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荒涼として地球とは全く違った光景、静寂の地であった。地球の自然は長い間人々にみつめられ、人間の親しみ易い形に変化している。火星の姿にはその親しみはないが、虚飾を取り去った人間本来の心に共通したものがあった。迫力ある声でうったえるのでなく、やわらかく呼びかけるのでもなく、静かに自分自身の心をみつめさせるのであった。
出典:
星新一「火星航路」 『天国からの道』等に収録
紹介 :ゆめうつつ 様
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未来を見てしまったらもう未来じゃない
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フィリップ・K・ディック原作・ジョン・ウー監督「ペイチェック」
紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
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宇宙から来た怪獣や宇宙人は色々なものに自由に姿を変えることができるが、宇宙人なら当たり前のことかもしれない。
出典:
円谷プロ監修「ウルトラ怪獣入門」
紹介 :シロダコ 様
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科学がすべてではない!科学は人間の生活を豊かにしたが、同時に心をまずしくしたのではあるまいか!!
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藤子・F・不二雄「ドラえもん『しつけキャンディー』」
紹介 :春夏秋冬 様
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どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。
出典:
藤子・F・不二雄「ドラえもん『ご先祖さまがんばれ』」
紹介 :春夏秋冬 様
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「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
出典:
ピーター・デイヴィッド「スパイダ−マン」(富永和子訳)
紹介 :kenji 様
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人間?アーブの知性体に比べれば取るに足らない下等な生命だ。
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円谷プロ制作「ウルトラマンメビウス 第9話『復讐の鎧』」
紹介 :名無しの案山子 様
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「──したがって、一個の天体は、一定の位置と速度をもつことは可能なのですが、その両者を同時に──いかなる空間=時間構造との関連においても──もつことができるとは言えないのです」
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フレドリック・ブラウン「狂った星座」(中村保男訳) 『宇宙をぼくの手の上に』に収録 ロバート・ブロック編『フレドリック・ブラウン傑作集』にも収録
紹介 :冬寂堂 様
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「そうだなあ。だけど、どっちかというと、やっぱりふつうのミステリーのほうがいいな。いまのようなのは、どうも荒唐無稽で性にあわない……」
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フレドリック・ブラウン「帽子の手品」(星新一訳) 『異色作家短編集2 さあ、気ちがいになりなさい』に収録
紹介 :冬寂堂 様
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2010年、青少年健全育成計画が施行された。
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山田悠介原作「スイッチを押すとき」
紹介 :Y 様
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我々の種族にとって上半身の被服は全て武装であり 武装した相手の5等身分までの接近は敵対行動とみなされる 以後は充分に注意すること
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粟岳高弘「3型拡張空間」 『鈴木式電磁気的国土拡張機』に収録
紹介 :かんきち 様
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君は選ばれた
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マイケル・ベイ監督「アイランド」
紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
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……周波数と秒針で音楽を語るような奴らに言われたくないわ
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彩院忍「電脳天使」
紹介 :首くくり 様
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また小惑星が衝突したら今度こそ人類は滅亡だ!! 宇宙植民は少年のたわいない憧れや青白い夢ではない。タフな選択…血みどろのサバイバル…全てをかけた民族大移動でなくてはならぬ。人類の生存は全てに優先する!! 個人の生命より、自由より、愛より、民主主義よりもだ!!
出典:
木城ゆきと「銃夢 Last Order」
紹介 :唯野 様
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幸福も牢獄なんだ。
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アラン・ムーア「V フォー・ヴェンデッタ」(秋友克也訳)
紹介 :阿部ピロシ 様
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ふつうというのは乾燥機の設定のことですよ
出典:
エリザベス・ムーン「くらやみの速さはどれくらい」(小尾芙佐訳)
紹介 :零月 様
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E.L.E. -- Extinction Level Event
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ミミ・レダー監督「ディープ・インパクト」(菊地浩司・字幕翻訳)
紹介 :ながぴい 様
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見ないで!
