SF名文句・迷文句第309集

名文句トップに戻る

第308集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第310集を見る


神はロボットをお救いになっている!

 出典: ロバート・シェクリイ「最後の戦い」(南山宏訳)  『宇宙市民』に収録

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 地上に出現した悪魔との戦争に突入した人類。戦いには人間の介入する余地を残すべき、との宗教界からの進言を押し切って、ロボット軍団で悪魔を滅ぼす。
 そのとき、地上に神が姿を現した。
 栄光というものは、死を賭して戦ったものに与えられるべきというのは当然ですね。
 また、神の試練に打ち勝ってこそ、救いが与えられるのかも知れません。
 どっちにしろ、この作品はちょっとしたおふざけなんでしょうけど。
 しかし、この戦いには人間が必要だなんて、ブッカー少佐みたいですね。

駄弁者:
 ブッカー少佐も無人機を使うとジャムと人間ではなくジャムと機械の戦争になってしまう…と危惧してましたから、結構重なるところはありますね。



そうか!俺のニート対策まで考えてくれてたとは、さすがエレナだ!

 出典: 倉田英之「ガン×ソード〜夢見る頃をすぎても〜『平成天才ガンソードさん』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 痛快娯楽復讐劇「ガン×ソード」外伝ノベライズより
 結婚式当日に最愛の女性、エレナを殺した「カギ爪の男」に復讐する為今日も旅を続けるヴァンは荒野を彷徨って空腹に苦しんでいた。自分の愛機「ダン」に乗り体力回復を考えるが(ヴァンのヨロイ(ロボット)ダンはこの作品の舞台である惑星エンドレスイリュージョンが遥か昔囚人惑星として機能していた際の牢名主「オリジナル7」の為の機体であり、パイロットになる為の改造手術を受けることで機体に搭乗すればどんな怪我や病気も治るが定期的に搭乗しなければ死んでしまうという『力』であり『首輪』、「カギ爪」にやられて瀕死だったヴァンは致命傷を負ったエレナによって改造されて助かる)そこにエレナの幻が現れて怪我や病気なら治せるけど空腹は無理と断るなぜ空腹はダメなのかと問うと返ってきた答えは「じゃないとアナタいつまでたっても職につかないでしょ」
 改造人間も大変です、彼の数々の通り名のひとつが「無職のヴァン」なんだから目も当てられない

駄弁者:
 だいぶ前にいただいたご投稿では、ずいぶん悲壮そうな復讐劇だったんですが…瀕死の婚約者にそんなところまで心配させるな、主人公(いや、マボロシだからそういう自覚があるのか?)



鏡を作るのは得意でね
知らなかったかい?

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :
http://zatangold.blog.fc2.com

コメント:
 M78ワールドからアナザースペースに向かったウルトラマンゼロは、そこで出会ったミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボットと共にカイザーベリアル率いるベリアル軍と戦う。それを見たアナザースペースの人々も立ち上がり、大艦隊でベリアル軍に挑んで行く。だが、戦いの中でゼロのエネルギーは尽きてしまった。
 力尽きたゼロは精神世界でウルトラマンノアに出会う。アナザースペースに伝わる伝説「バラージの盾」の正体はノアの持つウルティメイトイージスだったのだ。ウルティメイトイージスを使うには絆の力が不可欠であり、アナザースペースの人々の絆を繋いだゼロは有資格者としてノアから与えられる。
 目覚めたゼロはウルティメイトイージスを装着したウルティメイトゼロとなった。だがその必殺技ファイナルウルティメイトゼロを撃つには時間がかかる。その時間を稼ぐためにグレンファイヤーとジャンボットが立ち向かうも撃ち落とされ、ゼロはベリアルの攻撃をくらってしまった…と思われた次の瞬間、ゼロは砕け散った。ベリアルが狙ったのは鏡を作る能力を持つミラーナイトが巨大な鏡に映したゼロの鏡像であり、グレンファイヤーとジャンボットは方角を攪乱させるために動いていたのだ。台詞は作戦成功後のミラーナイトの台詞。このあとファイナルウルティメイトゼロにベリアルは敗れる。

