第90集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第92集を見る
「ふふ新作水着買っちゃった(ハート)」
出典:
ナントカ「新釈ファンタジー絵巻」 まんがタイムジャンボ16年9月号に収録
紹介 :WC-Co 様
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駄弁者:
「憎まれはした
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TAGRO「宇宙賃貸サルガッ荘」
紹介 :佐々木先輩 様
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駄弁者:
…電導ヅタだ
出典:
萩尾望都「11人いる!」
紹介 :汗(はん) 様
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駄弁者:
平均寿命が四十年にも満たぬ辺境の短命種たち
出典:
萩尾望都「銀の三角」
紹介 :汗(はん) 様
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駄弁者:
CMネタはすぐ風化するぞ
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ゆうきまさみ「究極超人あ〜る」
紹介 :水谷秋夫 様
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駄弁者:
「レイター、アリゲイター」「ホワイル、クロコダイル」
ばかやろう!お前らのかわりはいくらでもいるが、作業用ロボットは1台しかないんだぞ!
出典:
小松左京「終りなき負債」 短編集「物体O」に収録
紹介 :可児歳蔵 様
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駄弁者:
まぁ、きれいな切手だこと──……(中略)……しかし、イスラエルなどという場所は現存しない。それは聖書に出てくる地名だが、実際にはそのような国は存在しないのだ。
出典:
クリフォード・D・シマック「河を渡って木立をぬけて」(深町真理子訳) SFマガジン1969年11月号に収録 ウォルハイム・カー編「忘却の惑星」にも収録
紹介 :錯乱坊 様
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駄弁者:
ラル 「感じてる…」
出典:
「スタートレックTNG『アンドロイドのめざめ』」
紹介 :Mr.Spock 様
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駄弁者:
「や……約束してくれ、スタリオン、フロスト……
出典:
星野之宣「ムーン・ロスト」
紹介 :Mr.Spock 様
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駄弁者:
今度は太平洋に、長さ十五キロ、直径四キロメートルの巨大なペニスがあらわれ、潮を吹きながら、ポラリス潜水艦をおいかけ、のみこんだ。アメリカ第七艦隊は、時速百二十ノットで泳ぐ、この怪物においつかれ、原子力空母も、巡洋艦も、ことごとくのみこまれてしまった。
出典:
小松左京「地球になった男」
紹介 :Mr.Spock 様
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駄弁者:
「跳ぶぞ……最後の如来光だ……」
出典:
石川賢「虚無戦記」
紹介 :飯田天周 様
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駄弁者:
我々にはチームプレイなどという都合のいい言い訳は存在せん。
出典:
士郎正宗原作/協力・神山健治監督「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第5話『マネキドリは謡う-DECOY-』」
紹介 :J.J 様
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駄弁者:
「あ、びっくりした。これで繋がったんですね。忘れかけてましたよ、端末通信の仕方」
出典:
菅浩江「永遠の森 博物館惑星」
紹介 :天雲伍雨 様
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駄弁者:
「銃で遊ぶなっつったろ?ツキがおちるじゃねぇか。」
出典:
原田眞人監督・脚本「ガンヘッド」
紹介 :八代冬威 様
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駄弁者:
「私はまだ動けます。センサーによるとこの近くに燃料があります。」
出典:
原田眞人監督・脚本「ガンヘッド」
紹介 :八代冬威 様
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駄弁者:
