SF名文句・迷文句第170集

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おれもあんなふうにスタートしていたら、どんな人間になっていただろう、と彼は思う。

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「断絶への航海」(小隅黎訳)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 もし私が秋葉原近辺で育っていたら、どんな人間になっていただろう、というかどんな職業に就いていたか?と思ってしまいました。
 でも、こういう事を言うヤツもいます。「好きで始めた仕事だけれど、こんな事なら好きになるんじゃなかった。」と。

駄弁者:
 秋葉原近辺ってことは、神田も近いというわけで…私はあんまり変わんなかったかもなあ。
 ちなみに出典のケイロン人社会ですが、私はあそこでスタートしたいとはあんまり思いません。能なしの不精者にはとことん厳しいみたいですので…。



「見た目はロボット。動き方もロボット。もし話すとしたら、ロボットのように話しそうな気がする。だからロボットだよ。ただしものすごく進歩している。自動車の組み立て工場で使われたり、家電販売店で売られているようなものとはちがう。日本製かもしれない」
急にそうだという気がしてきて、
「日本製にちがいない。日本人はこういうのが好きだから」

 出典: アラン・ディーン・フォスター「トランスフォーマー」(中原尚哉訳)

紹介 :一志 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです。映画公開記念ということで(映画から出典したかったのですがど忘れしたので小説版から)。
 デストロンのバリケード(パトカー)と激闘を終えたバンブルビー(和名バンブル。アニメではフォルクスワーゲンでお馴染みですが 映画版ではカマロです)を見て、ヒロインのミカエラが呟いた台詞に、すでにファーストコンタクトを済ませていた主人公サム・ウィットウィキー少年の結論。
 この台詞を見たとき映画館で思わずニヤニヤしてしまいました。
 ああ、その通りだよ。大好きだよこんチクショウ!(駄弁者さんも勿論そうですよね)
 この映画はまさにトランスフォーマーと言えるべき(というか僕好み)の映画でした。
 この映画で一番好きになったキャラはやっぱり、バンブルビー(彼はとある理由から発声できないのでカーデッキで会話をするんですが それがまたいい味なんですよねぇ〜)
 あと蛇足ですがこのバンブルビーの表情のモデルはバックトゥザフューチャーのマイケル・J・フォックス氏だそうで。
 長文乱文失礼致しました。
では最後に…トランスフォーム!

駄弁者:
 映画公開記念と言うには、掲載があまりにも遅れてしまって申し訳ありません。
>「日本人はこういうのが好きだから」
 アレン・スティールの「マジンラ世紀末最終大決戦」を連想しました(こちらは本当に日本の会社が巨大ロボットを作っている話)。やっぱりそういうイメージって色濃くあるんですね。…私ですか?まあ、なんだかんだ言いつつ、結局好きです(笑)。
 それにしても、著者のアラン・ディーン・フォスターはノヴェライズが多いですね。オリジナルでも、ハヤカワFTで出ていた「スペルシンガー」シリーズなど、そこそこ面白かったんですが。



また図書館に

 出典: 谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」を取り上げる以上はこちらも取り上げないわけにはいかないでしょう。
 結局この小説のラストでキョンは長門と再会した際に図書館の話はせず、さらにはハルヒを下の名前で呼ぶようになって「消失」につながるわけですが…というか「サウンドアラウンド」よりも先にこっちを投稿するべきでしたね。

駄弁者:
 特に対になるセリフというわけでもないと思いますが、まあ人気キャラのことですし。
 関連ページを読み返してみて気付いたのですが、キョンが長門を図書館に連れていっているんですね。イメージ的に逆のように思ってました。



何も見てないフリで背中見てた
つらくなって走り出す
I miss you,Baby
知った恋はジェラシーの悔しさだけを
おいて逃げていったけど
もうGood-bye,bye! First love.

