SF名文句・迷文句第137集

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…「死がふたりを分かつまで」――よ

 出典: たかしげ宙原作・DOUBLE−S作画「死がふたりを分かつまで」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 「現代の東京を舞台に盲目の「護」と予知能力者の「遥」が繰り広げるブロックバスター・アクション・ラブロマン!」(作者あとがきより)だそうですが、、、。
 カソリックの結婚式でよく出てくる誓いのセリフですが。いやー、言われたいですねぇこれ。でも、「死ぬまで一緒」ってぇのは、、、。
 しかし「契約はモロさの証明、誓いなんてのも一時の心理描写さ」なんてセリフもありますから世の中そんなに捨てたもんじゃないかも知れませんね。

駄弁者:
 どうやら申し込まれているのは結婚ではなく護衛らしいのですが。
 「死がふたりを分かつまで」なら言われてみたくても、「死がふたりを分かつとも」になってくるとちょっと恐い?



「なあにぃ やる気になってるじゃない!
 なにが あったのよ!?」
「なんにもないよ……
 ……今までだって なんにもなかった……
 ……だから 自分で“なにか”を起こすんだ
 そう約束した」

 出典: 倉田英之脚本・okama漫画「CLOTH ROAD 第1巻」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 第1話のナレーションにいわく「――繊業革命によって 人類の文化は大きく変わった」「ケーブルは糸に 基盤は布地に 極限に達したナノ・テクノロジーにより コンピュータは人々の服となった」
 (ウェアラブル・コンピュータというのは、そういう意味だったのでしょうか。…違うと思うけどなあ」とコメントされそうですが)
 ……コンピュータと衣服が融合し、デザイナーとモデルが支配する世界。七つのトップブランドが君臨するこの星で、生き別れていた双子が再び出会う。
 主人公の見習いデザイナー・ファーガスと、ヒロインのジェニファー(モデル始めました)きょうだいは、拾われたときに(おくるみとして)くるまれていた「謎の布」を手がかりに、両親を探す旅に出る。
 「繊業革命」によって劇的な変化を遂げた世界や、デザイナー/モデル同士のユニークなバトル描写が印象的な「ファッション×アクションコミック」から、病で倒れた主人公の親方、グスタフの治療費を稼ぐため、主人公が(ヒロインと共に)デザイナー/モデル同士のリングバトル「WAR−KING」への出場を決意した際のセリフを。
 ……以下、無用のことながら((C)司馬遼太郎)、okama氏について。
 OVA『トップをねらえ2!』の、okama氏の手によるエンディングイラストを観ながら「いつか、この絵が動くところを見たいものよのう」などと考えていた私ですが、すでにTVドラマ『電車男』のオープニングアニメで実現していたんですね、知りませんでした。
(なんかOVAにもなるみたいですよ、「月面兎兵器ミーナ」@電車男)
BGM:「サナギ」スガシカオ

駄弁者:
 倉田英之氏、紙の次は布ですか…。
>…違うと思うけどなあ」とコメント
 いや、一番最初に思ったのは、そんなにすごいナノテク使って、やることは格闘なんかいな、ということなのですが。



「“懐かしい”って、そんなにいいものなのかなぁ?」

 出典: 臼井義人原作・原恵一監督脚本「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 春我部に生まれたテーマパーク「20世紀博」。そこにはありとあらゆる「懐かしい」ものが溢れており、大人たちを魅了していた。しかし、これは21世紀を捨て、20世紀に戻ろう(そしてそこで、昔のような夢や希望の溢れた日本で生きよう)と企む組織「イエスタデイ・ワンスモア」の罠だった。大人たちは懐かしい匂いの虜になってしまい、子供たちは捕らえられてしまう。危うし21世紀! すべてはしんのすけたちの手にかかった!
 開始直後からノスタルジック全開で、映画館では子供よりも大人が号泣するという怪現象を巻き起こした大傑作! 特にひろし(しんのすけのパパ)が今の自分を取り戻すシーンは圧巻。僕も泣きました。
 投稿させていただいた台詞は、大人たちの20世紀博に異常なほど熱中する姿を見て、風間くんが言ったもの。まだまだ5歳には分からんだろうが、きっと大人になれば分かるよ、ウン。「懐かしく感じる」ことがあったら、君は少し大人に近づいたってことなんだ(違うか)。

