SF名文句・迷文句第150集

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「わたしに名前をつけないでくれ、レッテルを貼らないでくれ! わたしはただの対象なんだ」

 出典: レイ・ブラッドベリ「対象」(伊藤典夫訳)  『十月の旅人』に収録

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
 空から落ちてきた所をロビー少年に見つけられた“もの”は、少年の「なんだ、おまえなら知っているよ。ただの砂男じゃないか」との言葉によって、砂男以外の何者でもなくなってしまいます。京極夏彦風(あるいは、夢枕獏『陰陽師』風)に言えば、名前という「呪」(しゅ)についての物語、といった所でしょうか。このセリフは、『プリズナーNo.6』の例のセリフ(めい文句第3集)への意図せぬアンチテーゼ?
 ……「得体の知れぬものどもに、名を付けてゆく」(分析・分類)というのは、SFの定型のひとつだと思いますが(例:『宇宙船ビーグル号』A・E・ヴァン・ヴォクト)、それは一面では、想像力の拡大に、枷をはめてしまう危険性をはらんでいる、ということでしょうか?
 「森の怪物X」が「ライオン」と名付けられることにより、「征服可能な、単なる野獣」と化してしまうという安部公房の比喩(「SF、この名づけがたきもの」/巽孝之編『日本SF論争史』収録)を思い出します。
[参考]牧眞司「時代遅れのタイムマシーン」第7回(SFマガジン’00年7月号)
    フロイト「不気味なもの」(E・T・A・ホフマン『砂男』(河出文庫)収録)
    水鏡子『乱れ殺法SF控 SFという暴力」(青心社文庫)
BGM:「名前をつけてやる」スピッツ

駄弁者:
 人間に名前を付けられると、そのものになってしまう…一風変わった人間原理のような。
 レッテルを貼ってしまうと、そこから外れた部分が見えなくなってしまうことに問題がある…というのがパターンだと思うのですが、見えなくなるばかりか存在すらしなくなってしまうというのは、考えようによってはそれ以上に恐ろしいです。



あれは完全な生命体だ……何の感傷もなく相手を殺し……
自らの繁殖以外の目的を持たない……純粋な存在だ……

 出典: リドリー・スコット監督「エイリアン」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 初めて鑑賞した時、プチトラウマに陥った作品から。
 怖かった…… メチャクチャ怖かった!
 エイリアンの姿形もそうですが宇宙船という“密室”で乗組員が一人、また一人と殺されていくサスペンス仕立ての演出が恐怖感をパワーアップさせておりました。
 そして極めつけは、最初からエイリアンを採取する目的で宇宙船に乗り込んでいた合成人間の首が取れちゃうシーン。 『何もここまで怖がらせなくてもいいじゃん!』と半泣きしながら叫んだ憶えがあります(だったら観なきゃいいじゃないかと言われればそれまでですが)。
 結局なんだかんだでこのシリーズは全て鑑賞。
 でもどの作品でも「ウルトラマン来てくれー!!」と最低20回は言いますね。

駄弁者:
>半泣きしながら叫んだ憶えが
 宇宙ではあなたの悲鳴は聞こえませんが、となり近所にはよく聞こえますのでご注意を。
 影の使い方が恐ろしく巧かったと思うのですが、性能の悪いテレビで見ると、影が濃すぎて何が起こっているのかよく分からなかったりすることも…。



敵の敵は、味方ということか。

 出典: ポール・W・S・アンダーソン監督「エイリアンvsプレデター」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 鑑賞しているだけで体力を消耗していくような感覚に陥る、宇宙ゲテモノ同士の戦いを描いた作品から。
 この作品に登場するプレデターは後半ヒーローっぽい立場になるせいか、カリフォルニア州知事と激闘を繰り広げた時に比べていささか弱い印象がありましたね。
 それでもデカイ手裏剣でフェイスハガーを真っ二つにしたりクィーンの頭部を槍で貫いたりして活躍するシーンもあって、見所もあるにはあります。
 しかし! ラストのあのシーンは続編への伏線及びエイリアンが「SFじゃ俺らの方が先輩だ!」と主張しているようで、ねちっこい……

駄弁者:
 敵の敵でも、他人の星をイニシエーションの舞台に使うようなのを味方にしたくないなあ…。



「言葉にされることさえ嫌なんだ!なんというか、俺の全人格を否定されたような気になる。今後、俺の尻尾についてはあらゆる面でほうっておいてくれ」

 出典: 冲方丁「マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮」

紹介 :神凪御子 様
HP :

