SF名文句・迷文句第220集

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  10年は 夢のよう
 100年は 夢また夢
1000年は 一瞬の光の矢

 出典: 阿木燿子作詞・宇崎竜童作曲・船山基紀編曲・高梨雅樹歌「コスモス・ドリーム COSMOS DREAM―宇宙をかける夢―」 『新竹取物語1000年女王』主題歌

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 そーよねー。「時間の流れはみんなに1個ずつあってとまらない」のよねー。
そんな事はさておき
 機械の修理などを趣味にしていますと「昭和」が遠くに感じます。修理に必要な部品がメーカーから出てきません。ついこの間だった筈の昭和が「20年」前であるという容赦ない事実を突き付けられる瞬間です。思わずこの曲を歌ってしまいます。
 10年はあっという間です。「歳をとる、という事は、ゴロゴロと転がりながらではなく、一点を見据えてスーッと坂を下る事である。風景の変化を感じない。」とは友人の名言です。
 アナタが感じていないだけで、アナタの回りにある小説、「夢のよう」に昔のモノかもしれませんよ。

駄弁者:
 『1000年女王』、999の後番組だったけど、あまり見なかったなあ。
それはともかく。
>アナタの回りにある小説、「夢のよう」に昔のモノかもしれませんよ。
 いや、身に覚えがありすぎで…。つい最近という印象をもっていたSFが、実はもう10年以上前の刊行ということがちょくちょくあります(汗)。



「あのゴジラが、最後の一匹とは思えない。もし、水爆実験が続けて行われるとしたら、あのゴジラの同類が、また、世界の何処かに現れて来るかも知れない……」

 出典: 香山滋原作・村田武雄脚本・本多猪四郎監督「ゴジラ」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 デ・アゴスティーニから廉価版DVDシリーズが出たのを記念して、第一作『ゴジラ』のラストシーンより。
 ゴジラ死滅直後、山根博士(演・志村喬)が海上保安庁巡視船『しきね』の船上で吐いたペシミスティックな台詞。勿論この時点では原作者も脚本家も続編など意識しておらず、単に「原水爆反対」を訴える為の最後のダメ押し的な台詞として書いたものだろうと思う。しかし映画はヒットし、結果的には次回作への含みを持たせた様な形になってしまった。今にして思えば、全てはこの博士の台詞から始まったと言えるだろう。昭和から平成へと続く壮大な『ゴジラ伝説』の始まりを予感させる名文句……なぁんて大仰なことを書いてしまったが、この博士、実はちょっとヤバい。作品全体を通して見ると、狂信的な怪獣抹殺反対論者であることが解る。鬱々とした表情で物語を締め括っているが、本当は誰よりもゴジラの再来を期待していたのかもしれない。事実、次の『ゴジラの逆襲』では、対策本部に呼ばれても平然とした顔で「ゴジラに対しては無為無策です」などと言っている。或る意味、マッドな先生だ。

駄弁者:
 そんなに詳しくない私でも知っている有名なセリフ。
 文脈からするとゴジラそのものの再来というより、核実験による怪獣やその他の被害を危惧しているということになるんですね。その点ではマトモな言ですが…。
>或る意味、マッドな先生だ
 自分の発明や実験でマッドさを発揮しない、受動性マッドサイエンティストというところでしょうか。



みかけは人間でもよくよく体を調べたら人間じゃない所が一か所でもありゃいいんです
いいですか。ちょっと見ると人間とそっくりでもよくよく調べると人間じゃない!
たとえばおへそがないとか?
足の裏にウロコがあるとか
おっぱいがせなかについているとか?
口の中にトゲがはえているとか
頭にサラがあって甲羅があるとか
たとえば目はあってもヒトミがないとか!!
それなら法律的には人間じゃありません

