第184集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第186集を見る
たとえばある町に、五百年に一度人が降るとしてみよう。その出来事は伝説にはなるかも知れないが、ただそれだけの話でもある。目撃した人間はやがていなくなってしまうし、結局のところ法螺か錯覚というところで折り合いがつくに決まっている。たとえば三万年に一度しかおこらない現象とかいうものがあったとして、対応する理屈を探る方法や必要があるのか俺にはわからない。
出典:
円城塔「オブ・ザ・ベースボール」 同名短編集に収録
紹介 :垂直応力 様
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駄弁者:
老いぼれたかどうかは、肉体年齢によっては決まらない。展望があるのかどうかだ。前方に選択肢があって、自分たちの間違いを修正する時間があるかぎりわしらはいつまでも若い。選択肢がなくなって、わしらの間違いが修正できなくなったとき、わしらは生存期間というものの意味がなんなのかを理解する。わしはついいまさっきまで、そんなふうに感じたことは一度もなかった。
出典:
M・M・バックナー「ウォー・サーフ」(冬川亘訳)
紹介 :一志 様
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駄弁者:
低空で襲い来る三百二十五機の戦略爆撃機は二千トン近い爆弾と焼夷弾を投下し、ほんの二時間足らずで八万三千七百九十三人を殺した。
出典:
海野十三原案・ゆずはらとしゆき翻案「十八時の音楽浴・漆黒のアネット」
紹介 :TWR 様
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駄弁者:
私は本部から命を五千個持ってきた。
出典:
古橋秀之「守ってくれる? アダムスキー」
紹介 :唯野 様
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駄弁者:
私はそのフランスを、全フランス人を株主とする合資会社に変えようと思うのです!
出典:
アルベール・ロビダ「20世紀」(朝比奈弘治訳)
紹介 :TWR 様
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駄弁者:
確かに人間には爪も牙もない
出典:
村枝賢一「仮面ライダーSPIRITS」
紹介 :かんきち 様
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駄弁者:
オラ、ひまの素敵なお兄様だから!
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臼井儀人原作・ムトウユージ監督「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃」
紹介 :かんきち 様
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駄弁者:
お父さんは息子(おまえ)に恥じることは何もしていない、正義のために戦っているんだよ、たとえ上司を敵に回してもだ……
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田中芳樹「白夜の弔鐘」
紹介 :らりろれる 様
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駄弁者:
地球の男にあきたところよ
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阿久悠作詞・ピンクレディー歌「UFO」
紹介 :らりろれる 様
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駄弁者:
あなたがたは、原爆も含めて、これまであなたがたが使っていたどんな兵器より遙かに、あなた方の破壊的な傾向にふさわしい兵器で自滅するのだ。
出典:
ウイリアム・テン「もう少し速く歩いてくれないか」(中村保男訳) 『ウイリアム・テン短編集1』に収録
紹介 :TWR 様
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駄弁者:
「ホホホホ、ホホホ。」
出典:
アーサー・C・クラーク原作・ピーター・ハイアムズ監督「2010年」
紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
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駄弁者:
どうしちゃったんだ世界は
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別役実作詞「まるで世界」 NHK『みんなのうた』より
紹介 :土左衛門 様
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駄弁者:
そして六月の最後の朝にロケットは出発した
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萩尾望都「6月の声」 『11人いる!』に収録
紹介 :OTO 様
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駄弁者:
「少尉!LEVと同じ感覚でいたら確実に死ぬわよ!」
出典:
コナミ原作・サンライズ制作「Z.O.E2167 IDOLO」
紹介 :陸ドム 様
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駄弁者:
ブラウンシュヴァイク公爵「我々をバカにしているとしか思えん!!」
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道原かつみ画・田中芳樹原作「銀河英雄伝説 コミック版 第9巻」
紹介 :Xbeta 様
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駄弁者:
たしかにぼくらは彼らを殺そうとした。それはこの新金属を開発しようというぼくの進路に、あの二人が邪魔をしていたからだ。しかしぼくが開発者になれないことが分かれば、ぼくはシートンが開発者になってもらいたいのだ。あれは人類最大の発見だ。較べるものもない偉大な発見だ。それを正しく開発できる、世界で三人とはないシートンとぼくの両方が死んでしまったら、開発は数百年遅れるんだ。
出典:
エドワード・E・スミス「宇宙のスカイラーク」(川口正吉訳) 『世界SF全集7』に収録
紹介 :冬寂堂 様
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駄弁者:
こいつはわずか十キロの距離に四、五秒もかかる!
