SF名文句・迷文句第288集

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たとえばクリプトンという惑星から地球に漂着したスーパーマンというヒーローがいる 彼はクラーク=ケントと名のりデイリープラネットという新聞社で働いているのだ そこまでは簡単にわかったがあとがいかん どう調べてもクラーク=ケントがどこに住んでいてデイリープラネット社がどこにあるのかわからない バットマンの住むゴッサムシティーも同じだ どんな地図を調べても所在が確認できないのだ

 出典: 魔夜峰央「パタリロ! 300『スペースヴァンパイヤ』」

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 マリネラから国王パタリロに無断で次々に脱出してゆく出稼ぎ異星人達。
 三百円を貸していた宇宙人から地球が数々の惑星を滅ぼしてきた変幻自在の宇宙の吸血鬼、イルギヌス星人に狙われている事を聞きだしたパタリロは、合衆国大統領と緊急二者会談を行いイルギヌス星人の脅威を訴えます。
 が、パタリロが最も化けるのが難しい対象だと考えていた合衆国大統領はすでにイルギヌス星人と入れ替わってしまった後でした。
 間一髪逃走に成功するパタリロ、4階のビルから飛び降りた彼をスパイダーマンみたいだ評するSPの言葉に疑問と興味をを抱いた『大統領』はスパイダーマンやスーパーマン、バットマン、]メン、はてはニンジャやローンレンジャー等の資料をかき集め視聴、彼ら超人達が自分達の大きな脅威になると確信した『大統領』は侵略部隊リーダー達に何故彼らの情報を自分達実働部隊に与えなかったかを問いただします。
 それに対する返答が投稿の台詞。
 何でもありなパタリロの世界ですが、さすがに出版社の異なるアメコミヒーローは実在しません。
 地球人とは比較にならない高度な知性と文明を持つイルギヌス星人は、フィクションやそれを作って楽しむという概念を太古に喪失してしまった上、これまでの侵略で実際に超能力者や超人達と戦い続けてきたため地球の『ヒーロー』が実在しないという事が理解できなかったのです。
 それに加えて地球の侵略自体、本来の侵略対象の惑星の住民が死滅した事による調査期間を大幅に短縮した緊急措置(地球人程度の知性の生命エネルギーはイルギヌス星人にとっては腹は膨れるが不味なので地球は侵略対象外だった)だった事も災いしてイルギヌス星人は地球は超人が異常発生する惑星と本気で誤解、その侵略計画は自滅に近い形で瓦解してゆくのです。

駄弁者:
 高度な知性と文明があるのにその誤解は…いや、パタリロみたいなのが実在している星なら、覆面ヒーロー程度の人間離れは普通に存在すると考えて不思議はないか。



「不要部分、収納!」
「三体、接合!」
「合身!!」
「『合身』!それは、スペースクリアー号と共にヘッダーロボに入ったタケシが、接合した三体のロボットと同じ大きさに巨大化することである!」

 出典: エイケン制作「UFO戦士ダイアポロン」

紹介 :取手呉兵衛 様
HP :
http://blog.livedoor.jp/tottekurehee/

コメント:
 ロボットアニメブームの最中にエイケンが製作したUFO戦士ダイアポロンは、同時期に製作されたグレンダイザー同様、UFOブームに乗った作品であり、「宇宙の亡国の遺児が悪と戦う」というプロットは似通っていると言えますが・・・。そのセンスの違いは今見ると驚かされます。
 特に出典のロボットの設定は空前絶後と言え、当時の子供(私含む)の度肝を抜きました…。合体形態でロケット噴射する描写があったりしたのですが、子供心にも内部構造はどうなっているのだろう、とツッコミを入れたものです。
 それにどう考えても、3体のロボットが合体する前の手足の格納は物理的に無理があり、これまたツッコミを入れていました。
 今にして思えば、本作のおかげで私は様々な作品の重箱の隅をつつくような性格になったのかもしれないのです。嗚呼、罪深き作品。
 ちなみに、ダイアポロンの最大奥義は敵の体内に縮小して侵入、巨大化して内部から敵をバラバラにするという「アポロン・デストロイ」。これまた豪快かつツッコミどころ満載の荒技でございました。
(しかし、内容的には実は結構面白い番組だったんだこれが)

駄弁者:
 「ユーエフオーがっしーん、がっしーん UFO戦士ダーイアーポーローン」おお、まだ最後の部分歌えるぞ。どんな話だったかは覚えてないけど。アメフトスタイルのロボットでしたね。
>「合身!!」
 Wikipediaには「合体」の言葉が商標登録されていて使えなかったという大人の事情も…。



輝く太陽背に受けて 鉄の巨人の叫び声
勝利の凱歌だ 正義の旗だ
進めジャイアントロボ! 立てジャイアントロボ!
進めジャイアントロボ! 立てジャイアントロボ!
進めジャイアントロボ! 立てジャイアントロボ!

