SF名文句・迷文句第266集

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この何十年かで危機は弱まったか?
むしろ ひどくなる一方だったではないか
すでに答はでているのだ!
おまえたちに滅亡をさける能力はない!!
なのに人びとはあいかわらず「まさか破滅などおこるまい」と楽観し…
あるいは「どうせ滅びるのはみんないっしょだからしかたない」とあきらめ…
せまりくる破滅にたいしては何もしないくせに
ありもしない未来のために「進学だ」「就職だ」「結婚だ」!
「家を買う」だの「貯金をする」だの
今の世の中が永遠につづくという幻想の中に生きている!

 出典: 矢野健太郎「ネットワーク戦士」

紹介 :首くくり 様
HP :

コメント:
 阪神・淡路から東日本に至る防災意識に対して、って言葉では無いんですが。
 謎のネットワーク『D』の恐るべき目的を知ってしまった主人公達が電脳世界で戦いを繰り広げるという、もはや古典的なSF漫画より。
 典型的な悪役の自己正当化なセリフなのですが「盗人にも三分の利」と言うべきか
 防災が後回しにされていた実情を突いているかと。

駄弁者:
 1986年の作品らしいですが、何を念頭において「破滅」を叫んでいたんでしょうね。
>今の世の中が永遠につづくという幻想の中に生きている
 もしものときの備えはもっていなきゃならないとは思いますが、今日と変わりない明日が続くという前提があるからこそ、社会や文明が成り立っている部分もあるわけで…。



私もかつて不完全だった時代があった。人間を信じ、人間のために科学を科学を使おうとした青い時代が! 宇宙開発のために、どんな環境にも耐え得るよう、人間の体を強化しようとした私は、誰からも期待の目で見られた。
だが、進んで実験台になった娘が命を落とすと、人間共は途端に私を責め立てた。「殺人科学者」「悪魔」だと! それは久保田、お前の掲げたメガスーツ理論が、私の理論に代わって脚光を浴びたからだ! 人間の、弱さ脆さに何の手も加えず、ただスーツで守ろうとした浅はかな理論が!
人間を神に近づけようとした私のどこが悪い!? 科学者として当然ではないか! どこが悪い、どこが悪いというのだぁっ!!

 出典: 東映制作「電磁戦隊メガレンジャー 最終話『つかむぜ! 俺たちの卒業証書』」

紹介 :メダルの守護神 様
HP :

コメント:
 自分の要塞をロボット(グランネジロス)に変形させ、メガレンジャーとの最終決戦に臨んだDr.ヒネラーが、メガレンジャーに地球侵略を考えるようになった動機を語った台詞です。
 その正体は、I.N.E.Tの科学者でメガレンジャーの指揮官でもある久保田博士の友人だった鮫島博士でした。彼は娘を実験台にするというとんでもない行為を世間から非難され、ジャビウス1世の誘いに乗って地球侵略を考えるようになりました。
 彼は科学者としては優秀だったが、人間性に問題があり過ぎる(他にも、メガイエローからの「娘さんを犠牲にして幸せなの?」という質問に対して「お前達は幸せか?」と質問で返す等)ことも証明しました。
 スーパー戦隊のヒーロー達は強化スーツ装着が主流(ジャッカーは例外)なのは、こういった背景があるのかもしれません。

駄弁者:
 そりゃ人体改造せずに環境適応できるものなら、そっちの方がいいに決まってますし…(SFとしてはさまざまな形態に分化発展した人類の物語も面白いですけどね)。
>人間の、弱さ脆さに何の手も加えず〜
 ゲッターロボの人なら賛成してくれるかも。



漫画には漫画の面白さが、本には本の面白さがあるんだろう? 両方楽しめる方が素敵なことだと思わないかい?
文字の本のおかげで、地球の人たちは自分の考えや経験をたくさんの人に時代を超えて伝えることができる。私は以前から、こんな素晴らしい発明は広い宇宙を探してもめったにあるものじゃないと思っていたよ。

