SF名文句・迷文句第189集

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「時間よ〜止まれ!!」

 出典: 円谷プロ制作「恐竜戦隊コセイドン」

紹介 :sengoku 様
HP :

コメント:
「ファンタジー名文句」に「ザワールド!時よ止まれッ!」が掲載されたので、こっちが元祖だということで。
 恐竜戦隊コセイドンより、メインヒーロー「人間大砲コセイダー」の必殺技、時間停止能力です。この能力で動けない敵を、レーザーサーベルでぶった斬るという、強力かつ卑怯な技です。
 ストーリーは、タキオンの発見によりタイムトラベルが可能となった未来、人類は中生代白亜紀の地球にコロニーを作っていた。そして、タイムトラベルの安全を守る「タイムGメン」がいた。
 2001年、日本が白亜紀からの熱線と冷凍光線の攻撃を受けた。この異常事態に対してタイムGメンの大型タイムマシーン・コセイドン号が出動、白亜紀で調査を開始した。そこで彼らは地球外からの逃亡者・アルタシヤ姫とお付きのロボット・ビックラジイに出会う。彼女たちの持つ「コスモ秘帳」を追ってやって来た侵略者ゴドメス星人に対し、コセイドン隊は地球侵略を阻止するために戦うこととなる。
 恐竜時代が終焉する最終回に、当時の最新学説である「巨大隕石衝突説」を取り入れる等SFマインドに溢れた作品でした。

駄弁者:
 シリーズ前作の「恐竜探検隊ボーンフリー」や「恐竜大戦争アイゼンボーグ」は見ていた記憶があるんですが、こちらは覚えていませんでした。子どもの頃の私が好きそうな話なんですが。
>「時間よ〜止まれ!!」
 使用しすぎてゴウくんなんだかこの頃老けてきたね、というのがお約束だと思います。
 あと、恐竜戦隊ならチュウセイドンじゃないかというツッコミも、たぶん散々繰り返されたお約束ではないかと。



「え〜と君、名前は何だったかな?マーフィだったか?」
「そう呼ぶのは友人だけだ。貴様等は違う ロボコップと呼べ」

 出典: フレッド・デッカー監督「ロボコップ3」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
事件が解決した後のシメの一言。 うん、やっぱりかっこいい

駄弁者:
 たしか1作目のラストでは、友人ではない人から名前を聞かれて「マーフィ」と答えていましたね。心境の変化?
 ロボコップのシメはかっこいいのですが、敵方のニンジャ・サイボーグの名が「オートモ」というのは、なんだか締まらない。



ユウ「……おい」
ヒイロ「……?何だ?」
ユウ「…………」
ヒイロ「…………」
ユウ「…………」
ヒイロ「…………」
ユウ「………… 無口だな」
ヒイロ「………… ふっ、面白い男だ」

 出典: バンダイ製作「Gジェネレーションギャザービート」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 いまや黒歴史となったバンダイが発売していた携帯ゲーム機ワンダースワン用のゲームから。
 このゲーム、一言で言えば「ドキッ!ガンダムだらけのスーパーロボット大戦」とでもいうもので、NEO一年戦争と称して初代ガンダムのストーリーをベースに歴代のキャラやメカがごちゃ混ぜで登場します。
一年戦争のアムロがνガンダムに乗ったりとか。
 投稿の台詞はガンダム外伝の主人公ユウ・カジマとガンダムWの主人公ヒイロ・ユイの会話です。
 このやり取りは以後のシリーズにもお約束として両者が一緒に出る場合必ずあります。
 しかし自分から話しかけといて無口だなはないだろうに……

駄弁者:
 無口な男同士の沈黙の応酬を「名文句」と言っていいものかどうかは、はなはだ微妙だと思いますが…。



マイアミ、若い衆、呑みこみが早い

 出典: ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(黒丸尚訳)

紹介 :神凪御子 様
HP :