駄弁者:
 この頃の人間は(私なんかも含めてですが)、過去を懐かしむようになるのが早すぎるんじゃないか、という気もします。昔なら20や30で過去を振り返ることは少なかったんじゃないかと。
 ほんの少し前のことにさえノスタルジイを感じてしまうほど変化が激しいのか、それとも人間のほうがセンチメンタルになりすぎなのか。その両方かもしれませんけど。



「悪人に人権はない
 …(中略)…
 確か20世紀頃の地球の文献に書いてある」

 出典: 神坂一「ロストユニバース」

紹介 :大砲屋 様
HP :

コメント:
 ちょっとうろ覚えなのですが、こんな文がありました。
 悪人に人権がないとすれば、どの程度の悪人から人権がなくなるのだろう?
 この文句に問題があるとすれば、確かに「悪人に人権はない」と書いてある文献があるのですが、それを書いた人は・・神坂一という人物だったりします、小説の中で。
 何気に宣伝してたのだろうか?出版社は同じだし。

駄弁者:
 これが20世紀地球を代表する文献として残ってしまうのでは、その時代に生きる私たちが浮かばれないというもの(笑)。
>何気に宣伝してたのだろうか?
 宣伝対象の方が媒体よりはるかに有名なので、ネタ以上の効果は期待できませんが。
 それにしても、「スレイヤーズ」っていまだに続刊が出てるんですね…。



「加速装置っ!」

 出典: 石之森章太郎「サイボーグ009」

紹介 :首くくり 様
HP :

コメント:
 主人公である009の超有名セリフですが、まだ出ていないようなので。
 画像を見ると、一見、歯を噛み締めてスイッチしているように見えますが、実際は、奥歯の内側に設置されているのを舌で操作してるとの事。

駄弁者:
 オマージュ作品のほうが先に出てしまってますしね。
 私も歯を噛みしめるのがスイッチだとばかり思ってました。まあ、それだと変なところでスイッチを入れてしまいそうですし。



「そういえばさ、エリスたちって何人なの?」
「えーと、そのまんまでいうと、単なる『地球人』なんですけど、
 それだとややこしくなるんで『キャーティア人』ってことにしようと決まりました」

 出典: 神野オキナ「あそびにいくヨ!」

紹介 :閑古堂 様
HP :

コメント:
 宇宙から「遊びに行くよ」のメッセージと共に地球に来た宇宙人。彼女等はネコミミネコしっぽで日本語を話すような存在でした。
 と、言うわけで既に何回か紹介されている「あそびにいくヨ!」から。
 彼女たちキャーティア人の使用する言語は、完全に「日本語」(ちなみに数字はアラビア数字)、そのため、自分たちのことを「地球人」と呼んでいたのですが、こちら側の地球に来るにあわせて、他の呼び名を決定したようです。
 いつか私たちも「地球人」と名乗れなくなる時が来るのでしょうか?

駄弁者:
 考えてみれば宇宙人だって、ふだん自分たちを「〜星人」などと呼んでいるはずはないのですが。宇宙人の自称というのは、意外と気が回らない点かも知れません。
>私たちも「地球人」と名乗れなくなる時が…
 来てほしいものです。でもそうなったときでも、私達の呼称は「地球人(テラナーかアーシアンか、あるいは他の言語かはともかく)」になるんじゃないでしょうか。そして相手側の「地球人」を意味する言葉が、こちらから彼らを呼ぶときの呼称にもなる、と。…ただしお互い発音が可能な場合に限りますが(それを言うなら空気の振動が相互コミュニケーションの手段になるとも限りませんが)。



