SF名文句・迷文句第157集

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エゴが露呈すること恐れる者
エゴに触れることを望まぬもの
エゴを理性で包むことで社会は成り立っている
理性の仮面を外した時 エゴとエゴが対立する
そこに悪は存在しない
エゴに突き動かされた正義と 被害者だけが存在する
悪が憎しみを生み出すのではなく
正義こそが憎しみを生み出すのだ
正義の仮面は人を死に追いやる死神の顔をしているのかもしれない

 出典: 士郎正宗原作・神山健治監督「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」 DVD映像特典BIOS #05中のナレーションより

紹介 :万太郎 様
HP :

コメント:
 リアルタイムにネット上で他者とコミュニ―ションを取れるようになった攻殻の未来の世界でも、擬似人格で己を匿名にする作中の人々の様子についてのコラムです。この文句、ドラえもんの「どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」や火の鳥の「宗教はどれも人間が創ったもの そして、どれも正しいもの」に通じるものだと思います。
「人間は争いを好む醜い生き物だ」という表現はアニメや漫画でよく見かけますが、わたしはそうは思いません。人々は一人では脆弱ですから、集団を作ってその中で平和を保とうとするのは防衛本能でしょう。他の集団と対立し、自を含む集団を時に命がけで守ろうとするのもそのためだと思います。人間は太古の昔から群れをなして集団で生きてきましたから、集団の中で和を保ち平に過ごすことを望む生き物なのだと思うのです。平和を望まない人なんていないでしょう。「争いを好む醜い生き物」と自嘲するのも、平和を望みながら争いをしてしまうことへの後悔と反省の念だと思います。  善悪論についてたまに考えることがあるのですが、何が善で何が悪かは絶対的なものはなく、「誰かにとって都合の悪いことが悪」という相対的なものでしかないと思います。人類の永久の願いとされる恒久平和は人類の集団が一個になって、悪がその「集団にとって都合が悪いこと」という形で絶対善が確立された時に達成されるのかもしれません。

駄弁者:
 戦争や宗教といったマクロなものを扱った言葉とは、少しニュアンスが異なるんじゃないかとは思いますが…。この場合、仮面の名前が「正義」なのか「悪」なのかは関係なく、仮面に隠れて好き放題言えること自体に問題があるんじゃないかと。
>人類の集団が一個になって…
 そうなっても、「何が集団にとって都合が悪いのか」の意見の相違が争いを生むことになるでしょうね…残念ながら。



あのすさまじいエネルギーを、なんとか平和に利用できないものだろうか……?

 出典: 藤子・F・不二雄「ドラえもん 『まあまあ棒』」

紹介 :鋼将門 様
HP :

コメント:
 砂漠の狐さんに続き、ドラえもんの「まあまあ棒」から。
 TVスペシャル版で船越英一郎氏も欲しがっていた、怒っている人の口を押さえて「まあまあ。」と言うだけで怒りを収めることのできるこの道具、実は「怒りを鎮める」わけではなく、「怒りを腹の中へ溜め込んで我慢させる」道具で、ドラえもんによるとそれを繰り返すと溜め込まれたエネルギーが火山の大噴火にも匹敵する爆発を起こす…という危険性を持った代物でした。
 スネ夫はそれを知る由もなくのび太からまあまあ棒を奪い、故意にジャイアンを怒らせて怒りを抑えることを繰り返し、ドラえもんとのび太が駆けつけたときにはジャイアンは爆発寸前。二人はなんとかジャイアンを人気〔ひとけ〕のない空き地へ誘導しようとしますが、そこへ毛虫つきの枝を持ったスネ夫が現れ、「危ない! 逃げろ!」と二人が空き地の外へ駆け出したところで大爆発。煙がさらわれ、そこには黒焦げになったジャイアンとスネ夫だけが残されていた…というドリフターズのコント的なオチでした。その光景を見てドラえもんが口にしたのが上記の台詞です。
 そんなオチで口をついて大真面目な台詞を出すドラえもんは逆に笑えますが、そうは言ってもこのエネルギーは利用すること自体が難しいのではないかと(←このての物に限って、ヒーロー番組では悪役に利用されたりする)。
 ジャイアンは普段から乱暴で、劇場版『海底鬼岩城』の海底人の精神鑑定で「凶暴性有り」と診断されたりという様子からして蓄積できる怒りの感情のエネルギーの許容量が低かったために小規模の爆発で済んだのかもしれませんが、逆に普段は優しい人であったなら、その爆発は「地球破壊爆弾」並の星一個消滅させかねないほどの規模になっていたかもしれません……。
 もっとも、ある意味これ以上に依存しすぎると危険、という事項が当てはまる道具機械はいくらでも存在しますけれど(笑)。

