第179集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第181集を見る
実験での事故やら投薬やらで幼いころのわたしは体がボロボロで、最初に覚えた言葉が「パパ」でも「ママ」でもなく「実験失敗」だったし。
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日日日「ギロチンマシン中村奈々子 学級崩壊編」
紹介 :首くくり 様
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駄弁者:
自分のために行動するのが人間で、他人のために行動するのがロボットだ
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日日日「ギロチンマシン中村奈々子 義務教育編」
紹介 :首くくり 様
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駄弁者:
身長が人間の一四倍なら、断面積は約二百倍、体重は二七〇〇倍になるはずだ。つまり単位断面積あたり人間の一四倍の荷重がかかっていることになり、筋肉や骨がそれに耐えられるはずがない。本当なら立ち上がることさえできないはずなのだ。それなのに、巨大怪獣がなぜ地上を歩きまわれるのか、これまで大きな謎とされてきた。
多重人間原理はそうした謎を説明できる。怪獣とは三〇〇〇年前に起きたパラダイム・シフトの名残であり、人間の属するビッグバン宇宙とは異なる宇宙起源を持つため、通常の物理法則が適用できないのだ。
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山本弘「MM9」
紹介 :垂直応力 様
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立て! 北へ、西へ向かうぞ! 物の怪は海に入れぬ。奴国へ渡り、対馬国へ渡り、漢土へ渡ってでも生き延びるぞ! 立て、泣くな! 故郷など忘れろ! 吾らのある限り邪馬台国は滅びぬ! 人の類は決して物の怪に負けはせぬぞ!
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小川一水「時砂の王」
紹介 :ぽちぽち 様
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駄弁者:
無意味に殺すわけじゃない。正義のための殺戮だ。現在では、透明人間が存在することを、世間のやつらが知ってしまった。いまはやつらも、ぼくたちと同様の知識を持っている。そこで、その透明人間が、やつらの知識を逆用し、その恐怖心を利用して、恐怖政権を確立するのだ。
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H・G・ウェルズ「透明人間」(多田雄二訳) 『世界SF全集2』に収録
紹介 :冬寂堂 様
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戦士とは…強くなればなるほど、その修羅の道から抜けられなくなるものなのだよ!
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富野由悠季原作・今川泰宏監督「機動武闘伝Gガンダム」
紹介 :TWR 様
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戦え、クロノクル、ウッソ。 あたしの手の中で戦いなさい。
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富野由悠季監督「機動戦士Vガンダム」
紹介 :砂漠の狐 様
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駄弁者:
レフラー球をくぐり抜けるたび、僕はまるで酔っ払いの視野に投げ込まれたかのように複数の僕に分割されていく。僕に想像される僕、あなたに想像される僕、誰かに想像される僕、誰かに想像された僕を他の誰かが想像した僕というように。その全てをあわせたものが概ねのところ僕であって、あまりに非道くかけ離れてしまった僕に関しては僕の知ったことではないので、こちらから願い下げるより他にない。
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円城塔「Boy's Surface」 同名短編集に収録
紹介 :司書の駄弁者
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ここはもとの地球から二十億年と、一ナノメートルの半分ほどずれた場所です
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ロバート・リード「十億のイブたち」(中原尚哉訳) 『SFマガジン』2008年3月号に収録
紹介 :司書の駄弁者
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「こいつはおどろきミンスキー!」
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エイミー・トムスン「ヴァーチャル・ガール」(田中一江訳)
紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
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プラセットという星は気違いじみている。
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フレドリック・ブラウン「気違い星プラセット」 『天使と宇宙船』に収録
紹介 :可児歳蔵 様
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駄弁者:
おまえは度胸があるからな。じいちゃんみたいにはならん。
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古橋秀之「むかし、爆弾がおちてきて」 『ある日、爆弾がおちてきて』に収録
紹介 :TWR 様
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私は業が深かったが、多くの理解者をまた得たのだね。
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有川浩「図書館危機」
紹介 :power_of_math 様
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苦難の中の力
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有川浩「図書館危機」
紹介 :power_of_math 様
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駄弁者:
おれは左折した。やがて前方右手にポストが見えた。あそこを右折しようとしたときに、逆戻りが起こったのだと思った途端――ふたたび逆戻りが起こった。
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筒井康隆「しゃっくり」 『東海道戦争』に収録
紹介 :垂直応力 様
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十一月七日。北海道行きのフェリーで船酔いしている人でなくてよかった。二日酔いからはじまる日でなくてよかった。肉親の葬式がある日でなくてよかった。
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恒川光太郎「秋の牢獄」 同名短編集に収録
紹介 :垂直応力 様
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駄弁者:
高度に発達した科学は魔法と見分けがつかないそうですが、冗談とも区別が付かないことに気づきましたよ。
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田中ロミオ「人類は衰退しました」
紹介 :TWR 様
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駄弁者:
どうも、地球人は、劣等なる人種は優秀なる人種に対して、己の一番大事なものを捧げる義務があるという宇宙の掟、いいかえれば優秀なる人種は、劣等なる人種の一番大事にしているものを、自由に奪い取ることが出来るという掟を知らないらしい。
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西村京太郎「アンドロメダから来た男」
紹介 :りゅん 様
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駄弁者:
天国で割腹!