 出典: 手塚治虫「火の鳥 生命編」

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 「『背中におっぱい女』はいまにきっと現れる」というのを見てこれを連想しました。
 ハンターが放たれたクローン生物を追い、制限時間以内に撃ち殺す事ができれば賞金とアメリカヨーロッパ一周食べ放題ツアーをゲットできるという食品会社クローン食品の宣伝番組「クローンハンティング」の視聴率が伸び悩み、クローン食品の社長にその責任を問われたプロデューサーの青居は打開策として動物の代わりに人間のクローンを標的にする「クローンマンハント」の制作を提案します。
 しかし、もちろん人間を撃ち殺すのは犯罪です。
 そこで青居が考えた法をくぐりぬける方法がこれというわけです。
 この基準だったら血液が青い人とかも当然アウトでしょうね。
 実際には技術的に可能だとしても「クローンハンティング」の時点でPTAとかからバッシングを受けるでしょうし、クローン羊とかのニュースを見て育った世代としてはこの漫画におけるクローン技術の描写において腑に落ちない点もありますが、インターネットの普及とかによってテレビ離れが進み「必死になって他の局と差を付ける方法はないか考えたんだろうな」と苦笑せざるを得ないような番組が新聞のテレビ欄に並んでいる現状を見るとこの漫画の内容を一から十まで作り話として笑い飛ばせる自信はありません。

駄弁者:
 この考え方で行くと、血液が青い人どころか、見た目に問題のないクローンが人間で通るいっぽう、一部に奇形や障害をもっている人が法的には人間とされない可能性があるんじゃないでしょうか。
 バラエティ番組のネタ切れ対策と比べるには、いささか深刻すぎるような。



スーパーマン。弾丸よりも速く、機関車よりも力は強く、ビルディングなどはひとっ飛び。
「何だあれは!」
「鳥だ!」
「ロケットよ!」
「あ、スーパーマン!」
そうです、スーパーマンです。遠い星から地球にやって来た奇跡の男。
人間の能力を遥かに超えたスーパーマン。川の流れを変え、鋼鉄をひねるぐらいは朝飯前。
彼はクラーク・ケントと名乗って正体を隠し、メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの記者となって、正義と真実を守る為、日夜戦い続けているのです。

 出典: 「スーパーマン(TVシリーズ)」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 もう一つ、これは投稿しないといけなかった台詞を送ります。
 懐かしいなぁ、スーパーマン。今でもやっぱりアメリカンヒーローというと真っ先に思い浮かぶキャラですね。
 あと、「鳥だ!」の次のセリフは、「飛行機だ!」だったと思うのですが、どんなにネットで調べても「ロケットよ」しか出てこないので、このように投稿します。もし違っていたら、変更してください。

駄弁者:
 「弾丸よりも速く」の原文はまえにご投稿があったのですが、こちらは出てなかったですね。
 私の記憶でも「鳥だ!」「飛行機だ!」「スーパーマンだ!」の3点セットなんで、何かしら出典があるんだと思うのですが…やはりはっきりとは分かりませんでした。ただ、ちゃんと見た記憶があるのは映画の1〜3作目だけだから、あまりあてにはなりません。



君たちが宇宙のどこかに生き残って、俺たちがゴラスとぶつかってお陀仏になるかも知れねえな。

 出典: 丘美丈二郎原案・木村武脚本「妖星ゴラス」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 ゴラスの調査に向う壮行会とばかりにキャバレー(古)で騒ぐJX−2鳳号のパイロットたち。そんな彼らの一人(二瓶正也)に一杯奢ってくれた客(天本英世)の皮肉な一言。ワンシーンながらインテリ、というかちょっと文士っぽい天本氏の持ち味がよく生かされたシーンでした。地球の危機に人類が団結する本作のストーリーに、こういうスパイスみたいなシーンを入れて厚みを出すところにセンスが感じられました。

駄弁者:
 そういえば、前回の更新でも天本英世のセリフがありました。
 このセリフと同心円状の発想で地球脱出を計画するのが普通のところを、地球を動かすという文字通り驚天動地の計画に持っていくのが、なんとも…。



<OP>
これはあなたのテレビの故障ではありません。こちらで送信をコントロールしているのです。
ボリュームを上げたければこのように大きく、また下げたければ、このように小さくすることができます。
水平線も垂直線も、ご覧の様に自由に調節出来ますし、映像の歪みも思いのままです。
又、焦点をぼかしたければこの様に、合わせたければいつでも鮮明に映し出せます。
これからの一時間は、ただ静かに座って、映し出される映像だけをご覧ください。
あなたは、これから私達と共に、素晴らしい体験をなさるのです。
それは未知の世界の神秘とも言うべき、宇宙の謎を解く驚くべき物語です。
<ED>
では、只今から来週のこの時間まで、あなたのテレビ受像機の調節は、あなた自身にお任せすることにしましょう。