駄弁者:
 ある意味これもエネルギー保存則…?
>あのすさまじいエネルギーを…
 これのパイロットになってもらうとか(平和利用じゃないか…)。



「よくおぼえておくんだぞ、このモンキー野郎ども。きさまたちひとりひとりに、政府は五十万ドル以上もの金をかけているんだ …(中略)… そこへ、きさまたち正味の値打三十セントを加えると、こいつは相当な金額だ」
ジェリーはおれたちをにらみつけた。
「だから、きっと返納するんだぞ! 」

 出典: ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」(矢野徹訳)

紹介 :蝶人 様
HP :

コメント:
 作品の冒頭、出撃する機動歩兵に小隊軍曹がかけていた言葉です。
 兵隊の値打ちが50万ドルとんで30セントというのは、人の命は地球より重いというのと同じように根拠が無いんですけど妙に納得してしまったのは小学生当時の私です。

駄弁者:
 ご投稿の文句だけ見ると、お前ら兵士の教育に50万ドルかかったんだから命をムダにせず生きて帰れ…ということかとも読めるんですが、実は50万ドルと言っている大半は装備のこと。まあ、訓練も含まれているし、生きて帰れと言っているのには違いないんですが。
 それにしても、小学生時代にもう「宇宙の戦士」読んでましたか…。



「古代地球にキラという領主がいた。」

 出典: ティモシィ・ザーン「ブラックカラー」(野田昌弘訳)

紹介 :蝶人 様
HP :

コメント:
 シチュエーションと合わせて一本!の名文句です。
 時は未来、人類は宇宙に進出していますが、とある異星人に支配されて30年たっています。30年もたてばすっかり社会は安定化し、異星人の支配ももはやアタリマエの日常に…
 主人公は人類独立を目指す反政府組織に属し、とある惑星のゲリラ組織と接触しようとしています。そのゲリラ組織は異星人との戦争末期に生み出された伝説の「ブラックカラー」部隊の生き残り。しかし出会ったのは昔話ばかりのジジィたち。
 失望した主人公はしかし、ひょんな事から真実を知ります。そのジジィたちの生活は演技であり、実は彼らは本気で戦いを続けていたのでした。
「30年もの間ずっとバカにされながら、どうしてあなた達は戦い続けられたのですか」
と聞く主人公への答えがこのセリフです。
 その後彼らは黒い襟(ブラックカラー)の制服に身を包み、手裏剣と格闘技と知恵と勇気で快進撃を開始します。実は彼らは実質的に忍者部隊なわけです。ヌンチャクを使うあたり、ショー・コスギのアメリカンニンジャでしょうか。
 しかし彼らの口から出る赤穂浪士は新鮮です。何百年未来、何百光年のかなたで戦士の心の支えになっていると思えば、年末恒例の討ち入りにもワンダーを感じることができるのではないでしょうか。

駄弁者:
 ティモシー・ザーン、最近はスター・ウォーズのノヴェライズでしか見かけなくなってしまいましたね。
 「キラ」とカタカナで言われると、はてそんな日本人いたっけと一瞬思ってしまいます。30年もの間ずっとバカにされながら…って、ブラックカラーがいたのは惑星ギオンの都市名イチリキでしょうか(笑)。
>ショー・コスギのアメリカンニンジャ
 そう言えば主人公の名前、ケインでした(名字ですが)。



