SF名文句・迷文句第321集

名文句トップに戻る

第320集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第322集を見る


大統領は最高の地位で、権威の源については非特異的です。独裁体制から、無政府状態すれすれの人民主義社会まで、さまざまな政体の指導者に対して使われます。あなたに、もっともふさわしいかもしれません。

 出典: ジャック・キャンベル「彷徨える艦隊 外伝1」(月岡小穂訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 ミッドウェイ星系の独立のために起こしたクーデターを成功させた主人公たち。主人公の1人のイケニは新体制が樹立されたことを示すために自らの新称号を部下に調べさせるのですが、結局、大統領を名乗ることになります。上記の名文句は、イケニに大統領という称号を勧める部下の科白の一節です。
 確かに「大統領」という称号は、民主国家のアメリカ等でも使われるかと思えば、独裁国家でも使われる等、さまざまな政治体制で採用されています。クーデター後にどのような政治体制が行われるのか、興味津々の状態である人民に対し、いかようでもとれる大統領という称号はもっともふさわしいものかもしれません。ちなみに主人公たちがどのような政治体制を目指していくのかは、今のところ不明確(独裁体制のようにも思われるのですが)なので、なおさら似合っている気がしてなりませんでした。
 余談ですが、新称号の候補の中には「大物」とか、「大祈祷師」とか、「顔役」とか、「君臨者」とかまであり、ちょっと笑えました。

駄弁者:
 欧米的には、まちがっても「総統」とは付けたくないところなんでしょう。言葉の意味としては他の候補とあまり変わらない気がするんですが。



俺じゃねぇ!!

 出典: ナムコ・テイルズスタジオ製作「テイルズオブエクシリア」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 かつて精霊と人間が共存する世界があった。人間はマナを生成する器官を持ちマナを使って精霊から力を借り様々な力を使い文明を発展させ精霊は人間から得たマナで自然を豊かにしていった。しかし元々マナを生み出す器官を持たない種族の人間は代わりに科学技術を発展させていった、だがそれはマナを使わない代わりに精霊を殺す技術であった。精霊はその技術を捨てるように言っても聞かない人間たちを見捨て、器官を持つ人間たちを連れて「リーゼ・マクシア」という閉じられた世界を作りだし外の世界の人間がマナの枯渇と共に滅ぶのを待つことにした。
 そして時は流れて2000年後、外の世界である「エレンピオス」はマナが失われ世界が滅びようとする現状を打破するためにリーゼ・マクシア人からマナを抽出する「異界炉計画」を立ち上げる。主人公パーティーは「異界炉計画」を支援する事故でリーゼ・マクシアに流れ着いたエレンピオス人のテロ組織「アルクノア」と戦う。
 戦闘に負け追い詰められ、故郷を救うためにやったことだと言う「アルクノア」のリーダーである中ボスのジランドだが、主人公のひとりである精霊ミラは「2000年前精霊と決別する道を選んだのはお前たち自身だろ」と言う。
それに返したのが投稿の台詞。
 先祖の環境破壊の尻拭いをさせられた男の心からの叫び

駄弁者:
 自分どころか直接の身内でもない人の罪をあげつらわれるというのは、ちょっと身につまされるものがありますねえ…。



「そうだ!このクツが食えるかもしれない」

 出典: 横山光輝「マーズ」

紹介 :W”MONSTER 様
HP :

コメント:
 新島で発見された少年は、地球を監視(場合によっては破壊)する目的で眠っていた人造人間でした。予定外の覚醒で使命を忘れた少年=マーズは、善意の人々の説得で人類に味方します。
 説得したひとりの岩倉記者は、マーズを狙う監視者たちの秘密を探るべく新島の再調査に参加。マーズがいた部屋を発見しますが、噴火で閉じ込められてしまいます。救助を待ちながら情報端末の解読に挑む岩倉は、変な味の水(実はマーズの治療液)で渇きをしのぐものの餓死寸前に。
 そこで戦争中の中国の話を思い出し、革靴の煮込みにありついたというわけ。正義感だけでなく、知識を知恵として活かす頭脳もあった岩倉の解読によって、戦局を左右する事実が解明されるのです。
 昨今のマスコミを見ると、曲解するわ捏造するわ無礼千万だわ…岩倉のような記者は既に空想にしかいないのではないかと悲観的になってしまいます。マーズを見つけたのが今の日本の記者なら、即「ナントイウミニクイ姿ダ」ですよ。