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山口貴由「覚悟のススメ」
紹介 :ダイセイ 様
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駄弁者:
自信過剰なんだ、兄さんは!
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日本サンライズ制作「銀河漂流バイファム 第30話『決死の大気圏突入』」
紹介 :エルソドラン 様
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駄弁者:
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HP :
「中村奈々子」第2作より、物語の鍵である、とある少女のモノローグから。
この少女、預けられた研究所から、憶えたばかりのハイハイで脱出を計ったってのが涙を誘います。
悪の組織等の改造人間や怪人の性格が歪んでいるのも、こんな幼少期を送ってたせいなのかな、とか思うと哀れですね。
せめて「実験成功」だったら性格の歪みはマシに…なりませんよね。
その違いはね、君が思っているよりずぅっと致命的な違いなのだよ
HP :
ロボットとの戦争による人類滅亡を目前に、反乱ロボットの始祖を倒すために送り出された人間兵士「中村」だったが何故か、人間的要素学習による人類絶滅の為のロボット<学園>生徒として、ラブコメ風味な学園生活を送る事に。
だが彼は、学園秩序の執行者にして処刑者「ギロチンマシン」と、かつて<生徒会>を結成して学園に反逆し敗北した「赤ずきん」の同じ「中村奈々子」の名を持つ自分そっくりな顔をした2人の少女と出会い、自分が「中村奈々子」を巡る大きな陰謀の渦中にある事に気付かされ…
セリフは「人間とロボットとの違いとは何か?」との問いに、構成素材から魂の有無まで挙げた主人公の言葉に対する「赤ずきん」のもの。
ロボットの語源からすれば確かにそうなんでしょうが、まず第一に「人間とは何か」の大命題が定義されない限り正答の出せない問題ですね。
他人のために行動することで自分自身の満足を得ている人間とか、とか、自分のために行動するようプログラムされたロボットなどはどうなるんでしょう。
HP :
怪獣災害を自然災害と捉え、その予測・対策立案を行う気象庁特異生物対策部、通称「気特対」。 MMとはモンスター・マグニチュードの略。怪獣の体重を水重量に換算し、その大きさから予測される災害程度をランク付けしたもの。水1トンに相当する0から最大は4000トン以上の9です。
数々の特撮にオマージュを捧げた山本弘らしい小説。その上で単なる怪獣小説にせず、投稿のような大法螺を導入してハードSFにしてしまうあたりも山本弘らしいかなと。もっとも一番「らしい」のは裸の少女が出てくるところかもしれませんが。
ご投稿は、物理法則からするとありえない巨大怪獣がなぜ存在し得るのかを説明する「多重人間原理」より。
「気特対」の世界に怪獣がいる理由と同時に、怪獣のいない私たちの世界となぜ酷似しているのかもカバーしてしまえる、ムチャクチャながらも愉快な理由付けでした。
>裸の少女が出てくるところ
ちなみに「彼女」がばく進していたのは、今住んでいる所の近くなんですよねー。
HP :
以前も投稿のあった、時砂の王から、卑弥呼の言葉です。
「国」を形作るのに最も大切なものは「人」である、ということと、「不屈」の気概を、感動的に伝えてくれる言葉だと思います。(特に、この場面でこの言葉。思わず胸が熱くなりました。) 人さえいれば、国を失ったとしても、決して終わりではなく、また建国することもできるのです。
あと、「人の類」という言葉も、とっても気に入りました。「ひと」でも「ヒト」でも「人」でもなく、「人の類」。時代的に、「人間」とか「人類」とかはふさわしくなく、でも、「人類」と言いたい場面ですから。うまいなぁ。
