SF名文句・迷文句第97集

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第96集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第98集を見る


「勝てるかどうかはランナー次第だ」

 出典: コナミ製作「アヌビス 〜ZONE OF THE ENDERS〜」

紹介 :ain 様
HP :

コメント:
 初めてココにきてしかもゲームからの投稿ですがご容赦ください。KONAMIから発売されているPS2のゲームソフト「ANUBIS」からの出典です。
 22世紀…人類は火星にテラフォーミングを施し、その生活圏を広げていた。そして人類が木星圏に到達した時、「メタトロン」と名付けられた稀少鉱石の発見により人類の科学文明は飛躍的な発展を遂げようとしていたその過渡期…火星は地球に対し、植民地政策からの独立を図るべく武力蜂起を画策していた…。
 木星の衛星カリストで採氷労働者として働いているディンゴ・イーグリットは偶然、オービタルフレーム…メタトロンを使った新型の機動兵器…「ジェフティ」を発見。突如としてカリストに襲来した火星独立武装組織「バフラム軍」と交戦をした後、成り行きでバフラム軍の武力蜂起最終計画「アーマーン計画」を阻止するためにジェフティを駆り戦いに赴く事になったのだが…
というのが大まかなストーリーです。
 上記の台詞はオービタルフレーム開発の第一人者でもあり、主人公のディンゴにオービタルフレームの操縦法を手ほどきした事がある科学者、ロイドが言った台詞です。ジェフティの対の機体として製造された脅威の戦闘力をもつアヌビス…それに対抗するためにはジェフティの戦闘能力を100%引き出すためのプログラムを手に入れなければならないという。そこでディンゴが「じゃあ、それさえあれば勝てるのか?」という問いにロイドはこう答えたのです(ランナー=オービタルフレームの操縦者の事)。
 道具が完璧でも、使う人間がヘッポコだとどうしょうもないのですね。過ぎたる技術を使いこなせるまでに人は進歩していけるのでしょうかね…。

駄弁者:
 …使いこなせる人間がいない道具は「完璧」と言えるのか、どうか。
 関係ないですけど、「ジェフティ(トト)」と「アヌビス」が対というのは、エジプトの死者の書ネタなんですね(公式サイトで見たら、アヌビスの頭部はちゃんとイヌっぽいし…)。



「今、スタートレックをやっている時間なんだ」
白人男は苦々しげに答えた。
「基地の中の人間は、アレを見ている最中はどんなに優秀なものでも能力が三割以下になってしまうものなんだ……情けない」

 出典: 神野オキナ「あそびにいくヨ!」

紹介 :龍樹 様
HP :

コメント:
 初投稿です。ひょっとすると長いかもしれないので適当に切ってください。
 突然宇宙から日本語を話せる猫耳宇宙人がやってきて主人公の家に住み込み……、というコメディSF。名(迷)台詞は囚われの身になった猫耳宇宙人を助けようと、沖縄は嘉手納基地に潜入せんとする主人公一派を手引きする軍人の台詞。この後も「そうそう、しかも今夜はTNGとDS9,それぞれ第四シーズンの第一話だからねえ。盛り上がる盛り上がる」と、知っていない人は置いてきぼりの会話が続きます。実際、主人公は取り残されています。在日米軍に一矢報いてやりたいと思っている方は是非これを参考にしてください(笑)。この話では他にも、既出ですが、人類のファースト・コンタクトの相手は怪奇な外見をしていなければならないとするハードSF団体なども出てきて、SFファンなら爆笑モノの台詞が沢山あります。

駄弁者:
 初のご投稿歓迎します。お言葉に甘えて、前半部分は省略させていただきました。
 第四シーズンの第1話…ボーグの話ですか。まあ、それだったら能力低下もしょうがないですな。
>ファースト・コンタクトの相手は怪奇な外見を…
 前にご投稿があったこれですか(こっちもスタトレネタだ)。



いやだ。おれは民衆を信じている。おれは虎になり果てるまでは、民衆の一員だった。おれのようにたたきのめされて目覚めさせられれば誰だって凡人ではなくなることができなくなる。

 出典: アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(中田耕治訳)

紹介 :あるい 様
HP :

コメント:
 「ジョウント効果」と呼ばれるテレポーテーションの開発によって誰もが自由にどこへでも行けるようになったものの、窃盗、劫略、戦争がおこる25世紀に一人遭難した宇宙船に残されたガリー・フォイルは、自分を見捨てた宇宙船「ヴォーガ」に復讐をすべく、奔走するしかし彼の情念は、は思いもよらぬ方向へいくのだった。「岩窟王」を元にしたSFですが、原作とは違う方向に話が進みます。上の言葉は、主人公が終盤敵に向かって言った言葉です。