 出典: ユナイテッド・アーティスツ制作「アウターリミッツ」

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 ウルトラQトワイライトゾーン、と来たらこれを投稿しないわけにはいかないでしょう。
 この台詞のキモはなんといってもエンディングの部分じゃないでしょうか。
 そう、我々は決して自分の意志で見る番組を決めているのではない、「来週のこの時間まで」チャンネルを選択する権利を与えられているだけなのだ。
 ’65年にテレビのコントロールは止まりましたが、’95年に「新アウターリミッツ」が放映開始されたのは記憶に新しいところ。
 コントロールは続いているのだ。まだ。

駄弁者:
 このフレーズ、デジタル放送が主流になったらかえって魅力を失ってしまうでしょうね。なまじできそうな気がしてしまうだけに。



ニュータイプ。それは若さが生む一過性の力だ
永続はしないし、大局を覆す力にもならない。すなわち――
若気の至り!

 出典: 福井晴敏「機動戦士ガンダムUC」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 今作での仮面の男、シャアの再来と言われる人物フル・フロンタルの台詞を。
 コレに対して主人公は、「中年の絶望を押し付けてもらっては困る!」と返すのですが。

駄弁者:
 大のガンダムファンの著者が張り切って出した小説版ガンダムですね。全10巻もあったのか…。来年にはアニメ化もされるそうで。
>すなわち――若気の至り!
 それでテレパシーに開眼したり、果ては落ちる隕石を押し戻したりできるんですから、若さもバカにならんもんです。



恐いのはあたしも同じよ。どうせ死ぬのなら、その前に商店街の「おはいお屋」で、トライデント焼きを思うさま食べておきたい。駅前の立ち食いソバ屋に行って、前から一度やってみたかった──卵とコロッケと天ぷらとかき揚げとちくわ揚げとワカメ──およそ思いつく限りすべてのトッピングを施した、超豪華なソバを堪能してから、思い残すことなく死んでいきたい。そう思うわ……

 出典: 賀東招二「フルメタル・パニック『五時間目のホット・スポット』」  『あてにならない六法全書?』に収録

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 漏えい事故により、空気感染する新型バイオウェポンに全員感染してしまった2年4組の生徒に対するヒロインの演説の冒頭の迷文句です(ちなみに誰が2年4組にそんなものを持ち込んだのかは、言うまでもありません。)。
 生徒に対して、落ち着いて、これ以上の感染拡大により、ほかのクラスの生徒までも犠牲にしないようにヒロインは訴えるのですが、その冒頭が、この文句とは。親友から、案外、お手軽な人生だね、と突っ込まれても仕方がありません。でも、自分も高校生のころに同じ目にあったら、似たような文句を言ってしまうような気がします(なお、この後の文句の方が、名文句だと思うのですが、敢えて迷文句の方にしました。)

駄弁者:
>卵とコロッケと天ぷらとかき揚げとちくわ揚げと…
 得てして生きている実感とは、そういう何でもない喜びの積み重ねからくるのかも知れませんが…。しかし、そこまで欲望に忠実なトッピングは、死ぬと決まってからでないと注文する気になれないんじゃないかと思います。



女の言うことに向かっ腹を立てるようではいかん。
女をうまく使うことも、上に立つ者の役割と思え。

 出典: 中原朗脚本・冨田義治監督「超人機メタルダー 第14話『妹よ生きて!哀しみの女戦士マドンナ』」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 ネロス帝国の秘密基地ゴーストバンクにある解体修理工場では、騙されて連れて来られた女性たちが奴隷として働かされており、ヨロイ軍団の電磁銛使い、雄闘ウォッガーによって管理されていました。そこには病気の妹の治療費を稼ぐために、ウィンブルドンを目指していた夢を諦めて、帝国に身を売った元テニス選手のユリコという女性がいました。過労で倒れた仲間を庇ったユリコがウォッガーの銛を見事な身のこなしでかわすのを見たヨロイ軍団長・凱聖クールギンがウォッガーに言ったのが投稿の台詞です。ユリコの卓越した身体能力を利用しようと考えたウォッガーは、彼女を奴隷の身から開放して軍団員に取り立てます。ヨロイ軍団・軽闘士見習いマドンナとなったユリコは、手柄を立てれば妹に会わせてやると言われてメタルダーの命を狙います。ウォッガーは彼女の強化服に爆弾を仕掛けてメタルダーもろとも葬ろうとしますが、その企みはメタルダーの相棒のロボット犬スプリンガーに見抜かれて阻止されます。その非道ぶりに怒ったメタルダーのレーザーアームによって、ウォッガーは真っ向唐竹割りされて最期を遂げます。