前に出たセリフの少し後のシーンからですね。このあたり、熱い展開の連続でした。物語の卑弥呼パートは、彼女の成長物語としても読めますね。
…けど、人の「類」としとかないと、主人公が範囲外になってしまうしなー、と読んでいて少し茶化してしまった私でした。
HP :
ヴェルヌのSFを紹介したので、ウェルズの作品からも投稿します。
今更、あらすじを紹介するのもなんなので省略しますが、投稿した台詞は正体を知られ、周囲から逃げ出した透明人間が旧友と再会し、自らが透明人間になったいきさつとその後の計画を話すところから。
ずいぶんと冷酷な台詞を吐いていますが、この透明人間、かなり冷酷な人間でこの研究を実現するために、父親の金を盗んでいるのですが、それが元で父親が自殺したときも「すこしもぼくの感傷をそそらなかった」「世間並みの偽善から、葬儀だけはとり行ったが、そらぞらしい気持ちだった」などといっているのですから、「鏡に写らない人間はモラルも消えるらしい」とはいうものの、元からそんなものあるようには見えないな…。
モラルが消えてやることが不法侵入に覗きなら、まだまだかわいいぐらいのものだったんですね…。
HP :
過去のガンダムファイトにおいて、3連続優勝を果たし母国ネオイギリスの覇権を確立した英雄、ジャントル・チャップマン。引退を許されない彼は、精神強化剤、霧によるジャミング、ダミーのモビルスーツ等、あらゆる手段を用いて勝利を目指します。
己の信念に殉じた彼は、幸せなのかも知れない・・・と思ったらこのままでは終わらないのでした。
自分から抜けられなくなるのと、周囲が抜けさせてくれなくなるのと両方でしょうが、どちらの要因が大きいんでしょうね。
勝った者はあたしが全身全霊を懸けて愛してあげるよ。
ん、あは、あははははは、あははははははは。
HP :
彼女が何故ここまで病んでしまったのか。
劇中では明白な描写は見受けられなかったのでうまい説明が出来ません。
失明し、抜け殻のような状態で故郷へと帰っていったラストシーンはなんともはや……
なぜか思い出したのは「けんかをやめて〜二人をとめて〜私のため〜に〜争わない〜で〜 もうこれ以上〜」なんて古い歌。
言っていることは正反対なんですが、根っこの感情というか欲望というかに同種のものを感じます。
HP :
「数理的恋愛小説」と銘打たれているこの作品、きっちり理解したとはとてもとても言えないのですが、自分の甲羅に合わせて楽しめる部分は随所にあって、投稿したのもそのひとつ。
ここで「僕」と言っているのは人間ではなく、どうやら物理的存在でもなさそうなんですが、人間のいう「自分」というのも似たようなもんだと私は思います。
「本当の自分」なんて輪郭のはっきりしたものがどこかにあるわけではなく、バックパック背負って外国に探しに行って見つかるようなものでもない。たとえ、そういうふうにして何か見つかったとしても、それは「僕に想像される自分」の一面でしかない。その自分も他人から見た自分もひっくるめたもやっとした全体が「自分」なんじゃないかな、と。
作品の本筋とは関係のない感想だし、主人公レフラーの考え方でいけば一蹴されてしまいそうですが。
HP :
平行世界への移住が可能になった、ある別の地球での物語。主人公の少女が住む世界では、その世界への道を開いた「第一家父」が崇敬されている。だがその物語には表向きには禁じられている異本があった。社会の理不尽にさらされる少女を語るとともに、無限の平行世界と環境問題との関係を問うSFでもあります。
投稿のセリフは、少女が読む「異本」の中で、予備知識のない寮母に女学生のひとりが、二十億年前に分岐した平行世界を説明したときのもの。表現が面白かったもので。
著者のロバート・リードは、初めて見る名前じゃないな…と思ったら、何年か前にハヤカワ文庫で「地球間ハイウェイ」という長編が出ていました。こっちも平行世界ネタ。
HP :
こっちがびっくりだ。
そんな事はさておき
ハーレイ・オスメント君の「A.I.」もそうだったんだけど、「男の子ロボット」に全く興味の沸かない私は、早々に「銀色の〜」を諦めました。