出典:
エドワード・E・スミス「銀河パトロール」(井上一夫訳) 『世界SF全集7』に収録
紹介 :冬寂堂 様
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駄弁者:
「空を見よ!」「鳥だ!」「飛行機だ!」「ワシ男だ!」
出典:
アルフレッド・ベスター「ゴーレム100[乗]」(渡辺佐智江訳)
紹介 :TWR 様
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駄弁者:
299.9 地球以外の世界
出典:
もり・きよし原編・日本図書館協会改定編集「日本十進分類法 新訂8版」
紹介 :サトチ 様
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駄弁者:
ある日の、ゆうき先生からの電話。
出典:
火浦功「スターライト☆だんでぃ コバルト文庫版あとがき」 『スターライト☆ぱ〜ふぇくと!』に収録
紹介 :歌鳥 様
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駄弁者:
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五百年や三万年を一年におきかえてみて、ほぼ似たようなものだと思う。
HP :
「Boy’s Surface」は駄弁者さんが取り上げていましたので、文學界新人賞受賞作にして芥川賞候補作より。あちらに収録のされている諸作品よりは、少なくともなにが起こっているかは解かるようになってます。ファウルズというこの町ではだいたい一年に一度の割合で、空から人が降ってきます。語り手はレスキューチームの背番号四番として日々パトロールをしています。支給されたバットを持って。なぜ人が降ってくるのか、それにどんな意味があるのかなんてことは当然のように明らかになりません。
「Self-Reference ENGINE」同様の馬鹿話の中で、一番印象に残ったのが投稿の文句です。一年に一度では決してありふれた出来事ではなく、ましてや人が降ってくるというとんでもない話のはずですが、ファウルズの人々は気にならないようです。
私はご投稿の部分より少し前、「人が降るっていうのは人が降るってことで、つまり文字通り人が降る」という文を見て、前にご投稿いただいためい文句を連想してニヤリとしました。
人が降るという奇現象から思いつくさまざまなな説明や理由付けを片っ端から書き出して、書いた端からそれを否定していく。ほぼそれだけで小説になってしまうというのは、すごいんだか何なんだか、たぶんすごいんでしょう(笑)。
…しかし、リンクを張った既出の文句も併せてみると、つくづく饒舌な文体だなあと思います。
HP :
地球軌道上の衛星工場≪天国≫にとどまること60秒、見事ナジールは最高難易度のウォーサーフを成功させた。 だが喜んだのもつかのま、封鎖戦艦からの攻撃でスペーススーツの推進機が破損、救助に来た新米サーファーのシーバと共に≪天国≫内部に連れ込まれてしまったのだ! そこでナジールが見た光景は「天国」という名とは似ても似つかぬ悲惨なものだった……(カバー紹介文より)
お久しぶりです。
これは主人公ナジールが物語の終盤になって感じたことです。
要するに、若人よ諦めるな(笑)
という事だと思います
<ちなみにナジールは二百四十八歳 ナノマシンのお陰で肉体は若いです>
それとウォーサーフというのは激化した労働者のストと鎮圧部隊の抗争に飛び込みその様子を動画でネット上にアップするブルジョワの遊びです<ナジールは有名なサーフクルーの一員>
老人が主人公、という点では同じ年に翻訳が出た「老人と宇宙」よりこちらのほうがそれらしい感じがします。ただこの老人、あんまり、というかほとんど尊敬できないんですよね…(前に自分で出したときも似たようなことを言っていますが)。
若人よ諦めるな、と言われたら、お前はもうちょっと諦めよくなれよ、言い返したくなります。
HP :
