SF名文句・迷文句第165集

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「考えてみろ。光速よりも速い唯一のものは──」
「思考のスピードだ」ケインはあとをひきとった。

 出典: アダム・ファウアー「数学的にありえない」(矢口誠訳)

紹介 :ふみ@おやぢ 様
HP :

コメント:
 主人公のケインの「ラプラスの魔」としての能力を説明している途中の会話。読んだときはふむふむ、これで筋が通ると思いました。
 がっ! 思考のスピードが光速より速いって、私的にありえない。
 ちなみにこの作品を読むと、シュレディンガーの猫の復習ができます(謎)

駄弁者:
 なんだか星新一のお父さんみたいなことを言ってますね。
 主人公の能力が、「確率的に不可能な出来事を実現させる」力だと聞いて、イーガン「宇宙消失」の簡易版みたいだなあと思ったものですが、さて実際は?



なぜならば、あんたが抹殺しようとする人類もまた、天然自然の中から生まれたもの! いわば地球の一部。それを忘れて、何が自然の、地球の再生だ! そう、共にいき続ける人類を抹殺しての理想郷など! 愚の骨ッ頂ー!

 出典: 五武冬史構成・今川泰宏監督「機動武闘伝Gガンダム」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 みなさんお待ちかね!機動武闘伝Gガンダムからお届けします。
 あ、ガンダムファンのみなさん、どうか落ち着いて下さい。
 この作品は「ガンダム」に乗って「天下一武闘会(ドラゴンボール)」をやる、と身も蓋もない紹介をされてしまいます。戦争の代わりにロボットの格闘大会を行い、優勝国が世界の主導権を握るという未来。その格闘用ロボットは「ガンダム」と呼ばれていた。
 作品の終盤、荒廃する地球の現状を憂いた主人公の師匠(東方不敗マスターアジア)が、自然を再成させるには人類を滅ぼすしかない、との叫びに対して弟子のドモン=カッシュが切った啖呵です。伏線があったとはいえ熱血格闘馬鹿漫画でこのせりふ、衝撃を受けたものです。

駄弁者:
 すいません、私も「けったいなガンダムがわんさと出て格ゲーやってるアニメ」なんて言ってました。今でもあまり認識変わってませんが。
>共にいき続ける人類を抹殺しての理想郷など!
 「地球の一部」のはずの人類が、それをわきまえず自分以外の種を抹殺するのが問題だということでもあるんですが…。



「残念だがねダード君とやら 一流の悪党はね
 常に逃げ道を用意しておくものなのだよ!」

 出典: 長谷川裕一「最強の者ども宇宙(そら)をゆく」  『マップス 外伝2』に収録

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 Mr.Spockさんに貸していただいた(感謝!)長谷川裕一先生の作品の中で、最もお気に入りのキャラ、我らが侵略大帝サマの台詞を投稿します。
 最強の戦闘用ビメイダー・ダードと、最高進化生命体“伝承族”の遺伝子を体に残す・ラドウ――この宇宙最強のカップルが、SOSを発信している星に辿り着いた。だがそれは、「巨大な悪」、侵略大帝の罠だった! 大帝は伝承族の遺伝子を狙っているのだ。危うし、ラドウ! どうする、ダード!
 ……ってな緊迫感などあるわけがなく(笑)、あっさりダードらに追い詰められた侵略大帝ご一行様。しかし大帝サマは動じません。不敵な笑みを浮かべ、ポーズを決めて発したのが上の台詞です。
 こんなアホらしい台詞をカッコつけて言える大帝サマは、本当に真の悪役なのだな〜と思えます。
 なお、この侵略大帝は『クロノアイズ』に登場してきたのとは別人とのことですが……どこの世界も大帝サマは大帝サマだな〜と(笑)。

駄弁者:
 常にプランBを用意しておくという意味では、悪党に限らずあながちアホな考えでもないような…「あの」大帝のお言葉と考えるとナンですが。
 でも大帝、悪の道はともかく結婚相手については、かなり逃げ場のない選択してたみたいですね(あ、「クロノアイズ」のとは別人でしたっけ)。



画鋲はナンバリングの胸の数字に目を向けたままで彼に話しかける。「隊長」「うん」CLICK。08999998「隊長」「うん」CLICK。08999999「隊長」「うん」CLICK。08999999「隊長」「うん」CLICK。09000000
うははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。