マックス・ヘッドルーム:君はかなり過激な役を演じてきたね。どれが一番気に入っている?
ルトガー・ハウアー:「ブレードランナー」だ。
マックス:「ブレードランナー」か。
ルトガー:どこか君のキャラクターに似ているよ。
マックス:僕のキャラクターって、つまり性格ってことかなぁ〜?
ルトガー:ああ。魂がね。
マックス:足さえないのに、どうして魂があるんだ?
ルトガー:それが重要な点さ。
マックス:どういう事?
ルトガー:つまり…人工的だという事。
マックス:キャラクターが人工的?
ルトガー:いや。魂が人工的なのさ。
マックス:…こんなにすぐ大テーマが話題になるとは思わなかったよ。

 出典: チャンネル4(英)制作「マックス・ヘッドルーム・ショー」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 引き続き同番組よりの投稿です。手元の名場面集のなかでは、この回がいちばん楽しめました。ルトガー・ハウアー。「ブレードランナー」ではレプリカントのバッフィを演じていました。僕の大好きな俳優です。
「ブレードランナー」の台詞はアドリブだ、と以前の投稿にありましたね。恵まれた体格を持ちアクション場面の多い彼ですが、どの役の時にも、台詞の端々に哲学的な趣が感じられます。
 このショーでもそうでした。マックスの飛ばすジョークに笑みを浮かべつつ、深遠な言葉で応じるルトガー・ハウアー。役柄そのままの知性的な人でした。「ブレードランナー」が一番好きだ、という言葉は嬉しかったですね。個人的には「サンティアゴ」のエンジェル役をお願いしたいところです。
 お気に入りの二人の会話なので、この台詞を投稿の最後にもってきました。ということで「ネットワーク23は…」品切れです。

駄弁者:
 人工のものだという時点で、それが魂をもつということを否定してしまうんじゃないかと思ったのですが…。さすがにレプリカントを演じた人間は懐が深いというところでしょうか。
 エンジェル役は、かなりハマっているような気がします。



ハウイー・マンデル:最高だ! 初めてだよ。ボクはTVに映ってて、キミはTVの中のTVにいる。
マックス・ヘッドルーム:そう、TVのTVのTVにいるんだ。現実なんだよ。

 出典: チャンネル4(英)制作「マックス・ヘッドルーム・ショー」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 おなじみ(…であると信じたい)マックス・ヘッドルーム、こちらはドラマではなくショー番組からの投稿です。毎回多彩なゲストを迎えてトークする「マックス・ヘッドルーム・ショー」。その名場面集がビデオ発売されてまして…これもDVDにはなってないでしょうね。登場するゲストはスティング、マイケル・ケイン、ティナ・ターナー、ジャック・レモン、ジャクソン・ブラウン、ボブ・ゲルドフ、トレイシー・ウルマン等等、実に多彩かつ豪華です。昔の番組なので名前も古いですが、本当に多彩で豪華です。
 で、私も知らない名前のゲストがハウイー・マンデル。あちらでは(当時)有名なコメディアンだそうです。"The Fine Mess"という映画で、狼に育てられた青年の役を演じたとのことですが、有名なのは「グレムリン」のギズモ役でしょう。ショーの中でもあの声でしゃべってくれてます。彼のトークは8割がたジョークで、どこまで信用して良いのか全くわかりませんでした。マックスとの相乗効果で、彼の回はすごいことになってます。
 マックスの紹介をうけてマンデルが発したコメントが上記の台詞です。「マックス・ヘッドルーム」の世界観って、つまりこれなんですよね。TVの中のTVの…。しかしマンデルは実在のコメディアンで(発言はウソばかりですが)、客席には観客もいます。ショー自体はまぎれもない現実です。
 …もっともサクラの客もいますから、ショーだからといって全てを鵜呑みにはできませんが。納豆で(中略)。「ネットワーク23はまだまだ続くよ!」

駄弁者:
 「グレムリン」は小さい頃見に行きましたが…このコメディアンの名は全然知りませんでした。
 「TVのTVのTVにいる」のが現実と言われると、現実って一体何?と考え込んでしまいます。まあ納豆は…あれは、100%信じ込んでしまう方も素直すぎると思うのですが。



