「ぼくは、はっきりわかった。地球人の敵は、宇宙人なんかじゃない。――地球人の敵は地球人そのものだ、とね」
出典:
小松左京「見知らぬ明日」
紹介 :可児歳蔵 様
HP :
コメント:
この作品を読んで私が1番印象に残った言葉です。
中国の奥地に宇宙人が下りてきて人民解放軍やソ連軍と激戦を繰り広げているのですが、このセリフがあった時点ではまだその事は公表されていません。主人公の日本人ジャーナリストは出張でモスクワに行く途中、乗っていた飛行機が故障して、まさしくその戦闘地域をその足で踏むことになります。
その後乗っていた客達はソ連軍に拘留され、客の一人に化けていた米国人スパイから話を聞いた主人公がソ連軍人相手に通訳付きの大演説をぶつのですが、それが完璧に無視されます。その時のセリフ。
紹介 :みんめい書房 様
HP :
コメント:
お久しぶりです。
偶然地球侵略を開始した宇宙人についての情報を手に入れてしまったため、ソ連軍に監禁されそうになった日本人新聞記者の台詞です。しかしこの作品って、意図しているかは知りませんが「地球の危機を前にしても目先の利益にとらわれていがみ合う列強諸国」といい、「宇宙人の正体はおろか侵略の動機すらまったくわからない」「超兵器は全く登場しない、敵に効くのは核だけ」「国際社会での発言力が全くない日本政府」「最終決戦場が富士の裾野」と言うシチュエーションといい、映画「地球防衛軍」への痛烈な皮肉になっているんですよねぇ(ミステリアンなんて動機はおろか侵略計画まで喋りまくってたもんな)…
駄弁者:
あいついでお二人からのご投稿。映像化かなんかあるのか…と思ったのですが、単なる偶然のようですね。
宇宙人と遭遇したら地球人同士の争いなどはすぐに収まって結束できる、とはやっぱり楽観的にすぎる見方ですよね…。