 出典: 伊上勝作詞・山下毅雄作曲「ジャイアントロボ(TVドラマ版)主題歌」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 横山光輝原作の巨大ロボットSF漫画、そのドラマ版主題歌の歌詞。力強い闘魂マーチ風のメロディと男性コーラスが、なんだかナチスの党大会を思わせて怖い。
 それはともかくとして、夏休みの再放送、私はこの歌で初めて「がいか」という単語を知った。当時小学校低学年だった私は教材として学校から買わされた国語辞典で意味を調べようとしたが、小学生向けの辞典では「凱歌」という項目は無く、「がいか」といえば「外貨」しか載っていなかった。しかしそれでは歌詞としての文脈も意味も通らない。しかたなく父に訊くと「それはドルとかポンドとか、外国の金だ」と「外貨」の意味を答えるばかりだった。今にして思えば、私も単に「ねぇ『がいか』ってどういう意味?」と紋切り型に尋ねたのがいけなかった。頭に「勝利の」を付ければ、父も正しい意味を答えてくれたことだろう。で、なんとなく釈然としないまま、当時の私は「敵に勝つとドルで賞金がもらえるのか?」とか考えながらこの歌を唄っていた。それからしばらく後に、近所の中学生のお兄さんから正しい意味と漢字表記を教わったものだ。馬鹿な少年の、笑い話みたいな思い出である……。

駄弁者:
>勝利の外貨だ
 BF団から地球を守るための安全保障費を各国から集めていたんじゃないですか?…って、安保の対価で利益を得ていたなんてことになったら、当時の日本じゃ血祭りだったかな。



教訓とすべき悲劇と、それにまつわる美談を生み出します。文明と文化の発展に、この上なく大きく寄与するものです

 出典: 林トモアキ「ミスマルカ興国物語」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 同じく科学時代の遺物の台詞から。
 無人自動兵器同士の戦いは何も生み出すことは無かったと言うシャングリラに、人間同士の戦いが何を生むというのか、と訊ねた際の返答です。
 だとしても、過去に学ばぬのが人間だ…というのはきっと寂しい考えなんでしょうね

駄弁者:
 教訓と美談がないかわりに被害もないなら、文明と文化はより発展するんじゃないかなあ…。自動兵器同士の戦いでも被害は出る、というならそれを防ぐための教訓や美談は生まれるだろうし。
 前のご投稿でも思ったんですが、これは人間同士が戦争をやりたがるのは仕方がないという前提で、まだしも合理的な理由を見つけようとして出た答えなんじゃないでしょうか。



瑠璃:せ、せい、しゅん……。
GM【加納】:「る、瑠璃さん? どうなすったの?」
瑠璃:な、なんか、その言葉に、ものすごい、ショックを……。
ハウント:瑠璃にとって最も縁のない言葉のような気がするな……(笑)。
GM【加納】:青春もへったくれもないですからね。血と硝煙にまみれております。
…(中略)…
瑠璃:青春? 青い春? 意味がわからない!
キョウ:余ら若人にとっては、何よりも大切なものではないか!
ラハブ:それ以上ルリの傷を抉るなァーッ!!(爆笑)
風見:青春ってこんなに威力の高い言葉だったんだね(笑)。

 出典: 加納正顕/F.E.A.R.「ダブルクロスThe 3rd Editionリプレイ・デイズB 若君†激突」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
一番最後の風見の一文を投稿したかったんですが、状況わかるように付け足したらとても長くなってしまった。
とりあえず簡単に説明しますと凛々花を保護という名の凍結や監禁に近いことをしようとしているUGNの面々に対して、キョウが青春だからと拒否するシーンです。
キョウは何でもない事のように思って言ったのですが、瑠璃にとっては違うかった。
瑠璃は凛々花やキョウと同い年の17ですが特殊部隊に所属しておりそこは血と硝煙の世界、青春なんて入る余地はないのです。 青春……そうですねぇ、威力高いですよねぇ。
ゴフッ(吐血)             バタッ(倒れる音)

駄弁者:
 これ、実はひそかに瑠璃をやっているプレイヤーもダメージ受けてたりしないですか(笑)