駄弁者:
 円谷ヒーローなら昔ミラーマンがいたなあ…と思ったら、それを意識したデザインなんですね。



わたしは彼のためにこの名前を変えたくないの。チュオおじさんのために。もしもわたしが名前を変えてしまったら、彼を否定するようなものだわ。まるで彼が存在していなかったみたいになるわ。

 出典: デイヴィッド・ウィングローヴ「苦力の時代(チョンクオ風雲録14)」(野村芳夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 望まれずに生まれ、火葬場の係チュオに拾われ「チョアン・コアンツァイ」(棺桶の詰め物)という名を与えられた少女。長じて彼女はベン・シェパードの観察対象となり、更にキム・ワードの養子となる。キムのサポートAI「マシーン」は彼女に改名を勧める。
 思い出と、過去とどう向き合うか。ろくでもない名前であっても彼女としては決して切り捨てていいものではないわけです。良くわかりますね。
 私も、卒業した中学が統合されて名前が変わってしまいまして(場所はそのままなんですが)、母校というのは少々抵抗があるのです。

駄弁者:
>ろくでもない名前であっても
 キラキラネームが気に入らなければ改名すればいい、なんて周囲が言っても本人はそう簡単に割り切れないということも、これから出てくるんだろうなあ。やっぱり地名でも人名でも、名前をつけるときにはよく考えないと。
 それにしても「苦力の時代」からの名文句、続きますね。



「神が作り出した人間が作り出したロボット、ということは私たちは神の……孫…?」

 出典: 石舘光太郎・山口正武・高橋聡之脚本「直球表題ロボットアニメ 第7話『ダイナナワ』」

紹介 :W”MONSTER 様
HP :

コメント:
 美少女型の非戦闘ロボット3名が、人類滅亡後も続くロボット同士の戦争を平和に導くため、失われた文化を復活させようと探求を続ける…という名目で、「お笑い」を理解しようとトンチンカンな努力をするフルCGコントアニメ。
 人体模型を赤子に見立てるボケをきっかけとして、神話では人間は神が作ったという話の流れから件の衝撃的なアドリブが飛び出しました。
 新スタートレックでアンドロイドを作った博士の恩師が、生みの親の先生ってことで祖父を自称してた例がありましたが、この孫とおじいちゃんの関係はスケールが違う。

駄弁者:
 おじいちゃんは子どもより孫が可愛いいだろうから、人間とロボットが対立したときは、神罰は人間の方に当たるんだろうなあ。



「なぜアンドレセンたちの死体を回収しなかったの?」
「地球へ連れて帰っても犯罪者として葬られるだけだ
 それよりはむしろ星の世界こそ彼らの墓場にふさわしい」
「星の墓場か…
 そう 彼らはどこまでも流れていくんだろうね
 星に見守られて何千年も…何万年も……
 ぼくやあなたが灰になり――
 ちりとなって消え去ったあともなお――」

 出典: 魔夜峰央「パタリロ!14 『スターダスト』」

紹介 :猫玉 様
HP :

コメント:
 以前、名文句が取り上げられたパタリロ!の長編スターダストより。
 ナチスの科学者タランテラによる地球を壊滅させるスターダスト計画を宇宙空間で阻止するという話で、美少年軍団のリーダーのアンドレセンはMI6のバンコラン少佐が過去に愛したヴョルンの双子の兄弟であり、そんな愛憎劇も織り込まれている訳ですが、そんな話の結末のマライヒとバンコランの会話です。
 この台詞はSF少女漫画らしい部分があって印象深いんですけどね、ちなみにアニメではこの話は劇場版として製作されました。

駄弁者:
>彼らはどこまでも流れていくんだろうね
 朽ちずに美少年の姿のままで、というところも耽美な彼らにとっては重要ポイントじゃないでしょうか。



ううっ、栄光に輝く第三帝国!!
そうか…そうだったのか…!!

