SF名文句・迷文句第215集

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…滅んだものは、きれいさっぱり消えるべきなんだ。
むかしのままのすがたでいつまでも見え続けるなんて、ごうもんさ…

 出典: プラチナゲームズ製作・セガ発売「無限航路」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 光速の10倍の速度で宇宙を行き来する時代。
 それをして片道五年という遠くから主人公の銀河系へやってきた師匠ポジションの姐さん。
 そんな普段は豪快な(美少年を女装させて両手に花をやるぐらい)彼女が、滅んでしまった故郷の光を見てアンニュイになっている台詞です。
 平仮名が多いのは子供が読めないと困るからでしょうから、読みづらかったら漢字に変換してもらってかまいません。

駄弁者:
 多少読みづらくても、そこは原文準拠で。それに、子どもが読めないと…という配慮のわりには、語られるているシーンは大人もしんみりさせるものがあると思えます。
 光が消えたときには、そこに空いた闇を見て、やはり憂鬱になってしまうものなのでしょうが…。



「この酒場は、鉢植えがたくさんおかれていて、そう悪くもないんじゃないかしら」
「でも、みんな、トリフィッドだよ、サーズディ」

 出典: ジャスパー・フォード「文学刑事サーズディ・ネクスト3」(田村源二訳)

紹介 :NAL 様
HP :

コメント:
鎖にも繋がれていなくて、油断していると襲ってくるようです。
本の世界に入り込んで事件を解決する刑事小説。
3巻になると上下巻に分かれて、金銭的に負荷が大きくなってきました。

駄弁者:
 もともとは食用油をとるために栽培されていたわけですし、酒場におかれていても不思議はない?
…てっぺんの毒棘さえちゃんと剪定されていれば、ですが。



小林…とうとうゴジラをやっつけたぞ

 出典: 小田基義監督、村田武雄・日高繁明脚本「ゴジラの逆襲」

紹介 :s 様
HP :

コメント:
 芹沢博士の発明したオキンジェン・デストロイヤーによって博士もろとも東京湾に朽ちたゴジラ、その1年後、新たな固体が確認されたゴジラは、新たに確認された怪獣アンギラスと共に大阪に現れた…という映画より、ゴジラを撃退した後の月岡青年(本作主人公)の台詞
 火口に落ちても生きてた奴(80年代版)が雪崩に巻き込まれた程度、すぐ出てくると思うけどねぇ…?オキンジェンデストロイヤーにも打ち勝ったし、(VSデストロイア)
 今投稿すれば8月の原爆記念日に間に合う・・・わけないか

駄弁者:
 すいません、ご想像どおり間に合いませんでした。
>すぐ出てくると思うけどねぇ…?
 まあ、まだ2作だったわけですし。あるいは死なさず次の伏線にするつもり…というわけでないか。次の映画まではかなり間が開いてますから。



「これは、別世界への入口です。眼や、耳や、心の別世界ばかりでなく、想像を超えた素晴らしい世界への旅……あなたは今、ミステリー・ゾーンへ入ろうとしているのです」

 出典: ロッド・サーリング脚本「トワイライト・ゾーン」オープニングナレーション

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
『ウルトラQ』や『スタートレック』のオープニングナレーションは投稿されているのに、何故か『トワイライト・ゾーン』だけが見当たらなかったので投稿してみた。このナレーションは、それこそ後年の『ウルトラQ』に多大な影響を与えた名文句ですぞ!
尚、文句は「ミステリー・ゾーン」となっているが、これは日本で初放送された時に改題され、それに合わせて日本語吹き替え版が作られた為である。おそらく、当時の日本人には「トワイライト」という言葉の意味(というか、ニュアンス)がピンとこなかったので、それで「ミステリー」などというベタに恐怖を煽るようなタイトリングにしたものと思われる。ともあれ、SFドラマの名文句としてここに紹介しておきたい。

駄弁者:
 ミステリマガジンに載った脚本の翻訳は、だいぶ前にご投稿がありました。
 読むとあっさりしていますが、ナレーションとして聞くとすれば、やはり今回のご投稿の方が耳に残りやすいんでしょうね。



考えられん!フィクションにもならん。ウィンストン・チャーチルとスターリンがねんごろになるって?大英帝国が寝返ってドイツと同盟を結ぶほうがよっぽどましだ!