 出典: 志茂文彦脚本・ふくだみつお演出「勇者エクスカイザー 第37話『かいぶつ図書館』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 読書感想文の宿題に悩むコウタ少年のボヤキに付き合うエクスカイザー(笑)。
 エネルギー生命体であり、劇中でもほぼ瞬時に意思疎通ができる(どういうメカニズムか知りませんが)エクスカイザーたちの世界には、「本」という概念がそもそもなかったのですね。史上最大の発明とはいうものの、宇宙でも有数の発明とは思いませんでした。
 それにしても宇宙人に本の大事さを教えられるコウタくんって……。

駄弁者:
 まあ、本の面白さは分かっても読書感想文は面白くないもんです(笑)。
 宇宙人の意志伝達がマンガのようなイメージを一瞬で伝えるようなものだとすると…抽象概念などはどのようにシンボル化して伝えているんでしょう?
>広い宇宙を探してもめったにあるものじゃない
 一瞬で誤解のない意志伝達ができるというのも素晴らしいことですが、誤解の余地がない反面、情報の受け手が考え方を発展させる契機も少なくなってしまうように思えます。



東京だって同じ事じゃないですか…皆人間らしさを失っている
同じですよ あの島で暮らしたほうが幸せだった

 出典: 本多猪四郎監督「マタンゴ」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
精神病院に入れられた男が語る極限状態によってあらゆる意味で変化していく人間の恐怖を描いた作品
その衝撃的なラストシーンより まぁ台詞よりそれをつぶやく村井(演:久保明)が衝撃なんですが…
病室の窓の外のネオン街が毒々しいキノコに囲まれた島と同じと象徴しているような場面でした(劇中のマタンゴはそれほど色どり豊かでもないですが)
しかし子供の頃これを見てキノコが食べられなかったという人結構いるんじゃないでしょうか。

駄弁者:
 映画を見ていなくても、「マタンゴ」と聞けばキノコの怪物を連想してしまう。影響力抜群ですね。
 公開時の同時上映は加山雄三の『ハワイの若大将』だったそうで、ちょっとブラックユーモアを勘ぐってしまいます。
 ちなみに原案は星新一と福島正実がウィリアム・ホープ・ホジスンの小説から翻案したとのこと。



ペニーは壁のむこうのたった三フィートしか離れていないところにいたが、インターホンの使用は壁に掛けた資格免状と同様に、患者に信頼感を、そして医者に自信を持たせるのに役立っていた。それに第一、精神科医がドアを開けて「次のかた、どうぞ!」というのは見てくれのいいものではない。

 出典: アーシュラ・K・ル・グイン「天のろくろ」(脇明子訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 地気球温暖化による海面上昇と人口増によって、物資の不足に悩まされる近未来の地球。
 アメリカ政府は国民に精神安定剤や睡眠薬を割り当てることによって平穏を維持していた。
 ポートランドに住むジョージ・オアは割り当て以上の薬物を使用したことから、ヘイバー博士のカウンセリングを受けるように指示される。
 翌日、ヘイバー博士の診療所では、秘書のペニーとのインターホン越しの会話とともにいつものような一日が始まろうとしていた。
 SFに垣間見られる日常です。
 確かに私のかかりつけの個人開業医(残念ながら?精神科ではなく内科ですが)でも、受付から声をかけるのではなくインターホン使用なんですね。決して広くない建物なのにわざわざ面倒なことをするな、と思っていたらこんな理由があったとは。

駄弁者:
 あ、この作品未読だ。サンリオからしか出てない…と思っていたんですが、復刊ドットコムで復刊していたんですね。
>患者に信頼感を、そして医者に自信を
 患者に呼びかけるときならともかく秘書と話すときまでインターホン越しというのは、前者より後者の後者の効果が大きいんじゃないですかねえ…。



「トゥラトゥラトゥラ――――!!」
「隊長 なんですそのトゥラトゥラって!?」
「あ? 提督が教えてくれたんだよ 奇襲に成功したら叫ぶんだってよ!」

 出典: 平野耕太「ドリフターズ」

紹介 :好古真之 様
HP :