駄弁者:
 今、元ネタの方の「厳窟王」がSF設定でアニメ化されてますね。監督の前田真宏氏はもともと「虎よ、虎よ!」を映像化しようとしたところ権利関係で断念せざるを得なかったんだそうで。



「二羽さん、ぼくが大きくなった頃にはあそこまで行けるんでしょうか」
「──さあねえ──。──行きたい?」
「行きたいです。」
「──そっか 行きたいかあ──。」

 出典: わかつきめぐみ「ご近所の博物誌」

紹介 :nayuta 様
HP :

コメント:
 最後は二羽(にう)さん。大学の博物学者で、主人公三稜(みくり)の住む村に調査にやってきた妙齢の女性。とにかく前向きで、好奇心旺盛で、周りの目や評判なんか気にしない行動の人で、助手に付けられた三稜は振り回されてばかり。いやでいやで仕方なかったのですが…
「雑草って草はないのよ。みんな名前があるんだから。」
 何事にも自然体で向き合う二羽さんの姿に、みなしごで厄介者の三稜の小さなコンプレックスはやがて溶けていきます。そして二羽さんの自然に対する思いに気づいた時、自分も同じように世界を見てみたいと思うようになります。
 終章近く、夜咲きの花を観察に行った帰り、星を見上げて。
「行きたい?」と尋ねた二羽さんに答えた
「行きたいです。」は、間違いなく三稜の最初の言葉。
自分の人生に対して、初めての自分の意志で生きることを決めた言葉です。
 これがSFかどうか自信がなかったのですが、北斗様が投稿されたので勇気を持って投稿します。(二番煎じとも言うが…)

駄弁者:
 博物学というのは、細分化されてしまった今の学問分野では残っていないんでしょうが、「知りたい」という、学問の原点に直結しているのがいいですね。
 もし三稜くんが星まで行けるようになって、そこで動物植物を発見するようなことになったら、また博物学も復活するんじゃないでしょうか。



「理由はどうあれ、あなたはりっぱによくやった。自信をもちなさい。」

 出典: GAINAX原作・貞本義行漫画「新世紀エヴァンゲリオン」

紹介 :nayuta 様
HP :

コメント:
 色気美人で、きまぐれで、破天荒で、生活破滅型。セカンドインパクトのただ一人の生き残りで、全ての既存軍隊が敗北した「使徒」、人類の科学力を越えた恐るべき敵と闘う大胆不敵な現場指揮官。
 母を失い、父に捨てられるようにして一人で育ったシンジを迎えに来た葛城ミサトとは、そういう女性でした。
 父に「予備」と呼ばれ、いきなりエヴァに乗せられて死ぬ思いで戦って、何とか勝っても無視されて。それでも悲しいとも思わない、死にかけていたシンジのこころに届いたのはミサトさんのこの言葉。
 「悲しい生き物」だろうと「自分の足で歩け」と言われようと、人間にはやはり心を支える何かが必要です。プライドというものかもしれません。
 閉ざされたり、死にかけていたり、なかったり、冷酷だったり、切れてたり、醒めてたり。不自由な心の持ち主たちの中で、一人生き生きとした心を持っているようにみえたミサトさんが、実はその奥に深い深淵を抱えていたことがやがて明らかになっていきます。

駄弁者:
 そういえばビデオを20話ぐらいまで見て、そこから先はほったらかしなんでした…。何か今さら最後まで追っかけるのもなあ。
 マンガ版のほうは、いつまで続くのか危ぶむ人もいましたが、意外と順調に出てますな。



「ハイハーバーへ行ってはっきりわかりました。ここはくだらない鉄とプラスティックの檻です。誰だって緑の中で暮らしたいと願っているんです。」

 出典: 宮崎駿監督・大塚康生作画監督「未来少年コナン」 (原作アレキサンダー・ケイ「残された人びと」)

紹介 :nayuta 様
HP :