 出典: 寺沢武一「コブラ」

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 旧知の女性の復讐のため、海賊ギルドの最高幹部サラマンダーを追うコブラ。
 ついに、サラマンダーを打ち倒すが、サラマンダーはサイコエネルギー体のため、本体を倒さないかぎり、蘇る。
 サラマンダーの過去の言動を思い返したコブラは、ついにサラマンダーの本体に思い至る。
 これを読んだときにはチャペックなんかこれっぽっちも知らなかったので、喜劇俳優のそっくりさん(255集)は悪役として適任なんだとしか思いませんでした。
 この仕掛けに気がついたときには(何年後だったか)、一本とられたという思いでいっぱいになりました。

駄弁者:
 アニメではこれが最終回だったそうで。
>チャペックなんかこれっぽっちも知らなかったので
 ……。
 あ、そうか、サラマンダーって山椒魚でしたね(だいぶ長いこと意味を考えてしまいました)。



「嫌いになんか……、ならないよ……。私知ってたの、あのんさんがマリオネットだって……(中略)…いろいろ考えたけどよくわからなくて。でもあのんさん見てたら、何か機械とか人間とか関係無いかな……って。それに、私のピアノを聞きたいって言ってくれたあのんさんの心は本物でしょう?」

 出典: 高木信孝「PUREまりおねーしょん」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、マリオネット少女の学園生活を描いた漫画からの名文句です。
 同級生や学校所属のカウンセラー(実は開発スタッフ)と共に海に行ったあのんでしたが、飛び込んだ拍子に表層部コーティングの破損により浸水してしまいます。
 異変を察した同級生・みあもに助けられますが、その事で自分がマリオネットである事に気付かれてしまったと思い悩みます。
 しかしみあもはある事情からあのんがマリオネットである事に既に気付いていて、それでも彼女を受け入れたのでした。
 以前取手呉兵衛さんが人間と心を持たないメカとの友情の名文句を投稿されましたが、人間と心を持つメカの場合、少なくともその心が存在する頭脳部分がタンパク質性の生身の脳かシリコン製の電子頭脳化というのはたいした問題では無いのではないでしょうか。

駄弁者:
 いったん心があると信じられさえすれば、それが宿っているのが有機質か無機質かは問題なくなるでしょうが、その信念に至るまでが難関です。



宇宙の街に未来の光 燃える血潮は正義の為に 今日の夕日は僕らのものだ

 出典: ナック企画部作詞「チャージマン研」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 久々に投稿します。
 ネタは最近にわかに人気があるアニメ「チャージマン研!」の主題歌です。
 初めて聞いた時、目と耳が点になりました。
 SF物の歌なのに、ここまでSFマインドが皆無な歌詞は中々ないと思います。
 宇宙の街に未来の光って…アバウトすぎます。

駄弁者:
>宇宙の街に未来の光
 アバウトなことについては、「時は未来、ところは宇宙」というのもありますからまあいいとして。
 なんだか昭和期の電器メーカーのキャッチコピーみたいに聞こえるのがどうかと思います。



ドイツときみらには、スーパーソルジャーがいる。超兵器もある
だが、我々ロシア人には、冬しかないのだ

 出典: エド・ブルベイカー/スティーブ・エプティング「キャプテン・アメリカ:ウインター・ソルジャー」(堺三保訳)

