SF名文句・迷文句第244集

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「いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラトホテプです。」

 出典: 逢空万太「這いよれ!ニャル子さん」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 こんな侵略者は嫌だならぬ、こんな決め台詞の地球(人)の味方は嫌だ、と思ってしまいました。元ネタがラヴラクフトなだけにSFじゃないという人がおられるとは思いますが、宇宙人の地球侵略というのはSFの基本テーマの一つですし、この小説上では、ニャルラトホテプ等は邪神ではなく宇宙人種族の呼称ということになっていますし(だから、続刊ではヒロインのニャルラトホテプの兄が出てきたりする。)。
 それにしても、ヒロインのニャルラトホテプは、宇宙連合の下部組織である惑星保護機構のエージェント(なお上司の課長はアザトース)なのですが、はっきり言って外見は銀髪碧眼の地球の美少女ですが、性格は極悪です。主人公から、お前の方が悪の組織の大幹部とかが似合いそうな気がするぞ、とまで言われています。それでも戦闘力は高く、猟銃を持った人間の戦闘力が5とすると53万だとか。主人公の家に居候することになり、最初は主人公を護衛するために惑星保護機構から派遣されたはずなのに、私用を優先させるは、続巻以降ではむしろ主人公をトラブルに巻きこんでいる気がするは、本当にこんな地球(人)の味方は嫌です。

駄弁者:
 これでクトゥルー物を知った、という人も出てくるんだろうなあ。私の場合はソノラマ文庫の風見潤『クトゥルー・オペラ』シリーズと栗本薫の『魔界水滸伝』で、元祖のラヴクラフトに手を出していないということで本家のファンから顰蹙をかったものでしたが。
>上司の課長はアザトース
 邪神の課長(…トップだったんじゃないのだろうか)というのはあまりいませんが、部下から見て盲目白痴というのは意外と…。



 SFはどこへ行くのか、その見通しは明るいと、いまぼくは思っている。なぜなら、まだ青年期の活力にみちたぼくたちの国のSFが、休むことない前進をつづけながら、新しい領域を切りひらいているからだ。ちょうど、あの『海竜めざめる』の深海怪物に対して、ぼくたちの国の科学者が新しい撃退法をあみだしたように。

 出典: 浅倉久志「『トリフィドの日』に出会った日」(世界SF全集『ウィンダム』月報)  『ぼくがカンガルーに出会ったころ』にも収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 月報から始めた世界SF全集の名文句ですが、月報で絞めてみたいと思います。
 投稿した台詞は、以前に投稿しました「トリフィドの日」についての解説を兼ねたもので、この作品が侵略テーマのSFがその発端である、「宇宙戦争」の火星人のイメージがあまりにも強烈だったため、後続の作品がベムの量産に走り、結果として軽視されがちになった状況の中で、新たなパターンを生み出したことと、英米のSF活動──マンネリに陥りつつあるアメリカSFの状況とイギリスからの「新しい波」運動──に触れた後、日本SFの興隆についての予測を書いたのがこの台詞。
 この文章が書かれたのが1969年。今から40年以上前にはこれほど熱い台詞が素直に実感できたんでしょうね。SFはこれからどうなるのか、そしてどこに行くんでしょうか…。

駄弁者:
 祝・世界SF全集全巻踏破! あしかけ3年にわたるご投稿、ありがとうございました。
 ご投稿のセリフが書かれた頃にくらべて、SFは格段に浸透したと思いますが、その分、熱さは感じにくくなったかも知れません。さらに40年後は、どんなSFが書かれているでしょうか。そして私は、それを読んでいるのでしょうか…。



おぼえとれ。あんたには、わしのこのつらさがわかれへんやろ。わしはな、いままで振られたこと一回もないんや。みんな口説き落としたんやぞ。わしの口説き方のうまいことあんた知らんやろ。まあ見とれ、思い知らせたるさかいに

 出典: 筒井康隆「ブルドッグ」  『世界SF全集 35』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 結局、主人公は本当に思い知らされることになるわけですが…。飼い犬に手をかまれるとはこのことですな。