コメント:
 コナンというキャラクターは奇跡的といえるほど、「少年」の理想像です。並はずれた身体能力と、不屈の勇気、欲や感情に曇らない純粋な心。
 このコナンと正面から対決できるのは、基本的に善人で小人物のダイスや権力の鎧にしがみついているレプカではなく、モンスリーでしょう。
 インダストリアに対し強固な忠誠心を持ち、そのためには手を汚すことをためらわないしたたかさと、それでいて自分の考えと異なる状況も率直に受け入れるしなやかな知性を併せ持つ女性。
 セリフはただの権力機構となってしまったインダストリアと決別したときのモンスリーのもの。クレーン椅子に乗ったレプカに顔を足蹴にされながら、目を反らさず、穏やかに微笑みながら。
 モンスリーの名シーンは数々ありますが、一番鮮やかなシーンだと思います。
 今やアカデミー賞監督になってしまった宮崎駿氏は、もうテレビアニメには戻ってこないでしょう。でも、映画の2時間ではとても描ききれないドラマもあります。NHKが初めてのテレビアニメに宮崎駿氏と大塚康生氏を起用してくれたことは、アニメファンにとっては奇跡のような幸運だった気がします。

駄弁者:
 このひと、最後はダイス船長と結婚するんですよねえ…。



「ラクファカール(帝都)で会いましょう、わたしの可愛い殿下。」

 出典: 森岡浩之「星界の紋章I 帝国の王女」

紹介 :nayuta 様
HP :

コメント:
 名文句、心に残る言葉の条件というものは、内容、シチュエーションもそうですが、「人」によるところも大きいでしょう。言葉が人を表す以上、「言った人」の存在感も名文句の条件になる気がします。
 少年の目から見た場合、ひときわ鮮やかな存在感を持つのはやはり年上のハンサムな女性でしょうか?
 nayutaです、こんにちは。今回のテーマは「ハンサムな女性」、マチルダさんと言えば、判ります?
 1つめは「星界の紋章」から。
 主人公ジントの乗った巡察艦ゴースロスは、戦争の始まりの場面に行き会います。侵攻軍に襲われて勝ち目の低い戦いから、ジントと翔士修技生ラフィールを退避させようとする金の瞳の絶世の美女、艦長レクシュ百翔長。
 抗うラフィールを厳しく叱責し、脱出行に送り出したレクシュ百翔長が最後にかけた言葉、ファル・フィア・クフェーナ。
 この後、何を書いても野暮な気がします。ただ、この文句の中に強く、暖かく、豊かな気持ちが込められているのは、本編を読んだことのない人にも伝わるのではないでしょうか?

駄弁者:
 読んだことのない人にも…というのは、ちょっと難しい。このセリフ、ラフィールとレクシュの関係を知った時点で、初めて味わい直される類のものなんじゃないかと思います。
 「戦旗」の4巻が刊行予定とのことですが、さて…ちゃんと予定どおり出るかどうか。



「え…えっと どうも初めまして…音山光太…だった…」(バタンッ)
「(だった? 過去形!?)え…? ご ごめ ごめんなさ〜い」

 出典: XEBEC原作・秋月亮作画「宇宙のステルヴィア 第3話『ごめんなさ〜い』」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 勉強会の準備のため、あわただたし気に部屋を片付けていた、主人公のしーぽん(片瀬志麻)。買い出しに行ったまま戻ってこない、ルームメイトのアリサとまちがえて、初対面の音山光太くんを、掃除機で殴ってしまいます。インパクト充分の出会いですね。
 (アリサいわく「おい しーぽん アタシなら掃除機で殴ってもいいのかぁ〜!?」)
 …一方、額から流血しながらも、挨拶を欠かさない光太くん。このあたりが、天才の天才たるゆえんでしょうか? (このあと倒れてますが)
 別名「小田急アニメ」(登場人物の名字に御注目。「片瀬志麻」は「片瀬江ノ島」、「アリサ・グレンノース」は「下北沢」らしい)の、全2巻のコミカライズより。
BGM:「君にBUMP」ケツメイシ

駄弁者:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」ということで?
 「インパクト」のほうはセリフじゃなくて掃除機由来のようですが。



「陸海空、三自衛隊の総力を持って、これに対処する!」

 出典: 金子修介監督「ガメラ3・イリス覚醒」

紹介 :まだん 様
HP :
http://homepage1.nifty.com/madannoshasyu/index.htm

コメント:
 映画のラスト付近で、たしか世界中のギャオスが、大群率いて日本に飛来して来るという情報を知った自衛隊の最高司令官だったか時の総理だったかは忘れてしまいましたが、その人が部下達に対して言った言葉。個人的には第二部の方が圧倒的に好きでしたけれどね…

駄弁者:
 出典見てないんで分からないのですが、これはどういうふうに名文句なんでしょうか。
 あるいは大見得切ったはいいけど実際自衛隊が「総力をもって」出動するには延々と許認可や法的手続きが必要で、結局対処できないという迷文句だったり?