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 1942年11月ソビエトがウラヌス作戦の準備をしていた頃のロシア戦線、ソビエト軍と協力してヒルフスウィリーガ(ナチスについたロシア人志願兵)の部隊を撃破したキャプテン・アメリカとバッキー(バットマンにおけるロビンのような相棒)。
 無抵抗の敵兵を躊躇なく射殺(しかも射殺した兵士は射殺された相手のいとこだと明言)、捕虜に対する無慈悲な拷問等からどうしても彼らに好感をもてないキャップ。
「ワシントンの半分がナチの制圧下に入り、転向した自国民と戦うことになったらどうする。我々を裁くのはそれからにしたまえ」と言う指揮官カーポフ大佐に対して
「あなた方の指導者があんなにナチに好意的でさえなければ、こんなふうに自分の家の玄関先を狼どもがうろつく羽目にはなっていなかったのではないですか」と返し明日のクロナス村奇襲時には自分の命令に従うよう念を押すキャップ。  クロナス村で展開される激しい戦闘、レッドスカル(ナチスのエージェントで現代においてもキャップ最大の宿敵)は光線兵器で敵兵も民間人も区別なく攻撃した後脱出、カーポフとその部下はスカルの残していった兵器を回収しようとしますがそれはブービートラップでもあったのです。
「今日はまだ死体の数が足りないとでもいうのか!?」村人の安全も考えず光線兵器奪取に気をとられた挙句部下をほぼ全て失ったカーポフに対してそう言いながら詰め寄るキャップ、しばしの沈黙の後投稿の台詞をふりしぼるカーポフ…。
『キャップは戦争中敵兵を殺害していた(現代に復活しては不殺を貫いている)』『相棒バッキーはアメリカのシンボルであるキャップには任せられない汚れ仕事の担当だった』等キャプテン・アメリカ世界の仕切り直しの手はじめとして彼の伝説の暗部を改めて描いた本作、ですがカーポフの様な人間にとってはキャップ達アメリカはあくまで恵まれた立場(当時の米国はキャップ以外にも多くのスーパーヒーローを戦争に投入していた)から綺麗事を言っているとしか思えないのでしょう。
 キャップ達がイギリスへ飛んだ後、村の唯一の生存者である孤児アレクを保護したカーポフ。カーポフからの英才教育を受けたアレクことアレクサンドル・ルーキンは国際企業クロナス・コーポレーションの社長となりキャップに『失われた過去』との対決を迫る事になるのです。

駄弁者:
 冬将軍は、敵を最終的に退けることについてはスーパーヒーロー以上の実績がありますが、その過程で失われる人命については、ほとんど顧慮しませんからね…。



あんたは二級天使のクラレンスだ……俺があんたに翼を与える

 出典: 和智正喜「仮面ライダー 1972『希望』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 本郷は緑川ルリ子暗殺を<ショッカー>に依頼した緑川卓見に契約を破棄させようと脅しをかけるもどうしても最後の一線を踏み越えることはできなかった。そこに<G素体>と呼ばれる改造人間が現れ卓見を襲う、<人間蝙蝠>と<蟹男>を吸収し、<蟹=蝙蝠複合体>となったソレは「他人の人生のスイッチを切り替える」ことを趣味とする卓見によって<ショッカー>に売られた彼の友人の浜岡正午という男だった。
 例えどんな人間であっても<ショッカー>の改造人間に襲われる人を助けなければ自分は自分でなくなると戦いを挑む本郷。辛くも勝利したが心身ともにボロボロで身動きがとれない彼を卓見は深い穴に突き落とす。それでどうにかなる身体ではないが、そこに本郷を助けようとして卓見に殴打された立花藤兵衛まで同じ穴に落とされてきた。
 傷を負った藤兵衛は、本郷にかつて彼が助けた女性がもう一度やりなおそうと頑張る決意をした話をする。藤兵衛の体を持ち上げもう一度「絶望」という穴から這い出す決意をした本郷は、好きな映画になぞらえて投稿の台詞をつぶやく(なぜ映画かというと<ショッカー>の幹部<大使>にタイトルを忘れたのだが知らないかと尋ねられ思い出したから)。
 本来被害者である同胞の改造人間を何人手にかけても、その魔手から人を救うことも思うようにいかない。<ショッカー>との戦いも決して終わらず、孤独な身では社会の生活も癒しにはならない。ルリ子を守ろうとボロボロになっても戦う様は父親の所業を見せつけ彼女を追い込む結果となってしまった。
 絶望から逃げられない戦いというのはハヤトと約束した時から分かっていたことだ。それでも求めた希望はやはりどこにもない、誰からも与えられることはない 「それなら、それでいい。ならば。この俺が。 希望になろう。」