駄弁者:
 犬の心を読みとれるようになった男が、ずうずうしい飼犬に振り回される話。前に掲示板で犬SFの話題が盛り上がったとき、この作品も出ていましたね。
 犬と人間の仲がいいのは言葉が通じないためだというのは、犬派としては否定したくなる一方で、どこか頷いてもしまうという複雑な心境です。
 登場する犬の名前がうちの飼犬と同じというのが、また複雑な心境に拍車をかけてしまう原因でして。



ちっとの酔狂?なるほどなるほど。それはそうでしょう。あれだけ魚をすきなのもちっとの酔狂でしょうよ。それも焼魚です。七輪で焼かなきゃ気がすまないんです。せめて金持なら金持らしく、タイとかアユでも食べたらどうです?それが大抵はイワシ、サンマなんだ。そりゃあ爺さんは好きなように魚を焼いて悦に入ってればいい。しかしわれわれはどうです?われわれは錠剤とチューブ入りの宇宙食ばっかりを丸一年も食べていなきゃならないんですよ。会長の小部屋で焼くたいそうな魚の臭いが、換気装置でもってロケットじゅうに漂うって寸法です。せめてサンマやイワシだけはやめてもらいたい。それでなけりゃ、みんながいずれ気がおかしくなるってことを、僕は受けあってもいい!

 出典: 北杜夫「贅沢」  『世界SF全集 35』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 羽目板の外れかかったボロ小屋に住まう貧相な老人。
 老人は七輪で鍋でコメを炊き、魚を焼いて食べるというごく普通の生活を送っていた。唯一つ普通でないことを除いては、実は老人が住んでいるのは宇宙船の一室を改造したスペースで、わざわざ宇宙船三隻分の費用がかかる反重力装置を積んでまで、そのような生活を送っているのでした。
 投稿した台詞は乗組員の一人の叫びから。確か前にドイツの調味料について嘆く日本海軍の人たちの台詞があったかと思いますが。それの比ではありません。絶対にこの爺さんわかっててやってるな…

駄弁者:
 貧乏人に地団駄を踏ませるのも、金持ちの贅沢のひとつ? オチのあれは、サンマとは別の意味で残酷な仕打ちになるでしょうが。
>宇宙食
 錠剤やチューブじゃなくて最近はラーメンも開発されましたが(あるいはウドン?)、焼き魚はちょっとムリだろうな…。



最期の…言葉が…女の名で、死ねるかぁぁぁっ!

 出典: プラチナゲームズ製作・セガ発売「無限航路」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 主人公が少年から青年へと成長した第二部、ヤッハバッハとの最終決戦でのライバルとの決着から。
 徹底した能力第一主義のヤッハバッハでは、征服地の出身だろうと実力さえあれば上にいける。
元々が属国の王子というライバルは、主家筋の姫の婚約者といっても実質人質扱い。
お互い好き同士ではあるものの、周りが立場をわきまえろと言ってくる。
 だからこそヤッハバッハに征服された後、彼は己の力のみで評価が決まるヤッハバッハ軍に参加し、後に再会した婚約者をその手にかけてでも上へと上り詰めようとした自分が、死に際にその婚約者の名を呟いた己に怒っての台詞です。
 この戦いのみBGMが主題歌になってラスボス戦よりも印象に残る戦いでした。

駄弁者:
 セリフの主はもっといかつい風貌を連想したんですが、ラインハルトばりの金髪氏ですね。これなら女の名で死んでも、それなりにサマになりそうですが…。しかしコメントにある経緯からして、その名を最後に死ぬ資格が自分にはない、との自覚も混じってそうです。