コメント:
 投稿再会までの間、名作を読んでみようと思い立ちまして、このページに投稿している方々の評価も高い、ニューロマンサーから。やはり私が読んだ感想も、136集の冬寂堂さんと全く同じでした。
 投稿の台詞は、電脳空間カウボーイとしてのイロハを叩き込んだお師匠、ディクシーにケイスが再会した際、「自分を覚えているか」との問いにディクシーが返した一言。
 やけに機械的な返答ですが、ディクシーの現在の身の上を考えると……
 主人公のケイスや、モリイにアーミテジ、リヴィエラと言った魅力的なキャラの中で、私が一番気に入ったのがこのディクシーでした。
 そう言えば、この切れ味鋭い文訳をされた黒丸尚さんは亡くなられているんですね……遅ればせながら、ご冥福をお祈りさせていただきます。

駄弁者:
 このセリフ、たて続けに2回聞くことになりますが、2回目を聞くのは何だか切ないですね。



そして、自分の遠く離れた幼年期から語りかけてくる、一人の少女の声だ。かつては彼を恐怖から庇護してくれた、その同じ声。それを生き続けさせるためになら、彼はどんなことでも、学校へ戻ることすら、あと四年、あるいは四十年、あるいは四千年の間再び地球を背後に残して去ることさえもする、その同じ声。例え、彼女がピーターのほうを、より愛してるとしても。

 出典: オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」(野口幸夫訳)

紹介 :ダラ男 様
HP :
http://fantasymeimonku.web.fc2.com/

コメント:
 ファンタジー名文句・迷文句集開設の際にお世話になったのでぜひともお礼をせねば、ということでオースン・スコット・カードのエンダーのゲームから。
 場面はエンダーがバトルスクールを卒業し地球に戻りヴァレンタインとあった後、IFコマンドにいく前のシーンです。
 実は、本来はあまり好きな言葉ではないです。「愛するもののために戦う」という矛盾が嫌いだからです。愛するものを守るために自爆テロを起こすテロリストと、貧困から強盗殺人を犯さざるを得ないものと、愛する国家を守るためと戦争をさせるお偉いさんと、愛されていないという孤独から無差別殺人を犯した犯人にどれほどの差があるのかと個人的には思ってます。
 私は、本来愛するということは幸福だと思ってます。しかし、この時点でエンダーは幸福ではないし、殺人者となっていく自分も、殺人者になってしまった自分も全く幸福じゃないと思っています。それでもなおこの言葉を選んだのは最終的に愛が救いになってるからです。死者の代弁者の章がなければ陳腐になりかねない言葉ですが、最後まで読み通した後に再び読み返すと味わい深いものがあります

駄弁者:
 「ファンタジー名文句・迷文句集」の更新お疲れ様です。
 私も、これは名文句というには苦い部分だと思っています。ダラ男さんのコメントとはちょっとニュアンスが違って、「愛するもののために戦う」というよりは「愛するものから戦うよう促された」とエンダーが感じているように思えるから。
 ここでエンダーはヴァレンタインに、あなたはもう戦わなくていい、と言ってもらいたかったのではないでしょうか。例えそう言われたとしても、自分は戦いに赴いたであろうことが分かっていても。



兄弟たち まだ時間はある

 出典: ネビル・シュート原作・スタンリー・クレイマー監督「渚にて」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 全面核戦争後、世界は致死レベルの放射能に覆われ、人間も国家も消滅します。
 唯一オーストラリアだけが、大気の微妙なバランスのおかげで、かろうじて汚染を免れます。
 ですがそれも、時間の問題だと分かります。(以降、大きなネタバレを含みます)
 映画の中、名文句の言葉は二度出てきます。
 一度目は生き残った人々に向けてのメッセージで、最後まで希望を捨てるな、尊厳を持って生きようと訴えかけます。
 そして映画の最後。誰もいなくなった町で、このメッセージの垂れ幕が大映しになります。
 それは、手遅れになるまでまだ時間があるという、私たちへの直接的なメッセージだったのです。