駄弁者:
>好きな映画になぞらえて
 『素晴らしき哉、人生!』ですか。
 翼をもたない二級天使のクラレンスは、自殺しようとしているジョージを助けたら翼がもらえることになった。自分なんか生まれてこなければよかったというジョージに対し、クラレンスはジョージがいない世界を見せる。そこで家族や周囲の人がみんな不幸になっているのを見たジョージは、自分の人生が素晴らしいものだったと悟り、自殺を思いとどまる…というもの。
 善行をなしているのに人生がうまくいかない失意のジョージを自分に、その善行が無駄ではなかったことを知らせてくれた立花をクラレンスになぞらえているわけですね。



ヴェッセル、貴様の幸運は祈らないぞ。ぼくの幸運は自分のために用いるぶんにも足りないのだ。

 出典: 佐藤大輔「凶鳥<フッケバイン> ヒトラー最終指令」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 敗戦まぢかのナチス・ドイツが保持している数少ない領土ベルリン。特殊作戦を指揮するスコルツェニィ親衛隊少将は、正体不明機の調査におもむくヴェッセル大尉に、彼を護衛する物語の主人公グロスマイスターについての非常に高い評価と警告を与えたのち、上の台詞を吐きました。
 ちなみにスコルツェニィは降伏後、戦犯として訴追されるも収容所を脱走してスペインに移りすみ、南米で他の元親衛隊員たちとともに反共政権を支援するなど、八面六臂の活躍(?)を見せたといいます。じゅうぶん幸運じゃないか。

駄弁者:
 この出典からのご投稿、だいぶ前にもありましたね。
>じゅうぶん幸運じゃないか
 戦後長らく生き延びて財をなしたのは、他人の幸運を祈らなかった甲斐があったというもの…?



藤井「あんたも若い。彼らの苦しみがわかるはずだ」
タワラジ「私はその苦しみを、全世界の若者に味あわせたいの」

 出典: 金城哲夫脚本・満田かずほ監督「斗え! マイティジャック 第26話『希望の空へ飛んで行け!(後編)』」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 視聴率が今一つ伸びなかった「マイティジャック」は少年向けの「斗え! マイティジャック」としてリニューアル。これはその最終回から、当時のヒッピーなどの若者を拉致してQの兵士にしようとするQの女幹部・タワラジとMJの上部組織・APPLEの極東司令官・ゼネラル藤井との会話です。
 かってタワラジは東南アジア某国から天才少女として留学した先でMJのキャプテン・天田と出会っていました。だが、戦争で家族も故郷も失い地獄を見た彼女は世界を憎み、Qに参加してその幹部になっていたのです。そんな彼女にとって、戦争のない平和な世の中を謳歌する日本の若者は憎悪の対象でしかなかったのかもしれません。
 あからさまには書いていませんが、どう見てもタワラジの故郷ってベトナムですよねえ。ウルトラマンからウルトラセブン、怪奇大作戦へとリアル・現代へと指向していた金城さんにとって、子供向けとはいえ必然的にぶつかってしまった「現実」を示してしまったエピソードだったのかもしれません。

駄弁者:
>当時のヒッピーなどの若者を拉致して〜
 ヒッピー・ムーブメントはベトナム反戦運動がひとつの発端だったと思いますが、ファッションや口先だけの「反戦」では、当事者はかえって怒りと苛立ちが募るというものでしょうか…。



「うっかりしてました。トリコーダーならこのスピードでも記録できるはずです。何世紀もの生きた歴史を記録するチャンスを逃したとは実に残念です。」

 出典: 「スタートレック 宇宙大作戦 第28話『危険な過去への旅(The City on the Edge of Forever)』」

紹介 :W”MONSTER 様
HP :