百万発の原爆を以ってしても、ハノイは決して失われない。
ハノイはその竹薮のなかにもある。あの川の上にもある。
ハノイは、連帯して不正と戦う世界人民と同じ数だけ存在する首府なのだ。

 出典: 矢作俊彦「あ・じゃ・ぱ!ん」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 日本が分割された世界で、悪化するヴェトナム戦争に業を煮やしたアメリカはついにハノイへ原爆『サウンド・オブ・サイレンス』を投下。しかし主席ホー・チ・ミンはハノイ消滅後に声明を発し、世界の反戦機運を一気に高めることに成功します。
 日本とアメリカが狂ったせいで環太平洋の色々な所が狂っているこの世界ですが、その辺以外は余り狂ってはいないようですね。

駄弁者:
 戦後日本が東西で分断され、資本主義・西日本/共産主義・東日本となっている世界の物語。
 いちばんトチ狂っているのは吉本が政権を握ってしまっている資本主義国西日本で、そこから離れるほどにマトモになっているとか…。
 ところでこの小説、タイトルの表記がまちまちで、「あ・じゃ・ぱん」だったり「あ・じゃ・ぱ!」だったり…。先に出た新潮社版と加筆修正された角川書店版とでも異なるようです。とりあえず新潮社版に準じておきます(それに応じて前にあったご投稿のタイトルも直しました)。



抱けぇ!

 出典: 藤子・F・不二雄「ノスタル爺」  同名短編集(藤子不二雄異色短編集4)に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
もう一つ、藤本先生の作品から投稿します。
 終戦後も一人、孤島のジャングルで30年間も暮らし、つい最近日本に戻ってきた男浦島太吉。しかし帰るべき家は村ごとダムに沈み、出征前夜に娶った妻もつい最近死んだこと、そして蔵に閉じ込められていた「気ぶれの爺」も後を追うように亡くなったことを水没した村の跡で知人に知らされます。全てを失いしばし過去に思いをはせていた浦島はいつしか知人とはぐれ霧の中に、そして霧から出たときに彼が見たものは…?
 投稿した台詞は、浦島が出征前夜に娶った妻に自分が戦場で死んでいく身であること、ここで彼女を抱く気が無いことを庭で話しているときに、蔵の「気ぶれの爺」が叫んだ言葉なのですが、彼のその後を考えると非常に悲しい台詞でもあります。
 しかし、これは救いなのか?確かに救いといえば、救いだとは思うのですが…。

駄弁者:
 「気ぶれの爺」が後を追うように亡くなった…というあたり、これは救いだったのかも知れません。しかし、実に苦い救いですよね…。
 下のTPは、こういう人をこそ助けるべきなんじゃないかと。



今日あなたは歴史にかかわったのよ

 出典: 藤子・F・不二雄「TP(タイム・パトロール)ぼん 古代人太平洋を行く」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 藤子・F・不二雄の作品から投稿します。
 ふとした事故からタイムパトロールになった平凡な中学生並平凡、彼はかつてタイム・パトロールの秘密を知ったために、存在を消されそうになったのですが、「歴史にかかわっている」という理由からタイム・パトロール隊員となったのでした。
 先輩で正隊員のリームとともに様々な時代の人々を救っていくぼんの活躍がメインですが、後半、ぼんが正隊員になると、ヒロイン格のリームが居なくなり代わりのヒロインが出てきたりと藤子先生もさまざまな試みをしている作品だと思います。
 投稿した台詞は、タイムパトロール隊員として軽率な行動をとったぼんに正隊員のリームがぼんに向けていった台詞なんですが、なるほど確かにこれでも歴史に「関わっている」ことになるよなぁ(苦笑)。

駄弁者:
 この話では、歴史に深く関わっている人物はタイムパトロールが助けたりしてはいけないそうで。しかしそうなると、助けてもらった人は、子々孫々にわたって歴史に深い影響を与えないことを保証されてしまっているということで、自分が助けられた理由を知ったらちょっと落ち込むんじゃないかなあ、と思います。
 けど、そういう条件だとすると、タイムパトロールが助けてもいい人物というのはなかなかいないのでは?



