SF名文句・迷文句第324集

名文句トップに戻る

第323集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第325集を見る


94式北海黒竜王V、 @DoomDrakeV
@nk12 最近、犬溶接マンの話を職場のおばちゃんがたにしてしまったことがあったんですが、「ひどいね」の一言で切り捨てられました。あれは知識以前の問題でした。

海法 紀光 @nk12
@DoomDrakeV や、俺も、予備知識無しで、急に犬溶接マンと聞かされたら「ひどいね……」としか言えないかもしれませぬ。難しいところですね!

 出典: 黒竜王V/海法紀光twitter

紹介 :黒竜王V 様
HP :

コメント:
 近頃ツイッター上において話題沸騰のアメコミ「ヒットマン」。
 そのきっかけというべきヒーロー、犬溶接マンについての自分と翻訳者の先生とのやりとりです。
 あまりにひどいのでつい人に話したくなる、こまったものです。

駄弁者:
 ひどいのですが、他に出てくるのが「変態性欲マン」「酔って酒瓶で頭を殴るマン」だと聞くと、まだマシに思えてくるのがまた、こまったものです。
 それそうと、おばちゃんにその話をする経緯が、ちょっと想像つかない(笑)



キリー・ギャクレー自伝「ブロンクスの狼」第一章
俺には何もなかった

 出典: 首藤剛志脚本「戦国魔神ゴーショーグン」

紹介 :土左衛門 様
HP :

コメント:
 グッドサンダーチームのキリーは、戦いの合間を縫って自叙伝を執筆していました。
 文字通り何もないスラムの貧困の中から、腕一本で暗黒街でのし上がり、「ブロンクスの狼」と異名をとった彼ですが(グッドサンダーチームに入ったのも警察の目をくらますため)、最終回のエピローグによるとこの自伝がさっぱり売れなかったらしい(笑)
 運だけじゃなくて文才もなかった、という首藤さんらしい皮肉なオチでした。

駄弁者:
 wikipediaによると売れなかった結果、ブロンクスでホットドッグを売って糊口を凌ぐことになったとのこと…。自伝は何回も改訂版が出ている様子ですが、改訂版の終章は「やはり、俺には何もなかった」の言葉で締められているんじゃないでしょうか。



もちろん好きにしていいよ、金は好きにするといい。それにその金は必要にもなる
…(中略)…
二度と仕事ができないようにするんだからね

 出典: ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(黒丸尚訳)

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 革命的サイバーパンク『ニューロマンサー』冒頭から。
 数年前までやり手のクラッカーとして活躍していた主人公ケイスが、それまで描写されていたように千葉シティのどん底ではいずりまわっている理由になった「雇い主」の言葉です。
 まあ非はケイスにあるのですが、確かに私も、ただ殺されるより両手斬られる方がいやかもしれないなどと不思議なことを想ったものです。

駄弁者:
 報酬でもなく憐れみさえでもなく、皮肉と嫌味で金をもらってもなあ…。



人間はな、本能より煩悩だ!

 出典: 吉田玲子脚本「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 第24話『宇宙に散る花』」

紹介 :陸ドム 様
HP :

コメント:
 主人公たちの乗っているロボットは、パイロットの攻撃本能を増幅し、戦闘能力を高めます。しかし高まりすぎた本能は人格を塗りつぶし、まるでマシンに操られるように人格が変わってしまうという副作用があります。
 投稿の台詞は主人公の人格が変わった際、仲間がこれでもかと総ツッコミして正気に戻した後、仲間の一人が言った言葉です。
 でも主人公が強敵と戦う際に、絶対帰ってくるとかっこいい事言って決意表明した後に「ヒーローになりたい」と言って結局それかよ!と突っ込まれていたり

駄弁者:
 前に、嫉妬をエネルギー源にしているロボットアニメからのご投稿があったのを連想しましたが、パイロットの本能を操作するのと、それをエネルギー源にするのとはちょっと違うか…。
>本能より煩悩だ!
 けど煩悩って、本能から発生するんじゃないんだろうか。



