SF名文句・迷文句第188集

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第187集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第189集を見る


そのうち何かやらかすなあいつは…

 出典: 大石まさる「碧水惑星年代記[どってん☆]」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 いやぁいい!大石まさるはいい!特に「碧水惑星年代記」はいい!
 ………毎度々々失礼しました。
 義理の姉妹との生活で「自分が何をするのか怖かったから」海外留学し「これからどうしたいかも解らずに オレは帰ってきてしまった」というヘタレのヨウ君は、地元で謎の「飛び石」を発見し、俄然やる気を出して土星行きロケットを製作します(動力がその「飛び石」)。
 そして地元商店街がメインスポンサーのロケット「土天(どってん)一号」は土星の衛星軌道上で「エンゲージリング状の帆」を展開、ヨウ君は義理の姉へのプロポーズをするのでした。
 セリフはやる気を出したヨウ君の幼なじみの八百屋「八百雷」の若旦那のもの。
 能力がありながら何をすればいいかわからないモラトリアムを過ごす彼のあせりは見ていて思い当たるフシがあるようなないような。
 でも義理の美人姉妹がいる時点で彼には同情していません。えーい、最初から幸せ者の彼に誰が同情するものですか。

駄弁者:
 「そのうち…」が長引くままにしぼんでしまう場合が大多数、マイナス方面にやらかしてしまう場合が少々、ご投稿のように見事やりとげてしまう場合は、ごく少数なんじゃないかと思います。それだけに思い当たるフシのある人間(どの場合に該当する人でも)にはたまらない。



 答は、そこにはなかった。だが、全身全霊をもって到達しがたいものに憧れたこの瞬間に、彼の心は決まった。
 今や、人生にどう立ち向かうべきかを、彼は知ったのである。

 出典: アーサー・C・クラーク「都市と星」(山高昭訳)

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 亡くなられたクラーク先生の「青年よ、大志をいだけ」的作品より。
 黎明期のSFマガジンを巣立っていった日本SFの開拓者たち、彼らにとっては、良き「外国人教師」役でもあったであろうクラーク先生の、ご冥福を祈ります。
BGM:「BOYS BE AMBITIOUS」布袋寅泰

駄弁者:
 銀河帝国の崩壊後、地球に唯一残った都市ダイアスパー。記憶バンクから再生された人間たちが住むこの都市で、ただ一人新しく生まれた青年アルヴィンは、安全な都市を離れ、未知の世界へ旅立つことを決意する。
 「都市と星」はクラークの作品の中で一番好きだったものです。原型となった「銀河帝国の崩壊」の方が好みという方も結構いらっしゃるのですが、私は「都市と星」派。



ただ言いたいのは、皆子供のころ、大人になれば仕事について結婚して、家を建て子供を持つってよく言われたけど……。
本当の世界はもっと変わってるし、もっとダークだし、そしてはるかにいかれてる。
そしてはるかに、素晴らしい。

 出典: ラッセル・T・デイビス脚本「ドクター・フー 2005年リメイク版第24話『エルトン君の大冒険』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 少年の頃ドクターに会った青年エルトン。彼は自分と同様にドクターを研究する仲間たちと楽しい日々を過ごしていたが、ケネディと名乗る男が彼等に接近して来た事から人生の歯車が狂い出す。一人一人姿を消す仲間たち、そしてケネディの正体は? そして、ついに彼の前に現れたドクターが明かす真実とは……。
 宇宙人の陰謀に巻き込まれ、居場所は奪われ彼女は(ネタバレ自粛)な状態、全てを失いさらに記憶の中に閉じ込めていた辛い過去とも対面させられた彼の最後の独白。
 そんな彼にしたたかにこういうセリフを吐かせるセンスが凄い。
 サッチモの”It’s a wonderfull world”を思い出してしまいました。
 余談ですが本シリーズ、かなりの過密スケジュールだったため、22、23話を撮影中に、主人公のドクターたちが最後にしか登場しない本作を同時に撮影していたそうです。そんな状態でもこういう異色作を送りだしたスタッフに脱帽です。