 出典: 筒井康隆「虚航船団」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 あ〜、この小説も説明が難しいなぁ。第一章の舞台は宇宙船で、その乗組員はすべて文房具です。文房具というのはそういう名前のキャラという訳ではなく文字通り文房具で、おまけにそのほとんどの気が狂っています。コンパスは針のつけ根が緩んでいたので完全な円は描けないのにそれを完全な円と信じ込んでいます。ホチキスは針を
Π
Π
Π
Πと吐き出してます。ナンバリングは自分の行動をその都度数えてまして、そのことを確認するために画鋲は話しかけたわけです。これまでも00100000や01000000や03333333や01234567なんかでも笑ってましたが桁が大きくなるにつれ笑いがだんだん大きくなり、09000000ではごらんのとおり爆笑してます。今後10000000や、まして99999999から00000000になったときにはどうなることやら、と思っていたら本文ではあっさり流されてしまいました。おそらく「文字にもかけない」狂態を演じたことでしょう。

駄弁者:
 学生時代に読みかけて、途中でやめてしまったんですが。思考停止してただひたすら数え続けるナンバリングのほか、恐怖症だとか妄想癖もちの「文房具」が、やたらと人間を思わせて恐かった覚えがあります。



ぬるい! 砂糖も多い!

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン 第43話『第四惑星の悪夢』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ロボットが人間を支配している「猿の惑星」の設定に近かったストーリー。
 全体的に暗いイメージが強く、北朝鮮もこんな感じなのかもしれないな〜と、勝手に考察してみたくなったりする展開が続きました。
 そんな中、ロボットの長官がコーヒーを入れた女性秘書(人間)にケチをつけるシーンがなんか理不尽。 ロボットにコーヒーの味なんて分かるんかい!?と思わずツッコミを入れてしまったほどでしたが、バックに流れる哀愁漂うBGMも演出効果をよりパワーアップさせておりました。
 最終的にロボット達はセブンのキレ気味の破壊行為によって全滅したみたいなので、「猿の惑星」よりはホッとしたかな?

駄弁者:
 最初地球だと思っていたものが、実は違う「第四惑星」だったという点は、「猿の惑星」意識しつつもアレンジを加えたというところでしょうか。
 この回、怪獣出てこないんですね。



散ればこそ、花美しく、名を残す。
今ひとたびの、バルバンの夢……!

 出典: 東映制作「星獣戦隊ギンガマン」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 三千年前に封印された宇宙海賊バルバンの一味という設定なのに俳句や茶道をたしなむ等、純和風テイスト溢れる異色的なキャラだった剣将ブドー。
 礼儀正しく部下との信頼関係も厚かった珍しい敵キャラクターでしたが、最後は同僚である妖帝イリエスの奸計にはめられ裏切り者としてバルバンから放逐、ギンガレッドとの一騎打ちの末敗れ去りました。
 時世の句をつぶやきながら徘徊のようにフラフラと歩いていたラストシーンは本当に落ち武者ぽかったです。

駄弁者:
 海外SFだと、異星人とかイルカとかが結構俳句好きだったりするんですが。
どうでもいいですがこの辞世、上の句と下の句が矛盾していないでしょうか。美しく散ると言っているそばから「今ひとたび」って…。



『でも、この頃わかったんです。父さんのこと、色々と。仕事の事とか、母さんの事とか。だから──』
『それは違うな。わかった気がするだけさ』
『人は他人を完全には理解できない。自分自身だってあやしいものさ。100%理解しあうのは不可能なんだよ』
『まぁだからこそ、人は自分を、他人を知ろうと努力する。だから面白いんだな 人生は』

 出典: GAINAX原作・庵野秀明監督「新世紀エヴァンゲリオン 第拾八話『命の選択を』」

紹介 :LUMP 様
HP :

コメント:
 初めまして。いつも楽しく拝見させてもらっています。
 これは加持リョウジと碇シンジの会話なんですが、この作品の中では珍しく人間関係に対してかなりポジティブな言葉だと思います。
 他人を理解できなくても人生は愉しめる、むしろ知る愉しみができると言っているように聞こえます。
 まぁ、加持が世の中をうまく渡っているからこそ言えることだとは思いますけど。
だけどシンジ君にはこの言葉通じない、そこがまた面白いw。