 出典: 畑亜貴作詞・神前暁作曲/編曲「First Good-Bye」  涼宮ハルヒの憂鬱ドラマCD「サウンドアラウンド」エンディングテーマ)

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 ドラマCDによると非物質拡散性振動型感知音波を発生させ、聞いた人間の脳内でエンドレスリピートさせるようですが歌詞だけならOKですよね?…まあ、そんなわけで一見SFっぽくないように見せかけてただ者ではない設定を持っていたりします。
 一応「歌:涼宮ハルヒ」となっていますが、劇中ではみくるや長門が上記のフレーズを歌うシーンがあったりします。アニメ第一話同様歌唱力がアレなみくるはともかく長門が淡々と音程だけは正確に歌った後でハルヒが「有希、あんた世の中に何か叫びたいとか社会に対する不満や怒りを表明したいとかそういうのはないの?」と聞くのはちょっと切なくなりました。アニメ二期のネタバレになるので詳しくは書きませんが時系列的に「消失」直前のようですし。
 余談ですがファンの間では以前のコメントで紹介した原作最新作に登場する新キャラ、佐々木の心情にぴったりだとか言われているようですね。ドラマCDの方が先に作られたようですが。

駄弁者:
 現在、晩飯を買いに寄ったスーパーのCMソングが私の脳内でエンドレスリピートされています。…非物質拡散性振動型感知音波?



「8時間以内で火星を一周してしまうあの内側の月は、我々の上空約5900Kmという、とても近い軌道を回っています。この距離は地球と月の間の約1/65しかないんです」
「…近いのね」
「はい」
 近づきすぎたちっぽけな月は、火星の影響を受けすぎて、やがて粉々に砕けてしまうに違いない。
「なぜ泣くんです?」
「近すぎよ」

 出典: 天野こずえ「ARIA Navigation45 『お月見』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 もうひとつ「ARIA」より。灯里の友人・藍華ちゃんと、ノームのアルくんの会話です。女性に人気のある作品だそうですが、そのわりに恋愛の要素はほとんどありませんで。ほとんど唯一の例外が、この藍華ちゃんとアルくんの関係です。
 ノームというのはアクアの地下に住み、重力をコントロールする重要な仕事に就いている人々。一般的に背が低いらしく、アルくんも一見子供のようです。そのアルくんが時折見せる優しさ、ノームの持つ神秘性に、藍華はどんどん惹かれてゆき、そんな自分に戸惑いを覚えます。
 お月見の夜、枯井戸に落ちて二人きりになってしまった藍華ちゃんとアルくん。間をつなぐために月と火星の間の重力について解説するアルくんですが、藍華ちゃんは涙ぐんでしまいます。”火星の影響を受け続ける月”を”アルくんに影響されている自分”に重ね合わせ、不安を感じてしまったのです。ちなみに、この二人の会話はそんなんばっかしです。
 この直後、いい雰囲気になりかけた二人を強烈な”お約束”が襲い、藍華ちゃんはマジ泣きしてしまいますが……。アルくんの最後の台詞もかなりの名文句なのですが、かなりのネタバレになるので割愛します。

駄弁者:
 実際にもフォボスは重力の影響で、数千万年のうちに火星に激突するか、粉々になって火星の輪になるそうですが…重力を1Gにした影響で、さらにその時期が早まってしまったのでは。



「左手だって、なかなかにやるものだよ」

 出典: 天野こずえ「ARIA Navigation22 『舟謳』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 コミックブレイドに連載中、一時アニメも放映された作品です。とある事情で読み始めたところ、完全無欠にハマってしまいました。
 300年後の未来。火星はテラフォーミングにより水の惑星となり”AQUA”と呼ばれています。ネオ・ヴェネツィアは、かつて地球に存在したヴェネツィアをモデルにした水の街。ここでゴンドラを漕ぐ女性は”ウンディーネ”と呼ばれ、観光の目玉となっています。ウンディーネ見習いの灯里ちゃんを主人公に、ネオ・ヴェネツィアのなんてことない日常を描いたお話です。
 投稿の台詞は、灯里ちゃんが後輩のアリスちゃんに送ったひとこと。普段はクールで大人びた印象のアリスちゃんですが、時々子供っぽい一面を見せることがありまして。大活躍する右手に比べて「左手がふがいない」と、”左手おしおきキャンペーン”を実施します。面倒な仕事を左手に押しつけたり、つねったり叩いたり。
 見かねた灯里ちゃんのひとことで、アリスちゃんは左手のさりげない存在を見直すようになり……同時に、もうひとつ別のさりげない存在にも気づきます。激しくネタバレになるので、このあたりは本編をお読みいただきたく。作品全体のさりげなさを象徴したような、個人的に一押しのエピソードです。