コメント:
……なんてことを通商破壊作戦行動中の巨鳥(ロック鳥?)乗り達が話していたので、N雲さんのことかと思ったら、コミックス1巻に名前だけ出てきたY口さん(楠木正成の幼名から命名されたあの人)でした。
 (まあ、N雲さんの専門は本来、空母じゃなくて水雷ですしね)
 なお本人の登場シーンは、コミックス2巻に書き下ろされたページより。
BGM:「Dive For You」Boom Boom Satellites

駄弁者:
 私はY口さんじゃなくてY本さんかと思ったんですが、より通好みの方が登場してました。



デニー:我々が消えちまうわけ。つまりこのバージョンの我々って意味だ。われわれはダグに会わないし、会った記憶もない。
プライズワーラ:じゃ、やる価値あるな。

 出典: トニー・スコット監督「デジャヴ」(石原千麻吹き替え翻訳)

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 フェリーが爆破され、多くの死傷者が出た。捜査に加わったATFのダグ・カーリンは、FBIの特殊捜査班からスカウトされる。彼らが持つ最新鋭装備は、常に4日と6時間前の過去を覗き見ることができ、それを使って爆破犯を見つけるのだという。
 侃々諤々の議論を経て、ためしに過去にメモを送ってみることになる。ただしそれは過去を(現在を)変えてしまう可能性がある。引用したのは、そのときの会話。
 事件の要点を過去に知らせてテロを未然に防ぐことができるなら、それによる電力の大量消費で大規模停電が起ころうと、今いる我々が消えようと、やる価値はある。そんな重大なミッションを、「ダグに会わずに済むからやる価値がある」と言い換えるベタなボケです。でも、みんなの緊張感をほぐす、しゃれたボケです。もちろん、なにが起こっても過去が変わればすべてチャラ、という意味もあります。
 ハイテク機器だらけの部屋で、4日と6時間前の過去に開いた「窓」をみながら、コントローラーを動かすと映像がさまざまな場所をさまざまな角度で映し出す。疾走感あふれるタイムスコープに酔える映画です。

駄弁者:
 またユーモアのセンスに命かけてますね、アメリカ人は…。
>なにが起こっても過去が変わればすべてチャラ
 むしろ消えてしまわなかったときの方が、人間関係悪くなって問題だったりして。



「こんな大きなダイヤが、ニューギニアの部落にはたくさんあるんですか?」

 出典: 高橋二三脚本・田中重雄監督「大怪獣決闘・ガメラ対バルゴン」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 『警察・自衛隊・対策本部の名珍言集』第14回。振り返ってみると警察関係の台詞が多いことに気がついたので、今回は自衛隊の台詞から。
 ニューギニア奥地の洞窟から欲深い日本人によって持ち去られた宝石は、実は現地の伝説の怪獣バルゴンの卵だった。恐ろしい災いを危惧した現地の村の娘カレン(演・江波杏子)は、村に代々受け継がれる5000カラットの超大粒ダイヤを持って来日。卵は既に孵化しており、バルゴンは飛来したガメラを冷凍液で氷漬けにした後、近畿地方一帯を暴れまわっていた。大混乱の中、カレンは大阪の対策本部へ駆けつけて「バルゴンはダイヤモンドの光を好みます。この光で誘導してバルゴンを湖へ沈めて下さい。伝説では、バルゴンの肉体は水に弱く、溶けて死んでしまうそうです」と訴え、そのダイヤを一同の眼前に披露した。しかし対策本部長である大阪府知事は「このダイヤの宝石としての価値は認めるが、怪獣がダイヤの光を慕って寄って来るとは思えない」と否定的な態度。また、自衛隊の幹部も「根拠が古くからの言い伝え」ということで消極的だった。そうした「信じる信じない」の水掛け論の中、一人の婦人自衛官(通信係)がテーブルの上に置かれたダイヤモンドに眼を奪われ、思わずカレンに尋ねた一言が上記投稿の台詞である。この直後、カレンが答えるより早く司令官が「君!」とツッコミを入れているのだが、「ハッ!」と一礼して謝る婦人自衛官の視線がダイヤから離れることは無く、「欲深い人間はどこにでもいるものだ」ということを観客に伝える演出となっている。類型的な描写ではあるが、怪獣映画というものは「子供も見る映画」なので、こういう表現法は解りやすくて面白いと思う。