「人が安心して眠るために」

 出典: 富野由悠季総監督「∀ガンダム 第49話『月光蝶』」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 ガンダムシリーズでファーストと同じぐらい好きな∀ガンダムより。
 19世紀のレベルにまで文明が退行した地球に月の少年が素性を隠して、月と地球の戦争を止める為に戦うという。
 地球を愛する異邦人(異星人)がその能力で地球の為に戦うという構造が…多分意図せずに(富野監督はウル○ラセブンを知らないらしい)ウルト○マンに似ていると思っていました。
 これは、最終回の一つ前のラストのシーンで、ついに主人公ロランが∀ガンダムに搭乗し、地球で暴れまわるギンガナム艦隊のターン]に向かっていくシーンの台詞で、まあぶっちゃけるとウルトラ○ンの戦う理由としてこれ以上の台詞はないんじゃないかなと…。

駄弁者:
 私にとっては、ガンダムシリーズで一番よく知らない作品じゃないかと思います(いや、宇宙世紀外はよく知らないものが多いんですが)。福井晴敏の小説などが出ていたので、読んでおけばよかったかな…。
>ウル○ラセブン
 あのヒゲはアイスラッガーだったのか!(そういうことじゃない)



だがそれでも、われらはいま、汝らを友なる客人として歓迎する。われらの故郷へ入り来たれ、地球の姉妹たちよ。われらのトンネルに住まえ、われらの畑を収穫せよ。われらのなしえざることを、汝らはいま、われらの手となってわれらのためになす。花咲け、木々よ。実れ、畑よ。彼女らのために温かくあれ、諸太陽。彼女らのために豊穣なれ、諸惑星よ。彼女はわれらの養女なれば、いま故郷へもどってきたのだ。

 出典: オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム[新訳版]」(田中一江訳)

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 新規ご投稿の受付を休止中なのですが、せっかく「エンダー」映画公開中ですし、「SF名文句・迷文句集ボット」でもカード作品特集をやっていただきましたし。
 投稿の文句については、あまり詳しく解説するのもネタバレぎみなのですが。映画のエンダーに聞かせてあげたい言葉です。



いちばんたいせつなのはね、自分の視点を手放して、正しい視点を身につける能力なのよ。

 出典: カリン・ボイエ「カロカイン」(冨原眞弓訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
非英語圏担当(自称)TWRから、スウェーデン作品をお届けします。
全体主義政府<世界国家>で、化学者として奉職するレオ・カール。
ある日彼は、政府の方針に反する発言を聞きとがめられ、告発状を受け取る。
もはやお先真っ暗、とばっちりが来るまえに離婚しようと慌てふためくレオを、諭す妻リンダ。
自分の思い込みだけでは世の中渡っていけないと言ってるんでしょうね。
実際に、この社会ではラジオの<謝罪の時間>で懺悔をすると、一応それ以上の追求はされないことになっています。
しかし、全体主義社会でこのようなセリフを聞くと、文字通り「自分を捨てろ」と言われているようで、おっかないものです。
あと、副題に国家と密告の自白剤とありますが、原著通り2000年の手記(Roman fran 2000−talet)の方が良いですね。

駄弁者:
 非英語圏担当に拍手喝采。
>自分の視点を手放して、正しい視点を身につける
 一見ごもっともな意見なんですが、手放した視点を任意に取り戻せるのかとか、正しい視点の「正しさ」とは誰が決めているのかとか考えるますとねえ…。



「安心した。」
「何が?」
「脚一本失っても立って歩いてやがる。
 篠原重工のオートバランスは逸品だよ。」

 出典: ゆうきまさみ「機動警察パトレイバー」(漫画版)

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 特車二課第2小隊の初陣。篠原重工のレイバー「クラブマン・ハイレッグ」を使ったテロリストと対峙する。野明は新型レイバー98式AV「イングラム」で格闘戦に持ち込み脚を一本もぎ取り、そのまま大田機も参戦してタコ殴りにして犯人を逮捕。
 4本脚のうちの1本を失い、更にその脚で殴られても倒れずに立っていられるイングラムと同じ篠原製の機体を見て後藤隊長はそのバランス機構の優秀さに感心する。イングラム納品前にクラブマンは事故を起こして(実際は不良品と称しての地上げ行為だったワケだが)篠原のオートバランスが問題視されていた事もあり後藤隊長は特注品だけでなく大量生産品の実際の性能を見て自分たちの機械も信頼するのでした。

駄弁者:
 テロの道具となったレイバーの動作を見て、自分たちの道具の信頼性を確認するとは、転んでもタダでは起きない…いや転ばなかったからタダにならなかったのか(笑)。