「ジュディット……本当のところ私は死ぬのはそんなに怖くないんだ……
出典:
星野之宣「ムーン・ロスト」
紹介 :Mr.Spock 様
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駄弁者:
「あたしほんとは少しうれしかったの」
出典:
鶴田謙二「少年科學倶楽部 リンドヴァーバーグ博士とエーテル飛行船」
紹介 :nayuta 様
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駄弁者:
「星の光に手が届きそう」
出典:
星野之宣「2001夜物語 第9夜・天の光はすべて星」
紹介 :nayuta 様
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駄弁者:
「竜だ」
出典:
小川一水「第六大陸 2」
紹介 :nayuta 様
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駄弁者:
「…素敵なエンジンだわ」
出典:
笹本祐一「彗星狩り」(上)
紹介 :nayuta 様
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駄弁者:
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「あなた今度の休みに海に連れてって」
「いーねェ」
HP :
竹取の翁が光る竹を切ってみると、その中からそれはそれは可愛い女の子が出てきました。女の子は「かぐや」と名付けられ、すくすくと成長していきました。しかし女の子は地上の民ではなく、月の住人だったのです。それが証拠に、かぐやはウサ耳で、生みの親はたまにUFOで地球に遊びに来ます。
どうもご無沙汰しております。本当なら、雑誌連載ではなく単行本から引用すべきなのでしょうが、待てど暮らせど単行本化されないようなので待たずに投稿する事にしました。ナントカ先生の4コマって面白いのになぁ。
投稿した内容は、とってもスパルタンなかぐやの実のお母様と、その旦那様の会話です。これ以上続きを書くとネタバレになってしまうので続きは本屋さんで300円払ってください。今月号は、結構SFネタで攻めています。
海って、静かの海とかあのへんですか。水着では非常に肌に悪そうですが。
だが今では俺を敵ではないと言う
それならそんな事実は必要ない」
HP :
種族としての敵対関係すら無意味。
外界からその存在すら明確には認知されていない隔絶空間体「サルガッソー」
一応の和解をはたした登場人物二人の間に一石を投じる事実が判明したとき、ロロという人物が発した言葉。
かつてロロの片手を勢いで誤射した「テル」の言い分である、「無抵抗の商船をロロの種族が襲撃した」という情報が誤りであったという隠しログが見つかったとき、検索者のアヴェにロロはただこう言った。
…上手く説明できないんで気になる方は原作見てみて下さい(汗
必要かどころか事実かどうかさえ定かではないことにこだわって、世代を超えて対立することを思えば、なんと潔いこと。
…まえにあった投稿からしてギャグかラブコメ一辺倒と思ってたんですが、ちょっとシリアス入ってます?
野性化してしまっている
HP :
宇宙大学の最終試験に10人一組で取り組むべく、廃棄された宇宙船に乗り込んだ受験生たちが、なぜか一人多いメンバーに疑心暗鬼になりながら、53日間のサバイバルに挑む。
引用した文句は、宇宙船の荒廃ぶりを表す台詞。「電導ヅタ」なるものがハイテクに使われていて、しかもそれが「野性化」するという、二段構えの衝撃を受けました。こんなところにSFを感じ、萩尾望都のすごさを知りました。
電導ヅタ = 配線が切れても自動的に(というか自生的に)復旧するかわり、日常のメンテが厄介…という感じでしょうか。
彼らにとって死は予感ではなく現実の一部だ……
HP :
銀河連邦中央の保安機構のマーリーは、友人から送られたカセットに入った音楽に、連邦の存在をおびやかす不安定要因を感じ取り、その歌手エロキュスの抹殺を企てる。そこから話は三万年前に滅びた星「銀の三角」の伝説にからんで壮大な時空的スケールの広がりを見せる。
投稿の文句は、死の間際にエロキュスから聞いた、ラグトーリンという謎の人物を探して辺境の星「赤砂地(セキサジ)」にやってきたマーリーのナレーションから。必ずしもストーリーには関係のないこんな一言に、センス・オブ・ワンダーを感じます。
このころの萩尾望都は、クローンをよく使ってましたね。「A-A’」も好きです。
平均寿命が80年の私たちにとっても、死は常に現実の一部なんですが。それを感じずに日々を過ごせるのは、あながち悪いことばかりでもないような。
しかし、平均寿命が短いと死について常に予感以上のものを感じたりするんでしょうか? 「人間五十年」の時代から、私たちはその点けっこう呑気にやってきてるんじゃないかとも思います。
HP :
小ネタですが、人生の真実のひとつと思います。
「ごはんだけでもおいしいわ」って、今でも懐かしいですが。
私がそのネタを知らないあたりが、この名文句の真実性を物語ってます。
