SF名文句・迷文句第282集

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スーパーマン 確かに彼女は哀れな女性だ
だが、本当に哀れなのはその犠牲者達だ…

 出典: ジョン・バーン画・脚本「THE MAN OF STEEL #3」(関川哲夫訳)  『スーパーマン/バットマン』に収録

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 5千年前の糸屑を頼りにマグパイの本拠地を突き止めたスーパーマンとバットマン。
 メイクを剥ぎ取られ別人の様に弱々しくなった彼女を見て思わず同情を示すスーパーマン、そんな彼にマグパイの経歴――子供の頃から美しい物を集める癖があり、猛勉強の末、国内有数の博物館の館長に登りつめたにもかかわらず、美しい物を独占出来ない苛立ちがもともと問題があった人格のバランスを崩壊させた――を説明し、彼女が普段自分達が戦っている犯罪者と違うと認めた上で続けたのが投稿の台詞…。
 マグパイに優秀な弁護士がつけばスーパーマンがメトロポリスに帰りつくまでに釈放される可能性と、下水道から市長舎の最上階まで積み重なった『ゴミの山』との戦いへの苛立ちを語るバットマン。
 そんな彼を理解し彼が『人質』にとった人間の正体を知ってしまったスーパーマンには最早彼を警察に突き出すという事は出来なくなっていました…。
 同じ『罪を憎んで人を憎まず』を貫き通す者同士でありながら異なる方法論を用いなければならない二人をさりげなく対比させたやり取りでした。

駄弁者:
 なんとなくバットマンの方が、「弱者の側からの正義」にそった考え方をするという印象があります。そちらが正しいかどうかはケースバイケースでしょうが、スーパーマンの正義より陰翳に富んでいるような。



「あした死ぬかもしれないし、一年後かもしれない …(中略)… わたしとしては三カ月に賭けたい。五対三でね。誰か賭けないか。もっとも、わたしが勝っても賭け金をどう回収すればいいのかわからない」

 出典: ダイアナ・ガバルドン「遥かなる時のこだまIII」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 やっとの思いで独立戦争の渦中にある米国からスコットランドに渡ったジェイミーとクレアは、甥のヤング・イアンと共に故郷のラリーブロッホに帰ります。しかし、そこで出迎えたジェイミーの親友にして姉婿のイアンは肺結核に罹り、ベッドから起きれはするものの死相を浮かべている病状でした。放蕩息子の帰還を喜ぶ家族の集いの中、病状を心配するジェイミー夫妻達に対し、イアンは上記のように自分のことを話します。
 自分の死のことを何とも言えないユーモア交じりに相手に話せる。前後の描写を加えると長すぎるのでカットしてますが、改めて、長年離れていたにもかかわらず、ジェイミーとイアンの変わらない親交の深さを痛感させられました。

駄弁者:
 こんな言われたほうがどんな顔していいか分からなくなるジョークはやめてほしいなあ、というのは日本人の感覚なのでしょう。ジェイミーがどんな返しをしたのかは、ちょっと気になります。



セブン セブン セブン セブン
セブン、セブン、セブン!
セブン、セブン、セブン!
晴れた朝には 洗濯を
ウチムラセブン 庶民派セブン
ウチムラセブン セブン セブン
進め 青なら手をあげて
ウチムラノーズでスマッシュ!!

 出典: フジテレビ制作「ウチムラセブン」主題歌  『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』パロディコント