コメント:
 続編刊行記念ということで、前作マルドゥック・スクランブルから投稿させて頂きます。
 自我を手に入れたことで人間の男性的観念を学び、そのようにふるまってきた最強の万能道具存在くんですが、こういったところは動物的だなあ、と妙にほほえましく思います。

駄弁者:
 人間と等しい知性を持つ心優しいネズミ──にして万能ツール──のウフコックが、パートナーとなる少女バロット相手に、珍しく声を荒げているところ。…じつは、尻尾をつまんで持ち上げられたことに対するお怒りの言葉だったりします。
 シリアスとアクション主体の中では、ホッとさせられる微笑ましいワンシーンでした。しかし、
>あらゆる面でほうっておいてくれ
 そんなこと言うからアニメ化まで中途でほうっておかれるハメに…。



ごめんな。理事長が 天然記念物にバイトさせるなって…

 出典: 岡崎二郎「アフターゼロ Neo」

紹介 :タクアン 様
HP :

コメント:
 100年以上生きて人語を解し、人間と一緒に暮らすオオサンショウウオ「サンちゃん」が化石発掘のバイト(?)を解雇された台詞です。
 …サンちゃん自体が「生きている化石」なのを考えると、理事上の言い分も ごもっともですね(汗)
 簡潔で読みやすいSFマンガを描く、岡崎二郎氏の作品は素晴しいですね。このHPにも何度か名前が挙がってますし、全巻揃えねばなりませんな…

駄弁者:
>100年以上生きて人語を解し…
 ネコやキツネの例どおり、尾の数が増えてたりするんでしょうか(100年生きなくても尾や足の数が多いのは普通にいたりしそうですが)。
 あまりこき使うと、山椒魚戦争を仕掛けられると思ったとか。



どちらかっていえば、手をつないでお祈りっていうのは、ちょっといただけないなと思うんですよ。立場を変えていえば、NASAが国家予算の中の莫大な部分をさいて探査ロケットを打ち上げて、何年もかかってたどり着いたら、向こうの宇宙人が手をつないで輪になって「いらっしゃい、いらっしゃい」(笑い)。そこへ、ちらっと行って、写真を写されただけで満足して帰ってくると……。これは非常に考えにくいことですね(笑い)。

 出典: 藤子・F・不二雄「藤子・F・不二雄の異説クラブ」  『ワンダーライフ』に収録

紹介 :ひらがな 様
HP :

コメント:
 たまに来て唐突に投稿して、しかもこの長台詞……いろいろ申し訳ありません。長かったら切ってください。
さて。
「理科」とは「理由科」である、と聞きました。この世の事象の理由を説明する学問だからであり、千変万化の出来事を抽象化する作業であるからだと。ではSFは、といえば、それは逆に抽象化された法則を再び個々の事象に具体化する作業ではなかろうか、と思うのですよ。
 そこで今回の名文句はSFの名手にしてオカルトにも造詣の深かったF先生が、生前語ったお言葉から。
 宇宙人については多分いるとは思うし、いたらいいと思う。
 だから宇宙人の乗り物としてのUFO論も否定はしない。
 否定しないけども、いろんなUFO論でも「ベントラベントラスペースピープル」とかはどうだろう、として展開した、実に身も蓋もない逆説論法。
 小学生の時に「なんて画期的なんだろう」と感動した憶えがあります。多面的なモノの見方ってこうするのかと。まあ、小学生の考えることですから。
 でも今でも、仮にもSFたるもの、この程度の逆説には耐えられなきゃウソだろ、と思ってしまう自分がいたりします。これで論破されるのは所詮ファンタジーかオカルトかメルヘンか。
 少なくとも「サイエンスフィクション」ではなかろうなあ、と。
なお。
この文句が載っている本に関して言えば……
ええ、その。
「ワンダーライフ」ってオカルト雑誌、ご存じでしょうか。
「S(それは)F(フィクション)」とか「S(すげえ)F(不条理)」とかそんな感じの雑誌でした。(休刊)
その雑誌の編集部が作ったこの本もだから、だいぶん抑え気味とはいえ「そっち」系。
探して、読んで、「SFじゃねーっ」と冬の日本海に叫んでも責任持てませんw