子供のころ 星が降った夜を 覚えている
隕石を撃ち砕くために むやみに大きい大砲が作られ
それをめぐって 戦争が始まったことも

 出典: ナムコ製作「ACECOMBAT04 Shattered Skies」

紹介 :CrossBone 様
HP :

コメント:
 ゲーム自体は実在する戦闘機を駆って敵戦闘機を撃墜する、実にオーソドックスな3D STGなのですが、その世界観はSF架空戦記を思わせる、よくできた背景となっています。投稿の台詞はそのバックストーリーから。
 小惑星ユリシーズの落下によって大打撃を負ったユージア大陸。地球に落下する小惑星を打ち砕くために、巨大な高射砲群「ストーンヘンジ」が建造されますが、それはまた、別の用途として使用されてしまいます。
 すなわち、堅牢な対空兵器として。
 防衛目的で作られた物が兵器に転用されるとは、皮肉としか言いようがありません。

駄弁者:
 こないだ最新作の「5」が出ていましたね。
 小惑星を撃退するのに、軌道上ではなく地上で対策を行おうとするあたり、最初から兵器への転用を前提としていた…という解釈もできるんじゃないかと思ったりしましたが。



「まったく、すごいやつだよ。
 スーパーマンてのは」

 出典: リチャード・レスター監督・デビッド&レスリー・ニューマン脚本「スーパーマン3 電子の要塞」

紹介 :石神 様
HP :

コメント:
 以前に1,2度投稿させていただいたものですが、その後すっかりと御無沙汰しておりました。(いや、こっそりと皆様の名台詞を拝見させていただいてはいたのですが)
 2004年10月10日、亡くなられたクリストファー・リーブ氏。
 頚椎損傷にて首から下の自由を失って以後も、精力的に活動を続けられ、リハビリを行ないながら医療問題などへの発言を続け、自身も再び銀幕に出演するなどの活動を続けておられたそうで、早すぎる死に黙祷をささげたいところです。
 台詞自体は、スーパーマンに窮地を救われた消防隊の隊長の台詞。炎上する化学工場、消火用の水が出なくなって窮地に陥った消防隊の元にやってきたスーパーマン、事情を聞くや、近くの湖面を凍らせて上空まで運び、投げおろして人工降雨をつくって消火する…というなんとも豪快なシーンの後の台詞でした。
 子供心に、発想のスケールに感心したことを覚えております。
 スーパーマンに対し、素直に感嘆する一般人の心情をよく現した台詞だと思いますが、クリストファー・リーブ氏に対する思いを含めて、投稿させていただきました。

駄弁者:
 人を超える力で活躍するスーパーマンより、ハンデを背負った人でありながら(ハンデを背負ったからこそと言う方がいいのかもしれませんが)、活躍を続けたリープ氏の方が、より「すごいやつ」という感嘆に値すると感じます。
 セリフのエピソードについては……湖を凍らせた力で直接工場を吹いても効果があったんじゃないかとか、化学工場の火災に問答無用で水をぶっかけて良かったんだろうかとか、素直じゃない揚げ足とりも浮かびますが。
 でも確かに絵的には豪快なシーンでしたね。



「壊れやすいはずだ」
「なんで?」
「日本製だ」
「何言ってんのドック、良い物はみんな日本製」

 出典: ロバート・ゼメキス監督「BACK TO THE FUTURE 2」

紹介 :一志 様
HP :

コメント:
 お弁です(オバンですの変形です(^^;;)
 これは1955年のドクとマーティがデロリアンを修理している時のやり取りです。
 このセリフは五年生の時、社会の地理の時間に日本の工業品がどう見られているかの例えに担任の先生が出した話で 僕はそれに感動しました。
PS僕はこのシリーズで2が1番好きです。

駄弁者:
 そしてアメリカ製品がどう見られているのかがこちら
 1989年の作品ですね。15年たった今、メイド・イン・ジャパンは同じ評価を保っているでしょうか…。



「笑ってんだぞ このキノコはっ」
「食用家畜は鳴くぞ」

 出典: わかつきめぐみ「So What?」

紹介 :北斗 様
HP :

