SF名文句・迷文句第249集

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俺は君の兄貴だけど、兄貴じゃねえんだ

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 自分たちの宇宙とは別の宇宙に異変が起きていることを察知したウルトラ一族。別の宇宙に行くには膨大なエネルギーが必要なため、任務を志願したウルトラマンゼロ一人しか派遣することはできなかった。
 別の宇宙にたどり着いたゼロは、惑星アヌーで侵略兵器レギオノイドと戦うランとナオの兄弟に出会う。レギオノイドはゼロが倒したが、ランは致命傷を負ってしまう。ゼロは彼と一体化することで命を救い、ナオにこの言葉をかけてから説明した。

駄弁者:
>ゼロは彼と一体化することで命を救い…
 元祖のハヤタさんと似た境遇なんですね。…平行宇宙には、命を二つもって来れるんでしょうか?



わたしが申し上げたのは、聖下、現在手持ちの兵力でわたしと部下たちにできることは、かつて誓約したとおり、<信仰>を擁護するために戦って死ぬことだけだ、ということです。もしほかに答えがないようでしたら、われわれは誓約どおりにいたします。

 出典: ディヴィッド・ウェーバー「反逆者の月 3」(中村仁美訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 銀河帝国の皇太子ショーンが率いる惑星バーダルの「教会」への反乱軍の大攻勢を前にした、「教会」軍の司令官と大僧正との会話の一節です。
 反乱軍は今や圧倒的な優位にあり、「教会」(沖縄戦が終了した後の昭和20年8月の日本といい勝負かも)にとって、戦況は絶望的で反乱軍との交渉に応じるしかないはずなのですが、それでも現状を受け入れることを拒否する大僧正は、反乱軍との交渉を一切拒否し、「教会」軍に対して徹底抗戦することを命じます。司令官は、その命令に対して、上記のように答えます。どんなに絶望的な戦況の中でも、軍人には忠誠を示す方法が1つだけある、それは戦って死ぬこと、というそうですが、異星においても、軍人にできることには変わりはないようです。

駄弁者:
 「組織された暴力は自ら意志を持ってはならない」とはだいぶ前にもご投稿がありましたし、私も基本的に賛成なのですが、この司令官が部下の命を捧げてまで忠誠を示すべきだったのかと聞かれると、ちょっとためらいを覚えてしまいます。



破壊という名の新たな創造は 正道な力を以って我々が行使する
領土 人民 権力 今そのすべてを開放する
『国境なき世界』が創造する 新しき国家の姿だ
国籍や国家も意味を成さない その線引きは 今我々が消し去る
『国境なき世界』が新しい物語を書き連ねる

 出典: ナムコ製作「ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR」

紹介 :アーサー・エリス 様
HP :

コメント:
今回は、軽くSFの方向に足を踏み入れつつあるフライトシューティング、エースコンバットシリーズの「ZERO」より、かの有名な演説を。  かのベルカ戦争の終戦後、連合軍諸国間の外交における敗戦国ベルカの権益争奪戦に嫌気がさした軍人たちが組織したクーデター組織「国境なき世界」。
 その中心人物・ジョシュア・ブリストーの行った演説がこれです。
 彼らはベルカの残存兵力から重巡航管制機「XB-0」、そして報復兵器「V2(核弾頭)」を接収。「世界の文明の完全破壊」を最終目標に掲げ、全世界に向けてこの演説を発信します。
 この「国境なき世界」と連合国との戦いが、ラストミッションにおける「円卓の鬼神」と、「片羽の妖精」の一騎討ちにつながっていくわけですが、それはプレイしてのお楽しみということでここでは伏せておきます。
 しかし、文面だけ見るとさも彼らが正義の軍隊のように思えますが、実際のところ彼らは「核を打ち込んでの全世界の殲滅」以降のことは何も考えていない、とても無責任なテロ集団なんです。
 「片羽の妖精」も「歪んだ歴史をリセットして時代に全てを託す」と言っていますし、結局この演説を簡潔に纏めると「今の世界には絶望した。核でブッ潰す。後は知らん」
 となるわけで…そりゃあまりにも子供っぽくて、無責任じゃありませんか。言葉はカッコイイけどさ…。