この作品は、海野十三の「火葬国風景」・「十八時の音楽浴」をライトノベル風に翻案し、ゆずはら氏オリジナルの「漆黒のアネット」がその二作をまとめる第三部として書かれています(「火葬国〜」と「十八時〜」は直接の関係はない)。
上記の死者数はいわゆる東京大空襲の記録として作中(第三部)で語られる数字ですが、第二部で語られるミルキ国の建国以来の死者数と同じ。また、ミルキ国の人口八百六十二人は、第一部の火葬国の人口と同数である、とこれらの作品を一つに結びつけています(数字はそれぞれゆずはら氏の創作)。
いわゆるSF的な台詞ではないですが、この作品のキーポイントとして投稿します。
この作品は、原作を無理なくライトノベル風に翻案しているので安心して楽しめますよ(露骨な性描写を除き)。
戦前の作品をアレンジとは書く方も出版する方も、よく決断したものだと感心します。
キーポイントとは無関係ですが…コハク博士、翻案で性別も翻って(されて)るんですねえ(しかも美少女って 笑)。
>安心して楽しめますよ(露骨な性描写を除き)
ラノベは学校図書館でもよく入れるんですが、そのあたりが安心できない点だったりします。
HP :
「私は命を二つ持ってきた」を見て思い出したので投稿です。電撃hp38号に掲載された短編より。主人公は、発展途上の地球人が無闇に宇宙文明と接触してカルチャーショックを受けないよう監視・保護する宇宙警備隊の一員です。基本的にはウルトラマンのパロディでして、宇宙人犯罪者とお互い巨大化しあって戦ったりするのですが……彼は熱血漢が行き過ぎて頭に血が昇ると周りのことが見えなくなってしまう性格なのです。宇宙人犯罪者を捕まえたはいいものの、巻き添えを食って街は壊滅状態。呆然とする主人公の前に警備隊の上司が現れて言ったのがこの一言。ちなみに、この後「他の修復作業にかかる経費と併せて、君の給与ポイントから減算される」と続きます。その修復作業というのも、戦闘自体を隠蔽するために太陽系全体の時間を巻き戻すということまでやっていて……いやはや、技術が進むとなんでもお金で買えるようになるんですねえ(?)
命を2つ持ってくるご都合主義には疑念を覚えても、5千個持ってくるご都合主義だと笑うしかありません。
何ごともやるなら徹底しろということでしょうか(違う)。
HP :
10周年バカンス(169集参照)で国民に還元された国富があまりにも少ないことに憤慨した銀行家は、フランス政府に対しとんでもない提案をぶち揚げ、説得に成功するのでした。税金の代わりに株式の購入費用を徴収し、払い込みが終わった時点でそれ以上の国家への支払いは無くなるだけでなく、配当を受けることになる。お役所仕事が無駄だらけというのは古今東西を問わないようです。とはいえ、何でも民営化すればいいと言うほど世の中は単純でもないでしょうが。
この提案は究極の拝金主義とも、国民主権の極致とも考えられますが、ヴェルヌほどではないにしろ、ロビダが20世紀のパリに注ぐ視線は、冷ややかに感じられます。
これって一人が持てる株の数を厳しく制限しないと、最悪の金権政治に陥るんじゃないかと思うんですが(銀行家が我が世の春を謳歌した7月王政の再来?)。
お役所仕事の無駄が少なくなった分の余剰は、すべて大株主へのサービスに回される可能性が大。
武器を奪われた今 弱者になるしかないのかもしれない
だが中には…
その体に爪を 牙を与えられた者もいる…
私たちのように
HP :
かつて仮面ライダー1号・2号に協力してショッカーと戦ったFBI捜査官・滝和也は、再び10人ライダーとともに新組織バダンと戦うことになります。バダンの圧倒的な戦力を目の当たりにして弱気になった滝に、結城丈二が目の前でライダーマンに変身して見せながら言った台詞です。その爪や牙が10人の中で最弱の彼が言うからこそカッチョいいのです。
仮面ライダーたちの場合、必ずしも望んで爪や牙を得たのではないということも、言葉に重みが加わる要因になるんじゃないでしょうか。
ひまが女子大生になる未来を、怪獣なんかに壊させないから!