駄弁者:
 後ろ向きなことを行ってしまえば、他人を(あるいは自分を)100%理解していないからこそ、平和につきあっていけるのかも。
 他人のことが分かった、と言っているシンジ君はミニマムに間違っていますが、「人類補完計画」を目論んでいるその父さんの方は、息子さんと同心円上で、ただしムチャクチャ壮大に間違っているような…。



こいつがなんでメタルダーに負けたのかわかっとるのか?
卑怯未練な手段が足りんかったからや!
こいつをバイオ室へ運ぶんや。ものすごぉえげつない奴に作り変えてやるわい!

 出典: 冨田義治監督・高久進脚本「超人機メタルダー 第4話『魚雷アグミス対海軍少尉メタルダー』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 メタルダーもろとも自爆しようとして特攻するも、失敗して果てた機甲軍団・暴魂アグミスを「その志は達せられなかったが、まさに武人の鑑」と賞賛するヨロイ軍団長・凱聖クールギン。
 続けて戦闘ロボット軍団長・凱聖バルスキーは「その通りだ。それに比べてその能無しの姿はどうだ」と、メタルダーに敗れて重傷を負って逃げ帰ってきたモンスター軍団・雄闘ガマドーンを罵倒します。
 軍団員たちは口々にガマドーンを嘲りながら解散していき、モンスター軍団員だけが残されます。その時に、なぜか関西弁でしゃべるモンスター軍団長・凱聖ゲルドリングが言った台詞です。「卑怯未練恥知らず」はガマドーン個人ではなく軍団長が全軍団員に徹底させていたポリシーだったのです。これはこれで立派かもしれませんが…。
 ゲルドリングは上司にしたくないモンスター・ナンバー1です。

駄弁者:
 行動としては下と同じなんですが、なんでこうイメージに落差が…。
 やっぱり上司たるもの、行動ともにそれを修飾する言葉も重要?



バルスキー:「ゴチャックをこのままスクラップ工場に送り、この世から葬り去るのは惜しい。再修理工場へひそかに運び、パワーを強化せよ」
ザーゲン:「しかし、勝手なふるまいは帝王の怒りに…」
バルスキー:「帝王には俺が後から申し上げる。責任は俺が取る!」

 出典: 冨田義治監督・高久進脚本「超人機メタルダー 第3話『野兎への愛にハンマー男ベンKが涙する』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
「かくまで無残に破壊されるとは何事だ。スクラップ場行きだ」
 メタルダーとの戦いで大破した戦闘ロボット軍団・爆闘士ゴチャックを見下ろす帝王ゴッドネロスは、冷たく言い放って姿を消します。
 軍団員たちは口々にゴチャックを嘲りながら解散していき、戦闘ロボット軍団員だけが残されます。その時の戦闘ロボット軍団長・凱聖バルスキーと烈闘士ザーゲンの会話です。
 帝王の命令に逆らってでも部下を守ろうとするバルスキーは、やはり上司にしたいロボット・ナンバー1です。それに異議を唱えるのが、帝王の命令ならば死をも厭わないザーゲンであるところも徹底しています。
 きっとゴチャックを修理したのは師匠のビックウエインなのでしょう。

駄弁者:
 成功したときの手柄は部下に、失敗したときの責任は自分に…とは、部下にとっては上司の理想型なんですが(現実には逆が結構多い)。
 でもこの場合、「失敗した部下を守る」というのとは少し違って、部下の能力がまだ最大限に生かされていないという冷徹な認識ともとれます。部下としてはそれはそれで有り難い。



その女の子の方は今日は死なない。
1929年と1955年に死ぬはずになっているからよ。

 出典: フリッツ・ライバー「ビッグ・タイム」(青木日出夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 宇宙の歴史とは「スパイダー軍」と「スネーク軍」による歴史改変を原動力としているのだ。
 フリッツ・ライバーによる「プラスチック・タイム・オペラ」(聞いたこと無いですが)の傑作!!
 歴史を変えるべく動いている人々にとっては規定の出来事なんでしょうが、なんとも「シュール」な言葉です。