駄弁者:
 「破壊した後に創造する」と一口に言うのは簡単ですが、二つを同じぐらい簡単に行えるのは神様ぐらいのもので、人間がやると創造は破壊の何倍、何十倍もの労力がかかるものです。
 破壊神を気取る人は、その辺もうちょっと考えてみるべきだと思うんですけどね。



「桐岡君はこないだ、新聞に立体テレビの記事を書いていたね…(中略)…仁木の研究はそれを一歩も二歩も推し進めたものだ。立体テレビが仮に可能だとしても、送られて来た映像は受像機の中でしか再生されないだろ? 仁木はその映像を実体同様に受像機から飛び出させる、つまり物体そのものを電送しようと考えたのだ」

 出典: 関沢新一脚本・福田純監督「電送人間」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 眼鏡無しで楽しめる3Dテレビが発売されたのを記念しての投稿。出典の作品は、五十年前に作られたSFミステリー映画(当時の言葉で言う「空想科学犯罪映画」)である。
 戦前から戦中にかけて活躍していたエレクトロニクスの権威・仁木博士(演・佐々木孝丸)は軍の命令で「物体電送機」の研究開発に従事していたが、戦後は消息不明となり、死亡説が流れていた。上記の文句は、その仁木博士の秘密の研究プランを、戦後エレクトロニクスの権威である三浦博士(演・村上冬樹)が新聞記者の桐岡(演・鶴田浩二)に語って聞かせる場面での台詞。
 五十年経った現在、ブラウン管は過去の物となり、薄型テレビによる立体映像が実現された。そういう意味では本作品はもはやSF映画としては古典になってしまった訳だが、「昔の人々が夢見た未来を今になって見る覗き窓」としての役割は果たすと思うので、未見の人はぜひ鑑賞してほしい。DVD(ブルーレイもあったかな?)出てます。

駄弁者:
 この作品自体が3D化されたりするようなことがあれば(ないでしょうが)、このセリフのところでちょっと感慨を覚えて…いや、吹き出してしまうかも。
 しかし、受像機から映像を飛び出させるのと物体そのものの電送とでは、「つまり」でつなげるにはあまりにも飛躍が大きすぎます(笑)。



「<類推の山>はだからこの対蹠地の──待ってくださいちょっと計算してみますから……ここだ、タスマニアの東南、ニュージーランドの西南、オークランド島の東にあるんだ。」
「大変合理的です…(中略)…ですが地図の上にこれら大陸の起伏を全て立体的にレリーフして・・・中略・・・全体をつりあげてみると仮定しましょう。アメリカ、ユーラシア、アフリカの大山塊はほとんどみな五十度線よりも下にありますから、この平面球形図は大きく南側に傾くことが予想されます。…(中略)…いずれにしても<類推の山>が南太平洋上にあることにはかわりがありません。あと何日かいただければ、私の計算を最終的に仕上げてみせます。」

 出典: ルネ・ドーマル「類推の山」(巖谷國士訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 天と地をつなぐ柱、<類推の山>。空間のゆがみによって視界から隠されているとされる山の位置を割り出すためにピエール・ソゴルとその一行が交わしたやりとりの一部。
 地球が海の半球と陸の半球に分かれているのにふらつかないのは、なぜか?に始まって地塊のバランスを考慮して、この結論を類推するにに至る。
 こういう手続きを踏んでいるから、この小説をSFに入れたいんですけどね。まあ、現物をご覧になって決めていただければありがたいです(1996年刊行)。

駄弁者:
 単行本は96年刊行ですが、私が前回のご投稿で見たのは「渋澤龍彦文学館」(91年)に収録されていたものでした。SFと言うよりはシュルレアリスム文学というべきなんでしょうが、合理性を装おうとする姿勢は、SFに通じる…と言えることにしときましょうか。



おれは国王に誓った。戦時にそれを破ったら、おれは反逆者だ。おれの土地は没収され──おれの命も──おれに従った者たちも運命をともにすることになる。違うか?…(中略)…もし国王が倒されたら──おれの誓いはどうなる?おれが誓いを守れば、反乱軍の大義に照らしておれは反逆者となる。