駄弁者:
 「これだから女って奴ぁ」というふうにも伝わってしまったんじゃないかと…。



「あなたがですか?いいえ、何も。わたしにも、父にも、祖父にも、何もしていません。祖父は名誉などいらないから、あなたに生きて帰ってきてほしいと言っていました。でも、結局、祖父は“ブラック・ジャック”ギアリーという、アライアンスの英雄の光の中で生きた人間です――影のなかではなく」
…(中略)…
では、なぜ航宙軍に入った?」
「そうするしかなかったからです!わたしの父もそうだった。われわれはギアリー一族ですよ。ほかにどんな道があると言うんです?」

 出典: ジャック・キャンベル「彷徨える艦隊 1」(月岡小穂訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 人類の二大勢力、アライアンスとシンディックは百年に及ぶ宇宙戦争を繰り広げてきました。そうした中、宇宙戦争の最初期においてアライアンスの英雄として戦死していたとされていた主人公は、シンディックの中心部へ遠征中のアライアンス主力艦隊に約百年ぶりに発見され、その艦隊の一員となりますが、その艦隊の提督が皆、敗死したために、心ならずも艦隊最先任士官として、傷ついた主力艦隊の指揮官となり、祖国への帰還を目指すというSF小説です。
 約百年ぶりに艦隊に復帰したところ、艦隊に所属する巡洋戦艦<リパルス>の艦長は、実弟の孫でした。自分の一族が今、どうしているのか、聞こうとした主人公は、リパルス艦長から冷たくあしらわれ、憎んでいると言われます。その理由は、上記の理由でした。
 英雄の一族として、将来が事実上決まってしまう。本人は、決して望んでいないのに。それを思えば、リパルス艦長の態度も分かる気がします。また、思いがけず英雄に自分がなっていたことを知った主人公は、自分の一族にまで影響が及んでいたことに愕然とします。
 なお、この後のリパルス艦長の行動は立派だと思います。その憎んでいた大伯父の命令に従い、その家名を汚さぬように、見事に主力艦隊の殿の任務を果たし、戦死するのですから。更に、大伯父に、もう恨んでいない、と遺言まで残します。私だったら、中々割りきれません。

駄弁者:
 登場人物の行動は敬意に値するものだと思いますが、登場人物にそういう死に方をさせるストーリー自体には、ちょっと釈然としないものも感じます。なんだか家名に殉じることだけが正しいように描かれている気がして(実際読めばそんなことはないんでしょうけど)。



特殊犯罪課は常に市民の協力を歓迎しています
スーパーマンもその一人です。

 出典: 「スーパーマン 『謎の男』」

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 重武装の犯罪者や悪の超人達に対抗するべくメトロポリス警察内に設立された部署、特殊犯罪課。
 街で猛威を振るう武装犯罪組織インターギャングを必ず摘発・逮捕してみせると記者会見で豪語する課のナンバー2ターピン、それに対して「そのココロはいつもの様にスーパーマンが犯人を届けてくれる?」「金食い虫の特殊犯罪課はスーパーマンがいなければ駐車違反一人捕まえる事が出来ないとの評判ですが?」と笑えない茶々を入れるTVレポーターのアンジェラ。
 激昂しそうになるターピンに代わって課のナンバー1である女警部マギー・ソウヤーがニコリともせずに返したのが投稿の台詞。
 日本においてのスーパーヒーローは人事を尽くした後の天命ですが、欧米においては権利と責任を持ち、犯罪とみなす行為を犯した場合普通の人間と同様、訴訟を起こされ逮捕状を突きつけられる『市民』なのです。
 まあ、自分達が頼らざるをえない超存在を『神(もしくはその使者)』じゃなくて『おせっかいやき』に言い換えただけとも言えますが。