──人間の社会には、命について色々な説があります。一つは人間の命は何よりも貴いものだと言う人と、命以上に大事なものがあると言う人がいます。戦いをやめる時は、前者を取り、戦いを始める時は、後者を取ります。人間はその時々で都合のいい考え方を優先させるものなのです。

 出典: 渡邊由自「重戦機エルガイム 3.甦る地平線」

紹介 :舫(もやい) 様
HP :

コメント:
 またしても、小説版の重戦機エルガイムからの引用です。
 人の命に限らず、人間の社会のルールとか常識というのは、こんな風に形作られているような気もします。でも、私個人としては、永久に変わらず普遍なものもあると信じたいのですが、うっかりすると、トンでもない考えに陥りそうですね。(独善的・偏狭なものになりがち)

駄弁者:
 「そのときは、そのとき。今は今!」という具合に。確かにいいかげんといえばいいかげんですが、だからこそ人間うまくやっていけるという部分もあるんだろうと思います。



ファイン「ふしぎ星はね、星の内側に7つの国がある平和な星」
レイン「ところが! 中心にあるおひさまの国の、おひさまのめぐみに異変が!」
ファイン「大変大変! このままじゃ滅んじゃうよ〜!」
レイン「大丈夫大丈夫、私達が救えば…って」
ファイン&レイン「そんな事出来るの〜!?」

 出典: バースデイ原案「ふしぎ星の☆ふたご姫」

紹介 :クライン 様
HP :

コメント:
 今期2期目に入った魔法少女TVアニメより、昨年度(1期目)のアバンタイトルでの台詞です。
 魔法はSFじゃないよと突っ込まれると思いますが、台詞の通り、この舞台である『ふしぎ星』そのものがペルシダー(ダイソン球)的構造になっているのです。
 外から見た姿はコンペイトウなのですが、内部にある7つの国がそれぞれ星の機能を管理して成り立っています。
 主人公のふたご姫がいる『おひさまの国』は星の中心に浮かんでいる球状の国で、下半分がミラーボールのようになっており、そこからふしぎ星のあらゆる物のエネルギー源である『おひさまのめぐみ(プロミン)』を地表へ送っています。
 上半分には居住区と城が納まったドームが建っていますが、球の反対側なので外は常に夜、内部は人工照明で昼夜を作り出しています。
 ふしぎ星の地表(?)には、おひさまのめぐみを炎に変え、季節管理を担当するメラメラの国。
 水をポンプで吸い上げて水蒸気に変え、雲を作り出すしずくの国。
 ふしぎ星中の全ての植物の種を生み出す樹、マザーツリーがあるタネタネの国。
 巨大鉱山と工業地帯を持ち、あらゆる道具を作り出すことができる宝石の国。
 星型気球と月型気球での夜の見回りと、外宇宙との接点である星の泉を警備する月の国。
 国中の風車で風を起こし、大気循環を担当するかざぐるまの国。
があり、どれか欠けても星の機能が止まるという微妙なバランスで成り立っています。
 ちなみにおひさまの国は星の中心から動かず、角度を変えることで地表に昼夜を作り出しています。そのため、朝日と夕日は地平線に沈まずまるで日食のように訪れるのです(でもなぜか赤方遷移はする)
 おひさまの国そのものが人工物なので『誰が最初に浮かべたか』という最もな疑問が浮かびますが、それは今後も語られる事はないでしょう、残念。
 ちなみに2期の舞台は普通の地球型惑星、さらに残念。