 出典: ダイアナ・ガバルドン「燃ゆる十字架のもとに T」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 1770年に主人公のジェイミーとクレアは英国王に忠誠を誓うことで土地を手に入れますが、未来から来たクレアや娘夫婦によって、それが極めてはかないものである(何しろ米国独立戦争は間近に迫っています。)ことを知っているジェイミーの呟きです。
 未来がわかるというのが、決して幸せばかりをもたらすものではない、というのは数々の作品で描かれてきましたが、この作品に出てくるジェイミーも苦悩します。今、英国王に忠誠を誓わねば生きていくための土地を手に入れることはできません。でも、英国王に忠誠を誓うということは、数年先にはその土地を失うことも意味しているわけで。更にその戦禍に巻き込まれる手に入れた土地の住民のことも考えていくと。地主として土地の名士になった以上、自分に従うその土地の住民の安全も考えないといけないわけで、反逆者になりたくない、しかし、どうすればいい。ジェイミーならずとも考えこんでしまいます。

駄弁者:
 未来を知ったところで、直面する問題からは逃れられず悩むための時間が増えるだけでは、浮かばれませんね。
 読者としては、そのような歴史の「逃れがたさ」に翻弄される登場人物たちの姿こそが魅力となってしまうのですが。



Chiharuは、死んではいかんのだ。

 出典: 石ノ森章太郎原作・田崎竜太監督「仮面ライダー THE NEXT」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 人気アイドルChiharuとして活躍していた風見ちはるは、ある時ショッカーのナノマシン散布による改造手術に巻き込まれるなどいくつかの事件や事故が重なった事で不完全な改造人間としての見るも無惨な姿になってしまい、病院の屋上から身投げしてそのまま行方不明となります。
 事務所の看板であるChiharuを失う事を恐れた彼女の所属事務所の社長はこの事件を隠蔽し、他のアイドルの顔を風見ちはるの顔とそっくりに整形させてChiharuとして活動させる事にしたのでした。
 アイドル達から整形手術によって顔を奪い、Chiharuという「商品」に仕立て上げる芸能事務所の姿は、ナノマシン散布という新しい方法によって改造手術に手術台を使わなくなったショッカーとは違う形でTVシリーズのショッカー系組織に似た恐怖を感じました。

駄弁者:
 この芸能事務所はとくにショッカーの仮の姿というわけでもなく、たまたま所属のアイドルがナノマシン散布に巻き込まれてしまっただけのようですが……それだけに、とった行動が恐ろしく感じられますね。



それに、おれは市警の一員だから、上司の命令には従うしかないよ。

 出典: アイザック・アシモフ「はだかの太陽」(冬川亘訳)

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今回のテーマは「宮仕えはつらいよ」。で、「宮仕え」というと「公務員」、という訳でSF界を代表する(?)公務員、ニューヨーク市警刑事イライジャ・ベイリの言葉から始めます。
 投稿の文句は、出張に行くために飛行機に乗らなくてはならなくなったベイリが不満をぶつける妻を宥めるために、奥さんに言った言葉です。「こんな何でもない言葉のどこが『めい文句』なの?」と仰る方が、さぞ、いらっしゃるでしょう。でも、学校を出て「お勤め」を始めて××年、この文句を読む度に何故か心にしみるのです。何と言えばいいか……。「お勤め」をするときは「上司の言いつけには絶対従わなくてはならない」のは、私が今更言うまでもない「社会の常識」です。でも、それだけの「こと」が、どれほど「大変」なことか、もし「それ」ができなかったら、どれほどの「面倒」が起こって、自分も上司も同僚も嫌な思いをするか、実際に自分で「お勤め」したことのない方にわかるでしょうか。(単にお金や「職を失う」だけの問題ではありません。)まあ、あくまでも私個人に限ってのことで、他の方々は「上司の命令に従う」ことは、息をするのと同じくらい自然にできることなのかも知れませんが。
 そういう私にとって、いかに「何でもない言葉」でも、このベイリの言葉は心の琴線に触れる言葉であり、十分「名文句」でもあるので「名文句集」に投稿した、という次第です。
 駄弁者さん、同じ「公務員」としての御感想は、いかがですか?