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 たまにはこういうのもいいかなぁと思って投稿してみた。タイトルと歌詞からも解るとおり『ウルトラセブン』の替え歌である。
 本作品はとんねるずの伝説的パロディ『仮面ノリダー』同様、非常によく出来たヒーローものパロディだった。ウチムラ警備隊のモノホシ・ラン隊員(演・内村光良)は洗濯ものを干すことが趣味という変わり者。しかし、怪獣や宇宙人が現れた時には「ウチムラノーズ」と呼ばれる銀色の付け鼻を装着し、正義の超人ウチムラセブンに変身して戦う。ウチムラセブンが登場すると警備隊の面々はたちまち仕事をサボり、煙草を吸いながら野球の話を始めたりする。いや、それ以前に飛行メカを撃墜された時点で完全に戦意を喪失し、ウチムラセブンが現れることをひたすら願う者まである始末。つまり全員が全員、まるで科特隊のイデ隊員みたいな「ウルトラ依存症」なのだった。そんなしょーもない隊員たちを指揮するキリカブ隊長(なんと、かつてモロボシ・ダンを演じていた森次晃嗣!)は、何故かオカマっちいオネエ言葉……全く、まともな人間は一人として登場しない。しかし作品の世界観は一応、本家である円谷プロの基本的なフォーマットを踏襲していた。と、この様に楽しい番組だったのだが、残念ながら「或る悲惨な事情」により打ち切りとなり、未完のまま終わってしまった(その詳細を知りたい人はWikipediaで…)。
 『仮面ノリダー』も面白かったが、どちらかというと『ライダー派』よりも『ウルトラ派』だった私にとって、上記投稿の替え歌は非常に印象深い。

駄弁者:
 ノリダーは、直前に「仮面ライダーBlack」がある分、パロディ元を知らない子どもでも比較的とっつきが良かったのでは。ウルトラマンは当時からだと80まで遡らないと連続したテレビ放映がないようですし。
「晴れた朝には〜」の変え部分は、うまいと思いましたが。



…さっきの話やけどな。▽
結末はバッドエンドでも
別にかまわへんのとちゃうか?▽
いま生きている、この瞬間に、
後悔せえへんのやったらな!▽

 出典: コナミ製作「パワプロクンポケット14」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 今回の投稿は先週の投稿に対するカズの返答です。
 先週の投稿にある通りカズはいったん死亡するのですがとある理由で復活。
 そしてホンフーを倒す際にこの文句を言います。
 こんなこと言ってますがカズは今のところかなりひどい目にあってます。
 一例をあげると、彼氏には二股(三股の可能性有)をかけられしかもその二股相手と結婚子供までいる、それに比べ自分は相手に居場所がばれたらいけないから廃ビル暮らしの貧乏生活。
 こんだけなことがあってまで世界を救おうとするのは凄い。
 まぁ、人生は絶対バッドエンドってのは肯定してますが…

駄弁者:
 そのまま最後まで後悔なく結末を迎えられたら、他人から見てバッドエンドでも本人にとってはハッピーエンドと言えるのかも(…コメントからするとやせ我慢が混じってそうですが)。



ラニング博士「悪いが、反応は限られている。正しい質問を頼む」
…(中略)…
ラニング博士「それだよ、刑事。正しい質問だ。プログラム終了」

 出典: アレックス・プロヤス監督「アイ、ロボット」(久保喜昭訳)

紹介 :汗(はん) 様
HP :

コメント:
 シカゴ2035年。USロボティクス社にスプーナー刑事がやってくる。迎えたラニング博士は彼の質問に、引用のような言葉を返す。
 かっこよく、謎めいたせりふ。スプーナーも観客も、真実を求めずにはいられない。
(原作はもちろん、アイザック・アシモフ)

駄弁者:
 原作でもラニング博士はでていたけれど、こういう謎めいたキャラだったかなあ…。
でも、汎用性はありますね。あまり答えたくないときに「正しい質問を頼む」って。



「自分がぼくになにをしたか、よく見るがいいんだ!」

 出典: オースン・スコット・カード「四階共同便所の怨霊」(冬川旦訳)  『無伴奏ソナタ』に収録

紹介 :tomtom 様
HP :

コメント:
 妻から家を追い出され、見せしめに安アパートへ引っ越した主人公のセリフです。
 事情を分かってくるとむしろ、主人公が家族になにをしたかよく見ろよとツッコミたくなります。
 ロクデナシもここまで極めれば大したものだと思い、投稿させて頂きました。

駄弁者:
 短編集中、「王の食肉」と並んで後味悪さで双璧をなす作品。
 主人公は彼が出会う醜い怪物にふさわしい、しようのない人間でした。
 その怪物といえば、最近映画化された『ベルセルク』の原作で登場する幼魔、この「怨霊」がモデルじゃないでしょうか。



これは、運命だ……。まだ僕は、戦える!