「バラノポーダ……バランだ。あれが都会へ出て暴れたりしたら大変なことになるぞ」

 出典: 黒沼健原作・関沢新一脚本・本多猪四郎監督「大怪獣バラン」

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 『大怪獣との接近遭遇』第17回。前回の出典が「これはSFじゃねーだろ!」とツッコミ倒されても文句の言えない様な作品だったので、今回は真面目なSF怪獣映画より。
 現代の科学では解明不可能な「残された地球の謎」ともいうべき大怪獣が、東北地方の北上川源流近くの湖から姿を現した。上記の台詞は、主人公魚崎健次(演・野村浩三)が怪獣を一見するなり決めつけた様に吐いた一言。「バラノポーダ」は作品世界の中で「実在した」という設定になっている古生物の学名で、「バラン」はその略称または亜種の名かと思われる。
 確かに主人公は大学教授の下で古生物学を研究している研究員なので、ある程度の専門知識はあるだろう。しかし、ろくに調査もしないで属性や種別を言い当てるのはいかがなものかと……。この台詞、『ゴジラ』の山根博士の「確かにジュラ紀の生物だ!」よりも遥かに乱暴な気がするのは、私だけだろうか?

駄弁者:
>ろくに調査もしないで属性や種別を言い当てるのは…
 あの皮膜とかが化石に残ってたんだとしたら、あるいは同定が可能かもしれません。
 大怪獣自体より、そんな巨大生物が生息する「秘境」が戦後の日本に存在することが、けっこう解明不能な謎じゃないかとも思うのですが。



「少し、揺れたか」
「そのようで」

 出典: プラチナゲームズ製作・セガ発売「無限航路」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 主人公達の住む小マゼラン銀河に外宇宙からの侵略者ヤッハバッハ帝国がやってくる。
 ボイドゲート(ゲート同士を繋ぐワープ装置)を使わずに宇宙を旅する彼らの船は軒並み巨大。なんとこちらの戦艦の倍以上のサイズが。質も、量も共に相手の方が上。
 そんな強大な敵の旗艦に、負け戦を悟った将校が特攻を成功させるも…後に主人公の因縁の相手となる敵の台詞です。
 特攻しかけた将校も、決して褒められた人物ではない、はっきりいって小悪党の小物。
それが圧倒的な侵略者を目の当たりにして、恐怖しながらも故郷を守ろうと勇気を振り絞った熱いシチュエーションで!「少し揺れたか」ですよ!?
 序盤のこのシーンは絶望感が半端ないです。

駄弁者:
 特攻しか術がないところまで追い詰められた軍が敵に与えられる衝撃など、しょせんその程度なのかも…。現実の特攻をダブらせると、ちょっと虚しくなってしまいます。



欲しいものが分からなくても何でも手に入るから
欲望だけ刺激されて思考停止

 出典: 海老根祐子作詞・酒井ミキオ作曲「Revolution」  『仮面ライダー龍騎』挿入歌

紹介 :タカ 様
HP :

コメント:
 仮面ライダー龍騎のバトルの最中に流れる曲の歌詞です。作品ではエンディング扱いされていました。
 結構前の作品の歌ですが、今でも何となく覚えている歌です。

駄弁者:
 それほど欲しいと思っていなくても、楽に手に入れられたり流行だと喧伝されたりしたら、考えず手が出てしまう……まあ、ありがちです。
 けど放映されていた頃に比べたら、「何でも手に入るから」に頷ける人は減っているような気もしますね。不景気続いてますし。



偉そう、ではありません。
わたしは偉いのです。

 出典: 神林長平「敵は海賊・海賊課の一日」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 で、続けて、同じ作品から。「仕事したくない」と駄々をこねる上司(一応)に「やれ」と命じて、その上司に「えっらそうに」と言われたラジェンドラ(敬称略)が返した言葉が、投稿の文句。うーん、さすがは第68集の名(迷?)台詞の主だけのことはありますね。ま、これ位の太々しさがなければ、「あの」上司達と一緒に「(宇宙)海賊退治」なんて荒っぽい「お仕事」など、やっていけないのでしょうが。
 しかし、こんな図太い性格の「機械」と「つきあう」のはたいへんだろうなぁ。上司達の方でも「この機械が自分の部下かと思うと死んでしまいたい」と思ったことがあったりして。あ、「彼ら」(ラジェンドラ(敬称略)と、その直接の上司達)の上司こそが、常々そう思っているのでしょうね、きっと。
 それにしても、もし本当に「機械」が「心」を持つことを許されるような世の中になったとして、ラジェンドラ(敬称略)のような性格の「機械達」を「人間」の側が受け入れることができるのでしょうか。ちょっと不安です。人間だって、善人や聖人ばかりじゃないんだけどな…。