その時、メタルダーの自省回路が作動を開始した。
自省回路とは、無限の力を秘めた超人機メタルダーを造るにあたり、力での解決がすべてではなく、汝の敵を愛せよとの大きな思いを込めて造った装置であった。
それは平和主義者・古賀博士の限りない願いであったのだ。

 出典: 冨田義治監督・高久進脚本「超人機メタルダー 第3話『野兎への愛にハンマー男ベンKが涙する』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 キカイダーに良心回路があるなら、メタルダーには自省回路があるのです。
 第1話でヨロイ軍団長・凱聖クールギンの剣に完敗し、第2話で戦闘ロボット軍団・爆闘士ゴチャックと引き分けたメタルダーは3話にしてヨロイ軍団・激闘士ベンKに初勝利します。その直後に、上記のナレーションが流れます。「なぜ止めを刺さない?」と聞くベンKにメタルダーは、「たった一つしかない命、無駄にするな」と言い残して去って行きます。
 なお、投稿にある凱聖とか激闘士とかが知らない人には何のことか分からないと思うので。
 メタルダーの敵であるネロス帝国には、四つの軍団があります。
 戦闘ロボット軍団は、メタルダーと同じ旧日本軍の技術を元に造られたロボット兵士。
 機甲軍団は、重火器で武装したロボット兵器。
 モンスター軍団は、バイオテクノロジーで造られた戦闘用人工生物。
 ヨロイ軍団は、サイボーグや強化服を着た人間の戦士。
 そして各軍団は軽闘士、中闘士、強闘士、烈闘士、激闘士、爆闘士、雄闘、暴魂、豪将、凱聖という階級に分けられています。

駄弁者:
 作品概要については、以前ご投稿のあったこちらも参照のこと。
 自省回路…反省するための回路ということならば、少なくとも1回は過ちを犯さねばならない?
 しかし、善悪をアプリオリにインプットするよりは、事例の積み重ねで判断を重ねるほうが、柔軟な気がします。



「月面都市(ルナ・シティ)に着いたら電話入れるから、週末のパーティーには必ず出るからってバーニーとデビー夫婦にいっといて。」
「早(はよ)せ―― ヒカル!!」
「キャシーから今朝連絡あって二人目が産まれたって。」
「へ―― そりゃめでたい!」
「ああ…そうだ、来月からの火星行定期便(バス)、どうやら本決まりになりそうだよ。」
「…ンとかよォ… まいったね!」

 出典: 新谷かおる「パスカル・シティ」

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
 事故にあった宇宙飛行士(お父さん)たちをその子供らが助けに行く「パスカル・シティ」。そのラストには、宇宙で働くことが日常となった光景が描かれます。こんな時代が来るのでしょうか。

駄弁者:
 私たちが生きているうちには…月の恒久基地ぐらいはできそうな気がしますが、シティはちょっと無理かなあ…。
 火星行定期便は、多分子どもか孫の代ですな。



笑いは心のビタミンだ!
紹介 :電撃翼 様 → 第113集


「そのドラスとの決着をつけずに逃げ出すことは、私が許さない!
 いいえ、私が許しても!
 あなたの中の 男が 許さないはずね!
 そうでしょ?」
「…逃げ道がなくなるようなことをいうな…」

 出典: 石ノ森章太郎原作・島本和彦まんが「仮面ライダーZO」

紹介 :TOM 様
HP :

コメント:
 本作は、仮面ライダー生誕20周年記念劇場版作品『仮面ライダーZO』のコミカライズです。劇場版ではクールで頼れるお兄さんだった主人公が、こちらで熱血でちょっいとおバカなヒーローになっています。まぁ、島本和彦ですしねw
 望月博士が開発した“ネオ生命体”ドラスは、自分を更に完全な生物に改造させるため、望月博士の息子・宏を誘拐して人質にしようとします。それを阻もうとする、仮面ライダーZO。しかし、ZOはドラスを作るための試作品として作られたいわば“未完成体”であり、ドラスのパワーには及びません。
 かろうじてドラスの分身体を撃破したZOでしたが、完全体であるドラスと自分との実力差は歴然。しかし、宏が通う武道道場の娘であるナオミ(劇場版では玲子)はそんなZOに喝を入れて、パンチやキックに“気”を乗せれば威力が倍増できると説明。
 投稿のセリフは、その特訓をZOに受けさせるための“説得”です。 なかなか汎用性があるような、ないような…(笑)  とりあえず、ライダーの姿のまま柔道着を着てるZOがかなり新鮮な一編でした。