「「世界はおまえの玩具じゃねえ!!」」

 出典: 東映制作「炎神戦隊ゴーオンジャーvsゲキレンジャー」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 炎神戦隊ゴーオンジャーと獣拳戦隊ゲキレンジャーが共演する劇場版から。
 世界中に伝わる竜やドラゴンの伝承の元となった怪物・無間龍。不老不死の彼は日常に退屈し、自分が楽しむためだけに世界を滅ぼそうと考えた。獣拳の創始者ブルーサ・イーの弟子マクを幻獣王(世界を破壊する破壊神)にするためにロンという青年の姿になって接近、マクに憎しみの心を植え付けるのには成功したロンだったが、幻獣王にする企みは見破られてしまう。このロンの行動が獣拳を激獣拳と臨獣拳に分断させる事となる。
 時は流れ、ロンは理央という少年を新たな幻獣王として見出した。まず理央の家族を惨殺して力への執着を植え付ける。成長して激獣拳使いとなった理央が目標としていた男ダンを不意打ちで殺害し、力への渇望をより強くした。同時に証拠隠滅のためにダンの関係者を皆殺しにした。このとき生き延びたダンの息子がゲキレッドこと漢堂ジャンであり、彼は記憶を失って野生児となっていた。
 ロンの目論見通り、より強い力を求めて封印されていた臨獣拳を蘇らせた理央は日々の修行とゲキレンジャーとの戦いによって強くなっていく。ロンは理央を慕うメレを利用して暗躍し、ついに理央を幻獣王にする事に成功した。だがロンの正体を知った理央はロンに与えられた力を捨て、ロンと刺し違える覚悟で放った攻撃で死んでしまう。大ダメージを負ったロンは臨獣拳を受け継いで真の獣拳使いとなったゲキレンジャーに封印され、慟哭丸という小さな球体にされた。この慟哭丸は封印が解かれるのを防ぐためにジャンが首飾りにして身につける事になる。
 臨獣殿の生き残りである臨獣トータス拳のメカから慟哭丸の存在を聞いた蛮機族ガイアークの三大臣は、その力を利用することを考えた。ゴーオンジャーから奪った炎神ソウル(メカ生命体「炎神」の魂とも言うべきパーツ)を人質に取られ、やむなくゲキレッドは慟哭丸を手放す。奪われた慟哭丸は蛮機獣ヌンチャクバンキに埋め込まれた。
 炎神ソウルと慟哭丸を奪還するためにゴーオンジャーはゲキレンジャーに弟子入りし、炎神を想う強い気持ちから繰り出される「炎神拳」を開眼。この技を駆使してヌンチャクバンキを倒したが、ヌンチャクバンキの体を乗っ取ってロンが不完全ながらも復活してしまう。ピンチに陥る両戦隊の前に、獣拳の秘技によって一時的な命を得た理央とメレ、ゴーオンジャーの仲間のゴーオンウイングスが駆けつける。台詞は最終決戦の前のWレッドの叫び。

駄弁者:
>自分が楽しむためだけに世界を滅ぼそうと考えた
 滅ぼす過程でいろいろ事件が起こっているようですから、無間龍も十分楽しめたんじゃないでしょうか。やっぱり玩具は長持ちするのが一番ですよね(違う)。



一歩後退して、舌で上の門歯を押した。全神経系統がうなりをあげて活動を開始し、身体のなかのありとあらゆる感覚や反射が五感の一つによって加速された。

 出典: アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(中田耕治訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 「ヴォーガ」を追跡するための準備として、ガリー・フォイルは改造手術を受ける。顕微鏡的なトランジスターや変圧器が埋め込まれ、プラチナが脊椎に埋め込まれたサイボーグとなった彼は、チンピラに絡まれたときにその力を発動する。
加速装置っ!
 00ナンバーサイボーグだと、加速装置と強化された肉体に防護服で超人的な動きを見せるのですが、フォイルは、神経系統の改造だけで(肉体は強化せずに)済ませています。その結果は視界が赤方変異を起こすまでになっているという有様。赤方変異を起こすためには光速の何%が必要なんでしょうね。更に視神経を活性化させると微弱なライトとして機能する(感光度が上がるのではない)という驚きの状態。フォイルの24世紀と比較としてはかわいそうですが、20世紀のブラックゴースト団にはここまでのことは出来てません。