駄弁者:
 エルトンほどの経験はしていなくても、やっぱり世界は子どもの頃言われていたより、変わっていて、ダークで、いかれていると思います。それでも最後の一行を言えるなら幸いです。
 大人になれば〜以下については1つしか実現していなくても、世界はそこそこ素晴らしいです、とりあえず。



ギュンター「見よッ! 大空の鉄の顔ッ!! これぞドイツのテクノロジー!!」
先任「ぎゃーっ! どこまで狂えば気がすむんだーっ!!」
一同「いんちきーっ!!」
先任「それになんで全員発令所に! どーゆー設計してるんだッ」
次席「いいですねえドイツの技術…バカで…」

 出典: 西川魯介「強襲ミドガルド蛇」  『SF/フェチ・スナッチャー2』に収録

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 1944年、ギュンター・オストアンデル少佐率いる海浜猟兵部隊は秘密兵器「ミドガルド蛇」に搭乗、捕虜救出の命を受けてセントローレンス湾地底を掘り進む。途中巨大怪獣に襲われたりしながら地上に突撃したミドガルド蛇だが、突然彼等の後を追って来た巨大怪獣が出現、作戦は失敗。怪獣を倒すべく「白兵戦モード」に移行したシーンでのセリフです。
 どんなカッコに変型したかは最初のセリフから恐らくおわかりかと思います(笑)
 最後の次席のセリフが最高でした。

駄弁者:
>どんなカッコに変型したかは
 いや、私はなんとなく想像できましたが…(ただ、要塞ではなく「蛇」からというのがちょっと)。私らの世代以下には通じなさそう。
 次席のセリフは世代を超えて通じそうですけど。



アクション仮面「わたしは何時だって大真面目だ!

 出典: 原恵一監督・脚本「劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 正確に言うと、『嵐を呼ぶジャングル』で上映される劇中劇、『アクション仮面劇場版・南海ミレニアムウォーズ』でのアクション仮面の台詞です。
 最強怪人と戦うアクション仮面、その技は一切通じず、アクションビームすら撥ね返されてしまいます。そこへ春日部博士が現れ、新たに開発されたパワーアップスーツを装着したアクション仮面は、いともあっさりと最強怪人(劇中名前を呼ばれていません)を粉砕するのでした。
 なんと言うか、メタな面が幾重にも重ねられていて一言では改名しにくいシーンでした。ヒーローの無意味な危機とパワーアップを揶揄しているようでもあり、ゲストを意識したネタとも云え、且つ又本編映画におけるテーマ(ヒーローファンとしては感涙モノです)を掘り下げているというかのっけから否定しているというか、とも思えます。
 しかしそんな深読みを一蹴するようなアクション仮面の一言が、彼らスタッフが一重に目指すのは王道であり、彼らスタッフが一心に面白い作品を目指しているのだと思い知らせてくれます。スタッフはアクション仮面をこき下ろしたいのでもなければ汚す気もありません、ましてや視聴者を馬鹿にしてるわけでもありません。彼らの信じる『王道』を歩ませたい、彼らはそう思って作品を創っているに違いありません。
 そう、彼らは何時だって大真面目なのです。
 きっと、…多分…、…。