駄弁者:
 靴を食べるのは、チャップリンの映画が元ネタじゃなかったんですか?
>「ナントイウミニクイ姿ダ」
 まあ報道対象の方も、食言するわ隠ぺいするわ無礼千万はお互いさまだわで、さしてウツクシクもないのですが。



ほとんどいかなるファンタジーも、超自然的なものを排除して、その代わりに、事件に対する科学的――ないしは、すくなくとも可能な――説明をあたえれば、SFになることができるのである。

 出典: フレドリック・ブラウン「『天使と宇宙船』 序文」(小西宏訳)

紹介 :瑛莉 様
HP :

コメント:
 題名の通り、序文からの引用です。こう言ったあと、作者は例としてギリシャ神話のマイダス王の話をSFに作り変えています。そういえば、第308集の『花咲か爺さん』の話はこれに当てはまってますね。それから、長くなるので省略しましたが、この文の直前には「SFでは、当然のことと考えられているものはなにもない。しかるに一方、ファンタジーでは、説明を要するものは、なにもないのである」とも書かれています。でも、SFなら(読者はともかく)『作者にとって』当然のことと考えられているもの、はあるような気も。(劇中に何の説明もなく急に出てくる単語だとか。)

駄弁者:
 一貫した理由づけを通そうとする姿勢、というのはSFの形をとるためには重要なことなんだと思います。たいした理由づけじゃなくてもいいと思うんですよ。そこに驚きと納得があれば、それこそ単語の綴り程度でも。
>劇中に何の説明もなく急に出てくる単語だとか
 うーんと、読者と作者の間で当然と考えられているものではないけど、描かれている世界の人々の間では当然と考えられているものはあって、それを示す演出だと考えれば…。でもそれを言ったらファンタジーで説明がないのも、同じか。



「私は現場にいなかったしヴィータ副隊長に叱られてもうちゃんと反省してると思うから、改めて叱ったりはしないけど。ティアナは時々少し一生懸命すぎるんだよね。それでちょっとやんちゃしちゃうんだ。でもね、ティアナは1人で戦ってる訳じゃないんだよ。集団戦での私やティアナのポジションは前後左右全部が味方なんだから。その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じミスを2度と繰り返さないって……約束できる?」

 出典: 都築真紀脚本「魔法少女リリカルなのはStrikerS 第8話『願い、ふたりで』」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、SF魔法少女シリーズ第3期からの名文句です。
 ホテルで開催される骨董美術品オークションの警備・警戒任務中、オークション出品物を狙った敵メカが襲来します。
 迎撃するスバル達でしたがスバルと同じ隊に所属するティアナが、無茶をした結果スバルを誤射しかけてしまいます。
 敵メカ撃破後の後処理の中、なのははティアナに彼女のポジションが陣形でどのような位置にありどのような意味を持つかを伝えるのでした。