駄弁者:
 加速装置を備えたサイボーグがどんなものになるかは、山本弘「奥歯のスイッチを入れろ」(『まだ見ぬ冬の悲しみも』に収録)で描かれていますが、音速程度でも相当な負荷がかかるようです。ジョウントができるようになったせいで人類の肉体自体も変化しているんでしょうか。
>視神経を活性化させると微弱なライトとして機能する
 なんか単に自分が眩しくなるだけという気もするんですが。



「そうさ、惚れた女を守れるんだ。最高じゃねえか!だからさ―惚れてる女を守るために――!」
『一緒に逝こうぜ、コンチクショウ――!』

 出典: 木村暢「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン」(小説版)

紹介 :晩期 様
HP :

コメント:
 ガンダム界最強の死亡フラグクラッシャー、パトリック・コーラサワーが最終決戦で自爆特攻を仕掛ける敵機達から好きな上官の乗る艦を守るために自機を割り込ませて庇った時の台詞です。
 これまで何度撃墜されようが生還してきた彼ですが、ここまで盛大にフラグ立てておいて機体は爆散しても自分は無傷で生還するから恐ろしい。
 ちなみにちゃっかりその上官とエピローグで結ばれています。

駄弁者:
>好きな上官の乗る艦を守るために自機を割り込ませて庇った
 死亡フラグさえ回避すれば、惚れた女との幸せが確定するフラグでもあると思います。あと、シリアスに死ぬには名字がちょっと面白すぎたんじゃないでしょうか。



フロル ごらん
きみの好きな
日食だよ

 出典: 萩尾望都「続・11人いる! 東の地平 西の永遠」

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 前作『11人いる!』での宇宙大学合格者仲間の「王さま」ことマヤ王バセスカから手紙が来て、タダとフロルが王さまの星アリトスカ・レを訪問する。時は折しも「食の月」。毎日見られる日食にフロルは夢中になる。
 しかし突然のクーデターに巻き込まれ、二人は王さまと共に捕われの身に。
 引用した文句は、後ろ手に拘束され護送される馬上で、落胆するフロルにかけたタダの言葉。
 うらやましい! 毎日なら私も日食を見逃さずに済んだのに! というのは冗談として。
 「しっかり」「元気出して」と励ますのではない、さりげない優しさが心に沁みます。
 実は先日読んだ萩尾望都対談集1970年代編『マンガのあなたSFのわたし』収録の特別対談で、『ハチクロ』の羽海野チカさんがこのセリフを挙げて熱く語っておられて、「そうそう、そのとおり!」とうなずいたのでした。
 この作品は、私にとって、泣けるマンガのひとつです。「あなたにあやまりたかったの」とか「このアホーッ!」とか。

駄弁者:
 こないだ古い友人に「『11人いる!』にはあまり思い入れがない」と言ったら、「思い入れがあるとかないとかで済ませられる作品じゃないだろう!」と叱られて、文庫版を再読しました。
 正編『11人いる!』が傑作なのはもちろんですが、様々な陣営の思惑が絡み合うこの続編の方が、今の私の好みに近いです。…もっともご投稿のセリフ前後のフロル・タダご夫妻のイチャつきぶりを見て、前作で白号の爆発に巻き込まれてしまってもよかったよな、とも(笑)。



やれやれ……MSなどというものはね
しょせん機械です ねらいどころで
どうにでもなるのですよ!

 出典: 富野由悠季原作・長谷川裕一漫画「機動戦士クロスボーンガンダム」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 別に東方不敗マスターアジアでなくても生身でMSを撃破したガンダムキャラクターは多数います。(もちろん素手では無理です、ロケットランチャーなど武器を使いますが)
 クロスボーン・バンガードの母艦から今作のヒロインにして木星帝国の姫、ベルナデットを奪還した木星の工作員カラス。トビアはMSでカラスを捕えるが「君の力ではまだまだ相手にならない」と余裕の態度を崩さないカラス、「MSにつかまれて何が出来るか」とトビアはベルナデットを取り戻そうとするとするがカラスは投稿の台詞を返しMSの手を爆破し(本人は無傷で)脱出。更に手榴弾でMS本体を攻撃し破壊、外に飛び出そうとしたトビアを待ちかまえて銃弾を浴びせ彼を捕える。
 今作の中でも特に濃いキャラクターの一人である「カラス」その強さを印象付けさせるシーンだと思います

駄弁者:
 達人>>>機械はロマンです。
 ひょっとしたらランバ・ラルあたりも「戦いの中で戦いを忘れた」状態にならなければ、アムロ相手に同じことができたのかもなあ。