駄弁者:
 バカな男なんだろうなあ。でもそれでこそ男なんだろうなあ。
 汎用性は…どうなんでしょう。少なくとも私には通用しそうにないです。



「わぁかった! もう二度と泥棒の味方したり、金の要求とかしねえ!
だから俺を呼べっ! 良太郎!」
「…ごめんなさいは…?」
「え゛…?」
「…ごめんなさいはっ!?」
「…あーっ、もうっ…
 ごめんなさぁぁぁぁいっ!!」

 出典: 小林靖子脚本・長石多可男監督「仮面ライダー電王 第4話『鬼は外!僕はマジ』」

紹介 :TOM 様
HP :

コメント:
 今年の仮面ライダーの設定は、ちょっと複雑。
 未来の世界からの侵略者たち“イマジン”は、精神エネルギー体なのですが、現在の人間と契約を結んでその願いをかなえることを約束すると、実体を持つことができ、さらにその願いをかなえると、現在よりもさらに過去の時代に飛んで、そこで破壊の力を発揮できるようになるという存在です。
 本編の主人公、野上良太郎も、イマジンの1人に憑依されてしまいますが、彼は“特異点”と言われる存在であったため、自分の意思がハッキリしているうちは、イマジンに身体を乗っ取られてもその行動をある程度抑えることができます。しかし、良太郎が寝てたり気絶してたりすると、イマジンは彼の身体を自由にできます。  良太郎は、気弱で体力もない、何より決定的に運がない男なのですが、それだけに他人の不幸には敏感で、それを救いたいという想いを強く持っています。
 さて、彼の身体に取り付いたイマジンであるモモタロスは、桃太郎に出てくる赤鬼イメージのイマジン。大暴れすること自体が大好きな性格で、その目的は特に気にしません。なので、良太郎の身体を動かせるのをいいことにヤクザとケンカするは警官を殴り倒すは、挙句に泥棒の片棒を担いで良太郎を怒らせてしまいます。
 モモタロスに絶交を宣言した良太郎は、仮面ライダー電王・プラットフォームに変身して、街を破壊しようとするイマジンに立ち向かいます。しかし、モモタロスと合体してソードフォームにならなければ碌な戦闘力を持たないので、ボコボコにやられてしまいます。このままでは良太郎が死んでしまう!
 良太郎が死んでしまうと、契約者であるモモタロスも存在できなくなってしまいます。モモタロスは「俺を呼べ! 死んじまうぞ!」と呼びかけますが、良太郎は瀕死の状態にありながら頑なにそれを拒否。“悪”の力を借りるくらいなら、死んだ方がマシだという覚悟と気迫の前に、モモタロスが遂に折れて、もうしないから俺を呼べと叫びます。
 ところが、良太郎は立ち上がる力もない状態にありながら更に「ごめんなさいは?」と呼びかけるのです。
 「ごめんなさぁぁぁぁいっ!!」の叫びと共に、モモタロスは良太郎と合体! ソードフォームに変身して敵イマジンを速攻撃破! モモタロスは良太郎に「お前、ヘナチョコかと思ってたら、結構頑固で根性あるじゃねぇか」と言って仲直りするのでした。
 平成ライダーは、とかく“大人なドラマ”を重視するせいか、明らかに悪いことしてる人間が活躍したりすることが多かったりしたのですが、やはり“子供番組”である以上、道徳的なところはキチンと押さえておいてもらいたいところ。  この場面は戦闘の流れもカッコよくて、お説教的にもならずに“悪い事したらごめんなさい”ということを強烈に示す名シーンでした。
 こういうシーンは、見てて気持ちが良くて、大好きです!