駄弁者:
 で、この後約束守れなかったから、かの有名な「少し頭冷やそうか」のシーンになるわけですね。



ツ・ヨ・ク・ナ・ツ・タ・ナ・ゲ・ン・キ・デ・ナ・ゼ・ラ

 出典: 神野淳一「アーマード・コア ブレイブニューワールド」

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
 最後の国家間戦争と言われた「大破壊」により、壊滅的な環境破壊を受けた地球。大破壊後も世界から戦いはなくならず、戦場には最強の汎用兵器「アーマード・コア」、そしてACを駆る傭兵「レイヴン」の姿が常にあった。
 新造都市「トーキョーフロンティア」。そこにはレイヴンたちが定められたルールのもとに1vs1で戦うAC用の闘技場「アリーナ」が存在した。
 そのアリーナで下位ランクを低迷する、二人の女性からなるACチーム「ダブルハート」。下位ランクへの降格の危機を目前に迎えたダブルハートの前に、DHのオペレーター担当・ミルキーの父でありダブルハートの師でもあったレイヴン、サーティの戦友を自称する男アスマが現れる。
 アスマはサーティの遺言に従い、ダブルハートをトーキョーフロンティアの頂点に立たせるという。半信半疑のダブルハートの二人だったが、類稀なメカニックの手腕を持つアスマの助言とACのアセンブル変更によりダブルハートは降格の危機を脱し、アリーナを勝ち進むことに成功。
 そしてダブルハートはTFアリーナを勝ち進みながら、サーティの死の真実に近づいていく。サーティを殺した謎の機動兵器「BLACK-ONE」とは何なのか。BLACK-ONEをはじめとする新世代兵器を世界の裏で作り続ける「人工知能群」の目的とは…。
 模型誌にて連載された、どうにもマイナーなアーマード・コアの公式小説より。ACもファイナルファンタジーシリーズと同じようにナンバリングごとにパラレルな世界観となっていて、本作もまた他のACとはつながらない独自の作品になっています。個人的に、マイナーなのが惜しまれる秀作です。三部構成の壮大なストーリーと言いハイレベルなデジラマといい、見るところは結構あると思うのですが。
 台詞は最終盤より。
 人工知能群はその真の目的に従い、世界に反旗を翻した。人工知能群は世界を次世代の兵器群で蹂躙する一方で、人類側にも何故か同じ次世代兵器を少数ながら与え、敢えて反撃のチャンスを作った。人工知能群の蹂躙の最中、欧州の人類軍はレイヴンをその仲間に加え撤退戦を開始する。欧州アリーナに属するレイヴンであるゼラ、ティフィン、カレルは人類軍に加わり、危険な囮の任務を引き受ける。その最中、知能群の部隊の指揮役である機動兵器「BLACK-ONE」がレイヴンたちに急襲をかける。BLACK-ONEはあえて無人機を撤退させ、カレルとの1vs1の状況を作ると一騎討ちへと持ち込んだ。カレルは悟る。BLACK-ONEの生体AIはかつての戦友であり、アリーナで戦死したゼラの父親・シンサを模したものであると。生前、騎士道を重んじる変人であったシンサは蹂躙をよしとせず、1vs1の戦いを選んだのだ。カレルはゼラとティフィンを撤退させるべく決死の覚悟でタイマンを演じるが、自分の父親を前にゼラは忠告を無視してBLACK-ONEへと挑んでいく。カレルとティフィンが行動不能となり一人BLACK-ONEに立ち向かうゼラだったが、力及ばずシンサのBLACK-ONEに敗れてしまう。
 このまま欧州も人工知能群の手に落ちるのか。そう思った時、BLACK-ONEはモールス信号(今回の名文句)を送ってきた。そのモールス信号は、格上の機動兵器を相手に健闘したゼラを称えるものであった。シンサはAIになってなお、生きていたのだ。ゼラの健闘を称えると、BLACK-ONEは人工知能群の制御を振りきってたった一機、敵の最中へと飛び込んでいった…。
 アニメ・ゲームではよくある「敵となったかつての味方が自我を取り戻し、ふたたび味方に戻る」シーン。テンプレといえばそれまでですが、やっぱり燃えます。
 ちなみにこの後「敵の生体AIの制御を弱らせる方法」が発見され、最終決戦ではそれまでの戦いで死んでいった仲間やサーティを模したAIたちが人工知能群に反旗を翻し、主人公のレイヴンたちとともに立ち向かっていくという更に熱い展開になります。「なんで裏切られるリスクを犯してかつての仲間をAIに採用したの?」と言いたいところでしょうが、これにはちゃんと理由があります…が、それはまた別の機会に。

駄弁者:
>敵となったかつての味方が自我を取り戻し…
 機械にとらわれた父親と息子の1on1というなら、私は『さよなら銀河鉄道999』の鉄郎vs黒騎士が原体験です。はありますがこっちは味方にならないまま倒されるんですが、「強くなったな」のセリフはお約束。



スポック「ミスター・スポック」
スポック「ミスター・スポック」

 出典: J・J・エイブラムス監督『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

紹介 :出羽 様
HP :

コメント:
 ご無沙汰してます。先行上映で観てきました記念。
 絶望的な状況を打開するため、本来は敵である”ジョン・ハリソン”を伴って艦を離れたカークから、スポックは艦の指揮を任される。地球人離れした知能と身体能力を持つ”ジョン・ハリソン”に強い危機感を抱くスポックは、彼について更なる情報を得るため、論理的タブーを犯して前作で未来から来た彼自身…老スポックに連絡を取ろうとする。ウフーラが頑張って何とか通信が繋がって、最初の挨拶がこれ。
 同一人物なので、致し方ないところですね。