 出典: ジュリー・ユルスマン「エリアンダー・Mの犯罪」(小尾芙佐訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 現実は小説よりも奇なり、という言葉がありますが、スターリンと筋金入りの反共主義者のチャーチルは、私たちの現実世界では同盟を結んだんですよね。
 第二次世界大戦がなく、ソ連が1950年代に崩壊した世界を描いたこの小説。この世界では、確かにフィクションにもならん話ではあります。そして、「第二次世界大戦史」の出版をきっかけに、1980年代も民主的なワイマール憲法が生きているドイツでは政治的ポルノを取り締まる必要があると主張され、国家検閲法が保守系党派から提出され、愛国心から共産党もそれに賛成し(以下、略)。本当に、いろいろと考えてしまいます。

駄弁者:
 独ソ不可侵条約がなかった世界では、「欧州の天地は複雑怪奇」にはならなかったんですね(別方面に複雑怪奇だと思いますけど…)。
>国家検閲法が保守系党派から提出され、愛国心から共産党もそれに賛成し…
 こちらの歴史は、左右どちらかみても危険で不愉快だった、ということでしょうか。



「今となっては博士に感謝しなくちゃいけないなぁ……自由に消えたり現れたり……欲しい物は何だって手に入るんだ。どんなに威張った奴でも、その気になりゃ、いつだって消せるんだ。ハハハ……そうなると何も欲しくはないし、誰を殺したいとも思わないなぁ」

 出典: 本多猪四郎監督・木村武脚本「ガス人間第一号」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
近く舞台化される東宝SF映画より(…って、これが掲載される頃には公演終わってるかも)。
大学受験に失敗し、航空自衛隊のパイロットを目指したが適性検査で不合格を喰らい(体格が悪かった為)、三十歳近くなってやっと図書館の臨時職員に採用された、寂しい独身男性水野(演・土屋嘉男)。そんな彼のもとに、或る日、佐野久吾と名乗る科学者(演・村上冬樹)が現れ、「ジェット機のパイロットはおろか、宇宙船の搭乗員にだってなれる!」と言葉巧みに水野を誘う。が、その誘いに乗って受けた生体実験は失敗に終わり、水野の細胞組織は気化してしまった。「ガス人間」にされた水野は逆上し、佐野博士を殺害。一時は絶望の淵をさまよったが、精神統一によって自由に気化したり元に戻ったり出来るようになると、その超能力を活用して銀行強盗を重ね、警視庁を翻弄するのだった……そうした経緯を水野自身が新聞社の応接室で編集長や記者たちに語り、最後にニヒルな微笑と共に吐いた締め括りの言葉が、上記の台詞である。
実に余裕ぶった不敵な言葉だが、今の世の中「ガス人間予備軍」みたいな若者はけっこう多いような気がする。競争に敗れ、格差社会の底辺部を這いずり、夢も希望も持てなくなった時、不正な金儲け、薬物、犯罪など、誘惑の影に取り憑かれ、自分は特別な人間に生まれ変わったのだと錯覚し、更に壊れていく……そんな若者が世間を震撼させたようなニュースを、私たちはどれだけ見聞きしてきたことだろう。しかし、そういう若者が増えた責任の一端は、やはり私たち「今の大人」にもあるのだろうと思う。そんなことを考えながら聴くと、耳にも心にも痛い名文句だ。

駄弁者:
 なんとか公演前に掲載できました。
>「ガス人間予備軍」みたいな若者
 ガスのように好き勝手なところに現れて、正体不明のまま好き勝手なことができるというのは、制限はあるもののネットの匿名性と一脈通じるように感じました。
 水野自身の動機は、昨今の刹那的な大量殺人とは異なったものがありましたが…。