 出典: 水島精二監督「機動戦士ガンダム00 2ndSeason 第25話『再生』」

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
 「主人公たちが世界の紛争・戦争を圧倒的な武力で鎮圧し世界を平和に導く」という突飛というか中二病というか…という設定で物議を醸したガンダム00。今回はそんな00から日常で引用したくなる名台詞を一言。
 主人公ら戦争根絶組織「ソレスタル・ビーイング」を指揮していた人造人間イノベイター。彼らは実はソレスタルビーイングを捨て駒にし、優良種であるイノベイターの力を持って世界を支配するつもりだった。
 しかしイノベイターが裏切り、壊滅させたはずのソレスタルビーイングはイノベイターから離反し、自らの意思で行動を開始。イノベイターの野望を突き止め、本来CBと敵対していたはずの連邦軍の一部も味方につけて最終決戦に臨む。
 そして激突する、イノベイターの首魁リボンズ・アルマークと戦いの末に真なるイノベイター「純粋種」に覚醒したガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ。彼らは壮絶な戦いの末相打ちとなり、リボンズのリボーンズガンダム、刹那のダブルオーライザーは中破して共に戦闘続行不能となってしまう。
 半壊したリボーンズガンダムで一旦体勢を立て直すべく退くリボンズ。そんな彼の前に現れたのは、かつて自らの愛機であった、全てのガンダムのアーキタイプ、0ガンダムであった。
 CBが予備戦力として持ち込んでいた0ガンダムに乗り込み、起動させるリボンズ。そして彼は刹那にとどめを刺すべく再び戦場へと舞い戻る…。
 その時の台詞がコレ。実はあまりリボンズ自体は余り思い入れのあるキャラではないのですがこのセリフは妙にツボにはまってしまい、それっぽいシチュエーションに遭遇すると時折呟いてしまいます。
 見つからないと思っていた失せ物が見つかった時、もうダメだと思った問題に思わぬ解決の糸口が見つかった時…駄弁者さんもぜひ心の中で呟いてみてください。
 よくわからないけどテンションがちょっと上がります。ほんのちょっと。

駄弁者:
 意志薄弱な私としては、失せ物が見つかる前、解決の糸口が見つかる前に「まだ僕は戦える!」と言える力がほしいです。「これは、運命だ…」がギブアップの言い訳になってしまいそうで。



俺の平滑筋が光って唸った。敵を倒せと轟き叫ぶのだ。

 出典: 神林長平原案・桜坂洋作「狐と踊れ」  『神林長平トリビュート』に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 神林長平に影響を受けた作家たちが、神林の作品を元に綴った短編集から。
 5Uという薬を飲まないと、なぜか人間から胃袋が逃走するという奇妙な世界。
代わり映えのない生活に嫌気の差した語り手は、「最強」を求めてさすらいの旅に出る。
ある日、語り手は自分と同じ名を名乗るものと対峙し、その名を掛けての戦いに挑む。 追い詰められた語り手は、さすらいの旅で身につけた奥義を繰り出す。
 はい、わたくしTWRといえばGガンダム。今回も抜かりはありません。
 上のセリフはドモンがシャイニング・フィンガーを発動するときのセリフ(俺のこの手が光って唸る、お前を倒せと輝き叫ぶ)のパロディ。神林ワールドでこのセリフが出るとはねえ。まさかこれが来るとは(259集)。
 ちなみにこの語り手は逃走した胃袋。胃袋の生活に代わり映えがあったら大変ですよね。
 さらに名前は「フムン」。って、おーい!?
禁じ手連発の短編が作品集のトップですよ。これでいいのか、ほんとに?
抱えるのは頭か腹か?

駄弁者:
 Gガンは「まさかこれが来るとは」ですが、フムンは「そこでそれが来るとは」ですね。
>胃袋の生活に代わり映えがあったら
「まいにちまいにち ぼくらは腹腔の〜 中で焼かれて 胃炎なっちゃうよ」…すいません、私もそろそろオヤジ遺伝子が発現する年ごろです。



「俺は山田と手を組んだ。二郎を救うにはどうしてもアリエスの力が必要なんだ!」
「そうか…。話が繋がった…。こうやって本気で戦って、初めてお前と語り合えた気がするよ、流星…。」
「如月…」
「お前の本当の心、本当の思いが受け止められて…嬉しいぜ…。たとえそれが殺意でも…な…」