駄弁者:
 さて、私たちはといえば、時間を有効に使えたでしょうか?
 全面核戦争についてはともかく、資源とか食料とか環境とか、別方面のリミットでは「まだ時間がある」といつまで言っていられるかどうか。



うるち「お言葉ですが、責任果たさない大人だって、この世の中には沢山居るんじゃ無いでしょうかねぇ?」
ひよこ売り「それは大人じゃねぇ、無駄に年齢重ねただけのクソガキさ」
うるち「がぁぁぁぁぁん!」
ひよこ売り「メダロットは子供たちのものだ、だがそれを公平に裁くレフェリーは責任をきちっと果たせる大人じゃなきゃならねぇ…子供の遊びを温かく見守る、それが大人のスタンスってぇモンじゃあねぇのかい?」

 出典: ほるまりん原作・テレビ東京制作「メダロット(アニメ版)最終回『史上最大のロボトル』」

紹介 :s 様
HP :

コメント:
 近未来、人類は宇宙からの”知”の源<メダル>を手に入れた
 それを頭脳とし、人々との関わり合いにより成長するロボットを開発”メダロット”と呼ばれたロボットたちの最初の友達は、子供達だった…
(マンガ版「メダロット」第一巻より)  再開第一号は、なぜか今までなかった名言工場、アニメ版メダロットのヒヨコ売りのオッチャンの最強の名言で。
 オッチャンにいわせりゃ「高級残り物飯屋」辺りも「クソガキ」なんだろうか…

駄弁者:
 現に責任を果たしている大人にこう諭されたら恐れ入るしかありませんが、クソガキの方から言われたら腹立つだろうなあ…。
 まあ、私自身はどっちかというと馬齢を重ねているクチですが。



それが、私の選んだ道なのだから…

 出典: 工画堂スタジオ製作「パワードール」

紹介 :電撃翼 様
HP :

コメント:
 工画堂スタジオ・うさぎさんちーむの代表作、パワードールシリーズ第1作のWin版より。
 Win版では、ミッションとミッションの間に隊員のぼやきが入ります。このセリフは、第1ミッション「遠すぎたダム大作戦」の後に入る、ドールズのリーダー、ハーディ・ニューランド中佐の個人記録から。
 作戦の成否、そして成功したときの損害の大小によって、個人記録の内容は変わりますが、いずれにしても、自分が指揮官であり、隊員と任務に責任を負う以上、結果に満足するわけにはいかないと述べ、最後にこう呟きます。
 一つ仕事を成し終えたがどうも結果に満足できない、または失敗して落ち込んでるとき、ふとこの言葉が出てきます。
 決して元気が出たり、立ち直れたりする言葉ではありません。それでも前に進むしかないのです。

駄弁者:
 登場人物がすべて妙齢の女性という設定とは裏腹に、作戦・戦術シミュレーションゲームとしては徹底した硬派な作りで、高い支持を得ていたシリーズでした。私がPCゲームにはまっていた頃は、98版の「2」が大人気だったと記憶しています。



2番目の夫がアメリカ人だったの。
旅行してても、いつも「僕はアメリカ人だ」「僕はアメリカ人だ」って。
しまいに東欧で射殺されたわ。
いい夫だったわ。生きているうちは。

 出典: ネビル・シュート原作・スタンリー・クレイマー監督「渚にて」

紹介 :御宗銀砂 様
HP :
http://sfr.air-nifty.com/

コメント:
 くつろいだ雰囲気のディナーパーティー。初老の婦人が始める身の上話。
 東西冷戦・核軍拡真っ盛りの中で作られた本作。作中のアメリカ合衆国は、全面核戦争おこして既に滅んでます。
 そう思って聞くと、感慨深い言葉のように思います。

駄弁者:
 自分の国が起こしたことを承知して、それでも誇りをもってそう名乗ったのなら立派なのかも知れませんが、お国柄を考えると(まあ、偏見ですが)、単に無神経だった可能性も…。



スポック「ピンポ〜ン」

 出典: レナード・ニモイ監督「スタートレック4 故郷への長い道」

紹介 :あひるパパ 様
HP :