駄弁者:
 電車に乗ってくる「最弱」のライダー(?)ということで話題になってましたね。
 あんまり関係ないですが、これの後で下のご投稿を続けて読むとなんとなく後味が悪いです。



いつかわだかまりがなくなればとは思いますけど、一度の謝罪でリセットできるほど私たちの心も単純じゃないんです。機嫌を取られても反感が募るだけなので普通に接してください。

 出典: 有川浩「図書館危機」

紹介 :ぽちぽち 様
HP :

コメント:
 戦いが終わり、「オトナ社会のイジメ」とりあえずの収束段階での被害者さんの見事なセリフです。
 私自身、高校時代にイジメにあって、しかも、私に対決する勇気も根性もなかったためもあって(はっきり言って、被害者にそんなもの要求するのがムリっちゅうもんです。ここまでに気力も自尊心も叩きつぶされてますから)それが卒業するまで続いちゃったんですが。こうなれればよかったなぁ、と、心底思いました。それができなかったために、立ち直ったつもりなのに40年たってもまだわだかまりを残している身としては。ごめんなさい、目一杯重たい話になってしまいましたm(_ _)m

駄弁者:
 人気のシリーズ第3作。私は今年に入ってやっと第1作「図書館戦争」だけ読みました。面白かったけど、もうちょっと図書館っぽい話が欲しかったかなあ…。
 いじめについては、私は誰かにいじめられたことも、誰かをいじめたこともあると思います(小学生の時分ですけどね)。どちらに対しても、今かける言葉は思いつきません。



「寿司とスパゲッティをいただきます」とミスター・オオギヒフォエエンナヒグレエはいった。

 出典: コニー・ウィリス「スパイス・ポグロム」(大森望訳)  『最後のウィネベーゴ』に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 異星人が持っている「スペース・プログラム」を手に入れるため、かみ合わないコミュニケーションで接待に奔走するドタバタ劇より。コニー・ウィリスは、笑える作品から泣ける作品まで、長編から短編まで何でもこなせる芸の広さが驚異的です。
 舞台となるのは「ソニー」という名の、どうやら日本系のコロニーなんですが…。そこで異星人オオギヒフォエエンナヒグレエを連れて行くのが「てんぷらピザ店」、異星人が注文したのが上の取り合わせ。異星人だけじゃなく接待側の地球人も同じの食ってます。…お願いだからギャグだと言ってください。
 なんか日本料理店にスシ・ポリスを派遣したくなる気持ちが分かってくるなあ。



「ガ、ガッチャマン!」
「ほぉ、俺たちの姿を見て驚くということは、さては貴様らギャラクターだな!」

 出典: タツノコプロ制作「科学忍者隊 ガッチャマン 第85話『G-4号はあいつだ』」

紹介 :取手呉兵衛 様
HP :

コメント:
 ギャラクター秘密諜報機関・GCIAを国境にて待ち伏せしていた科学忍者隊は、一般人に変装したギャラクターの前に立ちはだかります。
 その際の、ギャラクター隊員と大鷲の健との会話が、上記台詞なのですが…。
いや、何の罪もない一般市民でも、科学忍者隊の奇抜な衣装を見れば驚くと思うんですが…。ちょいと早計過ぎやしないか、ガッチャマン。
 あるいは、誤解から忍者隊に成敗された哀れな一般人も結構いるのではないかな、と妄想してしまいました。

駄弁者:
 他に根拠はあるんだけどタネを明かすと次から使えないから、ムリヤリ難癖をつけている…というのが精一杯の好意的解釈。



「よおし!バードミサイルをお見舞いしてやるぜ!」
「待て!ジョー!!」

 出典: タツノコプロ制作「科学忍者隊 ガッチャマン」

紹介 :取手呉兵衛 様
HP :

コメント:
 意外に投稿の少ない「科学忍者隊ガッチャマン」から、第1話、さらにそれ以降も、大鷲の健とコンドルのジョーとの間で幾度となく交わされたこの台詞を。
 毎度のようにゴッドフェニックス唯一にして必殺の兵器・バードミサイルを撃ちたがるジョーのトリガーハッピーぶりは
「こいつ、実はバードミサイルを撃てれば後はどうでもよいのでは?」
とすら感じられました。(苦笑)
とはいえ、たまに珍しく思い通りに撃てるときがあっても、大抵は効果無し…。つくづくジョーが不憫でありましたよ。 ちなみに、バードミサイルって水平なボタンを押して発射するんですよね。
トリガーやレバーではない必殺武器の発射装置って珍しいのかも?