駄弁者:
 面白いですし切り所もないので、そのまま掲載します(だいいち長いのは他にいくらでもありますし)。
 似たような話で「遠い別の恒星からわざわざやってきて、やることが地べたに妙なマーク書いたり、牛のおっぱい切り取ったりか!?」というのを聞いたことがありますが、「ちらっと行って、写真を写されただけ」というのは、それ以上に無意味だ…。
 あるいは「べんとらべんとら」を見てコンタクトする気をなくしたんじゃないかとは、多くの人が思いつくところでしょう。
>抽象化された法則を再び個々の事象に具体化する作業
 それも極端な状況に具体化して、ふつう見えなかったり見ようとしなかったりするところに、目がいくようにする作業かと。



俺だって…何度そう思ったか知れねえよ
だが…あいつらは…望んでなった体じゃねえ…
それでも戦う生き方を選んだんだ
だから俺は言わねえ!! 生身でもがくのが筋ってもんだ!!

 出典: 村枝賢一「仮面ライダーSPIRITS」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 仮面ライダーをサポートして怪人と戦うために選抜された特殊部隊の隊長になるように要請された滝和也。隊員の中には怪人との戦闘で片足を失った者がいました。敵を倒すためなら仮面ライダーのように全身改造も受け入れるといきまくその隊員の言葉を、滝は「あんな生き様、お前らみたいなふぬけに務まるかよ」と一蹴します。
 滝が生身の体にこだわる理由が引用した台詞です。望んでなった人も一人いるんですけどね。

駄弁者:
 仮面ライダーになるのは本来悲劇だということは、作品の中でも外でもしばしば忘れられがちな気がするので、こういうセリフにはハッとさせられます。この作品出典のご投稿は熱いものが多く、さしてシリーズに思い入れがない私でも興味がわくところです。
 この隊長の素晴らしい男振りに対して失礼と思いつつも、サポートして戦う特殊部隊……おお、この作品ではライダーの側にも戦闘員がつくのか! などと茶化したくなるのが、悪い癖なのですが。



待てよ、ルーク。フォースが共にあらんことを。(チューバッカが何か言いたげな目つきでソロを見る)…なんだその目つきは。これでいいのさ

 出典: ジョージ・ルーカス監督「スター・ウォーズ エピソード4・新たなる希望」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 シリーズ最後の作品の次は、最初の作品から投稿させていただきます。
 ルーク達が無事に届けたR2-D2に記録されていたデス・スター(惑星をも破壊できるスーパー・レーザーを装備した巨大な宇宙要塞)のデータがヤヴィンWにある反乱同盟軍の基地で解析され、廃熱用のシャフトを通して反応路にプロトン魚雷を撃ち込めばデス・スターを破壊できることが判明したことからルークや反乱軍の兵士達は着々とXウィングやYウィングの出撃準備を始めます。しかし、ルークと共にレイア姫を救出したハン・ソロとその相棒のチューバッカだけは報酬を受け取ってジャバ・ザ・ハットに借金を返すためにヤヴィンWを去ろうとしていました。反乱軍の兵士達が命がけの戦いをしようとしている中で一人(二人?)だけ知らん顔のソロにルークは憤慨しますが、自分のXウィングに向かおうとするルークに対してソロは上記のセリフを言います。
 「May the Force be with you」という言い回しは「スター・ウォーズ」シリーズの中で何度も出てきますが、僕はこのソロのセリフでの登場シーンが一番気に入っています。
 直後の「これでいいのさ」というセリフもそれだけだと身勝手に聞こえますが、このあとルークを助けに戻ってきたせいで、エピソード5やエピソード6でジャバからの借金がかなりやばい状況になっていた事を考えて聞くとかなり悲しげに聞こえる気がします。エピソード4でもルークの知らないところでジャバやその部下に追い回されていましたし。

駄弁者:
 この時点でソロ船長はフォースの存在を信じていなかったのだから、この言葉はルークへの純然たる気遣いですよね。フォースを信じている人の言葉より、あるいは心のこもったものなのかも知れません。



大半の日本人が見たヴィジョンは、未来の自分が見ている夢にすぎなかった。

 出典: ロバート・J・ソウヤー「フラッシュフォワード」(内田昌之訳)