で、読むならやっぱりコレですよ。「神が作らねば俺が創る!」と言わんばかりに天才がもてる限りの才能を爆走させて煩悩を凝縮させる図は見ていて非常に清々しい。
更にプログラムを自主開発するなど、創造主の思惑を超えた性能を持つに至っては、思わず「一人くれ!」と発注したくなってしまいました。
マービン・ミンスキー(1927〜):アメリカの科学者。人工知能研究が専門。
そんな事もさておき。
「ヴァーチャル・ガール」、けっこう話題にあがってた作品なんですが、今ではご多分にもれず入手難。
創造主の男の思惑を越えていってしまうところについては、複雑な気分を味わった読者もいるのでは。
だから、私は好きなんだ。
HP :
超高密度の核とごく普通の地殻をもち、地中を自在に“飛びまわる”こちらも超高密度の生物のせいで地中の基礎杭が毎日のように損なわれ、建築物が長くもたない植民星プラセット。
そのうえ、特殊にすぎる惑星の位置関係のせいで、人びとは一定周期で極彩色の幻覚に襲われる──
これが、プラセットの「気違い星」たる所以です。
上は仕事面でも人事面でもハッピーエンドを迎えた瞬間、この星の恒例行事に巻き込まれた主人公の台詞です。私としてはあまりおすすめできない植民星ですが、住めば都ということでしょうか。
仕事面のハッピーエンドは、みごとな「コロンブスの卵」的解決でしたが、人事面のほうは…ダジャレ?
HP :
60年前の戦争で時空潮汐爆弾が投下された町。壊滅したその町の爆心地には、時間衝撃波によって60億分の1の速さで時間が流れる力場に閉じこめられた少女が居た。戦後、爆心地を中心にした平和祈念公園が建造され、少女は生きながら「戦災」、そして「平和」の象徴とされていった。平和公園建造の中心人物の孫は、君はおじいさんみたいな立派な人になると褒められたことを祖父に伝えると、祖父は微妙な顔をしてこんなことをいうのだった。
なんともストレートなラブストーリー。恥ずかし気も無くセンチメンタルなお話です。こんなのを書いた人が、ブラックロッドやシスマゲドンを書くとは。読者が混乱するから売れないんじゃないかと思いますね。これをハッピーエンドととらえる書評が見受けられますが、私はそうは思えませんでした。
私もキレイな話だなとは思いましたが、主人公の行動にはあまり共感を覚えませんでした。こんなふうに感傷だけで突っ走っていいものか、と…。年食ったせいでしょうね。
祖父の視点から語ったら、別の味わいがある作品になると思います。
HP :http://plaza.rakuten.co.jp/PowerOfMath/
その存在感から、「図書館戦争」シリーズの影の主人公と言っても過言ではない稲嶺司令が勇退することになります。
退任の夕方、整理した部屋を出る段階で自分の半生を振り返ります。自分が創設した“図書隊”は一面で、若者の血を要求し続ける組織であることを思い、「私は業が深かった」と呟きます。そして、館外に出た彼を待っていた光景(ネタばれ防止のため、詳細省略)を見て出た言葉です。
ある意味では定番とも言える勇退風景ではありますが、図書館戦争屈指の名シーン・名台詞だと思います。
司書育成に関わるようになって十年、どれだけの司書を育てたろうかと思うと同時に、定年までの年月の間にどれだけの理解者を得ることができるだろうか、と思います。幸いにして流血の現場に送り出すと言う業の深い仕事はまだしていないのが救いですが…。
彼のような人間は理解者の分だけ敵対者も多くいて、しかも敵対者の方が目につきやすいんじゃないかと思います。節目節目で普段は見えない理解者に出会えるのは、いいもんですね。
私については…まだ理解者を求めるよりも、誰かを理解するよう努める立場なんでしょう。
HP :http://plaza.rakuten.co.jp/PowerOfMath/
シリーズ売り上げ40万冊を超え、コミック化が2本、アニメ化1本という、図書館を題材にしたものとしては空前のヒットとなった『図書館戦争』シリーズからで、カミツレ(カモミール)の花言葉だそうです。