駄弁者:
 実写映画化の話が出たので、順番飛ばしで先に出してみました。そういえば「ガッチャマン」からのご投稿は初登場か…。「科学」忍者隊というわりにはかなりムチャクチャだったような気がしますが。
>トリガーやレバーではない必殺武器の発射装置
 …これとか?(実写映画化つながりでもあります)



地球のやつらめ覚えていろ!!ヤプール死すとも超獣死なず!!
怨念となって必ずや復讐せん!!

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンエース」

紹介 :ディッセ 様
HP :

コメント:
 どうも初めまして、ひととおり名言を読み終えたので投稿させて頂きます。
 ウルトラシリーズで初のレギュラー悪役であるヤプール。そのヤプールは物語の中盤にて全世界の子供達を異次元へ連れさらう作戦を実行に移します。しかしウルトラマンエースがTACとゾフィーの協力により異次元へ突入。ヤプール達は合体し巨大ヤプールの姿になってエースと戦いますが結局敗北します。そして断末魔にこのセリフ。
 その言葉どおりこの後も超獣は出現し、ヤプールも残党が暗躍。
 次回作ウルトラマンタロウでもベムスターと超獣二体を復活させタロウとZATを苦しめました。
 そしてウルトラマンメビウスでも復活、まさにバルタンに次いでのウルトラマン達の宿敵とも言える存在でしょう。

駄弁者:
 バルタン星人と言えば、作品違いますがこういうのが…。宇宙人といい異次元人といい、なんか地球に長くいると時代劇っぽい言いまわしにハマるもよう。



「風雷丸参上! 各々方、合体でござる!!風、雷、合、覇―――ッ!」
「流派超越、風雷合体!」
「風吹き荒れて嵐となり、雲引き裂いて雷走る!風と雷一つになりて、天下御免の三日月頭!!」
「轟雷旋風神、推・参!!」

 出典: 東映制作「忍風戦隊ハリケンジャー」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 1号ロボと2号ロボが合体するのは戦隊シリーズの定番となっていますが、この轟雷旋風神は核となる小型のロボット(風雷丸)の存在と二組の戦隊(ハリケンジャーとゴウライジャー)が文字通り一つになるという点で他作品より捻りというか豪華さを感じます。 それで完成した姿が恰好良いかと言えば、話は別なのですが。

駄弁者:
 画面ではそれでもカッコよかったのかも知れませんが、文字で見ると…。「天下御免の三日月頭」って。



だめだ、ウルトラマンは強い!

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマン第28話『人間標本5・6』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ダダ上司から「ダダ時間222以内に、6体の人間標本を完成するのだ!」
との命令を受け、宇宙線研究所を占領してそこの所員を採取するダダ271号。
 たまたま研究所に訪れた科特隊のムラマツキャップはそこでダダに遭遇し、ハヤタに至急の応援を頼みました。
 ハヤタがウルトラマンへ変身すると上司は遊撃せよと命令。 ウルトラマンに立ち向かうダダでしたがこれがまた弱い。 元々戦闘員ではなかったと推測されますがウルトラマンの攻撃により悶絶する姿は少し可哀想でした。
で、最後は上司に対して泣き言をいう始末。
 それでも忠実と言うか愚直と言うか、スペシウム光線を顔面に喰らってもなお職務を全うしようとするダダ。 しかし、最後は姿を消したまま空へ逃げようとした所を2度目のスペシウム光線で撃墜。
 現場の苦労を何も知らない上司に翻弄された、悲運の宇宙人でした。

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 上司の命令で日向峠の宇宙線研究所を占領し、所員らを捕まえて標本にしていたダダ271号。しかし、人間ミクロ化装置は故障するわ、調査に来ていたムラマツ隊長に動力室の電源を切られるわ、その上更にウルトラマンのスペシゥム光線を顔面に浴びて大火傷を負うわ、予想外のアクシデント続きでヘコみまくり、やっとのこと上司に無線で報告。その報告内容が上記の台詞である。
 上司から「君は疲れている」と言われてしまう某ウルトラ兄弟も切ないが、上司に泣き言を垂れる侵略者というのも、なんだか悲哀に満ちて気の毒な感じがする。