強い人は、弱い人を助けてあげるもんだからぁ!
HP :
インスタントラーメンにつられて野原家に現れ、しんちゃんの持っている怪獣シリマルダシのソフビ人形に憑依した時空調整員ミライマン。彼に導かれた野原一家が掛け軸の裏にできた入口から行った先は、三分後の未来の世界でした。そこはミライマンが作った擬似空間で、時空の歪みから生じたエネルギーが怪獣となって現れます。三分以内に倒さないと現実世界にも怪獣が出現してしまうのです。その世界では『正義の心』によって自分の思った通りのヒーローに変身することができます。ミライマンの依頼で怪獣を退治することになった野原一家。やがてヒーローとして活躍することに酔いしれたひろしとみさえは、仕事も家事もほったらかして掛け軸の前で一日中過ごし、怪獣の出現を心待ちにするようになります。しかし、怪獣は次第に手強くなり、ついには倒すのに三分以上かかって現実世界に影響が出てしまいます。次に怪獣が現れたら倒すどころか返り討ちにされかねません。もはや手に負えないと匙を投げ、布団にくるまったままのひろしとみさえを尻目に、一人で戦いに挑もうとするしんちゃんが叫んだのが投稿の台詞です。
見ている側としては、お父さんとお母さんに感情移入したぶん、あとから二人と一緒に後悔と自己嫌悪(…というほど大げさではないか)に陥りそうな…。
こいつは見栄だ。KGBの敏腕局員ウラジミール・マリノフはひたすら息子にとって理想的偉人でありたいのだ。まったく何たる見栄だろう。……しかし男から見栄と意地を取ったら何も残りはしない。マリノフは男親の義務を全身ではたそうとしている。人間の生きかたを子に示すという義務をだ。
HP :http://www.cityfujisawa.ne.jp/~rorell/
事故を装って妻を殺し、一人息子に瀕死の重傷を負わせた人物『コーリャ』に復讐を誓う主人公マリノフ。
仇と通じていた上司に啖呵を切った彼を見て、もうひとりの主人公である古郷聖司が胸中で呟いた台詞です。
……結構前後を切ってあるんですが、まだちょっと長いですかね?
講談社発行の田中芳樹ガイドブックにも『冒険小説』と記されている本書ですが、ベーリング海峡に巨大なダムが建設されている、という設定なので、SFの範疇に引っかからないこともないんじゃないかと思います。
当時の筆名である李家豊で投稿しようか迷ったのですが、手元にあるのは田中芳樹名義なので、こちらにしました。
すみません、さらに前を切ってしまいました。
田中芳樹の初期作品は、短編集は読んだことがあるのですが、この長編は未読。北極圏を温暖化させて農地にするとは、今から考えると(当時でもか)また乱暴な。
>マリノフは男親の義務を全身ではたそうとしている。
人間として子を食わせて育てる義務と拮抗して、果たせなかったりもするんですけどね…。
HP :http://www.cityfujisawa.ne.jp/~rorell/
地球の女として、一度言ってみたいものです。
男の方としては、地球のでも宇宙のでもおおむねOKなところですが…。
ほとんど音楽とかアイドルに興味なかった私でも歌詞を覚えているほどの人気曲ですが、しかしこの歌に出てくる宇宙人の要件、今あらためて見ると勝手すぎて笑えます。
HP :
地球を移住先として定めていた異星人。人類を地球から排除するために歴史の所々に介入し、最終的に各国のオピニオンリーダー達に水爆を廃棄すれば更に強力な兵器(レバー一つで百万人が死亡)を提供すると申し出る。オピニオンリーダー達は憤慨して立ち去るのだが、ひそかに取引の連絡方法を受け取っていた。
たしかに、国家や民族という集団レベルでのいがみ合いがやめられない人類は、自滅指向があると言われてもやむを得ないか。嗚呼。
話そのものは単純ですが、タイトルに表れているような皮肉がピリッと効いている短編です
さてこの作品が世に出て半世紀以上、ホワイトハウスの芝生には牛が飼われ続けていたのでしょうか。 あるいは幸か不幸か異星人の予想を越えるぐらい、彼らの不動産を壊してしまったのか…?
