SF名文句・迷文句第155集

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あのさ、涼宮。『しあわせの青い鳥』って話知ってるか?

 出典: 谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしの所に来なさい。以上」
 高校の入学式の日、この物語の主人公であり語り部でもあるキョン(本名不詳)の後ろの席になったヒロイン涼宮ハルヒは自己紹介の際に(挿絵を見る限り)大まじめな表情でこう言い放ちます。
 さらには曜日によって髪を結ぶ場所の数を変えたり(月曜日はストレート、火曜日は一カ所、水曜日は二カ所……)、中学時代には夜中の学校に忍び込んで校庭にラインカーで謎の地上絵を書いたこともあることが判明したりと彼女のブラックボックス性(僕が勝手に作った造語ですが)が次第に明らかになっていくのですが、キョンは何の因果かハルヒの奇行に巻き込まれ、ハルヒは彼の他に常に黙って本を読んでいる文芸部員長門有希や任意同行してもらってきた(と本人は言っているが明らかに力ずくで拉致してきた)一学年上の美少女朝比奈みくる、(少なくとも初登場時は)どう見てもただの男子生徒なのに五月に転校してきたと言うだけでいわゆる「謎の転校生」だと決めつけられた小泉一樹を加えた五人でハルヒ曰く「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶ」ための同好会SOS団を無理矢理結成し、実際に宇宙人や(中略)を見つけるためにキョンにSOS団のホームページを作らせたり、休日に招集をかけて市内を手分けして調査したりを東奔西走するのですが、もちろん宇宙人や(中略)の姿どころか痕跡らしきものさえも見つかるわけありません。
……と思いきや、物語が進むにつれハルヒの知らないところで衝撃的な事実が次々と明らかにされていきます。なんとハルヒとキョンを除いたSOS団のメンバーたちはそれぞれ宇宙人の手先(?)、未来人、超能力者だったのです。しかも彼らがハルヒの周囲にいるのにはハルヒ自身の能力と関連があるとのこと。
 とにかく宇宙人や(中略)が目と鼻の先にいるのに全く気づかずに必死こいて探し続けるハルヒ。
そんな彼女に対してキョンが言ったのが上記の台詞です。このコメントの冒頭の台詞とどちらを選ぼうか迷ったのですが結局こっちにしました。 ……え? どうしてこっちなのかって? それは――(次回の投稿に続く)

駄弁者:
(一部、ネタバレかと思われたので隠させていただきました)
 いささか騒がしい「青い鳥」だし、ハルヒにとってはともかく巻き込まれた側にとっては「しあわせの」なのかも疑問…いや、次のご投稿のセリフを見るかぎり、そうでもなかったのか。



この涙を見て。機械油よ

 出典: 川内康範原作「愛の戦士 レインボーマン第41話『サイボーグ1号との戦い』」

紹介 :水谷秋夫 様
HP :

コメント:
 インドの山奥で修行するレインボーマン。インドでススキが生えているレインボーマン。マカオなのにどいつもこいつも日本語しか話さないレインボーマン。大人になって再度見て一番衝撃的だったのは、学校の教室で行われていた閣僚会議。
 しかし、役者さんの演技が真剣。正義の味方は正義感丸出し。敵は悪に徹して、主人公の家族と恋人はどこまでも主人公を心配し続けます。
 子供だましなんですが、照れがない役者達の熱演が素晴らしかったのだ、と再認識しました。
 思えば日本の石油備蓄量が三ヶ月分しかないとか、貨幣流通量が急増すると通貨不安が起きることとかを教えてくれたのもレインボーマンでした。放映は1972年。石油ショックの一年前。
 さて科白は「並の人間じゃない」と言われた、死ね死ね団キャシーの流した黒いオイルの涙から。この場面ばかりはサイボーグ戦士となった彼女の悲哀を感じました。