駄弁者:
 一応公式ページだけ見に行ってみました…ちゃんとふしぎ星の設定の動画解説があるのにちょっと感心。ファンシーな絵柄は、ちょっと眼がチカチカしてしまって落ち着きませんが(笑)。
 すなおに見れば「面白い設定だな〜」で済ませられるのですが、いったんダイソン球殻だと言われてしまうと、コンペイトウ型の星のでっぱりにはなんか役目があるのかとか、ダイソン球のサイズだとするとそれぞれの国はとてつもなく巨大な領域なんじゃないかとか、この配置なら球よりもリングワールドにしたほうがいいんじゃないかとか、いらんことを考えてしまいます。



前の女房に言われたっけ 冷たいって

 出典: リドリー・スコット監督「ブレードランナー」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 名セリフは「インパクト」と「汎用性」。
 ていうかいつも言われてます。「今の女房」にですが。
 でも「デッカード=レプリカント説」を取るのなら、デッカードの記憶の元ネタの人は結構夫婦間が危機的状況にあったんだろうなぁと余計な事を考えたり。まぁ細かい事を言うとこのセリフのある版には「デッカード=レプリカント説」を示す場面が無いので、デッカードはホントに離婚していそうですが。
 自身による自己認識が揺らいだ時、というのは結構SFネタになります。
「記憶にある事」が実在していなかった時、あなたはどうしますか?

駄弁者:
 「冷たい」=「他人に感情移入できない」となると「アンドロ羊」の世界では人間じゃなくなってしまいますから、デッカードに対するこの非難は、私たちが受けるよりもずっと切実なんだろうと思います。
>「記憶にある事」が実在していなかった時
 むしろ「どうか実在しないでくれ」と思うことがしばしば…というのは冗談として。その「記憶にある事」が他の誰かや何かについてであれば、混乱しつつもなんとか自分の世界を保っていけるのでしょうが、「記憶にある自分」が実在していないとなると…すべてが崩壊してしまう危機に陥るでしょう。



じつはわしもファン

 出典: 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行 1巻」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 最終巻発売記念。
 いや実は私もファンなんですよ。
 「いつも眉間に皺を寄せてなんか読んでいるのに、マンガを読んでる時は幸せそうね。」とカミさんに言わしめた作品です。
 いやー、ずっと続くと思ってたんですけどね。「最後は驚くほどあっけないもんだ。」とは某野球マンガに出てくるセリフですけど。
 それにしても初瀬野先生!アンタどこで何やってんの!

駄弁者:
 順番飛ばしが続いてしまいますがお許しを。
 名文句は第1巻の第1話、ヨコハマへと向かうアルファさんを見送る、ガソリンスタンドのおじさんのセリフ。それにしても、最初の方の巻は絵柄が全然違うなあ。なんか線が多い。
 最終巻でこのおじさんが一度も登場しなかったのが、私は少しばかり残念です。



はしゃぐんじゃない!

 出典: Boichi「HOTEL」  週刊モーニング2006年6月1日号に収録

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 暴走温室効果により灼熱の惑星と化した地球、南極大陸に聳え立つ「HOTEL」で「人間以外の全ての生物のDNAを永遠に守り抜く」ことを使命とするAI「ルイ・アームストロング」は2700万年の長き苦闘の末、力尽きようとしていた。
 そこにかつて「別の恒星系に人間のDNAと文化・文明の記録を運び再生を試みる」ことを使命として地球を後にした「箱舟」の子孫が訪れる、彼らは使命に失敗し人間のDNAと記録を失ったものの、独自の進化を遂げた機械文明をつくりあげ、失われた使命の償いをするべく地球に舞い戻ってきたのだ、HOTELを発見し、奇跡だと浮かれる彼らを見て、ルイは生まれて2700万年間の生涯で初めて叱責の声を上げる。自分にとっても彼らにとっても託された使命と「人類の想い」はそんなものでは無いのだと、そして抱え続けた秘密を彼らに託して機能を停止していく。
 いい作品です。この作者の作品をもっと読んで見たくなりました。

