SF名文句・迷文句第148集

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敗北の味もまた、まったりとして美味……

 出典: 東映制作「百獣戦隊ガオレンジャー」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 非常に食いしん坊でバブル時代に作られた建物のコンクリートが好物だという最高位の「ハイネスデューク」ラセツの断末魔です。
 しかしこの作品の悪役であるオルグで印象に残ったのは中間管理職的存在のヤバイバとツエツエでしょう。オルゲット(戦闘員)達の上司というより良き兄貴分として共にガオレンジャーと戦ったヤバイバと、そのヤバイバと性別を超えた不思議な友情で結ばれていたツエツエの二人が地味に格好良かったです。

駄弁者:
 うちの職場も食われそうだな…。
 今だったら耐震強度偽装のコンクリートが好物という設定になってしまうんじゃないでしょうか。



あ…、あたしはラクス! あたしはラクスよ!!
あたしはラクス! ラクスなの! ラクスがいい!!
役割だっていいじゃない!! ちゃんと…… ちゃんとやれば!
そうやって生きたっていいじゃない!!

 出典: サンライズ制作「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ザフト軍の最高指導者であるギルバート・デュランダル議長によって、自分がかつてザフト軍のアイドルであったラクス・クラインの偽物として作られ、人形であり駒である事を自覚しながらもその現状に必死にすがりつく少女の姿が非常に痛々しい……
 彼女はラスト、本物のラクス・クラインを庇って死んでいきましたが、本人が自分の人生に満足していれば他人がどうこう言うものではないでしょう。

駄弁者:
 「よく見ろ。髪飾りが安っぽい。真っ赤な偽物だ」ということにはならないんですな。
 本物をかばって死んだと言うことは、偽としての「役割」はちゃんとやれなかったということに…いや、むしろ身代わりとして役割を全うしたということになるんでしょうか。



「何故、人は安心していられるのだろう?」
波動関数が収束するから。
「俺を苦しませるものは何?」
それは運命。でも、本当は違う。
「何故、人は希望を捨てられないのか?」
波動関数が発散するから。

 出典: 小林泰三「酔歩する男」  『玩具修理者』に収録

紹介 :海並童寿 様
HP :

コメント:
ものすごく大雑把に言ってしまうと、ここでいう
「波動関数の収束」→「現在」を迎えて「歴史」が確定すること
「波動関数の発散」→「歴史」が「未来」として不確定であること
なのですが……それにしても「ぼくが君を愛するのは、分泌ホルモンのせい」
とゆーのと同じくらい身も蓋もない回答やなー、と。
(作品概要)
 一人の女性・手児奈を愛した二人の男。しかし、手児奈は電車に身を投げてしまった。悲嘆に暮れる二人のうち一人が、研究の末、脳の一部を破壊することで、意識を時間遡行させる能力を得る手段を発見する。だが処置を受けた二人とも時間遡行能力の獲得には失敗した……かに見えた。「翌朝」を迎えるまでは……

駄弁者:
 量子論ネタの傑作でしたね。読んでいるこっちまで酩酊するような感覚を味わった覚えがあります。
「玩具修理者」に収録と言いつつ、収録されているのは2編のみで、しかも表題作の数倍の長さ…というのがちょっと意外でした。



「どうもすみません。我々、少しばかり非常識な存在なんですよ」

 出典: 谷川流原作・石原立也監督「涼宮ハルヒの憂鬱 第7話『涼宮ハルヒの退屈』」

紹介 :いせやん 様
HP :
http://star.ap.teacup.com/i-93/

コメント:
 同級生の宇宙人製有機ヒューマノイド長門有希の力を借りて、非常識な試合展開で野球に勝ってしまった超能力者古泉一樹が相手チームの一人にかけた言葉です。
 彼らの名誉のためにいっておくと、彼らは別に某猫型ロボットの力を借りているN君と違ってあくまで世界を守るためにこの試合に勝利したのです。さらに試合後棄権して相手チームの健闘を祈っています。
 非常識な力を持った皆さんには是非見習って欲しい謙虚さですね。

駄弁者:
 原作小説だと、短編集になっている3冊目(同題)の第1話より。謙虚なのかなあ。彼のようにニコニコ笑いながら言われると、イヤミに感じられるような。
 この話だと、非常識な力を発揮しているのはその有機ヒューマノイドだけに見えますが。というかこの話に限らず、長門さん便利すぎ。



俺の人生はつまらなくなんかない……!
家族がいる幸せを、あんた達にも分けてあげたい位だぜ……!!

