SF名文句・迷文句第305集

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「風速40光年ですか……」
「信じられん」
「タキオンでもない物質が、光より早く加速されるなんて……」
「E=MC2のはずだ」
「所詮、理論は理論か……」
 ハードSFでないのをよいことに、好きなことを言う。

 出典: 吉岡平「風速40光年 (宇宙一の無責任男)」

紹介 :コルド 様
HP :

コメント:
 初めての投稿になります。
 恒星や星間物質を吸い込み、銀河に迫る超重力の「颱宙」ジェーンの観測データを見た、科学者たちの反応です。
 個人的にこのシリーズの中で一番好きなシーンです。初見で噴き出してしまいました。
「スペースオペラ」を書くには、これぐらいの無責任さが必要なのかもしれません。

駄弁者:
 私は颱宙ジェーンの話よりその前の「アシュラン3部作」が好きでしたが、このシーンは笑ったのを覚えてます。ハードSFじゃないおかげで、タイラーの生活感あふれる解決策も可能だったわけで。
 まあ、好きなことを言うことについては大先輩もいらっしゃいますから、気にしなくていいのでは。
 ところで、出典タイトルはシリーズ名を挙げていらっしゃいましたが、本のタイトルの方に変えさせていただきました。私の記憶によるので、間違っていたら教えていただけると助かります(前巻の『無責任大統領タイラー』だったかも知れませんし)。



北極生まれの大きな体 手足を引っ込め回転ジェット
宇宙の果てまでひとまたぎ それ行け飛び出せやっつけろ!
マッハ3(スリー)だ 強いぞガメラ!

 出典: 永田秀雅作詞・小町昭作曲「ガメラの歌」(『大怪獣空中戦・ガメラ対ギャオス』エンディング曲)

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 一般に『ガメラの歌』といえば「ガメラ〜、ガメラ〜、強いぞガメラ、強いぞガメラ、強いぞガ・メ・ラ〜」という歌が知られているが、あの歌の正式な曲名は『ガメラマーチ』といい、『ガメラの歌』と題されたものは上記投稿の歌詞である。これは『ガメラ対ギャオス』一作だけに使われた、非常にレアな曲だ。飛び去るガメラに向けて主人公の英一君が手を振りながら「ガメラありがとう!さようなら!」と叫んだ直後に流れ出す。また、この歌に合わせて映し出されるエンディングロールが実に秀逸で、第一作目、二作目の対バルゴン戦、そして三作目となる本作の対ギャオス戦と、これまでのダイジェスト場面が次々と展開されるのだ。しかも、その場面展開と歌詞の意味内容がシンクロしており、まるでガメラの激闘履歴を振り返るような楽しさだった。そしてエンドマーク。溶岩の煮えたぎる噴火口に下半身をドップリつけたガメラが「次回作も観に来てね!」とばかりに両腕を振り上げて「キュルルルルアァ〜ン!」と咆え、画面中央に「終」の字が浮かび上がる……と、まぁこのように、大映という会社は最後の最後まで子供を飽きさせない映画を作って「子供の為の娯楽作品」に徹していた。こうした魅力を知ってもらうためこの歌詞を投稿した。

駄弁者:
 歌詞全部をご投稿いただいたんですが、全部の掲載はまずかろうと思ったので、最低限の引用ということで1番の掲載でご容赦ください。
 私も『ガメラマーチ』しか覚えてませんでした。北極生まれということも…。



どうせこの世に生まれたからにゃお金も欲しいさ名も欲しい
自分の幸せ守りたい!僕だって人間だあ!!僕だって若いんだあ!!!

