SF名文句・迷文句第292集

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アトム「このウィルスは、人間の脳が発する電気パルスを餌にしているんだ。これじゃ脳がいくら命令を発しても、身体に届くはずがない。動けないのは当然さ」
バットマン「周囲が荒廃する中、略奪者達だけが繁栄していくのか…」
アトム「なんでもゴッサムに例えるのがあんたのクセだな、だろ?」

 出典: ポール・ディニ脚本・アレックス・ロス画「JLA:リバティ&ジャスティス」(石川裕人訳)

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 アフリカコンゴに落下した隕石によってもたらされた謎のウィルス、地球誕生以前から活動しているグリーンランタン隊にも記録が存在せず、呼吸や脈拍や意識は正常なまま身体を動かす事が全く出来なくなる症状を発するが、人間以外には感染しないこの未知のウィルス(現場に生息していたゴリラには全く感染していなかった)と隕石をバットマンの勧めでバットケイブに隔離する事したジャスティスリーグ。
 防護服のわずかな裂け目から進入したウィルスによって輸送していたフラッシュが発病するというアクシデントがあったものの、アクアマンとワンダーウーマンによって何とかバットケイブへ運び込む事へ成功、バットマンと原子より小さくなれる地上最小のヒーローアトム――バットケイブへも電話線を流れる電流の電子に乗っかってやって来た――によって分析が開始されます。
 フラッシュの体内に血球サイズになって侵入、脳からの電気パルスを喰らって分裂・増殖する光景を目撃したアトムとバットマンの会話が投稿の台詞。
 なおアトムの分析からバットマンは電気パルスの量を増やしてウィルスをショートさせる事によって退治するワクチンを開発しますが…養子のディック・グレイソン曰く『犯罪にからめなければ天気の話も出来ない』事は仲間内でも有名なんだぁ…。

駄弁者:
 これも一種の職業病でしょうか。他のヒーローたちにもありそうですが、ブルース翁は一番重病そうです。
>電気パルスの量を増やしてウィルスをショート…
 脳の電気パルスの量を増やすって、それワクチンというより向精神薬っぽくないですか?



「宇宙デジタル電波怪獣ビーコラスの地球侵略は、こうして終わったのです。地球のデジタル放送を利用するとは、何と恐ろしい宇宙怪獣でしょう。でもご安心ください、このお話は遠い遠い未来のお話なのです。……えっ、なぜですって? 我々の地球はまだ、宇宙怪獣に狙われる程デジタル放送が普及していませんから……」

 出典: 山口宏脚本「ケロロ軍曹 第264話Aパート『ケロロ 宇宙デジタル怪獣襲来 であります』」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前Mr.Spockさんが投稿されたウルトラセブン第8話のパロディです。
 デジタル機器を介して相手を操る能力で地球侵略を企んだ宇宙デジタル電波怪獣・ビーコラス。
 アナログな攻撃という弱点を突いた忍者刀・博物館行きレベルの旧式宇宙拳銃・徒手空拳による猛攻を受け宇宙に去っていき、最後に上のナレーションが流れます。
 ちなみにこの回が放送された当時は地上デジタル放送移行の直前でした。

駄弁者:
>宇宙怪獣に狙われる程デジタル放送が普及していませんから…
 日本については、そろそろ危なくなってきた…?



「カール、顔色がよくありません。この種の作業はやめたほうがいいと思います。」
「そういうわけにもいかない。仕事だから」
「では仕事を受けるのをやめたほうがいいと思います。収入は足りています。サー」
僕はミヨを振り向いて、のっぺらぼうの顔をにらんでやる。
「毎日寝て暮らせって?」
「そうすることも可能です」
「それじゃだめだ」
「なぜ、それじゃだめなのですか?」
「知るか!」

 出典: 小川一水「Slowlife in Starship」  『フリーランチの時代』に収録

紹介 :ニキ 様
HP :
https://es.twitter.com/naijel

コメント:
 22世紀現在、宇宙では個人所有自己生産プラントのおかげで、文字通り死ぬまで寝て暮らすことが可能になっている。主人公カールも一時期そうしていた。
 意義ある存在でありたいという欲求がいたいほど伝わってきてすきです。

駄弁者:
 この主人公、こういう積極的なところもあると同時に軽い引きこもり傾向もあるという、なかなか面白いキャラクターだったと思います。意義ある存在でありたいと同時に、望まぬ人付き合いは極力しない方向で…とは、ちょっと虫がよすぎるとも感じました(共感できるだけに)。そういうところから一歩踏み出てみようかというラストは、好感が持てますね。



ハンス・K・ハウザーと九人の側近はレヴァクーゼンのインペリアル・タワーに閉じ込められ、民衆に包囲された。そして人民裁判によって死刑を宣告された。かれらは猛り狂った民衆に虐殺されるのを待たず、溶時剤を飲んで自殺し、主観的永遠性に到達したのだ。帝国を失ったかわりに世界を征服したのだ!