駄弁者:
 悲しいかな、ヒーローの物語が「王道」一直線であるほど、ひねくれてしまった視聴者はそれが真面目だと思えなくなってしまうのでした。



宇宙にはきわめて厳格な規則がある。ああいう猫は、走っている車に頭から突っ込んでいくような猫は、存在してもしかたがない、とな。

 出典: フィリップ・K・ディック「ヴァリス」(大瀧啓裕訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 この作品はSFじゃないかも知れませんが、一つご勘弁を
 女友達の自殺を止められなかったホースラヴァー・ファット。彼は<救済者>を名乗る少女ソフィアの存在を知る。ファットが友人のケヴィン、デイヴィッドと共にソフィアに会ったとき、ケヴィンは彼の飼い猫がひき殺された理由をソフィアに問いかける(ケヴィンにとって罪無き飼い猫の事故死は、宇宙が狂っていることの証明)。そして彼が得たのはあまりにも救いのない回答であった。
 この救世主は弱者に手をさしのべたりしない公平な存在なのかも知れませんね(第54集参照)。しかし、そのような猫が存在したのはなぜかという回答は得られない。結局神は気まぐれなんだと言うことにでもしないと納得できませんね。

駄弁者:
 神に文句を言いたくなるのは、ご投稿の言葉とは逆に、猫に頭から突っ込んでくるような車が存在を許されているのを目の当たりにしたときなのですが…。



この星では女は南風に感応(かん)じて妊むのです

 出典: 近藤ようこ「サホヒコとサホヒメ」  『月夜見』に収録

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
 宇宙船が不時着し生き残った双子の兄妹サホヒコとサホヒメは、その星最初の人類となった。インセストを避けて二人は離れて暮らすようになるが、サホヒコがサホヒメに再会した時、サホヒメは一人で何人も子を成していた。
 すべての人間が母であり娘であり妹である女だけの星。最後にその星は、永劫の平和と清浄、と綴られます。
 どうなのでしょう。全員が女で全員が自分の分身、というのはむしろ絶望的な星であるような気がします。それは男性の傲慢ともいうべき感想でしょうか。

駄弁者:
 全員が女であるということだけなら、初代の母にとってはともかく、最初から女性しか知らない2代目以降にとっては当然のこととして受け入れられるかも知れません。
 しかし、全員が自分の分身というのは…後代にとっても絶望の原因になるんじゃないでしょうか。



動けR-1!
俺達は何の為にここにいるんだ!
みんなを、地球を守る為じゃないのか!?
ここで動かなかったら…お前は何の為に作られたんだ!?
答えろR-1!
答えろ!!

 出典: バンプレスト製作「スーパーロボット大戦OG」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 ゲーム、ドラマCD、漫画、アニメと様々な媒体のあるスパロボOGシリーズのストーリーの中でも必ず描かれるイベントのワンシーンです。
 地球圏を統一された武装組織にするためビアンゾルダーク博士はD.Cを立ち上げ地球連邦政府に宣戦布告。
 予め用意されていた新型機動兵器や博士の考えに賛同した軍人の離反により連邦軍は劣性に立たされます。そこで最後の手段として新鋭艦スペースノア級二番艦ハガネによりD.Cの本拠地に攻撃を仕掛ける作戦をとります、伊豆基地にて出航の準備を進めるハガネの元にD.Cのエース部隊がハガネ奪取の為に強襲し、応戦する連邦軍でしたがそこに敵の本命である大型長距離ミサイルが発射されます。
 主人公リュウセイは未完成のパーソナルトルーパー:R-1のブースデットライフルでミサイルを狙撃しようとしますがR-1はなぜか起動テストの時からシステムが立ち上がらないトラブルを抱えていました、リュウセイは上のセリフをR-1にぶつけましたその瞬間R-1は起動しミサイルの狙撃に成功します。
 まあスーパー系でよくあるピンチの際に起こる奇跡といった感じですが、一応ウラヌスシステムというパイロットのT-Linkレベル(思念の力)の上昇によって起動し機体やシステムの性能を上昇させるという設定があるんですけどね。
 ここで動かなかったら〜の下りがかなり印象に残っております。なんか身にしみるもので…
 余談ですがアニメではモニターを殴りつけた瞬間にR-1が起動したもので「古いテレビか!」と突っ込む人も結構いたようです。あと仕事のパソコンが急にフリーズして焦ってるようにもみえますかね(笑)