健闘を祈る。
──エル・プサイ・コングルゥ

 出典: 5pb・ニトロプラス原作、佐藤卓哉・浜崎博嗣監督「Steins;Gate」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 とある理由から六年以上もマッドサイエンティストを演じつづける主人公・岡部倫太郎は、ある時偶然に死体を発見、動揺したまま知人にメールを送ります。ところがそのメールは、なぜか一週間前に送られていました。
 その後、世紀の発見を確信する岡部は、死んだはずの牧瀬紅莉栖らとともに実験を繰り返していくのですが……。
 SFゲームの名作とも、時間SFを片っ端からパクリまくった迷作とも言われるこのゲームですが、私が知ったのはアニメでした。なので、めい文句はアニメ版から投稿いたします。
 何度行動しても変わらない悲劇的結末に疲れはて、牧瀬を救いにゆく気力が出ない岡部に、十五年後の岡部本人からメッセージが届きます。
 その末尾に激励とともに添えられたのは、彼が好んで口にする
「特に意味のない、カッコつけの合言葉」
でした。
 テレビの前で口がニンマリしたのをよく覚えていますが、こういう興奮を文章にすると途端につまらなくなるのは私だけでしょうか。

駄弁者:
 未来の自分から言われた過去の自分は励まされるかも知れないけど、過去の自分から言われたら未来の自分は、黒歴史の記憶にのたうち回るかも知れないなあ…。この作品の御仁はそんなことないだろうけど。
>こういう興奮を文章にすると途端につまらなくなるのは
 いや、よく分かります。でも文章にしないと伝わらないですし…。



出た!

 出典: 「小学四年生 1969年12月号正月号連載予告」

紹介 :ひらがな 様
HP :

コメント:
 生誕マイナス100年記念。多分他にも投稿される方一杯いるんだろうなあ……。出来れば9月3日前後掲載だと嬉しいですが。
 みんな知ってるでしょうし、知らない人はGoogle先生にお聞き下さい。エピソードもみーんなそこに書いてございます。くだくだしい説明はかえって不要かと。
 主なレコードだけでも単行本全45巻ほか多数、国内累計発行部数1億部以上、テレビアニメ連続放映33年、その主題歌はミリオンセールス突破、公開劇場作品計32本+α、マンガ出版国は日本以外に十数カ国、アニメ公開国30カ国以上。  世界中の子供から大人までひろく愛され、日本ではもはや説明不要の一般常識となって久しい国民的作品、その全てはここから始まった。
 実物にはごちゃごちゃ書いちゃございますが、これは主人公の姿すらない予告を持ち帰り編集長にしこたま叱られた担当編集が、なんとか盛り上げようとまるっきり中身のないのを承知で必死に煽ったもので、恐らく作者本人が書いたのは名文句のたった3文字きりでございます。もはや伝説ですね。
 ご存じ、われらが『ドラえもん』の「新連載予告」でござい。

駄弁者:
 9月3日前後じゃなくてすいません。下手すれば「マイナス100年」中に載せられてよかった、と言われかねない体たらくです。
当時の紙面がネットに上がっていたのですが、「出た!」の周りのごちゃごちゃとは以下のような文句でした。
「つくえの中から飛び出した。何が?その名は?正体は?」
「すごーくおもしろいんだ!すごーくゆかいなんだ! でも、どんなお話かは、正月号のお楽しみ!」
「ウメ星デンカにかわって登場する、藤子先生の新れんさいまんが!正月号をお楽しみにね!」
…机の中から出てくる方が先に決まってたんだ(笑)。



僕は、無限次元レフラー空間内で、
「無限に分岐、連鎖して生成され続けるレフラー球を覗きこみ続け」、
「文字列を以って現状の報告を行うように見える文字列を生成するモルフィズム」だ。
何を言っているのかよくわからないと思う。
正直なところ、僕にもよくわからない。

 出典: 円城塔「Boy's Surface」  同名短編集に収録

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
 盲目の数学者アルフレッド・レフラーは、ある日一人の女性・フランシーヌ・フランスに恋をしてしまう。しかし、このカップルは紆余曲折の末に破局してしまう。
 レフラーがフランシーヌを一目見た時にひらめいた理論から誕生した、特殊な図形を読み込み文字列へと変換する「レフラー球」。この物語はあるレフラー球が語る、二人がいかにして恋に落ち、破局に至ったかの物語…。
先週から日頃から読みたいな、と思っていた円城塔に手を出してみたのですが、これがもう難解で難解で投げ出してしまいそうです。一つの事実を説明するのにやたらと回りくどい表現が多用されるので、少し目を離したりすると「え、どういうことなのこれ」と物語が何処へ向かおうとしているのかを見失ってしまいます。
 名文句は表題作より。よくわからないのかよ!語り手自身にわからないものが読者にわかるわけないだろ(笑)