 出典: ミシェル・ジュリ「不安定な時間」(鈴木晶訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 2060年、世界は溶時界という異次元に潜む工業帝国HKHからの侵略を受けていた。
 時間潜行士オルザックは、事態の収拾のために、溶時界へ潜入する。
 ここはHKHの成立を語ったところです。工業帝国というのはいわゆる財閥のことですが、その影響力は超国家的範囲に及び、全てを支配するかに見えたが、やがて立ち上がった民衆によって崩壊します。最期を迎えたときにHKHの幹部たちは世界から脱出することに成功します。
 主観的永遠性というのがきちんと説明されてないので解釈に困るのですが、霊魂だけになって不死を獲得したようです。「死なない」のか「死ねない」のか判りませんが、肉体もコンピューターも無しに「自意識」を維持できると言うことなので、そうとしか思えません。こう考えてみるとこの作品、SFと見せかけたオカルト小説なのかも。
 侵略者HKHの首領はハンス・K・ハウザーだけでなく、ハリー・クルップ・ヒトラー、ヘルマン・カール・ヒンデンブルク、ハインツ・クルト・ホフマンと、いかにもドイツ的な名前で、フランスにおける悪役はやはりドイツなんだと実感しますが、ひょっこりハワード・ケネディ・ヒューズなんていうアメリカ的な名前も出てきます。アメリカの存在感の大きさも作者のお気に召さないようです。

駄弁者:
 「主観的永遠」に達した人間が、自分が脱出した世界をどうやって征服しているんだろうか…。読んだけどちゃんと話を覚えていないんですよね。



「…壊れたところを治せば改造人間は死なないのだ…」
蜘蛛男は再び、以前と同じような言葉を口にした。
「貴様ッ!!」
 以前となんら変わらぬ蜘蛛男の姿に、ライダーは…本郷猛はむしろ怒りを感じていた。違うのだ。“死なない身体”ではないのだ。“死ぬ事すらできない身体”にされてしまったのだ。仮面ライダーは猛烈な強さで怪人を蹴散らした。

 出典: 石ノ森章太郎原作・早瀬マサト物語「S.I.C HERO SAGA MASKED RIDER EDITION -Missing Link-」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 「仮面ライダー」本編では描かれる事の無かった本郷猛と一文字隼人の出会いを描いたエピソード。
 トカゲロンと再生怪人軍団に勝利した本郷猛は、「末端をいくら倒してもトップを倒さなければ意味が無い」という思いからかつて自身が改造されたショッカーのアジトに潜入した。もはや機能していないであろうアジトから他のアジトの情報が探れないかと考えていた本郷だったが、なんとアジトは以前と全く変わらずに機能しており、手術台には仮面ライダーが横たわっていた。本郷の行動を予測したショッカーは、『第二次飛蝗男計画』で造られた対仮面ライダー用改造人間ショッカーライダーに本郷を殺させようと罠を張っていたのだ。だが、仮面ライダーの弱点を誰よりも知っている本郷のライダーパンチにショッカーライダーはベルトを破壊されて敗北した。このショッカーライダーこそが後に仮面ライダー2号となる一文字隼人である。
 アジトからの脱出をしようとする仮面ライダーを、再び再生した死神カメレオン、蜘蛛男、蝙蝠男、サラセニアンが襲う。仮面ライダーはショッカーへの怒りと、本来同胞である改造人間と戦わなければならない悲しみから鬼神のような強さを発揮し、怪人達を蹴散らすのだった。

駄弁者:
 正確には「治せば」ではなくて「直せば」と言わないといけないところですね、悲しいことに。怪人は倒されたら爆発するのがお決まりでしたが、直せないところまで粉々になるのは、彼らにとってはむしろ慈悲なのかも。