駄弁者:
 ごぶさたしております!
 返信が遅くなってすみません。掲載はダウンロード版先行配信開始記念になってしまいました。
 前作で出てきたときは、引継ぎのため1回限りのサービス出演かと思っていたんですが、今回も出てきましたね。老スポックが件の敵を倒したときのことを聞かれて「多大な犠牲を払った」と答えたところは、ニヤリとせずにはいられませんでした。まあ、その後もシリアスなシーンも含めてニヤニヤし通しだったのですが。



天文学者たちは、もうとうの昔に、ギリシャとローマ神話の名前を使い果たし、今はヒンズー教の神殿を漁りまわっていた。そこで三一/四三九は、ラーマ(インドの大叙事詩ラーマヤナに出てくる英雄神)と命名された。

 出典: アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」(南山宏訳)

紹介 :名も無い者 様
HP :

コメント:
 名も無い者です。最近はこのサイト内でも活字離れが進んでいるようですので、「そういえば私の最初の投稿は映画からだったなぁ…」と反省しつつ投稿しました。
 今回は駄弁者さんには説明不要でしょう、異星人作のスペースコロニーの内部を冒険するアーサー・C・クラークの小説からの投稿です。ヒンズー教の名前も使い果たしたら、そのうちアミダブツとかアマテラスとか、果てにはフライングスパゲティモンスターと命名されるんでしょうか…。しかし、リングワールドもそうですが、パク人もラーマ人も、こんなもん作れる技術があったら遠心力による疑似重力に頼らず縮退物質なりなんなりを使って人工重力を作れそうなものですが。

駄弁者:
 ありがとうございます。懐かしい作品ですね。共著で「4」まで書かれたシリーズですが、やっぱり最初の2作が好みです(物語的にはクラーク単独の1より共著の2の方が面白いような…)。
>今はヒンズー教の神殿を…
 準惑星の名前は、ハワイの女神やイースター島の創造神まで駆り出されていますが、ヒンズー教由来は実際あまりないような…小惑星に「ヴァルナ」というのがあるみたいですが。3つセットの人工天体が現れるまで、とっておくことにしたんでしょうか。



好きな人と一緒になるって、その人と同じになるんじゃない。
きっと、違うところをお互いに見つけていくことなんだよ。
だから、わかんないことも、「嫌い」って思うこともいっぱいあるかもしれないけど。
でも、きっとそれでいい。それでよかったのに。

 出典: バンダイナムコゲームス原案・矢立肇原作・花田十輝脚本「アイドルマスター XENOGLOSSIA 第25話『春の雪』」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 アイドル育成ゲームを原案としてロボットアニメを作るといういろんな意味でアクロバティックな事をやらかしたアニメから(ちなみに原案となったゲームはこのアニメが作られた4年後に「アニメ化」されています)。
月が謎の崩壊を遂げ、地球を取り囲むコンペイトウと呼ばれる小惑星帯となって久しい世界。
 月から落下した隕石から発見されたシリコン構造体を中心として「iDOL」という巨大ロボットが開発され、この「iDOL」とそれを操縦する人間である「アイドルマスター」がコンペイトウから落下するドロップと呼ばれる隕石から地上を守っていました。
(謎のシリコン構造体が元になっているためかiDOLは純然たる機械ではなく人格のような物があり、基準に個体差はありますが心を許した女性からの操縦しか受け付けません)
 如月千早はかつてiDOLの一体であるインベルのマスターでありましたが、インベルはある事件をきっかけに千早の操縦を拒絶していました。
 千早は自分を慕う少女萩原雪歩の協力を受けてインベルの現マスターである天海春香からインベルを強奪。
 インベルの外部からの呼びかけに反応する回路を切断してコクピット内にいる千早以外からの呼びかけには反応しないようにしていましたが、春香からの呼びかけによりインベルは奇跡的に復活。千早が乗り込んだコクピットを排出します。
 千早は最後の手段として自身の肉体を量子化してインベルのコアと強引に融合しようと試みましたが、それさえもインベルに拒絶されて消滅してしまいました。
 インベルからの拒絶を恐れるあまりインベルの意志を無視してでも縛り付けようとした事。それが千早が最後までインベルから拒絶され続けた理由ではないかと春香は推測するのでした。
 ……ついでの話としてこのアニメはSF要素のかけらも無さそうなアイドル育成ゲームが原案なのですが、2013年8月中旬に検索した限りではロボットアニメであるこのアニメからの投稿は一件もないのに原案となったゲームシリーズからの投稿は過去に一度だけあったりします。