駄弁者:
 私は頑張って最後まで読みましたよ。…よくわかったとは絶対言えませんが。自分で解釈できる部分だけ楽しめばいいんじゃないでしょうか。あるいは分からなさそのものを楽しむか。
 ちなみに今度出た『屍者の帝国』は、こういう難解さとは無縁でした。



碑夜十郎、お前どこのファンだ? ジャイアンツか、それとも西武か?
つまらんところだったなあ東京ってとこは、馬鹿者どうしで足を引っ張り合う、実に下らん世の中だった。
…(中略)…
俺はお前を殺したくない。お前がどんなに偽善者ぶっても俺とお前は同類だ。自分の生まれた世の中からはじき出されたはぐれもの同士よ。せいぜい仲良くやろうじゃないか。プロ野球の話ができる仲間をむざむざ殺したくはないからなあ。

 出典: 半村良原作・中山乃莉子脚本「天晴れ夜十郎 第22話『運命の激突』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 以前会った占い師・妖斎に、夢の中で「この世のものではないもう一つの光」と戦う定めにあると告げられた夜十郎。おりしも天保の改革の失敗と飢饉で困窮する人々を見かね、打ちこわしに参加することを決意する彼だが、計画は失敗、鳥居耀蔵の前に引き出される。
 その書斎で見たものは、皮を縫い合わせた奇妙な物体。この時代で彼だけがその正体を知っていたー野球のボールだ! そしてついにあらわれた「もう一つの光」とは…
 原作の「もう一人のタイムトラベラー」の設定を発展させ、歴史改変を企むものとの戦いを描いた本作でもう一人のタイムトラベラーが登場するシーンです。
 それまで、この役は大物俳優が重厚に演じていたのですが(名前を言うとネタバレになるので)、それをひっくり返した軽薄な演技が見事でした。権力をふるうことに酔い、自らを否定する夜十郎を憎みながら、一方孤独で同じ時代人である夜十郎に会って狂喜している、といった内面を感じさせるあたりが的確。
 さらに言えば、原作では語られない、何故夜十郎が、記憶をなくしてタイムスリップしたかの説明がある程度ついてしまうのが見事でした(もう一人のタイムトラベラーは鳥居耀蔵に憑依した現代人であり、彼を倒すために同じ時間に属する現代人の夜十郎が必要で、江戸時代になるべく影響を与えないために彼の記憶は消されていた。そのため、夜十郎が鳥居を倒して現代に帰るときには彼の及ぼした影響が修正され、第1話で彼が助けた少年も死んでしまうのです)。伝説の少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」「幕末未来人」の直系の子孫ともいうべきこの作品、隠れた傑作です。

駄弁者:
>プロ野球の話ができる仲間をむざむざ殺したくはないからなあ
 くだらないかも知れないけどその時代にしかできない話題というのは、それができなくなった人には貴重ですよね。「いや、自分はJリーグばっかみてたから野球はちょっと」なんて言ったら、殺されるより先に世をはかなんでしまうかも知れません。
 同時代の人が共通して入れこめる話題というのは、だんだん少なくなっていると思います。この番組をやっていた頃(1996年)には、すでにそういう気配があったのでは…。



「私の推理が“出たら目”だと、どうしてこのカラクリ人形にわかるんです?このクリクリ坊主に……」
「<推理バルブ>の弁を開いて、<短絡推理発見センサー>のボタンを押したからの」刑事とはちがって、あいかわらず冷静な口調で博士は答えた。「もし刑事さんの推理が正しければ、クリク・ロボットは何もしない。それなのに、“出たら目”という言葉を象徴的に表わす動作をしたということは、刑事さんの推理が短絡しておるということじゃ」