駄弁者:
 実物の放映は一度も見たことがないのですが、「インドの山奥でんでん虫むっくりカタツムリ…(途中略)…レインボーマン!」という替え歌(…なのか?)は、小さいころ結構はやっていた記憶が。



「待ちに待ったネット23スペシャルだよ! 最もムダでカネばかり掛けた番組を賞する時間だ。さて、本年度『しようもない賞』は誰の手に! 審査員の厳しい目が『ドブに捨てたカネ』を選びます。さっそくノミネート作品を! …じゃあ、また後で」

 出典: ABC(米)制作「マックス・ヘッドルーム 第5話『近未来ネットワーク戦争』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 第五話のラスト、一件落着した後のマックスの独白です。
 これのどこが面白いかといいますと(ああ、またジョークの説明だ…)。ビデオ版では、この台詞の直後に切れ目があり、その後次の場面(またマックスの独白)に続きます。本放送では恐らく、この切れ目部分にCMが入っていたはずです。
 つまり『ノミネート作品』とはコマーシャル映像のことです。番組中の架空のCM(頻繁に出てきます)ではなく、現実の、本物のスポンサーによるCMです。
 スポンサーさえコケにするこの番組。「CMのあいだにトイレを済ませてください」という軽いジョークが問題になるどこぞの国では、到底実現できないネタですね。「ネットワーク23はまだまだ続くよ!」

駄弁者:
 しかし、ご投稿のセリフだとどんなに「しょうもない」のか興味を引かれて見る視聴者も多そうですが、「CMのあいだにトイレを済ませてください」では、面白かろうとしょうもなかろうと、TVの前を離れてしまいますよね。
 お国柄もさることながら、ジョークのセンスにも問題があるんじゃないでしょうか。



「後がないわ、ベン。何よりも査定が大事。取引をして」
「ベン、我々はテレビ屋だ。モラルもいいが視聴率こそ命だ」
「他局に渡すならウチで」
…(中略)…
「買いだ」「視聴率だ」

 出典: ABC(米)制作「マックス・ヘッドルーム 第5話『近未来ネットワーク戦争』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 前回の続きです。
   途中までのあらすじは…恐れ入りますが前回の投稿をご参照ください。
 エディスンのスクープにかかわらず爆弾テロは続き…今度は”広告市場”で爆破が起こり、実際に怪我人も出ます。「テロはウソ」はウソだったのです。
 テロ情報をブレイクスルーTVに売り渡していた”番組屋”ブラドックは、今度はネットワーク23へ売り込みをかけます。時は視聴率査定期間の最中。23社長ベン・シェビオットは「テロリストと取引をするべきではない」と考えますが…。
 投稿の台詞は重役会議でのひとコマ。シェビオット以外の重役全員がブラドックとの取引を迫ります。その重役の一人は”広告市場”の爆発でケガをした当人なのです。説得を受けたシェビオットの決断は、もちろん…。

 言うまでもなく、現実世界のメディアに対する痛烈な皮肉です。これが人気テレビシリーズの台詞だってのがまた皮肉な話。「ネットワーク23はまだまだ続くよ!」

駄弁者:
>モラルもいいが視聴率こそ命だ
 ここまで至っては、視聴者側が「TVとはそういうものだ」と分かった上で楽しむことにするしかないのかも。英米ではニュースや新聞を批判的に見るメディアリテラシーが、教育に取り入れられているところも多いと聞きますが。



今後、どれ程多くの災いが降りかかろうと、我々を護る為に戦っている仲間を、見殺しには出来ない。我々は…… 臆病者ではない! 機龍を出動させる! この戦いを、ゴジラとの最終決戦とする!!