駄弁者:
>「左手がふがいない」
 とはいえ右手の力だけで足りないときは、左手が応援に来るわけですし、右手でものを書いているときは、左手で紙を押さえているわけですし。
 人間でもこういう「左手」的役回りの人というのがいるのでは。



気の毒に、いちばん被害を受けたのは、ヴァンデンバーグ隊長ではないかと思う。月に来るまで、彼は筋金入りの絶対禁酒主義者で、気分転換には、ある胴のくびれた瓶を愛用していたのである。だが、今や節操を守るためには、彼に飲めるのはビールだけになった──しかもこれが大嫌いときていたのである。

 出典: アーサー・C・クラーク「月に賭ける」(山高昭訳)  『天の向こう側』に収録

紹介 :春休船 様
HP :

コメント:
 気付けば、またもや御無沙汰三昧してました。いや、一応はROMっちゃ居ましたが。(^^;A
 もっとも、ネタが無いのでは無く、ネタを吟味した上で上手く調理する腕が無かっただけでして…。(苦笑)
 今回は当作品中の月探検隊の活躍を記した中篇オムニバス「月に賭ける」内の「この空間を見よ」より。
 探検隊が月面で「花火」の打ち上げ実験を行った際。「C」から始まる某有名炭酸飲料の企業が仕掛けた細工によって月面にでかでかと描かれた「花火」が、その企業の黒い炭酸飲料の宣伝文字と化してしまったのである!探検隊のヴァンデンバーグ隊長もその飲料の愛用者だったが、こんな事件が起こってはもう、飲む訳にも行かず…。
 この「胴のくびれた瓶」って表現。私とかは判りますが、今時の若い人はもう、現物を見た事が無いかもしれない?!
 そういう意味で古いネタになったんだな〜と思いつつも、考えてみりゃあ「SF」って奴は何も未来だけが「SF」じゃ無く 現在から言えば既に過去の世界であっても、「SF」は「SF」なんだよな〜と思った次第です。(^^)
 当たり前っちゃ当たり前の事ですが、それに気付かせてくれたって意味では私にとって名文句だった訳で。(^^ゞ

駄弁者:
 実際の月到達よりずっと前に書かれた、理想とユーモアにあふれた佳品(米・英・ソが共同で月探検を行うとは…)。
>「胴のくびれた瓶」
 ガラス瓶はさすがに見かけないですが、ペットボトルで同じような形に作ったのはあるのでは。



あら司令 女性にそんな質問をするもんじゃありませんわよ

 出典: 聖 悠紀「超人ロック この宇宙に愛を」

紹介 :きょん 様
HP :

コメント:
 リーザからISC司令に。
 リーザというのはロックが良く使うマトリクスで、この場面ではその姿で高級クラブのステージで歌っています。
 以前はこれを見て「かっこいい!面白い!」としか思わなかったのですが、良く考えるとすごい場面ですよね。ロックは本当は男なのに女になりきって男の司令をからかっているわけですから。不老不死の超人だから驚くに当たらないとおっしゃる方もいるかもしれませんが、この作品今から39年前に描かれています。聖氏の描いた二作目の超人ロックで、当然先生はまだデビュー前で一介の大学生でした。
 現在なら珍しくない性別を超越したキャラクターも、当時は斬新でした。ちなみに商業誌でもロックは女性になりますが、こんなふうに男性をからかうような言動はしていません。これはこれでチャーミングだったので、ちょっと惜しいような気もしますが。

駄弁者:
 両方の性別の経験があるから、女がどういう言動をすれば男にとって効果的か、通常の女性より的確につかんでいるのでは。…怖いなあ。



創造が始まった。

 出典: ジェイムズ・ブリッシュ「時の凱歌」(浅倉久志訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 スタートレックのノベライズで知られるブリッシュの代表作「宇宙都市シリーズ」4部作の最終巻の最後の一文。不老不死を約束する「抗老化剤」と反重力発生装置「スピンディジー」を開発した地球人は都市が独立した国家となって宇宙へ飛び出します。
以下ねたばれ
 反物質宇宙との衝突が避けられない状況で、いわゆる「ビッグクランチ」から「ビッグバン」のギャップを乗り切れば、文字通り新しい宇宙を生み出すことができる、との観測がなされます。しかも、乗り切った個人個人の影響による宇宙の再生(多元宇宙のようです)。作中長い間ともに行動してきた仲間との別れと孤独(宇宙は4004年に終わる)、自分が新しい宇宙を生み出すと言う恐怖と高揚感(再び滅亡へと向かうのか)、いろいろな事を感じさせるフィナーレです。