駄弁者:
 スーパーヒーローに対する感覚の違いより、むしろヒーローが倒す敵に対する感覚の違いじゃないでしょうか。
 ウルトラマンが倒すのが巨大怪獣のような「天災」ではなく、重武装とはいえ等身大の「犯罪者」だったら、「人事を尽くした後の天命」と言っても納得されなかったのでは。



アカウントをナツキに預けます。
わたしたちの大切な家族を、
どうか守ってください。

 出典: 細田守監督「サマーウォーズ」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 「SF・家族の情景」続き。今回は、前回の投稿作品の本編から。
 世界を賭けての花札勝負(なんちゅー設定だ)。「世界」と家族と一人の少年のために決死の花札勝負に挑む少女の元へ、その時、世界中から……!
 投稿の文句は、その時少女の元へ世界中から届いたメッセージです。陳腐です。陳腐ですよ、ベタで、通俗的。いいトシこいた、少しでも「世の中」を知った四十女が「この程度のことで感動していいのか?」と思っちゃうくらい、ベタです。曲がりなりにも岸田秀に傾倒し第216集の「レダ」の例の文句を投稿した人間が、こんな文句に感動していーのだろーか……?
 ……でも、感動してしまうのだもの。素直に投稿します。
 それでいいでしょ、ね、トオコ。

駄弁者:
 理知的に感心するのと心情的に感動するのとは別物だということですよ、きっと(この考え方自体がベタですが)。
 そうでなければ宮崎アニメでラピュタ(「バルス!」でツィート世界新)やトトロが、なんでいまだに絶大な支持を受けているのか。



「ぼくの運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ。」
「心配はいらない。ほかでつりあいをとるから。」
「歴史の流れが変わっても、けっきょくぼくは生まれてくるよ。」
「たとえば、きみが大阪へ行くとする。いろんな乗りものや道すじがある。
 だけど、どれをえらんでも、方角さえ正しければ大阪へ着けるんだ」

 出典: 藤子・F・不二雄「ドラえもん 『未来の国からはるばると』」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 フラッシュフォワードを読んでいたら、ふとこの話を思い出したので投稿します。
 のび太の運命を変えに来たセワシが、歴史を変えても自分が生まれてくることの説明がこれなんですが…。いやいやいや、それはちょーっと違うんじゃないかなぁ、遺伝子単位で。それともここで、過去ののび太と未来のセワシが出会ってしまったんで、セワシが生まれてくる必然が生まれてしまったのか?うーん、わからん。子供の時はこの説明で納得していたんだけどなぁ。

駄弁者:
 うーん…?
 のび太からセワシまでの世代のどこかで、(のび太の側の隔世遺伝が原因で)実の子どもが生まれず養子をとることになるので、のび太の伴侶がしずちゃんでもジャイ子でも、セワシに影響がないとか。…やっぱり無理があるなあ。



私「まあそれはともかく、何で扇は首相になれたんですかね!」
Kさん「ああ、それは簡単ですよ」
私「はぁ」
Kさん「ダイスの目が良かったんですよ」

 出典: 成田良悟「成田良悟公式サイト『RESISTANCE黒子SHOW』」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 この文句は成田良悟氏の公式サイト『RESISTANCE黒子SHOW』08年9月30日の日記の一文です。
 どのような内容かというと成田良悟氏が最終回を迎えたコードギアス 反逆のルルーシュR2で扇が結婚した上に日本の首相になったという展開について納得していなかった所TRPG仲間のKから電話あったので質問してみたのがこれです。
 自分もTRPGを少しは齧ってるのでとても納得してしまいました。
 そうかゼロレクイエムの後の数々の判定で扇はクリティカルを出しまくったんですね。

駄弁者:
 その公式サイトによるとKさんは「今回の扇みたいに、いつも他者を裏切り続けて最後には美味しいところを持って行く人」なんだそうですが……いいのか、納得して(笑)。



「……どうでしょう、スズキさん。いっそパイロットは募集してみてですね、扉を開けた途端どやーって斬りかかって、かわせたやつを合格にするというのは」
「ああー、あの映画は面白かったねえ〜」