駄弁者:
 セリフだけ見ればなんか頷いてしまいそうになるのですが、その「うまく使う」やり方は上に立つ者としてどうかと。



「君は日本人でも中国人でもないな! タイ? ベトナム? ビルマか?!」

 出典: 本多猪四郎監督・馬淵薫脚本「キングコングの逆襲」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 引き続き『キングコングの逆襲』より。
 マダム・ピラニア(浜美枝)に誘惑される国連科学委員会原子力潜水艦エクスプロア号のネルソン艦長(ローズ・リーズン)。しかし、人格者である彼はその誘惑には乗らず、逆にマダムの正体を確かめようと詰問する。上記の文句は、その時のネルソン艦長の台詞。この直後、ドクター・フー(天本英世)がネルソン艦長の背後に迫り、マダムに代わって「その何処でもないね」と答えている。
 マダム・ピラニアの祖国は最後まで明確に語られなかったが、上記の台詞の流れから考えて、おそらく38度線の向こう側、オリンピックの一等賞のメダルの色と同じ姓の一族が支配する国ではないかと……。
 この作品、今リメイクしたらけっこう面白いかも。

駄弁者:
 その国はまだ当時は「地上の楽園」でしたでしょうから(対外的には)、作ってる側にその発想はなかったかもしれませんが…。



「北極のこんな所から、新しい世界征服の1ページが始まるのね」
「そういうことだ。わしはあんたの国を知らん。知りたいとも思わんが、あまり文明国でもない小さな国が世界を征服するとは愉快だよ。ハハハ…!」

 出典: 本多猪四郎監督・馬淵薫脚本「キングコングの逆襲」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 以前207集に投稿した、東宝SF怪獣映画より。
 北極の秘密基地でキングコングそっくりの巨大ロボット・メカニコングを完成させた、悪の天才ドクター・フー。その使用目的は、夢の新元素「エレメントX」の採掘にあった。エレメントXを手に入れれば、世界中のどこの国よりも早く、安く、大量に、核兵器を生産出来るからだ。
 紹介した台詞は、そのメカニコングの試運転の日、ドクターと彼のスポンサーである某国工作員マダム・ピラニアが、銀色にきらめくメカニコングの巨体を見上げながら交わした会話の締め括りの部分である。マッドサイエンティストとテロ国家の女スパイ……作品公開当時(1967年)でも既に使い古された設定ではあったが、何かとんでもないことをしでかしてくれそうな、妙にゾクゾクするカップリングである。しかも演じるのが天本英世(後年『仮面ライダー』の死神博士となる)と浜美枝(『007は二度死ぬ』のボンドガール!)の二人とあっては、尚のこと期待が高まるというもの。映画序盤のツカミとしては、なかなかの名文句&名場面だ。

駄弁者:
 発明した機械怪獣で直接世界征服!というのではなく、核物質の採掘用というのが、マッドなわりに妙な着実さがあって笑えます。



せや。生きとったら、ただの人や

 出典: マイソフ「なにわの総統一代記」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 この行を読んだとき、思わず突っ伏して泣きたくなりました。
 投稿の文句の出典は、第142集に掲載された架空戦記から。粗筋は、そちらの方をどうぞ。いわゆる「歴史改変もの」ですが、大変面白く読ませて頂きました。ただ一つ、この行を除いて。
 この小説では、ホロコーストの死者は百万人以内に食い止められたため、アンネ・フランクは生きて戦後を迎え、一介の無名の記者として「ヒトラー」の前に現れます。その「こと」の意味を噛み締めた「ヒトラー」が独語した言葉が投稿の文句です。本当に、アンネは、いえ、強制収容所で殺された六百万人の人々は、どんなに「ただの人」の人生を送りたかったことでしょう。そのことを思うと、泣けて泣けて、仕方がありませんでした。センチメンタルと笑われますか?でも、どう言われても、私は本当に心の底から、そう思うのです。「心の琴線に触れる」とは、こういう素直な感動にうたれたときに使う言葉なのだな、と、しみじみ思いました。
 最後に一つだけ。大学で「ナチスの政権掌握過程」を学んだ者として言わせて頂くと、ホロコーストはヒトラーが「改心」したくらいで食い止められるほど、甘いものではありませんでした。「一桁減らした」という文を最初に読んだときは「六百万人の死者を五百四十万人に減らした」ということかと、間違えたほどです。