 出典: 手塚昌明監督「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 前編での機龍の戦い振りが大変かっこ良かったので数年ぶりに劇場で鑑賞した後編。
 純粋に楽しむという点では前編より劣っていると言われている後編ですが、個人的にはこちらの方がかなり楽しめました。 配役が支離滅裂から無難へとランクアップしたのが一番の理由ですが主演の役どころが機龍のパイロットから整備士へと変わったことで機龍への愛着というか思い入れが強く感じたというのが良かったと思います。
 そしてモスラの登場。 他のシリーズでは羽根がカッチリと作られ、ただ上下しているだけにしか見えなかった羽ばたきが今回は昆虫らしくしなっていたのは好印象。そしてゴジラの進行を止めるために命を賭しての燐分攻撃には感動。その余りにも健気なモスラを見て機龍出撃を命じる五十嵐総理もまたすごくかっこいいんですよ!
 機龍のアクションは前編に比べていささかおとなしくなったような感じはしたものの、要所要所ではしっかりと決めてくれます。 右手首がドリル状に変形する新型の近接兵器「スパイラル・クロウ」をゴジラのどてっ腹にブチこんで肉を抉り取った後、そこへトドメの3連メーサーを叩き込むシーンでは思わずガッツポーズ!
 ラストへの展開は意外とあっさりしていましたが主人公と機龍との交流が描かれたシーンもありお腹一杯の満足が得られた後編でした。
 シリーズの中ではワースト四位の興行収入だったそうですが、私は大変気に入っております。

駄弁者:
 前に出ていた米大統領がらみの名文句の感想で「それに比べて、日本の首相は駄目駄目ですなぁ。」などと言われてましたが、こちらの首相は頑張ってますな。
 ゴジラに出てくる日本国首相と言えば、1984年版の方の名文句もありました。



当校映研ノ作業ニ依ッテ得ラレシ音ト光ノ芸術ハ、百三十一分全テガ
「飲ンデ壊ス」
ノ永久運動。コレハ地獄か極楽カ。
「史上最強ノ臨場感」
トノコトダガ、
「ソレシカ無イ」
ト事務課ハ試写会ノ強行中止モ検討中。ヤアユカイユカイ。

 出典: 川上稔「閉鎖都市 巴里 上巻」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
また新しく見つけた川上稔作品の謎物件です。カラーページ『「四十三年度・学園祭」試写会ノ報ラセ』より抜粋。その他写真の『■本紙記者モビックリ昇天! ●本誌記者ニ直蹴ヲ放ツベレッタ嬢(スタントマン未使用)』も笑!

駄弁者:
 著者ホームページにあるこの作品の基本コンセプトの前半部、「1:やったもん勝ち 2:そのネタが必要不可欠な世界を作れば勝ち 3:疑問を持たせなければ勝ち」が、威勢良くて気に入りましたが…(あと文字情報があって初めて存在が可能になる、という設定も)。
 ただ、この名文句集のご投稿がきっかけで試してみた同著者の「終わりのクロニクル」の文章が、どうにもくどく感じられて、私には性に合わなかったんですよね…。



頭上には、遠くの遠くにきらめく光──満天の星だ。あまり遠くて、行きつくことができないといわれている。その星だ。が、嘘だ。きっと行ける。ロケットでいけないとしたら、他の何かで。何かしら方法はあるはずだ。

 出典: フレドリック・ブラウン「天の光はすべて星」(田中融二訳)

紹介 :くうねるよむとぶ 様
HP :

コメント:
 私のなかでブラウンは、「発狂した宇宙」のようなアイデア勝負の作家だと思っていたので、このような哀愁ただようまじめな作品を読むと新鮮な驚きを持ちました。
 名文句の部分はあとがきの解説でも書かれているように、SFの原点ともいえると私も思いますので紹介しておきます。

駄弁者:
 私にしても、読んだことがあるのは「星ねずみ」に「ミミズ天使」「スポンサーから一言」、長編では「火星人ゴーホーム」と、皮肉の効いた作品ばかりですね。
>何かしら方法はあるはずだ。
 この「何かしら」のヴァリエーションが、そのまま宇宙SFの系譜になりそうです。