「やつらに知能がないとはいえません。もし――ラマスよ許したまえ――やつらが集団になって乗組員へ立ち向かってきたら、非常に危険な事態となるでしょう」

 出典: A・バートラム・チャンドラー「偽りの夜明け」(野田昌宏訳)  SFマガジン1977年2月号に収録

紹介 :NAL 様
HP :

コメント:
 その世界の月に多量の輝きが観測され、やがて真っ暗になる。
そして、その世界にも災害が…。
別世界なのにライオンとかいう単語を使っていて興ざめだなあと思っていたら
読んでゆくとこれでいいんだとわかる終わり方に。
 上記セリフは 会話中に出てくるだけの無くとも全く問題ないようなものですが。
船に乗っていたというチャンドラーのネズミに対する怨念とか。
別の短編の元ネタがここから来ていたんだな、と思えて興味深かったです。

駄弁者:
 バートラム・チャンドラーって昔は「銀河辺境」シリーズでよく名前を見た覚えがあるけど、結局一冊も読んでいないです。マンシェンドライブとか、有名みたいなんですが。



「おいおい、まってくれよ。いいかい?おれは年をとらない。
 ずっとこのままで……ところが相手は普通に年をとる。
 どんな気持ちになるか――考えてみろよ。
 自分だけが年老いて病気になったり身体が不自由になったりするのに、おれは若いまま」
「………………『若返り』が……」
「んなものは解決にならんさ。先のばしするだけだ。
 一番いいのは誰も―――好きにならないことだろうな。
 だが、あいにくおれはそこまで人間ができてないんで、
 泣いたり笑ったり 女を好きになったり……するんだな。
 忘れる以外に、どうにも…」

 出典: 聖悠紀「超人ロック 『ひとりぼっちのプリンセス』」

紹介 :ラッキー・チャンス 様
HP :

コメント:
 今回は前回に引き続き、超人ロックから。引用したのは当サイトで既出のエピソード「猫の散歩引き受けます」にも登場した探偵ハントのセリフです。実はこのハント氏、古代異星文明の遺跡から発掘された寄生生命ネオ・イモータルに取り憑かれて、超能力とは違うタイプの不老不死になっています。ある意味、ロックと同種の十字架を後天的に背負ったわけです。引用のセリフでハントと会話してる相手はナオミと言って、ハントの不死性に感づき、その秘密を突き止めれば金になると踏んで近づいてきた女です。彼女と2人だけの会話の中で、ハントは過去に女の人を好きになったかもしれないが忘れてしまって覚えていない、と言います。(たぶん、ロックに頼んで催眠暗示で記憶を封印してもらったと推測されます。)そんなハントの女性に対する態度をいい加減だと責めるナオミに対し、ハントはなぜ自分が惚れた女を忘れてしまう道を選んだのかを説明するのです。ナオミが言っている『若返り』とは、作中に描かれている高価だが実用化されている科学技術のことです。

駄弁者:
 普通の人間の一生で出会えるぐらいの人数なら忘れず背負って生きることもできるんでしょうが、多すぎるとそうもいかないか。しかし「人間ができていない」と言っていますが、不老不死でもなお普通に女性を好きになったりし続けられるのは、むしろ強靭な人間性と言えるんじゃないでしょうか。



「しかしどうにかならねぇのかねェこの『デコプチ』ってやつはよォ」
「流行りでこれでなきゃ売れねぇんだと」

 出典: 長谷川裕一「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 久しぶりに読みたいなぁと思っていたら最近新装版の出た(2012年7月)ガンダム対イデオンこと「逆襲のギガンティス」より
 作中何度か登場する「デコレーション・プチモビルスーツ」についての作業員の会話、その容姿はSDガンダムそのもので(瞳もある)バリエーションである騎士ガンダムやサンライズ作品のSD体形の魔神(マシン)が活躍する「魔神英雄伝ワタル」の龍神丸らしき姿も…。
 何でも本家ガンダムシリーズより、SDガンダムシリーズの方が人気が上回っていた時期もあったとか(この作品が発表された時そうっだたかはちょっと分からないですが)

駄弁者:
 SDガンダムがどうだったかはよく分かりませんが、「魔神英雄伝ワタル」とか「魔道王グランゾート」とか頭身の低いロボットが流行っていた時期、ありましたね。出典の初出は90年らしいのですが、そのぐらいの頃だったんじゃないでしょうか。