 出典: ピエール・アンリ・カミ「五つの館の謎」(高野優訳)  『機械探偵クリク・ロボット』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 一発の銃声が響きわたるとともに…一人の男の額にナイフが突き刺さった。
 通報を受けた警察が駆けつけた時、被害者にはまだ息があり、自分が襲われた庭の所有者である作家のブルイヤール氏に襲われたと告げ息絶えます。凶器のペーパーナイフもブルイヤール氏のものであることが判明。本人は盗まれたものであることを証言しますが警察のグリモー刑事は一切取り合わず、逮捕されそうになった時。奇妙なコンビが現れます。 大きな四角い頭にチロリアン・ハットを被り、チェックのスーツを着たクリク・ロボットと、その発明者であり、古代ギリシャの発明家アルキメデスの直系の子孫 ジュール・アルキメデス博士がやってきたのです。
 <推理バルブ>をはじめとして<手がかりキャプチャー><論理タンク>など様々な機能を備え、代数的に謎を解くのです。(残念ながらデータ入力はオートではありませんが)クリク・ロボットにはミステリーは存在しません。博士は証言者たちからデータを集め、クリク・ロボットに入力したところ、クリク・ロボットが出した解答は?
 投稿した台詞は、自分の推理にケチを付けられたグリモー刑事の詰問に対するアルキメデス博士の返答で、その後の推理でクリク・ロボットの回答が正しいことが分かります。
 作者のカミはフランスのユーモア作家で、この作品もユーモアたっぷりにキチンと推理が行われます。この作品が発表されたのが1945年。パリ解放の翌年にこんな作品が書かれていようとは、ロボット探偵ものとして有名な「鋼鉄都市」の発表が1954年なので、ロボットが探偵を務める作品としてはおそらくこれが世界初でしょう。
 ちなみにもう一つの作品「パンテオンの誘拐事件」では存命中のサルトルがチラッと出てくるのですが、作者がサルトルがお好みではないようで、あまり良い扱いを受けていません。どうもサルトルだけに「嘔吐」が苦手だったようで…。

駄弁者:
 ロボットというか歩くコンピュータ(ないしディファレンス・エンジン)という感じ? バルブとかタンクとか、一体どんな蒸気機関で動いているんだ、と思ったら「事実コンデンサー」とか「情報混乱防止コイル」も備えていたりする…。
 ご投稿のくだりでは動作で“出たら目”を伝えていますが、解いた謎を暗号文でプリントアウトしてくれるという無意味なギミックも楽しそうです。



クラーク「それはねロイス、僕が実はスーパーマンで、普段は新聞記者だが特殊な能力でニュースを真っ先に聞きつけるから特ダネを独り占め出来るんだよ。」
ロイス「もうっ…冗談ばっかりね。」
クラーク「―信じないよね。」

 出典: 「スーパーマン 『宇宙盗賊ロボ パート1』」

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 メトロポリス出身の自分を差し置いて特ダネをモノにし続けるスモービルの田舎者クラーク・ケントに思わず質問するロイス・レーン。
 その際のやり取りが投稿の台詞、もちろんクラークは一切嘘をついていません(クラークの名誉のために言っておきますが彼はジャーナリストにおける米国最高の名誉、ピューリッツァー賞を二回も受賞したきわめて優秀な記者です)。
 みなさんがもし超人になったら親しい人に思い切って全て打ち明けてみましょう、実際に能力を目の当たりにしない限りまず信用してもらえないから秘密を守るのがすごく楽になるはずです。
 それにしてもレックス・ルーサーに(彼は部下からスーパーマンの正体はクラーク・ケントだという調査報告を受けた事がある)「スーパーマンの正体があんな平凡な男であるはずがない(大幅省略)」とまで言い切られてしまうクラークって一体…。

駄弁者:
>秘密を守るのがすごく楽になるはずです
 そんで秘密を守るのがすごく楽であることに対し、すごく複雑な気分を味わうはずです。
 アメリカだとユーモアだと思ってくれるんでしょうが、日本の職場だとメンタルを懸念されたりして…。



「宇宙自然保護連合で絶滅危惧種TA類ー絶滅寸前に指定され、レッドリストで公表されている南米産のゴです」
「そいつらはあたしのコロスリスト筆頭よ!!」
「……全宇宙で保護指定されてるんです」
「なにほざいてんのっ!やつらはねえ!人類が核戦争で七回滅びたって、地球が割れたって生き延びてんのよっ!!」

 出典: 関涼子「ありす×ユニバース」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 時空が変われば、事情も変わってくるのがお約束とはいえ、ヒロインに心から同情したくなりました(上記の会話は、この世界から時空を超えたヒロインと、行った先の世界の男主人公との会話です。どちらがどちらの発言かは分かると思います。)。
 彼女が行った世界ではゴキ○○は全宇宙で保護される生物だったのです。従って、殺すなんてとんでもない生物なのですが、彼女にしてみれば、そんな事情は知るまでもありません。従って、すぐに殺してしまえ、何とんでもないことを、というわけで上記の会話を繰り広げることになったのですが。私もお約束とはいえ、ヒロインに心から同情しました。実際、○○ブリは核戦争が起きても滅びない気がしますし。まさかゴ○○○が全宇宙で保護指定される世界があるとは思いもよりませんでした。郷に入れば郷に従え、とはいえ従えないものってあると思います。