駄弁者:
 1929年を生き延びれば、次は26年後まで大丈夫…とは、喜んでいいんだか、死期を教えられて恐れればいいんだか。
>「スパイダー軍」と「スネーク軍」
 <蜘蛛>と<蛇>の戦い、といえば何となく雰囲気が出るんですが、「スパイダー」対「スネーク」と聞くと、なんだか野球の試合みたいな感じです(「くたばれスネイクス」?)。
 このごろSFの復刊や「幻の作品」の新訳は多いのに、フリッツ・ライバーは出てきませんねえ。創元でファファード&グレイ・マウザーの続きが出たからよし、という方もいるんでしょうが。



私の靴はきつすぎる。
でも、それでいいんだ。
もうダンスの仕方は、忘れてしまったんだから。

 出典: J・マイケル・ストラジンスキー脚本「バビロン5」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 宇宙の五大種族が大使を置く宇宙ステーション「バビロン5」にも、地球至上主義者が増え始めていました。司令部は過激派と内応者の多さに頭を抱えます。
 そんな折、セントーリ共和国(帝政でも名前は共和国)の大使副官ヴァーの親戚とその恋人が見合い結婚を嫌ってバビロン5に駆け落ちしてきますが、運悪く過激派のテロに遭ってしまいます。
 ヴァーは「伝統を守って見合い相手と結婚しろ」と二人に説教した大使のロンドを責めますが、ロンドは答えに上の言葉を呟きました。これは彼の父の引用です。
 このセントーリ、かつては銀河の超大国だったけれど、今では殖民星が次々に独立して落ち目なんだそうです。原作者によると大英帝国がモデルだそうですが、その文化面は
・帝国だか共和国だかわからない
・多神教
・経済大国
・結婚は国を保つ手段
・髪形で身分がわかる などなど、大英帝国以外のどこかにも当てはまりそうなものばかり。そして序盤では、このセントーリの扱いが妙に悪いので、ひいきになった私には悔しいかぎりです。
 終盤では怒鳴り散らしたくなりましたが。

駄弁者:
 だからって、他人のダンスに水を差すのはどうかと思いますが。
>大英帝国以外のどこか
 同じ「大なんとか帝国」でも、もっと東のほうにあったような…。でも髪型で身分が分かるというのは、男性限定なんでしょうか。セントーリの女性は頭髪がないということですし。



我々は知っている。試みたのだよ。
そして学んだのだ、足元に近づけば……踏まれると。

 出典: J・ミカエル・ストラジンスキー脚本「バビロン5」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 時は23世紀、異星種族ミンバリと地球人類との戦争は、謎に満ちたミンバリの降伏で終結した。大国ミンバリを破った人類は、宇宙で一気に成り上がる。
 その後、宇宙五大種族の平和共存を促す目的で宇宙ステーション「バビロン」が建設されるが、これまで建造された4つはすべて喪失し、「バビロン5」が平和の砦となっていた……。
 惑星探検家のサカイ女史は、バビロン5に駐在するナーン帝国大使の忠告を聞かずにある惑星を探査する途中、正体不明の宇宙船にはねられ惑星に落ちかけます。彼女を救ったのは、大使の命を受けて駆けつけたナーン軍部隊でした。
 生還した彼女は大使に礼を述べ、ついでに自分が遭った宇宙船について質問しました。その答えが、上の言葉です。
 五大種族よりもはるかに高次元の力を持ったものたちがいる。彼らは好き勝手に宇宙を旅しているが、邪魔してはいけない──それが大使の答えでした。
 ナーンは昔セントーリ共和国の植民地で、いまだに駐在のセントーリ大使とは確執があります。顔も人類から見ると強面でいかにもな武闘派なのですが、その彼がこうしたことを述べると逆に説得力があるように思えます。

駄弁者:
 ずいぶん前に1度だけ投稿があった作品。「スタートレック・DS9」をあるいはしのぐか、という作品だったのですが…。
>足元に近づけば……踏まれると。
 レベルの超越した相手を前にして「踏まれる」と考えるか、「背中に蟻がとまっても、ゾウは怒らない」と考えるかで行動が正反対に。