駄弁者:
 まあ公務員でなくたってサラリーマン一般につきものの光景でしょうから、言い訳する相手を持たない私の感想は不要でしょう(こういう場合は、持たなくて幸い)。
 未来都市でロボットを相棒に活躍する主人公が、一介の勤め人として妻に言い訳をしているシーンというのは、SFを読みはじめた頃に目にすれば、意外と新鮮に感じるのかも知れません。



それは長い長い、夢のような…いや夢物語です…

 出典: 小松左京「果しなき流れの果に」

紹介 :やす 様
HP :

コメント:
 常にオールタイムベストテンのトップに選ばれる傑作のラスト。甘い、だの抒情に堕ちた、だのの批判はあるようですが、著者のSF道の、なんというか最後のど真ん中がこの作品であり、その思索性と物語の面白さを象徴したセリフなんだと思います。その後の日本沈没や、さよならジュピター、虚無回廊などは、それぞれより狭いテーマに沿ったある種の思考実験の産物に思われ、それは本作が著者の作家活動のかなり早い段階で書かれてしまったこと、ある種SF「小説」を極めてしまったことからの不可避な流れであったと私は思っています。

駄弁者:
 抒情に堕ちたとの評は的外れとは言えないかも知れません。しかし前にご投稿があったときも書いてましたが、自分が読んだときは、壮大な展開から一変した静かなラストシーンに、かなり安堵させられたものです。



お前ら馬鹿かぁ〜!!

 出典: ビルドベース制作「鋼鉄神ジーグ 第2話『蘇る妃魅禍! 復活!邪魔大王国』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 「漫画版 鋼鉄ジーグ」の続編アニメ「鋼鉄神ジーグ」から。
 鋼鉄ジーグが自分もろとも邪魔大王国を封印してから50年後、邪魔大王国が復活。主人公の草薙剣児はビルドベースが開発した新型の鋼鉄ジーグに乗り込んで邪魔大王国と戦う。
 専用バイク「雷鋼馬」が頭部に変形し、支援戦闘機「ビッグシューター」から射出されるジーグパーツと合体することで完成する鋼鉄ジーグ。雷鋼馬が地上を走っていても合体はできるのだが、ビッグシューターに乗り込んで現場に向かう場合は空中で雷鋼馬を射出して合体する。
 台詞は事前説明なしで空中に放り出された草薙剣児の叫び。

駄弁者:
 放り出されただけですんで良かったじゃないですか。先代さんみたいにそのまま丸まってロボットの頭部に変形しろとか言われなくて。



「夜明けだ!自然って美しいものですね」
「ふふふ、きれいか?シロウトの考えだねエドガー君。地球環境学をやってるとしみじみ思うのはね、地球は──なんて汚いところだろうってことさ。君の言う自然の中にはゲジゲジもいればスピロヘータだっている。そいつらのしちらかしたウンコだってある。ぶっちゃけ地球の半分はウンコみたいなものさ…(中略)…たとえば世の中のためになりたいと思うなら──その救う世界の半分くらいはどうしようもないゴミみたいなもんさ…。ウンコだって救ける気がないとな」

 出典: 富野由悠季原作・長谷川裕一漫画「機動戦士Zガンダム1/2」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 エゥーゴのパイロット、エドガー・エドモンド・スミスはティターンズに捕らわれたアムロ・レイの影武者であるカラバのスタッフ(地球環境学者)を単機で救出に向かう。
敵を振り切る途中で夜明けを迎えて、感傷にふけるスミスを影武者は専門家らしく遠慮なく切って捨てる。
 長谷川氏のZガンダム外伝から。
確かに自然の美しさは自然の汚らしさと共にある訳ですよね。舗装してない道ではすぐに土やほこりが付いてくるし、一見きれいな水だからといって、必ずしも飲めるわけではない。自然の美しさを語る人だって、日常になってしまえばそれに耐えられるものやら。
 全てをありのままに受け入れるなんて事は無知か無関心のなせる業かもしれない。
 当たり前だけど気づきにくい事を教えてくれるこの漫画は立派なSFです。ちょっと頭を揺さぶられました。
 にしても、主人公の名前がE・E・スミスなんて、やってくれる。

駄弁者:
 人間が守りたがっている自然は、人間が好きな自然でしかないって言葉をどこかで読んだことがあります。
>ウンコだって救ける気がないとな
 ウンコ部分を切り捨てて世直しをしようとしてたのが、Zでクワトロ大尉を名乗っていた革命家さんなのかな…。