自分の妻も含め12人の司書が殉職した「日野の悪夢」の後、武装して本と図書館、ひいては表現の自由を守る“図書隊”の設立に心血をそそいだ稲嶺司令が徽章に選んだのがカミツレの花であり、その花言葉が「苦難の中の力」だそうです。
このことを教えられた郁が、「司令の夫人がどうなくなったかは知っている」と背筋をのばし、「私もとります、カミツレ」と宣言したのもむべなるかな。と思います。
どこの図書館に行ってもカモミールが植えてあるような日本にはなってほしくないなぁ、と思います。 図書館戦争シリーズで描かれている様な暴力的な《苦難》こそまだありませんが、いたずらで資料が水浸しになった図書館は現実にあったりしますので…。
図書館が負っている苦難は、幸か不幸か(多分幸なんでしょう)、物語になるほどヒロイックなものではありませんが…。カミツレよりは紫花菜(知恵の泉)が植わっていてほしいものです。
>いたずらで資料が水浸し
被害に遭った図書館にしてみたら、ほとんどテロと言っていいショックだったと思います。
眼の前に警官が立っていた。彼の浅黒い顔が、たちまち赤く染まった。
「またお前か!」
HP :
同じネタを扱っても恒川光太郎とちがい、ひたすら悪あがきをしてドツボにはまって行くのが筒井流。といっても昔の筒井康隆で、最近はすっかり達観したというか枯れてしまったというか。実際は「体力がなくなった」ということらしいですが。
本作では、ある日の数分間が繰り返されるにつれ狂気が増幅されてゆきます。作品のイメージとしては「レコードの針飛び」が一番説明しやすいんですが……いまどきの人にはわかりませんか。
それにしても「繰り返す時間」ネタなら桜坂洋「ALL YOU NEED IS KILL」でも出せばいいのに、つくづく私もロートルやなぁ。
ちなみに初出はSFマガジン1965年1月号(見てみたら、ソラリスの連載をやってました)。
はまりこんだドツボが急になくなってしまったら、万事解決なべて世は事もなし…とはいかないところも、筒井流の意地の悪さじゃないでしょうか。
HP :
女子大生の藍は、十一月七日、水曜日の一日を繰り返している。朝になるとすべてがリセットされ、不安はあるものの平穏な一日を何度も過ごす。2005年にホラー小説大賞を受賞して以来、毎年10月末日付けで新刊を出している恒川光太郎の3冊目の表題作より。
「繰り返す時間」というテーマは古今東西、何度もSFのネタになってきましたが、本作ではその原因・意味に深く立ち入らずに登場人物の心情を淡々と語ります。ただし、結末のつけ方は珍しいかもしれません(といっても特に驚くようなオチがついてる訳ではありません)。
ループすると嫌な事態で思いつくのが、そのぐらいで済んでいることこそ、「よかった」というべきなのでは。
この手のSFで私が連想するのは、佐々木淳子のマンガ「霧ではじまる日」。そこでは毎日死を迎える老人の病棟や、妹が毎日苦しんで死ぬのを見続けなくてはならない兄など、なんともやりきれない場面がありました(ラストはコミカルでしたが)。
HP :
衰退した人類に変わって地上の主役となった「妖精さん」。忘れっぽくお菓子が好きな彼らは、少数では大したことは大したことは出来ません。ところが、一定以上の数が集まるとアラ大変、知的能力が大爆発してとてつもないことをやってのけるのでした。
上の言葉はスクラップ置き場が、一夜にして(ミニチュア)未来都市に成っていることを発見した人間の感想です。
なんだか、高機能な家電製品の説明でも聞いたような感じでしょうか。あれは、すごいんだろうけど、勝手にしてくれ、という気になりますからね。
読んでみようかと思ったら、手近な書店には「2」しか置いてなかったりします。
>一定以上の数が集まると知的能力が大爆発
魔法と見分けがつかない科学を操るばかりか「幼年期の終わり」ばりの集合知性ですか。クラークが見たらどう思うかなあ…。
HP :
お久しぶりです、今回投稿したネタはトラベルミステリーといったらこの人、西村京太郎からの出典です。