HP :
ロイ・シャイダーを追悼して。
ソ連の科学者からの忠告でディスカバリー号の軌道をチェックしたフロイド博士の、思わず出た笑い声です。名シーンですよこれは。獲物を狙うヘビのような形相ですシャイダーさん。ちなみにこの直後、ホワイトハウス前のシーンでクラーク先生が出てます。
ロイ・シャイダーといえば「ジョーズ」らしいのですが、私はまず「ブルーサンダー」「2010年」が頭に浮かびました。技術系タフガイというか戦う博士というイメージですね。
改めて見返すと、「2001年〜」のほうが「2010年」よりも未来的である、という指摘がうなずける場面が各所に。
でもあれだな、あのレトロ感溢れる「赤い電卓」(9を9回押して 平方根を求め 整数を押す)は欲しいな。
掲載順が回ってくるうちに、原作者まで追悼しなければならなくなってしまったとは…。
>「2001年〜」のほうが「2010年」よりも未来的…
1984年から考えた21世紀の姿は、1968年からのそれより地に足が着いてしまっている、ということでしょうか。
まるで世界みたいじゃないか
HP :
「朝目が醒めたら/世界が変わっていた」で明るく始まるこの歌。
空はまるで空みたいに青いし雲はまるで空みたいに白いし、父さんと母さんは父さんと母さんみたいだし……、と続いたラストの言葉がこれです。
ちなみに作詞は不条理演劇の巨匠・劇作家の別役実氏。
フィリップ・K・ディックSFをわずか1分半でやっちゃってるみたいなのが凄いというか。やろうと思ったらできるんですね。
曲は明るいんですが、歌詞はなんか恐いです。連想されるのは、ディックの「父さんもどき」か「にせもの」あたりでしょうか…。
ちなみに歌手は山田康雄だったそうです。
──永遠に帰らぬ旅に──
HP :
久しぶりの投稿になります。
名作『11人いる』に収録されている短編からの出典です。
恒星間航行を題材にした作品は多数ありますが、超光速やワープを使わない限り、大変長い時間がかかります。
冬眠したり世代交代したりなど、克服方法はさまざまですが、乗組員と見送る人は、出発したら永遠に会えません。
それでも人々を遠くへ駆り出す原動力は何なのでしょうか。
萩尾望都初期の短編ですが、絶賛する人がいまなお少なくない作品。
遠くへ行く本人から描くか残される方から描くかで、同じ悲劇でもずいぶん違った話になりそうです。
永遠に会えなくなるのも悲劇ですが、ジョーン・D・ヴィンジ「錫の兵隊」などのように、長い時間を隔てて、それでも帰って来るというのも、なかなか悲しい(読む方としては味があるのですが)ものがあるんじゃないかと思います。
「そんなもんに乗せやがって!!」
HP :
ZONE OF THE ENDERSシリーズの年表で最初に起きた事件「ダイモス事件」を描くOVAから。
2167年、植民地化された火星と地球の仲は、ますます険悪になる一方だった。火星の州のひとつ、バシリアカウンティの軍隊「バフラム」に所属する青年ラダム・レヴァンズはある日、辺境のノクティス基地への転属を命じられる。
そこで彼が出会ったのは、バフラムが開発した対地球用最新鋭人型機動兵器「オービタルフレーム」の実用テスト機「イドロ」だった
と言う所から始まるお話です。
台詞は初めてイドロに乗ったラダムに向かって開発主任レイチェル博士が言った言葉とそれに対するラダムの文句です
実際このときラダムはイドロを制御できず発進口の壁に機体をこすり、失速して地面に激突しかけたり、森に突っ込んでしまいには崖に激突して意識を失うという結果に終わりました。
この後パイロットを殺す気かとつめよるラダムに博士はいけしゃあしゃあと
「まずは身体で感じてもらわなければLEVとの違いは解らないでしょう?」
とのたまいやがります
博士の態度以前の問題として、テスト機とはいえ軍隊で使おうかっていう道具がそんなフィーリング依存でいいんでしょうか。
やっぱり人型兵器は根本的に人が乗るには向かない?