「平和こそは、永遠に続く繁栄への道である」

 出典: 中村真一郎・福永武彦・堀田善衛原作・関沢新一脚本・本多猪四郎監督「モスラ」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 映画のラスト、無事インファント島に帰り着いた成虫モスラと小美人。島民たちに祝福され、みんなで唄い踊る中、祭壇の中央にそそり立つ石碑が光を放つ。その石碑に刻まれた古代文字の碑文を現代日本語に訳したナレーションが、上記の文句である。
 アニメの世界には、永い平和を「怠惰な官僚政治と、資源を浪費する愚民を産むだけだ」と言い放つ某スペースコロニーの独裁者などが存在するが、私はこのインファント島の石碑の文句を信じたい。

駄弁者:
 繁栄が永遠に続くとまでは言い切れませんが、少なくとも戦時に賢い軍人が資源を使うよりは、平時に愚民が使う方がムダが少ないんじゃないかと思います。



『ドリル!!それはッ漢の浪漫ロマン!!「燃え」と「萌え」の二重螺旋!!これが我らの浪漫道ロマンロードだー!!』

 出典: 小野寺浩二「超時空眼鏡史メビウスジャンパー」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 ロジャー・ベーコン、ジャンヌ・ダルク、レオナルド・ダ・ヴィンチと投稿してきた萌えと歴史のめがねっ娘ギャグ漫画から。
 眼鏡が現在の形になるまでを見届け、最終目的であるコンタクトレンズ発明者オーゲン・フィック抹殺に乗り出す南雲博士。
 しかし彼の前に硝子によって19世紀に連れてこられたレオナルド・ダ・ヴィンチが、オーゲン・フィックと共同制作した巨大ロボ「ダ・ヴィンチギガンテス」で立ちはだかります。
 それに巨大ロボ「シルビアちゃんEX」で対抗する南雲博士・ベーコン組。1度は敗れるも高機動型のチビキャラバージョンに変形、さらにドリルッ娘バージョンに変形してダ・ヴィンチギガンテスに突撃、撃破します。
 その際南雲博士・ベーコンが言ったのが今回の名文句です。
「ドリルは男のロマン」とはよく言われる言葉ですが、この名文句通りドリルに対する萌えと燃えが一体となったものなのでしょう。

駄弁者:
 コメント部分のリンク先は「ロマン」ではなく「美学」ですが、まあそのココロは同じということで。
 しかし「燃え」は分かるんですが、ドリル自体に「萌え」はやっぱりあるんですかね? ドリルを装備しているキャラへの萌えならともかく。



「知らねぇのか?
 男のエントロピーってのは
 無限に増大するんだぜ」

 出典: 大和田秀樹「ムダヅモ無き改革」

紹介 :TOM 様
HP :

コメント:
 第四帝国との麻雀対決もいよいよ大将決戦間近。これに負ければ地球側はナチスに蹂躙されてしまう。
 ヒトラーの必殺技は、量子力学で言う“重ね合わせ”を利用し、一つの牌で何度も同時にアガることができる、ハイゼンベルク・ストライクと呼ばれる現象であることが、宇宙素粒子物理学博士である湯川ヒデキによって解明された。
 スーパー・アーリア人に進化したヒトラーは、このことにより八連荘をアガり放題。更に彼の八連荘(エイト・センシズ)は、決まれば人間一人を原子の塵に返すほどの威力を持つのだ!
 最強の教皇ベネディクト16世は、自らは原子の塵と化しながらも、そのことを後に続く戦士、小泉ジュンイチローに伝える。その想いに応えるため、湯川ヒデキ博士もスーパーコンピューターをフル稼働させ、ハイゼンベルク・ストライクの完全解明に挑むのだった!
 そんな中、麻雀の牌の山が何種類くらいあるかを説明する湯川博士。「牌は34種類で4枚ずつ、全部で136枚だから約4.3×10の185乗」「1秒に1万回半荘やり続けたとしても、宇宙の終わりまでに終わらねぇ…それくらいデカい数字なのさ」ということをバチカンの白騎士ピエトロに説明するシーン。
 その背景には、足の踏み場もないほどのゴミの山が…
「時間がかかるのはわかったが、どうやったらたった一日でここまで散らかせるんですか?」
と聞かれた湯川博士が、カップラーメンのフタを開けながら答えたのが投稿のセリフです。
 なんかカッコいいので、機会があったら使ってみたいセリフですねw