 包丁は、最初はずぶずぶと左肩に入っていった。ぶちん。包丁がのめりこむと共に感じる手ごたえ。おそらくは、筋肉の繊維が切断される手ごたえなのだろう。明広さん、素敵だわ。発達した筋肉。男らしい。でも、これではおそらく――かなり煮こんでもかたいだろう。

 出典: 新井素子「ひとめあなたに……」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 一週間後に地球に巨大な隕石が衝突することを知り、圭子は大混乱のなか恋人の朗に会うため江古田から鎌倉へ向かう。その極限状態の中で出会った人々を語るオムニバスストーリーです。壊れてゆく/壊れた女性の描写は、後の「おしまいの日」「チグリスとユーフラテス」につながります。
 最初に出会った由利子は愛する夫、明広のために料理中。作っているのはチャイニーズ・スープ。材料は………。(レシピはこちら

駄弁者:
 いや、その「ぶちん。」は筋肉の繊維というよりどこかの腱っぽい…て、そういう問題じゃなくて。お願いですから包丁の手ごたえで男らしさを測らないでください。
 リンク先のレシピの1行目を見て、なんか指先のあたりがムズムズしてしまいました。



「月光夜は窯変の会お抱えの殺し屋ぜ。んがしが、その噂が警察に流れてからもう六十年以上経ちよるのである。とこんが一度として警察に捕まることもなく、それどころか顔を知る者すらおらんちじゃ。六十年であるのよ六十年。考えられぬことであろうが。じゃんから、月光夜っちゅうのは職名っちゅうか、名前だけであって、それが何代も受け継がれているのではないかとも言われちゅるわけである。いずれにしても謎の多い人物であるっちゅうことは分かりよったか。この月光夜が、なんと直接警察に連絡をしてきたのである。こりゃ、めがんてらんびっくりじゃっちゅうことである」

 出典: 牧野修「月光とアムネジア」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 入り込んだ者の記憶を三時間おきにリセットする<レーテ>と呼ばれる特殊空間。そこに入り込んだ伝説の殺人者を追う、アガタ原中県警捜査部隊が遭遇する奇怪な出来事。数々の異様なイメージはさすが牧野修です。ここではその一端、「原中県」訛りをご堪能ください。
 ちなみにアガタ原中県はウズ原中県・ケモン帆県・ヌイミカシ華氏県と隣接しており、その特産は、原中地方特産のツマゴロシ虫と、アガタ原中県でしか取れない鉱物酢<ずむ酢>を使ってつくられる<ゆすず飯>です。

駄弁者:
 ミステリアスな状況ももファンタジックな雰囲気もも、方言一つでずいぶん変わってしまうもんですね。
><ゆすず飯>
 雰囲気的には、うちの県にあるヘボ飯みたいなのかなあ、と読んでもいないのに勝手に想像。



「ユーレカ(見つけたぞ)!」

 出典: オノレ・ド・バルザック「『絶対』の探求」(水野亮訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 万物の根源たる「絶対」、その探求にすべてを費やした人間が死の床で発したこの一言は、あまりに重く、あまりに空しいものでした。
引き際とは難しいものです。

駄弁者:
 これをマッドサイエンティストものといったら岩波さんに怒られるかも…(でもTWRさんもマッドサイエンティストもので間違いないでしょう、とおっしゃってたし)



……恋愛はホレた方が負けって言うだろ。
もういいよ。 僕、別にエロメスさんのこと恨んでないし。
……むしろ、感謝している位なんだ。
短かったけどホントに彼女ができたみたいな楽しい時間がすごせて……
だから一つ言わせてください。
ウソじゃあああボケェェェェ!!

 出典: 空知英秋「銀魂 第八十六訓『恋にマニュアルなんていらない』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 女詐欺師にガツンと一発かます新八の男らしさが素晴らしい。
 女の立場を狡猾に利用している悪どい女が多くなった昨今、彼のような潔い漢がもっと出てきてもらいたいものです。

駄弁者:
 いっぺん言ってみたいような気がしますが、言うような状況に陥るのはパスです。
>女の立場を狡猾に利用している悪どい女が…
 そういう女性が増えたわけではなく、うまく対応できる男性の数が減ったんじゃないでしょうか。



ふざけるな!!
ワシは科学者じゃ! これから起こるコトを早く見たくてたまらんのじゃ!!
そのためなら命の一つや二つ!
さあ撃てヒカガク! 科学の勝利をこのオイボレに見せてくれっ!!