 出典: 臼井儀人原作・原恵一監督「劇場版クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 劇場版では色々な事件に巻き込まれながらも「家族の絆」を最大の武器に幾多の難局に立ち向かう野原一家がなんかカッコイイんですよね。

駄弁者:
 あんなこにくらしいガキがいても、やっぱり…幸せなんだろうなあ。
 昔、これだけは見せるんじゃなかったと本気で嘆いていた親がいましたが、この劇場版で、あるいは評価が変わったかも。



残念ながら、我々は地球の気圧に耐えられない

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン 第36話『必殺の0.1秒』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ウルトラシリーズのみならずSFの世界で地球を侵略しようとした宇宙人は文字通り星の数ほどいますが、これ程までに無理がある侵略宇宙人(ペガ星人)は他にいないでしょう。
 そもそも地球の環境で生活する事が出来ないのに何故地球を侵略する気になったのでしょうか? テラフォーミングという事も考えられますが、それだと莫大な費用と時間が掛かると思うので自分たちが生活できる環境の星を侵略した方が遥かに手っ取り早いはず。
 それでもセブンの二度にわたる説得を跳ね除けた所を見ると余程の意地か、上司?の命令に逆らえなかったか……

駄弁者:
 無理せずとなりの赤いのにしとけばいいのに。…ナメゴンが苦手とか?



わたしのトレーサーが、私に大丈夫かといっている。
大丈夫か、だって。
「大丈夫なわけないじゃない!」

 出典: 新海誠原作・加納新太著「ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる」

紹介 :WC-Co 様
HP :

コメント:
 映像作家新海誠の出世作「ほしのこえ」2度目の小説版より投稿させていただきます。
 地球から8.6光年先のシリウスαβ星系で、ほんの半年前までいた地球に二度と戻れないと気付いてしまったミカコが、動揺し叫んだ言葉。
 15歳の女の子に突然、戦争とか果てしない索敵とかやれと言って、「大丈夫」と言わせる方が無理のある話です。
 原作では尺の都合その他で切り捨てられた第三者との交わりの描写を、映像化されなかったのではなく、本当に関わりを断っていたと解釈し、話を進めます。原作のひたすら切ない印象と異なり、本小説版では、成長物語としての清々しさがあります(それが原作との違和感を醸すところでもあるのですが…)。

駄弁者:
 私はこの話、長くしてしまうとかえって粗が見えてしまう類のものだと思っていましたので、小説版が出ると聞いて、いい物ができるのかどうか少々疑問でした(たとえばあのラストより先を描いたりしたら、相当うまくやらないと蛇足に感じてしまうでしょうし)。



「なんでわざわざジェットエンジンなんだよ」
「かっこいいから!」

 出典: 新海誠原作・加納新太著「雲のむこう、約束の場所」

紹介 :WC-Co 様
HP :

コメント:
 原作では、前作「ほしのこえ」に比べて今ひとつ評価の低い「雲のむこう、約束の場所」ですが、理由はきっと90分という短い枠の中に収めてしまった事による消化不良だと思います。小説版は、原作と多少主題が異なりますが、原作には収まりきらなかった部分まで丁寧に書き込まれていて、ああこれが「雲のむこう、〜」の全貌なんだなと、納得の内容です。
 投稿したのは、主人公とその友人が自作飛行機のエンジンとして、何故ガソリンエンジンではなく、使い勝手の悪いジェットエンジンを選択したのか聞かれた時、ハモりながら答えた「真の」理由です。

駄弁者:
 論証不要の、ある意味真っ当な理由だと思います。
 でも「かっこいいから!」で扱いづらい方を扱える基礎能力が、現実にはたいていなかったりするんですが…。



キラ・ヤマトと言う、夢のたった一人を創る資金の為に、俺たちは作られた。
恐らくはただ「出来る」という理由だけで。
だが、その結果の俺は…… フッ、どうすればいいんだ?
父も母も無い。 俺は俺を作った奴の夢など知らない。
人よりも早く老化し、もうそう遠くなく死に至るこの身が、科学の進歩の素晴らしい結果だとも思えない。
もう一人の俺は、この定めを呪い、全てを壊そうと戦って死んだ。
だが、誰が悪い? 誰が悪かったんだ? 俺たちは誰もが皆、この世界の欠陥の子だ。
だから、全てを終わらせて還る。 俺たちのような子が二度と生まれないように。