メルカッツ提督「ばかにしてるんです」
HP :
ミッターマイヤー軍の「児戯に等しい」艦隊運用に対してのやりとり。
不覚にも笑ってしまったorz
漫画版「銀英伝」、連載再開しているんですねえ。
これがアッテンボローやポプランあたりなら「あなたがたを、ばかにしてるんです」と、暗に自分を含めるなと言うところでしょうが、その点帝国の老将は遠慮深いです。
HP :
もうひとつ、スミスのもう一つの代表作「スカイラーク」シリーズから投稿します。
投稿した台詞は、主人公のシートンの婚約者、ドロシーを攫ったデュケーンがアクシデントから宇宙をさまようことになったとき、シートンが彼らを追いかけ、この場所に来ないように願うシーンで、デュケーンの論理的な考えがよく出ている(というかこの人は論理的である、ということより自分の考えに忠実すぎるのだとは思いますが)台詞だと思います。
今、読み返してみると、シートンだけではなく、敵役のデュケーンも結構魅力的なキャラクターに設定されており、この作品の魅力の一つになっていると思います。
「宿敵」=「好敵手」とは、オーソドックスなだけに燃えるシチュエーションではあります。
そういえば「レンズマン」や「キャプテン・フューチャー」には、この手の魅力的なライバルは欠けていたような…?
HP :
スペースオペラの古典、ともいえる名作「レンズマン」から投稿します。
投稿した台詞は、主人公のキムボール・キニスンが、始めての宇宙での戦闘で新兵器<Q砲>を発射した後、狙われた側の宇宙海賊からの描写からで、この後彼らは「一秒一秒が何十年にも思える」時間で破壊されます。
光の速さで戦う中での一瞬の永さをうまく表現しているところで、今でもなかなか読ませる作品だと思います。
10キロに5秒かかるということは、秒速2000メートルだから、光速(秒速約3億メートル)の15万分の1のスピード。 光速が新幹線のスピード(300km/h)だとすれば、時速2メートルという、カタツムリといい勝負しそうなトロさ。
このスピードで自分が破壊されるのを待つのは拷問ですねえ…。
宇宙の凄腕科学者達が高巣でミステリアスに孵化させたワシ男が、そのミステリアスな空中パワーを使って悪と不正の勢力と戦う一方、臆病で無邪気な不具者、タイニー・ギンプを装っている。
不具者はグレッチェンをヤリ倒した。
HP :
ベスター待望の新作は超B級バカSFホラーコメディ(ちょっとエロ)。
22世紀、アメリカ北東部のメガロポリスで、有閑マダム達が暇つぶしに行った悪魔召還ごっこ。ごっこのはずが、彼女達の無意識に反応した悪魔が本当に出現してしまい、破壊や殺人を繰り返す。精神工学者グレッチェン・ナン&天才調香師ブレイズ・シマ、警備隊長インドゥニが悪魔を食い止めるために奔走する。
やがて、新人類の女王蜂的存在となったグレッチェンめがけて、雄蜂的な男達がやって来るのですが、描写があるのがこの他に騎士男、悪臭男等10人、名前だけなのが燃焼男、宇宙男、ISO男等やっぱり10人、更に20人ひとまとめに登場。
一応、本作のクライマックスシーンだと思うんですけど、上記のような馬鹿な描写(褒め言葉)が10人分続くと脱力感を覚えますね、才能の無駄遣いというか。しかし、無茶な造語が頻出する割には読みやすく、その腕の確かさを感じました。訳者にも感謝です。
こんなのよく訳せたなー、と思います(それでいて確かに読みにくさは感じなかったし)。原文ではどんなだったんでしょうね(まあ、見ても皆目分からないでしょうが)。
ご投稿のくだりは、ちょっとしつこいぐらいに感じたんですが、この執拗さもがひとつの持ち味? 私的なクライマックスは、字ではなくて絵で語ってる部分ですかね…。
HP :http://www2u.biglobe.ne.jp/~endo-c/
駄弁者氏他、同業者の方々にはいささか蛇足ではありますが、一応説明を。
日本の図書館でもっと良く使われている分類法としてNDC(日本十進分類法)という分類法があります。