コメント:
 20世紀末のアメリカはサンフアンシスコにタイムトリップしたおなじみの面々。
 下品な話し方のほうが当地に馴染んで怪しまれにくいなどとカークに吹き込まれた一部記憶喪失中のスポックが、質問する相手に対し肯定であることを表現した返答がこれ。
 …実はこれ、初公開時(1987)の映画館での字幕で見たせりふで、当時まだ学生の私も場内も大笑いしたのでよく覚えていたのに、何年後かにレンタルビデオで借りて見返すと
「あたぼうよ」
となっていて、面白くもなんともありません。
 訳者がどなたか記憶にないのは返す返すも残念ですが、ぜひとも名(迷)せりふ入りをお願いしたくあります。

駄弁者:
 そうでした、そうでした。私も映画館で見た覚えがあります。
 小説版だともっと翻訳っぽい表現になっていて、それはそれで原文に忠実ということでいいんでしょうが、映画のシーンでのテンポを考えると、ご投稿の訳(?)はなかなか上手かったんではないかと思います。
 でも、吹き替えではスポックがこう言うのを聞きたくはないかなあ…。



わいがムショを出る、たった一と月前やで ──たった一と月が、あいつは待たれへんかったんか?

 出典: ウィリアム・テン「予定犯罪者」(浅倉久志訳)  『SF九つの犯罪』に収録 SFマガジン1967年3月号にも収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 犯罪を起こす前に申請し、刑期を勤めてから犯罪を犯す「予定犯罪」制度が導入された未来。事有るごとに自分を馬鹿にする妻を殺すことを誓い、7年間の惑星開拓の刑に服した男。
 惑星開拓の仕事は危険極まりないもので、障害を残さずに刑期を勤め上げるどころことさえ難しく、刑期中の事故死も珍しくないというものであった。復讐だけを胸に帰ってきた男を迎えたのは妻の事故死(月面観光中の呼吸装置の故障)というあまりにも残酷なニュースだった。
 結果的にこの男は犯罪を犯さずに済んだのですが、危険な7年を、復讐だけを胸に生きてきたことを考えれば泣くに泣けない。このあとどうやって生きていったものやら。

駄弁者:
 これは、創元の「ウィリアム・テン短編集」には収録されていないんですね。「SF九つの犯罪」は入手できなかったので、昔のSFマガジンを図書館の書庫から引っぱり出して読みました(ささやかな役得)。
 物語の主人公はご投稿のセリフ主のオットーではなく、共に刑期を勤め上げたニックで、彼の運命もなかなか泣き笑いできるものなのですが…オットーの方はもっと報われないですね。ムダになってしまった「人一人を殺す権利」をやけっぱちになって行使してしまわないか心配です。



「こっちも教えてやるQ三郎。私は正義の味方に与する、正義の科学者だ。つまり──私だって、正義の味方を名乗る資格はあるだろう?」

 出典: 田口仙年堂「コッペとBB団 その1」

紹介 :八尾洋子 様
HP :

コメント:
 コッペとBB団からもう一つ。
 コッペを生み出したのはブラック・ブリッツ(BB団)兵器開発化課長のK次郎博士。彼は正義の味方の陣営であるデイドライブ研究所(DD研究所)にも所属していた。最強の兵器を作ると言う野望の為に、二つの組織を掛け持ちしている彼は巨砲「うまい棒(デイライト・カノン)」と人工人間「コッペ」と言う二つの強い兵器を生み出し、それぞれの組織に与えた。この二つが一つになったら、『矛盾』など起きない最強が生まれる筈であろうが、コッペを救出しデイライト・カノンを破壊するために、悪の組織BB団がDD研究所を襲撃してきた。悪の組織を撃退する為に、K次郎博士は正義のヒーローの姿に変身する。
 その時の台詞がこちら。名台詞になりそうですけど、K博士はイマイチ正義の味方らしくない事をしていたので迷台詞です。