駄弁者:
 その後、嫁さんに叱られてエントロピー減少に相務めるところまで想像できてしまいますが。
>約4.3×10の185乗
 136枚から14枚をとる組み合わせならその数でしょうが、同じ種類の牌があるから実際はもっと少ないのでは?…と思って検索してみたら、やっぱりありました。計算結果がのっているページ。
http://www10.plala.or.jp/rascalhp/mjmath.htm



「今すぐ電源を切れ!うろたえるな、これはゲームなんだ!」

 出典: コナミ製作「メタルギアソリッド2」

紹介 :ササクレ 様
HP :

コメント:
 原点は『メタルギア』シリーズ定番のメタフィクション的演出…なのですが、ゲームのハードウェア技術が恐竜的進化を遂げ、ファミコン現役時代から識者が繰り返し訴えてきた『ゲームは虚構と現実の区別を曖昧にする』という、私のような直撃世代が鼻で笑い続けてきた言葉が、ことゲームのインターフェースが脳そのものになろうとしている状況を総合国営放送の番組で目の当たりにして笑えない光景を見せられ、ことここに至って進むところまで進めばゲームの概念そのものが消滅してしまうのではないかという懸念すら抱いてしまうのです。
 やはり昭和生まれには’80年代後半の体感ゲームの台頭に夢をはせていたころが一番幸せだったのでしょうか?個人的にはディスプレイと有形インターフェースというタガあってこそのゲームだと思っています。

駄弁者:
 定番も定番、元祖MSX時代から受け継がれてます。
>やはり昭和生まれには〜
 操作するための有形インターフェイスがなくなる段階ならともかく、ディスプレイ自体が視覚に密着してしまったら、真剣にご投稿の言葉を叫ばなくてはならなくなる事態も出てきますね。



事実、わたしはつまらぬ男だ。しかし、それを恥だとは思っておりません。商売と統治に、ユーモアは必要ありませんからな。

 出典: 小河正岳「ウェスタディアの双星8」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 えっ、これで終わりなの、という想いがぬぐいきれないのですが、この作品も完結してしまいました。前巻で、銀河の2大国の1つロアキア統星帝国の干渉を三国同盟の締結により排除したウェスタディア王国ですが、もう1つの大国であるルフェール共和国との同盟を一方的に破棄したことから、共和国の武力侵攻を招きます。それに対して、新同盟国であるシャムラバードやトラベスタに対して援軍を求めるのですが、その首脳会談の席におけるトラベスタのトップ、ネルザリーの発言です。
 確かに商売や統治にユーモアは本来は必要ありませんが、現実にはユーモアがないと両方とも中々うまくいかないものでして、恥だと思ってもいいのでは、とついまじめに突っ込んでしまいました。かといって、ユーモアというか、口ばかりでは商売も統治も絶対にうまくいきません。どっちがいい、と言われては、私としても、ユーモアの無い商売や統治の方がましかな、と思います。

駄弁者:
 ユーモアを発揮するときと控えるときを適切に判断する、という点でセンスが不可欠なのでは。
 ウェスタディアではいざ知らず、現在の地球ではその点有権者が非常にシビアですし(ときには偏狭すぎやしないかと思えるほど)。



後藤くん、君が今ひとつ吹っ切れない原因はそのプライドだ! 欲望をプライドで押さえ込んでいる。非常につまらない。

 出典: 「仮面ライダーオーズ・第14話『プライドと手術と秘密』」

紹介 :メダルの守護神 様
HP :

コメント:
 鴻上会長の秘書の「これから1週間、会長のお世話をお願いします」の命令を無視してヤミーを追っていた後藤に対して鴻上会長が言った台詞です。(傍には会長が作ったケーキを食べ過ぎてダウンした後藤の部下がいましたが)
 プライドは時として信念になるが、状況によっては足枷になることを体現した台詞といっても過言ではないでしょう。