 出典: 東映制作「仮面ライダーフォーゼ 31話『昴・星・王・国』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 昴星高校から天ノ川学園高校に来た交換編入生の朔田流星。彼の友人の井石二郎は力を求めるあまりにゾディアーツスイッチに手を出し、何故か変身できずに昏睡状態となっていた。流星は彼を救うことができるのはホロスコープスの一人アリエス・ゾディアーツしかいないと謎の男タチバナに教えられ、彼に与えられた仮面ライダーメテオの力を使ってアリエスに進化するゾディアーツを探していた。流星は本来クールな性格なのだが、仮面ライダー部に潜入するために人懐こい性格を演じている。しかし人間観察力に優れる如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)には流星がメテオであることこそ見破られなかったものの演技は見抜かれており、「いつか本当のお前を見せてもらう」と言われていた。
 昴星高校にゾディアーツが出現したという情報を得た流星は、皮肉にも自分とは逆に天ノ川学園から昴星に行った交換編入生の山田竜守がアリエスの力に覚醒していたことを知る。ある事件をきっかけに仮面ライダー部の顧問になった大杉忠太先生の助けを借り、体験通学という名目で昴星に調査に向かった仮面ライダー部の面々は学校がアリエスの支配下に置かれていることを知る。弦太朗はフォーゼに変身して立ち向かうが、必殺技を撃とうとしたところに仮面ライダーメテオが乱入し、必殺技メテオストームパニッシャーからの連続攻撃でフォーゼを倒してしまった。その直後、流星の行動をチェックしているタチバナが自分の「アリエスを倒してスイッチを入手しろ」という命令を無視した流星に怒り、変身を強制解除してしまう。台詞はその後の流星と弦太朗の会話。このシーンでは心電図が画面に表示され、最後の台詞とともに弦太朗の心臓が止まるという演出がされていた。

駄弁者:
 ご投稿の名文句もさることながら(いいシーンなんでしょうけど)、コメントに出てくる「謎の人物タチバナ」でつい吹いてしまいました。特訓は…あ、やっぱりしてる(笑)。



「俺は……、『多重人格者』ならぬ……たっ……、たじゅ……、『多重体格者』……!! そっ……、外に出る体格を……チャンネル……で……切り換え……!!」

 出典: 三家本礼「サタニスター」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、血まみれフリークスホラーからの名文句です。
 世界最強殺人鬼決定戦の第1試合で、墓井田は友人の仇であるヒットマン・バリーと対戦する事になります。
 試合開始直前にバリーが首に付いているチャンネルを回すと、小柄な体がみるみるうちに墓井田をも凌ぐ巨体へと変貌していきます。
 そんな自分の能力を説明するバリーの台詞が今回の名文句です。

駄弁者:
 ウルトラマンなどの巨大化ヒーローもある意味『多重体格者』になるんでしょうか?



あのね、いいの、心配しなくて。悲しくて泣いてるんじゃないんだもの。ただ……けど……何で泣くのかよく判んなくて泣いてるんだもん。ただ……あのね、あのね……多分嬉しいのよ、あなたに会えて。すごくあなたに会いたかった。あなたに会えば、何か以前と違ってくると思ってた。で……多分本当に、何か違ってきたんだわ。

 出典: 新井素子「ひとめあなたに…」

紹介 :ラッキー・チャンス 様
HP :

コメント:
 今回の投稿は、新井素子女史の初期長編から。この作品は当サイトで何度も挙がっていますね。(同じ人の連投が多いみたいですが。)引用のセリフは、ヒロイン圭子が艱難辛苦の末に恋人の朗と再会を果たし、終末間近の世界であるにも関わらず(結局最後まで地球滅亡は回避の目途が立たない)、大団円を迎える場面の一言。以前の「渇きの海」の投稿と言い、今回と言い、私はどうも“極限状況での心理や言動”に惹かれるようです。そういう場面では、酷薄になるにせよ、優しくなるにせよ、見栄や建前を削ぎ落とした真の自分、どういう人間でありたいか、という部分が露わになる気がするのです。もちろん、以前の投稿で駄弁者さんが言われたように「吊り橋効果」的な解釈もできるんですけどね。