駄弁者:
>なんか身にしみるもので…
 私らが使うシステムでも、使用者の気合い次第でフリーズしたのが動いたらいいんですけどねえ…。
 まあ、地球の危機ならいざ知らず、通常業務の1日2日程度の影響では動いてくれないか。



新庄「あ……、だ。駄目だよ佐山君っ……」
新庄「もっと、もっと熱くしてからでしょ……?」
新庄「だ、だからそんな硬いの、い、いけないよ、ボク……!」
佐山「ふむ、何がいけないのかね?」
新庄「や……」
佐山「や?」
新庄「焼き肉――!」

 出典: 川上稔「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル2上」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
 川上稔シリーズから、妖しげな会話を投稿します。授業中に居眠りしている新庄さんからか細い寝言が聞こえてきた。なんでも生焼け野菜を食わされそうになっているらしいんですが…、なんとも酷い会話になってます。佐山君はこの脳内焼き肉を携帯録音機で記録してるし…彼はこれを後ほど有効活用するそうです。

駄弁者:
 オチは一種のお約束。
 で、有効活用する際に想定される新庄さんの性別は、どっち?(時間によって切り替わるキャラだそうです)



ルリ子「どこにパラボラ光線砲の意味が…」
防衛軍職員「考えたら負け」

 出典: あさりよしとお「中空知防衛軍」

紹介 :高菜 弘 様
HP :

コメント:
 極東日本、北海道中空知に突如、外宇宙軍が侵略を開始した。迎え撃つ自衛隊。しかし彼らの兵器では太刀打ちできない。その時市民を守る為、防衛軍が出撃した!敵モグラ型兵器のパイロットは出てきたパラボラ光線砲を嘲笑うが、なんと光線砲が突如キックをかましてきた!?なんと格闘戦まで出来る光線砲だったのである!それへの突っ込みに対する答えが、考えたら負け!!考えたら負け!
 ある意味SF作品楽しむときには大事なことだと思います。例えば
「バリアが割れたー!うひょー!!カッコイイー!!」
「ん?バリアって「割れる」表現がされるものなのかな?」
「うん、きっとバリアが接触した時に圧縮された塵とかくっついて、バリアが無効化された部分にはつかなかったからああ見えたんだと解釈しよう、一先ず」
 一々突っ込まずに先ずは楽しみ、考えてから、それなりに決着をつける。それも作品を楽しむコツの一つだと思うのです。じゃあパラボラ光線兵器がバックドロップをかます必要性とはっ!!……う〜ん(笑)

駄弁者:
 あるいは考えても負けではないかも知れませんが、設定を深くツッコむところとあっさり流すところを選んで考えましょう。
 「科学考証するな。科学考証するものは…斬る!」なんて言われないように。



生まれた世界が違っても 見た目や言葉が違っても 願いはつなぎ合える

 出典: マイクスギヤマ作詞「炎神戦隊ゴーオンジャー」(炎神戦隊ゴーオンジャーOPテーマ)

紹介 :s 様
HP :

コメント:
 ソレができれば…戦争なんか無いんだよぉーっ!
 現在進行形のスーパー戦隊モノのOPより。
 …コレが出来なかったがために悲劇となったのはフィクション・実話を問わず多いだろう…そしてこれからも…
 今年五輪やろうってぇ国家が戦争吹っかけそうで怖い…

駄弁者:
 機械生命体の住む異世界・マシンワールドから逃亡した、公害をまき散らす蛮族ガイアークとそれを追ってきた炎神(エンジン?)たち……機械生命体にとっての公害は、人間と同じものなんだろうか。まあ、あまり深く考えるところでもないか。
>…コレが出来なかったがために
 コメントの最後の言葉自体が、ご投稿の文句の虚しさを現しています。



「どうやら地獄はこっちだったみてぇだな」
「あれ? そういう言い方、嫌いだったんじゃないの?」
「うるせぇやい!」
「こっちもやっぱり、地獄だったよ…」
「そっか…」
「天国なんてあるのかな…今の世の中に…」