駄弁者:
 正義の側に貢献しているんだから、目的が野望でも字義的に「正義の味方」というのは…つい、そういうのもアリかもしれないと思ってしまいました。けど、別に変身しなくたって。



「奴はDD研究所──つまり、正義の味方の陣営だ。んで、俺達はブラック・ブリッツ。どう考えても、俺達が悪だ。そこに正義はない」
…(中略)…
「いいかロリコンども! 俺達は悪だ!」

 出典: 田口仙年堂「コッペとBB団 その1」

紹介 :八尾洋子 様
HP :

コメント:
 始めまして、初投稿の八尾洋子と申します。以前(名文句第42集)に>怪人たちに作戦目的を問うたら「悪事」と答えるんでしょうか(それはそれで潔いな…)<とありましたが、見つけましたよ。潔い悪人達を!
 世紀の始めに、隕石群の衝突によって世界の1/3は海に沈んだ。しかし復興はすぐに成った。それは、落下した隕石そのものが素晴らしいエネルギー源となり、現代科学ではありえないような事を引き起こす物体「デイストーン」だったからだ。
 悪の組織ブラック・ブリッツ(BB団)は、世界中のデイストーンを集め、管理することによって平和な世界が築けると言う理念の下に、必要悪と称して改造人間を作り、破壊活動を行っている。そんな悪の組織にデイストーンの力で生み出された少女コッペが現れ、BB団生活課の連中を振り回し、地下基地の色々な所に顔を出してはBB団の人気者になっていった。
 ひょんな事から、正義の味方の仲間である天才科学者K次郎博士の下に、コッペが捕らわれてしまう。彼はデイストーンの力を使った最強の兵器にコッペを利用としているのだ。
 そして、救出作戦を説明する生活課のQ三郎課長が叫ぶ台詞がこちら。やる事に言い訳をしない潔い態度が格好良いです。

駄弁者:
 一応最終目的として平和な世界を築くという理念を掲げているというあたり、自分たちは悪、というのも多分にレトリックが含まれているんじゃないでしょうか。
 …なんとなく、そういう「悪」よりも、その前にある呼び掛けの「ロリコン」の方が糾弾されそうではありますが(笑)。



処分して下さい。……処分だ。よろしくお願いする。

 出典: 倉本聡脚本・岡本喜八監督「ブルークリスマス」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 全世界でUFOを見た人間たちの血が青くなるという怪現象が発生。怪現象に驚いた人類は、血が青く変わった人間たちの抹殺を図り始める……。
 邦画でも数少ないポリティカルSFの意欲作。その中で序盤、青い血の妊婦が運び込まれた病院に現れた代議士らしい男(天本英世)とその秘書らしい人物(岸田森)。患者についての秘書らしい男のセリフがこれでした。
 この二人、このくらいしか出番がないのですが(天本さんはもう1シーンあるけど、岸田さんはここだけ)、役者さんが役者さんだけに何か恐ろしい事が始まりつつあるというインパクト抜群のシーンでした。

駄弁者:
 倉本聡、SFの作品もあったんですね。
 政府やマスコミに対する不信・警戒感がメインにくる作品のようですが、そういう情報操作がなくても、普通の人々の反応が結構恐いことになるように思います。…本当は青い血でなく単に血色が悪いだけの人でも迫害されるとか。



「アリューシャ!どうしてここまでしてこの仕事をとる?」
「こういうチャンスはそうありませんわ。恒星船こそ本当の船です。船屋の誇りね。九月崩壊以降ゲイトを枠とした世界は終わりました。海図のない海を渡る能力を持ってこそ船、ゲイトに手を引かれていくなんて船ではありません。ゲイトの枠を越える広大な世界へ…」
「海賊に恒星船を渡すそれも戦艦だ。それでいいのか?」
「人はいずれ死んでいきます。けれど船は人の想いを乗せて次の世代に引き継がれます」

 出典: 米村孝一郎「MISSING GATE」

紹介 :旗本タイツ男 様
HP :