 出典: 川内康範作詞・北原じゅん作曲「ヤマトタケシの歌」(『愛の戦士レインボーマン』おわりの歌)

紹介 :H・I・T 様
HP :

コメント:
 日本人皆殺しを企む死ね死ね団に単身立ち向かうレインボーマンことヤマトタケシ、まだ十代の彼には一億の日本人を守る使命はとてつもなく重く、そんな自分の孤独な戦いに対する身内の無理解や、ジャーナリストとして死ね死ね団と戦っていた父一郎をむざむざ死なせてしまうという等の悲劇の前にしばし弱音を吐いてしまいます。
 13話まで使われていたエンディングの歌詞が投稿の台詞、あまりにも生々しい歌ゆえか2クール以降は別の歌に差し替えられましたが、作品世界では相当な流行歌だったらしく、タケシはラジオから流れるこの曲を聴きながら笑顔で踊ったり、死ね死ね団を追って九州を旅していた際友達になった新婚カップルのためにこの歌を熱唱していたりしています。
 駄弁者さんはかつて259集で「強く正しく、無欲な人間というのを目の当たりにするのは、弱くて欲に振り回される人間にとってはかなりしんどいんですよ。」という至言を残していますが、そんな弱い人間が私欲を捨てて巨悪に立ち向かわなければならない嘆きをストレートに唄った(異色作揃いの70年台の中でも一際異色な)この歌詞を作詞してみせた川内康範は作曲家としてもやはり非凡だった(『骨まで愛して』や『おふくろさん』等の歌謡曲も作曲している)としか言いようがありません。

駄弁者:
 インドの山奥で修行しても、私欲は捨てられなかったですか。
>この歌詞を作詞してみせた川内康範は…
 まえにご投稿もあった「死ね死ね団のテーマ」も川内さん作詞。『おふくろさん』と同じ方が作った歌とは…。



来るなあ―ッ
英雄なんて…
いらない
これ以上
仲間が…
死ぬのは
イヤだ

 出典: 飯田馬之介「機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム 3 ブリティッシュ作戦Seene-12」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 前回から続いてイシュタムから。
 実はこの作戦08小隊のシローが参加してます。
 アニメでも映っていて一話にあるザクが出てくる回想がそれです。
 上記の台詞は上空から人サイズの瓦礫が降ってくる中、助けに来ようとした味方に向かってのシローの魂の叫びです。
 家族の中で自分だけ士官候補生だったため宇宙服を持ってたので助かり、家族や親友を土に埋める、一緒にザクに向かって行った仲間が死体も残らない様を見る。
 こんな体験すれば08で生還を絶対視しているのも納得です。
 もっともこの後シローは敵に捕まった仲間を楽にするため射殺することなります。
(他の味方からは距離がありすぎるか動けないため)
 しかもそれが初の人を殺すこと、トラウマになってもおかしくないですね。

駄弁者:
 だからって後に捕まえた敵と「添い遂げる」宣言するのは、いささかオーバーランじゃないかと思いますけどね…。



リンカーン「かわいい、『黒人娘』だ……これはどうも失礼した!……そう呼ぶのはあの時代では一般的だったが、今ではかわっとるだろう?」
ウラ「その呼び方はいけないんでしょうか…?『黒人』は蔑称ではありません。現在、言葉にタブーは無いのです。」
カーク「ご紹介します、通信係のウラ中尉。」
リンカーン「昔のくだらん偏見だ…余計なことを言ってすまなかったな…」
カーク「我々もやっと人種的偏見を克服しました。」

 出典: アーサー・ハイネマン&ジーン・ロッデンベリー脚本「宇宙大作戦 『未確認惑星の岩石人間』」

紹介 :Mr.Spock 様
HP :

コメント:
 とある惑星を調査していたエンタープライズはそこでありえない人物に遭遇する。それは何世紀も前に死んだリンカーン大統領だった。宇宙人の擬態を疑うカーク達…だかその人となりは伝え聞くリンカーンそのもの…そして彼は他にも歴史上の偉人が惑星上にいると言い出した……
 お久しぶりです、Mr.Spockです。長いことサボっていて久々の投稿ですのでここはやはり専門分野の宇宙大作戦からww。実はこの場面、個人的にTOSで一番好きなシーンなのです。SFの楽しさのひとつは未来の夢を語ること。未来には人種などの差別のない世界が来る事を示しているわけです。「楽観的過ぎる」と言われるスタトレですが、有色人俳優がレギュラー陣に入ることさえ憚られた保守的な当時の米TV界において人種問題に触れるシーンを入れるのにどれだけの危険が伴っていたことか……ロッデンベリー達製作スタッフの未来にかける思いは熱く燃えていたのです。
 そしてウラ(ウフーラ)の活躍に勇気付けられて、宇宙飛行士や俳優を目指した有色人や女性の方々が数多く誕生することとなりますがそれはまた別の物語……www
 では長寿と繁栄を。