 出典: 高松信司監督・川崎ヒロユキ脚本「機動新世紀ガンダムX 第15話『天国なんてあるのかな』」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 この回は少し特殊で、主人公が一切出てきません。
 主人公達は「バルチャー」と呼ばれる、現在の技術では生産できない戦前の電子パーツや、高精度な機械部品などを人のいなくなった工場や基地などから失敬して売買するジャンク屋と交易商人を合わせたような集団です。
 中には野盗のような連中もいますが、主人公達は基本的に戦力となるMSを持っていません(この話の時点では別ですが…)
 そんなワケで、母艦の護衛などはフリーのMS乗りを雇っていたのです。
 この回はその雇われMS乗り二人が、長期専属契約を結ぶのでその前に里帰りをする…というお話。
 冒頭文字が読めなくなった道標を見て「天国と地獄…だったりして」なんて話していた二人に待ち受けていたのは、どっちも地獄だったという悲しい現実でした。
 このシリーズはサブタイトルがその回の台詞から取られているため、必然的に名台詞=サブタイトルという事が多いです。

駄弁者:
 ネットに出ているあらすじを見たところでは、「天国か地獄か」というより「ふるさとは遠きにありて思うもの」のほうが合いそうだと感じました。



バカ! 徹甲弾だろ!

 出典: 高松信司監督・川崎ヒロユキ脚本「機動新世紀ガンダムX 第1話『月は出ているか?』」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 他の方の投稿では背景の説明が無かったので少々世界観を。
 時は199×年、地球はコロニー落としの雨に襲われた(誇張でなく少なくとも20基以上のコロニーが落ちてる)という、世紀末覇者が出てきそうな終末世界。
 北斗神拳のかわりがコロニー落としで崩壊した旧連邦のNT用決戦兵器ガンダムです。
 そんな荒廃した世界でも人間はしぶとく生き残り、15年かけて少しずつではあるけれど文明を復興させてきました。
 そんな田舎町の一つを襲う流れMS乗り。まんま北斗の拳のザコAです(髪型モヒカンだし)
 それまで普通に物を売ってた赤子をおぶった母親が、MSをスナイパーライフルで狙ってる時に、もう一人の子供が差し出した弾に怒ってる台詞です。
 もうほんと普通のおばちゃん。そのおばちゃんが「コックピットを狙えば…」とか言ってます。
 そんな『戦後』世界のお話です。

駄弁者:
 「北斗の拳」でバットのお母さんが井戸を守るのにライフルを常備していたのと似たようなノリでしょうか。
>時は「199X年」〜
 その年代で落とすコロニーがすでに何十基も存在するような世界なら、むしろ望むところなのですが…。



奥様の毛皮のコートを育てましょう(ミンク一番い、馬肉1トン、毛皮調整用具)。

 出典: クリフォード・D・シマック「ハウ=2」(伊藤典夫訳)  『SF9つの犯罪』に収録 SFマガジン1965年9月号にも収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 週3日、15時間労働を実現したアメリカ。そこでは余暇をDIYにつぎ込むことが大流行り。
 主人公はDIYセットの誤配により、世界を揺るがす事件に巻き込まれる。
 上の文句は本筋とは関係ないのですが、紹介されているDIYの中でもインパクトのあったものを。恐らくこれを発注すると、飼育小屋のセット、馬肉保管庫のセット、解体作業小屋のセットなんかのカタログが送られてくるのかも。
 ほかにも、自宅の庭を薬草園にするキット、ハンドメイド眼鏡セット(視力検査器具とレンズ研磨装置付き)なんかがあります。
 アメリカ人はDIY好きだからといってこれはやりすぎだ。