駄弁者:
 非SF作品のキャラを使ったSF二次創作というのは出しているとキリがないので、同人やWEB公開のものは掲載を保留することが多いのですが、ちらは原案に先行したロボットアニメ化という変わり種でもあることですし。
 それにしても原案はプレイヤーがアイドルたちのマスターになるゲームだったと思ったんですが…こっちではそのアイドルたちがiDOLのマスターになってるんですか(笑)。
>わかんないことも、「嫌い」って思うこともいっぱいあるかもしれないけど。
 人と人との関係ならともかく、ロボットと操縦者の間で「わかんないこと」がいっぱいあったりするのは問題じゃないのかなあ…(まあ、そういう謎の戦闘機械に乗り込んで戦う話もわりとあったりしますが)。



時は21世紀。テレゾンビ達はついにメディアタワーを占拠した。
地球は彼らの思うままに操られ、人々は生きる意欲を失った。
てれび戦士達はテレビを再び人間の手に取り戻し地球を救うため、宇宙へと飛び立った!

 出典: NHK制作「天才てれびくん」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 子供向け教育番組『天才てれびくん』1994年度OPの語りから。
 これも投稿しとこうと思い投稿しました。
 当時てれび戦士は絶対勝つと思ってたので、この展開は驚いた覚えがあります。
 純粋だったんだなぁ、当時の自分……
 しかしこの後テレゾンビ関係は結局うやむやになった覚えがあるんだが、どうなったんだっけ?

駄弁者:
 「宇宙へと飛び立った!」というと聞こえはいいけど、何だか亡命政権っぽい感じも。
 Wikipediaを見ると、その後ブラックホールに吸い込まれたりパラレルワールドに迷い込んだりしてますが…肝心の地球は取り戻したんでしょうね?



質問するためには、あらかじめ、答えのおおよそがわかっていなければならぬということを。

 出典: ロバート・シェクリイ「愚問」(稲葉明雄訳)  『宇宙市民』に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 とある惑星に設置された≪解答器≫。
 それに究極の答えを求めて多くの人が訪れたが、解答を得た者はいなかった。
 なるほどねえ。「のちにダグラス・アダムズが『銀河ヒッチハイク・ガイド』をひっさげて現われ、依然として貧乏なシェクリーをしりめに、シェクリー流の風刺で金持になったのを見て、古くからの読者は天を仰いだ」(一兆年の宴)のも、納得です。

駄弁者:
 「人生、宇宙、すべての答え」なら、いまや解答器に聞かなくてもGoogle先生が答えてくれるのですが。
>一兆年の宴
 オールディスは、シェクリイを非常に高く評価していますね。「本領を発揮したときのシェクリイは、ソーダ割りのヴォルテールである」とは。天を仰いだ読者のうち一人は彼だったのでは。



だから僕は人間デス……たとえこんな姿デモ
僕は―――人間なのデス

 出典: 西野マルタ「両国リヴァイアサン」  『五大湖フルバースト 下』に収録

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 300集の文句に惹かれて買ってみました。
 いやぁ、相撲という題材こそ奇抜ですが中身は正統派な人情話でした。
 この名文句は下巻に収録されている読みきりの、心技体の体を担当する力の横綱リヴァイア山が伝説の横綱に負けた時の台詞です。
 遺伝子操作と薬物投与による肉体改造の末に身長2.5メートル、体重300キロの超人として生まれ変わったリヴァイア山。しかし超人とは言い換えれば化け物である。その自分がもし負けることができたのなら、それこそが自分が化け物ではなく人間である証明なのだ、と。
 三部作完結編の心の横綱はまだかなぁ…SFで心というとテレパシーかなぁ?