コメント:
 はじめまして。長らく拝見するだけでしたが初投稿させていただきます。特撮と漫画と、あとたまにスタトレをまぜていこうかと思います。
 投稿の名文句は、知性を持つ時の門「永遠の管理者」と遭遇して、地球の歴史を早送りで見せてもらった際の科学主任ミスター・スポックのつぶやきから。万事そつがなさそうなスポックらしくない失敗ですが、知識に魅了されやすいゆえに知識を保存し損ねて残念がっているのが、むしろ彼ならでは。
 データ集めを趣味とするオタクの自分が共感したのは、記録媒体が進化しても人間が記録しなければデータは歴史に残らないということ。ネットは広大でなんでも調べられるようでいて、発達以前のデータは上げる人間がいなければ存在しないも同然。データ専門のサイトも、更新が途絶えてサーバーごと失われることだってあります。それ以前の紙媒体にしても整った資料がなかったり、絶版になると国会図書館あたりでしか閲覧できないことも。データとはある人々の活動の足跡でもあります。だからこそスポックも魅了され、遺すことの難しさと意義を感じていたのではないでしょうか。

駄弁者:
 ありがとうございます。スタトレ(とくにTOS)歓迎です。
 ご投稿のエピソードはハーラン・エリスンの脚本で、ヒューゴー賞を受賞した人気作。話の内容もいいですが、原題「The City on the Edge of Forever=永遠の淵に立つ都市」も詩的で気に入ってます。
 カークにすれば、生きた女性を助けられずに終わる話なので、生きた歴史など知ったことかと言いたくなるかも知れませんが…。
 しかし早送りとはいえ一惑星の歴史を丸ごと記録できるとは、目立たない小道具のわりに高性能です、トリコーダー。



ゆか「コンピューターのバリアーってパソコン通信のID番号とか、パスワードと同じじゃない?もしそうなら、解除してバリアーを破壊するプログラムを送ればいいのよ!」
一平「破壊プログラムか!」

 出典: 円谷プロ制作「電光超人グリッドマン 第2話『アクセプターの秘密』」

紹介 :ザタンゴールド 様
HP :
http://zatangold.blog.fc2.com

コメント:
 無数にある宇宙の一つハイパーワールドから、魔王カーンデジファーがやってきた。彼は中学二年生の藤堂武史少年のパソコンに侵入して武史を支配下に置き、彼の作る怪獣でコンピューターワールドを狙う。コンピューターワールドは我々の宇宙と密接に繋がっている宇宙であり、そこで起きた異変は我々の世界にも影響を及ぼすのだ。
 同じ頃、武史の同級生の翔直人、馬場一平、井上ゆかの三人は自作パソコン「ジャンク」を馬場家の地下倉庫で完成させていた。そのジャンクの中にカーンデジファーを追ってきたハイパーエージェントが現れて戦いへの協力を要請する。ハイパーエージェントは実態を持たない存在なので、人間の協力無しには戦えないのだ。ハイパーエージェントは一平がジャンクの守り神としてデザインした「グリッドマン」の姿を借り、直人と一体化して怪獣に立ち向かう。グリッドマンは普段はジャンクの中にいて、怪獣の出現を察知すると直人の持つ変身アイテム「アクセプター」にGコールを鳴らして呼ぶのである。
 本作は、当時まだ普及していなかったパソコン通信を題材にした作品。そのため武史がパソコンで描いたものをカーンデジファーが実体化させた存在として怪獣が扱われたり、苦戦するグリッドマンに一平が考えてゆかがプログラミングした武器を送ったりなどの展開が描かれた。しかし敵も味方も中学生なのでスケールの大きさに反して事件の規模が小さく、またパソコンが普及する前の作品なので今見ると突っ込みどころも多い。今回の投稿もそのツッコミどころの一つである。
 桜ヶ丘大学のコンピューターワールドに送り込まれた弾力怪獣バモラ。その使命は桜ヶ丘大学のコンピューターを次元ワープ装置に作り替えて現実世界に出現する事だった。Gコールを聞いてきた直人はすぐにグリッドマンと一体化して駆けつけるが、敵のバリアに阻まれてコンピューターワールドに入れない(グリッドマンはコンピューターワールド内に入ってから巨大化するため、本来の力が出せない)。それを見たゆかと一平は自分達がバリアーを解除しなければならないと手段を模索する。台詞は一平のつぶやきでゆかが方法を思いついてからの会話。そんなプログラムを中学生、それも正義の側が組んで実行するというのはどうなのだろうか。