コメント:
 主人公の一人であるワトソンの幼なじみにして惑星唯一の恒星船を扱う船屋の三代目、アリューシャとワトソンの会話です。ワトソンの幼なじみにふさわしく、彼女も目的のためには手段を選びません。海賊から請け負った仕事のためにワトソンを探しますが、きなくさいものを感じて手を退こうとするワトソンを確保するために当の海賊をけしかけたりします。台詞にもある通り、恒星船を再生する事に情熱を燃やし、そのための顧客が海賊で船が何に使われるか等は彼女にとっては瑣末な事なのです。
 実はゲイトと恒星船の数には密接な関わりがあるのですがネタバレになるのでここでは伏せます。戦闘のため一斉に飛び立つ海賊の恒星船に向かって「飛べ!私の船達」と心の中で呼びかけるシーンに彼女の想いが集約されている気がします。

駄弁者:
>恒星船こそ本当の船です
 造る側としては、外洋船と沿岸用のボート以上に差を感じるのかも知れません。
しかし「私の船達>>>人間」という考え方はちょっとコワい…。



あそこに星がある
俺には意思がある
星に挑まない理由は何も無い!

 出典: 米村孝一郎「MISSING GATE」

紹介 :旗本タイツ男 様
HP :

コメント:
 超光速航法ネットワークであるゲイトウェイにより恒星船が廃れ、九月崩壊と呼ばれるゲイトウェイの崩壊により文明圏が分断されて二世紀が過ぎた時代が舞台の作品です。これは作品中の三人の主人公の一人、ジョン・マーシャル・ワトソンの台詞です。彼は恒星船のレストアを専門としながら、九月崩壊以前に打ち出された「星」を手にするべく行動しています。しかしこの男、目的のためには手段を選ばず「当局から手配されていないのが不思議なくらい」です。
 作品中ではゲイトや船が遺伝子により構成されている等のギミックが語られます。大好きな作品だったのですが、連載されていたホビージャパンのコミックマスター廃刊、コミックジャパンの創刊号で轟沈という不運に見舞われ、後にノワール出版より刊行され3巻で完結しましたが作者によると当初考えていた物と全く違う形になってしまったそうで、いつか作者の思い描いていた通りの作品が出版される事を願ってやみません。

駄弁者:
>ゲイトや船が遺伝子により構成されている等のギミック
 ゲイトや船だけでなく、遺伝子をもった重力場(?)まで出てくるとか。いまいちイメージがしづらいですが、何か面白そうです。



「私は、帰ります」
「『帰る』? どこへ帰るというのかね」
「私が想う人のところです。私を想う人のところです!」

 出典: 高松信司監督・川崎ヒロユキ脚本「機動新世紀ガンダムX 第31話『飛べ、ガロード!』」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 この作品でのNTは、超能力者と言ったほうが近い存在です。他者の心を読み取ったり、未来を予知したり、ビットを操ったり等。
 そんな戦後の地球で唯一確認されているNT。それがヒロインのティファです。
 幼い頃からその力故に様々な勢力から狙われてきた彼女は長い間心を閉ざしていましたが、そんな彼女の心を開かせたのが主人公ガロード。
 一目惚れしたというなんとも言えない理由で彼女を護る事にしたガロードは、やがてラブラブカップルに。
 そんな時彼女は地球に潜入していた宇宙革命軍のスパイに宇宙へと連れ去られてしまいます。
 NT主義(宇宙に出た人はみんなNTになるという思想)を掲げる革命軍こそが、君を正しく理解していると言うスパイとティファの会話です。
 ようするに人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえってことですかね(笑)。

駄弁者:
 あえて理由付けをするならば、「ニュータイプ」のカテゴリーとして理解されるよりも、一人の女性として理解してくれる恋人のほうがずっと大事だ…ということなんでしょうが、
>人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ
 この言葉だけで必要十分を満たしてますね。