駄弁者:
>SFで心というとテレパシーかなぁ?
 それも面白いですが、ロボット力士に自我が芽生える流れも、ベタながら人情話にしやすいかも。人間が機械化する「五大湖フルバースト」の対照にもなりますし。



「……短時間うとうととしている間に、私はある奇妙な悪夢を見た。…(中略)…『とてもあんたたちに信じてはもらえないようなものを見たのだ。オリオン座よりもむこうで、炎に包まれた船団を攻撃する。タンホイザー門の近くの暗がりで、D光線が眩しく輝くのを、俺は見た。こうしたすべての瞬間は、雨に涙が流されるように、時の中に失われていく。もう死ぬ時がやってきた…(中略)…』。その両手から一羽の白い鳩が飛び立ち、ばたばたと翼をはためかせながら北方にむかって飛んでいった。けれどもその飛行は、きちんと座標の定まったものではなかった。クローカは、そちらの方向を見つめて、二度吠えた。」

 出典: ジョアン・フォンクベルタ「スプートニク」(菅啓次郎訳)

紹介 :名も無い者 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです、名も無い者です。
 剥製や合成写真を利用した架空の生物を生み出し、「写真に写るものは存在するものである」という理論の薄弱さを問うた『秘密の動物誌』の著者である写真家、ジョアン・フォンクベルタが次に手がけたのが、旧ソ連の本物の写真をもとに、何の関係もない写真や自分のコスプレ写真にそれらしいキャプションを添えて書かれた「存在しない宇宙飛行士の記録」でした。
 投稿のめい文句は、主人公(?)のイワンが宇宙船の中で見た夢に出てきた「巨人」のセリフです。
 …この下りを読んでも、これが偽書だと気付かなかった人もいたそうで。

駄弁者:
 C光線じゃなくてD光線なんだ(笑)。
>この下りを読んでも、これが偽書だと気付かなかった人もいたそうで
 まあ、だからだいぶ前にあったご投稿のような注釈が必要になってしまうわけですが。



「わいが……。
 わいがす……、好きな桜ちゃんは……。
 桜ちゃんは……、
 男なんや!!!
 わい、男の桜ちゃんが好きなんや!」

 出典: 小野敏洋「バーコードファイター #30『桜を救え! ACT3 ファイナルステージ』」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 ヒロイン有栖川桜の存在で熱狂的なファンを持つバーコードファイター最終回の彼女に纏わる台詞です。
 コロコロコミックに連載されていた、当時のゲーム機バーコードバトラーを題材にした漫画なのですが、スケールが大きくなってバーコードでバーチャルリアリティみたいにロボットを戦わせられるのは序の口、実は主人公烈の幼馴染…つまりヒロインの有栖川桜が男性である事実が途中で明かされます。
 これはその最終章の話で、桜がプレイしたゲームは作品中にある人間の生体データをバーコードに変換できるバイオバーコードが使われており、桜はゲームの世界で女性になり囚われ脱出できなくなってしまい、主人公とライバル達、かつて彼女をオカマと呼んだ阿鳥改も協力した…が、なんと桜の元にたどり着いたのは改だった。
 彼がゲームの世界に囚われた桜を目覚めさせる為に放った言葉です。
 これだけ事態の収拾に貢献した改に桜が振り向く事はなかったという哀しい結末を付け加えておきます。

駄弁者:
 今でこそ「男の娘」はマンガでもゲームでもわりと見かけますが、このマンガが出ていた90年代前半で、しかもヒロイン役がそうだというのはかなり珍しかったんじゃないでしょうか(ああ、『ストップ!! ひばりくん!』があったか…)。



「司法制度の目的は罪人の処罰ではありません、大統領。処罰の執行は簡単です。司法制度が存在するのは、無実の者を守るためです」
…(中略)…
「無実の者などいないわ。われわれはみな、何か罪を犯している。問題になるのは、その罪の程度と深刻度にすぎない」