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眉村卓「まぼろしのペンフレンド」
紹介 :冬寂堂 様
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私達にできることはただひとつ…
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大石まさる「缶詰めのアリス」 『水惑星年代記』に収録
紹介 :かんきち 様
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「もうあの楽しい大会は開けないわ。みんな死んじゃったんだもの!出版業界はきっと全滅だし、SFの半分は時代遅れになってしまった。これから何年間も食べもののうばいあいがつづくわ。だいいち、飛行機便がなくなって、どうやって大会が開けるというの?」
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ラリー・ニーヴン&ジェリィ・パーネル「降伏の儀式」(酒井昭伸訳)
紹介 :冬寂堂 様
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HP :
火星での動物発見採集のために、宇宙船鮎号で地球から六ヶ月の旅路に出発した四名の操縦士と三名の生物学者たち。おのおのが必然的に遭遇する退屈。それを解消するために西明夫が考えついた案とは……?
私の星新一氏のお気に入りの中では数少ない晩年の作品です。ネタばれになるので内容についてはこれ以上書けませんが、初期から中期の感性や詩情に溢れた作品が若い時にしか書けないのと同じく、著者が若者をみつめる年配者になったからこそ書ける作品だと思います。
自分が深く感慨を受けるのは、それ相応の年になったからとも言えますが。
初出はSF同人誌「宇宙塵」の6,7号(1957年)のようですので、むしろ初期作品と言えるのではないかと思います。
ご投稿をいただいて、図書館にある「宇宙塵傑作選」に収録されているのを読んでみました。ラストはショートショートのように軽くブラックになるのかな…と思いきや、なかなか微笑ましい展開なのが、ちょっと意外でした。
序盤にある風刺やご投稿の一節のような描写など、さすがと思わせる作品ですね。
HP :
そう、分からないから未来なんですよね。ネイティブアメリカン曰く「未来は前から来るのではなく、見えない後ろから来るのだ。」だ、そうです。うまい事いうなあと。
さてこの「ペイチェック」ですが、SFというよりアクションかサスペンスの欄に置いた方がいいような気がします。監督ジョン・ウーだし。ちゃんとハト出てるし。2丁拳銃もどっかで出てるんだろうな気が付かなかったけど。(片寄った見方かな?)
見たことを記憶している時点で、その人にとっては過去ということになりますね。
>「未来は前から来るのではなく、見えない後ろから来るのだ。」
未来が後ろから来るというより、私たちが未来に向かうときは、常に未来に背を向けて後ろに歩くことになる…というイメージが思い浮かびます。精一杯振り向いて進む先を見ようとしても、真横の現在か、せいぜい他の誰かが歩いている斜め後ろしか見ることができない…というふうに。
HP :
色々な宇宙人が出ているアニメとかテレビ等を見ていると、上の台詞が実感できるのがよくわかります。
実感…できますか? 宇宙人が色々多様な姿をしているのは当たり前としても、自由に姿を変えられることは当たり前にはほど遠いと思います。「宇宙人だから」で思考停止してしまうのは、面白くないし。
HP :
遅ればせながら自己紹介を。春夏秋冬です、宜しくお願いします。
閻魔や地獄など科学的ではないと言うのび太に対して言ったドラえもんの反論。自分自身が科学の産物なのに、こんな事を言えるドラえもんにちょっと感動しました。
はい、こちらこそよろしくお願いします。
下の名文句で「戦争」を突き放したドラえもんお兄さんは、こっちでは「科学」を突き放しています。
…けどこっちにはちょっと反論。科学でもって貧しくなるような心だったら、おおかたそれがなくても貧しくなってしまうんじゃないかなあ。「科学」を「宗教」に置き換えても、きっと同じことが言えると思います。
HP :
戦で「正しい方を助けなきゃ」と思うのび太に対して言ったドラえもんの戦争論。
ドラえもんはロボットですが、こういう自分の思想を述べる事が多々あります。
ドラえもんは名文句を言う時、経験上からものを言ってないのが多いと思うのですが、説得力があるのは何故でしょうか?