選ぶ道がなければ、迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった。

 出典: 安部公房「鞄」  『笑う月』に収録

紹介 :w1allen 様
HP :
http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

コメント:
 新潮文庫『笑う月』に収録されている超短編です。教科書にも載っているという話も聞いたことがあります。半年以上前に出した求人広告に対して、応募してきた青年と「私」を巡る会話が面白いです。青年は、鞄(―赤ん坊の死体なら、無理をすれば三つくらいは押し込めそうな―)と共にしか生活できないと言い、鞄が持てる地理的条件を絞って、この会社に来たのだと。最終的には、「私」は鞄を持って歩き、そこで言うセリフです。逆説的なレトリックがたまらないです。

駄弁者:
 前に「世界SF全集」の掲載作からのご投稿があったのですが、「逆説的なレトリック」という点では通じるものがあるように感じます。所有に所有されても、人造人間に使役されても、鞄に振り回されても、それを受け入れてしまえば自由と感じてしまう。錯覚というより、そんな制約がなければ自由を「自由」と感じられないのでは。



「これが、永の別れですか」
…(中略)…
「祖国の見納めというわけではない。我々は、必ず戻って来る。火星人を我々の祖国から一掃し、元の美しいドイツを取り戻すためにな」

 出典: 横山信義「宇宙戦争1943」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 火星人の侵略を受け、捲土重来を期して米国へと脱出を図るドイツ艦隊の旗艦「ティルピッツ」の艦長と航海長の会話の一節です。
 火星人の侵略に対処するために諸国との協力を図らざるを得ず、ドイツ艦隊は忍びがたきをしのんで祖国を捨て、米国へと脱出するのですが、この時に艦隊に乗り組んでいた海軍将兵の何人が生きて祖国の土を踏めたかを思うと、何とも言えない想いがします。そして、この会話を交わした艦長と航海長もまた。いわゆるフラグを立てる会話になってしまったのですが、実際に祖国の侵略に対処するためとはいえ、辛い決断だったろうと思います。

駄弁者:
 この本、読んだはずなのに印象に残っているのは太平洋戦争と被るシーンばかりで、ドイツやソ連が首都放棄を余儀なくされていたとか、全然覚えていませんでした。薄情なのか、年齢のせいなのか…。



気のどくに、なにも知らないスーパーマン!
紹介 :くうねるよむとぶ 様 → 第29集


現代は近未来である

 出典: 鈴吹太郎「トーキョーN◎VA THR AXLERATION」

紹介 :ギムレット 様
HP :

コメント:
 前回である第4版より十年、ついに版上げされたトーキョーN◎VA第5版のまえがきより。鈴吹先生曰く、人々のイメージしてる現代と実際の現在は数年前レベルでずれており、リアルタイムで現代を感じる人はほとんどいない。故にこう言えるのです。

駄弁者:
 このシリーズからの最初のご投稿は第4版のあとがきからですが、版上げして追い抜いていった「現代」をようやく抜き返したと思っても、さらに相手は近未来に行ってしまっている。いたちごっこですね。
 もっとも、テレビでは「ヤマト」と「ガンダム」をやっていて劇場映画は「ガッチャマン」…。現代の一部は近未来ではなく近過去な気が。



「なぜ彼はあんなものを?」
「コート?」
「そうだ」
「それとなく聖書のことをほのめかしているんでしょう」

 出典: デイヴィッド・ウィングローヴ「生ける闇の結婚(チョンクオ風雲録16)」(野村芳夫訳)

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 平行宇宙を通り抜ける<無空間航行機>で中心となる宇宙<パラダイム世界>にたどり着いたキムとK。が、追跡してきたディヴォアによって抹殺されてしまう。そしてキムの立場を引き継いだジョーゼフ・ジョーゼフスが中心になって物語が進んでゆきます(Kが名乗ったときにキムは「カフカ的」と言う言葉を発していますがジョーゼフまで出てくると更にカフカ的)。
 この世界では今までの登場人物がいろいろな立場で生きていた。
 この世界でジョーゼフと<パラダイム世界>のディヴォアとの決戦が行われるが、その手段がなんと仕手戦。
 お互い投機筋として株式市場の崩壊を仕掛けるディヴォアと、買い支えるジョーゼフ。
 そしてアメリカ政府首脳暗殺をもくろんだディヴォアによって訪中中のアメリカ大統領は暗殺されるが、ジョーゼフによってその他のアメリカ政府首脳は暗殺を免れ、米中戦争は回避、世界は崩壊の瀬戸際で踏みとどまる。
 ジョーゼフを倒すためにディヴォアがジョーゼフのオフィスに踏み込んだときに、ジョーゼフの秘書、エミリー・アッシャーに多彩な配色のコートを着た彼女のボスに会わせるように銃を突きつける。
 これは個人的な名文句です、ご勘弁のほど。
 というのも、ここを読んで「ジョセフと素敵な総天然色(テクニカラー)の夢衣」(「銀河ヒッチハイクガイド」冒頭で、フォード・プリーフェクトが持っていた台本)の元ネタが判明したからなんです(新潮版を読んで30年くらいたったかな)。
 一応説明しますとジョーゼフ(ヤコブの子・聖ヨセフ)は旧約聖書・創世記の登場人物で、ヤコブの老年期の子として生まれ、きらびやかな服を着せられるなど大事にされていたのを連れ子である10人の兄たちに疎まれ、奴隷商人に売り飛ばされるが、夢を解き明かす能力を生かして、最後にはエジプトの宰相となり、飢えに苦しむイスラエルを救ったとされています。