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 もしも世界中の人々が自分の未来を見たらどうなるのか? ――こんなぶっ飛んだ設定を完璧に料理してみせたのが、ソウヤーの第11長編『フラッシュフォワード』です。
 2009年、ヨーロッパの素粒子研究所の大規模な実験が失敗に終わったとき、全世界の人々の意識が2分間だけ21年後の自分の肉体に飛ばされます。人々の証言により明らかとなる2030年! 主人公のひとりロイドと婚約者との間に生じる溝! もうひとりの主人公テオは、21年後に自分は何者かに殺されることを知り、まだ見ぬ犯人を追い求めます。はたして未来は変えることができるのか!? 圧倒的なSF的魅力! しょっぱなからエンジン全開・テンションMAXでブッとばしてくれる本作は、まさに「面白さだけなら最強の小説」と呼ぶに相応しいです。
 未来を見たらどうなるか? その未来は変更可能か? といった本題はもちろん、2030年の(どーでもいいと云っちゃどーでもいい(笑))ヴィジョンが非常に面白いです。225ページから4ページ以上にわたってバラエティに富んだ情報が書かれますが、そこはぜひ現物を読んでもらうことにして、僕がこの作品で最も「なるほどな」と思った部分からの投稿です。
 未来転位(フラッシュフォワード)の先のアメリカは昼間でした。ということは当然、地球の裏側の日本は夜中。すなわち……上のようなことになるわけです。
 博士が苦労してフラッシュフォワード・タイムマシンを発明しても、実は人間は寝ているときに意識だけタイムトラベルしているとしても、その先が“寝ている自分”だったらまったくの無意味! というわけですな(笑)。

駄弁者:
 私が好きなソウヤー作品と言えば、『ゴールデン・フリース』『イリーガル・エイリアン』、そしてこの『フラッシュフォワード』です。
 『フレームシフト』と語感が似ていて間違えてしまいそうになるのですが、話の傾向は対照的。SFファン受けしそうなネタ(私の好きな小ネタも含めて)が満載でした。
>“寝ている自分”だったらまったくの無意味!
 寝ていて未来を見られなかったのならまだしも、起きている時間のはずなのに何も見なかった人もいて、つまりその人は…というのが、ブラックで笑えました。



「博士の助言をいただきたいんです。モリーとぼくは、子供をもとうと考えているんです」
「花束とワインからはじめるのがいちばんだと思うが」

 出典: ロバート・J・ソウヤー「フレームシフト」(内田昌之訳)

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 人間の設計図であるDNAの配列をすべて読み解こうとするヒトゲノム計画――これを軸に連続殺人事件が展開されるのが、ソウヤーの第8長編『フレームシフト』です。
 ヒトゲノム・センターに勤務するピエールは、妻のモリーと帰宅途中にネオナチの暴漢に殺されそうになります。一体なぜ自分は襲われたのかと困惑するピエール。やがて事件は、第二次世界大戦中にユダヤ人殺りくを繰り返した“恐怖のイヴァン”と結びつきます。一方ピーターは、自らの研究で画期的な発見をします。この2つの物語は融合することはありませんが、密接に絡んできます。まるでDNAの二重らせん構造のごとく……。
 ここまでのあらすじを読んで分かるように、ソウヤーにしては大バカで突拍子もないアイデアは出てこず、夫婦のいざこざもない(笑)、画期的な作品です。しかし、ソウヤーのストーリーテラーとしての才能はいかんなく発揮されていますし、ミステリ的に優れた作品でもあります。なにより――泣けます!
 さて、ピエールとモリーは紆余曲折の果てに結婚します。が、ピエールが遺伝病の一種ハンチントン舞踏病を患っているため、子供をもうけるのは“ある手段”でいこうとします。そのことで上司のクリマスから助言をもらおうとしたら……トホホなジョークを返されました。
 このとき、「おっ、クリマスは『星を継ぐもの』のダンチェッカー教授みたいな人なのかな?」と思った僕は……浅はかでした。

駄弁者:
 この作品、ふだんSFをあまり読まない人にも受けれられやすいだろうと思います。逆にそれまでのソウヤーの既刊を読んでいる人には、良くも悪くも地に足がついていて、楽しみつつもどこか物足りなく感じられるんじゃないかと。
…いや、夫婦不和じゃないのが物足りないんじゃなくて(笑)。