駄弁者:
 私はそれより「一人でできる扁桃腺切除(手術方法ならびに必要器具)」とか家庭虫歯治療の方がショックでした…医療までDIYか?
 本筋は、DIYで犬型ロボットの組み立てキットを注文したら、間違って最高級ロボットの試作品が届いてしまったというのが発端。返品せずにそれを作ったところ、ロボットはあらゆる仕事を実行するため自分の仲間を量産、ついにはロボットの製作元であるハウ=2社と訴訟沙汰になるのだが…。
 アメリカ人は裁判好きだからといって、これはやりすぎだ(笑)。



わしがこれまでに学んだたった一つのことはこの世には運のいい人間と運の悪い人間とがいてそのわけはハーヴァード・ビジネス・スクールの卒業生にもわからんということだ。

 出典: カート・ヴォネガット・ジュニア「タイタンの妖女」(浅倉久志訳)

紹介 :azure 様
HP :

コメント:
 大富豪のマラカイが富を失い、父の部屋へ行き書いてあった手紙の最後一言がこれでした。
 なんというか…ビジネスの成功をあーだ、こーだ、説明されるよりもずっとわかりやすい言葉な気がしました。
運って…スゴイですね…

駄弁者:
>ビジネスの成功をあーだ、こーだ、説明されるよりも…
 分かりやすいのは確かに同感ですが、それを言ってしまうとビジネス・スクールも、ビジネス書の著者ものきなみ商売あがったりになってしまうので…。
 マラカイ・コンスタントが「たぶん、天にいるだれかさんは〜」なんて言った後、さんざんな転変に遭ったことを思うと…自分の運不運については、うかつに判断しないほうがよさそうです。



「どこだってドア」じゃまずいだろ?

 出典: スティーブン・モファット脚本「ドクター・フー リメイク版第18話『暖炉の少女』」(平田勝茂訳)

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 はるか未来の宇宙船の内部に到着したドクターとローズ、ミッキー。宇宙船には人の気配はなく、だがワープエンジンをフル稼動して18世紀のフランスへタイムトンネルを開いている。
 その先で、ドクターはレネットという少女と出会うのだが……。
 タイムトンネルを「時空間ハイパーリンク」と表現したドクター、ミッキーに「何それ」と聞かれた答がこれ。うんうん、それはいろんな意味でまずいです、ドクター。
 原語で聞くと”MAGIC DOOR”といってるんですね。これを訳した平田氏に座ぶとん3枚。

駄弁者:
 ポケットから出すのでなければギリギリセーフ(いや、アウトだろ)。
「時空間ハイパーリンク」というのは、インターネット普及後のリメイクならではの表現ですね。



「学園都市(こっち)じゃ超能力なんて珍しくもねーんだ。人間の脳なんざ静脈にエスペリン打って首に電極貼り付けて、イヤホンでリズム刻めば誰だって回線開いて『開発』できちまう。一切合財が科学で説明できちまうんじゃ誰だって認めて当然だろ?」

 出典: 鎌池和馬「とある魔術の禁書目録」

紹介 :バグ 様
HP :

コメント:
 題名からオカルト系の話しと思いきや、冒頭でいきなり超能力者の闘い(っていうかケンカ)が始まるという科学VS魔術の話しから、ある日不幸な無能力少年の部屋のベランダに引っかかっていたシスターの少女との最初の会話から、十字教が指定した禁書である10万3000冊の魔道書を持っているため魔術師に狙われている言い出した少女に対する魔術だけは信じられないと少年がその理由を説明したセリフです。冒頭で「血管に直接クスリ打って耳の穴から脳直で電極ぶっ刺してスプーンの一つも曲げられない云々」っていう中2少女のセリフも捨てがかったんですが今回はこちらを(笑)
 ここまでやって確実に能力が開発出来るならやってみたいかも…
 それでも何も出て来ない人間も一杯いるらしいんでかなりハイリスクですが…

駄弁者:
 出典は今度アニメ化されるそうです。
>誰だって回線開いて『開発』できちまう
 その方法で超能力の回線が開くのかもしれませんが、開けてはいけないココロの扉もついでに開けてしまいそうな開発法です。