駄弁者:
>ヒトラーが「改心」したくらいで食い止められるほど…
 その通りなんでしょう。ヒトラーを支持し喝采したのも、多くは「ただの人」だったというのが恐いところです。
 「一桁減らした」のが「五百四十万人に減らした」ということだったとしても、このヒトラーさんが自分の成し遂げたことに涙する権利は、あると思います。



「これを帯び、すこやかに行け、兄弟よ」

 出典: ロバート・A・ハインライン「ルナ・ゲートの彼方」(森下弓子訳)

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今回のテーマは、ありません。ただ、心の琴線に触れたものを雑多に集めてみただけです。題して、「SF名文句 NDC049」(この冗談、面白くないですか?
 「宇宙開拓」時代を迎えた未来の地球。若者たちは、現代の人間がコンピュータ資格や自動車の免許を取るように、一種の資格試験として「ソロ・サバイバルテスト」に参加した。それは死者が出るのが当たり前、という苛酷なテストだったが、宇宙開拓を夢見るロッドは、このテストに参加する。が、しかし、というのが、この小説の粗筋です。既出なのに、くだくだ解説してしまいました。ご容赦。
 投稿の文句は、ロッドの姉で「アマゾン部隊の突撃隊大尉」という、アメリカ海兵隊武装偵察部隊を思わせるような荒くれ仕事に就いている女性、ヘレンが「ソロ・サバイバル」に参加する前夜、自分の愛用のナイフとともに弟に贈った言葉。折悪しく起こった家庭内のゴタゴタにも係わらず、ヘレンは「テスト」に参加する弟に、「経験者」として冷静な助言を行い、彼女自身は取り乱すことはありません。こういう人が身近にいて欲しいな、と思います。それにしても、ハインラインの完訳版(Da Benchをご参照下さい。)を初めて読みましたが、まあー、ハインラインの作品って、ロマンティック何ですねえ〜〜!そりゃ、「ロマン(小説)」なんだから、「ロマンティック(小説的)」でも別にいいですけど。

駄弁者:
 ラストの急展開や皮肉さがよく話題に出ますが、基本的には評価の高い話なんですよね。
>自分の愛用のナイフ
 その名も「レディ・マクベス」。男としてはなんか恐い名前だなあ…。



待て……マリナ。
そんなことは決してやらせない。…もちろん俺も使うつもりはない。
地球を守るというのは単に人の命を守るってことじゃない。そこに息づく人々の心や文化、それら全てを守るということなんだ。 お前が犠牲になることで、ゼントラーディに勝てるかもしれない。
しかし、それは地球の上で長い間かけて、多くの犠牲を払って人間が学んだ「心」というものが、血に飢えた本能に負けたのを認めるってことだ。
人間が理性と心をもつ生物じゃなく、殺し合いで相手を倒すためには平気で仲間を見殺しにする、そんな凶暴な生物でしかなかったと、自分たちで認めることになるんだ。
単にお前が死ぬのを見殺しにする、ということじゃない。俺たち全員が、そして全ての人々が、自分の心を見殺しにするということだ。
そんなことをしてゼントラーディに勝っても、救ったことにはならない。
絶対にな。
それは俺だけじゃない。この艦、そして、ナデシコ、マクロスの全員が一致した意見だ。
…わかってもらえるか?