「背中におっぱい女」はいまにきっと現れる、それも近い将来、と彼女は確信していた。

 出典: スーザン・セリグソン「巨乳はうらやましいか?」(実川元子訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 たかが肉のふくらみでしかないのに、人々の関心を集めてやまない乳房。自身Hカップの胸に悩まされていたライターが、現代の胸事情を取材する。その中で、胸が大きいだけのストリッパーでは客は喜ばないとかたるエージェントは、新しく人目を引くアイデアとして、背中に乳房のあるストリッパーを発案していた。
 これっぽっちもSFではないのですが、見逃してください。SFが現実に追い越される瞬間がここに出現したのです。しかも、今でなく近い将来といったのは、単純に整形外科医が引き受けなかっただけ。
 エキセントリカ・ガランビッツ(銀河ヒッチハイクガイド)やカスタムメイドガールズ(オルガスマシン)の世界がすぐそこに!

駄弁者:
 こんな感じでしょうか。
 脂肪で形だけ整えるなら、背中にでも4つにでもできるかも知れませんね。しかし、人目は引くだろうけど、それはストリップとしてなんだろうか…?



俺はお前が言ったことを肝に命じた。だから俺は、あれ以来、これまで自分が犯した罪を償うため、各地を巡礼して歩いたのだ。そんなことをしても俺が犯した罪が消えるとは思わない。しかし、今の俺にはこれしかできない。

 出典: 高久進脚本・冨田義治監督「超人機メタルダー 第13話『危機一髪!親と子が愛をもどす海猫の村』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 ネロス帝国は日本銀行の地下までトンネルを掘り、金庫に保管された金塊を強奪するというゴールド作戦を計画します。何も知らずにトンネルを掘らされていた作業員の田所民夫は、ヨロイ軍団のサイボーグ戦士、暴魂ヒドーマンを目撃して、怖くなって脱走してしまいます。故郷の海猫の村に帰る途中で車を盗もうとした田所を捕まえたメタルダー・剣流星は、事情を聞いて一緒に村に向かうことになります。しかし、村にはすでにヒドーマンと下忍部隊・軽闘士“影”が先回りしていました。田所の妻子を人質に取られて手が出せず、崖から落とされてしまったメタルダーは僧兵のようなヨロイを着た男に助けられます。それはかつてメタルダーと戦って破れ、命を救われたヨロイ軍団の元激闘士ベンKでした。彼が今までどうしていたのかとメタルダーに聞かれた答えが投稿の台詞です。ヨロイ着たまま巡礼すんなよ。メタルダーは田所一家を救うためにベンKに協力を依頼します。これまでメタルダーは人間であるヨロイ軍団員には止めを刺さずに見逃していたのですが、田所の妻子を木から逆さ吊りにして下の地面に刃物を植え込み、田所に妻子の命と引き換えに自殺を迫るというヒドーマンの非道ぶりには自省回路が働かなかったのか、レーザーアームで体を真っ二つにしてしまいます。そして一人で影たちを全滅させて田所一家を守り抜いたベンKは、力つきて立ち往生をとげるのでした。

駄弁者:
 ベンKが敗れたときのエピソードはこちらで合ってます? まるで帝国側のサイボーグ戦士にも自省回路がついていたかのようです。…札所の方はずいぶんびっくりしたでしょうけど。
>ヒドーマンの非道ぶりには自省回路が働かなかったのか
 『汝の敵を愛せよ』とはいえ、どうしても愛せない敵というのはいるということでしょうか。



西洋文明におけるサイエンスは、その中心が『神学』にあるものです。
本来、サイエンスとは、神が造りたもうたこの世界について探求する、という、キリスト教的理念から発しています。