駄弁者:
>プライドは時として信念になるが、状況によっては足枷になる
 始末の悪いことに、あえて足枷をつけていること自体がプライドの源泉だったりするんですよ。



らっきょう頭に 真っ黒おめめ
手にしたビームで 頭がぐしゃり
もしかしたら痛かった?
御免ね でもボク エイリアン
クリプト クリプト クリプト 火星人
  「誰が火星人やねん!」

 出典: Pandemic Studios製作「デストロイオールヒューマンズ 日本語版」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 フォロン星人クリプト137は、化粧品の材料になる天然物エンドルフィンを採取に出掛けたまま行方不明となった兄クリプト136を探し、ついでに自分も小遣い稼ぎにエンドルフィンを採取しようと、野蛮で有名な後進星・地球を訪れた。最初は平和的に地球人に交渉を申し込むが、その直後凶暴この上ない現地の野獣に襲われ、やむを得ず反撃、(小遣い稼ぎも兼ねて)その野獣を退治しまくるという、お馬鹿ゲームです。
 云うまでもなく『野獣』とは人類のことで、知能の低いことにクリプトの姿を見る者全てが彼を『火星人だ!』と言い出す始末。徹底的なネタと悪のりアドリブ(広川太一郎、富田耕生、チョー、山口勝平ら、実力派声優大挙登場)など、ごく一部で大きく評判になりました。
 投降はOP主題歌です。2番もあります。ああ頭痛い。
 要するに、メンタリティの異なる種族同士のファーストコンタクトは、もしかしたら悲劇しか生まないのかも知れません。

駄弁者:
 YouTubeでOPを見ましたが、このイントロとシルエットはもしかしなくても(爆笑)。
 声優も豪華ですが、日本語版シナリオに関わった面々が山本弘、佐藤大輔、ムトウユージ、大倉雅彦というのもすごいですね。



お前に俺は殺せない
まるで見当違いの正義感が邪魔して
俺もお前は殺せない
せっかくのオモチャだからな
どうやら永遠に戦い続ける運命だぜ

 出典: クリストファー・ノーラン監督「ダークナイト」

紹介 :タカ 様
HP :

コメント:
 ジョーカーとバットマンの最終決戦でバットマンはジョーカーをビルから叩き落とします。しかし、バットマンはジョーカーを見殺しにせず命を救いました。バットマンには「悪人であっても人の命は奪わない」というルールがあるからです。その時にジョーカーが言ったセリフがこれです。
 この決断が本当に正しかったのかはわかりません。ジョーカーのような法も倫理も道徳も損得すらないような相手に対して殺す以外に決着のつけようがあったのでしょうか。そういう意味では、バットマンの決断はジョーカーの言うとおり「見当違い」なのかもしれません。
 ただこの決断こそがバットマンをヒーローたらしめているのだとも思います。

駄弁者:
 悪人を殺さないことをもってヒーローとなるバットマンがいる一方、批判を覚悟の上で無差別テロの主導者を殺してヒーローたらんとする大統領もいる…と。両極端ですが、極端であること自体がヒーローの条件なのかも。



遠いどこかの無人の砂漠で音もなく砂がくずれた。そこにたたずむ影は二度とかえらない時に浸って風の音を哀しみの唄とする。その滅びに至る道は始めもまた終りもなくそこにたたずむ影は過ぎ去っていったものの形骸に溶けて惑星の歴史を閉じる。

 出典: 光瀬龍「東キャナル文書」

紹介 :楼砂 様
HP :

コメント:
無常を感じさせる名調子。
【背景】
祖先を求め、遠い遠い宇宙へ旅立ち、目的の惑星に着いた主人公が居なくなった仲間に呼び掛けるが、反応は無い。
そこでいきなり先述の名文句が入った後、《幽霊》と遭遇する。
《幽霊》は自身を地球人となのり、主人公は火星人であるという。
《幽霊》は「もう地球人が火星に来ることは無い」「火星に戻り、仲間を集め、古代のようなイグルーを作れ」と言い放ち、作品は終わる。

駄弁者:
 光瀬龍の「宇宙年代記」シリーズは、このサイトを始めてから「たそがれに還る」「喪われた都市の記録」を読んだのですが、この「東キャナル文書」は未読です。
 「東洋的無常観」とは、このシリーズや他の作品でもよく言われるところですが、人間スケールの「常」や「無常」では太刀打ちできない宇宙の冷たさや広漠さも感じます。



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