ドラえもんは、のび太(と読者)にとって、ある意味お兄さん的な立場でものを言うことがあるような気がします。
このエピソードは、のび太のご先祖さまに会いに行くというもので、ドラえもんのひみつ道具をご先祖さまは戦で手柄を立てるより、狩りで獲物を捕らえるのに使ってしまう…と。このドラえもんのように戦争をクールに突き放す視点で見れば、ご先祖さまはなかなかの賢者だったのかも。
この力は天からの贈り物。そして呪いでもある。
僕は誰かって? スパイダーマンさ。
HP :
アメ・コミの映画化作品(1作目)のラストから。
主人公ピーター・パーカーは、大いなる力を手に入れるが、最初はその力を、自分のためだけしか使おうとせず、警官に追われている強盗犯人を見過ごしてしまう。だが、その直後に育ての親であるおじが殺され、殺したのが見過ごした強盗犯人だと知ったとき、彼は、正義のために戦うことを決意する。それは、つらい戦いの始まりだった…。
そして「呪い」とまで言っている点に注目。ピーターは、おじを死なせてしまった自分の贖罪のため戦い続けるのです。
ピーターがスパイダーマンになった原因が遺伝子組み換えしたスーパースパイダーに咬まれたせい…というエクスキューズをもってSFに入れてしまうのは、ちょっとムリがあるような気もしますが、まあいいか。それにしてもどんなクモなんだ、それは。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」とは、亡くなったおじがピーターに遺した言葉でもあります。
ノヴェライズ著者のピーター・デイヴィッドは、彼自身もアメコミ作家。もっとも私は「エンタープライズ狂想曲」や「ヴェンデッタ」などスタートレックのオリジナル小説で名前を覚えています。前に紹介したときにも書きましたが、キャラのかけ合いがなかなか巧み。
HP :
色々あって今やすっかり荒んだ生活を送っているやさぐれウルトラマン「ハンターナイトツルギ」は、惑星アーブの知性体を滅ぼした高次元捕食体ボガールを親の仇のごとく憎んでいます。そのボガール殲滅のためには地球の人間を巻き添えにすることも厭いません。当然主人公のウルトラマンメビウスはその行動を非難するのですが、それに対してメビウスに言い放ったセリフがこれです。
この手のセリフは侵略宇宙人から言われることは多いのですが、仮にも一応元ウルトラマンから言われた日にゃあ結構へこむこと請け合いです。
もっとも言われた方のメビウスも「そ、そんな」と絶句したものの、特に否定したり反論したりはしてくれなかったところを見ると、ウルトラ一族も口には出さないものの、人間のことを普段からあんまり上品な知性体とは思っていないみたいですね。とほほ。
反論なしでしたか。地球人にだって素晴らしいところがあるとか、せめて将来有望だとか言ってくれても良さそうなものなのに…。
宇宙警備隊の理念が動物愛護の精神だったりしたら嫌だな。
HP :
もうひとつ、ブラウンの作品で一番好きな話から投稿します。ある日、ロジャー・ジェローム・フラター君が瞬間比較視器を使って星の動きを観察したところとんでもないことが起こっていた。恒星であるはずのポラックスが一日で十分の一秒も動いていたのだ。そんなことありっこない!同僚に相談しても同じことを言われ、帰るすがら夜空を見上げると他の星も移動を始めていることの気づいたのでした。
投稿した台詞は、物理学者のミルトン・ヘイズ博士がテレビの対談でこの現象を説明している(ふりをした)台詞でアナウンサーからの質問は万事この調子でかわしています。
この話、大好きなんですよ。これだけの事件を起こした原因といい、結末といい、おバカさ全開っていう感じで。でもこの話の見所はなんといってもヘイル博士が事件を解決するために全米中を走り回るところで、その手段がなんとタクシー!いったい何日かかるんだろう?