最初、僕はシンパシーを感じませんでした。むしろ荒唐無稽に感じられるわけですよ。セットもちゃちいしね。物好きな人たちが未来の話を学芸会でやってるのか? という感覚ですよ。――(中略)――ああ、《スター・トレック》ってこんなに深かったのかって、もう初老の頃になって気づかされた。

 出典: SFマガジン2006年10月号「シリーズ放映開始40周年記念 スター・トレック特集」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 矢島正明氏と麦人氏とm-fioのTAKA氏による対談記事より。まあTOSが一番好きな私の贔屓目で見ても同時期の「サンダーバード」や「ウルトラセブン」にくらべると合成やミニチュア技術に差を感じてしまいますからね〜。矢島さんもこの後有名クイズ番組の出題役など売れっ子になって行きますのである程度わかっていた事とはいえ本人の口から言われるとへこみました(笑)。
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 私はブリッシュやヴォンダ・マッキンタイアが書いた(それなりに豪華執筆陣だと思う)ノヴェライズから入ってますから、そのへんは結構好意的に見ることが…というか、見ないことにすることができたんですが。



(ハートマーク)エウレカ レントン

 出典: ボンズ原作・京田知己監督「交響詩篇エウレカセブン 最終話『星に願いを』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 謎の生物コーラリアンにより宇宙へ追われた人類。移民船の辿り着いた「約束の惑星」で人類は再びコーラリアンと争うこととなる。やがてコーラリアンは人類を知るためにエウレカという少女を人間の下へ送り出す。そして彼女と少年レントンの出会いからこの星の運命が大きく変わりだす!!
 まずはゴメンナサイ!これはセリフではありません。あることが原因で月の上に出来た落書きです(月面いっぱいのハートマークの中になぜかカタカナでエウレカ レントンと書かれてます)。見てない方には伝わりにくいと思いますが、それまでの数話が救いようの無い話が続いてただけに思わず笑ってしまいました。こんな月面の使い方はかのパタリロでも思いつかなかったでしょう(笑)。  では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 早い目に景観保護条約とか作っといた方がいいんじゃなかろうか。商業利用すべからずとか落書きすべからずとか、みだりに国旗を立てるべからずとか。



人も道具も頭の使い方次第!
つまらない初期設定なんか忘れていいのよ!

 出典: 富永浩史「機巧天使サンダルフォン2」

紹介 :首くくり 様
HP :

コメント:
 祖父の遺産として、メカ少女軍団+ロボット変形型戦艦を押し付けられてしまった少年とその戦艦サンダルフォンの譲渡を迫る米軍や、地球を狙う恐竜人&宇宙人コンビとの戦いを描くロボットアクション小説より。
 セリフは、戦闘用メカ少女の留守にさらわれた主人公の救出に向かった幼馴染の少女が残された索敵用メカ少女達に向けて放った一言。
 作中のキャラが使う分にはいいですが、作者が言い訳のように使い出すと困りモノですな。

駄弁者:
 キャラが「初期設定なんか忘れる」のは頭を使った結果としてですが、作者がそうするのは頭を使わなかった結果であること多いような。



「こんなことなら、さきほど彼らに撃たれたほうが…」
「なんだと?」
「いいえ。それでももう遅すぎた。ジオノーシスでも遅すぎた。あのザブラク、ナブーであれと戦ったときに死ぬべきでした。‘彼’をここにもたらすまえに―」

 出典: ジョージ・ルーカス監督「スター・ウォーズ エピソード3・シスの復讐」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 去年公開された映画の小説版からの投稿です。
 それぞれウータパウとキャッシークでクローン・トルーパーの裏切りにあい、命からがら逃げ出した後ベイル・オーガナの協力を得て合流したオビ=ワン・ケノービとヨーダは、何者かが全てのジェダイに対するコルサントへの帰還命令を発信していたことからそのシグナルを止めるためにクローン・トルーパーの包囲をかいくぐってジェダイ聖堂に侵入します。
 帰還命令を「逃げて隠れろ」という内容の命令に切り替えたオビ=ワンは聖堂にいたジェダイ達の死体の中にライトセーバーで斬られた物があったことから、誰がジェダイ達を殺したのか確かめるためにヨーダの静止を振り切って聖堂のセキュリティーの記録を再生します。こうしてオビ=ワンはダース・ベイダーとなったアナキンがシン・ドローリグをはじめとする何人ものジェダイを殺害している映像を目の当たりにするのでした。
 映画では悲しそうな顔をしているだけですが、小説では上記のようなセリフで彼の悲しさが表現されています。