 出典: 富野由悠希原作・長谷川裕一漫画「機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の7人」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも何度か投稿された、オリジナルのガンダム漫画からの迷文句です。
 神の雷計画阻止のためパイロットを集める事にしたのですが、優秀なパイロットをいかに集めるかに頭を悩ませるトビア達。
 そんな中トビアが出したアイディアは、クロスボーンガンダムの裏モチーフと言える「七人の侍」からのものでした。
 優秀なパイロットを集めるためとはいえ、こんな試験方法とは……。

駄弁者:
>優秀なパイロットを集めるためとはいえ、こんな試験方法とは……。
 いやいや、効果音つきのイナズマが眉間に走るような人たちを募集するには、意外と有効な方法なのでは。



「いや、これで行く。行った後の事を考える者に、今を越える事はできないよ」

 出典: 村枝賢一「仮面ライダーSPRITS 第3部第8話『突入』」

紹介 :鳩野空次 様
HP :

コメント:
 この漫画の名文句は、すでに多くの方が色々投稿されていますが、私からもお気に入りの台詞を一つ。
 バダンの攻撃によって、四国全土が謎の黒雲に包まれてしまった。Spirits第4分隊は瀬戸大橋を渡って地上からの突入を試みるが、「放電速度が異常に速い」雷のためにことごとく失敗する。そのため結城丈二=ライダーマンは、自らの愛機ライダーマンマシーン(最高速度時速250km)を大幅に改造し、時速600kmで落雷を振り切っての単身突入を決意。だがその改造は、マシン本体にもライダーである結城自身にも、過度の負担を強いる無理押しの改造だった。
 結城を慕う若いメカニックマンの一人は、改造を思い止まる事を結城に進言する。「四国に突入した後でも、ライダーマンマシーンは必要になるはず」だと。投稿の台詞は、それに答えて言った結城の台詞です。結城丈二という人物は、TV本編でも「優秀な科学者の割には、後先考えず突っ込んで行く男」という印象が強くありましたが、常々こういう考え方をしていたのだな…と思えば納得…でもないか?
 「行った後の事を考える人間も必要だ」というのは正論です。しかし困った事に、困難に直面した時に「今を越えるための無理」を一切しようとせずに「行った後の懸念」ばかりを口にする者が現実に居ます。私の身近にも、ニュースの向こうの世界にも。
 それにしてもこの漫画、長いですねえ…。

駄弁者:
 すいません、私はどっちかというと「行った後の懸念」ばかりを口にするほうです。
「今を越えないうちから越えた後の懸念をしても意味がない」というのも正論だとは分かるんですが…。結局、性格なんでしょうねえ。



「映司!目ぇ覚ませ!死ぬぞ!」
「アンク!?…ああ、いいよ、もう無理だ。お前こそ…」
「俺はいい。欲しかったものは手に入った」
「それって命だろ?死んだら…」
「そうだ。お前たちといる間にただのメダルの塊が死ぬところまできた。こんな面白い、満足できることがあるか。お前を選んだのは俺にとって得だった。間違いなくな」
「おい、どこ行くんだよ!」
「お前が掴む腕は、もう俺じゃないってことだ」

 出典: 東映制作「仮面ライダーオーズ 最終話『明日のメダルとパンツと掴む腕』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 「物事は終わりを迎えることで初めて完成する」という思想を持つ真木清人博士。彼は世界を終わらせて完成させるために自らをグリード化し、他のグリード達にも接触した。グリードが完全体になった時、その欲望が暴走して世界を食らい尽くすのだ。しかし、完全体になったカザリ、メズール、ガメルは仮面ライダーオーズとバースに撃破され、アンクは映司たちの元に戻ってしまう。博士は残ったウヴァにコアメダルを過剰に吸収させることで暴走させ、一気に世界を終わらせようとする。
 オーズ、バースを支援している大企業「鴻上コーポレーション」が保有していた大量のセルメダルを取り込むことで強大な力を得た映司はオーズプトティラコンボに変身して博士が変身する恐竜グリードと激突。全てのセルメダルを消費する大技を放つオーズだったが、暴走ウヴァから照射されているバリアーに阻まれて恐竜グリードにダメージを与えることはできなかった。そのまま上空に逃げた恐竜グリードを追うため、アンクは自分に残っている3枚のコアメダルを映司に渡してタジャドルコンボに変身させた(このときアンクは恐竜グリードの攻撃を受けてコアメダルの一枚に亀裂が入っていたが、グリード化によって視覚を失いつつある映司は気付かなかった)。
 タジャドルコンボで無事恐竜グリードと暴走ウヴァを撃破したオーズ。しかし、同時に変身が解け、気を失った映司は地上に向けて落下を開始する。投稿したのはアンクが映司を起こしてからの一連の会話。この会話の後、去っていくアンクに向けて伸ばした映司の手には砕けたコアメダルが握られていた。「ただのメダルの塊じゃない、命を持つ生物になりたい」というアンクの望みは、「壊れた」のではなく「死んだ」ことによって叶ったのだった。