見事なギャフンオチでした。…綴りが間違っていたというのが傑作。
星座が狂いだした原因を尋ねられた天文学者たちの回答も、名文句揃いだったと思います。
「それがわかればねえ」
「だれかが、なにかが狂っているんだ。狂っているのがこのわたしなら、ありがたいんだが」
「この異常は不可能である。従って、原因などありえない」
「今、占星学の大家を捜しとるところなんです。だれかいい人を知っていませんか」
確信犯のヘイズ博士と対照的に、こっちは良くも悪くも正直。
HP :
短篇SFの名手、ブラウンの作品から投稿します。映画を見に行った四人の男女、ウォルターとエルジー、ボブとメイは映画を観た後エルジーのスタジオで酒盛りをはじめます。酔った勢いでボブが披露した手品のタネを明かしてしまったウォルターは代わりに手品をする羽目に…。投稿した台詞は、ウォルターが手品を「披露」した後でボブが彼に薦められた本「とてつもなく奇妙なのがあるよ。べつな世界の生物がやってきて、人間そっくりの形になり、人間のふりをして生活している、とかいう話だ」という言葉に対するもので。他愛のない言葉の積み重ねからとんでもないラストを想像できてしまうところがミソです。
実は、142集でかんきちさんが投稿した「ウルトラマンダイナ 少年宇宙人」を読んだときに真っ先に思い出したのがこれだったりします。
ウォルター君、心理学の卒業論文で「人間の心には、信じられない出来事を理解する能力が、いかに欠けている証明しようとしている」んだそうですが…。理解できないんじゃなくて、理解したくないだけですから(笑)。あとその論文、どこの世界の大学に提出するつもりなんだろうか。
真相から目をそらしてしまう…というところで、私はこっちを連想しました。
これは青少年の深層心理解明の為、全国で無作為に選出された5歳の子供達が心臓にある装置を取り付けられるものである。
10歳になったら、子ども達は隔離され、教えられる。
「そのスイッチを押せば君の心臓は停止する」
HP :
GyaOというサイトで公開されているドラマの話の冒頭で流れるナレーションからの投稿です。原作者が「リアル鬼ごっこ」とかいう小説を書いた山田悠介さんという人だとか言うことでメイキング映像も公開されています。
ドラマは青少年健全育成計画(通称CYP)が開始されてから20年後の2030年に、隔離されている子ども達が自らの命を絶つスイッチを押すまでの様子を観察する監視員をしている南洋平という人が横浜のCYPの施設に転勤になるところから始まります。通常隔離された子ども達は長くても2,3年でスイッチを押してしまうのですが、南が勤めることになった施設では4人もの子ども達が7年間もスイッチを押さずに生き続けていたのです。
…といった感じで始まるのですが、もし誰かに「このドラマは面白いのか?」と聞かれたら僕は間違いなく「いいえ」と答えると思います。何故かというとそもそもCYPの目的がよく分からない(劇中では「自殺者が急激に増加している原因をつかむため」と説明されていますが)ですし、舞台は2030年のはずなのに子ども達が隔離されている施設の中しか未来的な感じがせず、その施設から一歩外に出れば景色は2006年そのものです。
そんなわけで実質トンデモドラマと言ってもいいかもしれないくらいの内容ですが、17歳の子ども達(僕よりも年上ですが)がスイッチを押すまでの葛藤とかはいろいろな意味でかなり見応えがあると思います。9月29日で公開が終了されるのでこの投稿が掲載される頃にはもう見られなくなっているかも知れませんが興味があれば一度見てみることをおすすめします。
設定は面白そうだと思うんですけどね。
しかし、スイッチの有無そのものが実験体に影響を与えてしまう可能性が大なので、ちゃんと自殺の原因を探るんだったら、スイッチのない子どももどこかに隔離して同じふうに観察する必要があるんだろうなあ、と。
HP :
少女が変な生き物に遭遇してスクール水着姿になったり全裸になったりする変な漫画を集めた短編集です。引用したのは変な生き物から少女への警告です。ゆえに少女はふんどし一丁なのです。ちなみに成人向けではありません。
他の収録作品のタイトルを挙げると、「浸水殻」「異星構造体」「上内沢遷移点」「モヘモヘ」「遠州灘立方体」「増殖改変体第5形態」など。内容はみんな同じです。
被服は全て武装だけど、被服がない方がある種の男子には強力な武器になるとか。
HP :
スピーダーが似合うぞマクレガー!