駄弁者:
 しかし、人間の部下が上司に向かってこのような言葉を吐いたとしたら、上司はそんな部下を受け入れられるでしょうか。機微の分からない機械の言うことだから仕方がない、という認識でしか受け入れられないように思います。
 ラジェンドラ(敬称は敢えてつけない)の言葉を真っ当に不快に感じるようになったときこそ、彼が心を持った存在として受け入れられたのだという解釈も、できるのではないかと…。



その日、海賊課の宇宙フリゲート艦・ラジェンドラは、火星年に二度と決められている定期徹底点検整備を受けていて、いい機嫌だった。

 出典: 神林長平「敵は海賊・海賊課の一日」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今回のテーマは「人間そっくり」。で、このサイトでも有名な神林長平先生の代表作品の登場人物(?)で、このサイトでも数々の名(迷?)台詞で有名な「思考する戦艦」ラジェンドラ(敬称略)のご登場です。
 投稿の文句は、出典の作品の本文の、第一行目のくだりです。(この「敵は海賊」シリーズは、本文の前に短い文章がついています。)いや、その、何というか…、うーん。
 この作品は、私が初めて読んだ神林作品でもあります。その記念すべき「ファースト・コンタクト」で最初に接した文章が、これでは…。ええ、神林先生の作品中の「機械(ハード)」が「ハート」を持っているのは第100集を見て知っていますとも。第一、SFファンにとって「『心』を持つ機械」は常識を超えた「永遠の憧憬」です。でも、ラジェンドラ(敬称略)、あなたは「自分は、この世のだれよりも優れた存在である」という自負があるのではなかったのですか?(第68集参照)なのに、こんな一杯機嫌の中年オヤジのような態度をとるとは…。ま、第43集、第68集の名(迷?)文句を見て、投稿の文句のような行を予見できなかった私が不明なのでしょうが。
 しかし、これからも「敵は海賊」シリーズを読むつもりですが、これでは先が思いやられるなぁ。

駄弁者:
 実は「敵は海賊」シリーズ、私は最初の2作しか読んでなかったりします。普通にスペオペを読むつもりでいたら、意外と難しい印象があったりして…。
>定期徹底点検整備を受けていて、いい機嫌だった
 船にとっての定期点検は、人間にとっての何にあたるんでしょう。単なる有給だったらいい機嫌なのも分かるんですが、人間ドックみたいなもんだったら…。日頃の不摂生を再確認させられる日として、あんまり好きになれなかったりしないでしょうか(私みたいな人間だけか(笑))。



俺は依頼人のために戦う。命がけで。
あんたの教えを守る。
それを邪魔するのがあんた自身なら、それとも戦う。
本物は俺の胸の中で生きてるあんただけだ。

 出典: 石ノ森章太郎原作・田崎竜太監督・米村正二・三条陸脚本「仮面ライダーW ビキンズナイト」  「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」より

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 今度は11作目Wの主人公左翔太郎が探偵の師匠である鳴海荘吉、通称おやっさんを失い相棒のフィリップと出会って初めて「二人で一人の仮面ライダー」となったビギンズナイトを巡る事件を描くパートから。
 死者を蘇らせる力を持つと自称する謎のドーパントに変身し、風都の要人達に大切な故人と再会する夢を見せて醒めない眠りにつかせようとする神父を追い詰めたかに見えた鳴海探偵事務所の面々。
 しかし、翔太郎がビギンズナイトに命令を無視した軽はずみな行動が元で死なせてしまったはずのおやっさんが彼らの前に立ちふさがり、ビギンズナイトと同じように仮面ライダースカルに変身します。
 依頼人を残して立ち去るよう翔太郎に命令するおやっさんでしたが、安易な決断でおやっさんを死なせてしまった罪を背負う事を決意した翔太郎は依頼人を守り神父を倒すために仮面ライダースカルを殴りつけるのでした。