駄弁者:
 私がフォローしているツイートにこんなのがありました。
♀が絶滅し♂だけになると一部の♂ が♀に変わる
首だけになっても2週間は生存可能
死ぬ瞬間に卵を生む
隙間が1mmあれば進入可能
世界に1兆匹以上生息する。最大生息地は日本で230億匹
交尾にフェラや前戯がある
餌付けすると人間に懐く
今この時も俺達を見つめてる
 …懐くな見つめるな。
>ゴキ○○は全宇宙で保護される生物だったのです
 全宇宙で保護ということは全宇宙にいるというわけで「絶滅寸前」と矛盾するんじゃないかと思うのですが、まあおくとしましょう。
絶滅寸前なのが全宇宙の中で南米だけに生息している希少種だけ、というのならその種は保護すべきなのかも知れません(光るやつとか?)。ただし私の目に触れないところで。



いくつも歴史改竄を行っては美しくないので(笑)、どこか一点しかもなるべく小さな事件で決定的成果を上げるのが時間犯罪上での理想だ。

 出典: 扶桑かつみ「帝国二十一世紀」

紹介 :10-0 様
HP :

コメント:
 この作品の副題に「大日本帝国ヲ存続サセヨ!?」とあるとおり、作品の目的は「『軍人が偉そうにしている大日本帝国』を21世紀に至るまで存続させる」ことだそうで…。
(以下ネタバレ)
「蒋介石、頓死!!」この一点から始めて歴史を大きく狂わせ、日本を「東側唯一の資本主義国」に持っていく作者の力量に脱帽です。
(ネタバレ終わり)
確かに他の作品も見る限り、この人結構バタフライ効果が好きなんですよねー。

駄弁者:
 そんな日本を見てみたいかとか、ネタバレ部分の改変でそうなるかはともかく、ご投稿の文句にはまったく同意します。
 でもあんまり小さい事件だとご都合主義的なストーリーにせざるを得ないので、必然性の感じられるギリギリを狙うのが難しいところですね…。



天下繚乱ギャラクシー2 −卍丸vs宇宙海賊クリスタル妖異−

 出典: 小太刀右京原作・田中天著「天下繚乱ギャラクシー2 −卍丸vs宇宙海賊クリスタル妖異−」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 インパクトの所為でつい投稿しちった。後悔はしていない。
 これは9月発売の田中天、新作リプレイタイトルで以前投稿した物の続編です。
 簡単に言うとコブラみたいな剣豪・銀河卍丸になって大暴れするサムライ・スペースオペラ。
 今回の仲間は美少女宇宙海賊と宇宙横綱。
 しかしクリスタル妖異はどんなレーザーの効かない体なんだ。

 てか絶対天、クリスタルYOIって言いたかっただけだ。

駄弁者:
 ご投稿はツイッターからでしたが、もう本が出ているのでそちらに準じた「めい文句」・出典として掲載します。
>クリスタルYOIって言いたかっただけだ
 あるいは「クリスタル暴威」にしたかったか。



「ケンタウロスマン……、その怒りをミスターXを倒すまで僕に預けておいてくれないか? その後なら僕は……」
「たわけた事を!! この怒りは今ここで晴らす!!」

 出典: 池原しげと「ロックマン6」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、漫画版ロックマンからの名文句です。
 イギリス基地のボス・ナイトマンを倒し、続いてケンタウロスマンが統率するギリシア基地に突入したロックマン。
 自分の影武者を使用してまで執拗にロックマンを苦しめるケンタウロスマンの真意は、自分が愛していたナイトマンの復讐でした。
 ケンタウロスマンの心情がわかるロックマンは今回の戦いが終わるまで待っていてほしいと言いますが、納得できない彼女は猛攻をかけてきます。
 仕方なくロックマンはナイトマンの特殊武器にしてケンタウロスマンの弱点・ナイトクラッシャーで彼女を撃破しますが、基地から去るロックマンの目には悲しみの涙が浮かんでいたのでした。

駄弁者:
 待てしばしがが通用するなら元より復讐など考えない、か。この先の敵にやられてしまうかも知れないのだから、自分が殺れるうちに殺っておくという考え方もあるでしょうし。
 …それにしてもロックマンは相手の心情に訴えるならもうちょっとベタじゃないセリフがあったのでは。



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