「私も もっとやせたくて体重落とせるところはないかなって思ってた
 やっとそれをみつけたの
 外がダメならさぁ 中身をとっちゃえばいいんだよ」

 出典: いしかわえみ「絶叫学級 29時間目『美女の条件』」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 りぼんで連載している「絶叫学級」という漫画からです。
 一話完結のホラーアンソロジーで、少女の幽霊がホスト役で存在するもののその結末はオカルトの他に猟奇犯罪によるミステリーやSFと幅広い作風を誇る作品なのですが、件の話はある日突然痩せて美しくなった太田さんが主人公にその「秘密」を語る台詞です。そして太田さんの体の中心には「絶世美女クリニック」の施術で「中身」を取り出した時の醜い縫い目が。

駄弁者:
 中身と言っても脂肪を吸引するぐらいなら、ごく普通(…とまではいかないか)の肥満治療なんですが。
 でも中身をとっても替わりに何か詰めとかないと、体重は落ちても美しくはなれないんじゃ…。



非道く単純な恋愛小説であるところの私の目的は、ごくごく素朴なラブストーリーを単純に賛美し、
拡大再生産して暴走させていくことにあり、そこに不平が持ち込まれる理由を思いつくことは全くできない。

 出典: 円城塔「Your Heads only」  『Boy's surface』に収録

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
 九つの断章からなる「非道く単純な恋愛小説」。語り手である「作品そのもの」は、あなたに「この9つの断章を読み、面白かったなら次に進み、面白く無いと感じたらまた最初から戻って読み直せ」と頼む…。
 頑張って読んでは見たものの、全然理解できた気がしない円城塔より一言。
 この一言が作中で一番腹筋にきました。自分で自分のことを「非道く単純な恋愛小説」と言ってしまう小説作品って!作品の難解さも相まって「それはひょっとしてギャグで言ってるのか(byメカ沢新一)」と何度も突っ込みたくなりました。
 自分で自分のことを「非道く単純な恋愛小説」と断言する小説も始めてですが、さらに言えば僕は小説そのものに指図されるのも初めてです。なにそれこわい。

駄弁者:
 理解できた気はしていなくても、部分部分で面白かったり美しかったりするんだから始末が悪い(笑)。
 自分のことを「ごくごく単純」などと言う手合いがその通り単純だったためしがないのは、人間も小説も同じ?



「身長38メートルのお嬢さんが"かよわい≠ニは思えませんが」
「言葉に気をつけろ 38メートルのお嬢さんの気分を害したくないだろう?」

 出典: 伊藤伸平「まりかセヴン 『人形使いと牛丼 後編』」

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 無数の東京都民に寄生して食い逃げ行為を行っていた奇生体カリエス。
 セヴンの策によって宿主の体を追い出され巨大怪獣と化したカリエスに対して変身して対峙するまりかでしたが彼女は大の虫ぎらい、ダンゴ虫やフナ虫にそっくりなその姿から思わず顔を背ける巨大まりかに襲いかかるカリエスに放たれる陸自の戦車部隊の援護射撃。
 着弾がブレイド(政府や自衛隊における巨大まりかの呼称、“まりかセヴン”はまりか愛しの田子ノ浦先輩が勝手に名づけたもの。)に近かった事を咎める戦車部隊々長と部下の会話が投稿の台詞ですが、いやとても大事だと思いますよ、相手が身長38メートルあろうと手から破壊光線を放とうと女性をちゃんと女性として扱うというのは。
 「怪獣に踏まれて死ぬなんてある意味戦車兵の花道だな」後のエピソードで強力怪獣バルギブロスとの戦闘でこうのたまってくれたこの隊長さん。
 「いざとなれば女子高生を排除して宇宙人とだけ交渉することは可能です」と発言した幕僚総監部のお偉いさんよりも人間味があって共に怪獣と戦う仲間としての気概を感じさせてくれて地味に気にいっています。

駄弁者:
 あまり38メートル38メートルと連呼していると、怪獣より前に背の高さを気にしている女の子に踏まれますよ。



怪獣と戦うのは自衛隊の伝統だけどよ!