駄弁者:
 「物事は終わりを迎えることで初めて完成する」とは、「生物になりたい」という望みについては正しかったということに…?ちょっとアシモフの「二百周年を迎えた男」を連想しました。
 ところで……最終回のタイトルなのに「パンツ」というのが、気になってしょうがないんですが。



飲んではハイに
醒めては灰に
飲もうぜ
今宵
銀河を杯にして

 出典: 神林長平「今宵、銀河を杯にして」

紹介 :どーじゅ 様
HP :

コメント:
 冒頭の惹句。徳間の単行本版にはなかった気がしますので早川文庫版だけかも。
 こういう言葉を呟きつつ、星空を眺めて一杯やりたいなあ、と憧れます。
 ただまあ、それが戦場でとなるとちょいと御免ですが(笑)
 ところで私このタイトル、銀河を「さかずきにして」と読んでいたのですが、この文句を改めて見てみると「はいにして」と読む方が正しいんでしょうかね?

駄弁者:
>「はいにして」
 どこの書誌データをみても「さかずきにして」だけど、言われてみると「はいにして」に思えてきました。
ハヤカワの「銀背」もオフィシャルの読みは「ぎんぜ」だったことですし(ずっと「ぎんせ」だと…)。



バルジオンさえあれば…

 出典: 東映制作「超電子バイオマン」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 バイオハンターシルバのもう一つのお決まりの台詞です
 爆発するバイオ星を脱出し自分が破壊するバイオ粒子を求めて500年間宇宙を彷徨っていたシルバには共にバイオ星平和連合に対する切り札として造られた一心同体ともいえる相棒の巨大ロボットがいました、それこそがバルジオン
 バイオ粒子反応のある地球を見つけ大気圏に突入した際その衝撃でシルバはバルジオンとはぐれてしまい以来バルシオンを求めて各地を捜し回ることになる
 シルバはバイオマンやギアにしてやられたり退却する際にいつもこの台詞をつぶやくのです。
 デザインや仕草、敵に捕らわれても自分で腕を破壊して拘束を解く思い切りの良さ、初めて乗り込むギアのメカジャイガンを難なく操縦してみせたり、自分が地球に来る前に壊れたギアの幹部ロボットのレプリカを製作する情報収集力や技術力の高さなどかっこいい要素の多いシルバですがどうにもこの負け惜しみな台詞が印象深いです
 番組終盤遂にバルジオンが姿を現すもギアの幹部の捨て身の猛攻で奪われ、やっとのことで奪いかえすも結局バイオマンとバイオロボそしてバイオロボと一体になったピーボの前に敗れ、シルバは生まれた時からの相棒と共に地球で散るのでした。

駄弁者:
 シルバは使命を実行することしかプログラムされていないロボットとのことですが、負け惜しみを口にするあたりは人間的(?)ですね。



「そもそも中つ国とは、リアルワールドと、コンピューターの世界を繋ぐ中間の世界という意味だ。しかし、ここから先、もはや可視化は必要ない。我々は、純粋な二進数のワームとして、情報世界を行き来するようになる。アヴァターも、肉体の衣を脱ぎ捨てるのだよ」