駄弁者:
 この作品、最初にご投稿があった「由利子さんのシチュー」の印象が強いです(見栄や建前以外にも削ぎ落としたものが…)。極限状態に置かれて酷薄になるのも優しくなるのも、どちらかがその人の真の姿というのではなく、ちょっとした違いで両方になり得るんだろうと思います。



戦わないさ

 出典: カートゥーン・ネットワーク・スタジオ製作「ベン10 エイリアンフォース 『宇宙戦争 パート2』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 宇宙の全種族の抹殺を狙うハイブリードは地球に巨大転送装置を建造し大艦隊を送りこみ総攻撃を仕掛けてきた、ベンは地球を守る為仲間たちと共に迎え撃つ。
地球侵略の指揮を執る司令官を倒し、攻撃の指示を出しているハイブリードの母星へ転送装置を使って乗り込む、そこで対面した長老達は自分達以外の種族は存在しているだけで汚らわしく浄化をしなくてはいけないと言うがベン達に同行したオムニトリックスの制作者のガルヴァン星人アズマスはそれは嘘だと指摘する。ハイブリードは純血を重んじるあまり他の生物との交わりを一切拒否した為遺伝子が劣化し子供が生まれず、種としての終焉を迎えようとしていた。プライドの高い彼らはそれが我慢できず全宇宙を道連れにしようとしていたのだった。
 しかしハイブリードのあまりにも強大な戦力にアズマスは戦ってもとても勝ち目はないと諦める、しかしその事実を知ったベンは戦うのではなくオムニトリックスを使いハイブリードの遺伝子に他の種族のデータを埋め込み、さらに転送装置を通じてそれを全宇宙に広げた。自分達が嫌悪する「雑種」になってしまいもう滅ぶしかないと言う長老達の前に一人のハイブリードが現れるそれはかつてベンの治療によって身体が変異したライニーだった。彼は一度は汚れた身体を呪ったがこれで種族は生き延びることが出来ると長老達を説得し、ハイブリードの最高司令官に任命される。
 こうしてハイブリードの侵略は中止され、ハイブリードも含めた宇宙の全種族の命は救われたのだった

駄弁者:
 前にあったご投稿の続きですね。
>他の生物との交わりを一切拒否した為遺伝子が劣化し
 地球上の民族と違って本当に遺伝的に全く別種なんですから、交雑がないせいで遺伝子が劣化するというのは変だと思うんですが(…でも人口が極端に少なければ劣化についてはありえるか)。
 滅亡をまぬがれるためにエイリアンと交わって別の生物種になろう、というのはプライドの高い低いに関わらず抵抗が大きいのは分かります。宇宙まるごと無理心中するところまで分かりたくはないですけど。



なめるなよ…人間はな…人殺しの道具を作っているばかりじゃないんだぞ…!!

 出典: スクウェア製作「Live-A-Live」

紹介 :星屑 様
HP :

コメント:
 祝!Live-A-Live、サントラ復活記念!!
 この言葉はSF編の終盤に乗組員が黒幕に言った言葉です。
 この乗組員は昔あった戦争で人間の手によって作られた無人殺人兵器(ロボット)によって数多くの仲間を殺されました。
 しかし、まだ人間を信じているから、この乗組員はこの言葉を黒幕に言ったんだと思います。

駄弁者:
 「人殺しの道具を壊す道具も作っているんだぞ!」と続けたら、マッチポンプと笑われてしまいそうです。



時空管理局は時間改変の影響を受けないですョ

 出典: 逢空万太「這いよれ!ニャル子さん 9」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 突っ込んじゃいけないんだけど、突っ込みたくなる設定ってあるよな、とこの科白を読んだ瞬間に思い出してしまいました。時空管理局でも、タイムパトロールでもいいですが、時間が改変された後に介入して、正しい歴史に戻すことが時空管理局になぜできるのでしょうか。科白のように考えればいいのかもしれませんが。
 既に一度は改変されてしまった、ということは、それが正しい歴史になってしまっている筈なのに。海外SFで、タイムパトロールが実は歴史に介入していて正しい歴史を作っていた、という話があったと思うのですが、そうでも考えないと、時空管理局が歴史が改変された後にまた正しい歴史を作れる、というのが確かに分かりません。

駄弁者:
 アンダースンの元祖『タイムパトロール』から考えられていたことだろうけど、明快な回答は出ていないのでは。
 一本道じゃなくパラレルワールドだったら時空管理局が改変の影響を受けない理由の説明はできるだろうけど、それだとそもそも管理する意味がなくなるし…。



5千? どうしてそんなものが?
まさかマグパイは5千年も生きて…?