そんなことはさておき
クローン体にオリジナル体の記憶は存在するのか?ていうか記憶がないと話が始まらないんですけど、なんとなく釈然としませんねぇ。
これが士郎政宗だと「ヒトブタ」あたりになってしまうんですが。
このまま医学が進歩するとヒトクローンより自己再生医療の方が先に実用化されちゃうんじゃないかと。
大体部品一個取る為にヒト全体維持しなくちゃいけないなんて非効率的ですぜ。
完璧に管理された都市で不自由なく暮らしていた主人公たち。彼らにとっての夢は「アイランド」と呼ばれる楽園行きに抽選で選ばれること。しかし「アイランド行き」の真実とは…上のコメントにあるようなわけでした。
クローンにオリジナルの人間の記憶があるということは…つまり記憶をDNAに保存できるということ!? そいつはきっと貴重なミュータントだから、臓器に使うのはもったいないんでちゃんと保存しときましょう。
>大体部品一個取る為にヒト全体維持
適当に栄養さえ与えておけば臓器をワンセット保存できるんだから、結構効率はいいのかも知れません。再生医療でも、臓器の養殖に生体を使うアイディア(豚なんかを使うそうです。まさに「ヒトブタ」…)があるそうですし。非効率というなら、臓器用のヒトを維持するのにヒトの社会をわざわざシミュレートしてやっていることでしょう。
HP :
人工知性体であるPCに音痴と言われた、製造者の反論のセリフ。
採点機能付きカラオケとかに、同じ事言ってやりたいです。
前集で「自分にとって心地よい音が他の人にも同じように聞こえているのかどうかはわからない」とあったのを連想しました。
…テストで悪い点をとって「こんなもので私の知性は計れないんだ」と言っているのと似ているような気もしますが。
HP :
巨大隕石の衝突による文明崩壊から100年、各地のシェルターで細々と生き延びていた人類は、アーサーという稀有な指導者を得て、復興への道を歩みはじめていました。ところが、アーサーは福祉やらなにやらには目もくれず、ようやく再生し始めた人類文明のリソースを徹底的に宇宙開発に注ぎ込みます。反対者を容赦なく弾圧し、非人道的な冷凍睡眠の人体実験まで行うそのやり方に、無数の刺客が送り込まれるほど。長年アーサーを暗殺者から守ってきたヴィルマもとうとう我慢できなくなり、問いかけます。「地球を再開発してからでも宇宙植民は遅くはないだろう?」それに対するアーサーの返事が投稿の文句です。まあ現実的な話をすれば彼の統治は受けたくないというのが本音ではありますが(笑)、見ている分には実にシビれる名台詞だと思います。
非常時を理由にやりたい放題というのは、古今東西わりと例があったりしますが、このような指導者が許容されるのは、それこそこの名文句で言われているような状況だけに限られねばならないと思います(いや、それでも許容していいものやら…)。
それも最も危険で陰湿な牢獄だ。
HP :
先日、日本でも劇場公開された映画の原作。20年前のコミックですが、充分に現代でも通用する深みがあります。
マザーコンピュータに管理された全体主義国家:イギリス(さすがにこの設定は古い…)。その政府にただ1人戦いを挑む仮面のテロリスト:Vと、彼に助けられて以降、行動を共にする少女:イヴィーの物語。
この作品が恐ろしいのは、キ○ガイのテロリストであるVを肯定的に、魅力的に描いていることだけではありません。目先の幸福にのみ耽溺し、権力をのさばらせたままにしておく一般人ひとりひとりこそが諸悪の根源なのだと糾弾している点です。