駄弁者:
>これは個人的な名文句です
 元ネタが分からなかったことをよく覚えていらっしゃったものだ、と感心してしまいます。私など、疑問に思ったことでもさらりと読み流してしまうもので(だからイーガンを読めるのかもしれない(笑))。



「イブはより『人間らしく』するために、あえて記憶に段階レベル)を設けてあるんだよ。つまりよっぽどインパクトのある事じゃない限り、1度では覚えないようになってるんだ。いろんな知識も最初からインプットする方がたやすいけど、あえて困難な道を選んだんだよ」
「な、何でわざわざ……!?」
「イブには学ぶ事の辛さや楽しさ、そしてできた時の達成感……。そういうものを知ってほしいからね」

 出典: やぶうち優「EVE 少女のたまご」

紹介 :るーしー 様
HP :

コメント:
 以前にも投稿した、アンドロイド少女の学園漫画からの名文句です。
 テストで好成績を収めたイヴに反感を覚えた同級生・正午。
 イヴの家を訪問した彼は、内藤博士からイヴが人間同様くり返し学習する事で記憶・学習していく事を伝えるのでした。
 そのやり取りが今回の名文句です。

駄弁者:
 つまり「人並みなんだよこいつの頭は!」ということですか。あとは覚えたことを都合よく忘れたり改変したりできたら完璧ですね。



「チェインバー、検索だ。ガルガンティアで俺がつける職務を」
「検索完了、該当なし。」

 出典: Production I.G制作「翠星のガルガンティア」

紹介 :クロスケ 様
HP :

コメント:
 撤退中のワープ事故で見知らぬ地へ乗機「チェインバー」と共に流れ着いた少年兵レド、そこははるか昔に氷に閉ざされたと思われていた人類発祥の地「地球」だった。
 いままで「人類銀河同盟」の兵士としての生き方しか知らなかったレドは「船団ガルガンティア」で生活する人々と出会い、交流を重ね地球の非効率的な文化に困惑しながらも打ち解けていく。
 レドはガルガンティアの一員としてチェインバーを使ってではなく自分自身の力で働きたいと考え自分に出来る仕事を地球の言語の分析・翻訳をさせているチェインバーに検索させるが……
 まあ「該当なし」なのは雇用状況のデータがなかった為なのですけど
 「お仕事もの」が基本コンセプトのひとつの本作。もし就職活動中に検索をして0件だった日には…働き口を探して奔走し、自分に出来ることを悩むレドに自己を重ねる視聴者も少なからずいたかもしれません。

駄弁者:
 氷に閉ざされていたはずの地球は、実は海面上昇していてずいぶん温暖な感じですが、主人公にとっては「氷河期」でした、というオチ?



透明な真珠のように 宙に浮く涙

 出典: 松本隆作詞・菅野よう子作/編曲「星間飛行」  『マクロスフロンティア』挿入歌

紹介 :めざせバイオロジィマスター 様
HP :