駄弁者:
 本来ならもう少し先の掲載順になるのですが、下のと並べて載せてみたくなったので。
 話の細かい部分はもうだいぶ忘れているのですが、ご投稿のセリフが出てくる最終章「時の凱歌」で、これに至るまでの静かな雰囲気がとても印象に残っています。



 われわれにはひとつの義務があると思う―われわれを生みだした種族に対して、また、われわれがいまから生みだせるかもしれない子供たちに対して。つまり、最後まであきらめずに努力を続ける義務だ。
 諸君の大部分にとっては、生きつづけること、正気をたもちつづけること、それだけでいい。それでさえ、人間がこれまでに企てた中で最も困難な仕事だということは、わたしにもよくわかる。これからの航行に関係した専門分野に属する乗組員と科学者は、それに加えて、船内作業をつづけ、将来の事態に準備をしなければならない。なまやさしい仕事ではない。
 だから心の平安をたもってくれ。内部の平安を。どのみち、それが実在する唯一の平安だ。外部の戦いはまだまだ続く。降伏のことはいっさい考えずに、その戦いをつづけよう。

 出典: ポール・アンダースン「タウ・ゼロ」(浅倉久志訳)

紹介 :AKS 様
HP :

コメント:
 亜光速での飛行中、事故で加速を止められなくなったラムジェット宇宙船、レオノーラ・クリスティーネ号。速度は限りなく光速に近づき、それに伴うウラシマ効果は船内の時間の流れを限りなく遅くしていく。極限状況に置かれた乗員達はそれでも状況を打開すべく努力を重ねるが、その間にも外部宇宙の時間は想像を絶する速さで流れていく。数万年、数億年、そして……
 久々の投稿です。いや、ハードSFって凄ぇわ……実はこの手のハードSFは滅多に読まない(と言うか誰もが認めるハードSFはこれが初めて、かも)んですが、この「タウ・ゼロ」には度肝を抜かれましたわ。「亜光速で飛ぶ宇宙船が止まらなくなった」たったこれだけのアイデアが、「壮大」と言う言葉すら意味を失うような物語を生み出すとは……
 今回上げた台詞は、船内に絶望が満ちていく中、時には煽り時には宥め、船を生き残らせるべくひたすら乗員達を導いてきた主人公が、船が直面した「全宇宙の滅亡」と言う(ここ、ネタバレでしたら透明化お願いします。)究極の絶望を前に、それでも進むべく乗員達に語りかけるシーンからの一説です。まぁ、この男、諦めを知らないというかなんと言うか。そして、レオノーラ・クリスティーネが最後の希望をかけた大博打。まさに圧巻でした。

駄弁者:
 私もこの作品は好きですね(読んでからもうだいぶたちますが…)。ポール・アンダースンは他にもいくつか読んでいますが、これが一番ハマったんじゃないかと思います。
 彼らが陥った難題をどう解決するのか、と思っていたら、小手先の「解決」を超越した展開に、ただただ驚かされたものです。



「ふうん」リョウはうなずいた。「……って全然、勘じゃねえじゃん!」
「勘だよ。あえて理屈をつければ、そういうことになるというだけだ」

 出典: 藤崎慎吾「鯨の王」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 シージャック犯リョウにクジラを探すあてを聞かれ、鯨類学者の須藤は最初「まあ、勘だな」と答えてました。いくらかのやりとりの後、その根拠を説明したところ、投稿の会話となりました。
 長嶋茂雄によると「みなさんが勘というプレイも、プロとしては単なる技術のひとつにすぎないんですよ」だそうです。プロの使う「勘」と素人の使う「あてずっぽう」は違うんですね。

駄弁者:
 このごろ海洋ネタのSFって増えてきているような気がします。
>あえて理屈をつければ、そういうことになるというだけだ
 理屈を積み重ねて結論にたどり着くのではなく、それらを飲み込んで直感的に判断を下し、理屈は後から着いてくるという…。
 日本沈没で田所教授が言っていた「カン」も、こういうことだったんですね。