駄弁者:
 いつもお世話になっていますが、直接ご投稿をいただくのは本当に久しぶりですね。前は…208集!? そんなにも前でしたか。
 とある惑星の岩石人間が、善悪の概念を知るために過去の偉人を再現し、カークたちはリンカーンやヴァルカンのスラックと共に「善」の側として「悪」と対決する…という話なんですが。このシーンは私も小説版で読んで好きな部分だったんですが、「悪」の側にリンカーンの対としてなのかチンギス・ハンが入っていることについては、ちょっと文句をつけたかった…。
 ちなみに昔の小説版がメインだったせいで、私にとって彼女はウラでもウフーラでもなくウーラ中尉です(細かい!笑)。演じたニシェル・ニコルズはNASAの広報をやったり、歌手としてCD出したりもしてましたね。黒人がドラマにレギュラー出演するのは、彼女が初めてなのだそうです。



少林シャオリン)、暗殺者です

 出典: デイヴィッド・ウィングローヴ「苦力の時代 (チョンクオ風雲録14)」(野村芳夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 <ヨーロッパ>が戦争へ動きはじめる中、李ユアンの王宮で相も変わらず<シェル>の作業に励むベン・シェパード。そんな彼を暗殺者が襲う。キム・ワードの奮戦と警備員によって難を逃れた彼は、暗殺者の身元を示す。
 少林、そう、リー・リンチェイやチャウ・シンチー等幾多のカンフースターを生み出した(違うって)あの少林です。この世界では儒教が国教とされているので、食いっぱぐれて暗殺者に身を落としたのかも知れません(その割にはことあるごとに「観音(コアンイン)よ」と口にするのですが)。理由はともかく、仏の道に背いた暗殺者を待ち受けるのは拷問です(状況証拠から見て、あの奥方様の差し金であるのは間違いないのですが)。

駄弁者:
 そういえば少林寺って曹洞宗のお寺なんですよねえ…って、チョンクオに限らず私も忘れかけてる(笑)
 そのうちニンジャみたいにシャオリンもワケのわからない進化をしてしまうのでは(すでにそうなりかけてるかも)。



眠りなさい 愛に身を委ね 激しさを閉じればいい

 出典: 森雪之丞作詞・椎名へきる唄「PROUD OF YOU」  『R-TYPE FINAL』エンディングテーマ

紹介 :電撃翼 様
HP :

コメント:
 R-TYPEシリーズ最終作のエンディングテーマより。  悪夢の生命体バイドを迎え撃つべく、対バイド兵器・R戦闘機を発達させてきた人類。しかし、その道程は「人類をバイドから護る」という大義名分の下、いかなる犠牲も厭わない血塗られた道でした。
 パイロットの四肢を切断し、脳と機体を直結した「R-9C ウォーヘッド」、肉体の成長を中学生レベルに固定した成人をコックピットに押し込めた「R-9/0 ラグナロック」、パイロットの精神力を兵装制御に応用し、疲労で身動きが取れなくなったパイロットをコックピットごと交換して戦い続ける「R-9W ワイズマン」…パワーアップを繰り返すバイドに対抗すべく戦闘力を追い求めた結果、R戦闘機はパイロットを人とも思わぬ非人道的兵器に変貌し、さらにはバイドに取り込まれた仲間の残骸を解析し、R戦闘機ともバイドともつかぬ「バイド系R戦闘機」も作り出されました。
 「激しさの権化」であるバイドと、バイド同然の「激しさの権化」に成り果てた人類との戦いの果てに、主人公はバイドの中枢と対峙することとなります。
 以下、最終ステージのひとつ「バイドとは…」のネタバレ。
 バイド内部の防衛機構を退け、中枢まで辿り着いた主人公。中枢の猛攻は熾烈を極め、主人公のR戦闘機はフォースも奪われ、機体自体も半壊してしまいます。主人公は辛うじて稼動しているエネルギー兵器「波動砲」にありったけのエネルギーを充填し、中枢に叩きつけました。
ほぼ刺し違えるような形で中枢を撃破するも、無理がたたってR戦闘機は完全に作動不能になり、主人公はバイド内部を漂うだけとなってしまうのでした。
ネタバレ終了。
 戦いの後の静寂の中で流れるこのエンディングテーマは、もう「激しさの権化」をやめてもいいと歌っているようでもあり、バイドとの戦いの中で犠牲になっていった人々、そしてその最後のひとりとなった主人公への鎮魂歌のようでもあります。