自分がどこまで遠くへ
行けるかが知りたいって…
心の底から思った。

 出典: 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 「知らない街を 歩いてみたい」とよくいいます。
 あの山の向こうはどうなっているんだろう?という所から冒険は始まりました(たぶん)。現代では山の向こうには別の街があるだけですけど。
 「地べたにゃもう飽きた」彼らが向かった先は宇宙でした。
 もう一人の主人公、「ロストマン」。彼がなぜそう呼ばれるようになったかを彼自身が語ったセリフ(の一部)です。

駄弁者:
 前回の名文句とセットでしょうか。
 出典の方は、WOWOWで今月からアニメ放映してますね。
>現代では山の向こうには別の街があるだけですけど
 ちょっと前まで、仕事行くのに毎日山越えていたからなあ(じゃなくてくぐって、か。トンネルだし)。



おれが他の星でどんな汚い仕事をしようと、お前たちへのおれの気持は純粋なのだ。

 出典: 筒井康隆「モケケ=バラリバラ戦記」  『筒井康隆全集 15』に収録

紹介 :Schweik 様
HP :

コメント:
 主人公タンの独白です。英雄が活躍している舞台裏ではタンのような兵士が大量生産されているのですね。

駄弁者:
「宇宙のひと隅、共に地球の植民星であるモケケとバラリバラは、露骨なモケケの侵略主義のため、今や一触即発の危機にあった」(本文より)。
 バラリバラの行商人・タン・ナガトはモケケ=バラリバラの戦争に巻き込まれ、不条理な運命を辿ることになる。妻子との再会を願いながら、次元さえ越えてしまう変転の果てには…? ラストを見てからこの言葉を読み返すと、いささか虚しさを感じてしまいます。
 ところで、この出典を読むために、図書館で『筒井康隆全集 15』(新潮社,1984年刊)を借りてきたのですが、その巻末に「特製LPレコードプレゼント請求シール」なるものが。一体、どんなレコードだったんだろう?



我々は、独りではなかったのだな……。

 出典: 本郷あきよし原作・角銅博之演出「デジモンアドベンチャー02」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
デジモンって、SFですよね? 現実世界の各地に現れたデジモン達を彼らの世界に帰すため、世界中を飛び回る主人公たち。中印国境でインドのはぐれデジモンと中国軍が衝突寸前になり、彼らは解決策を模索します……。 SFとしてはあまりにも陳腐すぎる台詞ですが、発言者が中共の軍人ともなれば、また感慨深いものがあるというものです。 しかし、子供向けアニメに現実の国境紛争を取り入れるか、普通。

駄弁者:
>デジモンって、SFですよね?
 いやあ、ちょっと微妙…。
 ところで中国軍が衝突寸前になったのは、相手がモンスターだったからなんでしょうか、それともインドから来たせい?



「で、刑事さん、俺たちゃ何をすればいいんすか?」
指を突き出すフライト刑事―呻き声。
「よせ、それ以上、何もするな」

 出典: 冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ」

紹介 :あるい 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです。「マルドゥック・スクランブル」の前日譚のヴェロシティからです。戦争で負傷した兵士達を特殊技術(サイボーグ009のようなもの?)によって特殊能力を持たせたものの、戦争が終わり、兵士達は廃棄処分を逃れ、自らの有用性を証明するために、「マルドゥック・スクランブルーO9」すなわち、O9法案のエージェントになって特殊能力を使いその最初の事件を解決したときに仕事を共にした一般人の刑事からの指示です。
 もしもスーパーヒーローと一緒に仕事をしたときには、一般人は唖然とするだけでしょうね。

駄弁者:
 フライト刑事が「何もするな」と言っているのは、彼らが「スーパーヒーロー」と無邪気に称するには、いささか流血量の多い面々だったからなんじゃないかと。



何故、他の星ででも生きようとしなかったんだろう…。僕だって、同じ宇宙人じゃないか。

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン 第37話『盗まれたウルトラ・アイ』」

紹介 :春夏秋冬 様
HP :