駄弁者:
 放映は1993年。NIFTY-ServeやPC-VANの時代ですね。私もPCは持っていたけど通信はやっていなかったな。
 正義の側がそんな犯罪めいたことを…という意識は、まだ薄かったんでしょうか。しかしパソコン通信を題材にした特撮ヒーローというのは、目の付けどころの良さに感嘆します。家の倉庫で自作PCを作っているという設定など、パーソナル・コンピュータ草創期の残り香が感じられてほほえましい。



「ありがとう、息子よ」
(しかし、これはつけられんな)

 出典: ジェフリー・ブラウン「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」(とみながあきこ訳)

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーは、反乱同盟軍の英雄たちと戦うべく、銀河帝国軍を率いる。だが、そのまえに、まず4歳の息子、ルーク・スカイウォーカーと 遊んでやる必要がある…。もし、ダース・ヴェイダーが子育てに積極的だったら?というコンセプトのもとに書かれた絵本なのですが、非常にほのぼのした内容です。
 ハロウィンでストーム・トルーパーの仮装で廻るルークをこっそり見守るヴェイダー。プレゼントの高さにぼやきながら、不器用にラッピングし、ルークの誕生日を祝うヴェイダー。表彰式で金メダルを受けたルークに、拍手しながら隣の人に自慢するヴェイダー…。いやぁどこから見ても普通の父親ですな(笑)投稿した台詞は、ルークにネクタイをプレゼントされたヴェイダーの台詞なんですが…、つけてやんなさいよ、似合わなくても。「パパ、どうしてプレゼントしたネクタイ、つけてくれないの?」とかいわれたらどうすんのww

駄弁者:
 少し前に話題になってた絵本ですね。どの親子がやっていることでもこの二人がやっていると微笑ましくなってきます。確か娘のレイアが出てくる第2弾が最近出ましたね。
 このパパが近くにいたら、不良のソロ君が息子の友だちだと言ったら激怒しかねない。ましてや娘の彼氏なんて…。



「大丈夫よ。だってこの彩色パリーナはこれからもずっと、ARIAカンパニーと共にここにあり続けるんですもの。これは灯里ちゃんがARIAカンパニーに確かにいた日々の証、ずっとずっと変わらない今の灯里ちゃんそのものよ」

 出典: 天野こずえ「ARIA」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 早起きしたために夜明けの海にゴンドラで漕ぎ出す事にした灯里。
 帰ってきたところ、ARIAカンパニーの彩色パリーナ(ゴンドラを繋ぐため水面に立っている棒・パリーナの中でも、特定の家・会社を示す物)が老朽化している事に気付きます。
 そんな灯里にアリシアは、新しい彩色パリーナの製作を依頼するのでした。
 完成した新彩色パリーナを眺める灯里は旧彩色パリーナ製作者が創業者の一番弟子である事を聞いて、将来の自分がどうなっているかに不安を感じます。
 そんな灯里にアリシアが言ったのが、今回の名文句です。
 思い出は記憶の中だけにあるのではなく、形にして残した物やいわゆる「思い出の品」の中にも存在する……という言葉です。

駄弁者:
 この作品の人たちなら心配ないんでしょうが、「思い出の品」は変わらなくても、人間のほうは「ずっとずっと変わらない」とはいかないものだと思います。自分が残した品を見て、苦い思いをする人がいないように人生送れればいいんですが。



女性と同じくらい働き者の男にあったことがありますか?男があんなに耐えられますか?
あんな苦しみを経験しなければならないとしたら、男たちなら赤ん坊を生むと思いますか?
いや。出産が男の役割だったら、人類はとっくの昔に絶えていたでしょう。だからこそ、われわれはこいつが娘だとわかるんです。