駄弁者:
 弟子がシスに堕ちるのを止められなかったことを悔やむんじゃなくて、弟子にしたことそのものを悔やむというのは…。この言葉はオビ・ワンの良心からでたものなんでしょうが、アナキンに対してちょっと酷なんじゃないかと思えます。



「笑わない?」
「笑ってたら、科学は進まない」

 出典: 山崎貴監督「ジュブナイル」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
「重力物理学の応用による時空間の自在移動」──要するにタイムマシン開発を目指している物理学者兼プログラマー兼電器屋と、ある学生の会話。
 笑うどころか嘲った人間がいたお陰で進まなかった科学のことを考えると、青春期向け小説とは思い難い台詞です。
 ちなみに、出典は映画の小説版ですが、映画の方は興行どうだったのか余り聞きません。

駄弁者:
 ちっこいロボットが出てくるやつでしたよね、確か。
>「笑ってたら、科学は進まない」
 たしかに、ライト兄弟を笑っていた人もいたんだろうからなあ…。



フン……だから人間どもは好きになれん。最後にそうひらき直るならはじめから飾らねばよい!
環境保護も動物愛護もすべては人間を目安とした歪なものばかりだ。なぜそれを認めようとせん!
人間1種の繁栄よりも生物全体を考える!!そうしてこそ万物の霊長だ!!
正義のためとほざく人間(きさまら)!!これ以上の正義がどこにあるか!!
人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば
人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!!
いや……寄生獣か!

 出典: 岩明均「寄生獣」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
耳が痛いですな。 そんな事言われる筋合いは無いと思いながらも。
人間であり寄生獣でもある広川剛志だからこそ説得力があるかもね。
それにしても、SF(少し不思議)の定義ってムズカシイなぁ……

駄弁者:
 人間を食い殺してそれになり代わる寄生生物は、行政機関にまで入り込んでいた。寄生生物側で中心的な役割を果たしていた広川市長は、市役所を制圧した自衛隊員たちに対し、地球にはびこる人間の上に「天敵」が必要なのだと主張する。
 このセリフで「寄生獣」というタイトルの指し示すものがガラリと反転してしまうのが、小気味よく感じられたものです。
 ここでの彼の糾弾があるからこそ、それをどこかで肯定しつつも、なお人間の一人として行動したラストの主人公が意味を持ってくるのだと思います。



しんのすけ…… なぜお前が俺の元にやってきたか今わかった……
オレはお前と初めて会ったあの時、撃たれて死ぬはずだった……
だが、お前は俺の命を救い大切な国と人を守る働きをさせてくれた。
お前は、その日々を俺にくれる為にやって来たのだ……
お前の役目も終わった…… きっと元の時代に帰れるだろう……

 出典: 「劇場版クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 NHKの大河ドラマなんかより遥かに詳細な時代考証をしていると思われる「戦国大合戦」のラスト、主役である井尻又兵衛義利が亡くなるシーンです。
 合戦を題材にしているので人が死ぬのは当然ですが、このお話はあくまでも「クレヨンしんちゃん」というキッズアニメなのですよ!
 考えてみれば同じキッズアニメでも「ドラえもん」の劇場版では人が死ぬシーンどころか病気や怪我で苦しむシーンすら無かったので衝撃的でしたね。
 暗い面ばかりしか捉えてないけど、このお話はシリーズの中でも白眉の出来ですよ!

駄弁者:
>NHKの大河ドラマなんかより遥かに詳細な時代考証
 出典作品の時代考証については、現物見てないのでなんとも言えませんが、大河ドラマの方については…ここ最近はすっかりホームドラマ化してますからねえ。この間終わった「功名ヶ辻」でも大ポカがあったみたいですし。



人間は一生の間に脳細胞のわずか3分の1しか遣うことはないという!!
不老不死を得たカオスは、300歳あたりで脳の100%を活用し、
数々の発見や発明をなしとげたのである!!
だが千歳を越える今、脳ミソは満タンで物覚えは悪く、
何かを覚えたらその分トコロテン式に昔のことをわすれてしまうのだっ!!