 出典: 柳内たくみ(竿尾悟)「ゲート(GATE)1」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 いきなり銀座に開いた異世界とのゲート、そこから現れた帝国軍はこの地の征服と領有を宣言して、市民への攻撃を開始したため、日本政府は自衛隊の出動を決断、帝国軍に壊滅的打撃を与えます。そして、異世界を探索するために、自衛隊から偵察隊を編成して、異世界に送り込むのですが、そこで、偵察隊は炎龍と遭遇して異世界の住民を守るために戦う羽目になります。上記はその際の自衛隊員の1人の科白です。
 確かに、自衛隊はゴジラを筆頭に数々の怪獣と映画等で激戦を行ってきました。世界中の軍隊の中で、怪獣との対戦経験が一番多いのは自衛隊ではないでしょうか。でも、それはそれぞれ別世界での話のはず。それなのに、自衛隊員が上記の科白を吐くというのは、メタ発言もいいとこのように思えて笑えてなりませんでした。なお、伝統のおかげか、この作品での自衛隊は炎龍の撃退に成功しています。ちなみに私はコミック版を参考にしたので、小説版では違う科白かもしれません。

駄弁者:
 ひょっとしたら外国との対戦経験より多いかもしれません。…それはそれで、自衛隊の名にふさわしいことじゃないかと。
 もっとも戦って勝つのはあまり伝統となっていなさそうなのが、ちと問題ではありますが。



やっぱりあちしはしいたけが好きだなっていうふうにおもいました。

 出典: サンライズ制作「カウボーイビバップ Session#17オーディオコメンタリー マッシュルーム・サンバ」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 最近Blu-ray BOXが出ることになったカウボーイビバップより(まぁ、載る時は発売後かもしれませんが)
 これは2004年12月23日に発売された5.1ch DVD-BOXに収録されたオーディオコメンタリー(今回のBlu-ray BOXにも収録されます)で菅野よう子さんが最後に言ったまとめの一言から
 もっとまともな感想言えよ!
 これ聞いててエドのモデルが菅野よう子と納得しました。

駄弁者:
 しいたけが入っていれば、肉なしチンジャオロースでも許せる!?



怖くない!怖くなどないぞ!!
幽霊も妖怪も科学的に見れば存在し得ないのだ〜っ!!
…(中略)…
怖くはない…しかし…
存在しないはずだからこそ、いざ本当に出現されたりしたらどうしたらよいのかわからんのだ!!
熊やライオンなら猟友会にでも撃ち殺してもらえばいい…
しかしはじめから死んでる幽霊や妖怪はどうやって排除すればいい!?

 出典: 柳田理科雄原作・筆吉純一郎漫画「Dr.猫柳田の科学的青春 1巻第6話『空想お化け大作戦。【幽霊や妖怪の存在について、科学的に考えよう】』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 居候しているネッケツ家の長女ミチルと共に妖怪映画を見に行った猫柳田愛吉。その帰り道に彼は蛙が跳んだ物音に異常に驚き、怖がっていた事をミチルに気付かれてしまう。投稿したのはそのシーンで猫柳田が言った台詞。
 このエピソードでは幼少期のモドキング(『空想科学大戦』シリーズで地球侵略を企む異星人)が登場し、幽霊や妖怪をモデルにした生物兵器「恐怖生物」で地球侵略を試みている。だが、ターゲットに選んだ猫柳田がミチルに妖怪や幽霊がいかに非科学的かを説明している後ろで指摘通りの現象が発生して自滅、結局存在を気付かれる事すらなかった。

駄弁者:
 某O教授よろしく、「プラズマだから怖くない!」と言えばいいのに。…「プラズマ」で片づけるのが科学的なのかはともかく。



「どうしよう…
 胸のドキドキが止まらない…
 変人でも狂人でも古代ローマの深い話ができるなんてゾクゾクする」

 出典: ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ 第19話」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 ここでも人気があるテルマエ・ロマエから、古代ローマを愛する女性古代学者の小達さつきが突然出現した古代ローマ人を名乗る西洋人と会話をする為に麦茶を注ぐシーンの台詞です。以前投稿した地平線でダンスにつづく女性作家による女性学者の台詞パート2で、また女性のマニアのときめきを端的に表現した名台詞だと思っているんですけどね。