駄弁者:
 下の「ヨコハマ買い出し紀行」でお待たせした代わりというわけではありませんが、今度は冷めないうちに掲載させていただきましょう。
 ご投稿の文句については、人間を直接「親」に持ち、彼らの記憶を至上のものとしているルイ支配人とは違って、「方舟」のAIたちはずいぶんと代替わりしていまっているみたいですからね〜。当初の使命についての重みもずいぶんと異なるんでしょう。
 その点ではルイも自分のモジュールを何百とつくって自らを維持していたみたいですが、よくコピーの累積で記憶が劣化したりしなかったものだと。
>この作者の作品をもっと〜
 「究極宇宙味帝シーザー」なんてのが出てたみたいですが…なんか方向性が全然違うぞ(笑)



直そう
僕には 守るべきものがある
だから
直そう

 出典: Boichi「HOTEL」  週刊モーニング2006年6月1日号に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 掲示板でご紹介があったので読んでみて、そのスケールの大きさに驚かされた作品。
 地球最後の「ホテル」の「支配人」、コンピュータ・ルイの物語。温室効果のポジティブ・フィードバックのため変わり果てた地球で、ある使命を果たすためルイは自分と「ホテル」を修理し続ける。不屈というのではなく、ただひたすらに淡々と…。
 「健気なコンピュータ(ロボット)」というのはすでに定番ではありますが、それでも心をうたれずにはいられない力をもった短編です。



「そんなこと本当にできるんですか」
「できないと思ってる奴には絶対無理」

 出典: 円谷プロ作品・福田卓郎脚本・金子修介監督「ウルトラマンマックス第36話『イジゲンセカイ』」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 キチ○イ科学者名言集 その6
 DASHは基地防衛の切り札として異次元バリアの開発を目論み、天才科学者四谷博士を召喚した。だがエキセントリックな天才四谷は傲慢な態度と罵詈雑言で隊員たちから顰蹙を買う。
 台詞は無邪気に質問した隊員に対する四谷の返答。
 ここまでで止めとけば口調はともかく(ずぇったいむっりぃぃ!…うーん、字では書き表せない!)云ってることは至極全うです。でも
  「特に君のような凡人には、きぃひゃひゃっひゃひゃ(笑い声、表記不可能)」
と続いてしまっては駄目ですね。人格を疑われて当然です。
 四谷博士は傲岸不遜で自分勝手、エキセントリックで図々しい。近頃では珍しく正統派のキチ○イ科学者でした。現実離れしてはいますが、小生は大好きです、こーゆー古臭いキチ○イ科学者。

駄弁者:
 力強いお言葉に、思わず素直に感動しそうになりました。
 「きぃひゃひゃっひゃひゃ(笑い声、表記不可能)」がなければなあ…。



メカというものは一部がこわれたからといって…すべてがダメになるというものではない!
このように1%の正常な部分を使用し100%の力を出すこともできる!!

 出典: 黒岩よしひろ「魔神竜バリオン」

紹介 :首くくり 様
HP :

コメント:
週刊少年ジャンプ、昭和62年連載の巨大ロボットマンガより。
破損した部下のロボットに乗り込み、主人公を追い詰めるライバルのセリフ。

駄弁者:
 ロボット工学の権威だった志羽博士の息子・竜樹の前に、父が作ったミニロボット・アリスが現れた。アリスに導かれ、竜樹は巨大ロボット「魔神竜バリオン」で人類抹殺計画を企む悪の組織「ハロウィーン」との戦いに臨む。
 …とネットで調べた限りのあらすじでは、王道的なロボットものみたいなのですが。少年ジャンプでロボットものというのは、珍しいと言えば珍しいか。
 正常稼働1%で100%の力が出せるんだったら、そこまで稼働能力が落ちるまでに問題を片づけろよなあ…。



人の夜が やすらかな時代でありますように

 出典: 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 月刊アフタヌーンで、12年間の長きに渡って文明の静かな黄昏「夕凪の時代」を語り続けた作品も2006年4月号でとうとう最終回となりました。
 今や「お祭り騒ぎのようだった」時代(一説には「バイオレンス・ジャック」や「北斗の拳」のような時代だったのでは?と言う人あり。)を懐かしむ人すらいなくなり、ただ人の思い出だけがそこここに残る夕暮れ、来る「人の夜」とはいつまで続くのでしょう。
 そして、いつか来る人類の夜明けとはいかなるものなのでしょうか?
 アルファさんはいつか来るその日を夢に見るのでしょうか。