 出典: ジョン・バーン画・脚本「THE MAN OF STEEL #3」(関川哲夫訳)  『小学館スーパーマン/バットマン NO2』に収録

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 1986年頃に行われたスーパーマンとバットマンの設定および世界観の仕切りなおし。
 一新された世界におけるスーパーマンとバットマンの『最初の共同戦線』を描いた物語より。
 ゴッサム・シティで連続するマグパイ(カササギ)と呼ばれる犯罪者による宝石・貴金属類の連続窃盗および、(マグパイが盗みの度に置いていく自体が剃刀発射装置や致死性の酸の噴霧器、爆弾になっている危険なレプリカによる)無差別殺人を4日間一睡もせず捜査していたバットマン。
 そんな彼を警察に突き出すべくメトロポリスからやってきたスーパーマン。
 彼に対してバットマンはサーマルビジョン(赤外線感知視力)で自分の体がスーパーマンの生体組織に反応する磁場で包まれている事を確認させた後、磁場に侵入した場合ゴッサム・シティの『誰か』に仕掛けられた爆弾が爆発すると説明します。
 マグパイが部下を処刑した際の爆音をスーパーマンが聞きつけたたため、そのまま行動を共にする事になった二人。
 あと一歩の所でマグパイを逃がしてしまい、唯一の遺留品である糸屑のスペクトル分析の結果――5千年前の繊維――を聞かされたスーパーマンの返答が投稿の台詞。
 スーパーマンのマジボケに対して「そうは思いたくはないだろ?」と冷静につっこみを入れ、ゴッサムで5千年前の布地がある唯一の場所へと案内するバットマン。
 まだ駆け出しという事に加え、自分自身豊富なスーパーパワーの持ち主であるが故、ついつい超自然がらみの思考をしてしまうスーパーマン。
 他にも彼は捕縛したバットマンが披露した見事な隠行術を見て彼が透明化能力の持ち主だと勘違いしたりもしています。
『世界最強にして最高』の『鋼鉄の男』と『常人の極限』である『闇の騎士』の対比を実に笑える形で示してくれた台詞です。

駄弁者:
 このスーパーマン、「いい人」なんだろうけどなあ…。「いい人」のまま最強でいられるスーパーマンは、バットマンにとっては羨ましくも苛立たしい存在じゃないかと感じます。



「しかし、どうしてそこまで
 戦おうとするんです?▽」
「…ウチは…
 ハッピーエンドの方が…▽
 好きやから…かな。▽」
「すべての現実はバッドエンド。▽
 ハッピーエンドなどというものは
 まぼろしにすぎません。▽」
「!?▽」
「そもそもハッピーエンドというのは
 幸せな瞬間で物語が終わるからこそ
 ハッピーエンドなのです。▽
 ところが現実は、そうではない。▽」
「…。▽」
「幸せな人間が死のうと、
 不幸な人間が死のうと、いずれにせよ
 それはバッドエンドなのです。▽」
「…それは…▽
 ウチに、言うとんのと、ちがうな。▽
 自分に、言い聞かせ、とるんやろ?▽」

 出典: コナミ製作「パワプロクンポケット14」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
前回に続いてエンドについての台詞で今回はパワポケ14から。
これは最終決戦でのカズ(正義の味方)とホンフー(悪の組織の「超」能力者)の会話です。
カズはホンフーの超能力によって死にかけているのですが、それでもまだ戦おうとします。
それを見たホンフーが何故戦うのか聞いてからの一連の流れが投稿です。
これを見たとき確かにその考えは有ると思った。
誰だって結末は本人の死のみ、そして死はバッドエンドです。
ちなみにこの後カズは『痛みに耐えられず』『絶望』し『諦め』させられて死にます。

駄弁者:
 幸せな人間が幸せなまま死んだら、その人にとってはハッピーエンドですよ? 周りの人間にとってハッピーとは限らないというだけで。ホンフーの言葉は誰にとってのバッドでありハッピーであるかを(知らずかわざとかはともかく)混同したものだと思います。
 結局のところ、万人にとって等しいハッピーエンドやバッドエンドは、現実にはあんまりない、ということではないでしょうか。