 出典: サンライズ制作「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 前作「SEED」のラストで倒されたクローンの同体が活躍(暗躍)していた本作。
 少なくとも彼の言っている事は間違ってはいません。 しかし、彼もまたあまり同情されない損なキャラクターだったと思います。
 理想の現実の為に奔走するのはいいのですが、その理想が人類にとって決して喜ばしいものではなかったのが一番の理由だったのではないかと。
 それでも最後の最後で自らの過ちに気付いたのか、贖罪の涙を流しながら彼は爆風の中へと消えていきました。

駄弁者:
 誰か「人びとは過ちを犯しました。だけど、みなさんはその過ちじゃないんです」と呼びかけられればよかったのでしょうか。



私にはあるのだよ!
この宇宙でただ一人、全ての人類を裁く権利がな!!

 出典: サンライズ制作「機動戦士ガンダムSEED」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 一昔前までクローンと言えば空想世界の産物でしたが、現在では「クローン人間を作ってはいけない」という法律まで出来てしまう時代となりました。
 上記のセリフは「命」を弄び神を気取った人類に深い憎しみを抱き、戦争に便乗して人類全てを滅ぼそうとした一人のクローン人間が言い放った言葉です。
 しかし、客観的な見方をすればクローン人間の気持ちはクローン人間にしか分からない訳で、私にとっては単なる「悪役」にしか見えませんでした。
 すったもんだで最後はあえなく倒され、野望さえも潰えてしまったところを見るとやはり彼は悪役でしかなかったという事でしょう。

駄弁者:
 神を気取った人間をまるごと裁こうというのも、やはり神気取りの傲慢であることには違いないのですが。
>倒され、野望さえも潰えてしまったところを見ると
 …では、野望を達成していたら悪役じゃなくなっていた?



「僕はあくまで君を信じている。この世の誰よりも、いや僕自身よりもむしろ君を信じているよ」

 出典: ロバート・ルイ・スティーヴンソン「ジーキル博士とハイド氏」(大谷利彦訳)

紹介 :TOM 様
HP :

コメント:
 古本屋の100円コーナーで文庫本を買って読んでみました。タイトルだけは前から知ってたんですけど、実際に読んでみると結構イメージと違いますね。
 ハイドって、もっと強いモンスターみたいなのを想像してたんですけど…
 投稿のセリフは、ジーキル博士が、親友のアタスン弁護士に語った言葉です。
 ネタを知ってる読者としては、なるほどなと思うセリフですけど、よく考えると、何も怪しげな薬を飲まなくても、こういう状況に陥ることはままありそうな感じですね。
 昨日、何時に家に帰ってきたっけな、とか…(笑)

駄弁者:
>昨日、何時に家に帰ってきたっけな、とか…
 その、人格や記憶が変わるかも知れない怪しげな成分を含んだものを飲みながら更新作業するのが常です。
 しかし、この方のようにはっきり別れてしまうのではなく、連続性があるのに両面があるから、人間やっかいなんでしょうが。



「だって…だって
 しようがなかったんだい、
 くそーっ くそーっ!」

 出典: 石川球太「巨人獣」

紹介 :TOM 様
HP :

コメント:
 第144集にある「ウルトラマンが3分間でなく3日間存在していたら」という文章を読んで、ふと思い出したのがこの数年前に100円ショップで買った『巨人獣』でした。
 このセリフは、身長13メートル50、体重50トンになってしまった男が、まぁ、いわゆる、なんです、つまり、いきばってその、デッカイ1本グソをしてしまった時に、そのことをはやし立てられて思わずそのウンコの上に覆いかぶさりながら叫んだセリフです。
 この作品は、何の理由もなくいきなり巨大になってしまった男の物語なんですけど、大半は男のオシッコやらウンコやらオナラやらで周囲の住民がエライ迷惑するという描写になっています。
 作品中では、割と周囲の人たちが巨人獣に対して好意的なんだけど、それでもやっぱり、このデカイウンコと大量のオシッコと突風のようなオナラは、キツイよなぁ。それらをものすごく申し訳なさそうにする巨人獣が、本当に哀れというかなんというか…
 ウルトラマンだったら、光がエネルギー源だから排泄物がないと思うので、それほど被害はない…のかな?