コメント:
 ウルトラセブン全49話(第12話を除く)を観た中で、最も印象に残っている台詞がこれです。
 故郷のマゼラン星に見捨てられた宇宙人、マヤに同情し、ダンはマヤを受け入れる訳ですが、彼女は自らの意思で死を選びます。その後のダンの台詞。
 この台詞を言いながら、悲壮感溢れるBGMと共にダンが街を練り歩くラストは、秀逸としか言いようがありません。

駄弁者:
 ウルトラマンの派手な立ち回りのないところが、かえって深い味を出しているところですが…。
 しかしウルトラマンとマゼラン星人が「同じ」宇宙人だというのは、視点が地球人的になってしまっているんじゃないでしょうか?



「もう一度、エキゾチック・ジャングルを歩いてみたかったよ」

 出典: 森岡浩之「星界の戦旗3 家族の食卓」

紹介 :万太郎 様
HP :

コメント:
 愛する故郷を守るために、その故郷と永遠に決別する選択したジントの台詞です。なんとも悲痛なこの台詞に、おもわず目頭が熱くなったのはわたしだけでしょうか? 彼が生きて故郷の地を踏むことはないでしょうが、いつか故郷の人々にこの選択が英断だったと見直されて彼の身が故郷の地に返される日が来ることを願わずにいられません。

駄弁者:
 前作「星界の紋章」でのジントの言葉、「生まれもった自由を売り払った値段で、人生の価値は決まるんだ」を思い出します。ここでジントが犠牲にしているのは「自由」とは少し違うと思いますが、しかし、亡命して故郷に帰るという選択肢を売り払って、自分の人生の価値を得ようとしているわけですし。



「わたしが悲しむ、それでは不足か?」

 出典: 森岡浩之「星界の戦旗1 絆のかたち」

紹介 :万太郎 様
HP :

コメント:
 「まあ、ぼくの場合、死んでから何年もたって悲しんでくれるような人間なんていないからいいか」
 数奇な運命で、幼い頃に売国奴の息子として追われるように故郷を離れた上、その故郷が敵国に侵略されてしまったため、自分のことを天涯孤独に感じているジントが、死者の誕生日にその者の知人で晩餐を開くというアーヴ独特の弔いの席に向かう際にこう呟きました。上の台詞はそれに対するラフィールの言葉です。
 この巻の副題が「絆のかたち」なわけですが、この台詞で二人の絆が窺えます。この二つの台詞、会話として一つのシーンでやり取りされたのではなく、後のシーンにてラフィールが爆発寸前の戦艦に取り残されたジントを救出した際に、思い出したように言いました。ジントの思いがけない孤独の嘆きに言葉が詰まり、その言葉を反芻して、彼と自分の間にある絆に気づいたのだと思います。

駄弁者:
 この「星界の戦旗」のスタート時点で、ジントとラフィールの「絆」はすでに盤石のはずなので、ジントの「悲しんでくれる人間なんていない」という言葉は、ラフィールにとっては不本意だったんじゃないかと私には思えます。
 ラフィールの言葉はジントにとって男冥利に尽きるというものですが、こういう言葉を恋人に言わせるのは男がすたるってもんじゃないかと。



「戦闘などもう古い、そう悟った。革命の火は燃え上がるだろう、次のテレビ番組まではね。本物の戦闘など不要さ。わが闘争はこの中でやる──テレビさ」

 出典: ABC(米)制作「マックス・ヘッドルーム 第5話『近未来ネットワーク戦争』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
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コメント:
 ※ コメントにネタバレが含まれているとのことで、投稿者のご希望によりコメントを隠しております(駄弁者)
 テロ集団”白い旅団”の本拠とおぼしき場所へ乗りこんだエディスン。しかしそこは特撮スタジオでした。ブレイクスルーが生中継した爆破テロは、実は特撮だったのです。
 投稿は”旅団”のリーダーの台詞。これ、実現できそうで逆に怖いですね。人口の少ない、たとえば離島あたりでテロをでっちあげるのは比較的簡単そうです。犠牲者ゼロでよければなお簡単。
 それほど大掛かりなネタでなければ、でっちあげは日常的に行われてるようですが。納豆にダイエット効果が…とか。「ネットワーク23はまだまだ続くよ!」