駄弁者:
 戦いに勝利した後とはいえ、下手すれば265集のご投稿みたいになってしまうところで眠ってしまうのもどうかと。



「どうやら、ある意味でわたしが海賊であることはたしかなようです」
かれはいった。「しかし、これは奪うに値する宝物です」

 出典: ジョゼフ・サマクスン「フューチャーメン暗殺計画」(野田昌宏訳)

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 宇宙海賊の武装解除に協力した謎の男「黒ひげ」を収監したジョオン・ランドール。どうしても彼の正体がつかめず悩む彼女に思わずキスをしてしまってひっぱたかれたその男のセリフですが……それもそのはず、彼は悪人の陰謀で暗殺されかけて記憶を失い人相が変わってしまったカーティス・ニュートンでした(笑)
 いや〜、66集の第1作から考えるとキャプテンがこーいうセリフを吐くようになるとは隔世の感がありますね、このころにはキャプテンとジョオンは完全に相思相愛になっているとしても。ハミルトンが書いていないからなのか、よほど頭の打ちどころが悪かったのか(笑)

駄弁者:
 あとで記憶喪失中の自分の行動を知って茹でダコ状態になる…に一票。



我々は「個別の十一人」、ここで我々が倒れようとも個別の自我が我々の意志を引き継ぐ。
よって我々にとって「死」は意味を持たない!

 出典: 士郎正宗原作・神山健治監督「攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 第1話」

紹介 :トオコ・モリエ 様
HP :

コメント:
 SFは、センス・オブ・ワンダーだ、ってことで。
 今月のテーマは「死と新生」。どなたもお分かりでしょうが、あの作品の劇場版からタイトルをいただきました。で、最初は今度また新作が製作されるという、ジャパニメーションを代表する作品のTVシリーズ第二期の第一話から。
 正体不明の武装グループによる大使館占拠事件が発生、活動停止中の対テロ特殊部隊・公安九課に出動命令が下る。しかし、この事件は前哨にすぎなかった……。
 で、投稿の文句は犯人グループの一人が警察(と九課。ただし、ある事情により犯人には九課の面々は見えていない)に向かって言い放った言葉です。えーと……うーん……なんて言ったらいいんだろー……いや、これ以上私がごちゃごちゃ言ったら投稿の文句の持つインパクトは勿論、私の文章も(ついでに私の頭の中も)「パッパラパー」というような状態になりそうなので止めておきます。もう、「御感想は皆さんにお任せします。一緒に考えてください。」ということにさせといてください。
 と、いうことで、駄弁者さん、後をどうぞよろしく。

駄弁者:
 よろしくされても正直困るので、現場の素子さんに答えていただきましょう。
「あらそう、じゃあ死になさい」
 …まあある意味実際的な対応かと。 



非人道的な殺人兵器という言葉を聞くたびに『じゃあ人道的な殺人ってなんだよ(笑)』と思っていたクウェンサーだったが、その意味をまざまざと思い知らされる光景だった。

 出典: 鎌池和馬「ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 パワードスーツ着てドロップキックやバックドロップ等のプロレス技を生身の人間にかましている味方を見た主人公の感想です。空き缶のような中途半端な潰されかただとか…

駄弁者:
 パワードスーツを着てのプロレス技は、一人の人間が一度に殺せる人数が限られているので、ボタンひとつで大量殺戮できる兵器よりも人道的だ…と強弁することもできますよね。
 「人道」は、殺し殺される当事者だけでなく、それを見て影響を受ける第三者まで含めて考えないといけないか。