 出典: 柳田理科雄原作・筆吉純一郎漫画「空想科学大戦!」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 空想科学の世界に科学の壁を持ち込んだことで完全なパロディ作品となってしまっている本作。 それでも登場人物たち全員の心には一般の空想科学作品と同等の“ヒーロー”としての魂が宿っています。
 猫柳田博士の叫びは空想科学を愛する原作者の柳田理科雄氏の気持ちを代弁していたのではないかと。

駄弁者:
 雰囲気こそ異なりますが、下のマッドサイエンティスト氏と一脈通じるものがあるような…。



ヴァル君…
私は私の子供たちが活躍するのが見たい…
彼らが天を覆い
地を埋めつくし
人を喰いまくって
人類を完璧に滅ぼしつくすのが見たい
その途中で私自身も死んでしまうなんて
これほどつまらないコトはない…
そこで私は古の魔精霊の一つ
狂戦士を処分する時に使うあの魔精霊を復活させ
私の血を混ぜた培養液で増殖させた…
これで私は……世界の終わりを目撃することができる

 出典: 堤抄子「聖戦記エルナサーガ II」

紹介 :いかなとくら 様
HP :

コメント:
 マッドサイエンティストの面目躍如たるウーロフ博士の妄想。
 ここで出てくる「魔精霊」とは人間のDNAに大量の遺伝子を付加してキメラに変容させる一種のウィルスで、これを摂取した人間は「竜」や「狂戦士(ベルセルク)」と呼ばれるモンスターに変容してしまいます。ウーロフ博士はその魔精霊に自分の遺伝情報を混ぜることによって、自分の創造物である狂戦士が世界を滅ぼす様を見届けようとしたわけですが、彼自身は粛正され、人類も滅亡せず、あいにくとその野望は未完に終わりました。
 最終巻である本巻で、作者はSF趣味を全開にして、分散コンピューティングによって乗っ取ったICBMとナノテクの産物たる魔法素子に反魔法の聖剣をもって、肉体を捨てた元人間である「神」に立ち向かうという、熱いクライマックスと大団円を描いています。
 でも主人公はミニスカ女子高生とヘタレ白衣メガネ青年なのですが(笑)。

駄弁者:
 何というか、純粋に歪みまくった欲望ですな。
 しかし、自分の遺伝情報をもった何かが見とどけたとして、それは「自分」が見とどけたことになるのかなあ…?



こうなったら… 地球はかいばくだんを!!

 出典: 藤子・F・不二雄「ドラえもん『ネズミとばくだん』」

紹介 :s 様
HP :

コメント:
ドラちゃん大暴走…顎のジョイントをこじ開け、電源コードを切除し、使徒に喰らい付く…んなわけない。
時にこの猫、ソレは映画で使え。

駄弁者:
 …いたずらにファンを刺激するだけかと思いましたが、ここは公平を期して。
>ソレは映画で使え。
 そんな、ラストが「続・猿の惑星」なドラえもんは見たくないです。



「こーごーせーせーげんかくせーぶつ、つくたんだた」
「はい?」
 光合成性原核生物……と聞こえたような?
「おりがみでつくれるかなーておもて、つくたら、できたです」

 出典: 田中ロミオ「人類は衰退しました」

紹介 :垂直応力 様
HP :

コメント:
 タイトルどおり緩やかに人口を減らし「妖精さん」に地球を明け渡した時代、有名無実の「調停官」になった「わたし」と「妖精さん」の交流のお話。
 この「妖精さん」、傍からは遊んでいるようにしか見えないのに無駄に高度な知性と技術を持っていまして、『よいこアニマルおやつ(ペーパークラフト入り)〜第三期・恐竜編〜』として輪ゴム動力で高度な自律機能を持つペーパークラフト恐竜を作ったりします。で、「第一期と第二期は?」という質問に対して投稿の台詞です。
 癒し系というか、かな〜りゆるい話ですが、ファンタジーに見えて色々SF的な設定が隠してある様子です。

駄弁者:
>〜第三期・恐竜編〜
 第一、二期も気になりますが、それより第五期あたりでネジ式動力の人類が出てきそうで恐い。



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