駄弁者:
 ご投稿は連載最終回時にいただいたんですが掲載するタイミングを逃してしまいまして、単行本最終巻発売まで待っていただきました。
 何巻めだったか(…7巻でした)、台風で「カフェ・アルファ」が壊れたエピソードで、ガソリンスタンドのおじさんが「タカにすりゃーなじみの景色が無くなってしまうのは初めてかもしんねーからな」と言っていたのが印象に残ってます。この一見トボけたじいさんは、何回「なじみの景色」を無くしてきたんだろう、と。ほのぼのとした中に、ときどき非常にハードな背景を窺わせるようなところも魅力でした。
 なんだか最終巻に入ってから、それまでにも増して終末感が漂っているように思えるのは気のせいでしょうか。それに時間の進み方の早いこと。
 私は何となく、最後はアルファさんのオーナーがふらりと帰ってきて終わりになるんじゃないかと思っていたんですが、結局外れてしまいました。



「ぼくと結婚しなよ」

 出典: 萩尾望都「11人いる!」

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 TEAM NORTH−MOAI(R)さんの『名セリフは「インパクト」と「汎用性」』を考慮して、最近読んだ「11人いる!」からの投稿です。もっとも、「汎用性」があっちゃマズイですが……。
 「結婚してください」や「結婚しよう」なんかよりも、遙かに威力があるでしょう、この台詞。この場面で、「11人いる!」は傑作を超えた名作になった! でも、台詞だけ見ると「君の瞳に映る、僕に乾杯」と同じ人が言っているみたいだなぁ〜(笑)。
 この台詞を意中の女性にプレゼントして、もしもまったく効果がなかったら、もうお手上げですわな。

駄弁者:
>「汎用性」を考慮して
 言葉はともかくとして(非常にリスクの高そうなプロポーズになりそうですが)、言ってる人(超能力者)と言われている人(「完全体」)は、汎用からほど遠い所にあるなあ…。



この世の全てに、答えがあるのさ

 出典: 奈良京作作詞・神津裕之作/編曲・TOMMY歌「FNS地球特捜隊ダイバスター主題歌」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 狂科学者名言集その5  この断言が、言霊となって我々の知性を狂わせます。
 西暦2025年、地球を来訪する地球外知的生命体パピルス、彼らが抱くであろうあらゆる疑問に答えるため、博士の指令に従って地球にあまねく存在する『謎』を追う。その実態は、毎回「鳥よけとして使われているCDは誰の曲か」とか「イカリングはあるのにタコリングはないのか」とか、『謎』というより『ネタ』を追う、バラエティ番組である。
 人物はアニメーション、メカは実写で描かれ、『科学特捜隊』的なチームが登場するなど、設定的には以前お送りした『タンサー5』をパクっている。
 台詞は『博士』の言葉とは厳密には断定できません。しかし、上記の台詞に続いて「好きさお前が、今日も出動、地球特捜隊ダイバスター!」と続く歌詞の脈絡のなさが、やってることも言ってることも常軌を逸したダイバスター司令官『博士』のキャラにぴったりなので、ここに挙げさせていただくことにした次第です。
 番組には他にも「私たちアニメなので(貴方が)食べてみてください」とか「この番組はスポンサーなしで一生懸命作りました」などの脱力系迷台詞がいっぱいあります。

駄弁者:
 「トリヴィアの泉」の「トリヴィアのタネ」をメイン企画にしたような…いかにもフジらしい、くだらなさを楽しむ類のもんですか。
 楽しむのはいいとして、こんなことばかりやってると、地球外生命体に呆れられてコンタクトをスルーされてしまうぞ、きっと。



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