 出典: ジャック・キャンベル「彷徨える艦隊 外伝1」(月岡小穂訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 シンディックに反乱を起こして独立したミッドウェイ星系の新しい指導者となったイケニ大統領と、彼女に対して司法制度の改革を訴える部下のやりとりの一節です。シンディックの100年以上に及ぶ支配の中で司法制度は人民を守るという美名の下、支配階級の道具となっていました。イケニ大統領も司法制度に疑問を持ちつつも、人民を守るという美名とこれまでの教育から反論できずにいましたが、部下から司法制度の改革の理由として無実の者を守るためだといわれ、これまでの教育から反論したところです。
 確かに、我々は皆、何か罪を犯した存在かもしれません。だからといって、人民を守るという美名を振りかざした司法制度が支配階級の道具になったとき、何が起こるか。数々の独裁国家における秘密警察等の暗躍は、例を挙げていけば多数に上ります。そして、大量の無実の人が泣く羽目になり、秘密警察等は国民を守るためだと自らを正当化しました。それを思うと、私としては、部下がいうように、司法制度は無実の者を守るためにあってほしいとつくづく思います。それにしても、100年以上にも及ぶ支配で行われた教育にもかかわらず、まだ、部下のような考えが生き延びている方が奇跡かもしれません。

駄弁者:
 罪の程度を量る基準の公正さを守るために司法制度が存在する…と話をつなげることができれば、大統領の言葉もあながち間違ってはいないのでしょうが。



技師長「今日はまたばかに暑いねぇ」
河村繁「地球がどんどん温かくなってるそうじゃないですか」
技師長「地球温暖化説か。北極と南極の氷が全部融けると、地表が水浸しになるっていう話か。イヤだねぇ。ははは……」

 出典: 黒沼健原作・村田武雄&木村武脚本・本多猪四郎監督「空の大怪獣ラドン」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 連日猛暑日が続いて暑かったので(これを投稿しているのは8月11日)条件反射的に思い出してしまった名文句。
 ストーリー冒頭、炭鉱の技師長(演・草間璋夫)と主人公の河村繁技師(演・佐原健二)が技師室で交わす会話。地球上の自然環境に異変が現れていることを示唆する台詞なのだが、最後の「イヤだねぇ。ははは……」でも解るとおり、遠い将来のことだろうとたかをくくってのんびりしている様子が窺える。
 当時は本当に「未来のおとぎばなし」だったんでしょうかねぇ、地球温暖化。この映画から57年経った現在、上記投稿の台詞は「笑えない現実」になっています。この「57年後」という歳月の経過、長いといえば長いっスけどね、人類の歴史、いや地球そのものの歴史から考えれば「すぐあと」ですぜ……あぁ、考えたら恐ろしさのあまりだんだん寒くなってきた。

駄弁者:
 掲載は初雪の頃となりまして、いつもながら申し訳ないです。
>地球温暖化説か
 当時すでに「説」があったことに感心する一方、当時は説でしかなかったものが今では…と寒心に堪えません。



日本もまた庭だと思えば、衰滅寸前のありさまを目の当たりにしながら、ほったらかしにするわけにはいくまい。私たちで<彼女ニッポン)>を世話し、保護しよう。いたるところにはびこり、<彼女>を汚したあの歩く疫病を退治し、<彼女>の美と純潔を取り戻そうではないか。子どもたちがふたたび<彼女>のもとに戻ってくる日のために。

 出典: マックス・ブルックス「WORLD WAR Z」(浜野アキオ訳)

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 近未来の群像劇なのでと言い訳しつつゾンビものから。
 中国から世界に広がった“ゾンビ禍”は、都市部の人口密度が高く軽武装の警察と実戦経験のない自衛隊しか持たない日本で、特に猛威を振るっていました。そんな中、幼くして視力を失ったためにゾンビを察知する能力を早く身につけた朝永老人は、命からがら逃げのびてきたオタク少年・近藤の「日本はもうない」という涙ながらの訴えに対し、上のように宣言します。
 この「WORLD WAR Z」はゾンビ禍終結後に世界中の関係者から話を聞くという設定の小説ですが、登場キャラの持っている専門知識についてかなり突っ込んだ描写があり、執筆前の相当な情報収集をうかがうことができます。そして、作中の日本においてゾンビ禍を研究し、対策として“国民総脱出計画”を提案した博士の名前が小松であることを考えると、著者が手にとった本のうち少なくとも一冊は確実に特定できるとみていいでしょう。

駄弁者:
 日本を<彼女>と表現するのも、「日本列島に恋をしていた」あの人が出てくるその一冊からかなあ。



なんできみたちはそんなにわしの顔を見つめているのかね? とにかく、計画は成功したというわけだな? そうだろう?