 出典: 川端裕人「The S.O.U.P.(ザ・スープ)」

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 経済産業省のホームページがハッカー集団EGGの攻撃を受けた。調査と解決の依頼を受けたネットセキュリティのコンサルタント周防巧は、世界的にヒットしたオンラインRPG『S.O.U.P.』の開発者の一人だった。
 失踪したもう一人の開発者、栗本光からのメッセージを受けて、巧は数年ぶりに『S.O.U.P.』にログインする。『指輪物語』や『ゲド戦記』にインスパイアされ構築された『S.O.U.P.』の世界の変貌ぶりに、巧は目を疑う。草原は砂漠化し、凶悪な呪文が人を操り、EGGと呼ばれるギルドが世界の法を破壊しつつあった。
 ネット上で再会した光のアヴァター「DOLPHIN・H」に、巧がその企みを質したときの、「DOLPHIN・H」の答えが引用の文句。
 そもそもの発端は、巧が、トム・レイの人工生命「テイエラ」に感銘をうけ、『S.O.U.P.』に配置されるNPC(NonPlayerCharacter。ゲームプレイヤーが操っていない登場人物)に、思考するAIと繁殖するALの要素を組み込むことを提案したこと。「DOLPHIN・H」は『S.O.U.P.』のNPCたちがすでに子供を生み育てていると指摘。巧がかつて示した、NPCがいずれは『S.O.U.P.』を飛び出してインターネットに最適化した存在に進化するという展望を再提起する。
 なんだか、攻殻機動隊の人形使いみたいなセリフでかっこいいです。
 しかし、被創造物であるアヴァターが上の次元に旅立とうとしているのに、創造者たる人間は、肉体を離れることができません。カレルレン(幼年期の終わり)の悲しみがちょっとわかったような。
 それにしても、ハードやソフトに疎いネットユーザーからしてみれば、せっかく手に入れた美しいGUIを手放して、再びマシン語(の更に向こう)に戻るなんて、とんでもありません。そんな進化、かんべんしてください。

駄弁者:
 「中つ国」や「アースシー」を目指した結末が、虚無に襲われた「ファンタージェン」さながら、というのは世界を創った者としては忸怩たるものがあるでしょう。
 リアルワールドにしろ「中つ国」にしろ、その世界の住人が世界を認識するための物語があると思うのですが、二進数のワームが創る情報世界にも、物語はあるのでしょうか。…あったとしても人間には理解できないかも。



「できれば航空隊か潜水艦が、一隻食ってくれると助かるのですがね」
「ばか言っちゃいかん。あんなの他に獲られてなるものか」

 出典: 富永浩史「超空自衛隊 『第三次世界大戦勃発』」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 地球を救うために、チェルノブイリへ急行する自衛隊と戦艦長門を旗艦とする日本連合艦隊は、紅海でリシュリュー級戦艦2隻を主力とする自由フランス艦隊と海戦になります。太平洋戦争により多数の戦艦を失っている日本側には長門しか戦艦がなく苦戦を強いられるのですが、海戦中の宇垣艦隊司令官と兄部長門艦長との会話の一節です。
 兄部艦長としては、1対2で苦戦を強いられており、支援を求めたくなるのですが、宇垣司令官としては、太平洋戦争で多くの部下を失ったのに、生き残ったという負い目があるのと、いわゆる鉄砲屋として生きてきた自分が、対米英講和が成った以上、最早望んでもありえないと思っていた戦艦同士の砲撃戦を行えるという想いが、上記の一文に込められているのだろうな、と思いました。この後、宇垣司令官は、日本側の海戦の勝利を見届けて戦死します。その死は、宇垣司令官にとって、武人の本懐だった気がします。(部下にとっては、たまったものではないでしょうが。)。

駄弁者:
>日本側の海戦の勝利を見届けて戦死
 戦争が終わった後に部下を連れて特攻するよりは、受け入れられやすい「武人の本懐」のとげ方ではあります。好きな史上の人物に、よりふさわしい死場所を用意してあげられるのも、架空歴史ものの面白さでしょうか。



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