 出典: ひかわ玲子「ファンタジーとSFの狭間で……(栗本薫「蜃気楼の少女(グイン・サーガ外伝16)」解説)」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 つまり、「科学上の新発見」などというものは、新しい神学思想の提唱のようなもので、新技術の開発は、旧来の「神学」を守ろうとする人々に、一種の神学論争を吹っかけているようなものだ、ということになるのでしょうか。じゃあ、「進化論」や「地動説」を巡る、一連の騒ぎは、一種の「宗教戦争」というわけなんですか?(ウィキペディア「進化論裁判」参照)そーいえば、クローン羊のときだけじゃなくて、アポロ11号の月着陸成功のときも、時のローマ教皇が、何故か声明を出してらっしゃったからなー。「クローン羊みたいに生命観に係わるような問題ならとにかく、人間が月にいったことで、なんでぱぱさま(前回の投稿で説明済みのため、解説は略させていただきます)が声明なんかだされるんだろー。」と思っていましたが、「ある宗派から、ある宗派への、神学を巡る公開質問状」だと考えると納得がいきます。一種の神学論争、いえ、もしかしたら、「宗教戦争」なわけですね、天国のパウロ六世猊下(アポロ11号が月着陸をした時のローマ教皇)。そりゃ、「キリストの代理人(ローマ教皇の称号の一つ)」としては、「何か言わないと」という気持ちになられることでしょう。こう考えると、前に投稿した「幼年期の終り」からの数々の引用文に対する、「何故科学と宗教を、そうまで対立的にとらえる必要があるのか」という疑問が解けるような気がします。宗教戦争だったのかー、ふーん。

駄弁者:
 そういう面もあったのでしょうが、それが全てでもなかったんじゃないかと想像しています。世界を探求する欲求はキリスト教以前からあったわけですし。
 逆にその欲求に神学の衣をかぶせるための口実だったのではないか…少なくともそういう人も中にはいたのではないか、と。



どれほどその信ずるところに確信を持っていても、いつかはわれわれが彼らの神をその台座から引きおろすのではないかと恐れている。必ずしも故意の行為によらなくとも、何かもっと巧妙なやり方で。

 出典: アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」(福島正実訳)

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 前回に続けて、「幼年期の終り」から、カレルレンの言葉より。この後に「科学が宗教を」云々という、前回に投稿した言葉が続くのですが、何故に一連の言葉を分けて投稿したかというと、なーんで「信仰」と「科学」とを、対立するもの、相争うもの、としてみなければならんのだろー、と疑問に思うからなのですよ、少なくとも私は。そりゃ、まー、「進化論」や「地動説」が唱えられたときの騒ぎを考えたら、ひじょーに、ひじょーに、反論しにくいんですけどねえ。えーん、天国の先代ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世猊下、何故、何故、ガリレオ・ガリレイの名誉回復にあんなに時間がかかったんですかぁ?だから、「科学的検証に宗教が口出しをする悪しき慣行の前例となった」(ウィキペディア「ガリレオ・ガリレイ」参照)なんて言われるんですよー(泣)。なんとか仰って、パパさま(日本人カトリック教徒の間で使われる、ローマ教皇に対する敬称、というか、愛称)!

駄弁者:
 この部分、最近出た新訳(池田真紀子訳)では「計算ずくでとはかぎらないが、いつの間にかそういうことになってしまうかもしれないと、」となってました。
 個人的にはこっちの方が合っているように思うんですよね。自分たちがなにか「巧妙な」手を用いなくても、その存在だけで理性と科学が勝利するだろうと言うほうが、オーヴァーロードの考えそうなことです。…実際はそう単純にはいかないのでしょうが。
>天国の先代ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世猊下
 当代のベネディクト16世だったら、名誉回復はもっと遅れていたんじゃないでしょうか。



20年前の本書初版では、「群れを飼っていなければ繁殖は無理」と書いた。出版間際の時間の切迫と文章量の制限の中で、「群れ」の前にあるべき「羊や牛の」という言葉を挿入し忘れてしまった。

 出典: ロバート・マッシュ「新版 恐竜の飼いかた教えます」(新妻昭夫/山下恵子訳)

紹介 :営々 様
HP :