ある閑静な住宅街に奇妙な男が現れてから起こる謎の盗難事件。男が訪問した住宅からその家で一番高価なものがなくなっていく。警察も動き出し、どうやらこの男の持っている機械が怪しいとにらむものの仕組みがわからず、したがって証拠もなくお手上げになってしまう。それでも男は次とを訪問を重ねる…。
そういった中で男がため息交じりにつぶやく言葉がこれです。
どおりであれだけ地球に宇宙人が攻めてきては反撃を受けて逆上し叩きのめされて一年足らずで撤退する、その理由がわかりました。権利を行使できなかったのを自分から言う人はいませんからね。でもそういった噂は宇宙に広がりお互いに「あぁ、お前もか…」という空気が流れやがて地球に手を出す宇宙人が少なくなってきたのですね。
というネタはさておいて、現実世界でもこれとよく似た場面を私達はよく見かけます。ニュースとして、また歴史として。せめて自分だけでもこういうことをしないように、またこういう行為がいかに恥ずかしいかを広めていかなくてはいけないと思います。
西村京太郎は中高生の頃によく読んでました。ほとんど代名詞と言っていい十津川警部のトラベルミステリーも好きでしたが、一番気に入っていたのは、ミステリーとはちょっと毛色の違うスパイもの「D機関情報」でした。
SFは、「太陽と砂」というのがあるとは知っていたんですが(ネットで調べてみると、なんか評判悪そうです)、ご投稿の作品は初めて知りました。
>どうも、地球人は…
知らないってことは、この場合勲章ものです。しかし、その掟を知らないんじゃなくて、みなそれぞれ自分が優秀な側に属していると思いこんでるだけなのかも。
HP :
主人公の覚悟が装着する強化外骨格(意思を持つ鎧のようなもの)「零」の台詞です。
零には作成時の人体実験の際に死亡した軍人達3000人の魂が宿っており、その魂達が敵の怨霊成仏光線により成仏してしまい天国へ来てしまうのですが、覚悟と共に戦うために上記の台詞を叫びながら自らの手刀で腹を割き、現世へ舞い戻って来ます。
出典作品の漫画は、色々と好き嫌いが分かれる作品です。上記の名文句も突っ込みたいところがあるかもしれませんが、あまり深く考えずに戦士の熱い魂を感じて頂ければ幸いです。
タイトルに見覚えがあると思ったら、この作品も2度目のご投稿でした。
熱い魂…は、作品を読んでないと感じにくそうですが、あの世で自殺したらこの世に戻れる、という発想が面白いです。
兄さんは絶対に死なないとでも思ってるの? 自分が一番強いとでも思ってるの?
兄さんはいつも一番危ない場所に行って得意になってるんだ!
HP :
地球軍と敵であるククトニアン軍の交戦のさなか、両親が捕らえられているというククト星に向かうため、一足先に離脱したジェイナス号とそれに乗る13人の子供達。
しかしその戦闘は敵衛星の誤爆による両軍全滅という最悪の形になってしまいます。
主人公のロディは、自分達が一緒に戦っていればもしかしたら皆を救えたかも知れないと悔やむのですが、それを聞いた弟のフレッドの言葉がこれです。
確かに、彼らは散発的な戦闘や、ほとんど無人の要塞を破壊することは出来たのですが本格的な艦隊戦において、ほんの数機のRVが戦局を変えることなどまず不可能に決まっているわけで、一緒に爆発に巻き込まれていたでしょう。
しかも、両親が敵に捕らえられてるとき、近くにいるただ一人の肉親が戦っているのを見守る不安や心細さは想像を絶するものがあいます。
どんな作品でも主人公というのは、負けない、負けても死にはしないというもんですが、普通に考えればそれが逆におかしいんですよね。
この作品からのご投稿は、まだ2回目なんですね。しかも前のは主題歌からだったので、実質これが初登場です。
>自信過剰なんだ、兄さんは!
「ガンダム」でアムロがウッディ大尉に叱責されたシーンを連想しました(第108集)。
大人に言われるのと、身近な年下に言われるのとでは、だいぶニュアンスが違ってきますが…。
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