それを最もよく表しているのが、今回投稿したVの台詞です。
内容の深さもさることながら、Vの台詞が常に「腹にズシンとくる名言」か「有名な名言の引用」のどっちかなのもシビレます。が、常に行動をともにするイヴィーはさすがにうんざりして、終盤ちょっと怒り出すのが笑えました。
怠惰な人間としては厳しすぎる言葉です。ただ牢獄を否定して破壊したとして、そのアナーキズムの次に来るものは何でしょうか…? テロリストがその答えを持っているとは思えません。
映画の方はウォシャウスキー兄弟が脚本とのこと。マザーコンピュータの支配…というのは、やはり古い設定という認識だったのか、変更されているそうで。
HP :
「自閉症者じゃない、ふつうの人たちは〜〜」という発言への切り返しとして、なんどか出てくる言葉(ジョーク?)です。
Googleさんによると、"Normal is just a setting on the dryer" というのは、それなりに有名な文句らしいですね。
その心は、
「それは良い悪いの評価ではない」
もう少し乾燥機を強く解釈するなら、
「とりあえずそこに合わせておけば、だいたい上手くいく」
「でも、それだけではできないことがある」
自閉症者の適応治療が進んでいけば、いつか、「障害」ではなく「人間知性の異なるあり方」としか呼べない部分に行き着く…
何を治療すべきで、どうなれば正常なのか? 重い問題提起をしている作品です。
2004年のネビュラ賞受賞作。医学の進歩で、自閉症が幼児のうちなら治療できるようになった近未来の物語。自閉症だがそれゆえの能力をもって暮らしてきた主人公。だが勤めていた会社から、新しい自閉症治療の実験台となるよう迫られる。自閉症でなくなった自分は、自分でいられるのか──?
出典は未読ですが、あらすじを見て有名な自閉症者テンプル・グランディンの話を思い浮かべました(オリヴァー・サックス『火星の人類学者』などで紹介されています。著書の邦訳もあり)。「自閉症であるにもかかわらず」ではなく「自閉症だからこそ」の才能をもって生きている人は、小説だけの存在ではありません。
「もし、ぱちりと指をならしたら、自閉症が消えるとしても、わたしはそうはしないでしょう──なぜなら、そうしたら、わたしがわたしでなくなってしまうからです。自閉症はわたしの一部なのです」と、グランディンは講演で語ったそうです。では、こちらの主人公の選択とは…?
HP :
アメリカ政府高官の女性スキャンダルを追っているつもりのTVレポーターが、いつの間にか世紀の極秘情報にかかわってしまいます。エリー(Ellie)というのは愛人の名前ではなくてE.L.E.のことだったのです…
Extinction Level Eventを直訳すると「絶滅級の出来事」かな? 字幕では「人類の絶滅」と訳されてますが、ここでは人類以外の生物も含めた「大絶滅」のことを指していると考えたほうがいいでしょう。
この宇宙は決して生命にとって、優しいところではないのです。全面核戦争だけが地球を滅ぼすわけではありません。小惑星の衝突、気象の大変動(例えばスノーボールアース)、近傍の宇宙におけるガンマ線バースト…地球の歴史上、生命は数々の大絶滅を生き抜いて進化してきました。知性を得た我々は次の大絶滅がきた時、それを防ぐことができるのでしょうか?