「古今東西、その思想信条を問わず、軍ってのはよく喰うもんなんだよ……紅軍の長征も、ドイツ軍のスターリングラード攻略も基本的には飢餓との戦いだった。春秋戦国の時代から、軍隊ってのは戦う為に喰い、喰う為に戦ってきた」

 出典: 押井守「TOKYO WAR」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 監督自身による映画パトレイバー2のノヴェライズから。軍隊が燃料、宿泊施設、仮設トイレ、食事、残業代、と如何に消費するかについての薀蓄に続いての台詞。60年ほど前に、これを理解していなかったもんでボロ負けした軍隊がいましたなぁ。  私の親父は、貧しい途上国の軍隊を見るたびに、「あいつら食わしとくだけで大変やろうに、制服も揃えたらなあかんし」とぼやいてます。

駄弁者:
>これを理解していなかったもんで…
 維持費を軽視するという点は、軍隊でなくても60年前でなくても犯しがちな間違いです。まったく、施設を作ったならそのランニングコストを(以下グチになるので略)。



「だれだろう、あの人…」
「…『マシンマン』じゃないかしら!?」
「ええっ?マシンマン?」
「だって、すっごいマシンに乗ってきたでしょう!だから、『マシンマン』!」

 出典: 東映制作「星雲仮面マシンマン」

紹介 :取手呉兵衛 様
HP :

コメント:
 ヒーローとか、スーパーロボットとかの名前が劇中で決まる…。結構燃える展開だと思いますが、筆者の知る限り一番「なんだかな〜」な命名シーンであります。
 それにしても、マシンマンに助けられたカメラマン・真紀さんのセンスはある意味ただ者ではないですね。(爆笑)
 なお、「星雲仮面」という肩書きはこのときの台詞にない割りに、後の登場シーンで「星雲仮面マシンマン!」と名乗っていることから、そこは主人公・高瀬健の自作と思われます。これまたアレなセンスなような?
(ちなみに、出典シーンの少し前にナレーションで「高瀬健は、ドルフィンの中でマシンマンになるのだ!」と、既に「マシンマン」という名前が使われているのは忘れる方向でお願いいたします。あはは。)

駄弁者:
 「星雲仮面」も「マシンマン」も、どっちもネーミングもアレなので、釣り合いがとれて結果オーライというところなのでは。



「カタルシスウェーブ!」
カタルシスウェーブは、人間の悪い心を善に変える作用があるのだ!

 出典: 東映制作「星雲仮面マシンマン」

紹介 :取手呉兵衛 様
HP :

コメント:
 祝・DVD発売開始!というわけで、強くて優しいスーパーヒーロー「星雲仮面マシンマン」からの名文句です。
 「世界中の軍隊を敵に回しても負けない超科学力と資金を備えた悪の組織・テンタクル!首領のプロフェッサーK(天本英世)は、子どもアレルギーという体質のため、その戦力を世界中の子どもたちをいじめるために傾けたのだ!
 宇宙から卒業論文を書くために地球にやってきた大学生・ニックはマシンマンに変身して、テンタクルの悪巧みを打ち砕くのだ!」 という、「東映不思議シリーズ」の、呑気なテイストも感じられる石森章太郎原作作品であります。
 マシンマンならではの能力が、出典の「カタルシスウェーブ」。ナレーション通りの力を持つ光線で、改心した悪人が「これから警察に自首します!」などと悔い改めるシーンが見せ場だったりしました。
 まぁ、体のいい洗脳と言えるかもしれませんが、堅いことは言いっこなし。
 子どもたちの守護神・模範たるヒーローは、例え悪者でも傷つけてはならない、ということなのでしょう。
 しかしよくよく考えてみれば、全ヒーローの中でも最強の能力かもしれませんねぇ。

駄弁者:
 自分のやっていることは善だ!と信じている犯罪者にはどういう効果があるんだろうか、とは多分私でなくても思うところではあるんでしょうが。



彼は理想主義者だった。これは、自分を、他人を犠牲にして私欲をはかっているのではなく、善行をなしているという人々を指す言葉だ。
ちなみにここで報告しておくが、こうした考え方は、この時代のわれわれの市民−シカスタの言葉を借りると−の非常に多くの人々についても言えた。彼らは私利私欲に対する信仰を大っぴらに表している人々より自分たちの方がましだ、自分たち、自分たちのみがこの星の実際的な問題の正当な扱い方を知っているのだからましだと信じて、間違った破壊的な道へ曲がってしまう。