 出典: エドモンド・ハミルトン「宇宙囚人船の反乱」(野田昌宏訳)

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 囚人輸送の任務に就くジョオンが心配で護送船に乗り組んだキャプテン・フューチャーだが、宇宙海賊の大物・キムに率いられた反乱が発生。ところが事故で崩壊寸前の放浪惑星に漂着し、宇宙船が失われてしまう。そこで、囚人たちと協力してゼロから宇宙船を建造し、脱出したキャプテンたちだが、連絡の手段がないため救援が呼べない。そこで、サイモンが自分の生命維持装置を使って通信機を作成することを提案。だが、救援がこなければ生命を維持する漿液が毒性を帯び、サイモンは死んでしまう……。
ぎりぎりで惑星パトロールの救援が飛来、必死にサイモンの生命維持装置を修理したキャプテンたちに対しての、意識を取り戻したサイモンの一言。
うーむ、冷たいようだけどキャプテンたちのためにサイモンは自分の命を賭けたわけだし、これも一種のツンデレでしょうかね(笑)。「生きている脳」になる前のサイモン教授って、どういう人だったのか気になってきます(キャプテンの両親とは仲が良かったようだけど)。

駄弁者:
 ツンデレというよりは「このぐらいのことは何でもない」というカッコつけ(あるいはダンディズム)ですかね。
 きっと聞いていた人は「見つめようにも顔ないやん」とか心中でツッコんでいたと思うんですが…。



「ナゼ、ワレワレガコンナウタニヤブレタノダ……」

 出典: 逢空万太「這いよれ!ニャル子さん 7」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 何度も投稿された、ラブ(中略)コメディからの名文句です。
 地球の鉱物資源を採掘し尽くすべく襲来したミ=ゴ達が地球のウイルスに対する予防接種を施してきたため、窮地に陥る真尋達。
 そこにニャル子の携帯に惑星保護機構から電話がかかってきたかと思うと、ミ=ゴの体が破裂し始めます。
 その光景を見た真尋の脳裏には、地球の古い歌でエイリアンの頭部が爆発するSF映画が浮かぶのでした。
 今回の名文句は、首領格の巨大ミ=ゴが破裂直前に言い残した台詞です。
 「宇宙戦争」ネタかと思ったら、「マーズ・アタック!」ネタだったとは……。

駄弁者:
>頭部が爆発するSF映画  先に「スキャナーズ」を連想してしまった(頭が破裂するシーンが衝撃だったもので)。
 元ネタでは火星人を破裂させた歌はカントリー&ウェスタンなんですが、こちらでは何だったのでしょう。「どこにでもある当たり前のラブソング」…?



たしかに死ななくなった
みんな・・・)死んだから

 出典: 神谷涼「永い後日談のネクロニカ」

紹介 :ひとむら 様
HP :

コメント:
 そう遠くない未来、人類は残り少なくなった資源の争奪を原因とした戦争が続発し、様々な技術が戦場に投入されていった。
 サイボーグ化、バイオ技術による昆虫兵器、限定的な核兵器……。そしてついに、当時発生していた死者復活現象の解明がなされ、死体操作技術が確立する。
 プロパガンダを込めて為政者は言う。これで人道的戦争が可能になる、戦場で人が死ぬことはなくなった、と。
 しかし実際には兵士の補充のために敵兵の死体を接収することから始まり、生きている敵兵、敵国の民間人、そして守るべき存在であるはずの自国民へと接収対象は広がっていった。
 そして、ついに誰が最初にボタンを押したかがわからない全面核戦争にいたり、その後の核の冬を経て人類は絶滅した。
 人類の歴史という物語が終わり、地上で繰り広げられるのは死者たちを主演とした後日談……というのが『永い後日談のネクロニカ』(公式サイト R-15、グロ注意)の世界設定です。
 投稿文はルールブックに掲載されたオープニングコミックの、前述の為政者の声に対する後世の声です。

駄弁者:
 「みんな死んだ」のも悲劇ですが、このセリフのような皮肉を言ったり感じたりすることのできる存在が残ってしまったことが、それ以上の悲劇ですね。そんな自意識が無ければ、延々殺し合っても何も感じなかっただろうに…。
 このご投稿の対になる文句として、伊藤計劃『ハーモニー』のラストの一節を並べて投稿しようと思ったのですが、作品の雰囲気を残しつつ、ネタバレしないよう切り取ることができなくて断念。



名文句トップに戻る

第320集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第322集を見る