映画のラストではあっさりと彗星が爆破されてしまい、ちょっと笑ってしまいましたが、同時期に公開されたブルース・ウィリスがバカ騒ぎする「泣かせる映画」よりはこちらのほうが好きです。
どうして向こうの人は災害に女性名つけたがるかな…「地震雷火事家内」というわけでもあるまいに。
「Extinction Level Event」はこれまでに5回起こっているそうで。一番最近のが恐竜が絶滅したときのもので、その2回前、ペルム紀末(2億5千万年前)の大絶滅では生物種の9割以上が姿を消したということです。知性の有無でなんとかなるんだろうか…? むしろこの「知性」の持ち主が、第6の大絶滅を招く要因になっているとする考え方もあるようです。いくらなんでも過大評価…だといいなあ。
>「ディープ・インパクト」
ブルース・ウィリスのおかげで実際の出来以上に影が薄くなってしまった感がありますが。今となっては映画よりこっちを思い出す人が…いや、大多数は馬の方か。
HP :
──こんにちは。私は大阪に住む中学二年生です。東京のことを知りたいと思いますから、あなたの学校や家庭やお友だちのことを、できるだけくわしくおしえてください。中学生になったばかりの渡辺明彦の元に届いた奇妙な手紙。それは、大阪に住むという本郷令子という女の子からのもので、そこには冒頭の文章と共に、一万円札が同封されていたのでした。それと前後するように明彦の周囲で起こる不審な出来事。その裏には、別世界からの大きな陰謀があったのでした。
投稿した台詞は明彦を助けて傷ついた本郷令子が言った台詞で、この後、主人公達は元の世界に戻ります。
じつは本郷令子は裏の宇宙に住む無機生命体に創られたアンドロイドなのですが、なかなかにユニークな存在でして、あとから明彦と同じ場所に連れてこられた女の子に嫉妬するようなそぶりを見せたりして、非常にユニークな存在だったりします。案外、この台詞を言ったときには人間に近くなっていたのかもしれません。
初出は1970年ですが、今年になって青い鳥文庫で復刊されてますね。数年前には 「幻のペンフレンド2001」という題でリメイク版がドラマ化されてましたし…。「2001」はヴァーチャル・リアリティを絡めてなかなか上手いことリメイクされていたみたいです。
「時かけ」みたいにアニメ化しても結構いけるのでは。
そう この小さな神をレディに育てることだ
HP :
「神は死んだ」
宇宙船の中で神(人間)が死んだため、仲間の一匹を代理神(エサ係)にでっちあげた文明猫たち。彼らが拾った救命ボートには小さな神(赤ちゃん)が乗っていました。小さな神を育てるため、猫たちの奮闘が始まります。
ラストに猫の一匹が言う「もう少しだけ小さいままでいてくれよな。オレ達の小さな天使」という台詞は小さい子供を持つ親なら誰もが思うこと…と思ったけど、最近は猫に劣る親が多いようです。
文明ネコというと「猫の地球儀」を思い出してしまいます。
>オレ達の小さな天使
まあ、気分の持ち方次第でこの天使は小悪魔どもになったりしますが…。猫「たち」ではなく、一匹の猫が孤軍奮闘で子育てしなければならなかったとしたら、「猫に劣る親」と同レベルに成り下がってしまうかも知れません。
HP :
もうひとつ、同じ作品から投稿します。異星人たちがやがて侵略だとわかります。
軍隊は必死に反撃するも、戦術・科学技術ともに優れた異星人相手に苦戦を強いられます。投稿した台詞は登場人物の一人がもう二度とSF大会が開かれないことを嘆いたものなんですが、そりゃ確かに宇宙人が「現実」に攻めてきたら、半分どころか見たくもない人がほとんどだろうなぁ(笑)。もっともSFファンはそんなことぐらいでよむのをやめたりしないでしょうが。
嘆くのはそこかい!というツッコミより先に、ファンとして敬意を表してしまいそうになります。そういえば科学が失墜した世界でSFファンが奮闘する「天使墜落」もこのコンビでした。
>SFファンはそんなことぐらいでよむのをやめたりしない
でしょうねえ。地球人が侵略してボロ勝ちするSFに人気が集まったりするかも知れませんが。
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