 出典: ドリス・レッシング「シカスタ (アルゴ座のカノープス第1部)」(大社淑子訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 ノーベル賞受賞記念投稿です。ちなみに「クリエイティブ・コモンズ」の人ではありません。
 宇宙の片隅にある生命力に満ちあふれた惑星。そこは「多産」を意味する「ロウハンダ」と名付けられ、カノープス勢力とシリウス勢力がそれぞれ観察用のコロニーを設置していました。あるときから、その惑星は荒廃し、そこの生物はお互いを傷つけるようになりました。いつの日からか「傷ついたもの」を意味する「シカスタ」と呼ばれるようになった惑星に、カノープスから観察者が送り込まれます。作品としては「観察者の鏡(パングポーン)」が近いでしょう。ただし、こちらの話はひたすら沈んでゆきます。
 上の文は「シカスタ」=「地球」に降り立った観察者の、地球人のサンプルを評価した意見です。
 いや、非常に痛い意見。「悪魔の事典」真っ青です。理想主義者と狂信者の違いとはなにか?異なった意見を受け容れられることでしょうか?しかし、それは妥協に過ぎないとも言えるのです。(第1部と書きましたが第2〜5部は未訳のままです)。

駄弁者:
 サンリオ文庫から刊行だったんですね…。ノーベル賞受賞を機会に、創元あたりが復刊しないでしょうか(たぶん無理そう)。さらに「銀河ヒッチハイクガイド」みたいに未訳の続編まで新たに出るとか(もっと無理そう)。
 理想主義でも私利私欲でも間違った道に曲がってしまう、中庸をとっても、それが正しい道なわけではなく妥協にすぎない…。一体どうすればいいんでしょうね?
 追記:創元ではなく水声社というところからですが、復刊されたようです。さすがノーベル賞効果。



ノンマルト……
僕の故郷のM78星雲では、地球人のことをノンマルトと呼んでいる。
ノンマルトは人間のことである。 それはどういう意味だろうか。
人間でないノンマルトがいると言うのか?

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン 第42話『ノンマルトの使者』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ウルトラセブン、いやウルトラシリーズを語る上で絶対に外すことは出来ないエピソードである「ノンマルトの使者」
 初めて鑑賞した時に「こういう話もアリなんだな〜」と素直に感心したのは憶えています。
 そういや少し前に「ウルトラセブンGP」なるものが開かれ、メトロン星人が一番有名という事で大賞を受賞していましたが、票を操作しているんじゃないかと邪推してしまいましたよ。 毀誉褒貶が激しいとはいえ、このお話が一番有名だと思うのですが、今のご時世「人類は地球の侵略者」というエピソードをトップに持ってくる訳にもいかないですからねぇ……

駄弁者:
 「怪獣や宇宙人に襲われた弱い地球人を守る」というウルトラマンの前提が覆されてしまう好エピソードだったと思います。
>「ウルトラセブンGP」
 メトロン星人が一番有名というのには確かに納得いきませんが、かと言ってノンマルトが有名とも…。ウルトラセブンの登場怪獣で連想するのは、私の場合エレキングあたりですかね(こっちもGPで賞とっているみたいですが)。



このままジャンク屋のオヤジになるのも悪くはない…… そう思ったさ。
だが、違うんだな。
こうやってジャンク屋の仕事をしててもなんかこう、
ここが自分の居場所だって気がしねぇ。
俺の胸の奥で何かが…… やっぱり俺はパイロットなんだ

 出典: 今西隆志監督「機動戦士ガンダム0083」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ソロモン攻防戦の際に片腕を失い、月の都市フォンブラウンの最下層でジャンク屋を営んでいた元ジオン兵のケリィ・レズナー。
 パイロットとしての誇りを忘れられず酒浸りの日々を過ごしていた彼は連邦の脱走兵であったウラキと出会い、何だかんだで世話を焼いているうちに再び戦士としての気概を取り戻していきました。
 最後は自ら手がけたMAヴァル・ヴァロでウラキの搭乗するガンダムGP1「ゼフィランサス」に挑み、戦死。
 主人公を成長させるキャラとして「ファースト」に於けるランバ・ラル的なポジションであったケリィでしたが存在感はありましたね。