コメント:
 90集のゲルフラウネタを見たとき、真っ先に思い出したのがこれでした。
 朝起きると家中にでかいキノコが群生していた。それもただのキノコではない。触ると「ふっ」と笑うキノコである…。で、上記は学校にまで進出してきたそいつらを食べてしまった水元桐至と、その弟である桃太郎との会話。こーゆーコトを大真面目に言ってのける人は大好きです。
 まぁ、このケースでは既にウサギが食っちゃってたのを見てから食べた訳ですが…我々は『動物』は鳴くもの、植物(含む菌類)は鳴かないもの、という固定観念を持ってしまっている訳で。その垣根を軽く乗り越える彼はやはり偉大だと思う…『食えるもの』で一括りにしているのかもしれませんが。

駄弁者:
 みごとな切り返しです。
 しかし、鳴く動物を食うのは何とかなると思うんですが、「笑う」の対になるのは「鳴く」じゃなくて「泣く」ですよねえ…。それだと、ちょっと食えない。



ごはんよ〜〜〜
あたし 飼っているの
地球〜〜

 出典: 須藤真澄「子午線を歩く人」  同名短編集に収録

紹介 :北斗 様
HP :

コメント:
 地震やら雷雨やらの続くある日、田舎の学校に転校してきた柳原二三。やたらに奇行の目立つ彼女にクラスの男子が何をしているのか聞いた、その答えが上記の台詞。
 この後、地球にエサやったりお灸すえたり、色々と『世話』をします。『地球のために』ってフレーズは何となく好きじゃないんですが、ここまで言われちゃうと逆にすがすがしいかも知れない(笑)。
…勿論、結果が伴っていればですが。

駄弁者:
 飼うんならちゃんと最後まで面倒見るんですよ!
>「地球のために」
 このフレーズは私も好きではないんですが、しかしそれで気を遣えるようになるんなら、多少独りよがりでも鼻で笑って何もしないよりはマシなんじゃないかとも思ったりもします。



いいですかピーター、機械は恋することはできません、でも──たとえそれが望みのない恐ろしい恋であっても──女にはできるんです!

 出典: アイザック・アシモフ「お気に召すことうけあい」(小尾芙佐訳)  「ロボットの時代」に収録

紹介 :まーしー 様
HP :

コメント:
 アシモフの短編には癒し効果がある、アシモフ短編の映画の宣伝をテレビで見たが深い部分を映画化するのは無理のような気がする。
 それにしても冒頭の「ソラリス」には圧倒される、映画化されたらしいが出来栄えはどうだったんだろう。

駄弁者:
 試作品のモニターとしてロボット・トニイを連れ帰ってきたベルモント。当初は猛反対していた妻のクレアだが、やがて有能かつ美青年型のトニイを認め、気を許すようになる。そしてトニイもクレアに対して恋愛感情を…?
 ご投稿の文句はラストより、回収されたトニイについて、スーザン・キャルビン博士の見解。第一法則をもったロボットが、人間を好きな素振りを見せるということは、つまり…。この短編については癒し効果より、人間のエゴをつきつけたわりと鋭いものがあったりすると思うのですが。



ララア達(そうよ!ジュドー!私達の力をあなたにあげるから!力を!私達の力をあなたに!)
ジュドー「ちがぁうっっ!!死んだ者は何もしないっ…何もできないっ!だからっ!だからこそっ!命が…そのひとつひとつがっ…大切なんじゃないかっ!」

 出典: 長谷川裕一「逆襲のギガンティス Part4『完結篇』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 ジオン戦争系列のガンダムシリーズではお約束の、主人公がピンチになると守護霊(?)のように現れる過去に死んだ女性ニュータイプたち。また彼女たちに導かれて勝利した過去の主人公達・・・そしてこの時はジュドーを救うべくララア、プル×2ほかの異例のオールスターでご登場(笑)。しかし彼は救いの手を振り払って自らの手でヒロインを救おうとする…男だね〜、ジュドー!
 それにしてもガンダムの主人公で歪んでないのは彼だけですね。だから人気が出なかったのかな?では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 一代前の先輩の末路を思うと、そうそう素直に救いの手を取る気にはなれないのでしょうが。
>ガンダムの主人公で歪んでないのは彼だけ
 いや油断してはいけない、彼は重度のシスコンだったはず…。表れ方が陽性なので危なく見えないだけで。



ところが、二十二世紀も後半になり、SETIにかわる新しい試みとして、CURRYというプロジェクトが組織された。これは何の略称かと考えても無駄である。「おSETI(せち)もいいけどCURRY(カレー)もね」というだけの意味なのである。