駄弁者:
 「テルマエ・ロマエ」、よく連載が続いていると感心しますが、ちょっと方向性が変わってしまったのが残念ではあります。
>>変人でも狂人でも古代ローマの深い話ができるなんてゾクゾクする
 ルシウスさんみたいないい体した男前じゃなくても、ローマ人でさえあれば惹かれたのかなあ…。
 変人でも狂人でもSFの深い話ができるなんてゾクゾクする、という女性は…まあ、いたらいい友人にはなれそうですけどね。



「俺は40年間潜伏してきた。もう攻撃しなくても俺達の手に落ちる確信をした。人間は便利なツールでどんどん退化し始めた。新しい道具で年々脳が萎縮し始めた。そのスピードを少し速めただけ」

 出典: 小林雄次脚本「ウルトラマンマックス 第24話『狙われない街』」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前Mr.Spockさんが投稿されたウルトラセブン第8話の続編からの名文句です。
 以前メトロン星人により煙草に仕込まれた宇宙ケシによる暴徒化事件が続発した北川町で、再度同様の事件が発生します。
 携帯電話のアンテナ……と思わせて携帯電話用の電波で人々を暴徒化させている事に気付いたDASHは、かつての事件同様メトロン星人の仕業である事を突き止めます。
 対峙したカイトに侵略をやめるよう言われたメトロン星人の台詞が今回の名文句です。
 ウルトラセブン第8話では「遠い遠い未来」とされていた、地球人が宇宙人に狙われる程お互いを信頼している世界。果たしてその未来を取り戻す事ができるのでしょうか……。

駄弁者:
 「攻撃しなくても」と言ってますが、かつて侵略の障害だった人間同士の信頼関係を人為的に壊そうとしている点は変わってないのでは…。タバコが流行らなくなったから、電波に変えた?



「ねえロック、私 以前から聞いてみたかったんだけど、その…」
「? なに?」
「女の人を好きになったことは…ないの?」
「! ぼくが?」
「……………え…え」
「たくさんいるよ! ああ、ちょっと思い出しただけでも……」
「ずっと 一生 一緒にいたいと思うような人は?」
「一生?ずっと? むずかしい問題だね。ずっと一生というのは」
「あなたが長生きなのは知ってるわ。ほとんど不老不死」
「! 自分はどんどん年をとっていくのに、相手は出会ったその時のままの姿で、何年も何十年も。そういうことに耐えられる人は めったにいない」

 出典: 聖悠紀「超人ロック アウタープラネット」

紹介 :ラッキー・チャンス 様
HP :

コメント:
 今回と次回は、大河コミックと呼んでも差し支えないほどの大長編、超人ロックから少々長めの会話をお届けします。
 今回引用のセリフ、時はエスパーの迫害期。銀河連邦軍情報部のエスパー部隊に所属するフランシス大尉は、女性ながら連邦でも選り抜きのエスパーたちを率いる有能な指揮官でしたが、伝説のエスパー「超人ロック」に対して強い憧れを持っていました。そして、任務の過程でロック本人と出会い、敵対しながらも次第にロックに惹かれていきます。やがてエスパーを道具として扱う連邦軍のやり方に失望したフランシスは、とうとう軍を脱走してロックについていこうと決意します。引用のセリフは、まさに軍を脱走して逃げている最中のフランシスとロックの会話です。
 ロックは自分の超能力で何度でも際限なく若返って何千年も生きることが出来ますが、彼の力をもってしても、他の人を永遠に生かすことはできないようです。つまり、全ての人がロックを残し先に逝く。超人ロックにとって、とてつもなく巨大な超能力もさることながら、何よりも不死者であるということが、当たり前に生きることを許さない最大の十字架なのかもしれないと思うのです。彼は不老不死で、体が傷んできたら赤ん坊からやり直す必要があるらしいのですが、意識的に老人になろうとしない限りはずっと肉体年齢の若いままでいられます。しかしそれは、歳を取らねばならない人々と暮らす際には極めて異常なこと。単に気味悪がられるということでなく、ロックと相手との人間関係にとって、深刻な障害になりかねません。出会った時に年上だった人が、やがて同い年になり、年下になり、老境を迎える頃になっても若いままだとしたら、そんな人のことを心の中でどう位置付ければいいのでしょうか。

駄弁者:
>意識的に老人になろうとしない限りはずっと肉体年齢の若いままでいられます
 あれ? つまり、ロックにつきあって不老不死でいられる人はいないけど、ロックの方が相手につきあって老いることはできるということ? 
 「自分は年をとらずにすむのに、相手と同じように何年も何十年も老いていく。そういうことに耐えられる人はめったにいない」とも告白しないといけませんね。