駄弁者:
 小さい頃、このエピソードが非常に怖くて泣きそうになった覚えがあるのですが、いただいたコメントを通してみると、別の意味で泣けます。
 まったく現場の混乱も考えずに勝手に物事を決めることといったら、どの組織も…。



人生ただいきるより何かあるはずじゃないか

 出典: アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(中田耕司訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
初投稿です。古典的な名せりふだと思うので今まで出なかったのが不思議なくらいです。
これは、終盤での主人公ガリイ・フォイルとロボットバーテンダーとの会話です。
バーテンは、「なら、生きてそれをお探しなさい」と返します。
自分探しをしている方に捧げます。

駄弁者:
 そう言えば、知名度のわりに今まであまり投稿がなかったかな?(前に1回はありましたが…)。
 ただ生きる以外の目的が、フォイルのような復讐のためでなければ幸せなんですけどね。
 もっとも「自分探し」を口にする人の中には、「生きる」とか「生活する」とかいうことを軽く考えすぎな方もいるんじゃないかと…あー私も年くったかなあ。
「ただな、花枝……いうておくが、ただ、生きるということは、これで辛いことだぞ……」とは、ちょっと「ただ生きる」のニュアンスが違うのですが。



いえ 弱いです 人間は弱い生物なんです!!
だから 人間は残酷なんだ!!

 出典: 永井豪「デビルマンレディー」

紹介 :海並童寿 様
HP :

コメント:
全身の細胞が急激に変異して、人間が怪物のような姿と怪力を得、しかし同時に往々にして理性を失う「ビースト化現象」に対処するため設立された機関・HA(人類同盟)。主人公不動ジュンのパートナーにしてHAのエージェントでもあるアスカ蘭が、HAの研究所を訪れた際、殺害したデビルビーストの死骸をサイボーグ化して利用しようとするプラントを見て
「真に残酷で強いのは人間のほうではないかしら……」
と呟いたのに対して、研究者が返したのがこの台詞。
 生きるためのなりふり構わない様は、確かに残酷にも野蛮にも非道にもなってしまうのでしょうね。そうでもせにゃこんな幼形成熟のサルモドキが生き残れるとも思えませんし。
 それにしてもこのエピソード辺りを折り返し点に、この作品一気にSF色を失うのですなorz

駄弁者:
 「デビルマン」は、わざわざSFとして紹介しなくてもいいんじゃないかと、いつも掲載から外しているのですが、今回は「レディー」のほうだから…ではなくて。「このエピソード辺りを折り返し点に、この作品一気にSF色を失う」というからには、それ以前はSFだったんだろうということで、今回限り掲載させていただきます。
 「優しくなければ生きていく資格がない」なんて悠長なことは、自然界では言ってられないんでしょうけど。
 でも本当に生きていくために必要ならば、それは「残酷」とは言わないんじゃないでしょうか。人間が残酷なんだとしたら、生きるためじゃないところでもその「強さ」を発揮してしまうからでしょう。



この宇宙では
時間は
失うか使うか
二つに一つ

 出典: 士郎正宗「アップルシード」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」。
 そう、この宇宙の時間は一方通行で、ボーッとしてようが仕事してようが同じように流れている訳です。
 「あの時ちゃんとやっておけばよかった」等々のいわゆる「後悔後を立たず」が増えていくと、時間を「失った」か「使った」かがとても気掛かりになってしまいます。
 だから若い衆が「時間を無駄使い」していると、ついこの名セリフを使いたくなるのですが、「いやいや自分もこうだった」と、年寄りの愚痴を飲み込んでしまうのでした。

駄弁者:
 その時間が無駄だったかどうかは、ずっと後になってみないと分からない、というのが若い衆の言い訳その一。
 年寄りにとっては、後をたたずあらわれる先に立たない後悔に、費やしてしまうことそのものが、時間を失う原因の一つだったりしますが…。



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