「あんたはもう一人の自分と戦ってたのさ…。GXという、もう一人の自分とな」

 出典: 高松信司監督・川崎ヒロユキ脚本「機動新世紀ガンダムX 第22話『15年目の亡霊』」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 15年前に起こった第7次宇宙戦争。
 その終焉は宇宙革命軍のコロニー落としでしたが、その作戦に使われたのは革命軍に賛同しなかった、連邦側のコロニーでした。
 連邦側はそのコロニーに対して攻撃を加え、革命軍は作戦を強行。その時対コロニー落としの切り札、最大出力で撃てばコロニーすらも一撃で破壊する決戦兵器サテライトキャノンを装備したガンダムXに乗っていたのが主人公達の船のキャプテン、大戦の時には英雄と呼ばれたNTジャミル・ニートでした。
 15年がたち、新連邦政府再建委員会はNTと思しき存在と、前大戦のガンダム3機を所有する主人公達を捕獲すべく特殊部隊を送り込みますが、NTの力によって潜入は失敗。
 特殊部隊の隊長は捕虜となります。彼は戦闘中のどさくさにまぎれて脱出、船を乗っ取り連邦の基地に向かわせます。
 そこに現れたのは新たなサテライトキャノン搭載MSダブルエックス。それはジャミルの乗機を回収して作られた物でした。それがサブタイトルにもある『15年目の亡霊』。
 驚愕するジャミルに隊長が言い放った台詞です。
 ジャミルも地球滅亡の引き金を引いたと言うトラウマから(何億人という人間の死の瞬間の心を感じ取った)NT能力を失ったり、いろいろ苦しみながら生きていたのでトラウマの元凶と再会したのはショックだったでしょう

駄弁者:
>地球滅亡の引き金を引いたと言うトラウマ
 お前は武器の一部だったのだから責任を感じる必要はない、と言っても慰めになるものではなし。まして人の死を感じてとれてしまうとなると、正気を保っているだけでも強靱な精神力だと思います(初期ガンダムの主人公たちだったら精神崩壊しているかも)。



怪光線のどのあたりが怪しいかというと、よけられる程度のスピードだという点なのだ

 出典: 葛西伸哉「アニレオン!」

紹介 :首くくり 様
HP :

コメント:
 天才でマッドな妹に改造され、ワケの分からない数々の悪の侵略者と戦うハメになってしまった高校生ヒーローの物語より。
 何故かアニメや特撮では、電磁加速された粒子を撃ち出すような「ビーム」等ならまだしも光速である「レーザー」さえ、不条理な事に視認してから避けてたりしますが。

駄弁者:
 「あるいは光線ではなく、熱線なのかもしれない」とくれば、元祖「トンデモ本の世界」でネタにされていた黒豹シリーズなんですが(古い)。
 あとは、光線がジグザグを描けば完璧ですね。



たしか砂糖、スパイス、素敵なものがいっぱい…と聞かされたが

 出典: 「スーパーロボット大戦OG 4コマアンソロジー」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 またスパロボOGからです、闘争が永遠に続く世界を創ることを目的としたシャドウミラーの人造人間Wシリーズ、その最新作にして最高傑作W17ことラミア・ラヴレス。
 神経系の不調で言葉使いがおかしくなったりその修理にシナプスを要求したり不味い健康ドリンクを飲んだらぶっ倒れたりその効果で体調がよくなったり挌闘チャンピオンの喧嘩に巻き込まれてぴんぴんしてたり毒ガスが効かなかったり宇宙でも短時間活動できたかと思うと敵に『生体パーツ』に使われたり修理に培養液のようなカプセルが使われたり破損した腕から機械的なフレームが見えたり
無機物的なものなのか有機物的なものなのかいまいち分からないと思っていたのですが4コマ漫画で人造人間だと告白を受けた仲間がラミアさんの体は何で出来ているのかと質問をしてこう返すというオチがあって爆笑しました。
 まーらしいかもしれませんがあの三人と比べたらさすがにスペックは低いかな

駄弁者:
>あの三人と比べたら
 3人?…ああ、こちらのほうでしたか。スペックが及ばないのは、材料にケミカルXが含まれていないせいでしょう、多分。



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