駄弁者:
 排泄物もキツイですが、その排泄物の原料を供給する負担も、なかなかキツイものがあると思います。



「人間が作った道具が、人の崇高な理念そのものを拡大して、他者を善き方向に持っていくことなど、できるわけがない」

 出典: 富野由悠季「機動戦士Vガンダム5 エンジェル・ハィロゥ」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
 エンジェル・ハィロゥとサイキッカーの力によって、フォンブラウン市の人々は眠りに着いた。大規模な軍事衝突は回避されたと純粋に喜んだザンスカール帝国の女王マリア。しかしその後、右翼司令タシロ大佐によって事の真相(彼らは眠り・痴呆化し、栄養を取ることも出来ず、結果腐り逝くだろうということ)を知らされ、愕然とする女王にタシロがとどめに放ったセリフ。人が作ったツールの限界を表現したナイスな一言だと思います。

駄弁者:
 出典は小説版より。
 この場合、問題があったのはツールの方なのか、それで拡張しようとした理念の方なのか考えてみる必要があるんじゃないでしょうか。



「あん…あんたっMMってこーーーんなにちっちゃいのよ。自分でしゃべったり考えたりできるわけないじゃんっ。それ絶対キツネかタヌキの動物霊よっ!!」
「小さいけどいっぱいいるから話ぐらいはできるって」
「んなわけあるかーっ!!だったらイワシの大群は海の王者よっ!!」

 出典: 安永航一郎「リトルモーニング」

紹介 :ちはや 様
HP :

コメント:
 月刊コミック『リュウ』で始まった安永さんの作品から名文句をひとつ。
 主人公の判崎小朝は四歳の夏に不慮の事故により瀕死状態に陥るが、学者風の男に薬液を投与され九死に一生を得る。だがその男は直後に事故に巻き込まれ死亡してしまった。そして九年後、救急箱の要らない体に成長した小朝の前に小朝の同類だというお姉さんが現れる。だが、小朝のMMは彼女のMMとはちょっと違っていて考えてしゃべれるMMだったのだ。というところで上記の名文句が出てきます。かなり面白くなりそうな予感がするのですが打ち切りにならない事を願うばかりです。

駄弁者:
 群体で意識を持つナノマシンを注入されてしまったわけですな。…こう言うと作品のテイストとずれてしまいそうですが。
>イワシの大群は海の王者よっ
 確かに一体化して行動できるイワシの大群がいたら…
──ぼくが目になろう──
 おっと、なにやらやけになつかしい連想が頭を。



イクサミコは、人間に従うように作られていますが、愛するようには作られていません。

 出典: 暴走機関車「VARIANTAS」

紹介 :ゴスペル 様
HP :

コメント:
 初めまして。ゴスペルといいます。今回初投稿なのですが、未完のネット小説から投稿させていただきます。(著者の確認済み)
人類に敵対した自立機動兵器[ヴァリアンタス]。
そしてそれを殲滅するために建造された巨大機動兵器。
そしてそれに乗り込む、若者たちの物語…
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=250125012501&id=1
 さて、今回のこの台詞ですが、これは機動兵器の支援ユニットとして積み込まれる、『女性型人型AIユニット』が放った名文句なのですが、こういいながらも彼女たち、自分たちのユーザーとがっつり愛し合っちゃてるんですよね。
ありきたりな感じの台詞なのですが、これを言ったときの状況がなんとまっ裸!!
しかも無表情で!
 けっこうショッキングな作品です。これは。いろんな意味で。

駄弁者:
 ちょっと意地悪く考えれば、愛するように作られていようといまいと、自分たちが愛情を抱けるような姿形をしている存在が、自分たちに愛情を抱いているように思える反応を示してくれれば、人間にとってはそれで充分なのかも知れません。
 ひょっとすると、下の名文句のように男か女かを随時変えられる人間より、「女(男)性型」に固定されている非人間の方が愛情を抱きやすいかも…。



君は…超能力で男にでも女にでもなれるんだろ。やっぱり誰かを好きになるってむずかしいんじゃないの?

 出典: 聖悠紀「超人ロック ライザ」

紹介 :きょん 様
HP :

コメント:
 エスパーガイストは超人ロックのDNAを手に入れ、ロックに変身することに成功。だがロックの超能力も使いこなすために自らの脳の一部も変身させ、それによって元の自分に戻れなくなってしまう。エスパーハンターに追われる彼を救出したのは、麻薬商人アーメッド・サルの部下カルビンだった。だがその頃偽ロックを追って、連邦軍情報局局長ダンディも秘書官と共に動き出していた。
 これは偽ロックに興味を持ったカルビンから彼への質問です。私はそんなの関係ないと思いますね。だって外側が変わったところで中身がその人のままなら、どうってことないでしょう?『宇宙海賊ミトの大冒険』の主人公なんか、女の子になっちゃっても好きな女の子への気持ちは変わらなかったことだし。性別が変わったからっていきなり好きになる対象は変わらないと思いますけれど、皆さんどう思いますか?