別にこの作品でなくてもあちこちで語られていそうな「真実」ですが、鳥坂センパイの発言だと重みが違うんでしょうか。
紹介 :エム 様 → 第45集へ
HP :
お久しぶりです、史書の駄弁者様。
そして久しぶりに小松左京です。
これはもぐり人夫と作業用ロボットが一緒に海に落ちた時の監督官の言葉です。もぐり人夫の方は「失権者」、つまり行政株式会社の株が無くなって市民権を剥奪された人間で、ありていに言うなら奴隷と言ったところ。主人公も祖父の負債のせいでここで働かされています。
ごぶさたしております。この頃あまり史書の方は読んでませんが。
この作品、小松左京自身が親の負債を返済していた頃の実感にもとづいていたという話も。
HP :
パレスチナ問題を考えるときこの素朴なシオニズムを表現した小説が常に頭にあります、アメリカの戦略と軍事力でシオニズムは化け物にされてしまった。
SFを若い頃から読みつずけて思考が柔軟になりどんな理論も検討する姿勢が出来た。
とある農家の夫婦フォーブズのもとに、幼い兄妹が訪れた。彼らはフォーブズの孫だというのだが、まったく見覚えのない顔である。子どもたちの持っていた荷物の中に、フォーブズ夫人は一枚の封筒を見つけるのだが──。
私は、この作品やこの一節がとくにシオニズムを意識したものとは読めなかったのですが? イスラエルの切手は、単に子どもたちがどこから来たのかを暗示する小道具のひとつなのでは。
データ「…何を感じる?」
ラル 「…パパを愛してる…・」
データ「……パパにも解ればいいのに」
ラル 「…パパの分も感じてるわ…命をくれてありがとう…・」
HP :
アンドロイドのデータは自身の回路をコピーすることで自分の娘(当然アンドロイド)のラルを作る。父親譲りの能力と好奇心でどんどん成長していくラル。こりずにデータ型アンドロイドの量産をたくらむ艦隊司令部。そんな中ラルはデータを超え感情を持つまでになる…・しかしデータ親子に別れの時が…・
上記のセリフは2人の別れのシーンですが、セリフ以上に感情が無いはずのデータの表情が実に良いですね。TNGでも屈指の名シーンです。では長寿と繁栄を。
後にデータはエモーション・チップを取り付けることで、ハードウェア的に感情を持つことに成功するのですが、ラルはソフトウェア上でそれを達成してしまってるんですね(エミュレーションみたいなものか?)。
同胞のために新しい“月”を運ぶと!我々の信仰の象徴を……!!
どの神にでもいいから誓って約束しろっ!!」
HP :
同じく「ムーン・ロスト」から。計画の重要な機材を守るため乗船の宇宙船キリクスごと犠牲になったイラク人船長リアロのセリフです。イスラム教で神の象徴である月を再び取り戻すための殉教的行為だったのですが、イラク人が正義の味方でアメリカが悪の帝国というのも今の時勢では非常に意味深ですね。では長寿と繁栄を。
このセリフは私も名文句に入れたいと思いました。
読み始めのとき、私はこのリアロが計画を妨害する役目かと思ってました。災厄で学校の教え子たちを亡くしてしまってますし。
たしかにこの話ではアメリカのエゴが槍玉に挙げられていますが、かといってイスラムが正義でアメリカが悪、というのとはちょっと違うんじゃないでしょうか。
そういえばこの作品には、日本や日本人は全然出てこないのですが…。そりゃそうか、真っ先に沈没してるわ。
HP :
いままでいろんな本を読みましたがこんな無茶苦茶な話は他に読んだことがありません(笑)。日本や世界を何度も滅ぼした小松さんですが、この話ほど訳のわからん滅び方も滅びた理由も古今東西まず無いでしょうね。ちなみにこの話でも日本は沈没するのですがこんな沈み方はイヤヤ〜!
問題は採用されるかどうかだな…・(^_^.)。では長寿と繁栄を。
…ペニスが潮を吹きながらって、いったいどこから吹いてたんですか、どこから?(笑)
HP :
八十億の兵を率いて挑んだラ=グースへの決戦に破れ、自らも瀕死の状態に陥った羅王。しかし、八十億の同朋を犠牲にしてラ=グースの真理を見極めた羅王は「宇宙で唯一、己の意志を受け継ぐことのできる者」のもとへ、最後の如来光(まぁ、ワープのことです)を試みます。
久しぶりに石川賢ネタです。「ゲッターアーク」も「真説魔獣戦線」も連載が終わって、寂しいかぎりです。
出典は他のさまざまな石川賢作品ともリンクした集大成的作品、だそうです。
80億の命と引き替えにしても見極めたい「真理」って、いったい…。
あるとすればスタンドプレイから生じるチームワークだけだ。
HP :
連続アニメ版の攻殻機動隊から。
謎の特A級ハッカー“笑い男”による警視総監暗殺予告に対して。その正体を探るべく独自行動の許可を求める草薙少佐に対して荒巻課長が言った台詞。功を焦って猪突するのでもなく、馴れ合って互いの足を引っ張るのでもなく。それぞれが一つの目的に対して行動し最大の成果をあげる理想のチーム論。(よほど個々の能力と意識が高くなければできない話ですが)
わざわざチームを意識しなくても、それぞれが最善と考えられる手段をとれば自然と統一がとれる、と。すごいな。
でも、そこまでいったら機動「隊」である必要ないのでは…?
