に重要な役割を果たしたということで招待されたガイア、彼女はシーラカンスの巣と言われる$ツい穴≠ナ密漁をしていたがその代償として父親と祖父を亡くしています。セリフは甲板で調査員の1人であるアレフと話していた時のものです。アフリカ辺りの漁師に伝わる言葉だそうですが表現は違えど結構色々な国の狩猟生活してる人の間で使われてる教訓なんだろうなと思いました

駄弁者:
 「ブルーホール」から2つご投稿をいただきましたが、名文句らしくまとまっているこちらを掲載したいと思います。
 狩猟生活の実体験から出た言葉であるとともに、作品自体の暗示にもなっているんじゃないでしょうか。



私たちレダム人は、滅多に争いごとをしません。理由の一つがこれです。もし人がひどく興奮し、顔を歪め、非論理的(この言葉には”愚か”とか”許し難い”という概念が含まれていた)になったとき、そういう自分の姿を、ちょうど他の人々が見ているように直視することになったら、どうなるでしょう?

 出典: シオドア・スタージョン「ヴィーナス・プラスX」(大久保譲訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 平凡なアメリカ人、チャーリー・ジョンズはレダム人の探索機によって地球のサンプルとして確保され、レダム人の国で目覚める。レダムの服に身を通したジョンズは、世話人に鏡を要求すると、彼は指輪を展開して姿見を差し出す。鏡はレダム人にとっては防具の一種でもあった。鏡を防具として持ち歩く彼らの理由とは。
 非論理的な態度!トンガリ耳の誰かさんが大喜びしそうなセリフですね。
 そういえば、スタージョンは脚本家としてスタートレックに参加したという話もあったような。

駄弁者:
 ツィッターやブログコメントを書くときにも、自分の顔を映すカメラが必須ですね。しかしまあ、それで態度が改まる人なら最初から醜い争いはしないんじゃないかと思いますが…。
>スタージョンは脚本家としてスタートレックに参加した
 ヴァルカン人の生殖を語った『狂気の季節』(TV邦題『バルカン星人の秘密』)は彼の脚本で、評価が高いです。



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