朕が勅令をもって布告した通り、サンフランシスコ及びオークランド市民はサンフランシスコとオークランドをゴート島経由で結ぶ架橋を懸架、あるいはトンネルを掘削するための適切な資金を準備し、どちらの計画がより優れたるかを決定すべし。
当市の市民は従来、この勅令を無視しており、朕はわが権威に完全なる敬意をもたらさんがため、以下のごとく命令する。
すなわち、市議会がなおも我が勅令に違背しつづける時は、陸軍は彼らを拘禁すべし。
御名御璽 サンフランシスコにて 1872年9月17日

 出典: ジョシュア・エイブラハム・ノートン1世「アメリカ合衆国皇帝勅令第19号」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 米相場に手を出して無一文になったジョシュア・ノートンは精神に異常をきたし、サンフランシスコで「アメリカ合衆国皇帝およびメキシコ護国卿ノートン1世」を名乗りはじめます。彼の即位宣言を面白がった新聞社が記事として掲載し、時間がたつにつれサンフランシスコ市民に愛される存在となってゆきました。
 私が上の文章をSFだと思う理由は、この勅令が発布された当時は夢物語と思われていた、サンフランシスコ・オークランド間の直接陸上交通輸送を命じた点にあります。
 両市を結ぶ「懸架式架橋」は1936年、「トンネル」およびそこを走る地下鉄は1959年に完成しました。ノートン皇帝の勅令は、まさに未来を先取りしていたのです。
 ……まあもっとも、他の勅令では議会解散とか政党の廃止とか、現代から見るとあまり同意できないことも命じているのですが。

駄弁者:
 ほんとにこのご仁がアメリカ皇帝だったら…という歴史改変SFはないものでしょうか。
 ノートン陛下がどういうビジョンを持って勅令を発してたかちょっと気になりますが…あんまりSF的なものじゃなかったように思えます。



誰を救うか選べたとしたら―
彼のことは選べないよな
だが誰を生かし誰を殺すか実際に選んだとしたら―
化け物になる

 出典: ラッセル・T・ディビス脚本・ジェームズ・ストロング監督「ドクター・フー第42話(2007年クリスマススペシャル)『呪われた旅路』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 ドクターが乗り込んだ宇宙観光船タイタニックは、何者かの陰謀で対隕石シールドを切られ沈没の危機に(そんな名前つけるから……)。ウェイトレスのアストリッドたちと生き延びようとするドクターだが、証人抹殺を図る黒幕の操るホスト用ロボットが生存者の殺戮を始める。
 なんとか事件を解決するドクターだが、アストリッド等を始め数多くの犠牲者が出てしまう。しかし、生き残った者の中には、たいして協力しないで文句ばっかり言っていたビジネスマンもいた(さらにその前に株を売っていたおかげで儲けていた)。
 憤懣やるかたないドクターを慰めて、生存者のコパー老人(学者だと経歴を詐称して乗り込んでいた老セールスマン)が言った言葉。
 ウルトラマンだけでなく、ドクターも神ではありません。そこに改めて気づいたドクターは、そのままだと経歴詐称で逮捕されるコパーにあるお礼をするのでした。
 こういうセリフを主人公のドクターでなく、ゲスト扱いの人にドクターに言わせたのが面白かったです。

駄弁者:
 だいぶ前に「人の命を判断できるのは、間違っている人間だけだ」というご投稿がありましたが、それにも通じる言葉ですね。



「君の仲間?!」
「家族よ」

 出典: 「超ロボット生命体トランスフォーマープライム」(寺尾知寿子訳)

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 サイバトロンとデストロン…ではなくオートボットとディセプティコンが戦う本作。
 バイクに変形するオートボットの一員、アーシーが戦いに巻き込まれた地球人ジャックと逃げている最中、仲間のバンブルビーが助けに来ます。それを見ての二人の台詞です。
 この前のシーンで仲間の一人クリフジャンパーが死に、もう地球上にいる同胞はその場に集まっただけになったと説明があるので、なおさらアーシーの言葉に重みがあります。