 出典: バンプレスト製作「Another Century’s Episode 2」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :

コメント:
 様々なロボットアニメがクロスオーバーするゲーム「Another Century’s Episode 2」の台詞。
 謎の機体「バスターアーク」に乗って敵になったヒロイン、マリナ・カーソン。彼女は主人公タック・ケプフォードの乗る「ガンアーク」を執拗に破壊しようとするが、度重なる戦いの末についに投降する。そこで彼女はガンアークとバスターアークは地球に迫っている異星人ゼントラーディを倒すためのもので、衛星砲「ガーディアン」全ての砲撃を集める銃身としての役割を持っていること、それをするにはアークシリーズが最後の一体にならねばならないことを話す。マリナの行動は、生存が絶望的な攻撃を自分が撃つことで、タックを守るためのものだったのである。それを聞いたタックが語ったのが投稿した台詞。
 長いので省略しても構いませんが、できれば全部載せていただきたいです。

駄弁者:
 省略は考えたのですが、全部とのご要望ですし、うまく切ることも難しいですし。
 ご投稿のセリフは、正論だと思います。それをすべて承知した上で、それでも犠牲を選ぶというのも物語的にはアリかと思いますが。



科学に模倣されてこそ『スター・トレック』だ。
私の仕事はリアルな科学をインプットすることでなく、
誰もまだ考えたことすらない未来の科学を発想することだった。

 出典: レナード・ムロディナウ「ニューズウィーク日本版09年5月27日号(原文は5月4日号)」

紹介 :人外魔境地底獣国 様
HP :

コメント:
 物理学者で、「新スタートレック」に脚本家として参加していたムロディナウ氏のコラムより。個人的には拍手喝采したくなるような名言ですが、これが度を過ぎると、「架空の専門用語を並べ立てて不可思議な現象を解説し、よくわからんやり方で解決する」ということになるので難しいところです。

駄弁者:
 度を過ぎると…というか、科学が模倣したくなるぐらいのもっともらしさは維持してほしいかな、というところですね。
 あれだけ話数が多いと、中には「ナントカ放射線が原因で起こった奇現象をカントカフィールドによって解決した」というのも出てきてしまいますし。



たとえ偽物だとしても…願いの一つくらい、叶えて見せろぉぉぉ!

 出典: バンダイナムコゲームス「機動戦士ガンダム戦記」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 PS3で発売されたガンダムゲームより。
 連邦編とジオン編があるのですが、そのジオン編EDの主人公の台詞。
 とある地方で流れ星の事を指す『水天の涙』それにちなんで名づけられた、ジオン残党の月のマスドライバーによる質量弾攻撃。
 作戦が成功し、地球へと向かう『流れ星』をみての雄叫びです。

駄弁者:
 偽の流れ星と聞いて、ふとブラッドベリの「万華鏡」を連想したりしました。こっちは詩情などと洒落ていられる事態ではなさそうですが…。
 それにしても、ジオンと名乗るからにはコロニーでも小惑星でも、何かしら地球に落とさねばならないと決まってるんでしょうか(笑)。



「パパの馬鹿! どうしてあんなお母さんを連れてきたの! 許せない! 私の人生は灰色、何もかもが疎ましい。天よ怒れ、火の雨を降らせ地球を燃やしつくせ! ……ああ、早くお母さんの所へ行きたい……」

 出典: 東映制作「電子戦隊デンジマン」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 お久しぶりです、るーしーです。
 平和なひと時を釣りで過ごすデンジマンが助けた自殺しようとしていた少女。彼女は実母と死別し、義母と上手くいかない事で悩んでいたのでした。そしてそんな彼女を利用しようとするベーダー。
 今回の名文句はそんな少女の日記に書かれていた一文なのですが、劇中それを読み上げるのはなんとヘドラー将軍。少女の日記を彼が淡々と読み上げるからか、内容のわりにコミカルに思えます。

駄弁者:
 素で「天よ怒れ、火の雨を降らせ地球を燃やしつくせ!」なんて日記に書ける女の子は、とくに洗脳とかしなくても悪の女幹部の素養十分、という気がしますねえ…。



どうやら君はG3-XのAIレベルを下げるのを考えもしなかったようだな
君は完璧なものを造りそれに満足してしまった
しかしG3-Xは人間のためのものだ 君は人間の事を考えるのを忘れている