「宇宙船を見たければフロリダへ行って、スペースシャトルの打ち上げ場を見ればいい。あれだって立派な宇宙船だ。別の世界に行くわけじゃないが、宇宙船には違いない。不思議な動物をみたければ、オーストラリアやブラジルへ行けばいい。おかしな人間たちを見たければ、ニューヨークでもロサンジェルスでも、どこでも見られる。
 …(中略)…
 そういうところ全部を見てまわったあとで、故郷に帰りたければ帰れるんだ。いいか、これは大事なことだぞ。帰る必要はないけど、いつだって帰れる。きみもいつかはホームシックにかかるかもしれない。みんなそうなんだ。おれだってそうさ。よその世界を見にのこのこでかけるまえに、自分の世界をもっとよく見ておくべきだったと後悔してるよ」

 出典: ローレンス・ワット=エヴァンズ「ぼくがハリーズ・バーガー・ショップをやめたいきさつ」(中原尚哉訳)  『80年代SF傑作選』に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 下のご投稿を見て、そう言えば似たようなシチュエーションの言葉が昔読んだ海外SFにあったな…と思って。
 人里離れたドライブインの「ハリーズ・バーガー・ショップ」には、深夜になると奇妙な客がやってくる……その正体を知ったバイトの「ぼく」は、彼らと一緒に出て行こうと考えた。夢と驚異の世界を見たいという「ぼく」に、「客」の一人が言ったのが、投稿のセリフ。
 改めて見てみると、下とちょっとニュアンスは違いますね。自分の世界を大切にしろという点は同じですが、こちらは「いざとなれば帰れる」ということに力点を置いています。
 結局、「ぼく」はハリーズ・バーガー・ショップをやめるのですが――。



コタロー「ボクもいっしょに行っていいだろ?」
シスカ「コタローはもう自分の世界を知りつくしたのか?」
コタロー「え…」
ガーニー「この世界は俺たちにとっての現実リアル)であってコタローにとっては『ただのファンタジー』だ 帰れ」

 出典: 横内なおき「サイボーグクロちゃん 異世界サバイバル編エピソード4『終末から新世界へ…』」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 「異世界サバイバル編」のラスト。砂漠の世界は「クリエイター」が作り出した偽りの閉鎖空間だった。人々はその殻を破り、緑の溢れる「新世界(ニューワールド)」を発見する
 そしてコタローと共に行動していた砂漠の海の海賊シスカと副長ガーニーはなぜ「クリエイター」は人々を砂漠の世界に閉じ込め「新世界」を隠したのかを調べるために旅に出る それについていこうとするコタローだったが「自分はまだもとの世界でなにも始めていない」(空母をジャックしたり動物園からライオン逃がしたり騒動ならいくらでも起こしたけど)と仲間たちと共に自分の「現実」に帰る。

駄弁者:
 お前にとっては現実の世界じゃないから帰れとは、ちょっと酷な言葉に聞こえますが、それも思いやりのうちでしょうか。



const char* klingonGreeting = ”nuqneH”; // ”nuqneH”は、クリンゴン
                            // 語の”Hello”*5
…(中略)…
*5 訳注:”nuqneH”というクリンゴン語の本当の意味は「何の用だ?」である。クリンゴンは軟弱な人類とは違って挨拶などしないのだ。

 出典: スコット・メイヤーズ「Effective C++ 改定2版」(吉川邦夫訳)

紹介 :ひとむら 様
HP :