駄弁者:
 主人公の思い出の人物に化けて動揺を誘うというのも、悪役の常套手段ですが…意外と成功例は少ないような気がします。



夏美「これからも世界を写してください」
士「ああ。俺の、世界をな」

 出典: 石ノ森章太郎原作・田崎竜太監督・米村正二・三条陸脚本「仮面ライダーディケイド 完結編」  「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」より

紹介 :Y 様
HP :

コメント:
 平成仮面ライダー10作目と11作目のクロスオーバー作品より、10作目ディケイドの完結編パートから。
 「クウガ」から「キバ」までの世界観をモデルにした9つの世界を初めとする様々な世界を巡る旅の終わり、テレビシリーズで描かれたライダー大戦の果てに過去作品を元にしたライダー達を倒し始めた仮面ライダーディケイドこと門矢士。
 最後に旅の仲間だった今作の仮面ライダークウガこと小野寺ユウスケを倒し終えた彼はその後同じく旅の仲間であった光夏美の変身する仮面ライダーキバーラの刃によって自ら犠牲となります。
 世界の破壊者であったディケイドの死によってそれまで消滅していた過去作品を元にした世界とそのライダー達が復活した事が前作「仮面ライダーキバ」の主人公紅渡(≠「仮面ライダーディケイド」における「キバの世界」のキバ)の口から語られますが、元となる過去作品のないライダーである士だけは復活しませんでした。
 そこで夏美はこれまで士が旅の中でそれぞれの世界に住む人々を写真に撮っていたのと同じように夏美自身が士のカメラで彼の写真を撮っていた事を思い出し、同じく世界を旅してきた仮面ライダーディエンドこと海東大樹や蘇ったユウスケの協力によって敵の怪人達の妨害に遭いながらも現像に成功します。
 太陽にかざした写真に士の姿が浮かび上がると同時に、士は再び仲間達の前に姿を現すのでした。

駄弁者:
 名文句はシンプルですが、背景となる話は結構複雑なんですね…。コメントをゆっくり読まないと、よく分かりませんでした(読んでも、ちゃんとは分かってないかも…)。



全てがうまく進めば君は英雄になるだろう。古い体制を打ち崩す者は、いつも歓呼の声で迎えられる。だが、大衆は飽きやすい。英雄は消費され、すぐに次の英雄が求められる。

 出典: 夏海公司「葉桜が来た夏 5」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 アポストリとの開戦を計画する「水車小屋」のメンバーのリーダーに対し、20年前の対アポストリ戦争に際し、多大な功績をあげた元英雄の自衛官が掛けた言葉です。戦後のアポストリとの平和共存社会において、彼の功績は速やかに忘れ去られ、世捨て人として暮らさざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。その彼に対し、共に決起することをリーダーは求めるのですが、彼は拒絶し、去っていくリーダーに対し、上記の言葉を投げかけます。
 本当にそうだな、と思います。大衆という言葉は上から目線だと言われればそうですが、今の社会では、英雄はすぐに市民に消費され、弊履のように捨てられている気がします。

駄弁者:
 生前に消費された後、死後に伝説として再利用される…ということも。ナポレオン伝説なんかそうですね。



いいな〜歌って

 出典: ビックウエスト制作「超時空要塞マクロス EP22『ラブ・コンサート』」

紹介 :s 様
HP :

コメント:
マクロス艦内に潜入したスパイの撮ってきた映像を見ながら、ゼントラーディ兵士の一言。
…なんていうか、巨人たちの間でアイドルオタが増えているようで…
映画の方から触れた側として一言、「お前ら、それでいいのかぁ〜〜っ!?」