駄弁者:
 感情的な親密さを表しているのでしょうが、「家族」という言葉に「否応なく一蓮托生」という含意を見てしまうのは…やっぱりひねくれ者の性ですね。



モシモ カリニ ワタシニ タマシイガ アッタトシテモ――
キット ジブンハ ジゴクニ オチルダロウ
コノヨデ モットモ アイスル ヒトヲ……ダマシタノダカラ......
――ゴメンナサイ シンチャン ヒナチャン…… カンケリ、デキナクテ――
ハカセ……ニジヲ イッショニミレナクテ……ザンネンデス
……アナタノ ケンキュウハ マチガッテイマセン.....
イマカラソレヲ……ジッショウシテキマス
カミジョウサン……アナタカラ タクサレタ ミギウデニ モウイチド チカイマス
ヒカリカガヤク ミライヲ……アナタタチニ オカエシシマス.....
(アア、ホントウニ シアワセダッタナア…マルデ、ユメノヨウナ ニカゲツカンデシタ)
ケド キカイハ ユメヲミテハ イケマセン
ソシテ サメタ ユメハ…
――イマ  オワル――

 出典: 「雪華結晶と白饅頭なロボット」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 いわゆる「やる夫スレ」と言われるアスキーアートで作られた作品。タイトルで検索すればすぐ見つかると思うので是非読んでみてほしい作品です。
(以下はネタバレを多分に含むので反転お願いします)
 絶海の孤島で暮らしていた幽霊の雪華結晶は、ある日見たこともないものを目撃します。それは桜田ジュン博士に作られたロボット「Y-R-O」であり、学習機能による自主学習のために島を探索していたのでした。雪華結晶は周りと干渉できないはずの自分をY-R-Oが認識していることに驚き、得体のしれない恐怖を感じて逃げ出してしまいました。
 それでも気になってY-R-Oを観察しているうちに、母性本能を刺激されて教育するようになり、徐々に二人は愛し合うようになっていきます。雪華結晶の教育を受けたことで驚異的なスピードで成長したY-R-Oはまるで人間のような仕草をするようになり、言葉も流暢になります。やがて型番をもじって雪華結晶に「やる夫」と命名された彼は『自分は人間と友達になるために作られたのだ』と信じるようになりますが、事実は残酷なものでした。
 数年前、人類は急速発展した機械文明の果てに全ての機械を統率するコンピューター「マザー」を作りだし、人類の楽園を築こうとしました。その開発責任者こそ桜田博士でした。しかし、全人類を幸福にするはずだったマザーは、ある国の権力者による細工によって暴走、人類の抹殺を開始。博士の娘、桜田雪華結晶も殺害されてしまったのでした。やる夫は博士の復讐と贖罪のために作られた対マザー用兵器だったのです。
 やる夫の成長を見た博士は考えを改め、島に留まってもいいと言いますがやる夫は島を出ることを決意します。最初はロボットだというだけで排斥されたやる夫でしたが、ある集落のリーダー赤木しげる、そこに住む横島忠夫や上条当麻、孤児院の野原しんのすけや雛苺など彼と実際に触れ合ったことで受け入れる人が現れ、徐々に集落にも受け入れられていきます。しかし、やる夫の兄に当たるロボットY-N-Oからやる夫を庇った横島が殺されたことで事態は一変、やる夫は再び多くの人から嫌われるようになってしまいました。
 マザーが人類のみを殺す特殊なウイルスを地上に散布しようとしていることを知ったやる夫は自分が宇宙にいるマザーを破壊することを提案します。やる夫を受け入れた人々からは反対されましたが、それしか手段が存在しないことから結局受け入れられることになりました。そしてやる夫は愛する雪華結晶と結婚したうえで彼女を成仏させ、自分は今までに学習した人間らしさを捨てて戦闘兵器Y-R-Oとして戦いに挑むのでした。台詞は出撃する直前のY-R-Oの台詞。

駄弁者:
 意外と(といったら失礼か)読ませてくれます。掲示板の方で紹介があった「やる夫が光武帝になるようです」も面白かったけど、こちらもなかなか。
 AAを離れれば、もっと多くの人の目にふれることができるのでしょうが、そこを離れて元ネタのキャラのイメージを使えなくなると牽引力が激減してしまうのが難点。



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