コメント:
 初めてましての投稿です。いきなりの変化球ですが、SFの拡散の一例として投稿いたします。
 投稿の文章が載っている本ですが、SFどころか小説でもありません。C++というプログラミング言語の文法を覚えた人向けに、C++プログラムを書く上でのアドバイスをコーチする本です。
 訳者の力量もあるのでしょうが、この本はプロ向けのプログラム関係の本としては文体が軽く、まるで凄腕の先輩が後輩の読者にマンツーマンでプログラミングのコツをコーチしているような文体になっています。
 投稿の文章は1行目がC++のプログラムの一部、//以降は1行目の文字列(””で囲まれた部分)に対する説明で、その説明に対して訳者が注でツッコミを入れているということになっています。
 投稿の文章の前後はスタートレックとは全く関係が無いC++の言語機能の話で、解説用のプログラムの中に何の説明もなくこれが出てきます。
 これを読んだとき、スタートレックがプログラマーの中ではメジャーな存在なんだなと実感させられました。……が、それに的確なツッコミを入れられる訳者も訳者です(笑)。
 ちなみに、その後に出された第3版では内容に大幅に手が入り、残念ながら投稿の文章はなくなってしまいました。

駄弁者:
 クリンゴン語にあいさつがないというのは、ちゃんと『The Klingon Dictionary』にも出ているそうで…的確にもほどがあるでしょう(笑 ちなみに板橋クリンゴン資料館を参照)
 原典の著者が日本人だったら、クリンゴン語の代わりに何を使うでしょう…ゼントラーディ語? 向こうに訳せる人がいるか分かりませんが。



なお、サイボーグは種族クラスではない。これは妖怪や人狼、天狗といった異種族が改造手術を受けてサイバー化例も存在するためだ。

 出典: 小太刀右京「時空破断 Supplement5:天下繚乱RPG」

紹介 :黒竜王V 様
HP :

コメント:
 もっともSFらしいジャンル、時代劇を扱うTRPGのクラスデータ:サイボーグから。
 時代劇らしく、あなたが思うかもしれないサイボーグはだいたい再現出来ます。ブラックジャックからガンスリンガーガール、悪人怪人にクリスタルボーイまで。
 この後、“からくり人”という種族クラスが追加されたので“サイバーからくり人”も出来ます。
 どうでもいい事ですが『TORG』と言うTRPGの雑誌記事で“サイバードラゴン”について言及されたことが。

駄弁者:
>時代劇らしく、あなたが思うかもしれないサイボーグはだいたい再現出来ます
 ちょっと分かりにくかったのですが、サイボーグを再現することが時代劇らしいというのではなくて、それらのサイボーグを時代劇らしく再現できる、ということですよね?
>“サイバーからくり人”も出来ます
 有機生命を一部機械化するのがサイボーグ化なら、機械生命を一部生体化するのも逆方向からのサイボーグ化と言える?



「こちら井川、我々が防いでいる間に残りの輸送船を連れて急いでくれ」
「いや、ネウロイを引き付けるのは我々の任務だ。レディたちのエスコートは東洋のサムライに任せた」
「侍の任務に貴婦人のエスコートは存在しない。それはブリタニア貴族の仕事だ」
「では、サムライもそろそろエスコートのやり方を学ぶ時期が来たということだな。ようこそ、我々の主催する社交界へ」

 出典: 鈴木貴昭「ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート2」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 マルタ島への緊急輸送任務に従事するブリタニア・リベリオン・扶桑の三国連合艦隊は熾烈なネウロイの攻撃を受け、扶桑以外の艦隊は壊滅状態になります。ブリタニア艦隊の司令長官バロー提督は、扶桑艦隊の司令長官井川提督に、輸送船を護衛してマルタへ向かうことを依頼するのですが、井川提督はネウロイへの防御を重視し、扶桑艦隊が盾になろうとします。結局、井川提督はバロー提督の依頼を受けるのですが、その際の2人のやり取りの一部です。
 輸送船(レディ、貴婦人)はマルタ島防衛の要なので、バロー提督の依頼はもっともな話なのですが、こういった戦場でもユーモアを忘れないのは、さすがブリタニアというか英国らしい話のように思います。そして、それに合わせる井川提督も、史実の三川提督らしい会話でいかにもそれっぽいなと思いました。

駄弁者:
 レディの護衛を「任じゃない」なんて言ってるから、ガのつく島で飢えたりするんですよ。…扶桑じゃなくてこっちの世界の話ですが。



ミノフスキー粒子が取り払った距離は心の距離です
相手が血を流しのたうちまわるのを目の当たりにしなければならない…
この戦争は…
地獄の始まりです
国益や経済が発端であっても
個人同士の憎悪と…
憎悪と狂気にたやすく…
たやすくすり替わってしまう…
兵士とはいえ怒りがなければ知り合いに引き金は引けない
人の心をなくした殺人マシンにならなければ
この戦争で生きて勝ち抜く事は出来ない…
   イシュタム
我々は死の女神を相手に
殺し合わなければならないッ!!