「クラタス」はアート作品です。通常の乗り物と異なり、安全性・快適性は保障されませんが、「ロボットのパイロットになる」という人類の夢を保証します。

 出典: 水道橋重工「クラタス PV」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 技術の進歩は様々なSFガジェットを現実のモノにしてきましたがこの度現実がまた1歩SFに近づきました。2012年夏の「Wonder Festival」にて、かつて「装甲機兵ボトムズ」のATの1/1モデルをつくりあげた水道橋重工が今度は人が乗り込み操縦することが出来るロボット「クラタス」を発表したのです。
 投稿文はクラタスのPVの注意文より。まだまだ「作品」の域を出ず、これが実用化されるかは分かりませんが人類の夢に1歩近づいたのは確かです。 http://suidobashijuko.jp/

駄弁者:
 すごい、これ本当に販売してるのか…。
 ウェブサイトでオプションやカラーリングを選べるようになっているけど、そこで価格も出ていて、オプションを全部外しても1億円…。現実に1歩近づいたぶん、ある意味で遠ざかってしまったような。
 でも、この価格でもけっこう受注あるみたいですね。



Sukina Mono
Itigo Ko^hi^ Hana Bizin
Hutokorode site Utyu^ Kenbutu.

 出典: 山田一郎「寺田寅彦覚書」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 寺田寅彦の有名な戯れ歌を投稿します。
  「苺」という小さなものから、「宇宙」という極大へ。「好きなもの」という主観的なものから「見物」という観察的なものへと縦横無尽に思いを馳せたものです。
 寺田先生自身はSFには関心がなかったようですが(ウェルズやヴェルヌは読んでいるのですが、どれも否定的な感想しかしていません)科学や文学に対する真摯な姿勢は本物であり、それをユーモアで包んだこの戯れ歌は、我々が通常読んでいるSFとは違う形での科学と文学をつなぐものがあるということの証明だと思うのです。 (改めてDa・Benchで回答してしてくださった土佐衛門様・ひらがな様・好古真之様回答ありがとうございました。ちなみに本文中には投稿文は平文でかかれておりますが、出典書籍に写真掲載されていた、風呂敷に染め抜かれていた文章を元に投稿しました。)

駄弁者:
 普通の人にとっては観察的な対象を、「懐手して見物」と自分の主観に包み込んでしまう粋な表現がさすがと感じます。
 ところでその風呂敷、復刻販売したらファンにけっこうウケそうな気が…。
(すみません、ローマ字の長音記号つき母音は、シフトJISでは入れられませんでした)



「でも、どっちにしても死にたいと思っているなら、どうして――どうしてあなたの死と霊を暴力で汚そうとするの?」
「復讐は汚れだと思うのか」白いゲジゲジ眉が吊り上った。「復讐は栄光だ、ラス。私の栄光であり、妻に対するわたしの務めだ。」

 出典: ダイアナ・ガバルドン「遥かなる時のこだまIII」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 かつて、ヤング・イアンに過って妻を殺されたアーチ・バグは復讐を誓い、ヤング・イアンの恋人レイチェル・ハンターを襲撃します。上記はその際の2人の会話です。ヤング・イアンは、自分の命で償うとまで彼に以前言ったのですが、彼は納得せず、ヤング・イアンを自分と同じ目に遭わせてやると言って去り、彼女を襲撃したのです。
 被害者感情を思えば、彼の主張は分からなくもないのですが、何の罪もない彼女を襲うのを肯定することは私にはできません(ヤング・イアンが彼の妻を過って死なせたのは、彼がヤング・イアン達を襲ったのが遠因でした。)。彼に言わせれば、私の妻も何の罪も無かった、このことで処刑されるのは、私にとっては栄光であり、妻への義務だということになるのですが。本当に復讐というものをあらためて考えさせられました。

駄弁者:
 別の作品で、復讐者に対して倫理的な言葉が通じないというめい文句はありましたが…。こっちは復讐こそが倫理にかなうと言わんばかりの口ぶり。さて、どっちがより始末に負えないでしょうか。
>妻に対するわたしの務めだ
 だとしてもレイチェルが務めに協力する理由はないわなあ。



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