駄弁者:
 テロをTVの特撮でやれるなら、テロ対策も特撮で済ませることができるかも…。空爆とか、犯罪人の処罰なんかもでっち上げて。
 昔、実は存在しない架空の大軍団をでっち上げて、敵をパニックに陥らせるというSFもありましたが。



「いつからニュースはエンターテイメントになった!?」
「最初からさ」

 出典: ABC(米)制作「マックス・ヘッドルーム 第5話『近未来ネットワーク戦争』」

紹介 :歌鳥 様
HP :
http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/

コメント:
 ※ コメントにネタバレが含まれているとのことで、投稿者のご希望によりコメントを隠しております(駄弁者)
 この番組には珍しい”名”のほうの台詞です。
”白い旅団”と名乗るテロリストが無人の廃墟を爆破。ブレイクスルーTVは”旅団”と独占契約を結び、爆発の瞬間をリアルタイムで放送する権利を得ます。思うように取材ができずに怒り心頭する、ネットワーク23のエディスン・カーター。投稿はエディスンと番組プロデューサー・マーリイの会話です。納得のいかないエディスンにマーリイは「視聴率の査定期間だから当然だ」とブレイクスルーの行為を正当化します。
 最初に耳にしたときにはドキリとさせられました。最近のニュースはエンタ化がひどくてうんざりします。容疑者だの話題の人だのが乗った車を、取材陣がタクシーで追い掛け回す姿など、みっともないの極致です。…が、それを見て楽しんでいる視聴者(自分)がいるのもまた事実で…。
 他人の不幸って楽しいんですよね、悲しいことに。「ネットワーク23はまだまだ続くよ!」

駄弁者:
 確かに意識的にエンターテイメントをやるようになったのはニュース・ショーからかも知れませんが、自分に関係があるわけでもなく、知って具体的に何かするわけでないニュースを見るというのは、結局エンターテイメントなんですよね…。



私にいい考えがある。

 出典: マーヴェル・サンボウプロダクション「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」

紹介 :電撃翼 様
HP :

コメント:
 はじめまして。検索で流れ着いてきました。
初代サイバトロン総司令官、コンボイの迷台詞です。司令官がこう言うと、失敗確定です。
しかも映画では「我々に必要なのはエネルギーと幸運なんだ」と、運に頼ります。
こんなんでよく大丈夫だったなぁ、サイバトロン…。

駄弁者:
 リーダーは実務能力じゃなくて器で勝負ですよ!
 だからドーンと構えていて下さい、司令官。…お願いですから口出さないで。



Fuck you……!!

 出典: デヴィッド・フィンチャー監督「エイリアン3」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 「このシリーズは前作で終わってた方が良かったんじゃね?」と非常に蛇足的な感じがした3作目。
 乗っていた船が囚人惑星に不時着、主演のリプリーだけが生き残って他の二人は既に死亡。設定が強引過ぎなんじゃないスか?
 そんな中で一際目を引いたのが囚人達のリーダーであるディロンがエイリアンと対峙した時のセリフ。
 この星には武器がないため(服役囚しかいないので当然と言えば当然なのですが)、エイリアンを溶鉱炉に誘い込んで上から液体状の鉛をかけるという作戦を実施、そこでディロンが最後の囮となったのでした。
 ディロンの命を引き換えに作戦は成功したもののエイリアンはなおもしぶとく生きていました。そこでリプリーと最後に生き残った囚人が協力してエイリアンに水をかけると熱衝撃の原理でエイリアンは完全に粉々となりました。
でもハッピーエンドじゃないんですよね、この作品。
 リプリーは自身に寄生していたクィーンのチェストバスターと共に溶けた鉛の中へと消えていったのでした。
 ちなみに最後までただ一人生き残った囚人が私の友人と顔が似ているという事で少しだけですが印象に残っています。