 出典: 椎名高志「GS美神 極楽大作戦!!『リポート24 機械じかけの愛が止まらない!!』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 だめじゃん…(笑)。しかも10数年に1歳ぐらいの割合で老けてるから不老でもないし。でも人間の脳細胞の数には限りがある以上こうなるのは科学の壁?そういえばファウンデーションシリーズのロボットのR・ダニールも同じジレンマに陥ってたっけ…ウルトラマンや超人ロックはどうなってるんだろう?痴呆症になった彼らが街中をうろつくところには出くわしたくないものだ(^_^.A。
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 でもお年寄りって、最近のことをすぐ忘れる代わりに昔のことはいつまでも憶えているものですが…。
 そう考えるとトコロテン式記憶というのは、それなりタダモノではないような。



テレサ「…というわけで、綿密なリサーチの結果、
     うちのミソッカスを差し置いてバッタもんが
     有名になってしまった原因がはっきりしたわね。
     ポイントは『はわわー』!!」

 出典: 椎名高志「看板娘行進曲」  HP(有)椎名百貨店電脳支店内に掲載

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 作者のHPに掲載されてるWEBマンガより。自称(?)元祖アンテナ耳ドジっ娘アンドロイド「ミソッカス」が、なぜ後発の○ルチに遅れを取ったのか?「GS美神」のマリア&テレサの人造人間姉妹の協力の下に開始された調査の結果が「階段落ちで『はわわー』」だった!?そしてミソッカスたちは起死回生の作戦を決行する!!
 アンテナ耳ならドラミちゃん(笑)から「ネギま!」の茶々丸まで、ドジなら元祖(笑)ロボット三等兵からR・田中一郎まで多々居りますが、その2つを融合することでオタク心を掴む大発明を他に先駆けて世に送り出しながら、「To Heart」のマ○チに出し抜かれた作者の魂の叫びが読み取れます(ウソ)。  では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 前に出たときすでに「なんだ、(某ギャルゲーの)マ○チのパチもんやね」と思った人、逆です、逆!」なんてコメントされてますね…。「『エヴァンゲリオン』以後、男性のオタクたちのあいだでもっとも影響力のあったキャラクター」(東浩紀『動物化するポストモダン』)が相手では少々分が悪いか。



「だが、わたしの配偶者について質問するなんて――もっと重要な問題があるはずじゃないか」
「あなたにとってそれ以上に重要な問題がありますか?」

 出典: ロバート・J・ソウヤー「スタープレックス」(内田昌之訳)

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 『スタートレック』大好きであろうソウヤーがそれ風のスペースオペラを書いたら、一体どのような傑作が誕生するのか? ――そんなファンの疑問に、銀河創成の秘密というモノスゴイおまけつきで答えてくれたのが、ソウヤーの第7長編『スタープレックス』です。
 すでに第43集で駄弁者さんがこの作品の魅力を充分にお書きになっていますが、やはりここでも出てくるのが男女(夫婦)の問題です(笑)。『さよならダイノサウルス』や『ターミナル・エクスペリメント』と比べると穏やかなのですが、ソウヤー作品のひとつの醍醐味であるこの問題は、この作品で本質的な終焉を告げたのかもしれません。
 主人公キース・ランシングは体が透明な謎の男<ガラスマン>と出会います。どうやら宇宙の運命に関わる重要なコンタクトのようなのですが、ガラスマンはごくごく普通の質問(年齢だの配偶者だの)から始めます。それをちょっと訝るキースでしたが、上の会話をへて考えた末、納得しました。
 ここだけでも「さすがは愛妻家のソウヤーだな〜」と思えるのですが、これに対する究極の回答とも呼べるものが399ページに待っているので、是非みなさん読んでくださいね(涙ふき用のハンカチをお忘れなく)。冒頭の感謝のことばの掉尾に「愛する妻、キャロリン・クランク」と書くソウヤーだからこそだと思います。

駄弁者:
 宇宙…それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新たなる文明、新たなる生命が待ち受けているに違いない。これは惑星連邦最初の試みとして4つの種族が乗り込んだ宇宙船スタープレックス号の、驚異に満ちた物語である!(…と、読んだ当時の「読後駄弁には書いてます)
 私はよく「小ネタのソウヤー」なんて言ってましたが、こちらは巨大なネタをまるで小ネタのごとくに軽々と連打する作品でした。
>愛する妻、キャロリン・クランク
 自分の家庭が円満だから、安心して夫婦不和を小説のネタにできるのかなあ…。



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