 出典: 田中啓文「銀河帝国の弘法も筆の誤り」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 ご存知の方も居られると思いますがSETI(Search for Extra Terrestrial Intelligence)というのは、20世紀末にはじまった宇宙からの電波を解析して宇宙人を探し出そうとする実在の探査実験です(HP参照)。物語上でその擬似団体に「おせち(料理)もいいけどカレーもね」という昔のカレーのCMに引掛けてCURRYと名付けるのも、お笑い系の小説ではよくある話です。それでも普通はこじつけでそれらしい英語の正式名称を考えるものです。しかもネタばらしはたいがい解説かあとがきでやるものですが、ここまで堂々と本文で言い切られては笑うしかありません(笑)。
 とはいえ30歳前でこのCMを知ってる人はいるのかな?では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 わりと膾炙しているフレーズですから若い人でも直接CMを見たことがなくても知っているんじゃないかと思う31歳です。
 前にあったご投稿で、長い正式名称をまったく関係ないのに「略してWARPです」と言い切ってしまうのがありましたが、ベクトルは逆ながら、開き直り方には一脈通じるものがあります。



「その未来のきみはどうしてタイムトラベルの秘密を知っているんだ。」
「現在のぼくが知れば、未来のぼくが知っていても当然だ。」
「わかんないやつだなぁ。だってきみは現在何も知らないじゃないか。」
「もうすぐ未来のぼくが教えてくれる。」
「いいかげんにしろ!!これじゃどうどう巡りだ。」
「そのとおり!そのどうどう巡りの輪の中に入りこみさえすればいいんだ。
 そうしようと決めたんだ。そうなると確信しているんだ!!思念を凝らして信ずるただ信ずる。そうなった!!」

 出典: 藤子・F・不二雄「あいつのタイムマシン」  「藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 6」に収録

紹介 :kiyose 様
HP :

コメント:
 ごぞんじすこし(S)ふしぎ(F)漫画家、藤子・F・不二雄さんのSF短編集より。
 タイムパラドックスものはF氏はよく描くのですが、こういう切り方は新鮮でなにか
 思考の隙をつかれた感じが妙に記憶に残っています。

駄弁者:
 でもこの人物が時間の円環のある一点でタイムトラベルの秘密を知ることができるのだとすると、彼が知った時点よりさらに前の時間にいる彼にもその秘密を教えることが可能なはず。そしてその「前の時間にいる彼」もまたさらに前の時間にいる彼に秘密を教えることが可能…となると、タイムマシンの秘密を知らない彼が存在していること自体が矛盾となってしまうのでは。



「乗員は何人だったかご存知ですか?」と<デーモン>がたずねてきた。
船体の動きは止まっていた。
「何人だったかご存知ですか?」
カムフィールドはスクリーンのそばにはめ込まれた小さなスピーカーを見つめた。この深海の底で、たくさんの死骸を抱えたまま沈んでいる船、そしてそれを気づかっている脳だけにされた命。
「そうだな、二百六十人だったと思うが」

 出典: ディヴィッド・メイス「海魔の深淵」(伊達奎訳)

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 サイボーグ潜水艇<デーモン>4号の中に閉じ込められた脳が自意識のかけらを初めて示したシーン。それまでデーモンに同情的だったカムフィールドだが、これ以降何を考えているかわからないデーモンに自分の命が握られているという恐怖に駆られてしまう。
 人間関係とは難しいものです。

駄弁者:
 カムフィールドならずとも、普通恐いでしょう、死んだ兵士の脳を中枢に使っている小型潜水艦に乗っているというのは…。
 でも、先天的障害をもった少女の脳が動かす宇宙船に乗るのを想像しても、あんまり恐いと思わなかったりするのが、人間の勝手なところです。



「だれにとってもいちばん不幸なことがあるとしたら」と彼女はいった。「それはだれにもなにごとにも利用されないことである」

 出典: カート・ヴォネガット・ジュニア「タイタンの妖女」(浅倉久志訳)

紹介 :くうねるよむとぶ 様
HP :

コメント:
 ヴォネガットの作品は「猫のゆりかご」とこの作品しか読んでいないが、他の作品も読んでみるべきだと思わせる力がありました。連続投稿のシリアスな文句から

駄弁者:
 ご投稿の文句はエピローグより。
 財産も記憶も失ってあちこち放浪させられる登場人物のコンスタントにしても、地球の文明にしても、かなりとんでもない利用のされ方をしているとは思うんですが。しかしそれだけにこのセリフに深み出てきている…?



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