駄弁者:
 まあ、歌を聴いて「音波兵器だ!」(確か映画の最初のほう)とおののいているよりはいいんじゃないですか? 幸せそうだし。
 それはそうとこれが放映されていた頃は、アイドル歌手に夢中になるのは「オタ」と呼ばれるほど特別視はされてなかったように思います(「オタク」という言葉自体が無かった、少なくとも一般的でなかった頃ですが)。極端な話、テレビの「ベストテン」や「トップテン」に興味を持たない方が、変人扱いされたような。ゼントラーディの巨人たちを見て感じる印象は、今と放映当時ではちょっと違うんじゃないでしょうか。



きみ、タ・ヴァンを出ると決心した時考えなかったか?
人並みの人生なんてタカが知れている、と。
幸福というのはそんなものだ。
もちろんいやなものじゃないけど。
タカは知れている。

 出典: 佐藤史生「やどり木」  『天空の城』に収録

紹介 :nia 様
HP :

コメント:
 同じ作品の連続投稿ですみませんが、これもテーマは同じです。
 惑星ハザンに適応するために進化した「宿脳」が、老齢になって人を廃人化(あるいは聖人化?)させることを知った主人公の「宿脳人は社会的な犠牲者ではないか」という抗議に対する友人の答え。

駄弁者:
 犠牲者とは言っても、当の本人が納得ずくで、その上苦痛も感じていないのであれば、犠牲といえるのかどうか。
 ご投稿のセリフは、人並みな人生は幸福だがタカは知れていると言う一方、特権階級に加わったとしても、タカが知れた人生という点では似たようなものだと言っているようにも聞こえました。



選択はもうした。六百年前に。
母なるハザンに入植した時に。
ハザン人は地球人とは別の生き方を選んだはずだ。

 出典: 佐藤史生「やどり木」  『天空の城』に収録

紹介 :nia 様
HP :

コメント:
 ハヤカワ文庫から出ている「マンガ」ですが、佐藤史生女史の作品はすべてSFで間違いないと思います。
 ここでいうハザン人とは、元は地球人で、惑星改造によって入植した人々です。
 一部の人々がトラインという植物を通じて「宿脳」を得、ハザンという星の生態系に適応した超人となる。主人公の「宿脳はこの星の罠ではないか」という疑問に対し、その友人が言ったセリフです。
 地球とは違う星に生きる以上、その惑星に適応した進化(?)を遂げるのは当然だし、その結果「地球人類」でなくなる覚悟くらいはしておくべきだというふうに受け止められました。

駄弁者:
 ご投稿をいただいて初めて読んだのですが、思わず「すごいな…」と呟いてしまいました。
 「自然との共生」を唱えるのはいいけど、共生するためにどこまで己を変えることができるのか?との問いかけも感じられます。
 「宿脳」に適応すると読めるようになる幾何言語で、テッド・チャン「あなたの人生の物語」に出てくる異星言語を連想しました。「やどり木」の方がだいぶ先に書かれたものですが。



人類が―
太陽系内に六つの惑星と十の衛星しか知らなかった頃
人口百万を誇る江戸は―
地球最大の都市であった!
そして大江戸八百八町は狙われていた!!

 出典: 滝沢一穂原作・近藤ゆたか作画「大江戸超神秘帖 剛神」

紹介 :あひるパパ 様
HP :

コメント:
何が狙っているのかといえば、もちろん異星人です。
作品について説明させていただきますと、一言で言えば「時代劇版ウルトラセブン」。
西暦1780年代、星夷(異星人)の侵略を察知した時の老中田沼意次は、謎の蘭学者、朧幻斎に組織させた蘭学攘夷隊をもって対抗。さらにこれに加勢する謎の巨人「剛神」の正体とは?…。
という特撮チックな設定にちょっと独特で和風なテイストの絵で描かれる、バンダイが出していた「サイバーコミック」連載の不思議なマンガで、毎回ラストの口上として掲げられたのが投稿の文句でした。
そういえば子供の頃ウルトラマンシリーズを見ていて、
「何でいつも東京ばっかり怪獣が襲うのだろう?」と思っていましたが、
時代劇にしたがゆえにこういう論理的理由が浮かぶというのは、楽しいなあと思いました。
いや、襲われたいわけではありませんが。