コメント:
 「いま恐竜が生きていたら」や「恐竜時代でサバイバル」でドゥーガル・ディクソンが孤軍奮闘しているなか、懐かしいアイツが帰ってきた! というわけで名著が新訳で復刻ですよ。
 アジアの羽毛恐竜ほか新しい恐竜が追加されており、アイコンでの特徴列記や恐竜ショップの案内など「本気度」も痛いぐらいパワーアップ(しかし語源はやりすぎだろう)
 個人的に受けたのが上記の「ティラノサウルスが実は単独性だった」事を説明する箇所。これに限らず旧版に使われた学説で古くなったものには、苦しくも他人事めいた言い訳でフォローされています。
「20年前に広告に出ていたのは大きさが違う偽物」
「子供にも安全なはずの恐竜は別種の恐竜の幼体だった。『子供が好き』と書くべきだったのだ」
 訳者はこの箇所を「子供が大好物」と訳すべきなのだ。このせいで指を食われた人が出たそうですが、この世界で著者は訴えられたりしないのでしょうか…

駄弁者:
 表紙絵は初版の方が好きだったかなあ…。ま、それはそれそとして、初版との違いをこういうユーモアでくるむのは、面白い手だと思います。『子供が好き』に苦笑(「好物」だったわけですね)。
>「いま恐竜が生きていたら」や「恐竜時代でサバイバル」
 「〜サバイバル」の方はチェックしていなかったのですが、「いま恐竜が生きていたら」は本屋で見てすぐ買いました。しかし「アフターマン」や「フューチャー・イズ・ワイルド」に比べると、意外性のある想像力という点で及ばないように感じられ残念でした。現代の風物と恐竜とのコラボなら、「DINOPIX」という先達がありますし…。



あなた男の子になりたい?

 出典: 小川ひだり「愛の研究」  アンソロジー「つぼみ Vol.2」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 学校で一人だけの化学部員である純先輩に憧れ、「何か近づくきっかけはないかしら」と考えていた主人公のミカは「新薬の被験者募集中」という張り紙を見て早速飛びつきます。そこで聞かされた新薬の内容というのは実は毎日400cc飲むだけで…ってわけです。しかも純先輩の発言から察するに予定通りならどこかの娘溺泉に落ちた男の子とは違って肉体だけではなく精神まで男性化するはずだったっぽいです。
 ちなみにその純先輩曰く「もし失敗しちゃったら責任は取るわよ」との事ですが、失敗の内容にもよるけど(神経細胞とか遺伝子とかにも影響しそうですし)失敗したときより成功してしまったときの方が責任重大だと思うのは僕だけでしょうか。

駄弁者:
 むしろ「成功したら責任取るわよ」というべきところだった? 男性化できることを確認した後、元の女性に戻るところまでが実験内容だったら、失敗で責任を取らねばならない可能性も出てきますが…。
>肉体だけではなく精神まで男性化するはずだったっぽい
 この場合、薬の作用として男性化するのか、肉体が男性化したことに伴って結果的に男性化していくのか、ちょっと考えてしまいました(性同一性障害とも絡んできそう?)。



彼らがブリッジで見た物は…互いに抱き合い、口づけを交わしたまま息絶え、無重力の室内に漂う男女2名の姿だった…。

 出典: プラチナゲームズ製作・セガ発売「無限航路」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 同名のゲームの、主人公の航海日誌という形式の公式ブログから。
 ある日、主人公達は仲間の頼れる姐さんから、宇宙の怖い話を聞かされます。
 宙域警備隊が発見した漂流中の小型船舶。乗組員の男女(二人以外は全てAI)は既に手遅れで亡くなっていた…
 しかし、コレのどこが怖い話かと言うと、じわじわとなくなっていく酸素、息苦しさをしのぐため、少しでも空気のあるものを探した二人が、最期に見つけたのはお互いの肺の中だったという…
 この後、主人公達は念入りに酸素発生器のメンテナンスをしたとか

駄弁者:
 これは…想像すると本当に恐いです(宇宙じゃなくても潜水艦とか海底都市なんかでありそう)。
 奪い合うものが二酸化炭素だけになってしまったら、次は互いの舌を噛み切りあってもっとも悲惨な心中しかなくなってしまうんじゃ…。



これこそボクが使うためにボクが開発したボクのための水陸両用バイクだからねぇ、ひひいっ!壊れたり暴走したり、まさか音速を超えたりなんてことはあり得ないのさぁあああっ!!