「僕は着信音が判らなかった」
「お互い不便ですね」
HP :
第8話「きらきら星」に出てくる、孝弘とロブ・ロンサールの会話。
脳外科手術によりデータベースに直結された、直接接続者たちがシステムダウンにより接続不可能になった時の不便さを表してる会話である。
今だったらさしずめ、全ての携帯が不通になって公衆電話を探し回った挙句、10円玉もテレホンカードもなく、泣く泣く100円を投入して電話をかけたら、留守電になって100円飲まれてしまった程の不便さなのだろう。
しかし、冗長性を確保していないシステムであれほどの広大な博物館を管理しているのかと思うと、他人ごとながらゾッとします。サブシステムは性能悪すぎるし。
頭の中で考えたイメージだけで検索できるというのは、夢のシステムなんですけどね〜。
冗長性の方は、きっと予算カットで整えられなかったんでしょう。あるいは、直接接続者の人体にかかる影響を考慮して、わざと軽度の障害でも全面シャットダウンされるようになっているとか。
HP :
ガンヘッド冒頭の、バンチョーとブルックリンの会話より。バンチョーは、ブルックリンたちトレジャーハンターのリーダーで、もういい年したジイさんなんですけど、とてもかっこいいキャラクターです。でもすぐ死んじゃうんですけどね。さみしいです。
ちなみに演じていたのはミッキー・カーチス。この人のオフィシャルサイトに「趣味:宇宙考古学、ピラミッド研究」とあるのが怪しすぎる。
「燃料って?ウィスキーの樽かよ?ロボットとウィスキーねぇ………じゃあな。」
「私の動力炉はあらゆるエチルアルコールを分解できます。ウィスキーでも。」
「とにかく行くんだよ。行くんだ!」
「1955年と88年のドジャースを覚えていますか?誰もが負けると思っていた。」
「何の話だよ。」
「BASEBALL。貴方のシャツの言葉。チームメイトを置き去りですか?ブルックリン。確かに9回裏ツーアウトで、確率からいけば勝ち目はない。でも、そんなものクソくらえでしょう?」
HP :
名文句集を読んでいたら、ガンヘッドが出てきたので私も投稿しようと思いました。私もガンヘッド大好きです。十四、五年前に録ったビデオをいまだに見続けているのですが、さすがにそろそろ限界だと思うので、早くDVD化してほしいです。
上記の台詞は、燃料切れで動けなくなったガンヘッドと、一人で行こうとするブルックリンの会話です。この作品の最大の魅力は、ブルックリンと、やたらと人間くさいガンヘッドの会話にあると思います。
21世紀になってできた兵器が、1955年のメジャーリーグを「覚えていますか」はないだろう…。
もっとも「メークミラクル」なんて言われた日には、絶対負けてまえと思ってしまいそうですが。
……(中略)……
我々の宇宙の外側にはより高次の宇宙が存在することも確実になった――
私はねジュディット……死ねばその宇宙へ――高次宇宙の住人と会えるような気がするんだ。
私は精一杯やりとげた“宿題”をその人に提出するんだ、生徒が教師に向かうようにね。
……すると私には新しい宿題が与えられる。
真っ白な宿題をかかえて私はまた別の宇宙へ生まれるんだ。
つまりそういうことだと思うんだよ、ジュディット……」
HP :
小惑星との衝突で月を失い地球は地軸や環境の大変動で壊滅状態になる。そこでEU宇宙局はロシアやアラブ産油国の支援を得て木星の衛星エウロパを月の代わりとして移動することを計画する…そして地軸の移動で極北の地となったアメリカは再度の地軸移動が起こるまでの時間稼ぎに計画の阻止を策謀する。
上のセリフはエウロパ計画の中心的メンバーのフロスト博士がアメリカの妨害工作からエウロパを自らを犠牲にして守ろうとしたときの言葉ですが、博士を見て「チキチキマシンのドクターHだ!」とわけのわからんツッコミをしたのは私だけでしょうか?では長寿と繁栄を。