 どうして君はスペース・オペラを書きたいのか……?
 私自身の場合を言うならば……。
 もちろん、自分が楽しむためというのは当然である。
 だが何よりも、不特定多数の人々に読ませて楽しませ面白がらせ、そして安部譲二風に言うなら読んだ奴を“キャン!と言わせ”、なろうことなら有名になって大金持ちになりたい……。
 そしてしがないマンションではなく高千穂遙みたいに一戸建ての豪邸を構え、二、三台も入る車庫を構えおうごんのフロオケをすえ庭で日向ぼっこのひとつもやりたいチャウチャウのいっぴきもかいたい……。
 これが私の正直な本音である。

 出典: 野田昌宏「スペース・オペラの書き方」

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 野田昌宏氏を追悼して。追悼が続くのは残念ですが、やはりここで入れておかずにはいられません。
 この方の名文句なら「SFは絵だねえ」を真っ先にあげたいところなのですが、出典がはっきりと分かりませんでしたし、手持ちの著作がこれしかなかったので。
 スペースオペラを書く心構えから具体的な方法、執筆環境まで丁寧に、しかし面白く解説したものでした。俗っぽい願望に文句を言う向きに対しては、筒井康隆の「大いなる助走」を引いて、人に読ませたい、認められたいというエネルギーこそが小説を書く力の源泉だと反論します。 私自身はこの本を読んで作品を…書き上げるにはいたりませんでしたが。
 ところで久しぶりにこの本をパラパラとめくっていて、こんな一節が目に入ったとき、ちょっとしんみりしてしまいました。
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ずいぶん前の事だが、
「子母沢寛の文章は凄ぇ!洒脱で簡潔な文体が貴方の文章に相通じるものがあるんです」と今日泊亜蘭氏に言ったら、電話の向うで“このヒ若い小僧奴!生意気な事を!”と言いたげな同氏のくすぐったそうな気配が伝わって来た。
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 往事の「ヒ若い小僧」が、ひと月も経たないうちに追いついてきてしまうとは、今日泊亜蘭氏も思っていらっしゃらなかったんじゃないでしょうか。



三匹のかわいい子猫と遊ぶのに忙しかったからである。

 出典: アーサー・C・クラーク「だれだ?」(南山宏訳)  『スペースマン』に収録

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 アーサー・C・クラークを追悼して
 この所追悼してばかりで滅入る今日この頃ですが、こればっかりはしょうがない。願わくば訃報が続かない事を願いますが。
 そんな事はさておき。
 そーよねー、遭難しかけたオペレーターの診察より子猫の方が大事よねー、と思いますが如何でしょうか。
 今、土井さんがISSで頑張っていますが、宇宙でペットを飼える日はいつになるんでしょうか?果たして無重量空間で「キャット空中三回転」(byいなかっぺ大将 )は可能か?なんて実験は「きぼう」ではやらないでしょうね。

駄弁者:
 追悼だというのに掲載が遅れてしまっているうちに、ISSにいるのは土井さんではなく星出さんになってしまっているし、願いむなしくますます追悼を捧げたくなる人が増えてしまっているし…。
 出典については、ストーリーを説明するともろにネタがばれてしまいそうなので割愛。SFマガジンに別の訳で掲載されたときの題名は「幽霊宇宙服」だったそうです。



馬鹿言うな!二人で帰るんだ!
冷静な判断など知ったことか!

 出典: バンプレスト製作「Another Century’s Episode 2」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 ゲームの主人公、タック・ケプフォードの台詞。回想シーンで、ギガノス帝国(機甲戦記ドラグナーの敵)のメタルアーマー部隊に襲撃された主人公が、「自分の機体は破損していて足手まといになるから置いて行け」と言ったマリナ・カーソンに対して叫んだ。

駄弁者:
 冷静な判断を脇に置いて一か八かに賭けるヒーロー。
 なお、冷静な判断で一か八かをやる場合、こういうセリフになります(コ、コメントが苦しい…)。



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