 出典: デイヴィッド・ウィングローヴ「苦力の時代(チョンクオ風雲録14)」(野村芳夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 木星軌道から衛星を運び出すために、エンジン据え付け用の坑道の現場を訪れた、キム・ワード。そこで鉱山技師石田幾郎は掘削機を自分の娘として紹介する。
 かつて無いほどの規模の工事を女性の働きになぞらえる。
 やっぱり、女性って偉いんですね。ちょっと前に出産の痛みを電気的に体験する実験に男性が挑んだら、驚くほど短時間で脱落したという外国の話がありました。
 それに、こまめに働くのも確かですしね。男はおとなしくしていた方が良いのかも知れません。
 ついでに、日本はチョンクオ成立前に、朝鮮半島を巡る第二次日清戦争とも言える戦いで、滅ぼされており、石田はたまたま小惑星開発で生き残り、漢民族のふりをして生き延びてきたという設定です。そのころ各国は内乱や経済混乱で軍事同盟がどうこういう時代ではありませんでした。

駄弁者:
 穴を掘る道具も掘られる工事のほうも両方女性って、なんか百合…いや、下品ですみません。
 男性が妊娠する映画はあったように思いますが(たしかシュワルツェネッガーが)、それでも出産は帝王切開でしたね。機能的に出産できないというのもあるのでしょうが、機能的にできたとしても…。やはりこのことについては女性に頭が上がりません。



最初の一撃は、往々にして、人生経験の浅い若者によって放たれる。
成功すれば道がひらける。失敗すればすべてを失う。やってみる価値はあると思う。

 出典: 打海文三「裸者と裸者(下)邪悪な許しがたい異端の」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 ガールズ・マフィア『パンプキン・ガールズ』の初陣は、創立メンバー四人が内戦下の日本全域を直接間接に支配する日系マフィア『東京UF』のドラッグを強奪するという、恐ろしく無謀なものでした。それでも彼女たちを支援する娼婦グループのリーダーの言葉です。
 最初の一撃が若者によって放たれる事例は歴史上にも散見されますが、それで最後の一振りまでいってくれれば万々歳なんですけれどもね。

駄弁者:
 最初の一撃を与えた若者が、そのまま知見・経験を積んで最後までいければいいんですが。先鞭をつけた若者は英雄として(ときには悪玉として)途中退場し、後からきた老獪な人間が果実を収穫する…というほうが多いような気がします。



言ってやった。あんたが会ったのは、神様じゃないって
確かに、普通の人間じゃない。……特別製で、耳もよければ目もいい。小さな泣き声を聞きつけるなんて、あいつにしてみれば……簡単なことなんだ。それに誰かが泣いている小さな声を聞きつけられるヤツは他にもたくさんいるらしい。だけど、誰もが、その泣き声の主に手を差し伸べるわけじゃない。それはあんたを助けてくれた、本郷猛っていう人間、ただひとりなんだ
……そう言った。

 出典: 和智正喜「仮面ライダー 1972『希望』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 立花藤兵衛はかつて仕えていた緑川家当主の頼みで〈ショッカー〉も巻き込んだ次期当主争いで命を狙われる緑川ルリ子を見守ることになる(緑川家はショッカーの日本での最大のスポンサー)、そして本郷猛と接触するように言われる  本郷のことを調べる藤兵衛は彼にヤクザから助けられた民子という女性と会う彼女は本郷のことを「神様」だと言った。ヤクザから民子を助ける際にどれほど殴られようと一切堪えなかった本郷だがそのことではない、彼女は追手から見つからないように隠れ必死に口を抑え泣いていたところ、その声を聞いたと言って本郷は助けにきたのだった。
 聞こえるハズの無い泣き声を聞きつけて手を差し伸べる、それが神様でなくてなんなのかと言ったのだった。
 藤兵衛は彼女にそれは神様ではなく本郷猛というひとりの人間だと教える
 改造によって得た身体能力があるからではなく本郷は本郷であるが故に誰かを助ける、彼は「仮面ライダー」なのだ

駄弁者:
 小説版仮面ライダーだと、立花のおやっさんにそんな背景があるんですね。
 神様じゃなく人間だからこそ誰かを助けるのだ、とは泣かせるいいセリフです。公平に誰も助けないのが神様って考えもありますから…。



名文句トップに戻る

第308集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第310集を見る