 出典: 飯田馬之介「機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム 3 ブリティッシュ作戦Seene-11」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
前回に続いて今回もガンダムから、なんですがこの作品ガンダム好きじゃなきゃ知らないでしょねぇ。
さてこの作品機動戦士ガンダムとタイトルについていますがガンダムは出てきません。
というか出てくるのはザク1とザク2のみ。 何故かというと話のタイトルにある通りブリティッシュ作戦を題材に書かれているから。
(そもそもザク2が新型って呼ばれてる頃)
ちなみにブリティッシュ作戦が何か分からない人はガンダムのアニメ冒頭のスペースコロニーが落ちてくやつです。
 さて上記の文句は地球に向かっているコロニーに不時着してしまい、ここから逃げその上コロニーを破壊するため一つ目と戦いに行く味方に向かって主人公が言った台詞の後半部です。
(主人公は直前の一つ目との戦闘[こっちは宇宙服]で重傷、行動不能に)
しかしMS対宇宙服しかも相手の能力は未知数、絶望的ですね。

駄弁者:
 後の戦争で「相手がザクなら」という言葉が出るあたり、ミノフスキー粒子だけではまだ心の距離は十分縮まらなかった模様です。
 ニュータイプに覚醒して心の距離がゼロ近くになっても、まだ殺し合いを止められなかったあたり、未来の別の主人公が絶望してそうですが…。



「今週のビックリメカだよ!」
「んじゃこっちも」
「おやそうかい、秘密兵器だね。いったいどんな武器だい? 殺人光線かい? それとも超高性能爆弾かい?」
…(中略)…
「それがほんとは何にも無いの」

 出典: 原田益次脚本「ヤッターマン 第18話『赤ちゃんパンダが生まれるコロン』」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、タイムボカンシリーズ第2作からの名文句です。
 ヤッターマンとのメカ戦で小型メカを発進させたヤッターワンに対し、自信満々な様子を見せるボヤッキー。
 こちらの隠し玉はいったい何かと期待するドロンジョでしたが、ボヤッキーの答えは無情にも…

駄弁者:
 オチも無かったのか。ある意味ビックリです。



「我々は君たちの姿に似せて変身できる。誰にでも変身できるのだ。怖がることはない。君の友人は安全だ」

 出典: レイ・ブラッドベリ原案・ハリー・エセックス脚本・ジャック・アーノルド監督「IT CAME FROM OUTERSPACE(それは外宇宙からやって来た)」(池村正志訳)

紹介 :ゴジリスト中小路 様
HP :

コメント:
 ずいぶん以前に紹介した1950年代のアメリカSF映画(第219集)より。先日久々にビデオ(古っ!)を再見したらツッコミを入れたくなるような台詞を見つけたもので…。
 町外れの荒野に落下したのは隕石ではなく、不時着した異星人の宇宙船だった。異星人は町の住民を次々と誘拐し、催眠術で操り、船の修理作業を手伝わせる。また、誘拐を悟られないように、住民そっくりの姿に変身した者を町に潜伏させていた。しかも、その変身した連中が修理の為に必要な工具やパーツを町の雑貨店や電気部品店から盗み出しているらしい。で、上記投稿の文句だが、これは電話会社の配線工ジャックに変身した異星人が、同じく配線工のフランクに対して言った台詞。直感で「こいつは人間じゃない」と恐れるフランクに、穏やかな口調で話しかけている……いやいや、ちょっと待って下さいよ。代わりに変身して潜り込む奴がいるなら、そもそもそいつらが修理作業すればいいんじゃないの? それに催眠術を使えるなら、その催眠術で町の人に工具やパーツを買ってきてもらえば済むじゃないの。なんでわざわざ盗むかなぁ。そぉやってヘタな小細工するから、賢い主人公や保安官にバレてモメるんでしょうがな。この異星人、よぉ〜く考えるとマヌケである……と、ここまでツッコミ倒すとストーリーそのものが成立しなくなってしまうか。ブラッドベリ御大とそのファンには申し訳ない。尚、翻訳者はWOWOW放送時の日本語字幕担当者の名を明記した。

駄弁者:
 町の雑貨屋や電気屋でそろう部品で修理できる宇宙船というのも、すごいようなすごくないような。…ひょっとしてサドル、要ります?