コメント:
 これ歌詞の一部なのでJASRAC大丈夫かな……?
 曲の中でも非常にセンス・オブ・ワンダーを感じた箇所。さりげなく宇宙での無重力を示している。ヤックデカルチャー!
 原曲はランカ・リー(中島愛)が歌い、反乱を起こしたゼントラーティ(超古代文明プロトカルチャーによる遺伝子操作を受けて生まれた、戦闘用の巨人族)を感動させ、反乱をおさめた。
 王道といえる曲調は、宇宙へ移民を送る時代のポピュラーソング、銀河をかけるアイドルの代表歌に相応しい。
 歌で戦争を止められるかもしれないと、作詞者が初めて思った歌らしい。
 ここでの投稿は少ないが、マクロスシリーズはメカの魅力、人間ドラマもさることながら、宇宙戦争、ファーストコンタクト、バイオテクノロジーに超古代文明のロストテクノロジー、さらにはサイボーグ技術にAIの反乱、オーバーロード的存在に多世界解釈、独特のワープとSFギミック満載でSFファンなら一度は触れてみるべきだと思う。

駄弁者:
 マクロスフロンティア関連でよく出てくる「キラッ」って、この曲の歌詞(と振り付け?)だったんですね(知らんかった)。いかにもアイドルソングらしい歌詞と曲調で、古いのしか知らない私は初代マクロスを思い出しました。



「このままだと本当に世界は滅びますよ」
「まあ正妻争いで世界を滅ぼした男と語り継がれるのも男の本懐かもしれませんが」
「んなワケあるかあ!!」
「実際もう本官の時代の教科書にはそう書かれてますがね」

 出典: なめこ印原作・長谷川光司漫画「俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 3」

紹介 :山家 様
HP :

コメント:
 正妻争いで世界を滅ぼした男と語り継がれるのは男の本懐ではないでしょうね、全く。
と私も主人公に同意しました。しかし、このままいくと未来の歴史の教科書に主人公は正妻争いで世界を滅ぼしたと載ってしまうわけで。世界を救うために奮闘し、その結果、世界を救ってめでたし、めでたしのはずが、それによってその世界のヒロインに好意を持たれて、主人公の正妻になるのは私とヒロインに押しかけられ、それが積もり積もって、ヒロイン同士の正妻争いの結果、主人公の世界が滅ぼされるとは、しかも、それが歴史の教科書に載ってしまうなんて。
 本当に泣くに泣けないというか、何とも言えないというか、主人公の心情を思うと救われないなと思いました。

駄弁者:
 男をめぐって女が大戦争を起こしたことが史実となっている世界でも、やっぱり浮名もうけは男の本懐で、夫一人正妻一人が原則なんだろうか。
 ライトノベルってキャラ設定が過激なわりには、キャラが生きている世界のジェンダーとか倫理観は保守的な気がします。



「でも、電話機って、ただ電話線につないだってだめなんでしょう?電気盗むみたいにさ」
「隊長。盗電たあわけがちがうんでさ。それに、隊長はぜんぜんわかってないね。ここから地球だの火星だのに、電話線がひいてあると思ってるのかね?」

 出典: 光瀬龍「ホットライン殺人事件」  『宇宙航路2 猫柳ヨウレの冒険<激闘編>』に収録

紹介 :冬寂堂 様
HP :

コメント:
 前回投稿しました猫柳ヨウレ。その続編から投稿します。
 探検隊も解散し、テンデンバラバラになってしまった彼らですが、その後ルナ・シティで、伝言メッセージ会社を始めていたヨウレの元にどこをどうまちがったのかルナ・シティの市長になっていたトラコと再会。その後、いろいろあって他のメンバーとも合流したヨウレたちは再び大騒動を引き起こします。
 投稿した台詞は、市長選用のホットラインの電話を盗まれた。ヨウレとトラコのやりとりで、結局ヨウレはホットラインの捜査を引き受けます。
 それにしても、盗電って…。この作品が発表されたのが1984年ですが、それでも古い!もしかして、東京タワーならぬルナ・タワーが建設中だったりして(笑)

駄弁者:
 「電話線」云々にも時代を感じますが、これはまあ1984年の感覚としてはやむをえないか。電話というのは、書かれた当時と今とで最もイメージに差があるものの一つじゃないでしょうか。



「地球は人間のエゴ全部を呑み込めやしない!」
「人間の知恵は、そんなもんだって乗り越えられる!」
「ならば、今すぐ愚民ども全てに英知を授けてみせろ!」

 出典: 富野由悠季原作・脚本・監督「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

紹介 :猫玉 様
HP :
http://ameblo.jp/puneko

コメント:
 機動戦士ガンダム以来、赤い変態と親にも殴られた事もなかった若造…いや、シャアとアムロの確執の最終局面を描いた映画です。
 シャアがネオジオン総帥になり、地球を粛清する為にアクシズ落としを企む、アムロやブライトの所属するロンドベル隊がそれを阻止しようと…。
 そんな、シャアとアムロが偶然出会い、取っ組み合いの喧嘩をしている時の台詞です。
 シャアの言い分が正しいからといって、その行為が肯定される訳ではないのですが、それでもシャアの発言が根源だと思わないでもありません。
 多くの人々にあることを伝える為に単純化した感情論で啓蒙したりとか。