 出典: 田崎竜太監督・井上敏樹脚本「仮面ライダーアギト 25話『激突再び!』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
平成ライダーシリーズ第二弾仮面ライダーアギトより
 この作品は三人の主役ライダーがおりその中のG3は警視庁が前作クウガに登場した未確認生命体が再び現れた時の為に開発した強化スーツです。
しかしいま一つ今作の敵アンノウンには及ばずファンからは「弱い」とレッテルを貼られてしまいました、そして中盤で大破した際遂に作中でも指摘されパワーアップが図られ、G3の開発者であり12歳でマサチューセッツ工科大学入学15歳で博士課程をトップで修了した天才小沢 澄子による強化型のG3-Xが造られます、
しかしそれに対し小沢の師にしてライバル高村光介教授によるV-1システム(スーツは東映メタルヒーローシリーズの寄せ集め)が開発され警視庁はコンペを行います。
 コンペ中V-1装着者北條の些細な挑発にG3-Xの戦闘補助AIが過剰に反応し装着者氷川の意志を無視して暴走、V-1を大破。アンノウン出現の報を受け無断出撃しこれを撃破。しかし氷川も大きなダメージを負いました。原因はG3-Xの戦闘補助AIの性能が高すぎ同調できない装着者に負担がかかり主導権まで奪ってしまった為でした(高村曰く大袈裟に言えば、装着者の意思で確実な戦闘を行うには自分自身を「無我の境地」に至らしめる必要がある)高村教授は自分のV-1がG3-Xに完全に敗れたことをでプロジェクトを停止。
未だ自分のG3-Xは完璧と憚らない小沢に投稿のセリフを言いAIレベルを下げる制御チップを渡して去りG3-Xは完成された戦力になりました。
 小沢は天才故のプライドの高さと傲慢さを持った性格でその上装着者に根性や気合いを求めるまったく困ったキャラクターでしたが高村との一件以来次第に他者を思いやるようになりました。
科学者でもそうでなくても現状に満足せずに常に進歩しようとしなければいけませんね。
この作品も人間の進化や可能性がテーマですし。

駄弁者:
 このG3-Xスーツを、脳死か植物状態の人間に装着したらどうなるのかな…と少々ブラックな考えになってしまいました。



男がやってはいけないことが2つある。食べ物を粗末にすることと、女の子を泣かせることだ。

 出典: 石森プロ制作「仮面ライダーカブト」

紹介 :kinkandad 様
HP :

コメント:
 仮面ライダーカブト(=天道総司)の「おばあちゃんの教え」は毎回名言のオンパレードでしたが、だいたい、食べ物かまたは女性に対する敬意を教える意味のものが多く、これはその集大成とも言えるので投稿してみました。
 他に気に入っているのは「まずいメシ屋と、悪の栄えた試しはない。」とか「美味しい物を食べるのは楽しいが、一番楽しいのはそれを待っている間だ。」「食事は一期一会。毎回毎回を大切にしろ。」などがあります。また妹の天道樹花のセリフ「小さな親切を受けたら、大盛りで返しなさい。」っていうのもきっと、おばあちゃんの教えだったんだろうな。こんな粋なおばあちゃんが欲しかったです。

駄弁者:
 どの言葉も含蓄がありますが一番共感できるのは、コメントの方の「美味しい物を食べるのは楽しいが〜」ですね。食べるものに限らず言えることで。
 食べ物を粗末にすることはありますが、女の子を泣かせた経験は良くも悪くもあまりないです(泣かされたことは…)。



あなたはそれがどういう意味を持つのか御存知?……

 出典: スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」(飯田規和訳)

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 もうひとつ説明不要の作品から投稿します。
 投稿した台詞は、ケルビンが地球にいたころ、恋人のハリーの下から離れるとき、彼女が言った台詞から。この後彼女はある決定的な行動を起こします。
 うがった見方をすれば、ケルビンとハリーの関係は、コミュニケーションの点で、人類とソラリスの関係になぞらえることができそうです。
 しかし、この前に投稿した「砂漠の惑星」といい、この作品といい、めい文句が始まってから投稿が続いていますね。
 それだけ読み応えがあるのでしょうが、息が長い作品だな〜。

駄弁者:
 ソラリスの海よりはコミュニケーションの可能性があると信じたいところ。なまじコミュニケーションがとれているところに、わずかな齟齬ができてしまうと、かえってショックを受けて極端な行動に出てしまうのかもしれませんが。
 もし「海」がこのときのケルビンのように、いたずらに相手を傷つけようとしてハリーを登場させたのだとしたら……ちょっと残酷すぎます。



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