 出典: 林トモアキ「お・り・が・み 獄の弓」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 やっぱり作品自体はSFではないのですが、登場するマッドサイエンティストの台詞を。
 山一つ吹っ飛ばす改造エアガンとか一部の人間だけファイト一発状態にする薬品(それ以外の人は軒並みダウン)とか作ったりする奴でも自分が使う物は無茶な機能をつけたりはしないようです。
 しかしこの後操作ミスで海底まで潜るハメになるんですが。

駄弁者:
 無茶な機能を使いこなせるよう、自分自身も改造するぐらいの気概で臨むのがマッドサイエンティストじゃないか!というのは酷でしょうか(笑)。



「われわれはもどってくるだろう──全人類の平和と希望とともに」1973年、月の大地を踏んだ最後のアポロ宇宙船の飛行士は、離陸まぎわにこういった。
…(中略)…
われわれは、ひと握りの勇敢な科学者だけでなく、何千という植民者を伴って戻っていかなくてはならない。そして、今度こそはしっかりと、月の大地に国旗を打ち立てなくてはならない。2019年7月20日が目前に迫ったいま、1969年夏の探検者たちの精神を祝福するためにも。

 出典: アーサー・C・クラーク『アーサー・C・クラークの2019年7月20日』(酒井昭伸訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 アポロの月着陸40年を記念して投稿します。
 月着陸の中継で解説を務めたクラークが、2019年の月での生活を語ります。日常生活・教育・医療・戦争など色々な切り口に渡って語られた未来の手記。
 残念ながら現状を考えると、夏の探険者たちの精神を祝福することは極めて難しいといわざるをえません。
 あと残念なのは、この本はどうもSFマガジンのクラーク追悼号の著作リストに入っていない。旺文社というSFと縁の薄い出版社から出ていたせいでしょうか。

駄弁者:
 夏の探検者たちの後を追って月に到達するのは、何千もの植民者よりも先に、何千の無人探査機やロボットかも知れないですね。…「かぐや」はそのさきがけか。
>SFマガジンのクラーク追悼号の著作リストに入っていない
 私もご投稿をいただくまでこの本のことを知らなかったのですが、AMEQ氏の「翻訳作品集成」にはちゃんと出ているし、国会図書館の蔵書検索でもしっかりひっかかる。何で抜けてしまったんでしょうね?



五百年前までは地球が丸いなんて誰も考えたことがなかったんだよ。
紹介 :ザタンゴールド 様 → 第144集


ブンヤ的表現でね、若い女はみんな美人っていうんですよ。

 出典: 本多猪四郎監督・関沢新一脚本「モスラ」

紹介 :人外魔境地底獣国 様
HP :

コメント:
 インファント島に住む身長約30センチの双子の妖精、彼女たちのことを「小美人」と名付けた主人公、福田善一郎のセリフ。
 各種メディアで「美人○○」と紹介される女性の写真を見ると、失礼ながらこのフレーズが浮かぶことがよくあります。

駄弁者:
 ふと「首なし美女の亡霊」ってフレーズを思い出しました。どこで見たんだったっけ…。



「やっぱ…イヤか?」
「あ?」
「あ、あたしみたいなのとそういう関係なのって」

 出典: 夏海公司「葉桜が来た夏2」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 主人公の許へいきなり逃げ込んできたアポストリ(アポストリについては前回、投稿参照)、ただならぬ様子からとりあえず守ることを決めたものの、本人は頑として素性を明らかにしない。その理由は(ネタバレ:彼女は主人公の異母妹で、同族が主人公の実母と実妹を惨殺したことから、主人公に拒絶されると恐れていたから)なのですが、その理由を明かすシーンです。
 確かに主人公が10代後半の少年なので、当然の理由です。でも、主人公は第1作でアポストリと和解していて、彼女を温かく受け入れるのでした。私が主人公の立場の頃だったら、なかなかできません。