駄弁者:
 アムロもシャアも、理想の方向が違うだけで空論であることはどっちもどっちという気がします(前集のご投稿のときのアムロのほうが大人ななんじゃないか?)。
 結局この二人、なんだかんだ理屈を言いつつも自分たちのケンカの決着をつけることの方が重要だったのでは。



「ウイルスの罹患率は八〇%で致死率は七〇%、さらに潜伏期間は二週間……」
「お前、よくそんな凶悪な設定を思いつくな」

 出典: 鷹見一幸「時空のクロス・ロード ピクニックは終末に」

紹介 :へんな毒 様
HP :

コメント:
 この前紹介した時空のクロスロードから、駄弁者さんが水疱瘡へのツッコミを入れてらしたのでその言い訳を一つ(笑)
 状況は崩壊した世界から一旦帰ってきた主人公が向こうの世界の避難キャンプを襲おうとしてる連中と戦う方法を考えだす為、友人2人に手伝って貰うのにゲームのシナリオ大賞に応募するからと説明し世界設定を話しだすシーンから、実際の水疱瘡の感染率もこの位らしいです。この罹患率と潜伏期間だと発症する前はくしゃみや微熱くらいで、そこら中にウイルスを撒き散らすし死亡率も高いので発症すれば隔離も手遅れのうえ、高確率で医者が感染死亡し何より今夜寝床に入った人間の半分が翌朝起きてこないという事態になり社会基盤が崩壊しパニックが起こり滅びの道を歩み始めるということらしいです。ウイルス耐性やワクチンて重要なんですね〜

駄弁者:
 実際の水疱瘡の高い罹患率は、生まれてからある程度成長するまでの年単位の期間に罹る率だと思うので、致死率と潜伏期間が短ければ、それに応じて罹患率は下がるんじゃないでしょうか…。
 しかし、最近チラ見した『人類が滅亡する6つのシナリオ』(河出書房)では、真っ先にスーパーウィルスによる危機がとり上げられていましたし(水疱瘡ではなくインフルエンザでしたが)、荒唐無稽と笑ってはいられないのかも知れません。



“X”はよりふくざつな人間的思考能力をもつ、新しいタイプのロボットである
しかし、この能力は、非常に危険なものでもある。もし“X”が「ロボットは人間をきずつけてはいけない」というロボット工学の原則を自らの意思でやぶったならば、おそらく何者も彼をとめることはできず、結果は恐ろしいものとなるだろう。
…(中略)…
このカプセルは、彼の安全性をたしかめるまで、彼の内部こうぞうを、検査してくれるものである。
そのときまで、どうかカプセルをあけないでもらいたい。“X”は無限の可能性とともに無限の危険性をもはらんでいる。私はたださいりょうの結果をのぞむのみである。

 出典: カプコン製作「ロックマンX」

紹介 :津雲 葉兼 様
HP :

コメント:
 始めまして津雲 葉兼(つくもはがね)と申します。以後お見(?)知りおきを。
 この文句はオープニングで表示される。ライト博士の遺書からです。
 第241集のX8の名文句への駄弁者様のコメント同様、彼も「お前(X)のような極めて自分たちに近いものを受け入れるには、人類はまだ幼すぎるのかも知れん。」(本作のリメイク版「イレギュラーハンターX」の回想シーンより)と語っていたのが印象的でした。
 なお、「おそらく何者も彼をとめることはできず」のくだりで、なんて自信過剰なと突っ込まれるかもしれませんが(私も一瞬そう思いました)、世界を救えるロックマンを家庭用お手伝いロボットをベースに作れるライト博士なら許されるのでは。

駄弁者:
>ロボット工学の原則を自らの意思でやぶったならば…
 元々の3原則からして、思考能力の高いロボットにとっては「人類を傷つける可能性がある場合は個々の人間を傷つけても可」という形で乗り越えてしまえるようなモノですから。
 機械の内部構造に問題がなくても、安全性が確保されることはないような気がします。



名文句トップに戻る

第323集を見る 感想を書く(文句toめい文句) 第325集を見る