「小惑星との衝突で月を失い〜」とだけ聞くとちょっと乱暴するぎるような気がしていましたが、マイクロ・ブラックホールや膜宇宙論を絡めてなかなか読ませるアイディアになってました。
フロスト博士のこのシーン、物語の実質的なクライマックスになってしまっていると思います。
>“宿題”をその人に提出するんだ
宿題を忘れたりサボったりした人はできるまで元の宇宙に居残りさせられて、だんだんと私たちの宇宙は落ちこぼれていくとか…。
「だれも相手にしてくれなかったあの理論を、あなたやパパたちが信じてくれたから…」
HP :
あの「エマノン」のイラストレータ、鶴田謙二は実は漫画家です、と言いたくなるほど寡作な作者ですが、「空想科學」漫画と呼びたくなるような、どこかノスタルジックなSFは珠玉の価値があります。機械がシステマティックな文明として人間に猛威をふるい出す前の、科學と人間の間にあった幸福な時期のSFです。
50年代ごろの英国の片田舎、結成50周年を迎えた少年科學倶楽部の面々は火星を目指します。エーテル飛行船。宇宙空間に満ちて光を伝えると言われる物質の性質を利用して、太陽風を受けて帆船のように宇宙を跳ぶ飛行船です。その建造を前にして素人物理学者である少年科學倶楽部のおじいさんたちは立ち往生をしてしまいました。
彼らは革新的なエーテル理論の研究者、革新的であるが故に受け入れられず、学会を追われた天才物理学者に協力を求めます。
このセリフはエーテル理論を打ち立てたリンドヴァーバーグ博士のもの。それが誰なのかは、ここでは言わないことにします。
粗末な設備と貧しい予算、でも物理学と情熱は本物。国家が開発に乗り出す前は、ゴダードもフォン・ブラウンもそんな環境でロケットの基礎開発を進めたと聞きます。彼らはそのような環境で本気で宇宙ロケットが作れると信じていました。現実には「アポロ計画」のような、あれだけのものが必要だったわけですが。
この作品世界の物理学の神様は、そんな野暮なことはいいません。宇宙空間の減圧や低温にとても耐えられそうにないような木製のキャビンと帆布製のバルーンを備えた飛行船は、堂々宇宙空間を押し渡り無事火星に到着します。幸せな夢の世界です。
少年クラブ、とまでは無理にしても宇宙旅行が国家から民間の手に移っていくことはできるかも知れません。今年(2004年)の6月には民間の宇宙往還機が高度100kmまで到達していることですし。
まあ、エーテルの風に乗って飛行船で、というのどかさは当分無理そうですけどね…。
HP :
人間の進歩とともに、宇宙に乗り出す姿を描くSFには、必ず「光の壁」を越える時があります。ストーリーのほとんどが美しい南フランス(だと思う)を舞台したこの作品ほど、その「時」を美しく描いた作品を私は知りません。
前出ながら、また投稿してしまいました。
ヒロインは大科学者の一人娘。光速を越える理論に没頭していた父は、そのせいで娘の母と兄を失うことになります。父を、そして宇宙をどれだけ憎み、恨んだでしょう。しかしいつか自分も宇宙を目指し、父の理論に命をかけることになります。最後の別れの時、娘は長年の恨みを越え、父を許します。
セリフは有人超光速試験に成功した時の娘、エリ・ミュー宇宙士官のもの。精神の中で宇宙を駆けめぐった科学者である父に対し、娘は技術者として現実の宇宙で光速を越えることに成功します。紙の上の理論に過ぎなかったものを現実の存在にした、技術者だけが持てる達成感。
壊れた宇宙船の船体から垣間見た星は、そのとき人類の手が届くところに来たのです。
2001夜の中で一番印象に残った作品。わずか30ページの作品だったんですねえ。
名品の多い「2001夜物語」の中で2度目のご投稿をいただくのは、やはり支持率の高い作品なのでしょう。
私は、エリが父親を許せたのかどうかは、かなり微妙なところだと思うのですが。
泰が満ち足りた口調でつぶやく。
「飛べ。速く、高く」
…(中略)…
「止まるな、行け、どこまでも!」
HP :