礼には及ばねえよ。
…これだけの中から、たった二人しか助けられなかったんだからな。

 出典: 「インフィニティガントレット 第1話」  『マーヴルクロス』第2号に収録

紹介 :ぴこぽん 様
HP :

コメント:
 サノスが全宇宙にもたらした未曾有の天変地異「全宇宙の半分の生命を消し去る」。
 たまたま街にいたX-MENのウルヴァリンは、崩れ落ちるビルから間一髪で母子を救い出した。
 感謝の言葉を告げる母親に、地上で最も獰猛なミュータントの戦士は、ガレキの山とその下にいるであろう何百人かを見てこう答える。
 これまで幾度となく世界の、地球の、時には宇宙の、人だけでも何十億もの命の危機を救ってきた彼のアダマンチウム骨格の両手は、この驚異の前に、尊い二つの命を救った…。

駄弁者:
 セリフの時点でウルヴァリンは全宇宙の半分の命が消えたことを知っていたんでしょうか。
 ガレキの下の数百人の、さらに向こうに見える何十億の命を考えれば、いくらタフで獰猛な精神の持ち主でもまいってしまいそうに思えます。



「だいたいな、どんな集団でも、仲が良すぎるのは考えモノだぜ。みんなが同じ方ばかり見ていたら、万が一に道を間違えた時でも、そのまま突っ走っちまう。だからヘソ曲がりが、一人くらいはいねぇとな」
「ヘソ……曲がってるつもりはないんですけどね」
「あったりまえだろうが。自分のヘソの具合まで承知してるヤツぁはそうそういねぇし、いたら気持ち悪ィ」

 出典: 朱川湊人「ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 276集に投稿のあるウルトラマンメビウス「無敵のママ」のノベライズより
 GUYSの食堂のおばちゃん日の出サユリは怪獣の攻撃で崩れかけたビルから取り残された子供を助け、命を落とす。その知らせを受けたGUYS隊員は涙ながらに彼女を称えるが研修隊員ハルザキカナタは苦言を呈する。たくさんの子供を持つ身の素人が危険な行動に出るべきではなかったと言うのだ、というのも彼自身幼少の頃に父を亡くし、母は心を病んで意識が父との恋人時代まで後退し自分を認識してくれなくなってしまい遺された子供の辛さが身にしみていており口に出さずにはいられなかったのだ
 その言葉は他の隊員の反感を買う、サコミズ隊長が「人の意見はそれぞれである」「日の出さんが子供たちに注いだ愛情はきっと生涯残り続けている」という言葉で取りなしその場は収まるもカナタはそれは理想論で人はそんなに強くはいられないと考える
 その後日の出サユリは奇跡の蘇生をする(GUYS基地攻略を狙う宇宙人の策略)がカナタと他の隊員の関係はギクシャクしたままになっていた。元気のないカナタを見て話を聞いたアライソ整備長とカナタの会話。アライソは人間いつかは人の意見をぶっちぎってでも自分を通さなきゃいけない時がくるもので他人とぶつかったくらいで落ち込んでたらやっていけないと言う
 確かにGUYSは仲が良すぎる気がします(でも序盤のMATやTACみたいのも勘弁)

駄弁者:
 自分が少数派のヘソ曲がりであることを自覚して、なおヘソ曲がりでい続けるというのは、とてもしんどいことだと思えてしまうのですが…。
そう思うのは、私が仲が良すぎるほうに走ってしまうタチだからで、ヘソを曲げずに自分の考えを曲げるほうがしんどいと思うからこそ、貴重なヘソ曲がりになれるのか。



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