駄弁者:
 「蘭学攘夷隊」のネーミングが妙にツボに入ってしまいました。
 コメントのネタを探していたらこのサイトの年表がヒットしたのですが、これがなかなか面白くて。関係ないところまで読み入ってしまいました。



人々に愛される外星人を目指してますんでっ

 出典: 野村亮馬「ベントラーベントラー」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
駅前をうろうろする謎の機械。
クタムさんに聞くと古い型の無人調査機らしく、処分してもかまわないとの事。
バカでっかいもんだからどうしようかと思案していると、何なら自分がやろうかと言ってきたクタムさんに、気がきくねと言ったときの返事です。

駄弁者:
 気が利かなくても容姿がユルければ愛される昨今ではありますが。クタムの容姿は…微妙。眼柄(?)をつかんで引き延ばせるあたりがチャームポイントか。



外星人に日本語教わるなよ…

 出典: 野村亮馬「ベントラーベントラー」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 地球各地に宇宙人(作中では外星人)が住んでいる時代のお話。
 宇宙からの漂着物が起こすトラブルは、被害規模に対して発生頻度が低く、民間に委託されていた。
 首都圏民営警察外星生物警備課で、『地球外より進入した生物及び漂着物に対する処遇を在地球外生物に仰げ』という意味の隠語がタイトルのベントラーベントラー。
 主人公が協力してくれる外星人クタムを迎えに行ったら、カレー屋で外国人に日本語を教えていた。
 それに対する主人公の突っ込みです。
 でもこのクタムさん、一部の特殊な言語を除き殆どの地球語を話せるらしい。
 さすが外星人、スペック高い。

駄弁者:
 どの器官から発声しているのかさえ気にしなければ、日本人に教わるより効率がいいのかも。
>ベントラーベントラー
 あれってそういう意味があったんだ。じゃあ漂着してもいないのに、手をつないで輪になって唱えても効果なしですね(笑)。



生まれたときから強い絆の中で暮らしてきた彼にとって、いつか帰れるという希望を胸に異郷の生活に耐え、戻ってみたら相変わらず根無し草だとわかったときの気持ちとは、どんなものだったのだろう?

 出典: ダイアナ・ガバルドン「時の彼方の再会 2」(加藤洋子訳)

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 20年の時を経て再会したクレアとジェイミー。しかし、歳月の流れは残酷で、ジェイミーは愛の無い再婚(その再婚相手と言うのがジェイミーは知らなかったのですが、かつてのクレアの恋敵で、なおかつクレアを魔女裁判にかけた女性だったという皮肉)をしていました。ジェイミーの傷心を見かねた姉のジェニーが再婚をジェイミーに勧めて再婚させていたのですが、クレアは激怒します。愛してもいない恋敵と結婚した理由をジェイミーにクレアは問いただすのですが、その際の2人のやりとりの一節です。
 処刑されることを覚悟して収監されて十年余り、帰ってみた故郷の人々は相変わらず暖かく迎えてくれた。でも、何か違って故郷ではない。自分は根無し草のようで、知人のはずが、赤の他人のように思えてしまう。なぜなら、気がつけば心の底から分かりあえる人がいなくなっているから。ジェイミーの心が傷つき、ジェニーが再婚を勧めて、ジェイミーが同意したのも分かる気がします。しかし、それでも心は癒えない。やはり心の底から分かりあえる人(それは人それぞれだと思いますが、ジェイミーの場合はクレア)と一緒でないと故郷ではないのだな、と思いました。

駄弁者:
 現物を読んでいない印象では、ジェイミーを責めるのは酷なんじゃないかと。愛に生きて独身を貫く、という選択は現代よりも圧倒的に困難だった時代でしょうし。愛情の有無を基準にするなら、ジェイミーの再婚相手こそいい面の皮という感じもします。



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