重力的に有利にも拘わらず、わずか10キロのものを持ち帰るのにも大変な困難が伴う場所、月面。そこに200トンからの物資を送り込み恒久施設を建設する、それも採算の取れる形で。
第六大陸はそういうテーマの作品です。現在の宇宙技術では到底不可能なこの事業が成立する背景には、ロケット技術のブレークスルーが必要になってきます。
トロフィー・エンジン。大気圏内はスクラムジェットで飛び、宇宙空間では液酸液水ロケットに切り替わる画期的なエンジンは、神田の居酒屋で出会った天才技術者と辣腕経営者の手で産み出されていきました。一見平凡に見える、それだけに実用化の可能性が高く、価値のある技術。そして、そのアイデアを実用化するために技術者を支える経営者。ここでは、天才が画期的な技術を世に出す過程が描かれています。
総じて金儲けの才能に乏しい彼ら天才たちが世に出る時は、優れた経営者が彼らを物心両面で支えていることが良くあります。あの本田宗一郎と藤沢武夫、スティーブ・ウォズニアックとスティーブ・ジョブスの場合のように。
セリフは経営者、八重波竜一に支えられトロフィーロケットを実用化した技術者、泰信司のもの。ロケットという、およそ叶いそうにない夢を抱いた技術者が、努力と才能と多くの人の協力によって衛星軌道上から上昇してくる自分の作品を見る。全ての技術者が夢見る至福の瞬間です。
この後、悲劇が襲います。
探知するには小さすぎ、防御するには大きすぎるデブリ──「1インチの悪魔」の群れに衝突する危機の中にあって、自分の創ったロケットの飛翔に見とれる泰。次の瞬間、デブリは泰の乗るロケットに直撃し──。
「第六大陸」2巻の口絵には、ご投稿の名文句とともに笑みを浮かべた泰の表情が描かれているのですが、それがこのような状況の下にあるシーンだとは、実際読むまで想像していませんでした(イラストレーターは「プラネテス」の幸村誠…って、ここを見てるような人はだいたいご存じか)。
HP :
SFが未来社会を舞台にする場合、現実には存在しない数々のメカニズムが登場します。普段は主人公を陰から支える存在ですが、時に開発者ともども姿を見せる時もあります。
こんにちは、nayutaです。今回のテーマは「エンジニアたちの幸せ」。
マジックワード(こんなこともあろうかと)一発で登場するご都合メカや哄笑とともに試運転もなしに稼働するマッドサイエンティフィックマシーンではなく、まじめな機械の開発者の言葉を集めてみました。
最初は近未来の宇宙業界を舞台にした星雲賞受賞作から。
ヨーコエレノア彗星に向かってエントリーした、宇宙船4隻は何れも異なるエンジンを積むことになりました。液酸、液水ロケットのバズ・ワゴン、ムーンブラストのローリング・プレンティ、レーザー推進の00マシン。美紀たちプシキャットの選んだのは、水素をプラズマ化して電磁誘導で噴射するプラズマエンジンでした。
文句はモハビの実験場でエンジンに対面した時の美紀の言葉。傍にいた技術者は不思議そうな顔をしたようですが、彼もきっと後で気がついたでしょう。これは最高の讃辞です。
機械はスペック(性能)が全てですが、実はそれだけではありません。性能に現れない「素性」というものがあります。メンテナンス性や拡張性、フェールセーフや極限耐久性など。これを決めるのは技術者のセンスや人間性、それと使う人に対する誠実さです。そして優れた使用者は、時に直感でその機械の素性を見抜く時もあるのです。
美紀の直感は正しく、プラズマエンジンは起動こそぐずりましたが、全行程を通じてタフに動き、流星雨通過時には彼らの宇宙船を守ってくれさえしました。
スペックに表れない良さというのは、何事にもあるものなんですが。
どうも最近はなんでも数量的に表れなければ評価されないことばっかりで……おっと違う話になってしまう。
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