駄弁者:
 パイロットの性…と最初思いましたが、それよりもキャリアを不本意に中断された悔しさが一番の動機なんだろうな、と。これが負傷でなく普通に退役してジャンク屋になったんだとしたら、そのままジャンク屋を第二の居場所にできたんじゃないでしょうか。



そして世界が残酷なのは当たり前のことです。
紹介 :CHUN 様 → 第48集


ボーナスはたっぷり 会社も喜んでいる
おれもうれしい

 出典: ピーター・ハイアムズ監督「アウトランド」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 ガンガン仕事させる為に支配人自ら麻薬をバラ撒いていた話なんですが、残業時給より高い滋養強壮剤(どんなんや)を服用していた事を思い出し、とってもいやーな気分になってしまいました。
 でも会社としては、バリバリ仕事が上がるので「喜ぶ」べき事なんでしょうね。
 映画自体は、2001年(含2010)に西部劇を足して10で割ったような雰囲気です(監督の特性?)。「ショーンコネリーでなかったら見て無いなぁ」という、まるで「薔薇の名前」みたいな映画でした。

駄弁者:
 木星の衛星・イオが舞台…というのは、あまり話の筋に関係がなさそうで。
>残業時給より高い滋養強壮剤
 それが会社の支給だったら、それはそれでいやーな気分になること間違いなしです。



同じ科学圏では単体戦力と実戦々果と全く関係ない

 出典: 士郎正宗「ブラックマジックMー66」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 暗殺用に作られたロボットが暴走しました。
 暗殺用ですから極めて高性能です。何人も犠牲になっています。
 でも大尉さんは手傷を負いながらもロボットを破壊します。その時のセリフです。
 この「同じ科学圏」ってのがミソです。「剣と魔法の世界」だろうが「フォースが共にある世界」だろうが、同じ土俵で勝負するんなら敵を研究し戦術を立てれば必ず勝てる、というコトです。
 つまり、いきなり友軍機がトランスフォームして向かってきたら、負けても仕方がない、というコトでよろしいでしょうか?だって「同じ科学圏」じゃないもの。

駄弁者:
 だからまあ、単体戦力を知る/隠すための情報戦が勝敗のカギを握るわけですが。その情報さえあれば「同じ科学圏」でなくても勝ち目が出てきさえすると思います。相手がトランスフォームすると分かっていれば、少なくとも不意打ちは受けないはず。
 あー、でも「フォースが共にある世界」のエピソード6では、情報戦に完敗していたのにごり押しでなんとかなってたなあ…。



賢い大男が全くの科学的好奇心から蟻塚の中にかぶと虫を追い込み、蟻の心理のあらゆる微妙な動き、彼らの社会組織のあらゆる細部をえらく熱心に記録にとっている。
…(中略)…
蟻ども、おたおたするな!なにもかもうまくいく…だがこれが<蟻塚のかぶと虫>で無かったら?もしこれが<鶏小屋の鼬>だったら?

 出典: アルカジイ&ボリス・ストルガツキー「蟻塚の中のかぶと虫」(深見弾訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 「蟻塚の中のかぶと虫」からもう一言。「遍歴者」と呼ばれる異星人によって産み出された「捨て子」監視組織員の悲鳴。
 未知なる物との接触を良し、としがちなSFが多いなかでこの作品は異議を唱えます。接触が何をもたらすのか、もしそれが良くない物だとして、後戻りできるのか。
 ストルガツキー兄弟はレムと同様に「絶対的な他者」との接触をテーマとすることが多いようで、接触する事の是非を問いかけます。このような状況では通常の考え方は適用出来ないでしょう。「自棄をおこすことが唯一の論理的な行動(宇宙大作戦・ガリレオ号の7人)」かも知れません。

駄弁者:
 <かぶと虫>か<鼬>かさえ、判断できない存在ということさえありえるから怖い。
>自棄をおこすことが唯一の論理的な行動
 あの話の場合は、徹頭徹尾自分たちのピンチを逃れることが問題で、自棄を起こされた相手のことは考えてませんから…その点では気楽なもんです(好きなエピソードなんですけどね、「ガリレオ号の7人」。TV邦題以外は)



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