駄弁者:
 私たちの性別が変わってしまったら、「ぼくが君を愛するのは、分泌ホルモンのせいさ」という言葉もあることですし、好きな人を正反対に嫌いになることはなくても、好きであるあり方は違ってくるんじゃないでしょうか。
 ロックの場合は多分、そういうことはないんでしょう。ただ彼のように随意に性別を変えられるような存在がいたとしたら、人を好きになるという概念自体が、私たちのように性別が(原則として)固定している人間とは異なっているかも知れません。
 …どちらにしても性別が変わってしまった当人より、相手の方が心理的問題が大きそうです。



「もちろん、そのとき勝者になったからこそ、アメリカは厄介なのだともいえます。やや乱暴に譬えてしまえば、アメリカは成功したオウム真理教なのです。アメリカ合衆国というのは、恐ろしく巨大な『カミクイシキ』なんですよ」

 出典: 佐藤賢一「アメリカ第二次南北戦争」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
たしかに乱暴ですな。正否・善悪は別として、興味深い意見ではありますが。
(「そのとき」というのは、アメリカ独立戦争の話です)
BGM:「CIVIL WAR」ガンズ&ローゼス

駄弁者:
 じゃあオウム真理教は失敗した合衆国…というのは、あまりにも過大評価というものですが。
 私のようにアメリカという国に対して何とはなしの反感をもっていると、実際の当否は別としてとりあえず「そうかも」と思ってしまいたくなるんじゃないでしょうか。憲法で国教を否定しているわりには宗教で一体感を保っている部分が大きいみたいですしね。



「さあ、大ばか野郎、火星へ出発だ!」

 出典: ジャック・ウィリアムスン「火星ノンストップ」(風見潤訳)  同名短編集に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :ここ

コメント:
 追悼というならこちらも入れておきたい、ということで。98歳の大往生です。
 …突如地球各地を襲う大嵐。原因は火星から地球へと延ばされ、空気を吸いとる長大な力場チューブだった。冒険野郎カーター・リーは、果敢に火星へ8千万キロの旅路につく…愛機フェニックス号──プロペラ機を駆って!
 主人公も大ばか野郎ですが、プロペラ機で火星に行くシチュエーションをつくるために地球から火星まで届く大竜巻を用意する作者も、結構いい勝負していたと思います。ご冥福を。



「こいつは有機体なのかメカなのか!!」
「こいつが有機体ならぶっ殺す。メカなら!! ぶっ壊す!!」

 出典: 永井豪・石川賢「真ゲッターロボ」

紹介 :さるたに 様
HP :

コメント:
 宇宙から飛来した、機械とも生物とも判別できない謎の物体に接触したゲッターチームが、その物体に襲撃を受けた際のやりとりです。
 うむ、これなら地球外生物との付き合い方に悩む必要は無さそうです。
 …いやいやいや、悩まなきゃいいってもんでは!!

駄弁者:
 …つーか、悩むもんだろ、普通は!
 以前名文句のご投稿に、「ワケのわからんヤツはしばくに限る」というのがありましたが、こっちはワケが分かろうと分かるまいとしばき倒しているような。



「これからの極道は宇宙じゃ! 宇宙開発じゃあ!!」

 出典: 石川賢「極道兵器」

紹介 :さるたに 様
HP :

コメント:
 急逝した石川賢先生の追悼にいくつか名文句を…と思いましたが、作品を読み返してみると、石川先生って結構勢い任せに書いてるフシがあるせいか、「名(迷)台詞」は山ほどあるものの、作品自体がブッ飛びすぎてて「SF」の範囲に収まらないものが多いんですよね…。
 そんな中で、ゲッター以外のSF(?)モノから「極道兵器」のネタを。かつては一目置かれていたものの今ではすっかり落ち目となり、町工場のオヤジに堕していたヤクザが紆余曲折の末に手中に収めた宇宙工学の博士を使って衛星兵器を作り、ヤクザの連合を恫喝するシーンの台詞です。
…ヤクザ社会の勢力争いも、もはや宇宙まで視野を広げないと追いつかないようです。

駄弁者:
 追悼ということなので、先に掲載させて頂くことにします。
 町工場のオヤジが衛星を開発というのは、あながちブッ飛んでいないのですが。極道となると…。ゆくゆくは月や火星に旗を立てようとうする国から、みかじめ料でもふんだくるつもりとか?



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