駄弁者:
 そういう怨恨って、当人たちの個人的な感情もさることながら、周囲の人々やもっと広く社会環境なんかがそれを許すかも大きいんじゃないでしょうか。



また彼には、よくできた日本製モンスター映画をテレビで見つける趣味もある。
「モンスターには日本語が似合う」とラファティ。「あれはモンスター言語だ」。

 出典: ロン・ウルフ「<ラファティ・インタビュウ>モンスターには日本語が似合う」(伊藤典夫訳)  『SFマガジン』1994年10月号に収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 なぜそんなことが断言できるのか、普通なら理由を問い質したいところですが、相手がラファティでは仕方ありません。
 (ラファティ自体、こちらから見れば妖怪みたいな人ですしね)
 しかし、アメリカでもテレビで怪獣映画なんかやってるんですな。
BGM:「モノノケダンス」電気グルーヴ

駄弁者:
 ゴジラあたりを字幕で見てのご感想だったのでしょうか。
 英語圏の人にしてみたら、言葉も文字もずいぶん奇っ怪に思えるんでしょうが。ラファティの作品の方こそ、言語に関係なしに奇っ怪ですけどね〜。



少なくとも倭人伝のヒミコがいるのだから、女の首長が巫女であるという想像は出来た。−出雲神話の失われた核心を取り戻すと称し資料を偽造し曲解して行けば、「完全な女の国を、女の出雲神話を復元」する事は不可能ではない。またこれこそ国家神話が「創設」されるときの普通のやり方である。

 出典: 笙野頼子「水晶内制度」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 女だけの国「ウラミズモ」に招かれた小説家である私は、火枝無性(ひえだのなくせ)という名前を与えられ、神話の創作に取りかかる。出雲神話が大和神話に侵略されたことを掘り起こしていけば、今の日本に通用している神話と対抗できるだけの物を作り出せる。
 与えられた名前が稗田阿礼の対になっていることでも判るように、ウラミズモ(うらいずも)は徹底して日本のパロディ化を謀っていきます。
 そしてウラミズモが建設されるにいたる経緯が紡がれていきます。263ページと決して大部ではないですが、21世紀を代表する奇書に推薦したい作品です。

駄弁者:
 無性と言いつつ片方の性のみに徹底して肩入れとは看板に偽りアリですね(笑)。
 言葉遊びにこだわるなら、「ウラミズモ」とは「ウラ出雲」と同時に女性の「怨み」にもかけている…?



「一人だけの力だけで勝てるなど驕りぞよ」
「これからも三大臣の力を合わせて、ヒューマンワールドを汚く汚して、汚れさせまくるでおじゃる」
「我を許してくれるなりか」
「うんッ!」

 出典: 東映制作「炎神戦隊ゴーオンジャー」

紹介 :晩期 様
HP :

コメント:
 初めまして、いつも楽しんで見せてもらってます。初投稿なので何か不備があるかもしれませんがよろしくお願いします。
 敵の3大臣の一人ヨゴシュタインが腹心の部下を倒された怒りのあまり、協力しようとする他の大臣を拒絶して一人で暴走し、負けて帰ってきてショックを受けているところをなぐさめられている時のセリフです。
 この3大臣、歴代の悪役軍団の中でも、チームワークが抜群で絆や友情を大切にしており。失敗して帰ってきた部下を粛正するどころか励ましたり総出でパワーアップさせたりと悪役とは思えない人柄でファンの間でもとても人気が高いみたいです。

駄弁者:
 勝手ながら前後をつめさせていただきました。
>これからも三大臣の力を合わせて、ヒューマンワールドを汚く汚して…
 この場合、よい子の親御さんとしては、彼らを見習うように教えるんでしょうか?



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