駄弁者:
 悪態の定番とはいえ、エイリアンを「犯したる!」とは、よく口に出す気になったなあ。
>「このシリーズは前作で終わってた方が良かったんじゃね?」
 でも、4も出てましたよね。



いいか…… 一人でも突破し、アクシズ艦隊へとたどり着くのだ。
我々の真実の戦いを、後の世に伝える為に……!

 出典: 今西隆志監督「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 ガトーの名言といえば「ソロモンよ、私は帰って来た!」が一番有名ですが、私的にはラストシーンのこの言葉が一番好きです。
 でもねぇ…… 真実の戦いといってもこの戦いで一番得をしたのはティターンズを創設したジャミトフ等連邦軍のお偉方なんですよねぇ〜……
 ガトー達ジオンの残党が行った星の屑作戦の目的はスペースノイドの解放だったみたいですが、結局はスペースノイドを弾圧するこれ以上ないほどの口実を作った以外の何物でもない訳ですから。ニュータイプとは違う意味で純粋だったガトーはうまく利用されただけに過ぎなかったのが一般的な見方かな。
 それでもファーストとZをうまく繋げた役としては良かったです。

駄弁者:
 同じジオンの残党でも系列の違うデラーズの生き残りというのは、アクシズでも冷や飯食わされたんじゃないかなあ、と。
 「後の世」というのを百年単位で考えるなら、10年20年後というよりかえって望みがあるかも知れません。当事者が生きている間は都合の悪い「真実」は表に出ないそうですし。



俺がライダーとして中途半端かどうかはともかく
これだけは覚えておけ
俺の科学力は完璧だ

 出典: 清水 栄一+下口 智裕「Hybrid Insector Chapter:04」

紹介 :春休船 様
HP :

コメント:
 ふと気付くと、日々ゲームやら蔵書の読み返し等で投稿を怠ってました。(ぉぃ
で、なんとなく原稿締め切りを忘れてた漫画家の気分で投稿をば。(ぉぃぉぃ
 今回の出典はモロに変化球。こちらの同人連載漫画からです。(^^ゞ
 悪の組織・ショッカーの脅威を『仮面ライダー』達と、速成『仮面ライダー』の軍団で打ち破った近未来の話。
 だが、かつての英雄達も人ならざる身ゆえに『虫狩り』と呼ばれる人類の迫害を受けていた…。  投稿の文句は、不完全な仮面ライダーであるライダーマンが、『虫狩り』隊生き残りの青年からの攻撃を撃退した際に言い放った科白です。己の技量に対する、この絶対的自信が凄過ぎる!
 尤も直後、その場に居たV3からの感想に「まぁ、中途半端な俺なりの悪あがきさ」と返してますがね。だからこそ単なる自慢では無く、裏の努力(及び、それを実現できる実力)も垣間見える名文句だなぁ、と。
 SFに限りませんが。台詞回しって奴はツボに嵌るとホントに引き込まれますねぇ。この漫画も、絵柄もさることながら、良い味を出してる台詞回しが多いので。(^^)
 例えばV3がダブルタイフーン発動した際の科白「死なない程度に 砕け散れ!!」とか。(笑) ちょっと矛盾した言い回しだけど、手加減して半殺し程度に抑えたい気持ちが見えて…これも名文句なのか?!(w

駄弁者:
 読んでみました。なかなか面白かったです。ショッカーとの戦争後、正義の使者「仮面ライダー」が怪物「Hybrid Insector(混成昆虫)」として迫害されるという世界設定が特に。
 ご投稿の文句も(そういえばライダーマンって科学者だったっけ…)、コンプレックスと自負が同居した、いいセリフだと思います。



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