あらゆる図書の主題を9つに分けて1〜9を割り当て、その各類にまたがる、もしくは分類できない資料には0を与え、10の「類」に区分します。それをさらに10区分して100の「綱」、さらに区分して1000の「目」……、といった具合に、必要とされる分だけ細分化が可能なシステムです。
(例:4[00]自然科学
48[0] 動物学
489 哺乳類
489.9 霊長目 ……)
さて、出典の資料には、どの分類に何の項目が割り振られているか、という細目表が掲載されています。
2から始まるページをめくれば、21の日本史、22のアジア史、ヨーロッパ、アフリカ……といった地域別の歴史が並び、28で始まる伝記の並びの次は、いよいよ290に始まる地理、地誌、紀行の項目となります。
291日本、292アジア、293ヨーロッパ……と続き、全ての陸地を巡り終え、299からは海洋が並びます。
299.1太平洋から、299.2北太平洋、以下南太平洋、インド洋、大西洋、地中海……と続き、北氷洋から南氷洋まで全ての海をへめぐり、ついに到達した「地理」最後の項目、そこには「299.9 地球以外の世界」と記されているのです。
「地球以外の世界」の地理!! 最初にこの項目の存在に気づいた瞬間、まさにめくるめくようなセンス・オブ・ワンダーを感じたものです。編集者は、どんな気持ちでこの項を入れたのでしょうか。
しかしながら、この分類の棚が「まっぷる火星」やら「アルファ・ケンタウリの歩き方」なんて本で満たされるのはいったいどのぐらい先の未来のことやら(^^;)。
……というか、いったいどのあたりで「天文学」から「地理」の分野に変わるんだろう、とふと疑問になったりして。
私も言われるまで、こんなのがあるのにまったく気付いていませんでした。
地理・地誌を分類する29番代にあって、他のところにはないということは…NDCを編纂した方々は、人類が地球外の世界の旅行記を書くことは想定しても、他の世界の生物や文学に出会うことは想定していなかった、ということでしょうか。
ちなみにここに分類されている本が実際あるのかと、国会図書館の蔵書検索をしてみましたが、さすがにまだ無いようです。…「銀河ヒッチハイクガイド」が刊行されたあかつきには、パニくることなくここに分類しましょう。
NDCネタといえば、最近の版で「情報」科学の分類に「007」があてられているのは絶対シャレに違いないと言っていた人がいました。
RRR……。
「はい?」 ←編集部からの催促の電話じゃないかと、警戒している声。
『ゆーきです』
「ども」 ←急に、声が明るくなる。
『ども』
「どーしました?」 ←これ、ぼくの口ぐせ。
『原稿まだですか?』
「しまった」 ←思わぬ奇襲攻撃を受け、うろたえている。
『原稿ないと、イラスト描けませんよ』
「わかってます」 ←しょげてる。
『だいたい、どんな話なんですか?』
「さあ」 ←たいてい、本人にもわかってないものです。
『しょうがないなあ。締め切りは、いつなんです?』
「えーと、十日前」 ←だいたい、こんなもんです。
『……………………』 ←絶句している。
*
以上。日常風景でした。
HP :http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/
えー、先ほどの「ぱ〜ふぇくと!」には文庫版のあとがきも収録されてまして。コバルト文庫版3部作、およびスーパーファンタジー文庫版あとがき、さらには「ぱ〜ふぇくと!」自体に添えられたあとがきもありまして、計7本のあとがきという非常に豪華な内容になっております。
投稿の文章は、その中でもっとも古いあとがきより。ゆうきまさみさんと火浦せんせーの、おそらく本当にあった会話です。……こーいうことがあるので、「尊敬する作家は火浦功」とはなかなか言いづらいものがあるのでした。
尊敬というより、ある種の憧憬を抱いてしまいます。自分には仕事の締め切りをデフォルトで10日遅刻できる器はないし、そもそも10日遅れても愛想を尽かされない仕事ができるかどうか…(このご投稿の掲載は70日遅刻してますが)。
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